JP6696805B2 - 流体分離材料およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、流体分離材料およびその製造方法に関する。
近年、多孔質基体表面にゼオライト膜を形成した流体分離材料が用いられるようになっている。ゼオライト膜は、結晶型によって規則細孔のサイズが異なる他、構成成分となるSiOとAlのモル比によって細孔を透過する分子の選択性が変化することが知られており(通常SiO/Alが小さいほど親水性が増加する)、アルコール/水分離、オレフィン/パラフィン分離、炭化水素の異性体分離、芳香族炭化水素/脂肪族炭化水素分離などの有機物分離への応用が期待されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許4494685号公報 特許4620065号公報 特開2008−188564号公報 特許4961322号公報 特許4304381号公報 特許3723888号公報
Luc Bousse et al.,"Zeta Potentia l measurements of Ta2O5 and SiO2 thin fil ms",J. Colloid Interface Sci. 147,P22−32,1991.
従来から、ゼオライト膜の基体には、入手の容易さ、価格の面からアルミナやムライトが一般的に使用されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。しかしながら、高濃度のアルミナ成分を含むこれらの基体の表面にゼオライト膜を製膜しようとすると、基体から膜へアルミナ成分が溶出するため、SiO/Alモル比を一定に制御することが困難であることが知られている。また、構造規定剤が必要となるゼオライト膜の作製においては、製膜後に高温でこれを燃焼させ、膜中から除去する必要があるが、アルミナやムライトの基体とゼオライト膜との熱膨張係数の差が大きいため、構造規定剤を高温で燃焼させる際に、ゼオライト膜にクラックが生じる場合がある。高濃度のアルミナ成分を含有せず、ゼオライトと熱膨張係数が近い基体としては、特許文献6に記載されているバイコールが知られているが、バイコールは細孔径および気孔率が小さく、ガス透過性が低い問題がある。また、特許文献1ではゼオライト自体を多孔質基体とする方法が開示されているが、この方法は基体の作製工程が複雑である。
本発明は、良好な流体分離性能を有する流体分離材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の流体分離材料は、
酢酸と水との混合物から前記酢酸を分離するための流体分離材料であって、Alを含まない多孔質基体と、前記多孔質基体上に形成されるゼオライト層と、を備え、前記ゼオライト層は、1ユニットセルあたりのAl原子の数が0個より多く0.7個以下である。
また、上記の目的を達成するために、本発明の流体分離材料は、
酢酸と水との混合物から前記酢酸を分離するための流体分離材料であって、Alを含まない多孔質基体と、前記多孔質基体上に形成されるゼオライト層と、を備え、前記ゼオライト層は、Al濃度が0wt%より大きく0.3wt%以下である。
上記の目的を達成するために、本発明の流体分離材料の製造方法は、
Alを含まない多孔質基体を、ゼオライト種結晶分散液に浸漬し、次いで前記多孔質基体を前記分散液から引き揚げることで、前記多孔質基体の表面に種結晶を塗布し、
前記種結晶が塗布された前記多孔質基体を、Al/Siモル比が0よりも大きく0.050以下となるように混合した膜形成用ゾルに浸漬し、
水熱合成法により前記多孔質基体の前記表面に塗布された前記種結晶を二次成長させてゼオライト層を形成する、酢酸と水との混合物から前記酢酸を分離するための流体分離材料の製造方法である
本発明によれば、良好な流体分離性能を有する流体分離材料およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態である流体分離材料の例を示す縦断面図である。 本発明の製造方法の一実施形態を示す模式図である。 ガスシール部を備えた多孔質シリカ基体の例を示す断面図である。 本発明に係る流体分離材料を備えた流体分離モジュールを示す図である。 酢酸水溶液の酢酸分離性能試験の結果を示すグラフである。 膜形成用ゾル中のAl/Siのモル比とゼオライトユニットセルあたりのAl数との関係を示すグラフである。 膜形成用ゾル中のAl/Siのモル比とゼオライト膜のAl濃度との関係を示すグラフである。 透過率を測定する装置の一例を示す模式図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本願発明の実施形態に係る流体分離材料は、
