JP3346712B2 - 多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

多孔質体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種混合気体等の混
合流体から特定成分を分離する無機分離膜や、触媒や酵
素等の機能性材料の担体、あるいは電解隔壁、吸収吸着
剤、乾燥剤、ゲルクロマトグラフィの充填剤等に好適な
微小な細孔を有する多孔質体とその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、気体や液体を濾過分離する薄
膜や、触媒や酵素等の各種機能性材料用担体、更に電解
隔壁、吸収吸着剤、乾燥剤、ゲルクロマトグラフィの充
填剤等には、有機材料をはじめとする各種材料から成る
多孔質体が用いられてきた。
【0003】しかしながら、前記多孔質体に対する耐熱
性や耐薬品性、耐衝撃性、耐摩耗性等の要求が更に高く
なるにつれ、機械的及び熱的、化学的安定性に優れた各
種無機多孔質体が注目され種々検討されるようになって
きた。
【0004】その結果、一般に、かかる耐圧、耐熱、耐
薬品性に優れた無機多孔質体の諸性能は、該多孔質体を
形成するに用いられる材料自体が有する細孔径や細孔容
積、細孔径分布に大きく影響されることが明らかとなっ
てきた。
【0005】例えば、分子量の差の大きいH2 とN2
2 とCO等の分離に際しては、クヌッセン拡散支配と
なるように、前記多孔質体の材料の細孔径を数10Åか
ら数100Å程度に制御する必要があり、一方、分子量
の差が小さいCO2 とN2 等の分離に際しては、表面拡
散支配となるように、前記多孔質体の材料の細孔径を2
0Å以下に制御する必要がある。
【0006】更に、混合流体中から分子サイズでの分離
を目的とする場合、前記多孔質体の材料の細孔径は分子
サイズ、即ち10Å以下に制御する必要がある。
【0007】そこで、前記諸性能を満足する微細な細孔
径を有する無機多孔質体を得るために、金属アルコキシ
ドを原料とするゾルゲル法が種々検討されている。
【0008】例えば、前記ゾルゲル法で作製されるアル
ミナ(Al2 3 )から成る多孔質体は、アルミニウム
(Al)のアルコキシドを80℃を越える高温に加熱し
た多量の熱水で加水分解し、酸を用いて解膠後、焼成す
ることにより得られ、その細孔径は数10Å程度である
ことが知られている。
【0009】また、Al2 3 と、ジルコニア(ZrO
2 )またはシリカ(SiO2 )、チタニア(TiO2
の内、少なくとも一種を含む複合アルミナ多孔質体は、
その複合酸化物の前駆体であるアルコキシドをアルコー
ル溶媒中で混合し、それを多量の水で加水分解して得ら
れるゾルを焼成することにより得られ、直径が数十〜数
百Åの細孔を有するものとなっている(特公平5−82
号公報、特開平2−196076号公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記A
2 3 から成る多孔質体は、細孔径が数十〜数百Åで
その分布も広いものであり、とりわけ分子量の差の小さ
い混合気体を表面拡散支配に基づく分離、更には分子サ
イズの相違による分子篩いに基づく分離等に適用するに
は細孔径が大き過ぎ、細孔径分布も広いことから、効率
良く特定成分を分離できないという課題があった。
【0011】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑み成されたもの
で、その目的は、分子量の差の小さい混合気体等の混合
流体から表面拡散支配により、また分子サイズの相違に
よる分子篩いにより、効率良く特定成分を分離すること
ができる多孔質体と、その製造方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
に対して鋭意研究を重ねた結果、シリコンのアルコキシ
ドと、アルミニウムまたはジルコニウム、チタニウムの
アルコキシドのいずれか一種との複合アルコキシドを原
料とするSiO2系複合多孔質体であって、狭い細孔径
分布と該細孔径分布における細孔径のピーク値が6.8
Å以下であることにより、特定成分の分離係数が向上
し、前記目的が達成できることを見いだした。
