JP6442277B2 - ガス分離膜、ガス分離材、及びガス分離膜の製造方法 - Google Patents

ガス分離膜、ガス分離材、及びガス分離膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス分離膜、ガス分離材、及びガス分離膜の製造方法に関する。
混合ガスをガス分子の大きさに基づき分離するガス分離技術は、広く知られている。ガス分離技術には、サブナノサイズの細孔によりガス分離が可能なガス分離体およびそれを支持する多孔質膜を備えるガス分離膜が利用されている。従来、多孔質膜としては、例えば、シリカ、アルミナなどからなる酸化物が用いられており、特に細孔容積が要求される場合には、γ−アルミナが好ましく用いられてきた(特許文献1〜3)。
ところで、一般的にガス分離体は、透過係数が高い方が大量のガスを通しやすいので、効率よく分離処理できる。そのため、ガス分離体を膜状で使用する場合には、膜厚が薄い方が透過係数は高く、処理能力が向上する。
しかしながら、膜厚を薄くするとガス分離膜に欠陥が生じやすいという課題を有していた。特に、多孔質膜を支持体として用いる場合には、欠陥の有無がガス分離性能に大きな影響を与えるため、ガス分離膜の欠陥をさらに低減させる技術の開発が切望されていた。
特開昭58−190823号公報 特開昭60−54917号公報 特開2010−5602号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、欠陥を低減したガス分離膜、ガス分離材、及び、欠陥を低減するためのガス分離膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、新規なプロセスにより製造されるガス分離膜を開発した。
そして、このガス分離膜は、従来のガス分離膜よりも、欠陥が低減されており、高いガス分離能を有するという予想外の事実を見いだした。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
無機多孔質部と、前記無機多孔質部の孔の内壁面に保持された金属を単体で含む析出物由来であって、前記金属の酸化物たる金属酸化物を含む酸化析出物と、を有する多孔質膜と、
前記酸化析出物を含む形で前記多孔質膜の孔を塞ぐような形態で配されるガス分離体と、を備えたガス分離膜である。
請求項2に記載の発明は、
前記金属酸化物を含む酸化析出物には、前記無機多孔質部の孔の内壁面に単体金属からなる金属微粒子として保持されたものを、酸化した酸化粒子が含まれることを特徴とする請求項1に記載のガス分離膜である。
請求項3に記載の発明は、
前記金属はニッケルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス分離膜である。
請求項4に記載の発明は、
前記無機多孔質部のKelvin Diameterで表される平均細孔径が1〜10nmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガス分離膜である。
請求項5に記載の発明は、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガス分離膜を、無機多孔質基材に積層してなるガス分離材である。
請求項6に記載の発明は、
無機多孔質基材の表面に、アルミナゾル及び金属化合物を含む組成物からなる被膜を形成する金属化合物含有被膜形成工程と、
前記被膜を酸化雰囲気にて加熱して、アルミナ及び金属成分を含む多孔質部を形成する熱処理工程と、
前記熱処理工程後の多孔質部を還元雰囲気にて加熱して、少なくとも該多孔質部の表面に含まれる金属成分を還元する還元工程と、
前記還元工程後の多孔質部の一面側からシリコン源を供給し、他面側から酸素ガスを供給しながらCVD法によって、ガス分離体を備えたガス分離膜を形成するガス分離膜形成工程と、を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガス分離膜の製造方法である。
請求項7に記載の発明は、
無機多孔質基材の表面に、アルミナゾルを含む組成物からなる被膜を形成する被膜形成工程と、
前記被膜に金属化合物を付着させる金属化合物付着工程と、
前記被膜を酸化雰囲気にて加熱して、アルミナ及び金属成分を含む多孔質部を形成する熱処理工程と、
前記熱処理工程後の多孔質部を還元雰囲気にて加熱して、少なくとも該多孔質部の表面に含まれる金属成分を還元する還元工程と、
前記還元工程後の多孔質部の一面側からシリコン源を供給し、他面側から酸素ガスを供給しながらCVD法によって、ガス分離体を備えたガス分離膜を形成するガス分離膜形成工程と、を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガス分離膜の製造方法である。
本発明のガス分離膜は、(a)無機多孔質部と、前記無機多孔質部の孔の内壁面に保持された金属を単体で含む析出物由来であって、前記金属の酸化物たる金属酸化物を含む酸化析出物と、を有する多孔質膜と、(b)前記酸化析出物を含む形で前記多孔質膜の孔を塞ぐような形態で配されるガス分離体と、を備える。無機多孔質部の孔の内壁面に保持された金属酸化物を含む酸化析出物が存在することで、無機多孔質部の孔はガス分離体により塞がれやすくなり、ガス分離膜の欠陥が低減される。
また、上記金属がニッケルである場合には、ガス分離膜を製造しやすい。
また、上記多孔質部のKelvin Diameterで表される平均細孔径が1〜10nmである場合には、ガス分離能が極めて良好である。
また、上記ガス分離膜を、無機多孔質基材に積層してなるガス分離材では、ガス分離膜が基材に保持されているから、取り扱いが容易である。
また、本発明の製造方法を用いると、欠陥の低減されたガス分離膜を得ることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部分を示す。
