JP2002058973A - マイクロ波を用いたzsm−5膜の製造方法 - Google Patents
マイクロ波を用いたzsm−5膜の製造方法Info
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- JP2002058973A JP2002058973A JP2000248311A JP2000248311A JP2002058973A JP 2002058973 A JP2002058973 A JP 2002058973A JP 2000248311 A JP2000248311 A JP 2000248311A JP 2000248311 A JP2000248311 A JP 2000248311A JP 2002058973 A JP2002058973 A JP 2002058973A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 多孔質支持体上に膜厚が均一で膜にピンホー
ルのない緻密なZSM−5型ゼオライト膜を短時間に効
率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 多孔質支持体の存在下に、H2O、NaOH、S
iO2、Al2O3、及びテトラプロピルアンモニウムハロゲン
化物(TPAX)からなるゼオライト反応原料混合物を
加熱して水熱合成反応させ、前記支持体上にゼオライト
膜を析出させるゼオライト膜の製造方法において、前記
ゼオライト反応原料混合物のモル組成比をH2O/SiO2=20
〜100、SiO2/Al2O3=110以上とし、加熱をマイクロ波に
よる加熱とする。
ルのない緻密なZSM−5型ゼオライト膜を短時間に効
率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 多孔質支持体の存在下に、H2O、NaOH、S
iO2、Al2O3、及びテトラプロピルアンモニウムハロゲン
化物(TPAX)からなるゼオライト反応原料混合物を
加熱して水熱合成反応させ、前記支持体上にゼオライト
膜を析出させるゼオライト膜の製造方法において、前記
ゼオライト反応原料混合物のモル組成比をH2O/SiO2=20
〜100、SiO2/Al2O3=110以上とし、加熱をマイクロ波に
よる加熱とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゼオライト膜の製造
方法に関し、さらに詳細には、極めて短時間で製膜でき
るZSM−5型ゼオライト膜の製造方法に関するもので
ある。
方法に関し、さらに詳細には、極めて短時間で製膜でき
るZSM−5型ゼオライト膜の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液体や気体の混合物の分離には、従来有
機質の高分子材料が使用されているが、耐熱性、耐久
性、耐薬品性などの他、透過速度や選択性などに優れる
ことから、無機質材料としてゼオライトの分離膜が研究
されている。液体や気体の混合物から有機物を分離する
膜として、多種のゼオライト膜の中でも、疎水性である
ZSM−5型ゼオライト膜が特に注目されている。
機質の高分子材料が使用されているが、耐熱性、耐久
性、耐薬品性などの他、透過速度や選択性などに優れる
ことから、無機質材料としてゼオライトの分離膜が研究
されている。液体や気体の混合物から有機物を分離する
膜として、多種のゼオライト膜の中でも、疎水性である
ZSM−5型ゼオライト膜が特に注目されている。
【0003】これまでに開発されたZSM−5型ゼオラ
イト膜の製造方法としては、ヒーターなどを熱源として
加熱する水熱合成法(特開平6−321527号公報、
特開平7−89716号公報、特開平8−257302
号公報)があるが、合成時間が24時間以上と長かった
り、3〜6時間の反応を数回繰り返さなければならなか
ったり、ピンホールが生じたり、膜厚が均一にならない
などの問題点があった。
イト膜の製造方法としては、ヒーターなどを熱源として
加熱する水熱合成法(特開平6−321527号公報、
特開平7−89716号公報、特開平8−257302
号公報)があるが、合成時間が24時間以上と長かった
り、3〜6時間の反応を数回繰り返さなければならなか
ったり、ピンホールが生じたり、膜厚が均一にならない
などの問題点があった。
【0004】マイクロ波を用いて加熱する水熱合成法に
よる粉末のZSM−5型ゼオライトの製造法として、特