(1)炭素数が1以上4以下であるカルボン酸類、アルコール類、ケトン類およびエステル類からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機化合物と水との混合物から、前記有機化合物を分離するための流体分離材料であって、Alを含まない多孔質基体と、前記多孔質基体上に形成されるゼオライト層と、を備え、前記ゼオライト層は、1ユニットセルあたりのAl原子の数が0個より多く0.7個以下である。
この構成によれば、良好な流体分離性能を有する流体分離材料を提供することができる。
また、本願発明の実施形態に係る流体分離材料は、
(2)炭素数が1以上4以下であるカルボン酸類、アルコール類、ケトン類およびエステル類からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機化合物と水との混合物から、前記有機化合物を分離するための流体分離材料であって、Alを含まない多孔質基体と、前記多孔質基体上に形成されるゼオライト層と、を備え、前記ゼオライト層は、Al濃度が0wt%より大きく0.3wt%以下である。
この構成によれば、良好な流体分離性能を有する流体分離材料を提供することができる。
本願発明の実施形態に係る流体分離材料において、
(3)上記(1)または(2)に記載の前記多孔質基体は、シリカ粒子から構成される多孔質シリカ基体であることが好ましい。
この構成によれば、ゼオライト層から構造規定剤を除去するために行う熱処理においてゼオライト層にクラックが生じず、かつ多孔質シリカ基体からAlが溶出することがないため、ゼオライト層中のAl濃度を容易に制御することができる。
本願発明の実施形態に係る流体分離材料において、
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載の前記有機化合物は、C2n+1−OH(前記式中、nは1〜4の整数を表す)からなる群およびC2m+1−COOH(前記式中、mは1〜3の整数を表す)からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
上記の流体分離材料は、特に、これらの群からなる有機化合物を分離するのに好適である。
本願発明の実施形態に係る流体分離材料において、
(5)上記(1)から(4)のいずれかに記載の前記化合物は酢酸であり、前記流体分離材料は、酢酸と水との混合蒸気から酢酸を分離するための流体分離材料として用いられることが好ましい。
上記に記載の流体分離材料を用いることにより、特に、酢酸を含む水溶液を酢酸と水とに分離するのに好適である。
本願発明の実施形態に係る流体分離材料において、
(6)前記ゼオライト層の構造型は、MFI型であることが好ましい。
細孔径の大きさが上記に示した有機化合物の分離に適しているためである。
本願発明の実施形態に係る流体分離材料の製造方法は、
(7)Alを含まない多孔質基体を、ゼオライト種結晶分散液に浸漬し、次いで前記多孔質基体を前記分散液から引き揚げることで、前記多孔質基体の表面に種結晶を塗布し、
前記種結晶が塗布された前記多孔質基体を、Al/Siモル比が0よりも大きく0.050以下となるように混合した膜形成用ゾルに浸漬し、
水熱合成法により前記多孔質基体の前記表面に塗布された前記種結晶を二次成長させてゼオライト層を形成する。
膜形成用ゾル中のAl濃度を調整することで、ゼオライト層の形成と同時にゼオライト層中のAl濃度を制御することができ、簡便な方法で分離性能が高い流体分離材料を製造することができる。
本願発明の実施形態に係る流体分離材料の製造方法は、
(8)前記多孔質基体として、シリカ粒子から構成される多孔質シリカ基体を用いることが好ましい。
多孔質基体がシリカ粒子から構成されているため、ゼオライト層から構造規定剤を除去するために行う熱処理においてゼオライト層にクラックが生じず、かつ多孔質シリカ基体からAlが溶出することがないため、ゼオライト層中のAl濃度を容易に制御することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係るゼオライト膜(ゼオライト層)用多孔質シリカ基体、流体分離材料及びその製造方法の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、多孔質基体として多孔質シリカ基体を用い、当該多孔質シリカ基体にMFI型のゼオライト膜を形成した流体分離材料について例示して説明する。また、流体分離材料の形状は、平面状等、任意の形状とすることもできるが、反応効率の点から流体との接触面積をより広くするために、本実施形態では管状としている。