ガス分離膜を説明するための模式図である。 ガス分離材を説明するための模式図である。 製造方法(1)における膜欠陥低減のメカニズムを説明するための説明図である。 製造方法(1)における膜欠陥低減のメカニズムを説明するための説明図である。 製造方法(1)における膜欠陥低減のメカニズムを説明するための説明図である。 製造方法(2)における膜欠陥低減のメカニズムを説明するための説明図である。 製造方法(2)における膜欠陥低減のメカニズムを説明するための説明図である。 製造方法(2)における膜欠陥低減のメカニズムを説明するための説明図である。 対向拡散CVD用基材を説明するための模式図である。 対向拡散CVD用基材を説明するための断面図である。 図10のI−I線断面図である。 対向拡散CVD装置の概略図である。 ガス透過率の測定結果を示すグラフである。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.ガス分離膜
本実施形態のガス分離膜は、
(a)無機多孔質部と、前記無機多孔質部の孔の内壁面に保持された金属を単体で含む析出物を酸化してなる金属酸化物を含む酸化析出物と、を有する多孔質膜と、
(b)無機多孔質部の孔を塞ぐような形態で配されるガス分離体と、を備えたガス分離膜である。
その模式図を図1に示す。符号1はガス分離膜を示し、符号3は無機多孔質部を示し、符号5は無機多孔質部の孔を示し、符号7は金属酸化物を含む酸化析出物を示し、符号9は多孔質膜を示し、符号11はガス分離体を示す。
以下、本実施形態を詳しく説明する。
〔1〕多孔質膜
多孔質膜は、無機多孔質部、及び無機多孔質部の孔の内壁面に保持された金属を単体で含む析出物を酸化してなる金属酸化物を含む酸化析出物を有する。
無機多孔質部に含まれる無機物は、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカが含まれる。アルミナは、特に限定されないが、結晶性の低いγ−Alが好ましい。
多孔質部のKelvin Diameterで表される平均細孔径は、特に限定されないが、好ましくは1〜10nmであり、更に好ましくは3〜8nmであり、特に好ましくは4〜7nmである。この範囲内であると、ガス分離能が高い傾向にあるからである。
尚、平均細孔径は、毛管凝縮法により測定することができ、市販の細孔径分布測定装置を用い、50%透過流束径における値とすることができる。
酸化析出物には、金属酸化物が含まれる。この金属酸化物は、無機多孔質部の孔の内壁面に一旦単体金属として還元析出して保持されたものが、酸化されて形成されたものである。
金属酸化物を含む酸化析出物における金属の種類は特に限定されない。金属は、酸化還元による体積変化が大きなものが望ましい。金属としては、例えば、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、V(バナジウム)、Mg(マグネシウム)、Co(コバルト)、Ti(チタン)等が挙げられる。酸化還元温度が、中間層の焼成温度以下であり、その酸化物の高温安定性が高いという観点からNi(ニッケル)が好ましい。
更に、金属酸化物を含む酸化析出物には、多孔質部の孔の内壁面に単体金属からなる金属微粒子として保持されたものを酸化した、酸化粒子が含まれることが特に好ましい。例えば、Ni(ニッケル)の場合を例に挙げて説明すると、Ni(ニッケル)からなる金属微粒子として保持されたものを、酸化したNiの酸化粒子が含まれることが特に好ましい。
この場合において、単体金属からなる金属微粒子の粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.05〜4.5nmであり、更に好ましくは0.08〜3.5nmであり、特に好ましくは0.15〜2.5nmである。また、酸化粒子の粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜9nmであり、更に好ましくは0.15〜7nmであり、特に好ましくは0.3〜5nmである。尚、これらの粒径は電子顕微鏡観察(SEM、TEM)によって測定される値である。
多孔質膜の好ましい態様を次に例示する。多孔質膜は、Al元素と、Ni元素と、O元素とを含む多孔質体からなることが好ましい。
上記Al元素及び上記Ni元素の比は、これらの酸化物Al及びNiOを用いて換算したとき、これらの合計100モル%に対して、好ましくは、Alが60〜99モル%であり、NiOが1〜40モル%であり、より好ましくは、Alが80〜99モル%であり、NiOが1〜20モル%であり、更に好ましくは、Alが88〜98モル%であり、NiOが2〜12モル%である。この範囲内であると、中間層の構造が安定であり、ガス分離能が高い傾向にあるからである。
多孔質膜は、NiAlが、結晶性の低いγ−Al相の中に分散した酸化物固溶体となっていることが好ましい。すなわち、γ−Alの結晶構造の中にNiが含まれた混合陽イオン状態となっていることが好ましい。尚、多孔質膜が、酸化物固溶体からなるものであることは、例えば、X線回折(XRD)によるピークシフト及び格子定数の変化から確認することができる。
多孔質膜の膜厚は、特に限定されない。膜厚は、通常、0.5〜10μm、好ましくは0.8〜8μm、より好ましくは1〜5μmである。この範囲内であると膜の欠陥を抑制することができる。
〔2〕ガス分離体
ガス分離体は、上記多孔質膜の孔を塞ぐような形態で配される。すなわちガス分離体は、多孔質膜の孔の少なくとも一部を塞ぐことができればよいが、多孔質膜の開口付近を塞ぐのが好ましい。ガス分離体は、多孔質膜の平均細孔径よりも小さい微細孔を有することが好ましい。
ガス分離体の構成は、特に限定されない。例えば、アモルファスSiO、SiC、SiOC、SiON、Siからなるガス分離体を挙げることができる。
ガス分離体の膜厚は、特に限定されない。膜厚は、通常、0.05〜0.4μm、好ましくは0.05〜0.3μm、より好ましくは0.1〜0.2μmである。この範囲内であると膜の欠陥を抑制しつつ、ガス分離効率を上げることができる。
微細孔の径をコントロールし易い等の観点から、ガス分離体は、アモルファスSiOであることが好ましい。
なお、ガス分離体のガス透過法で表される平均細孔径は、特に限定されるものではなく、分離されるガスの種類に応じて選択すればよい。
〔3〕ガス分離膜の作用効果
本実施形態のガス分離膜は、優れたガス分離能を発揮する。
2.ガス分離材
本発明のガス分離材は、上述のガス分離膜を、無機多孔質基材に積層してなる。その模式図を図2に示す。符号1はガス分離膜を示し、符号13は無機多孔質基材を示す。尚、ガス分離膜は、符号11のガス分離体、符号9の多孔質膜と、を備えている。