開平2−95435号公報、Chem.Commun.,p1465(199
8)、Zeolites,6,162(1993)などがあり、ゼオライト反応
原料混合物の組成などについて報告されている。すなわ
ち、原料混合物の組成として、特開平2−95435号
公報では、H2O/SiO2=0.7〜3000、SiO2/Al2O3=20〜∞、C
hem.Commun., p1465 (1998)では、H2O/SiO2=15、SiO2/A
l2O3=100、Zeolites, 6, 162(1993)では、H2O/SiO2=16
4、SiO2/Al2O3=12.2と報告されているが、ZSM−5型
ゼオライト膜の製造の検討は報告されていない。
よる粉末のZSM−5型ゼオライトの製造法として、特
開平2−95435号公報、Chem.Commun.,p1465(199
8)、Zeolites,6,162(1993)などがあり、ゼオライト反応
原料混合物の組成などについて報告されている。すなわ
ち、原料混合物の組成として、特開平2−95435号
公報では、H2O/SiO2=0.7〜3000、SiO2/Al2O3=20〜∞、C
hem.Commun., p1465 (1998)では、H2O/SiO2=15、SiO2/A
l2O3=100、Zeolites, 6, 162(1993)では、H2O/SiO2=16
4、SiO2/Al2O3=12.2と報告されているが、ZSM−5型
ゼオライト膜の製造の検討は報告されていない。
【0005】また、特開平11−209120号公報で
は、マイクロ波を用いて加熱する水熱合成法によるゼオ
ライト膜の製造法が開示されている。しかしながら、前
記公報では、A型とY型については反応原料混合物の組
成などについて記載されているが、A型とY型に比較し
て特に合成に長時間を要するZSM−5型ゼオライト膜
については実施例の記載はなく、反応原料混合物の組成
については記載されていない。
は、マイクロ波を用いて加熱する水熱合成法によるゼオ
ライト膜の製造法が開示されている。しかしながら、前
記公報では、A型とY型については反応原料混合物の組
成などについて記載されているが、A型とY型に比較し
て特に合成に長時間を要するZSM−5型ゼオライト膜
については実施例の記載はなく、反応原料混合物の組成
については記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状を
鑑みてなされたものであり、その目的は、多孔質支持体
上に膜厚が均一で膜にピンホールのない緻密なZSM−
5型ゼオライト膜を短時間に効率良く製造する方法を提
供することにある。
鑑みてなされたものであり、その目的は、多孔質支持体
上に膜厚が均一で膜にピンホールのない緻密なZSM−
5型ゼオライト膜を短時間に効率良く製造する方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を行ない、マイクロ波により加熱する反応原料混合物の
組成を検討した結果、原料組成比を特定することによっ
て、上記課題が解決できることを見出し本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、多孔質支持体の存在下に、H2
O、NaOH、SiO2、Al2O3、及びテトラプロピルアンモニウ
ムハロゲン化物(TPAX)からなるゼオライト反応原
料混合物を加熱して水熱合成反応させ、前記支持体上に
ゼオライト膜を析出させるゼオライト膜の製造方法にお
いて、前記ゼオライト反応原料混合物のモル組成比がH2
O/SiO2=20〜100、SiO2/Al2O3=110以上であり、加熱がマ
イクロ波による加熱であることを特徴とするZSM−5
型ゼオライト膜の製造方法である。
を行ない、マイクロ波により加熱する反応原料混合物の
組成を検討した結果、原料組成比を特定することによっ
て、上記課題が解決できることを見出し本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、多孔質支持体の存在下に、H2
O、NaOH、SiO2、Al2O3、及びテトラプロピルアンモニウ
ムハロゲン化物(TPAX)からなるゼオライト反応原
料混合物を加熱して水熱合成反応させ、前記支持体上に
ゼオライト膜を析出させるゼオライト膜の製造方法にお
いて、前記ゼオライト反応原料混合物のモル組成比がH2
O/SiO2=20〜100、SiO2/Al2O3=110以上であり、加熱がマ