本実施形態にかかる流体分離材料は、炭素数が1以上4以下であるカルボン酸類、アルコール類、ケトン類およびエステル類からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機化合物と水との混合物から、前記有機化合物を分離するための分離材料として好適である。これらの有機化合物としては、C2n+1−OH(前記式中、nは1〜4の整数を表す)からなる群およびC2m+1−COOH(前記式中、mは1〜3の整数を表す)からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。C2n+1−OH(前記式中、nは1〜4の整数を表す)からなる群としては、具体的には、CHOH、COH、COH、COH等が挙げられる。また、C2m+1−COOH(前記式中、mは1〜3の整数を表す)からなる群としては、具体的には、CHCOOH、CCOOH、CCOOH等が挙げられる。なお、本実施形態の流体分離材料は、後述するように、特に、酢酸(CHCOOH)と水との混合蒸気から酢酸を分離するための流体分離材料として用いられるのに好適である。
(流体分離材料)
図1に、流体分離材料の一実施形態を示す。図1は流体分離材料の縦断面図である。
流体分離材料20は略円筒形状であり、その中心には長手方向に延びる略円形断面の中心孔24を有する。流体分離材料20は、中心孔24の外周上に管壁としてゼオライト膜用の多孔質シリカ基体21を有している。多孔質シリカ基体21の外周にはゼオライト膜22が製膜されている。
多孔質シリカ基体21は、シリカガラス粒子から構成され、Alを実質的に含まない。ここで、「Alを実質的に含まない」とは、多孔質シリカ基体21中のAl濃度が検出限界以下であることを指す。多孔質シリカ基体21中のAl濃度は、例えば電子線マイクロアナライザ(EPMA)等で測定することができ、このEPMAでの最小検出限界は例えば200wtppmである。この多孔質シリカ基体21は、ゼオライト膜22における流体の透過をほぼ干渉することなく該薄膜を支持するため、多孔質シリカ基体21の気孔率は35〜70%、平均細孔径は250nm〜450nmとされる。なお、「気孔率」は、単位体積当たりの空気容積が占める割合として算出できる。
さらに、多孔質シリカ基体21の厚さは、特に限定されるものではないが、機械的強度とガス透過性のバランスから0.2mm〜5mmであることが好ましく、0.5mm〜3mmであることがより好ましい。
本実施形態の多孔質シリカ基体21の外周に形成されるゼオライト膜22は、1ユニットセルあたりのAl原子の数が0個より多く0.7個以下である。1ユニットセルあたりのAl原子の数は、ゼオライト膜22中のAl濃度の測定値から算出できる。ゼオライト膜22中のAl濃度は、多孔質シリカ基体21中のAl濃度と同様に、例えば電子線マイクロアナライザ(EPMA)等で測定することができる。ここで、「ユニットセル」とは、ゼオライト骨格構造における構造組成単位を指し、MFI型のゼオライト膜においては(|Na (HO)16|[AlSi96−n192])という組成により定義される。1ユニットセルあたりのAl原子の数が0個、すなわちゼオライト膜22がAlを含まない場合は、Al原子を微量含む場合と比べて酢酸分離性能が劣る。また、1ユニットセルあたりのAl原子の数が0.7個を超えた場合も、ゼオライト膜22の親水性が増し、良好な酢酸分離性能を得られない。1ユニットセルあたりのAl原子の数は、好ましくは0.09個以上0.6個以下であり、より好ましくは0.12個以上0.4個以下である。
また、本実施形態の多孔質シリカ基体21の外周に形成されるゼオライト膜22は、Al濃度が0wt%より大きく0.3wt%以下である。Al濃度が0wt%、すなわちゼオライト膜22がAlを含まない場合は、Al原子を微量含む場合と比べて酢酸分離性能が劣る。また、Al濃度が0.3wt%を超えた場合も、ゼオライト膜22の親水性が増し、良好な酢酸分離性能を得られない。Al濃度は好ましくは0.04wt%以上0.27wt%以下であり、より好ましくは0.05wt%以上0.18wt%以下である。
ゼオライト膜22の厚さは、特に限定されるものではないが、0.5μm〜30μmであることが好ましい。厚さが0.5μm未満では、ゼオライト膜22にピンホールが発生しやすく、十分な分離性能を得ることができず、また、厚さが30μmを超えると流体の透過速度が小さくなりすぎ、実用上十分な分離性能が得られにくくなる場合がある。
以下、上記流体分離材料20の製造方法の一実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