【0013】即ち、本発明の多孔質体は、シリコンのア
ルコキシドと、アルミニウムまたはジルコニウム、チタ
ニウムのアルコキシドのいずれか一種とを複合化し、該
複合アルコキシドを加水分解して得た複合ゾルを乾燥
後、焼成して成るものであって、20Å以下の細孔径を
有する細孔容積が全細孔容積中の70%以上であり、且
つ細孔径分布における細孔径のピーク値が6.8Å以下
であることを特徴とするものである。
【0014】また、その製造方法は、シリコンのアルコ
キシド1molに対し、アルミニウムまたはジルコニウ
ム、チタニウムのアルコキシドのいずれか一種を0.0
1〜0.5molの割合で、両アルコキシドをアルコー
ル溶媒中で複合化し、該複合アルコキシドをシリコンの
アルコキシド1molに対して60℃以下の温度で10
0mol以上の量の水で加水分解して得られる複合ゾル
を乾燥後、400〜700℃の温度で焼成することを特
徴とするものである。
【0015】
【作用】本発明の多孔質体及びその製造方法によれば、
多孔質体の全細孔容積の70%以上が細孔径20Å以下
の細孔容積で占めるSiO2系複合多孔質体であること
から、分離対象の分子が細孔の壁面と相互作用を持ちな
がら、具体的には細孔内壁に吸着した分子が吸着量の勾
配によって移動する現象により、比較的高い選択率が期
待でき、特に細孔径が6.8Å以下になると、混合流体
中の分子の大きさによる分離、即ち、分子篩い機構によ
り高い分離係数(透過係数比)が達成できることにな
る。
【0016】従って、各種混合流体中からある特定成分
を表面拡散機構、分子篩い機構により効率よく分離でき
る多孔質体として好適である。
【0017】また、前記二種のアルコキシドをアルコー
ル溶媒中で複合化した複合アルコキシドを、シリコンア
ルコキシド1molに対して、100mol以上の比較
的低温の60℃以下の多量の水で加水分解して得られる
ゾルを乾燥後、400℃から700℃で焼成することか
ら、生成したゾル粒子の成長もしくは凝集が抑制され、
非常に微細でかつ均一な粒子で構成されるゾルを作製で
き、最終的に得られる多孔質体の細孔径を微細かつ細孔
径分布の狭いものに制御することが可能となり、表面拡
散や分子篩い機構を利用した無機分離膜として最適な、
微細孔を有する多孔質体を作製できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多孔質体及びその
製造方法について詳述する。
【0019】本発明は、シリコンアルコキシドと、アル
ミニウムまたはジルコニウム、チタニウムのアルコキシ
ドの中から一種を選択し、該二種のアルコキシドをアル
コール等の有機溶媒中で複合化し、この複合アルコキシ
ドをシリコンアルコキシド1molに対し100mol
以上の量で、かつ60℃以下の温度の水中で攪拌、混合
することにより均質で安定なゾルが作製でき、該ゾルを
乾燥後、400〜700℃で焼成することにより、得ら
れた多孔質体の全細孔容積中、20Å以下の細孔径を有
する細孔容積が70%以上であり、且つ細孔径分布にお
ける細孔径のピーク値が6.8Å以下の微細孔を有する
多孔質体が得られるというものである。
【0020】本発明において、シリコンと、アルミニウ
ムまたはジルコニウム、チタニウムの中から選択された
一種の両アルコキシドの複合化は、両アルコキシドをア
ルコール溶液中で加熱還流することで作製できる。
【0021】しかし、より好ましくは、両アルコキシド
の加水分解の反応速度には大きな違いがあるため、テト
ラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを塩酸等
の無機酸を用いてアルコール溶液中で部分加水分解する
ことにより調製された部分加水分解ゾルと、アルミニウ
ムセカンダリーブトキシド等のトリアルコキシアルミニ
ウム、ジルコニウムノルマルブトキシド等のテトラアル
コキシジルコニウム、チタニウムイソプロポキシド等の
テトラアルコキシチタニウムの内のいずれか一種とを混
合撹袢して複合化することが望ましい。
【0022】更に、より加水分解の反応速度の早いアル
ミニウム、ジルコニウム、チタニウムのアルコキシドに
対しては、アルミニウムのアルコキシドのアルコール溶
液中にアルコキシドの水に対する反応性を低下せしめる
化合物を添加することが望ましい。
