JPH09142964A - アルミナ多孔質膜の製造方法 - Google Patents

アルミナ多孔質膜の製造方法

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JPH09142964A
JPH09142964A JP30950495A JP30950495A JPH09142964A JP H09142964 A JPH09142964 A JP H09142964A JP 30950495 A JP30950495 A JP 30950495A JP 30950495 A JP30950495 A JP 30950495A JP H09142964 A JPH09142964 A JP H09142964A
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boehmite sol
alumina
firing
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JP30950495A
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Youji Seki
洋二 積
Hitohide Oshima
仁英 大嶋
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Kyocera Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
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Abstract

(57)【要約】 【課題】解膠できないバイアーライト等を遠心分離法等
により除去する必要があり、また、バルクゲル体中にβ
−ジケトンが不均一に残留するため、ベーマイトゾルの
段階でそれを除去する必要がある等、操作手順が煩雑で
ある。 【解決手段】アルミニウムアルコキシドに水溶性の有機
溶媒と、カルボン酸無水物、アセト酢酸エステル、ジカ
ルボン酸エステル等の前記アルコキシドの水に対する反
応性を低下する化合物を添加後、80℃以上の水で加水
分解するか、あるいは更に酸を添加する等して80℃以
上で解膠してベーマイトゾルを作製し、そのベーマイト
ゾルを多孔質セラミック支持体に塗布し、室温を越え8
0℃以下の温度で乾燥後、酸化性雰囲気中、400〜1
000℃で焼成一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒や酵素などの
機能性材料の担体、電解隔壁、液体用濾過分離膜、気体
用分離膜、あるいは透過膜等、微小な細孔径を有し狭い
細孔分布を示すアルミナ多孔質膜を製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、触媒や酵素などの各種機能性
材料の担体や、電解隔壁、液体用濾過分離膜、気体用分
離膜、あるいは透過膜等には、有機材料をはじめとする
各種材料から成る多孔質体が用いられてきた。
【0003】しかしながら、前記多孔質体に対する耐衝
撃性や、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の諸要求が次第
に高くなってくるにつれ、機械的、熱的、化学的安定性
に優れた金属酸化物等から成る各種無機多孔質体が注目
され種々検討されるようになってきた。
【0004】その結果、前記従来の多孔質体で得られて
いた諸性能が、それぞれの用途に適用される無機多孔質
体に用いた材料の細孔径の大きさ、及び細孔径分布に著
しく影響されることが明らかとなった。
【0005】そこで、例えばアルミナ多孔質体は、ゾル
ゲル法により比較的簡便に作製できることから、アルミ
ニウムアルコキシドを80℃以上に加熱した大量の水で
加水分解し、酸を用いて解膠することでベーマイトゾル
を調製し、該ベーマイトゾルを焼成して平均細孔径が1
0nm以下のγ−アルミナを作製したり、前記同様な方
法で調製したベーマイトゾルをα−アルミナ多孔質体に