まず、ロッド30の周囲にシリカガラス粒子を堆積させて多孔質シリカ基体21を作製する(図2(a)参照)。ロッド30は、先端部が下になるようにして鉛直に配置される。また、ロッド30を水平に配置する形としても良い。ロッド30の素材としては、ガラス、耐火性セラミクスなどを用いることができる。ロッド30は固定された後、中心軸を中心として回転される。そして、スス付け法(CVD法)により、ロッド30の側方に配置されたバーナ31により、ロッド30の外周にシリカガラス粒子が堆積される。シリカガラス粒子の生成速度、バーナ31の移動速度、および堆積温度などを変化させることにより、所望の気孔率、細孔径、肉厚を有したシリカ多孔体を堆積させることができる。堆積されたシリカ多孔体からロッド30を引き抜くことにより、円筒状の多孔質シリカ基体21が作製される(図2(b)参照)。また、先端が丸型のロッド30aを使用し、ロッド30aの先端部にもシリカガラス粒子を堆積させることで、先端が閉じた管状の多孔質シリカ基体21aを作製することも可能である(図2(c)参照)。
なお、多孔質シリカ基体21を構成する多孔質シリカガラスは、スス付け法(CVD法)の他に、射出成形法などの製法により製造できる。
多孔質シリカ基体21は、その一部を加熱して緻密化したり、市販の透明石英管と溶接したりすることで、図3(a)に示したガスシール部25を備えた基体26とすることもできる。また、図3(b)のように先端が閉じた管状の基体26aを作製することも可能である。このような構造とすることにより、この後に形成するゼオライト膜22に機械的応力を負荷することなく、図4に示す流体分離モジュール40を作製することが可能となる。流体分離モジュール40内に基体26aを設置することで、流体分離モジュール40内に供給される供給流体から所望の透過流体(分離対象ガス)のみを基体26aによって取り出して、透過流体以外の非透過流体(分離対象以外のガス)については流体分離モジュール40から適宜排出することができる。
次に、多孔質シリカ基体21の表面にゼオライト膜22を形成する(図1参照)。本例においては、ゼオライト膜22は、多孔質シリカ基体21の表面にゼオライトの種結晶を塗布する種結晶塗布工程と、前記ゼオライト種結晶を成長させて多孔質シリカ基体21の表面にゼオライト膜22を形成するゼオライト膜形成工程と、ゼオライト膜22を加熱処理することにより、構造規定剤を除去する構造規定剤除去工程とを有する。
(種結晶塗布工程)
本発明のゼオライト膜22の製造に使用するゼオライトの種結晶は従来公知の方法に準じて合成することができる。まず、シリカゾル、構造規定剤、水、その他必要な添加成分を所定濃度で混合して種結晶生成用ゾルを調整し、この種結晶生成用ゾルを耐圧容器を用いて水熱処理する。種結晶生成用ゾルは、水熱処理により、構造規定剤由来の構造を有したゼオライト結晶を形成する。
シリカゾルとしては、市販のシリカゾルやアルコキシシランを加水分解して調整したものを用いることが好ましい。水としては、不純物イオン濃度の低い、蒸留水又はイオン交換水を用いることが好ましい。種結晶生成用ゾルは、含有される水とシリカとのモル比(水/シリカ)が10〜50であることが好ましい。水/シリカモル比が10より小さいとシリカゾルの均質性が低下することがあり、50より大きいと種結晶の生成効率が低くなることがある。
構造規定剤はゼオライト結晶の型により異なるため、所望の結晶型のゼオライトに応じた構造規定剤を適宜選択して使用する。MFI型ゼオライトの構造規定剤としては、テトラプロピルアンモニウムイオン(TPA)を生じる、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)やテトラプロピルアンモニウムブロミド(TPABr)が用いられる。シリカに対するTPAのモル比(TPA/シリカ比)は0.1〜0.5の範囲であることが好ましい。TPA/シリカ比が0.1未満であると、ゼオライト結晶が析出しないことがあり、0.5を超えるとゼオライト結晶の均質性が低下することがある。
水熱合成には、特に限定されないが、市販のフッ素樹脂製内筒付のステンレス製耐圧容器等を使用することができる。水熱合成を行う場合の温度は、90〜130℃が好ましい。90℃より低いと水熱合成が進行しにくく、130℃より高いと、得られるゼオライト結晶のサイズが大きくなりすぎる場合がある。また、水熱合成の時間は、5〜30時間、好ましくは20時間である。5時間より短いと、水熱合成が十分に進行しないことがあり、30時間より長いと、ゼオライト結晶が大きくなり過ぎることがある。
合成したゼオライト結晶は、これ以降の結晶の成長を抑制するため、熱水などを使用して洗浄することが好ましい。また、洗浄後は、60〜120℃で、5〜48時間乾燥させることが好ましい。
