JP4693267B2 - ガス分離フィルタ用無機多孔質体およびガス分離フィルタ並びにその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種のガスを含有する被処理ガス中から特定ガスのみを選択的に透過して分離できるガス分離フィルタ用無機多孔質体に関し、特に、耐湿性および耐熱性に優れたガス分離フィルタ用無機多孔質体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、無機多孔質体を用いたガス分離フィルタが検討されており、例えば、特開平1−281119号公報では、SiO2−ZrO2系ガラス膜を用いたガス分離フィルタが記載され、また、特公平7−94326号公報では、Siアルコキシドに対して、ポリエチレングリコール等の有機高分子を分散させた溶液を加水分解してゾル化した後、Zrアルコキシド溶液を添加、混合して加水分解することによって、再現性よく細孔半径5〜10Åの細孔を有し、かつガラスの黒化を抑制できることが記載されている。
【0003】
さらに、本出願人は、特開平10−151329号公報にて、SiアルコキシドにZrアルコキシドを添加して複合化した後、Siアルコキシド1molに対して、100mol以上の水で加水分解することによって、細孔径が6.0〜6.8Åの無機多孔質体を得ることができることを提案した。
【0004】
一方、SiO2非晶質多孔質体からなるガス分離膜は、特に100℃以下で細孔内に水分が付着して細孔径が変化する等耐湿性が低く、耐湿性の向上が求められており、耐湿性向上を目的として多孔質体中のZrO2の含有量を増すことが検討されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平1−281119号公報では、Siアルコキシドと、Zrアルコキシドと、塩酸水溶液およびエタノールを単純に混合しているため、SiアルコキシドとZrアルコキシドとを複合化することができず、記載はされていないもののZrO2が単独で沈殿する等によって、多孔質体(ガラス膜)が不均質となる結果、多孔質体の細孔径が大きくなってガス分離性能が低いものであった。
【0006】
また、特公平7−94326号公報のSiアルコキシドにポリエチレングリコール等の有機高分子を添加して加水分解した後、Zrアルコキシドを添加して加水分解して有機高分子を消失する方法では、高分子を加熱により消失して分解揮散するのに時間がかかったり、部分的に分解ガスが発生する等により、多孔質体中にピンホール等の欠陥が発生する恐れがあった。また、ゾル溶液中に有機高分子を添加すると、溶液の粘度が高くなってしまい、薄く、均一な厚みの多孔質膜を形成することができず、ガス透過性能が低下するという問題があった。さらに、かかるSiO2系多孔質ガラス膜は、上述したように耐湿性が低く、また、Siアルコキシド1molに対して、Zrアルコキシドの添加量を0.3mol以上に増すと、アルコキシドの均質性が損なわれて不均質な多孔質体となり、ガス分離性能が低下してしまうという問題があった。
【0007】
さらに、特開平10−151329号公報のSiアルコキシドとZrアルコキシドとの複合化した溶液に、Siアルコキシド1molに対して、100mol以上の水を添加して加水分解する方法においても、上述したように耐湿性が低く、Siアルコキシド1molに対して、Zrアルコキシドの添加量を0.3mol以上に増すと複合アルコキシドの均質性が損なわれて不均質な多孔質体となってしまうためにガス分離特性が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は記課題に対してなされたもので、その目的は、SiO2とZrO2とを含有し、ガス分離に適した微細孔を有するとともに、耐熱性および耐湿性の高いガス分離フィルタとして好適なガス分離フィルタ用多孔質体およびその製造方法並びにそれを用いたガス分離フィルタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題に対し、Siアルコキシドに対するZrアルコキシドの添加量を高めつつ、両者を均一に複合化する方法について検討した結果、Siアルコキシド溶液1molに対して、エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールを添加したZrアルコキシド中のZrが0.6〜3molの割合となるように添加して複合化し、複合アルコキシドを作製した後、該複合アルコキシド中のSi1molに対して、1〜30molの水を添加して加水分解することにより、加水分解ゾル内のSiとZrの均質性、分散性を高めて、均質で微細孔を有するとともに、Zrの含有比率を高めて耐熱性および耐湿性の高いガス分離フィルタ用として好適な多孔質体を作製できることを知見した。