無機多孔質基材は、無機材料からなるものである。この無機材料としては、一面から他面へと線状又は網目状に貫通する細孔を有する多孔質構造を形成できるものであれば、特に限定されない。例えば、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、シリカ、サイアロン、酸化チタン、セピオライト、モンモリロナイト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、カネマイト等が挙げられる。これらのうち、アルミナ(中でもα−Alが好ましい)、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素が好ましい。また、上記化合物は単独で又は組み合わせて用いてもよい。
上記無機多孔質基材の平均細孔径は、特に限定されないが、好ましくは1〜200nmであり、より好ましくは40〜180nm、更に好ましくは60〜150nmである。尚、ガス分離材の実用性を考慮すると、無機多孔質基材の平均細孔径は、上述の多孔質部の平均細孔径より大きいことが好ましい。
尚、本発明のガス分離材を、水素ガスやヘリウムガスを対象としたガス分離材として用いる場合、各部の平均細孔径はそれぞれ以下の通りである。無機多孔質基材の平均細孔径は60〜150nmが好ましく、多孔質部の平均細孔径は5〜8nmが好ましい。また、この場合において、ガス分離体の平均細孔径は0.29〜0.32nmが好ましい。
上記無機多孔質基材の形状は、目的、用途等に応じて適宜選択される。例えば、塊状、板状(平板、曲板等)、筒状(円筒、角筒等)、棒状等とすることもできる。また、大きさも、目的、用途等に応じて適宜選択される。
本実施形態のガス分離材は、ガス分離膜が基材に保持されているから、取り扱いが容易である。
3.ガス分離膜の製造方法(1)
本実施形態のガス分離膜の製造方法(1)は、次の工程を備える。
すなわち、無機多孔質基材の表面に、アルミナゾル及び金属化合物を含む組成物からなる被膜を形成する〔1〕金属化合物含有被膜形成工程を備える。
また、被膜を酸化雰囲気にて加熱して、アルミナ及び金属成分を含む多孔質部を形成する〔2〕熱処理工程を備える。
また、熱処理工程後の多孔質部を還元雰囲気にて加熱して、少なくとも多孔質部の表面に含まれる金属成分を還元する〔3〕還元工程を備える。
また、還元工程後の多孔質部の一面側からシリコン源を供給し、他面側から酸素ガスを供給しながらCVD(化学蒸着)法によって、ガス分離体を備えたガス分離膜を形成する〔4〕ガス分離膜形成工程を備える。
なお、金属化合物には、ゾルに含まれる金属とは重複しない金属が含まれることが望ましい。
各工程について詳細に説明する。
〔1〕金属化合物含有被膜形成工程
金属化合物含有被膜形成工程では、無機多孔質基材の表面に、アルミナゾル(Al成分を含むゾル)及び金属化合物を含む組成物からなる被膜を形成する。
組成物を構成するAl元素、及び金属化合物の金属元素の含有割合は、最終的に得られる多孔質膜を構成するAl元素、及び金属化合物に由来する金属元素の含有割合に反映される。
無機多孔質基材としては、上述の「1.ガス分離材」で記載した基材を用いることができる。すなわち、一面から他面へと線状又は網目状に貫通する細孔を有する多孔質構造を形成できるものであれば、特に限定されない。例えば、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、シリカ、サイアロン、酸化チタン、セピオライト、モンモリロナイト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、カネマイト等が挙げられる。これらのうち、アルミナ(中でもα−Alが好ましい)、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素が好ましい。また、上記化合物は単独で又は組み合わせて用いてもよい。
金属化合物含有被膜形成工程において用いる組成物は、アルミナゾル(Al成分を含むゾル)と、金属化合物とを含むゾル組成物である。このゾル組成物は、更に、分散性、粘度調整等を向上するために、高分子量成分、水等を含有してもよい。
ゾル組成物において、アルミナゾルに含まれるAl成分と、金属化合物に含まれる金属成分との比は、Alの酸化物であるAl、及び金属化合物の金属酸化物(例えば金属化合物がNi化合物の場合にはNiO)を用いて換算したとき、これらの合計100モル%に対して、好ましくは、Alが60〜99モル%であり、金属酸化物が1〜40モル%であり、より好ましくは、Alが80〜99モル%であり、金属酸化物が1〜20モル%であり、更に好ましくは、Alが88〜98モル%であり、金属酸化物が2〜12モル%である。
ゾル組成物は、通常、上記のAl成分を含むゾル、金属化合物等を用い、上記の各濃度になるように、これらを混合することにより調製される。
アルミナゾルとしては、公知のアルミナゾル(コロイド粒子としてアルミナ水和物を含むゾル)、好ましくは、ベーマイトゾルが用いられる。このベーマイトゾルは、AlO(OH)の分子式で表される物質を含むゾルである。
ベーマイトゾルとしては、以下の方法で得られたゾルを用いることができる。すなわち、まず、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシドを、水に可溶な有機溶媒(イソプロパノール、エタノール、2−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等)に溶解させる。その後、この溶液を、塩酸、硝酸、過塩素酸等の一価の酸により酸性とし、80℃以上、好ましくは80℃〜95℃の熱水中に、撹拌しながら添加し、加水分解する。通常、上記温度で1〜20時間、攪拌が継続される。尚、この熱水の温度が低いと、無定形の水和物が生成してしまうことがある。
次いで、加水分解によりアルミニウムアルコキシドから生じた(遊離した)アルコールを蒸発させ、除去することにより、ベーマイトと、水とを含む混合物が得られる。その後、この混合物に、更に、上記酸を添加することによりベーマイトゾルが調製される。尚、加水分解前のアルミニウムアルコキシドが、水と反応しないようにするため、予め、無水酢酸、無水マレイン酸等のカルボン酸無水物や、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル等のアセト酢酸エステルや、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル等のジカルボン酸エステル等を配合してもよい。