イクロ波による加熱であることを特徴とするZSM−5
型ゼオライト膜の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多孔質支持体としては、公知のアルミナ、金
属、有機・無機高分子、セラミックスなどの各種の多孔
質基材を用いることができるが、好ましくは耐熱性、耐
酸性等の点からセラミックス多孔質基材であり、より好
ましくは、アルミナである。多孔質支持体の形状は、板
状、管状など任意であり、使用する孔径、気孔率にも特
に限定はないが、例えば孔径が0.05〜10μm、気
孔率が10〜60%の範囲のものを使用することができ
る。
本発明の多孔質支持体としては、公知のアルミナ、金
属、有機・無機高分子、セラミックスなどの各種の多孔
質基材を用いることができるが、好ましくは耐熱性、耐
酸性等の点からセラミックス多孔質基材であり、より好
ましくは、アルミナである。多孔質支持体の形状は、板
状、管状など任意であり、使用する孔径、気孔率にも特
に限定はないが、例えば孔径が0.05〜10μm、気
孔率が10〜60%の範囲のものを使用することができ
る。
【0009】前記多孔質支持体にZSM−5型ゼオライ
ト膜を生成させるためには、支持体表面に、生成させる
ZSM−5型ゼオライトの種結晶を付着させることが好
ましい。例えば種結晶を水に懸濁し、支持体表面に擦り
付けたり、懸濁液をアスピレーターで支持体に吸引させ
るなどの方法を用いることができる。
ト膜を生成させるためには、支持体表面に、生成させる
ZSM−5型ゼオライトの種結晶を付着させることが好
ましい。例えば種結晶を水に懸濁し、支持体表面に擦り
付けたり、懸濁液をアスピレーターで支持体に吸引させ
るなどの方法を用いることができる。
【0010】ゼオライト反応原料混合物の各成分は、ケ
イ酸ナトリウム、コロイダルシリカ、水酸化ナトリウ
ム、アルミン酸ナトリウム、臭化テトラプロピルアンモ
ニウムなどによって供給することができる。前記ゼオラ
イト反応原料混合物のH2O、NaOH、SiO2、Al2O3及びテト
ラプロピルアンモニウムハロゲン化物(TPAX)成分
のモル組成比のうち、H2O/SiO2を20〜100、SiO2/Al2O3
を110以上に調製することが必要である。また、TPAX/Si
O2とNaOH/SiO2は特に限定されないが、両方とも好まし
くは5以下である。
イ酸ナトリウム、コロイダルシリカ、水酸化ナトリウ
ム、アルミン酸ナトリウム、臭化テトラプロピルアンモ
ニウムなどによって供給することができる。前記ゼオラ
イト反応原料混合物のH2O、NaOH、SiO2、Al2O3及びテト
ラプロピルアンモニウムハロゲン化物(TPAX)成分
のモル組成比のうち、H2O/SiO2を20〜100、SiO2/Al2O3
を110以上に調製することが必要である。また、TPAX/Si
O2とNaOH/SiO2は特に限定されないが、両方とも好まし
くは5以下である。
【0011】マイクロ波を用いた水熱合成は、従来から
使用されている反応温度、例えば90〜200℃の範囲
の温度を用いることができ、好ましくは130〜180
℃で、さらに好ましくは150〜180℃である。反応
時間は、反応温度、種結晶の処理などの条件にもよる
が、0.5〜8時間であり、好ましくは2〜6時間、さ
らに好ましくは3〜5時間である。また、反応を繰り返
すことも可能である。
使用されている反応温度、例えば90〜200℃の範囲
の温度を用いることができ、好ましくは130〜180
℃で、さらに好ましくは150〜180℃である。反応
時間は、反応温度、種結晶の処理などの条件にもよる
が、0.5〜8時間であり、好ましくは2〜6時間、さ
らに好ましくは3〜5時間である。また、反応を繰り返
すことも可能である。
【0012】マイクロ波照射装置のマイクロ波の周波数
には特に限定はないが、現在の電波法上の使用周波数は
2450MHzに定められている。周波数2450MH
zで、300、600、1200Wの3段階に出力が切
り替えられる装置を用い、昇温時の出力は最大600
W、その後最大300Wとし、密閉式の反応容器中に取
り付けた温度センサーと圧力センサーで、出力をコント
ロールして温度を制御することが好ましい。
には特に限定はないが、現在の電波法上の使用周波数は
2450MHzに定められている。周波数2450MH
zで、300、600、1200Wの3段階に出力が切
り替えられる装置を用い、昇温時の出力は最大600
W、その後最大300Wとし、密閉式の反応容器中に取