【0010】
すなわち、本発明のガス分離フィルタ用無機多孔質体は、SiO21molに対して、ZrO2を0.6〜3molの割合で含有するとともに、2θ=10−70°の範囲でのX線回折チャートにおいて認められる主ピークに対して、該主ピークの高さHに対する高さが0.1H以上のピーク数が前記主ピークを含めて2本であり、かつ平均細孔径が1.5nm以下であることを特徴とするものである。
【0011】
ここで、前記X線回折チャートによって認められる前記ピークの半価幅が5°以上であること、前記主ピークのピークトップ値が2θ=25〜33°であることが望ましい。
【0012】
また、本発明のガス分離フィルタは、多孔質支持体の表面に、上記無機多孔質体を0.05〜5μmの厚みで被着形成してなることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明のガス分離フィルタ用無機多孔質体の製造方法は、(a)Siアルコキシド溶液中のSi1molに対して、エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールを添加したZrアルコキシドをZrが0.6〜3molとなる割合で添加し複合化して複合アルコキシドを作製する工程と、(b)該複合アルコキシド中のSi1molに対して、1〜30molの水を添加して、前記複合アルコキシドを加水分解して前駆体ゾルを作製する工程と、(c)該前駆体ゾルを乾燥した後、350〜700℃の温度で焼成する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0014】
ここで、前記工程(a)において、前記エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールに溶解したZrのアルコキシド溶液中のZr1molに対して、さらに、β−ジケトン、アセト酢酸エステルおよびカルボン酸無水物の群から選ばれる少なくとも1種を0.01〜1molの割合で添加することが望ましい。
【0015】
また、本発明のガス分離フィルタの製造方法は、多孔質支持体の表面に、上記工程(b)で作製された前駆体ゾルを塗布して乾燥した後、350〜700℃の温度で焼成することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のガス分離フィルタ用無機多孔質体は、SiO21molに対して、ZrO2を0.6〜3molの割合で含有するとともに、2θ=10−70°の範囲でのX線回折チャートにおいて認められる主ピークに対して、該主ピークの高さHに対する高さが0.1H以上のピーク数が前記主ピークを含めて2本であり(図1参照)、かつ平均細孔径が1.5nm以下の細孔を多数の有することを特徴とするものである。
【0017】
すなわち、SiO21molに対するZrO2の含有量が0.6molよりも少ない場合は、多孔質体の耐熱性および耐湿性が低下し、高温に加熱すると変質して細孔径が変化してしまったり、被処理ガス中に水蒸気が含まれる場合や水分を含有する雰囲気中に曝された場合にガス分離フィルタの細孔径が変化してガス分離特性が変化してしまう。逆に、SiO21molに対するZrO2の含有量が3molよりも多い場合は、ZrO2の凝集等が生じて多孔質体が不均質となり、多孔質体中にピンホール等の欠陥が発生してガス分離特性が低下する恐れがある。
【0018】
また、2θ=10−70°の範囲でのX線回折チャートにおいて認められる主ピークに対して、該主ピークの高さHに対する高さが0.1H以上のピーク数が前記主ピークを含めて1本以下である場合は、SiやZrのネットワーク形成(結合状態)が不十分であり、多孔質体の耐熱性および耐湿性が低下し、逆に、前記主ピークの高さHに対する高さが0.1H以上のピーク数が前記主ピークを含めて3本以上である場合は、SiO2とZrO2との均一分散性が損なわれて多孔質体が不均質となり、多孔質体の細孔径が所望の範囲から逸脱する。
【0019】
ここで、本発明によれば、本発明のガス分離フィルタ用無機多孔質体について、そのX線回折ピークの例について示した図1に示すように、X線回折チャートによって認められる前記ピークの半価幅が5°以上、特に10°以上のブロードピークであることが、SiO2とZrO2との均質分散性を高めて多孔質体の耐熱性および耐湿性を高めるために望ましい。