金属化合物には、特に制限はないが、無機金属塩を用いるのが好ましい。例えば、無機金属塩としては、酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩等を用いることができる。より詳細には、例えば、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル6水和物、硝酸ニッケル6水和物等を用いることができる。
また、上記高分子量成分としては、特に限定されず、公知の高分子を幅広く用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール及びその変性物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、でんぷん及びその変性物等が挙げられる。
上記ゾル組成物は、上記の方法により得られたベーマイトゾルと、金属化合物とを混合して調製してもよい。この場合において、市販のベーマイトゾルを混合することも可能である。
また、上述のように、ベーマイトゾルを調製する途中で、加水分解により、アルミニウムアルコキシドから生じたアルコールを蒸発させ、除去することにより、ベーマイトと、水とを含む混合物が得られたとき、この混合物と、金属化合物とを混合してもよい。この場合において、金属化合物としては、水に溶解して酸性を呈する硝酸塩、硫酸塩等が好ましい。
金属化合物は、固体のまま用いてもよいし、水、有機溶媒等に溶解させた溶液として用いてもよい。溶液を用いる場合は、調製されるゾル組成物のpHが、好ましい範囲になるように、適宜、酸等が用いられる。
また、高分子量成分を配合する場合は、固体のまま用いてもよいし、水、有機溶媒等に溶解させた溶液として用いてもよい。
金属化合物含有被膜形成工程において、ゾル組成物は、無機多孔質基材の表面に塗布され、基材の表面に沿うように被膜が形成される。塗布方法としては、ディッピング法、スプレー法、スピン法等が挙げられる。また、ゾル組成物を塗布する際のゾル組成物の温度は、特に限定されない。ゾル組成物の温度は、好ましくは10℃〜35℃、より好ましくは15℃〜25℃である。また、この塗布の際の無機多孔質基材の温度は、好ましくは10℃〜35℃、より好ましくは15℃〜30℃である。
被膜の厚さは、特に限定されず、用途に応じて適宜選択される。被膜の厚さは、通常、1〜6μmである。
〔2〕熱処理工程
熱処理工程では、被膜を酸化雰囲気にて加熱して、アルミナ及び金属成分を含む多孔質部を形成する。この工程では、多孔質部(中間層)として、無機多孔質基材の表面にアルミナが形成されるとともに、金属化合物は金属成分に変化する。金属化合物は、酸化雰囲気で加熱されるから、金属成分として金属酸化物を含む。
熱処理工程後の多孔質部の状態を図3に示す。符号15は金属成分を示す。この図では、多孔質部の細孔の表面に金属成分としての金属酸化物が付着している状態を示している。
熱処理工程における被膜の熱処理条件としては、大気、酸素ガス等の雰囲気中、大気圧下において、加熱温度が、好ましくは450℃〜950℃、より好ましくは550℃〜900℃、更に好ましくは600℃〜850℃である。熱処理は、この範囲の温度であれば、一定温度で熱処理を行ってよいし、温度を変化させながら熱処理を行ってもよい。尚、大気圧下のみならず、加圧下、減圧下で熱処理を行ってもよい。
また、多孔質部に含まれるアルミナは、γ−Alが好ましいことから、加熱温度を上記範囲内とすることが好ましい。加熱温度が高すぎると、α−Alへの相転移が進行してしまう傾向があるからである。
上記温度範囲で熱処理することにより、組成が安定であり、均一である酸化物固溶体からなる多孔質部を得ることができる。
この温度範囲で熱処理すると、細孔構造が熱的に安定となり、細孔径も好ましい範囲内となる傾向にある。
尚、加熱時間、昇温速度等は、無機多孔質基材の形状、大きさ等により、適宜、選択される。加熱時間は、通常、0.5〜10時間である。また、熱処理工程の後は、多孔質部にクラックが生じないように、徐冷することが好ましい。
上述の被膜形成工程及び熱処理工程の回数は特に限定されない。それぞれ、1回ずつ行ってもよいし、それぞれ、複数回行ってもよい。すなわち、金属化合物含有被膜形成工程及び熱処理工程を順に繰り返し行ってもよい。
上記ゾル組成物を用いて被膜を形成し、上記条件により熱処理を行うことにより、平均細孔径が10nm以下、好ましくは1〜8nm、より好ましくは1〜7nm、更に好ましくは1〜6nmの細孔を有する多孔質部を効率よく形成することができる。
〔3〕還元工程
還元工程では、熱処理工程後の多孔質部を還元雰囲気にて加熱して、少なくとも多孔質部の表面に含まれる金属成分を還元する。
還元工程の多孔質部の状態を図4に示す。符号17は還元された金属成分を示す。この図では、多孔質部の細孔の表面に金属酸化物が還元された金属が付着している状態を示している。図3の金属酸化物が、図4の金属に還元され析出することにより、その体積が減少する。この様子は、図3の符号15の金属成分のサイズと、図4の符号17の金属成分のサイズとに表されている。
還元工程では通常、水素還元あるいは一酸化炭素還元が行われる。還元工程における熱処理条件としては、還元雰囲気中、大気圧下において、加熱温度が、好ましくは450℃〜950℃、より好ましくは550℃〜900℃、更に好ましくは600℃〜850℃である。熱処理は、この範囲の温度であれば、一定温度で熱処理を行ってよいし、温度を変化させながら熱処理を行ってもよい。尚、大気圧下のみならず、加圧下、減圧下で熱処理を行ってもよい。
また、多孔質部に含まれるアルミナは、γ−Alが好ましいことから、加熱温度を上記範囲内とすることが好ましい。加熱温度が高すぎると、α−Alへの相転移が進行してしまう傾向があるからである。
上記温度範囲で熱処理することにより、組成が安定であり、均一である酸化物固溶体からなる多孔質部を得ることができる。
この温度範囲で熱処理すると、細孔構造が熱的に安定となり、細孔径も好ましい範囲内となる傾向にある。