【0023】前記アルコキシドの水に対する反応性を低
下せしめる化合物とは、R1 2 NCH2 CH2 OH
(式中、R1 またはR2 はそれぞれ、H、CH3 、C2
5 、CH2 CH2 OHのいずれか一つ)で表される
N,N’ジメチルモノエタノールアミンやN,N’ジエ
チルモノエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノー
ルアミン、あるいはアセチルアセトン等のβ−ジケト
ン、無水酢酸、アセト酢酸メチルやアセト酢酸エチル、
アセト酢酸プロピル等のアセト酢酸エステル、マロン酸
ジメチルやマロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル等の
ジカルボン酸エステル、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール等のジオール等が挙げられる。
【0024】また、前記化合物、即ち、安定化剤の添加
量は、0.1molより少ないと実質的に安定化剤とし
ての効果がないため、例えば、アルミニウムのアルコキ
シド1molに対して0.1mol以上であることが好
ましい。
【0025】一方、前記シリコンあるいはアルミニウ
ム、ジルコニウム、チタニウムのアルコキシドのアルコ
ール溶液としては、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノー
ル等の一価のアルコールもしくはエチレングリコール、
プロピレングリコール等の二価のアルコールが用いられ
る。
【0026】以上のようにシリコンアルコキシドとアル
ミニウム、ジルコニウム、チタニウムのアルコキシドの
中から選択された一種とを複合化した複合アルコキシド
を直接シリコンアルコキシド1molに対して100m
ol以上の、60℃以下の温度の水に添加することによ
りコロイド状の複合ゾルを作製することはできるが、以
下のように処理することがより望ましい。
【0027】即ち、前記複合アルコキシドのアルコール
溶液に、先ず、これを加水分解するためにシリコンアル
コキシド1molに対して10mol以下の水とアルコ
ールの混合溶液を滴下することによりポリマー状の複合
ゾルを作製する。
【0028】次いで、前記複合化された溶液をシリコン
アルコキシド1mol対して100mol以上の量の、
かつ60℃以下の温度の水に添加し、60℃以下の温度
に保ったまま混合攪拌することで、安定なコロイド状の
複合ゾルを作製できる。
【0029】ここで前記複合化された溶液が添加される
水の温度を60℃以下に限定するのは、作製されるコロ
イド状の複合ゾルを用いて混合流体用の分離膜材質とし
て適用する際、60℃より高い温度で合成されたゾルは
コロイドゾル粒子の成長、もしくはゾル粒子同士の凝集
等により、焼成後に得られる膜材質の細孔径が大きくな
ったり、細孔径分布が広がるといった現象がみられ、微
細な細孔径を有する前記目的を満足する多孔質体として
適さないためである。
【0030】このようにして得られたゾルは、凝集粒を
生じるのを防止するために、室温から60℃以下の温度
範囲で乾燥後、該乾燥物を大気中、400〜700℃の
温度で焼成することにより目的の特性を有する多孔質粉
末を得ることができる。
【0031】前記焼成温度を400〜700℃の温度範
囲に限定するのは、400℃より低い温度での焼成では
有機物の残留により微細孔が形成されない可能性があ
り、一方、700℃より高い温度では粒子の焼結が進行
し、細孔径の増大や細孔容積が激減する可能性があり、
事実上微細孔を有さない多孔質体となるためである。
【0032】また、本発明における微細孔を有する多孔
質体を膜材料として利用する場合、該膜材料を保持する
基材としては多孔質なセラミック支持管が用いられ、該
セラミック支持管としては、細孔径が0.01〜10μ
m程度のα−Al2 3 やZrO2 、SiO2 、Si3
4 、ガラス等から成るものが用いられるが、なかでも
該支持管上に細孔径が1〜100nmのγ−Al2 3
膜等が付与されたものが望ましい。
【0033】
【実施例】以下、本発明の多孔質体及びその製造方法を
以下のようにして評価した。
【0034】(実施例1)アルミニウムセカンダリーブ
トキシド0.25molを2−メトキシエタノール0.