【0020】
また、本発明によれば、SiO2とZrO2との均質分散性を高めるとともに、耐熱性および耐湿性を高めるため、前記主ピークのピークトップが2θ=25〜33°であることが望ましい。
【0021】
さらに、多孔質体の平均細孔径が1.5nmよりも大きいと、分子径が1.5nm以下、特に0.3〜1.0nmの分子径を有する特定ガスのみを選択的に透過させるガス選択性が低くなり、ガス分離特性が低下する。なお、多孔質体中の平均細孔径は、例えば分子径が0.5nm以下の小さい分子径を有するガス種を分離するためには、特に0.3〜0.55nm、さらに、0.3〜0.5nmであることが望ましい。
【0022】
また、上述した多孔質体は、多孔質支持体の表面に、0.05〜5μm、特に0.05〜1μmの厚みで被着形成した複合多孔質体からなるガス分離フィルタとすることにより、より高いガス分離特性とすることができる。
【0023】
(製造方法)
次に、上述したガス分離フィルタ用多孔質体を製造する方法について説明する。
まず、(a)アルコールに溶解したSiアルコキシドを準備する。
【0024】
Siアルコキシドとしては、テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシランの他、トリアルコキシシラン等を好適に使用でき、特にテトラアルコキシシランとトリアルコキシシランとを混合することが多孔質体の平均細孔径の制御の容易性の点で望ましい。
【0025】
前記トリアルコキシシランとしては、Siの側鎖にメチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基等の炭化水素基等の有機官能基が直接結合したものであり、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等が挙げられ、特に細孔径を容易に精度よく制御でき、テトラアルコキシシラン(他のアルコキシシラン)やZrアルコキシドとの複合化が良好にできる点で、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシランおよびエチルトリエトキシシランの群から選ばれる少なくとも1種が好適である。
【0026】
また、上記Siアルコキシドをアルコールに溶解する。本発明によれば、多孔質支持体とのなじみの良さ(濡れ性)、ゾル溶液をディッピング等によって多孔質支持体表面に塗布する際、素早く乾燥できて液だれ等がなく膜厚が均質化できる点、シリコンアルコキシドの溶解性の点、環境に対して無害であり取り扱いが容易である点からは、メタノール、エタノールおよびプロパノールの群から選ばれる少なくとも1種の低級アルコールを用いることが望ましく、特に、多孔質支持体との濡れ性、比較的早く蒸発でき、かつ粘度が低いことから成膜した際に液だれ等が生じることなく均一な膜厚の多孔質体を作製できる点で、エタノールを用いることが望ましい。
【0027】
さらに、Siアルコキシドは、Zrアルコキシドとの複合化を均一化する点で、SiアルコキシドのSi1molに対して、1〜3molの水と0.01〜0.1molのHNO3やHClを添加して部分的に加水分解しておくことが望ましい。なお、Siアルコキシドとして、上述した2種(テトラアルコキシシランとトリアルコキシシラン等)を用いる場合には、細孔径制御の点でテトラアルコキシシランに対して部分加水分解処理を施すことが望ましい。
【0028】
一方、Zrアルコキシドとしては、テトラエトキシジルコニウムやテトラプロポキシジルコニウムおよびテトラブトキシジルコニウムの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、比較的加水分解速度が遅く、Siアルコキシドとの複合化が容易である点で、テトラエトキシジルコニウムもしくはテトラプロポキシジルコニウムを主とすることが望ましい。
【0029】
また、本発明によれば、上記Zrアルコキシドに対して、エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールを添加することが大きな特徴であり、これによって、Zrアルコキシドの反応性を低下せしめて、より均一にSiアルコキシドとの複合化、分散性を向上させることができる。
【0030】