尚、加熱時間、昇温速度等は、無機多孔質基材の形状、大きさ等により、適宜、選択される。加熱時間は、通常、0.5〜10時間である。また、熱処理工程の後は、多孔質部にクラックが生じないように、徐冷することが好ましい。
〔4〕ガス分離膜形成工程
ガス分離膜形成工程では、還元工程後の多孔質部の一面側からシリコン源を供給し、他面側から酸素ガスを供給しながらCVD(化学蒸着)法によって、ガス分離体を備えたガス分離膜を形成する。このCVD法は、対向拡散CVD法である。
ガス分離膜形成工程を図5に示す。符号19は、シリコン源(Si源)を示し、符号21は酸素ガス(O)を示し、符号23は、再び酸化された金属成分を示し、符号11は、ガス分離体を示す。
図4の還元工程によって還元された金属は再び酸化されて、図5の金属酸化物になることにより、その体積が増加する。この様子は、図4の符号17の金属成分のサイズと、図5の符号23の金属成分のサイズに表されている。金属成分は、図3の熱処理工程後は金属酸化物であり、図4の還元工程後では金属単体であり、図5のガス分離膜形成工程では金属酸化物である。金属成分は、酸化物の状態から、一旦、還元工程により体積が減少し、その後、ガス分離膜形成工程では酸化されて体積が再び増大している。
本実施形態では、CVD法でガス分離体を形成する際に、金属成分の酸化による体積膨張が促され、この作用により、ガス分離体の欠陥が抑制されるものと推測される。
すなわち、以下のように推測される。
多孔質部の細孔に、CVD法でガス分離体を形成するためには、原料ガス(シリコン源)を細孔に通す必要がある。細孔は原料ガスを通すためには、ある程度の大きさが必要となる。細孔が狭すぎると原料ガスが通りにくいからである。
このように、細孔は、原料ガスが通れる程度の大きさが必要である。
一方、細孔が大きくなると、細孔を塞ぐようにするためには、ガス分離体を形成すべき容積が大きくなるから、これに伴って、ガス分離体に欠陥を生じやすくなる。
そこで、本実施形態では、金属成分の酸化による体積膨張を利用しているのである。細孔は、原料ガス(シリコン源)を通すために十分な大きさを確保している。また、細孔の内壁に金属単体が存在する状態としている。このような状態で、CVD法を用いると、原料ガスは細孔に十分に入り込むことができる。また、酸素ガスが細孔に導入されると、金属単体が酸化されて体積膨張を起こすから、体積膨張分だけ細孔をガス分離体で塞ぎやすくなるのである。
つまり、原料ガスが細孔を通りやすく、しかも細孔を塞ぎやすくなるのである。
従って、本実施形態では欠陥の少ないガス分離体を備えたガス分離膜となるものと推測される。
金属成分の酸化による体積膨張を利用することなく、比較的大きな細孔を塞ぐためには、多くの原料ガスを使用し製膜時間を長くして、厚いガス分離体を形成するのが一般的である。
しかしながら、厚いガス分離体では、ガス透過率が低くなる傾向にあり、実用的に不利である。
一方、本実施形態では、金属成分の酸化による体積膨張を利用しているため、比較的大きな細孔でも、比較的薄いガス分離体で塞ぐことができる。よって、ガス透過率が高くなる傾向にあり、実用的に有利である。
具体的には、定容圧力変化法によるガス透過率測定から、ガス分離膜の窒素ガスに対する水素ガスの選択透過性(H/N)が100以上、更には130以上が望ましい。この際、同様の方法により測定されるガス分離膜の水素ガス透過率は、1×10−7mol/m・s・Pa以上であることが望ましい。
ガス分離膜形成工程における反応温度は、特に限定されない。反応温度は、好ましくは550℃〜700℃、より好ましくは575℃〜675℃、更に好ましくは600℃〜650℃である。
ガス分離膜形成工程における反応時間は、特に限定されない。反応温度は、好ましくは3分〜4時間、より好ましくは3分〜3時間、更に好ましくは5分〜2時間である。
〔5〕ガス分離膜の製造方法の作用効果
本実施形態の製造方法を用いると、欠陥の低減されたガス分離膜を得ることができる。
4.ガス分離膜の製造方法(2)
ガス分離膜は、上記のガス分離膜の製造方法(1)のみならず、他のガス分離膜の製造方法(2)によっても製造することができる。
この製造方法では、アルミナゾルを含む組成物からなる被膜を形成した後に、被膜に金属化合物を付着させる点で、ガス分離膜の製造方法(1)と相違している。ガス分離膜の製造方法(2)は、その他の点では、ガス分離膜の製造方法(1)と同一である。
すなわち、ガス分離膜の製造方法(2)は、次の工程を備える。
無機多孔質基材の表面に、アルミナゾルを含む組成物からなる被膜を形成する〔1〕被膜形成工程を備える。
また、被膜に金属化合物を付着させる〔2〕金属化合物付着工程を備える。
また、被膜を酸化雰囲気にて加熱して、アルミナ及び金属成分を含む多孔質部を形成する〔3〕熱処理工程を備える。
また、熱処理工程後の多孔質部を還元雰囲気にて加熱して、少なくとも多孔質部の表面に含まれる金属成分を還元する〔4〕還元工程を備える。
また、還元工程後の多孔質部の一面側からシリコン源を供給し、他面側から酸素ガスを供給しながらCVD(化学蒸着)法によって、ガス分離膜を形成する〔5〕ガス分離膜形成工程を備える。
各工程について詳細に説明する。
〔1〕被膜形成工程
被膜形成工程では、無機多孔質基材の表面に、アルミナゾル(Al成分を含むゾル)を含む組成物からなる被膜を形成する。
無機多孔質基材としては、上述の「1.ガス分離材」で記載した基材を用いることができる。すなわち、一面から他面へと線状又は網目状に貫通する細孔を有する多孔質構造を形成できるものであれば、特に限定されない。例えば、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、シリカ、サイアロン、酸化チタン、セピオライト、モンモリロナイト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、カネマイト等が挙げられる。これらのうち、アルミナ(中でもα−Alが好ましい)、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素が好ましい。また、上記化合物は単独で又は組み合わせて用いてもよい。
被膜形成工程において用いる組成物は、アルミナゾル(Al成分を含むゾル)を含むゾル組成物である。このゾル組成物は、更に、分散性、粘度調整等を向上するために、高分子量成分、水等を含有してもよい。