塗布して乾燥し、焼成することで、γ−アルミナ膜を作
製すること等が提案されている。
【0006】しかしながら、一般に、ゾルゲル法で用い
られる金属アルコキシドは極めて加水分解され易く、水
に添加する際、均一に水と接することができず、それに
より核発生が不均一となってゾル粒子の大きさが均等に
成り難く、その結果、得られる金属酸化物から成る多孔
質体の細孔径分布が広くなってしまうという欠点があっ
た。
【0007】即ち、前記アルミナから成る多孔質体は、
アルミニウムアルコキシドを80℃以上に加熱した大量
の水で加水分解し、酸を用いて解膠後、焼成することに
より平均細孔径が10nm以下のγ−アルミナとして得
られるものであるが、細孔径分布が広いことから要求性
能を満足せず、前述の各種用途への適用は不可能であっ
た。
【0008】前記用途の具体例としては、微細孔径を有
する多孔質膜を用いた分離膜があり、該分離膜の特性と
しては、混合物から目的物を分離する割合を示す分離係
数と、その混合物の透過流量が重要となる。
【0009】一般に気体分子は平均自由行程以下の大き
さの細孔をクヌッセン流れによって透過するが、その時
の透過流量Qは標準状態に換算すると次式で与えられ
る。
【0010】
【数1】
【0011】上記式中、Mは透過分子の分子量、Rは気
体定数、Tは絶対温度、rは細孔半径、Lは分離膜の厚
さ、ΔPは分離膜の上流と下流との圧力差である。
【0012】そこで、例えば、前記分離膜を気体中に存
在する直径10nmのウイルスの濾過に用いる場合、平
均細孔径だけでなく最大細孔径も10nm以下にする必
要があり、もし前記分離膜の細孔径分布が広い場合に
は、平均細孔径を10nmよりかなり小さくしなければ
ならない。
【0013】ところが前記関係式から明らかなように、
細孔半径rを例えば1/2に小さくすると、透過流量Q
は1/8に落ちてしまうことが分かる。
【0014】即ち、優れた分離係数と透過流量を有する
分離膜を作製するためには、狭い細孔径分布を持った構
造に設計する必要がある。
【0015】そこで、アルミナから成る多孔質体の細孔
径の大きさ、及び細孔径分布を制御する方法として、ア
ルミニウムアルコキシドを80℃以下の温度の水で加水
分解した後、80℃以上に加熱して解膠し焼成すること
により、平均細孔径が2.2nmで比較的細孔径分布の
狭いγ−アルミナを作製する方法(特開平5−2388
45号公報参照)や、アルミニウムアルコキシドのアル
コール溶液にβ−ジケトンを添加した後、加水分解して
バルクゲル体を得、続いて乾燥、焼成することにより、
細孔径が10〜500nmのアルミナ多孔質体を作製す
る方法(特開平2−196076号公報参照)等が提案
されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記γ
−アルミナを作製する方法では、アルミニウムアルコキ
シドを80℃以下の温度の水でいったん加水分解する
と、80℃以上に加熱して解膠せんとしても解膠できな
いバイアーライト等を生成するという難点があり、それ
を回避するためには生成したバイア−ライト等を遠心分
離法等により除去する必要があり、操作手順が煩雑にな
るという課題があった。
【0017】また、β−ジケトンを添加して形成される
バルクゲル体を焼成してアルミナ多孔質体を作製する方
法では、バルクゲル体中にβ−ジケトンが不均一に残留
するため、ベーマイトゾルの段階でそれを除去する必要
があり、前記同様に操作手順が煩雑になるという課題が
あった。
【0018】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑み成されたもの
で、その目的は、細孔径の大きさ、及び細孔径分布を制
御可能なように調製したベーマイトゾルを用いた簡便な
操作手順で、微細孔径でかつ狭い細孔径分布を有する分
離係数と透過流量に優れたアルミナ多孔質膜が効率良く
得られる製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に対して鋭意研究を重ねた結果、アルミニウムアルコキ
シドに対して、水に可溶な有機溶媒と該アルコキシドの