ゼオライト種結晶の塗布は、ゼオライト種結晶を水に分散したゼオライト種結晶分散液の中に、Alを実質的に含まない多孔質シリカ基体21を浸漬し、次いで、多孔質シリカ基体21をゼオライト種結晶分散液から引き上げて、乾燥させることで行うことができる。
ゼオライト種結晶の粒子径としては、0.2〜3μmであることが好ましく、必要に応じて、上記水熱合成で得たゼオライト結晶を粉砕・分級して使用することができる。種結晶の粒子径が3μmよりも大きくなると、最終的に得られるゼオライト膜22が厚くなりすぎ、また、欠陥濃度も上昇するため、十分な分離性能を有する流体分離材料20が得られにくくなる場合がある。種結晶の粒子径が0.2μmより小さくなると、種結晶が浸漬塗布する際に多孔質シリカ基体21の内部深くまで侵入するため、最終的に得られるゼオライト膜22の厚みが実効的に厚くなり、十分な分離性能を有する流体分離材料20が得られにくくなる場合がある。
最終的に得られるゼオライト膜22の分離性能を良くするためには、多孔質シリカ基体21の表面に塗付される種結晶の密度を高くすることが好ましい。このため、ゼオライト種結晶の分散濃度、および多孔質シリカ基体21の浸漬時間と引上げ速度は、種結晶の粒子径や多孔質シリカ基体21の形状によって適宜調整することができる。
また、分散液は、塩酸などを加えることにより、多孔質シリカ基体21のゼータ電位が0に近くなるpH8以下に調整することが好ましい。さらに好ましくは、分散液はpH4以下に調整されると良い(非特許文献1参照)。pHをpH8以下、好ましくはpH4以下の範囲とすることで、ゼオライト種結晶と多孔質シリカ基体21の表面の間で生じる電気的な反発力を低減することができ、多孔質シリカ基体21表面にゼオライト種結晶を高濃度で塗布することができる。
ゼオライト種結晶が多孔質シリカ基体21表面に付着した状態は、走査型電子顕微鏡で観察することができ、ゼオライト種結晶が多孔質シリカ基体21の表面を被覆している割合は50%以上であることが好ましい。
(ゼオライト膜形成工程)
ゼオライト種結晶を塗布した多孔質シリカ基体21を膜形成用ゾルに浸漬し、耐圧容器を用いて水熱合成し、多孔質シリカ基体21表面にゼオライト膜22を形成する。
膜形成用ゾルは、上述した種結晶生成用ゾルに含有されるシリカゾル、構造規定剤、水、その他必要であれば添加成分を使用し、種結晶生成用ゾルより水濃度を高くしたものを使用することが好ましい。本実施形態においては、ゼオライト膜22にAlを添加するため、膜形成用ゾルの添加成分として二酸化ナトリウムアルミニウム(NaAlO)粉末が用いられる。膜形成用ゾルに添加されるNaAlO粉末の配合比を変更することで、ゼオライト膜22中のAl濃度を調整することができる。なお、ゼオライト膜22へのAlの添加方法は、NaAlO粉末に限られない。例えば、アルミ箔、アルミナ粉末、水酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキサイド(金属アルコキシド類)、粘土類等のAl金属もしくはAl化合物を添加してもよい。
膜形成用ゾルの水/シリカモル比は、100〜900であることが好ましい。水/シリカモル比が100より小さいと、膜形成用ゾル中にゼオライト結晶が析出し、これが膜の表面に堆積するため、欠陥密度の低いゼオライト膜22を得られにくくなる。また、水/シリカモル比が900より大きいと、種結晶の成長速度が小さくなりすぎることがある。
TPA/シリカモル比は、種結晶生成ゾルと同じく、0.1〜0.5の範囲内となるように両者を混合することが好ましい。TPA/シリカモル比が0.1未満であると、緻密なゼオライト膜22が得られにくく、0.5を超えるとゼオライト結晶が膜表面に堆積することがある。
膜形成用ゾルに添加されるNaAlOについては、Al/Siモル比が、0より多く0.050以下、好ましくは0.005以上0.045以下、さらに好ましくは0.01以上0.035以下の範囲内となるようにNaAlOを添加することが好ましい。Al/Siモル比が0であるか、0.050を超えると良好な酢酸分離性能を得られない。
耐圧容器は上記ゼオライト種結晶塗布工程に使用した、市販のフッ素樹脂製内筒付のステンレス製耐圧容器等を使用することができる。水熱合成の温度は100〜200℃が好ましい。合成温度が100℃より低いと、ゼオライト種結晶が十分に成長せず、200℃より高いと、欠陥密度が高くなることがある。また、水熱合成の時間は、5〜72時間であることが好ましい。5時間より短いと、ゼオライト種結晶が十分に成長しないことがあり、72時間より長いと、ゼオライト膜22が厚くなり過ぎることがある。