ゾル組成物は、通常、上記のAl成分を含むゾル等を用い、上記の各濃度なるように、これらを混合することにより調製される。
アルミナゾルとしては、公知のアルミナゾル(コロイド粒子としてアルミナ水和物を含むゾル)、好ましくは、ベーマイトゾルが用いられる。このベーマイトゾルは、AlO(OH)の分子式で表される物質を含むゾルである。
ベーマイトゾルとしては、以下の方法で得られたゾルを用いることができる。すなわち、まず、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシドを、水に可溶な有機溶媒(イソプロパノール、エタノール、2−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等)に溶解させる。その後、この溶液を、塩酸、硝酸、過塩素酸等の一価の酸により酸性とし、80℃以上、好ましくは80℃〜95℃の熱水中に、撹拌しながら添加し、加水分解する。通常、上記温度で1〜20時間、攪拌が継続される。尚、この熱水の温度が低いと、無定形の水和物が生成してしまうことがある。
次いで、加水分解によりアルミニウムアルコキシドから生じた(遊離した)アルコールを蒸発させ、除去することにより、ベーマイトと、水とを含む混合物が得られる。その後、この混合物に、更に、上記酸を添加することによりベーマイトゾルが調製される。尚、加水分解前のアルミニウムアルコキシドが、水と反応しないようにするため、予め、無水酢酸、無水マレイン酸等のカルボン酸無水物や、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル等のアセト酢酸エステルや、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル等のジカルボン酸エステル等を配合してもよい。
また、上記高分子量成分としては、特に限定されず、公知の高分子を幅広く用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール及びその変性物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、でんぷん及びその変性物等が挙げられる。
上記ゾル組成物は、上記の方法により得られたベーマイトゾルを用いてもよいし、市販のベーマイトゾルを用いてもよい。また、両者を混合することも可能である。
また、高分子量成分を配合する場合は、固体のまま用いてもよいし、水、有機溶媒等に溶解させた溶液として用いてもよい。
被膜形成工程において、ゾル組成物は、無機多孔質基材の表面に塗布され、基材の表面に沿うように被膜が形成される。塗布方法としては、ディッピング法、スプレー法、スピン法等が挙げられる。また、ゾル組成物を塗布する際のゾル組成物の温度は、特に限定されない。ゾル組成物の温度は、好ましくは10℃〜35℃、より好ましくは15℃〜25℃である。また、この塗布の際の無機多孔質基材の温度は、好ましくは10℃〜35℃、より好ましくは15℃〜30℃である。
被膜の厚さは、特に限定されず、用途に応じて適宜選択される。被膜の厚さは、通常、1〜6μmである。
〔2〕金属化合物付着工程
金属化合物付着工程では、被膜に金属化合物を付着させる。
金属化合物としては、金属の化合物であれば特に限定されない。例えば、金属原子を含む酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩等を用いることができる。
金属化合物の付着方法は、特に限定されない。例えば、水、有機溶媒等に溶解させた溶液として、溶液を被膜に付着させて乾燥させる方法が挙げられる。
〔3〕熱処理工程
熱処理工程では、被膜を酸化雰囲気にて加熱して、アルミナ及び金属成分を含む多孔質部を形成する。この工程では、多孔質部(中間層)として、無機多孔質基材の表面にアルミナが形成されるとともに、金属化合物は金属成分に変化する。金属化合物は、酸化雰囲気で加熱されるから、金属成分は金属酸化物となっている。
熱処理工程後の多孔質部の状態を図6に示す。符号15は金属成分を示す。この図では、多孔質部の細孔の表面に金属成分としての金属酸化物が付着している状態を示している。
熱処理工程における被膜の熱処理条件としては、大気、酸素ガス等の雰囲気中、大気圧下において、加熱温度が、好ましくは450℃〜950℃、より好ましくは550℃〜900℃、更に好ましくは600℃〜850℃である。熱処理は、この範囲の温度であれば、一定温度で熱処理を行ってよいし、温度を変化させながら熱処理を行ってもよい。尚、大気圧下のみならず、加圧下、減圧下で熱処理を行ってもよい。
また、多孔質部に含まれるアルミナは、γ−Alが好ましいことから、加熱温度を上記範囲内とすることが好ましい。加熱温度が高すぎると、α−Alへの相転移が進行してしまう傾向があるからである。
上記温度範囲で熱処理することにより、組成が安定であり、均一である酸化物固溶体からなる多孔質部を得ることができる。
この温度範囲で熱処理すると、細孔構造が熱的に安定となり、細孔径も好ましい範囲内となる傾向にある。
尚、加熱時間、昇温速度等は、無機多孔質基材の形状、大きさ等により、適宜、選択される。加熱時間は、通常、0.5〜10時間である。また、熱処理工程の後は、多孔質部にクラックが生じないように、徐冷することが好ましい。
上述の被膜形成工程及び熱処理工程の回数は特に限定されない。それぞれ、1回ずつ行ってもよいし、それぞれ、複数回行ってもよい。
上記ゾル組成物を用いて被膜を形成し、上記条件により熱処理を行うことにより、平均細孔径が10nm以下、好ましくは1〜8nm、より好ましくは1〜7nm、更に好ましくは1〜6nmの細孔を有する多孔質部を効率よく形成することができる。
〔4〕還元工程
還元工程では、熱処理工程後の多孔質部を還元雰囲気にて加熱して、少なくとも多孔質部の表面に含まれる金属成分を還元する。
還元工程の多孔質部の状態を図7に示す。符号17は還元された金属成分を示す。この図では、多孔質部の細孔の表面に金属酸化物が還元された金属が付着している状態を示している。図6の金属酸化物が、図7の金属に還元され析出することにより、その体積が減少する。この様子は、図6の符号15の金属成分のサイズと、図7の符号17の金属成分のサイズとに表されている。