すなわち、Zrアルコキシドに対して、エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールを添加しないと、ZrアルコキシドのSiアルコキシドに対する分散性が低下してしまい、単独で沈殿する等により多孔質体が不均一となったり、前記沈殿によって多孔質体中に大きな粒子が析出してしまい、多孔質体の平均細孔径が1.5nmを越えたり、ピンホール等の欠陥が生じてガス分離特性が低下してしまう。
【0031】
また、Zrアルコキシドの溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールの群から選ばれる少なくとも1種を用いてもよく、または2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のエチレングリコールモノアルキルエーテルおよびジオールを溶媒として用いることもできる。なお、ZrアルコキシドのZr1molに対するエチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールの添加量は総量で1〜50molであることが望ましい。
【0032】
さらに、SiアルコキシドとZrアルコキシドとの複合化をより促進するために、上記Siアルコキシド溶液とZrアルコキシド溶液中のエタノール等の低級アルコール溶媒の総量1molに対して、エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールの添加量を総量で0.005〜0.5molとすることが望ましい。
【0033】
また、Siアルコキシドとの複合化を促進する点、および加水分解後のゾルの安定性を高める点で、前記エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールを添加したZrアルコキシド溶液中のZr1molに対して、さらに、β―ジケトン、アセト酢酸エステルおよびカルボン酸無水物の少なくとも1種を0.01〜1molの添加することが望ましい。
【0034】
そして、本発明によれば、上述したSiアルコキシド溶液のSi1molに対して、エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールを添加したZrアルコキシド溶液をZrが0.6〜3molの割合となるように添加して複合化する。
【0035】
ここで、Zrアルコキシド溶液の添加量がSi1molに対してZrが0.6molより少ない場合は、上述したように多孔質体の耐熱性およ耐湿性が低下してしまい、逆に、Si1molに対してZrが3molより多い場合は、ZrアルコキシドをSiアルコキシドと完全に複合化できず、一部が凝集して沈殿等を生成してしまい、多孔質体が不均質となる。
【0036】
また、SiアルコキシドとZrアルコキシドとを複合化する具体的な方法としては、両溶液を添加した後、特に、70〜120℃で、2〜24時間環流することがSiアルコキシドとZrアルコキシドとの複合化を促進する上で望ましい。
【0037】
次に、上記のようにして作製された複合アルコキシドを加水分解して前駆体ゾルを作製する。
本発明によれば、複合アルコキシド中のSi1molに対して、水を1〜30molの割合で添加することが大きな特徴である。
【0038】
すなわち、上記水の添加量が1molよりも少ない場合には、複合アルコキシドを完全に加水分解することができず、Siアルコキシドの架橋反応によるネットワークが充分に発達せず、焼成後の多孔質体がもろく、多孔質体中にクラック等の欠陥が生じる。逆に、水の添加量が30molを越える場合には、Zrが先んじて単独で加水分解されてしまい、沈殿等が生じてピンホール等の欠陥が生じたりZrの添加効果が低下して耐熱性および耐湿性が低下する。水の添加量の望ましい範囲は、1〜20mol、特に2〜10molである。
【0039】
また、加水分解時の温度は、加水分解時の反応熱を放熱して、急激な加水分解反応によりゾルが不均一となることを防止して多孔質体の細孔径のばらつきを抑制する点では、20℃以下、特に10℃以下に冷却した状態行うことが望ましく、作製されたゾルの経時的な特性変化を防止する点で、加水分解時、または加水分解後に70℃〜120℃、特に80〜100℃の温度にて環流することが望ましい。目的および用途に応じて使い分けることが望ましい。
【0040】
次に、前記前駆体ゾルを、特に多孔質支持体の表面に塗布した状態で乾燥してゲル状とした後、350〜700℃、特に400〜600℃で焼成することにより多孔質支持体表面に多孔質体を形成したガス分離フィルタを作製することができる。
【0041】
(ガス分離フィルタの構成)