多孔質シリカ基体21上に形成したゼオライト結晶は、これ以降の結晶の成長を抑制するため、熱水などを使用して洗浄することが好ましい。また、洗浄後は、60〜120℃で、5〜48時間乾燥させることが好ましい。
(構造規定剤除去工程)
ゼオライト膜形成工程によって水熱合成により多孔質シリカ基体21表面に形成されたゼオライト膜22は、構造規定剤を含んでいるため、加熱処理によって構造規定剤を燃焼させ、ゼオライト膜22から除去する。加熱温度は400〜600℃が好ましく、加熱時間は2〜48時間が好ましい。また、昇降温の速度は1℃/分以下とすることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態においては、Alを含まない多孔質基体21と、1ユニットセルあたりのAl原子の数が0個より多く0.7個以下であり、またAl濃度が0wt%より大きく0.3wt%以下であるゼオライト膜22とを備えた流体分離材料20を用いることで、良好な分離性能を有することができる。このような流体分離材料20は、炭素数が1以上4以下であるカルボン酸類、アルコール類、ケトン類およびエステル類からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機化合物と水との混合物から、当該有機化合物を分離するのに好適である。これらの有機化合物としては、特に、C2n+1−OH(前記式中、nは1〜4の整数を表す)からなる群およびC2m+1−COOH(前記式中、mは1〜3の整数を表す)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。さらには、本実施形態の流体分離材料20は、酢酸水溶液中の酢酸を水と分離する際に、良好な酢酸分離性能を有する。
また、本実施形態に係るゼオライト膜22の構造型は、MFI型であることが好ましい。MFI型のゼオライト膜22は、細孔径の大きさが酢酸等の有機化合物を含む水溶液から当該有機化合物を分離するのに適している。
また、本実施形態においては、ゼオライト膜22用の多孔質シリカ基体21として、気孔率が35%以上70%以下、平均細孔径が250nm以上450nm以下である多孔質シリカ基体21が用いられる。そのため、高い透過性を有するとともに、ゼオライト膜22との熱膨張差が小さいためゼオライト膜22を焼結する際のクラックの発生を抑制でき、歩留まりを向上させることができる。
また、本実施形態によれば、Alを含まない多孔質シリカ基体21を、ゼオライト種結晶分散液に浸漬し、次いで多孔質シリカ基体21を分散液から引き揚げることで、多孔質シリカ基体21の表面に種結晶を塗布し、この多孔質シリカ基体21を、Al/Siモル比が0よりも大きく0.050以下となるように混合した膜形成用ゾルに浸漬し、その後、水熱合成法により多孔質シリカ基体21の表面に塗布された種結晶を二次成長させてゼオライト膜22を形成する。このように、膜形成用ゾル中のAl濃度を調整することで、ゼオライト膜22の製膜と同時にゼオライト膜22中のAl濃度を制御することができ、簡便な方法で分離性能が高い流体分離材料20を製造することができる。
また、本実施形態によれば、多孔質シリカ基体21はシリカ粒子から構成されているため、ゼオライト膜22から構造規定剤を除去するために実施する熱処理において、ゼオライト膜22へのクラックが生じることがない。また、多孔質シリカ基体21からAlが溶出することがないため、ゼオライト膜22中のAl濃度を容易に制御することができる。
(例1)
(多孔質シリカ基体の作製)
実施例である例1においては、外付けCVD法により、外径10mm、内径6mm、長さ300mmの多孔質シリカ管を作製し、これを長さ30mmに切断した管をゼオライト用多孔質シリカ基体として使用した。
(ゼオライト種結晶の作製)
原料としてコロイダルシリカ、TPABr、水酸化ナトリウム、蒸留水を用い、SiO:TPABr:NaO:HOのモル比が1:0.25:0.15:40となるように混合し、室温で60分撹拌することにより種結晶生成用ゾルを得た。このゾルを耐圧容器内で130℃、20時間反応させ、MFI型ゼオライト結晶(ZSM−5)を合成した。このゼオライト結晶を吸引濾過により回収し、熱水で洗浄後、100℃、24時間の乾燥処理を行った。焼成後の結晶を自動乳鉢で6時間粉砕し、粒子径約3μmのゼオライト種結晶を得た。
(ゼオライト種結晶の塗布)
上記種結晶を8g/Lの濃度で純水に分散させ、HClを加えることによりこの分散液のpHを2に調整した。この種結晶分散液に多孔質シリカ基体を30秒浸漬後、分散液から引き上げ、多孔質シリカ基体表面にゼオライト種結晶を塗布した。種結晶を塗布した基体は100℃、24時間の乾燥処理を行った。