還元工程では通常、水素還元あるいは一酸化炭素還元が行われる。還元工程における熱処理条件としては、還元雰囲気中、大気圧下において、加熱温度が、好ましくは450℃〜950℃、より好ましくは550℃〜900℃、更に好ましくは600℃〜850℃である。熱処理は、この範囲の温度であれば、一定温度で熱処理を行ってよいし、温度を変化させながら熱処理を行ってもよい。尚、大気圧下のみならず、加圧下、減圧下で熱処理を行ってもよい。
また、多孔質部に含まれるアルミナは、γ−Alが好ましいことから、加熱温度を上記範囲内とすることが好ましい。加熱温度が高すぎると、α−Alへの相転移が進行してしまう傾向があるからである。
上記温度範囲で熱処理することにより、組成が安定であり、均一である酸化物固溶体からなる多孔質部を得ることができる。
この温度範囲で熱処理すると、細孔構造が熱的に安定となり、細孔径も好ましい範囲内となる傾向にある。
尚、加熱時間、昇温速度等は、無機多孔質基材の形状、大きさ等により、適宜、選択される。加熱時間は、通常、2〜5時間である。また、熱処理工程の後は、多孔質部にクラックが生じないように、徐冷することが好ましい。
〔5〕ガス分離膜形成工程
ガス分離膜形成工程では、還元工程後の多孔質部の一面側からシリコン源を供給し、他面側から酸素ガスを供給しながらCVD(化学蒸着)法によって、ガス分離体を備えたガス分離膜を形成する。このCVD(化学蒸着)法は、対向拡散CVD法である。
ガス分離膜形成工程を図8に示す。符号19は、シリコン源(Si源)を示し、符号21は酸素ガス(O)を示し、符号23は、再び酸化された金属成分を示し、符号11は、ガス分離体を示す。
図7の還元工程によって還元された金属は再び酸化されて、図8の金属酸化物になることにより、その体積が増加する。この様子は、図7の符号17の金属成分のサイズと、図8の符号23の金属成分のサイズに表されている。金属成分は、図6の熱処理工程後は金属酸化物であり、図7の還元工程後では金属単体であり、図8のガス分離膜形成工程では金属酸化物である。金属成分は、酸化物の状態から、一旦、還元工程により体積が減少し、その後、ガス分離膜形成工程では酸化されて体積が再び増大している。
本実施形態では、CVD法でガス分離体を形成する際に、金属成分の酸化による体積膨張が促され、この作用により、ガス分離体の欠陥が抑制されるものと推測される。
すなわち、以下のように推測される。
多孔質部の細孔に、CVD法でガス分離体を形成するためには、原料ガス(シリコン源)を細孔に通す必要がある。細孔は原料ガスを通すためには、ある程度の大きさが必要となる。細孔が狭すぎると原料ガスが通りにくいからである。
このように、細孔は、原料ガスが通れる程度の大きさが必要である。
一方、細孔が大きくなると、細孔を塞ぐようにするためには、ガス分離体を形成すべき容積が大きくなるから、これに伴って、ガス分離体に欠陥を生じやすくなる。
そこで、本実施形態では、金属成分の酸化による体積膨張を利用しているのである。細孔は、原料ガス(シリコン源)を通すために十分な大きさを確保している。また、細孔の内壁に金属単体が存在する状態としている。このような状態で、CVD法を用いると、原料ガスは細孔に十分に入り込むことができる。また、酸素ガスが細孔に導入されると、金属単体が酸化されて体積膨張を起こすから、体積膨張分だけ細孔をガス分離体で塞ぎやすくなるのである。
つまり、原料ガスが細孔を通りやすく、しかも細孔を塞ぎやすくなるのである。
従って、本実施形態では欠陥の少ないガス分離体を備えたガス分離膜となるものと推測される。
金属成分の酸化による体積膨張を利用することなく、比較的大きな細孔を塞ぐためには、多くの原料ガスを使用し製膜時間を長くして、厚いガス分離体を形成するのが一般的である。
しかしながら、厚いガス分離体では、ガス透過率が低くなる傾向にあり、実用的に不利である。
一方、本実施形態では、金属成分の酸化による体積膨張を利用しているため、比較的大きな細孔でも、比較的薄いガス分離体で塞ぐことができる。よって、ガス透過率が高くなる傾向にあり、実用的に有利である。
具体的には、定容圧力変化法によるガス透過率測定から、ガス分離膜の窒素ガスに対する水素ガスの選択透過性(H/N)が100以上、更には130以上が望ましい。この際、同様の方法により測定されるガス分離膜の水素ガス透過率は、1×10−7mol/m・s・Pa以上であることが望ましい。
ガス分離膜形成工程における反応温度は、特に限定されない。反応温度は、好ましくは550℃〜700℃、より好ましくは575℃〜675℃、更に好ましくは600℃〜650℃である。
ガス分離膜形成工程における反応時間は、特に限定されない。反応温度は、好ましくは3分〜4時間、より好ましくは3分〜3時間、更に好ましくは5分〜2時間である。
〔6〕ガス分離膜の製造方法の作用効果
本実施形態の製造方法を用いると、欠陥の低減されたガス分離膜を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
〔1〕試料の調製
<実施例1>
対向拡散CVD用基材を用意した(図9〜図11参照)。この基材31は次のように構成されている。
基材31には、多孔質の円筒形状の基材(内径2.4mm、外径3mm、長さ400mm)を用いた。基材31において、α−Alで構成される部分に符号31Aを付して示す。
この基材31の外表面には、略中央部の幅50mmを除いた両端部にガラス粉末を含む混合物を塗布した。そして、ガラス粉末を加熱溶融してガラス化させて、ガラスシール31Cを施した。次に基材31の外表面において、ガラスシール31Cを形成していない略中央部にγ−Alのメソポーラスな中間層31Bを形成した。中間層31Bの形成は次のように行った。
まず、ベーマイト系混合液(ゾル組成物)を調製した。詳細には、Arガス雰囲気のグローブボックスの中で、0.05molのアルミニウムトリsec−ブトキシドに、水溶性有機溶媒として、0.1molのイソプロパノールを加え、十分混合した。その後、この混合液を、90℃に加熱した水90ミリリットル(5mol)の攪拌下に、添加した。次いで、液温を室温まで冷却し、5モル%のNi(NO・6HO及び1M−硝酸4.8ミリリットルを添加して撹拌し、固形分濃度6.4質量%のベーマイト系ゾル(Al及びNiO換算のモル比95:5)を得た。