75molに溶解し、次いでアセチルアセトン0.25
molを加え、これにケイ酸エチル1molに対して2
−メトキシエタノール4molと水1mol、硝酸0.
07molの割合の混合溶液を添加して作製した部分加
水分解ゾルを加えて複合アルコキシドを作製した。
【0035】次に、この複合アルコキシドに水3.75
molと2−メトキシエタノール4molの混合溶液を
滴下してポリマー状の複合ゾルを作製した後、該複合化
した溶液を50℃の水500molに加え、50℃の温
度に保持して1.5時間攪拌し、室温でこのゾルを乾燥
させてから500℃で焼成して評価用の多孔質体を作製
した。
【0036】尚、前記複合化した溶液を85℃の温度の
水に添加し、85℃以上の高温で16時間攪拌して得た
ゾルを前記同様にして作製したものを比較例の評価用多
孔質体とした。
【0037】かくして得られた評価用の多孔質体につい
て、Ar吸着法に基づいて測定される相対圧P/P0
0.94の時の細孔容積を全細孔容積Vp とし、20Å
の細孔径以下に相当する相対圧の細孔容積を20Å以下
の細孔容積Vm としてVm /Vp を20Å以下の細孔径
を有する細孔容積の割合とした。
【0038】その結果、本発明の多孔質体では細孔径が
20Å以下の細孔容積が全細孔容積の73.6%で、細
孔径のピーク値が6.8Åであるのに対して、比較例で
はそれぞれ56.3%、8.3Åであった。
【0039】次に、平均細孔径が0.15μmのAl2
3 多孔質管上に、平均細孔径が3.5nmのγ−Al
2 3 膜を付与したものに、前記複合ゾルをそれぞれ付
与して乾燥と500℃で焼成する一連の工程を3回繰り
返して複合組成膜を作製し、室温でCO2 とN2 を用い
てCO2 /N2 の分離係数を測定評価した。
【0040】その結果、本発明の複合組成膜ではCO2
/N2 分離係数は2.6であるのに対して、比較例では
0.8であった。
【0041】尚、前記比較例に使用した膜は、高温での
合成により、成長もしくは凝集したゾル粒子となってい
るため、一回に付与される膜成分が厚くなり、結果とし
て膜表面には微細なクラックが発生していた。
【0042】(実施例2)次に、ジルコニウムノルマル
プロポキシド0.25molを2−メトキシエタノール
10molに溶解し、該溶液にケイ酸エチル1molに
対して2−メトキシエタノール4molと水1mol、
硝酸0.07molの割合の混合溶液を添加して作製し
た部分加水分解ゾルを加え複合アルコキシドを作製し
た。
【0043】その後、この複合アルコキシドに水4mo
lと2−メトキシエタノール4molの混合溶液を滴下
してポリマー状の複合ゾルを作製し、この複合化した溶
液を50℃の水500molに加え、50℃の温度に保
持して1.5時間攪拌した後、室温でこのゾルを乾燥さ
せてから500℃で焼成して評価用の多孔質体を作製し
た。
【0044】尚、前記複合化した溶液を85℃の温度の
水に添加し、85℃以上の高温で1.5時間攪拌して前
記同様にして作製した多孔質体を比較例とした。
【0045】かくして得られた評価用の多孔質体につい
て、実施例1と同様にして細孔特性を評価したところ、
本発明の多孔質体では細孔径が20Å以下の細孔容積が
全細孔容積の88.4%で、細孔径のピーク値が6.0
Åであるのに対して、比較例ではそれぞれ49.6%、
6.9Åであった。
【0046】また、実施例1と同様にして作製した複合
組成膜についてCO2 /N2 の分離係数を測定評価した
ところ、本発明では3.2であるのに対して比較例では
1.7であった。
【0047】(実施例3)チタニウムイソプロポキシド
0.25molを2−メトキシエタノール1molに溶
解し、該溶液にケイ酸エチル1molに対して2−メト
キシエタノール4molと水1mol、硝酸0.07m
olの割合の混合溶液を添加して作製した部分加水分解