(ゼオライト膜の形成)
原料としてテトラメトキシシラン、TPABr、水酸化ナトリウム、二酸化ナトリウムアルミニウム、蒸留水を用い、SiO:TPABr:NaO:NaAlO:HOのモル比が1:0.3:0.05:0.005:200となるよう混合し、40℃で60分撹拌することにより膜形成用ゾルを得た。この膜形成用ゾルにゼオライト種結晶を塗布した多孔質シリカ基体を浸漬し、耐圧容器内で130℃、20時間反応させ、多孔質シリカ基体の表面にMFI型ゼオライト膜(ZSM−5)を形成した。この膜から構造規定剤であるTPABrを除去するため、空気中で500℃、15時間の焼成を行った。この焼成の際、昇降温速度は0.5℃/分とした。このように作製された実施例1(例1)に係る流体分離材料について、ゼオライト膜中のAl濃度並びに酢酸および水の透過率を測定した。ゼオライト膜中のAl濃度はEPMAにより測定した。その結果を表1および図5に示す。
(例2)
実施例である例2においては、ゼオライト膜の原料として、テトラメトキシシラン、TPABr、水酸化ナトリウム、二酸化ナトリウムアルミニウム、蒸留水を、SiO:TPABr:NaO:NaAlO:HOのモル比が1:0.3:0.05:0.010:200となるよう混合した膜形成用ゾルを使用した。この膜形成用ゾルを使用したことを除き、実施例1と同じ方法により、多孔質シリカ基体の表面にMFI型ゼオライト膜(ZSM−5)を製膜した。
このように作製された実施例2(例2)に係る流体分離材料について、ゼオライト膜中のAl濃度並びに酢酸および水の透過率を測定した。ゼオライト膜中のAl濃度はEPMAにより測定した。その結果を表1および図5、に示す。
(例3)
実施例である例3においては、ゼオライト膜の原料として、テトラメトキシシラン、TPABr、水酸化ナトリウム、二酸化ナトリウムアルミニウム、蒸留水を、SiO:TPABr:NaO:NaAlO:HOのモル比が1:0.3:0.05:0.013:200となるよう混合した膜形成用ゾルを使用した。この膜形成用ゾルを使用したことを除き、実施例1と同じ方法により、多孔質シリカ基体の表面にMFI型ゼオライト膜(ZSM−5)を形成した。
このように作製された実施例3(例3)に係る流体分離材料について、酢酸および水の透過率を測定した。その結果を表1および図5に示す。
(例4)
実施例である例4においては、ゼオライト膜の原料として、テトラメトキシシラン、TPABr、水酸化ナトリウム、二酸化ナトリウムアルミニウム、蒸留水を、SiO:TPABr:NaO:NaAlO:HOのモル比が1:0.3:0.05:0.020:200となるよう混合した膜形成用ゾルを使用した。この膜形成用ゾルを使用したことを除き、実施例1と同じ方法により、多孔質シリカ基体の表面にMFI型ゼオライト膜(ZSM−5)を形成した。
このように作製された実施例4(例4)に係る流体分離材料について、ゼオライト膜中のAl濃度並びに酢酸および水の透過率を測定した。ゼオライト膜中のAl濃度はEPMAにより測定した。その結果を表1および図5に示す。
(例5)
実施例である例5においては、ゼオライト膜の原料として、テトラメトキシシラン、TPABr、水酸化ナトリウム、二酸化ナトリウムアルミニウム、蒸留水を、SiO:TPABr:NaO:NaAlO:HOのモル比が1:0.3:0.05:0.040:200となるよう混合した膜形成用ゾルを使用した。この膜形成用ゾルを使用したことを除き、実施例1と同じ方法により、多孔質シリカ基体の表面にMFI型ゼオライト膜(ZSM−5)を形成した。
このように作製された実施例5(例5)に係る流体分離材料について、ゼオライト膜中のAl濃度並びに酢酸および水の透過率を測定した。ゼオライト膜中のAl濃度はEPMAにより測定した。その結果を表1および図5に示す。
(例6、7)
比較例として、以下の例6および例7のゼオライト膜を形成した。例6においては、ゼオライト膜の原料として、SiO:TPABr:NaO:NaAlO:HOのモル比が1:0.3:0.05:0:200となるよう混合した膜形成用ゾルを用いた。すなわち、例6においては、膜形成用ゾルにNaAlOを添加しなかった。また、例7においては、ゼオライト膜の原料として、SiO:TPABr:NaO:NaAlO:HOのモル比が1:0.3:0.05:0.080:200となるよう混合した膜形成用ゾルを用いた。例6および例7については、上記の膜形成用ゾルを使用したことを除き、実施例1と同じ方法により多孔質シリカ基体の表面にMFI型ゼオライト膜(ZSM−5)を形成した。
このように作製された比較例(例6、7)に係る流体分離材料について、酢酸および水の透過率を測定した。その結果を表1および図5に示す。