水に対する反応性を低下せしめる化合物を添加した溶液
を、80℃以上に加熱した水に添加して加水分解する
か、あるいは加水分解により凝集物もしくは沈澱物等が
生じた場合には、該溶液に無機酸または有機酸を添加し
80℃以上に加熱して解膠するか、水に可溶な有機溶媒
と該アルコキシドの水に対する反応性を低下せしめる化
合物を添加した溶液に無機酸または有機酸を添加し、8
0℃以上に加熱した水に添加し加水分解して作製したベ
ーマイトゾルを、多孔質セラミック支持体に塗布し、乾
燥、焼成することにより、細孔径が小さく、かつ狭い細
孔径分布を有するアルミナ質多孔質膜が得られることを
見出した。
【0020】更に、アルミニウムアルコキシドの水に対
する反応性を低下せしめる化合物としては、カルボン酸
無水物、アセト酢酸エステルおよびジカルボン酸エステ
ルから選ばれる少なくとも1種であり、ベーマイトゾル
の焼成条件は、酸化性雰囲気中で400〜1000℃の
温度であることが重要であることを見い出したものであ
る。
【0021】
【作用】本発明のアルミナ多孔質膜の製造方法によれ
ば、アルミナ多孔質膜の前駆体であるベーマイトゾルを
作製する過程で、まず、有機溶媒でアルミニウムアルコ
キシドを希釈するが、これは前記アルミニウムアルコキ
シドの粘度を下げ、水に添加した際に効率良く分散され
て、その結果微小なベーマイトゾルの核を発生させるた
めである。
【0022】また、前記アルミニウムアルコキシドと有
機溶媒の溶液に該アルコキシドの水に対する反応性を低
下せしめる化合物を添加することにより、反応性の高い
アルミニウムアルコキシドが、水中に十分分散しないう
ちに加水分解を受けて粒径の大きなベーマイトゾルの核
を形成してしまうことを防止でき、前記アルコキシドが
加水分解を受ける際に、最初に生成する無定形の水酸化
物がベーマイト粒子に変化するまで溶液中に高分散され
ることから最終的にベーマイト粒子の大きさが決定され
る。
【0023】更に、前記化合物としてカルボン酸無水
物、アセト酢酸エステル、ジカルボン酸エステルのいず
れかを用いることから、80℃以上の水中でそれらの化
合物自身が加水分解し有機酸を生成するため、ゲルの解
膠を促進する。
【0024】また、いったん生成したベーマイト一次粒
子の大きさは、その後の解膠工程でも変化しないため、
前記アルコキシドの加水分解時の条件がそのベーマイト
ゾルを多孔質セラミック支持体に塗布し、乾燥、焼成し
て得られるアルミナ多孔質膜の細孔径の大きさと細孔径
分布を決定することになる。
【0025】従って、本発明によれば、粒子が均一に分
散したベーマイトゾルを調製することができ、これを用
いてアルミナ多孔質膜を作製すると、微細な結晶粒子が
均一に揃っているため細孔分布が狭い多孔質膜となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアルミナ多孔質膜
の製造方法について詳述する。
【0027】本発明は、アルミニウムアルコキシドに対
して、水に可溶の有機溶媒と該アルコキシドの水に対す
る反応性を低下させる化合物を添加した溶液を、80℃
以上に加熱した水に添加し加水分解するか、あるいは前
記加水分解により凝集物もしくは沈澱等が生じた場合に
は、該溶液に無機酸または有機酸を添加し80℃以上に
加熱しながら解膠するか、またはアルミニウムアルコキ
シドに対して、水に可溶の有機溶媒と該アルコキシドの
水に対する反応性を低下させる化合物を添加した溶液
を、無機酸または有機酸を添加した前記同様の水に添加
して加水分解するかのいずれかの方法により調製したベ
ーマイトゾルを、多孔質セラミック支持体に塗布した
後、室温を越え80℃以下の温度で乾燥した後、酸化性
雰囲気中で400〜1000℃の焼成温度で焼成一体化
してアルミナ多孔質膜を得るものである。
【0028】本発明において、アルミナ質多孔質膜の前
駆体であるベーマイトゾル(AlOOH)を製造する際
に出発原料として用いられるアルミニウムアルコキシド
は、イソプロポキシド、ブトキシド、2−ブトキシド等
が挙げられ、とりわけ有機溶媒への溶解度の高い2−ブ
トキシドが最も望ましい。