ゾルを加えて複合アルコキシドを作製した。
【0048】かくして得られた複合アルコキシドに、水
4molと2メトキシエタノール4molの混合溶液を
滴下してポリマー状の複合ゾルを作製した。この複合化
した溶液を50℃の水500molに加え、50℃の温
度で1.5時間攪拌した後、室温でこのゾルを乾燥させ
てから500℃の温度で焼成した。
【0049】尚、前記複合化した溶液を85℃の温度の
水に添加し、85℃以上の高温で1.5時間攪拌して前
記同様にして作製した多孔質体を比較例とした。
【0050】前記評価用の多孔質体を実施例1と同様に
して細孔特性を評価したところ、本発明の多孔質体では
20Å以下の細孔容積が全細孔容積の84.6%で、細
孔径のピーク値が6.2Åであるのに対して、比較例で
はそれぞれ56.1%、6.2Åであった。
【0051】また、実施例1と同様にして作製した複合
組成膜についてCO2 /N2 の分離係数を測定評価した
ところ、本発明では2.9であるのに対して比較例では
1.4であった。
【0052】以上の結果から明らかなように、80℃よ
り高い温度で合成した比較例ではいずれもÅ級の細孔を
有するにも関わらず、20Åを越える細孔容積が多く、
細孔径分布も大きく広がっているのに対して、本発明で
は、Å級の細孔を有し、かつ20Å以下の細孔容積が7
0%以上の狭い細孔径分布となるように制御されてお
り、クヌッセン拡散による分離係数0.8を上回る特性
と狭い細孔径分布を有するため、比較例で示される分離
係数0.8〜1.7を上回る多孔質体を作製できている
ことが分かる。
【0053】
【発明の効果】叙述の如く、本発明の多孔質体及びその
製造方法によれば、シリコンのアルコキシドと、アルミ
ニウムまたはジルコニウム、チタニウムのアルコキシド
の中から選択された1種とをアルコール溶液中で複合化
した溶液を、シリコンアルコキシド1molに対して1
00mol以上の、80℃以下の温度の水で加水分解す
ることによって作製される複合ゾルを、乾燥後、400
〜700℃で焼成することにより、クラックや剥離等の
欠陥の無いことは勿論、特定成分のガス成分の分離係数
を向上させることができ、各種混合気体等の混合流体を
成す共存成分に対する特定成分の透過率が高い、即ち、
特定成分の分離係数の高い無機分離膜として、更に各種
機能性材料の担体や電解隔壁、吸収吸着剤、乾燥剤、ゲ
ルクロマトグラフィの充填剤等として有用な多孔質体を
作製することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコンのアルコキシドと、アルミニウム
    またはジルコニウム、チタニウムのアルコキシドのいず
    れか一種とを複合化し、該複合アルコキシドを加水分解
    して得た複合ゾルを乾燥後、焼成して成る多孔質体であ
    って、20Å以下の細孔径を有する細孔容積が全細孔容
    積中の70%以上であり、且つ細孔径分布における細孔
    径のピーク値が6.8Å以下であることを特徴とする多
    孔質体。
  2. 【請求項2】シリコンのアルコキシド1molに対し、
    0.01〜0.5molの割合のアルミニウムまたはジ
    ルコニウム、チタニウムのアルコキシドのいずれか1種
    を、前記シリコンのアルコキシドとともにアルコール溶
    媒中で複合化し、該複合アルコキシドを前記シリコンの
    アルコキシド1molに対して100mol以上の、か
    60℃以下の温度の水で加水分解して複合ゾルを作製
    した後、得られた複合ゾルを乾燥し、次いで400〜7
    00℃の温度で焼成することを特徴とする多孔質体の製
    造方法。
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