次に、本発明のガス分離フィルタ用無機多孔質体を用いたガス分離フィルタの一例について、その要部拡大断面図である図2をもとに説明する。
図1によれば、ガス分離フィルタ1は多孔質支持体2の少なくとも一方の表面に形成された多数の細孔を有するガス分離膜3が形成されている。
【0042】
本発明によれば、ガス分離膜3が上述するSiO2−ZrO2質多孔質体からなることが大きな特徴あり、これによって、ガス分離フィルタ1は、ガス分離膜3に水が接触しても多孔質体中の細孔径が変化して経時的に流体分離特性が低下することなく、例えば、水を含有する流体の処理や、大気等の水分を含んだ雰囲気下に曝された場合であっても、分離特性を低下させることなく耐水性に優れたものとなる。
【0043】
なお、かかるガス分離膜3の細孔径を、例えば、0.3〜0.4nmに制御することによって、例えば、0.36nmの分子径を持つN2(窒素)ガスと0.45〜0.6nmの分子径を持つSF6等のパーフルオロカーボン(PFC)との混合ガスから、N2ガスのみを選択的に透過させて、非常に高い分離性能を得ることができる。
【0044】
また、ガス分離膜3の膜厚は、薄く、かつピンホール等の欠陥のない均一な膜とするために、0.05〜5μm、特に0.1〜1μmであることが望ましい。
【0045】
一方、多孔質支持体2は、パイプ状(管状)、ハニカム状、モノリス状等の筒状または平板状、波板状等の板状のいずれの形状でもよく、また、筒状の場合には、その一端が封止されたものであってもよい。さらに、機械的な強度および体積あたりの膜面積を向上させる点から、管状の形状においては外径1〜15mm、肉厚0.2〜3mm、内径0.5〜10mm、板状の形状においては厚さ0.2〜10mmの形状であることが望ましい。
【0046】
なお、ガス分離膜3は多孔質支持体2がパイプ状である場合には、パイプの外面または内面のどちらかに形成され、また、多孔質支持体2の形状が平板状(層状)である場合には、多孔質支持体2の一方の表面にガス分離膜3を積層すればよい。
【0047】
また、多孔質支持体2の材質は多孔質のアルミナ、ジルコニア、シリカ、コーディライト、窒化珪素、炭化珪素等のセラミックスもしくはこれらの複合体からなることが望ましい。特に、ガス分離膜3との親和性の高さ、耐熱性、コスト面を考慮するとαアルミナ質多孔質体が望ましい。
【0048】
さらには、ガスまたは液体の分離性能やガスまたは液体の透過性の点より多孔質支持体2は、気孔率20〜50%、平均気孔径0.02〜2μm、表面粗さ(Ra)が2μm以下、特に1μm以下であることが望ましい。
【0049】
他方、ガス分離膜3は、多孔質支持体2の表面に直接被着形成してもよいが、薄く、かつピンホール等の欠陥のないガス分離膜3を形成する点で、多孔質支持体2とガス分離膜3との間の平均細孔径を有する中間層4を両者間に介装して形成することが望ましい。
【0050】
中間層4としては、例えば平均細孔径が1〜20nm、特に2〜10nmのγAl2O3、TiO2、ZrO2およびSiO2の群から選ばれる少なくとも1種を用いることが望ましく、中間層4の膜厚は、ピンホールやクラック等の生じない均質な層を形成するため、および流体透過抵抗の低減を図るために、0.1〜10μm、特に0.5〜5μmであることが望ましい。
【0051】
(製造方法)
上記ガス分離フィルタを作製する方法の一例について説明する。
まず、平均粒径0.05〜10μm、特に平均粒径0.1〜2μmの所定のセラミック粉末に所望の有機バインダを加え、プレス成形、押出し成形、射出成形、鋳込み成形、テープ成形等の公知の成形手段により所望の形状に成形した後、焼成することにより多孔質支持体を作製する。なお、多孔質支持体の焼成は、残留炭素の残存を防止するためには酸化性雰囲気にて焼成することが望ましい。
【0052】
次に、多孔質支持体表面に上述したSiO2−ZrO2前駆体ゾルを塗布する。溶液の塗布方法としては、多孔質支持体が管状体からなる場合には、送液ポンプやシリンジ(注射器)等を用いて管状体の内面に溶液を充填し、残部を排出して管内に被着形成する方法や、管状体の一端を封じた状態で溶液内へ浸漬し、引き上げて管の外表面に被着形成する方法、さらには、溶液を管状体の外表面に塗布する方法等が適応できる。また、支持体が平板の場合は、支持体表面にスピンコート法、噴霧法等によって塗布する方法等が採用できる。なお、上記塗布法は、多孔質支持体を加熱した状態で行うこともできる。
【0053】
特に、管状の多孔質支持体の外表面に多孔質体(ガス分離膜)を形成する場合には、操作が簡単で取り扱いが容易な点で、ゾル溶液中に多孔質支持体を浸漬して引き上げるディッピング法が望ましい。