その後、このベーマイト系ゾル24ミリリットルと、3.5質量%のポリビニルアルコール水溶液16ミリリットルとを混合し、ベーマイト系混合液(ゾル組成物)を調製した。
次に基材31の略中央部の外表面に、上述のベーマイト系混合液を塗布した。塗布後、1時間乾燥させて、基材の31の外表面に被膜を形成した。
そして、基材31を大気雰囲気中(酸化雰囲気中)、800℃で2時間熱処理することによって、基材外表面の被膜を、γ−Al及びNiを含む固溶体酸化物からなる多孔質部(中間層)31Bとした。この多孔質部では、Niは酸化物として存在している(図3参照)。
次に基材31を還元雰囲気中、800℃で2時間熱処理することによって、多孔質部のNiの酸化物を水素還元して、Ni単体とした(図4参照)。中間層を還元後には基材の表面が変色(灰色に変色)していた。これから、基材の表面にNi単体が析出したことを確認した。
このようにして調製した対向拡散CVD用基材を、図12に示す対向拡散CVD装置にセットした。この装置では、対向拡散CVD用基材31を、Oリングを介してチャンバーに固定した。反応ガス(シリコン源)は窒素ガスをキャリアとし、バブラーを介して基材外面に供給した。一方、反応ガス(酸素ガス)は基材31の内側に供給した。このようにすることで、γ−Alの中間層31B内で、原料ガスと反応ガスとが接触してガス分離体11が形成された(図5参照)。尚、CVD法における反応温度は600℃、反応時間は5分であった。
<比較例1>
次の点、以外は実施例1と同様に、ガス分離膜を形成した。
すなわち、比較例1では、多孔質部のNiの酸化物を水素還元せずに、CVD法によってガス分離膜を形成した
言い換えれば、基材の還元雰囲気中での熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に、ガス分離膜を形成した。
〔2〕ガス分離特性の測定
ガス透過率は高温分子ふるい機能評価装置を用いて定容圧力変化法にて測定した。ガス
の測定順序はHe、H、CO、Ar、Nであった。
結果を図13に示す。分子径の大きなAr、Nガスの透過率は、実施例1の方が、比較例1よりも減少していることが分かる。
一般的に、膜の欠陥が多いほど、分子径の大きなガスの透過率は高い。本測定では、実施例1の方が、比較例1よりも、分子径の大きなガスの透過率は低いから、低欠陥であることが示唆されている。
また、窒素ガスに対する水素ガスの選択透過性の値は、実施例1の場合は139であり、比較例1の場合は69であった。この結果より、実施例1の方がガス分離膜としての機能に極めて優れていることが確認された。
<実施例の効果>
本実施例のガス分離膜は、低欠陥であり、ガス分離膜の機能に極めて優れている。
また、本実施例のガス分離膜の製造方法によれば、低欠陥のガス分離膜を容易に製造することができる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
本発明のガス分離膜、ガス分離材は、種々のガスの分離用途において利用することができる。また、本発明のガス分離膜の製造方法は、低欠陥のガス分離膜の製造に広く応用される。
1;ガス分離膜
3;多孔質部
5;多孔質部の孔
7;金属酸化物を含む酸化析出物
9;多孔質膜
11;ガス分離体
13;無機多孔質基材
15;金属成分
17;還元された金属成分
19;シリコン源
21;酸素ガス
23;再び酸化された金属成分
31;基材
31A;α−Al
31B;γ−Alの多孔質部(中間層)
31C;ガラスシール


Claims (7)

  1. 無機多孔質部と、前記無機多孔質部の孔の内壁面に保持された金属を単体で含む析出物由来であって、前記金属の酸化物たる金属酸化物を含む酸化析出物と、を有する多孔質膜と、
    前記酸化析出物を含む形で前記多孔質膜の孔を塞ぐような形態で配されるガス分離体と、を備えたガス分離膜。
  2. 前記金属酸化物を含む酸化析出物には、前記無機多孔質部の孔の内壁面に単体金属からなる金属微粒子として保持されたものを、酸化した酸化粒子が含まれることを特徴とする請求項1に記載のガス分離膜。
  3. 前記金属はニッケルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス分離膜。
  4. 前記無機多孔質部のKelvin Diameterで表される平均細孔径が1〜10nmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガス分離膜。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガス分離膜を、無機多孔質基材に積層してなるガス分離材。
  6. 無機多孔質基材の表面に、アルミナゾル及び金属化合物を含む組成物からなる被膜を形成する金属化合物含有被膜形成工程と、
    前記被膜を酸化雰囲気にて加熱して、アルミナ及び金属成分を含む多孔質部を形成する熱処理工程と、
    前記熱処理工程後の多孔質部を還元雰囲気にて加熱して、少なくとも該多孔質部の表面に含まれる金属成分を還元する還元工程と、
    前記還元工程後の多孔質部の一面側からシリコン源を供給し、他面側から酸素ガスを供給しながらCVD法によって、ガス分離体を備えたガス分離膜を形成するガス分離膜形成工程と、を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガス分離膜の製造方法。
  7. 無機多孔質基材の表面に、アルミナゾルを含む組成物からなる被膜を形成する被膜形成工程と、
    前記被膜に金属化合物を付着させる金属化合物付着工程と、
    前記被膜を酸化雰囲気にて加熱して、アルミナ及び金属成分を含む多孔質部を形成する熱処理工程と、
    前記熱処理工程後の多孔質部を還元雰囲気にて加熱して、少なくとも該多孔質部の表面に含まれる金属成分を還元する還元工程と、
    前記還元工程後の多孔質部の一面側からシリコン源を供給し、他面側から酸素ガスを供給しながらCVD法によって、ガス分離体を備えたガス分離膜を形成するガス分離膜形成工程と、を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガス分離膜の製造方法。
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