【0029】また、均一に混合し、かつ水に可溶な有機
溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、2−ブ
タノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタ
ノール等のアルコールが挙げられる。
【0030】一方、前記アルコキシドの水に対する反応
性を低下させる化合物としては、無水酢酸、無水マレイ
ン酸等のカルボン酸無水物、アセト酢酸メチル、アセト
酢酸エチル、アセト酢酸プロピル等のアセト酢酸エステ
ル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジ
プロピル等のジカルボン酸エステルが挙げられ、これら
の化合物から選ばれる少なくとも1種が使用でき、その
添加量はアルミニウムアルコキシドに対して1〜100
モル%の割合が好適である。
【0031】前記化合物は、水に可溶な有機溶媒に添加
して十分に攪拌混合した後、この溶液を80℃以上、特
に80〜95℃の水に撹拌しながら添加して加水分解す
る。その際、原料のアルミニウムアルコキシドを水に効
率よく分散させることにより微小なベーマイトゾルの核
を発生させるため、激しく攪拌しながら前記溶液を水中
に徐々に添加することが望ましい。
【0032】また、前記溶液を水に添加する際の温度が
80℃より低いと、前述したように無定形の水和物が生
成し、その後、解膠できないバイア−ライト等に変化す
るため、水の温度は80℃以上としなければならない。
【0033】前記溶液を水に添加した後は、80℃以上
の温度に保った状態で0.5〜72時間攪拌することに
よりベーマイトゾルに解膠され、ほとんど透明なベーマ
イトゾル溶液を作製することができる。
【0034】通常、ベーマイトゾルの解膠は酸性条件下
で行われるが、前記アルコキシドの水に対する反応性を
低下せしめる化合物であるカルボン酸無水物、アセト酢
酸エステル、ジカルボン酸エステル等は、80℃以上の
水中でそれらの化合物自身が容易に加水分解し有機酸を
生成するため、新たにゲルの解膠のための酸を必ずしも
添加する必要はない。
【0035】但し、前記化合物自身の加水分解により生
成される有機酸量が、ベーマイトに対し3モル%に満た
ない時は、その分散溶液に塩酸、硝酸、過塩素酸などの
無機酸、または酢酸、トリクロル酢酸、修酸等の有機酸
を添加するのが望ましく、その添加量はアルミニウムア
ルコキシドに対して、合計で3〜100モル%の範囲が
適当である。
【0036】このようにして得られるベーマイトゾル
は、微細なベーマイト粒子が均一に分散し、実質的に凝
集体を含まない無色透明のゾル溶液である。
【0037】かくして得られたベーマイトゾルを、α−
アルミナ多孔質体のような支持体にディップコーティン
グ法あるいはスピンコーティング法等によって塗布し、
室温を越え80℃以下の温度範囲で、特に室温を越え6
0℃以下の温度で乾燥した後、その乾燥膜を大気などの
酸化性雰囲気中、400〜1000℃の温度で、特に4
00〜600℃の温度で0.1〜10時間程度焼成する
ことにより多孔質膜を得ることができる。
【0038】前記乾燥条件は、クラックの発生を防止す
るために、室温を越え80℃以下の温度範囲に限定され
る。
【0039】また、前記焼成温度を400〜1000℃
に限定したのは、400℃未満の温度ではγ−アルミナ
への結晶化が十分でなく、一方、1000℃を越えると
α−アルミナへの相転移が起こり、細孔径の増大ととも
に細孔容積が急激に減少するためである。
【0040】このようにして得られるアルミナ多孔質膜
は、特に400〜600℃の温度で焼成するとその平均
細孔径が4nm以下となり、かつ後述する実施例から明
らかなように非常にシャープな細孔径分布を有するもの
となる。
【0041】
【実施例】
(実施例1)十分乾燥したグローブボックス内で、10
0mlのナスフラスコに0.1モルのアルミニウムセカ
ンダリブトキシド(Al(sec−Bu)3 )を収容
し、これに水溶性有機溶媒として0.3モルの2−メト
キシエタノール (MeO−CH2 −CH2 −OH)