【0054】
そして、上述したように、上記前駆体ゾル溶液を乾燥してゲル化した後、350〜700℃に加熱してSiO2−ZrO2多孔質体からなるガス分離膜を作製することができる。また、多孔質体は複数回の成膜、焼成を繰り返して所望の厚みに形成することもできる。
【0055】
また、多孔質支持体とガス分離膜との間に中間層を形成する場合、中間層の形成方法は、上記SiO2−ZrO2多孔質体の塗布方法が好適である。
【0056】
(モジュール)
上記方法によって得られる本発明のガス分離フィルタを用いて被処理流体中から特定流体を分離する方法について、図3に示す本発明のガス分離フィルタを具備する流体分離モジュールの一例についての概略断面図を基に説明する。
図3によれば、流体分離モジュール(以下、単にモジュールと略す。)5は、円筒管状のガス分離フィルタ1が複数本収束され、その両端が支持部材6に接着、固定された収束体7がハウジング8内に収納されている。
【0057】
ハウジング8は、耐熱性のガラス、ステンレス等の金属、アルミナやジルコニア等のセラミックス等のガスまたは液体を透過しない部材によって形成され外部から気密に封止されるものであるが、耐熱衝撃性が高いことが望ましく、また、ハウジング8内を加圧または減圧する場合には機械的強度の高いステンレス等の金属が好適であり、概略管状体からなることが望ましい。
【0058】
また、支持部材6は、ガスまたは液体が透過しない緻密なアルミナ、シリカ、コーディライト、フォルステライト、ステアタイト、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックス、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属、ガラスから選ばれる少なくとも1種からなるが、多孔質支持体2との熱膨張率が±1×10-6/℃以内で近似していることが望ましい。
【0059】
さらに、図3によれば、収束体7を支持する支持部材6はハウジング8内に配設された固定部材10にグランドパッキング、金属製や樹脂製またはゴム製のガスケット11を介在させて固定、封止されている。これによりモジュール5の支持部材6によって仕切られる領域の気密性を高めてガスまたは液体分離性能を向上させることができるとともに、フィルタの脱着が可能となり、かつモジュール5の外部からの機械的振動や衝撃等による影響を低減できる。
【0060】
また、ハウジング8には被処理流体または液体を導入するための被処理流体供給口12と、前記混合流体を管状のフィルタ1表面に接触せしめて管状のフィルタ1内を透過した特定のガスまたは液体を回収または排出するための透過流体排出口13と、前記混合流体の残部を排出または回収するための残部流体排出口14とが形成されている。
【0061】
具体的には、図3によれば、透過流体排出口13は、ハウジング8内に収納された支持部材6間の側壁部に1つ設けられているが、流体分離効率を高める上では被処理流体供給口12に近い側に近接する位置に設けられることが望ましく、また、複数設けられてもよい。
【0062】
そして、被処理流体供給口12からハウジング8内の支持部材6の間に導入された被処理流体は、その一部が分離膜3から管状のフィルタ1内を透過して収束体7外のハウジング8内に収納された支持部材6間の領域へ移動し、さらに透過流体排出口13からモジュール5外へ排出される。他方、前記被処理流体の残部は、残部流体排出口14からモジュール5外へ排出される。さらに、被処理流体供給口12を加圧するか、または透過流体排出口13を減圧することにより両者間に差圧を設けてガスまたは液体分離性能を高めることも可能である。
【0063】
また、図3のモジュール5は円筒管状のフィルタ管であったが本発明はこれに限定されるものではなく、平板形状のフィルタであってもよい。
【0064】
【実施例】
先ず、窒素気流下でテトラエトキシシラン(TEOS)のSi1molに対して、エタノールを100mol、水を1mol、HClを0.07molの混合溶液を添加して部分加水分解ゾルを作製し、これにビニルトリエトキシシラン(VTES)のSi1molに対して、エタノールを100mol添加した溶液を表1に示す割合で添加して撹拌した。
【0065】
一方、テトラn−プロポキシジルコニウム(ZNP)のZr1molに対して、表1に示す溶媒10molと添加剤とを添加、混合した混合溶液を作製し、上記Siアルコキシド溶液のSi総量1molに対して、Zr量が表1に示す比率となるように添加して、70〜120℃に制御した温度で12時間環流して複合アルコキシドを作製した。