実施例に係る流体分離材料について、膜形成用ゾル中のAl/Siモル比と形成したゼオライト膜中のAl濃度との関係を表1および図6に示す。また、膜形成用ゾル中のAl/Siモル比と形成したゼオライト膜中のAl濃度より算出した1ユニットセルあたりのAl原子の数との関係を表1および図7に示す。
なお、例1から6において、酢酸および水の透過率の測定は、図8に模式的に示す装置により行った(蒸気透過法)。なお、酢酸水溶液は室温で液体であるため、図8の装置で加熱して気化して、透過率の測定を行った。
図8に示すように、酢酸濃度が95%である酢酸水溶液がヒータ付きバブラー45に収容されている。バブラー45内の酢酸水溶液を加熱し気化させて、流体分離材料20内に供給する。
流体分離材料20は、ヒータ47により110℃に保温される。流体分離材料20の外側にはスイープガス(Ar)を供給する。流体分離材料20の中心孔を通過するガス(非透過ガス)は、その一部がガスクロマトグラフィー46に送られてガスの成分および流量が測定され、その他はそのまま排気される。流体分離材料20の内外は共に大気圧である。流体分離材料20内に供給された一部のガスが、分圧差により流体分離材料20を透過する。この透過ガスはガスクロマトグラフィー46に送られ、その成分および流量が測定される。
Figure 0006696805
表1および図5に示すように、例1に係る流体分離材料は、透過率比で酢酸(CHCOOH)/水(HO)=6.1の分離性能を示し、例2に係る流体分離材料は、透過率比でCHCOOH/HO=8.5の分離性能を示し、例3に係る流体分離材料は、透過率比でCHCOOH/HO=12.3の分離性能を示し、例4に係る流体分離材料は、透過率比でCHCOOH/HO=19.4の分離性能を示し、例5に係る流体分離材料は、透過率比でCHCOOH/HO=6.3の分離性能を示した。
また、図6及び図7より、ゼオライト膜中のAl濃度及び1ユニットセルあたりのAl原子の数は、膜形成用ゾル中のAl/Siモル比と比例関係にあることが確認できる。
一方、例6に係る流体分離材料は、透過率比でCHCOOH/HO=3.0の分離性能を示し、例7に係る流体分離材料は、透過率比でCHCOOH/HO=0.5の分離性能を示した。
以上の結果から、1ユニットセルあたりのAl原子の数が0より多く0.7個以下となるように、またAl濃度が0wt%より大きく0.3wt%以下になるように、すなわちAl/Siモル比が0より大きく0.050以下となるように流体分離材料であるゼオライト膜を作製することで、酢酸と水とを分離する際に良好な分離性能を得られることが確認できた。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
20:流体分離材料
21:多孔質シリカ基体
22:ゼオライト膜
24:中心孔
25:ガスシール部
26:基体
30:ロッド
31:バーナ
40:流体分離モジュール
45:バブラー
46:ガスクロマトグラフィー
47:ヒータ

Claims (6)

  1. 酢酸と水との混合物から前記酢酸を分離するための流体分離材料であって、Alを含まない多孔質基体と、前記多孔質基体上に形成されるゼオライト層と、を備え、前記ゼオライト層は、1ユニットセルあたりのAl原子の数が0個より多く0.7個以下である、流体分離材料。
  2. 酢酸と水との混合物から前記酢酸を分離するための流体分離材料であって、Alを含まない多孔質基体と、前記多孔質基体上に形成されるゼオライト層と、を備え、前記ゼオライト層中のAl濃度が0wt%より大きく0.3wt%以下である、流体分離材料。
  3. 前記多孔質基体は、シリカ粒子から構成される多孔質シリカ基体である、請求項1または請求項2に記載の流体分離材料
  4. 前記ゼオライト層の構造型は、MFI型である、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の流体分離材料。
  5. Alを含まない多孔質基体を、ゼオライト種結晶分散液に浸漬し、次いで前記多孔質基体を前記分散液から引き揚げることで、前記多孔質基体の表面に種結晶を塗布し、
    前記種結晶が塗布された前記多孔質基体を、Al/Siモル比が0よりも大きく0.050以下となるように混合した膜形成用ゾルに浸漬し、
    水熱合成法により前記多孔質基体の前記表面に塗布された前記種結晶を二次成長させてゼオライト層を形成する、酢酸と水との混合物から前記酢酸を分離するための流体分離材料の製造方法。
  6. 前記多孔質基体として、シリカ粒子から構成される多孔質シリカ基体を用いる、請求項に記載の製造方法。
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