と、アルミニウムアルコキシドの水に対する反応性を低
下させる化合物として0.01モルの無水酢酸((CH
3 CO)2 O)を加え十分混合した後グローブボックス
から取り出し、85℃に加熱した水180ml(10モ
ル)に激しく攪拌しながら添加した。
【0042】その後、30分間攪拌した後、溶液温度を
95℃にして更に16時間還流して濃縮し、ほとんど無
色透明な1モル/lの濃度のベーマイト(AlOOH)
ゾルを得た。
【0043】かくして得られたベーマイト(AlOO
H)ゾルに、直径3mm、平均細孔径0.3μm、気孔
率40%のアルミナ質焼結体から成る多孔質管を浸漬
し、室温で乾燥後、大気中、500℃で1時間焼成する
操作を5回繰り返し、厚さ3.1μmの均質なアルミナ
多孔質膜を得た。
【0044】前記多孔質管を支持体とするアルミナ多孔
質膜の細孔分布を、窒素吸着測定装置により測定し、図
1の結果を得た。図1から明らかなように、本発明によ
る製造方法で得られたアルミナ多孔質膜は3.6nmに
細孔径のピークをもち、かつ非常に狭い細孔分布を示し
ていることが分かる。
【0045】(実施例2)実施例1において、無水酢酸
((CH3 CO)2 O)の添加量を0.002モルに変
更したアルミニウムセカンダリブトキシド(Al(se
c−Bu)3 )溶液を、85℃に加熱した水180ml
に激しく攪拌しながら添加した。
【0046】その後、30分間攪拌した後、反応溶液に
0.007モルの硝酸を加え、溶液温度を95℃に保持
して更に16時間還流して濃縮し、ほとんど無色透明な
1モル/lの濃度のベーマイト(AlOOH)ゾルを得
た。
【0047】得られたベーマイト(AlOOH)ゾルを
用いて、実施例1と同様の方法でアルミナ多孔質膜を作
製し、細孔を評価したところ、3.5nmに細孔径のピ
ークをもつ非常に狭い細孔分布を示すことが分かった。
【0048】(実施例3)実施例1において、無水酢酸
((CH3 CO)2 O)の添加量を0.002モルに変
更したアルミニウムセカンダリブトキシド(Al(se
c−Bu)3 )溶液を、予め0.007モルの硝酸を加
え、85℃に加熱した水180mlに激しく攪拌しなが
ら添加して、実施例1と同様にしてベーマイト(AlO
OH)ゾルを得た。
【0049】かくして得られたベーマイト(AlOO
H)ゾルを用いて、実施例1と同様にしてアルミナ多孔
質膜を作製し、細孔を評価したところ、3.4nmに細
孔径のピークをもつ非常に狭い細孔分布を示すことが分
かった。
【0050】(実施例4)実施例1において、成膜時の
焼成温度を400℃に設定した他は全く同一条件でアル
ミナ多孔質膜を作製し、実施例1と同様にして測定した
細孔径分布を図2に示す。その結果、3.1nmに細孔
径のピークをもちかつ非常に狭い細孔径分布を有するも
のであることが分かる。
【0051】(実施例5)実施例1において、無水酢酸
の添加量を0.05モル、95℃での還流時間を30分
にして無色透明なベーマイト(AlOOH)ゾルを得
た。このベーマイト(AlOOH)ゾルを用いて実施例
1と同一条件でアルミナ質焼結体から成る多孔質管表面
にアルミナ多孔質膜を作製した。
【0052】得られた多孔質膜は実施例1と同様にして
測定したところ、その細孔径は3.7nmにピークをも
ちかつ非常に狭い細孔分布を有するものであった。
【0053】(実施例6)実施例1において、無水酢酸
の代わりにアセト酢酸エチル(CH3 COCH2COO
2 5 )0.05モルを使用してほとんど無色透明な
ベーマイト(AlOOH)ゾルを得た。実施例1と同様
にして測定した本実施例の多孔質膜の細孔径は、3.5
nmにピークをもちかつ非常にシャープな細孔分布を有
するものであった。
【0054】(実施例7)実施例1において、無水酢酸
の代わりにマロン酸ジメチル(CH2 (COOCH3
2 )0.05モルを使用してほとんど無色透明なベーマ
イト(AlOOH)ゾルを得た。実施例1と同様にして
測定した本実施例の多孔質膜の細孔径は、3.5nmに
ピークをもちかつ非常にシャープな細孔分布を有するも
のであった。
【0055】(比較例1)0.1モルのアルミニウムセ