【0066】
そして、上記複合アルコキシド溶液のSi総量1molに対して、表1に示す量の水とエタノール100molを混合した溶液を用いて、表1に示す温度で加水分解し、更にその温度で3時間攪拌して、前駆体ゾル溶液を作製した。
【0067】
一方、純度99.9%、平均粒径0.1μmのアルミナ粉末に対して、所定の有機バインダ、潤滑剤、可塑剤および水を添加、混合し、押出成形にて管状の成形体を作製した後、1200℃にて焼成して、外径2.0mm、内径1.1mm、長さ10cmで、平均粒径0.2μm、気孔率39%を有するαアルミナ多孔質支持管を作製した。
【0068】
他方、85℃に加熱された水1リットル中にアルミニウムトリセカンダリーブトキシド(ASBD)を0.5mol添加、混合し、これに触媒として硝酸をアルコキシド1molに対して0.07mol加えて95℃で16時間攪拌することで加水分解して中間層用の前駆体ゾル溶液となるベーマイトゾルを作製した。
【0069】
そして、上記多孔質支持管の一端側に栓をして前記ベーマイトゾル溶液(中間層用ゾル溶液)中にディッピングして支持体の外表面にゾル溶液を被着形成し、乾燥後500℃で1時間焼成することを4回繰り返してγアルミナからなる中間層を形成した後、該中間層表面に上述したSi−Zr前駆体ゾル溶液を表1に示す焼成温度以外は同様の方法で被着形成してガス分離フィルタを作製した。
【0070】
得られたガス分離フィルタに対して、アルゴン吸着法によりガス分離膜(SiO2−ZrO2多孔質体)の平均細孔径を求めた。
【0071】
また、ガス分離膜について2θ=10〜70°の範囲でX線回折測定を行い、そのチャートから主ピークPを特定し、該主ピークPの高さHに対する高さが0.1H以上のピークの本数(主ピークも含めて)、主ピークPの半値幅w、主ピークPのピークトップ値(2θ)を確認した。結果は表1に示した。また、図1に試料No.1、3、4、22についてのXRDチャートを示した。なお、表1、2の試料No.2、5、10は参考試料である。
【0072】
【表1】
【0073】
また、得られたガス分離フィルタ37本を用いて、図3のガス分離モジュールを作製し、各ガス分離フィルタの内面にHeガスを流しながら、ガス分離フィルタの外面にH2ガス、N2ガスおよびSF6ガスの各ガスをそれぞれ被処理ガス供給口から10リットル/分の流量でハウジング内へ供給して、30分経過後に透過ガス排出口から排出される各ガスの流量を膜流量計とガスクロマトグラフィ(ヤナコ社製G2800)によって求め、それぞれのガスの透過率を測定した。また、各ガスの透過率から、H2ガスとN2ガスとの透過係数比、およびN2ガスとSF6ガスとの透過係数比を見積もった(A)。結果は表2に示した。
【0074】
さらに、上記測定を行ったガス分離モジュールに対して、200℃に加熱した状態で、被処理ガス供給口から20体積%のH2O(水蒸気)を含む空気を10リットル/分の流量で導入してガス分離フィルタ内に10時間流通させた後、上述した方法と同様に、ガス分離フィルタでの各ガス(H2ガス、N2ガスおよびSF6ガス)の透過特性を測定し(B)、また、耐湿試験前後のN2ガスの透過率の変化の度合(変化率)を算出した。結果は表2に示した。
【0075】
【表2】
【0076】
表1、2から明らかなように、SiO21molに対してZrO2の含有量が0.3molより少ない試料No.1では、ガス分離フィルタの耐湿性が低く、また、SiO21molに対してZrO2の含有量が10molを越える試料No.6では、ジルコニアが単独で沈殿してしまい、耐湿性が低いものであった。
【0077】
また、加水分解に用いた水の添加量が1molより少ない試料No.11では、加水分解が進行せず、XRDチャートのピーク本数が1本となり、また、クラックの発生によってガス分離性能が低下した。逆に、加水分解に用いた水の添加量が30molを越える試料No.14では、複合アルコキシドが不均質となってXRDピークが4本となり、また多孔質体中にピンホールが生じて、ガス分離性能が低下した。また、耐湿試験前後のN2ガスの透過率の変化も大きいものであった。
【0078】
さらに、SiO2−ZrO2多孔質体の焼成温度が350℃より低い試料No.17では、XRDピークが1本となり、また、細孔径が大きくなり、ガス分離性能が低下した。逆に、SiO2−ZrO2多孔質体の焼成温度が700℃を越える試料No.20では、XRDピークが4本となり、また、平均細孔径が0.3nmよりも小さくなって、いずれのガスもほとんど透過しなかった。
【0079】
さらにまた、Zrアルコキシドの溶媒としてエチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールを用いなかった試料No.22では、複合アルコキシドが不均質となってXRDピークが4本となり、また耐湿性が低いものであった。
【0080】
これに対して、本発明に従う試料No.3、7〜10、12、13、15、16、18、19、21では、いずれもSiO21molに対してZrO2が0.6〜3molの割合で含有するものであり、かつX線回折チャートにおいて認められる主ピークに対して、該主ピークの高さHに対する高さが0.1H以上のピーク数が前記主ピークを含めて2本であり、かつ平均細孔径が1.5nm以下の多孔質体となり、耐湿試験前のH2/N2選択率が15以上、N2/SF6選択率が8以上とガス分離性能が高く、耐水試験前後のN2選択率の比が0.6以上と耐水性にも優れるものであった。
【0081】
【発明の効果】
Siアルコキシド溶液1molに対して、エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールを添加したZrアルコキシドを0.6〜3molの割合で添加して複合アルコキシドを作製した後、該複合アルコキシド中のSi1molに対して、1〜30molの水を添加して加水分解することにより、Zrの含有比率を高めて耐熱性および耐湿性を向上できるとともに、加水分解ゾル内のZrの分散性を高めて、均質で微細孔を有するガス分離フィルタ用として好適な多孔質体を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス分離フィルタ用無機多孔質体のX線回折チャートの一例を示す図である。
【図2】本発明のガス分離フィルタ用無機多孔質体をガス分離膜として用いたガス分離フィルタの一例を示す模式図である。
【図3】本発明のガス分離フィルタ用多孔質体を用いたガス分離フィルタを備えたガス分離モジュールの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ガス分離フィルタ
2 多孔質支持体
3 ガス分離膜
4 中間層
Claims (7)
- SiO21molに対して、ZrO2を0.6〜3molの割合で含有するとともに、2θ=10−70°の範囲でのX線回折チャートにおいて認められる主ピークに対して、該主ピークの高さHに対する高さが0.1H以上のピーク数が前記主ピークを含めて2本であり、かつ平均細孔径が1.5nm以下であることを特徴とするガス分離フィルタ用無機多孔質体。
- 前記X線回折チャートによって認められる前記ピークの半価幅が5°以上であることを特徴とする請求項1記載のガス分離フィルタ用無機多孔質体。
- 前記主ピークのピークトップ値が2θ=25〜33°であることを特徴とする請求項1または2記載のガス分離フィルタ用無機多孔質体。
- 多孔質支持体の表面に、請求項1乃至3のいずれか記載のガス分離フィルタ用無機多孔質体を0.05〜5μmの厚みで被着形成してなることを特徴とするガス分離フィルタ。
- (a)Siアルコキシド溶液中のSi1molに対して、エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールを添加したZrアルコキシドをZrが0.6〜3molとなる割合で添加し複合化して複合アルコキシドを作製する工程と、(b)該複合アルコキシド中のSi1molに対して、1〜30molの水を添加し、前記複合アルコキシドを加水分解して前駆体ゾルを作製する工程と、(c)該前駆体ゾルを乾燥した後、350〜700℃の温度で焼成する工程とを具備することを特徴とするガス分離フィルタ用無機多孔質体の製造方法。
- 前記工程(a)において、前記エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはジオールに溶解したZrのアルコキシド溶液中のZr1molに対して、さらに、β−ジケトン、アセト酢酸エステルおよびカルボン酸無水物の群から選ばれる少なくとも1種を0.01〜1molの割合で添加することを特徴とする請求項5記載のガス分離フィルタ用無機多孔質体の製造方法。
- 多孔質支持体の表面に、請求項5または6記載の工程(b)で作製された前駆体ゾルを塗布して乾燥した後、350〜700℃の温度で焼成することを特徴とするガス分離フィルタの製造方法。
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