カンダリブトキシド(Al(sec−Bu)3 )を、8
5℃に加熱した水180ml(10モル)に激しく攪拌
しながら添加した後、続けて30分間攪拌した後、反応
溶液に0.007モルの硝酸を加え、溶液温度を95℃
にして更に16時間還流して乳白色のゾル溶液を得た。
【0056】かくして得られたゾル溶液を用いて、実施
例1と同様にして支持管表面にアルミナ多孔質膜を被着
形成し、前記同様に評価したところ、図1に見られるよ
うに本願発明のアルミナ多孔質膜に比べて平均細孔径が
大きく、しかも極めて広い分布を有するものであった。
【0057】(比較例2)比較例1において、成膜時の
焼成温度を400℃に変更した他は全く同一条件でアル
ミナ質多孔質膜を作製し、その細孔径分布を評価したと
ころ図2に示すように本願発明のアルミナ多孔質膜に比
べて平均細孔径が大きく、しかも極めて広い分布を有す
るものであった。
【0058】
【発明の効果】叙上の如く、本発明のアルミナ多孔質膜
の製造方法によれば、均一で微細な粒子が分散したベー
マイトゾルを簡便な操作手順で作製することができ、こ
のような粒径等を制御したベーマイトゾルを用いること
により、微細孔径でかつ狭い範囲の細孔径分布を有する
アルミナ多孔質膜を作製することが可能となる。
【0059】従って、本発明では、微細孔径でかつ狭い
範囲の細孔径分布を有し、分離係数と透過流量に優れた
触媒や酵素等の機能性材料の担体、電解隔壁、液体用濾
過分離膜、気体用分離膜、吸収吸着剤、乾燥剤、ゲルグ
ロマトグラフィーの充填剤、あるいはウイルス等のフィ
ルター等の各種用途の要求性能を満足した優れた特性を
有する高精度のアルミナ多孔質膜を効率良く得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミナ多孔質膜の製造方法によるベ
ーマイトゾルを用いた実施例1と比較例1のアルミナ多
孔質膜の細孔径分布を示す図である。
【図2】本発明の他のアルミナ多孔質膜の製造方法によ
るベーマイトゾルを用いた実施例4と比較例2のアルミ
ナ多孔質膜の細孔径分布を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムアルコキシドに、水溶性の有
    機溶媒と、カルボン酸無水物、アセト酢酸エステル及び
    ジカルボン酸エステルのいずれか一種を加えた溶液を8
    0℃以上に加熱した水に添加し加水分解して解膠したベ
    ーマイトゾルを調製し、該ベーマイトゾルを多孔質セラ
    ミック支持体に塗布した後、室温を越え80℃以下の温
    度で乾燥後、酸化性雰囲気中、400〜1000℃の焼
    成温度で焼成一体化することを特徴とするアルミナ多孔
    質膜の製造方法。
  2. 【請求項2】アルミニウムアルコキシドに、水溶性の有
    機溶媒と、カルボン酸無水物、アセト酢酸エステル及び
    ジカルボン酸エステルのいずれか一種を加えた溶液を8
    0℃以上に加熱した水に添加し加水分解した後、無機酸
    または有機酸を添加し80℃以上に加熱しながら解膠し
    たベーマイトゾルを調製し、該ベーマイトゾルを多孔質
    セラミック支持体に塗布した後、室温を越え80℃以下
    の温度で乾燥後、酸化性雰囲気中、400〜1000℃
    の焼成温度で焼成一体化することを特徴とするアルミナ
    多孔質膜の製造方法。
  3. 【請求項3】アルミニウムアルコキシドに、水溶性の有
    機溶媒と、カルボン酸無水物、アセト酢酸エステル及び
    ジカルボン酸エステルのいずれか一種を加えた溶液を、
    無機酸または有機酸を添加した80℃以上に加熱した水
    に添加し加水分解して解膠したベーマイトゾルを調製
    し、該ベーマイトゾルを多孔質セラミック支持体に塗布
    した後、室温を越え80℃以下の温度で乾燥後、酸化性
    雰囲気中、400〜1000℃の焼成温度で焼成一体化
    することを特徴とするアルミナ多孔質膜の製造方法。
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