り付けた温度センサーと圧力センサーで、出力をコント
ロールして温度を制御することが好ましい。
【0013】前記多孔質支持体上に生成させたゼオライ
ト膜は、水洗などにより未反応のゾルなどを除去した
後、鋳型として用いたテトラプロピルアンモニウムハロ
ゲン化物(TPAX)を除去する。除去する方法は特に
限定されるものではないが、例えば400℃以上で12
〜48時間焼成することにより除去できる。
ト膜は、水洗などにより未反応のゾルなどを除去した
後、鋳型として用いたテトラプロピルアンモニウムハロ
ゲン化物(TPAX)を除去する。除去する方法は特に
限定されるものではないが、例えば400℃以上で12
〜48時間焼成することにより除去できる。
【0014】
【実施例】以下に実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお膜特性の測定は以下の方法に従って行った。 浸透気化(PV)分離(EtOH/H2O)特性の測定 ZSM−5型ゼオライト膜(アルミナ支持体)にバイト
ンチューブを取り付けて、膜の内側(透過側)をトラッ
プを介して真空ポンプに接続して減圧にした。これを、
エタノール/水=10/90(質量%)の組成の液(未
透過側)を入れたガラス管に漬け、液は、75℃にし、
マグティチックスターラーで撹拌した。膜内側からの透
過分を液体窒素で冷却したトラップで30分毎に補集し
た。組成の分析は、ガスクロマトグラフィーで行った。
膜の透過性能は、単位面積、単位時間当たりの透過流束
(kg/m2h)と分離係数αで比較した。なお、分離係数α
は以下の式により求めた。 α=(PA/PB)/(FA/FB) (式中、PA、PBはそれぞれ透過側の液中のエタノー
ル、水それぞれの濃度(質量%)であり、FA、FBは、
それぞれ未透過側の液中のエタノール、水それぞれの濃
度(質量%)である。)
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお膜特性の測定は以下の方法に従って行った。 浸透気化(PV)分離(EtOH/H2O)特性の測定 ZSM−5型ゼオライト膜(アルミナ支持体)にバイト
ンチューブを取り付けて、膜の内側(透過側)をトラッ
プを介して真空ポンプに接続して減圧にした。これを、
エタノール/水=10/90(質量%)の組成の液(未
透過側)を入れたガラス管に漬け、液は、75℃にし、
マグティチックスターラーで撹拌した。膜内側からの透
過分を液体窒素で冷却したトラップで30分毎に補集し
た。組成の分析は、ガスクロマトグラフィーで行った。
膜の透過性能は、単位面積、単位時間当たりの透過流束
(kg/m2h)と分離係数αで比較した。なお、分離係数α
は以下の式により求めた。 α=(PA/PB)/(FA/FB) (式中、PA、PBはそれぞれ透過側の液中のエタノー
ル、水それぞれの濃度(質量%)であり、FA、FBは、
それぞれ未透過側の液中のエタノール、水それぞれの濃
度(質量%)である。)
【0015】実施例1 コロイダルシリカ、水酸化ナトリウム、水、臭化テトラ
プロピルアンモニウムをTPABr/SiO2=0.1、NaOH/SiO2=0.
025、SiO2/Al2O3=∞、H2O/SiO2=56となるように調製
し、ゼオライト反応原料混合物を得た。この反応原料混
合物を円筒状の反応容器に仕込み、種結晶を付着させた
管状の多孔質アルミナ支持体(ニッカトー社製、PMチュ
ーブ:Al2O3含有量65%、気孔率42%、平均細孔径
1.3μm、外径12mm,内径9mm,肉厚1.5m
m、長さ50mm)を前記反応原料混合物に浸漬した。
マイクロ波照射は、CEM社製のマイクロ波式反応加速
システムMARS5を使用し、周波数2450MHz、
照射開始時5分で、170℃に昇温できるように行い、
この後、2、3または4時間、反応温度170℃に維持
できるようマイクロ波照射を行った。反応終了後、多孔
質アルミナ支持体を取り出して、水洗、乾燥し、次いで
500℃以上の温度で20時間焼成を行い、結晶化促進
剤(臭化テトラプロピルアンモニウム)を除去した。以
上のようにして得た多孔質アルミナ支持体表面の表面部
分のX線回折を行ったところ、得られた多孔質アルミナ
支持体表面物質のピークパターンは、標品のZSM−5
型ゼオライト粉末のピークパターンとよく一致し、前記
支持体表面にZSM−5型ゼオライトが生成しているこ
とが確認された。この多孔質アルミナ支持体表面上に生
成しているZSM−5型ゼオライト膜について、浸透気
化特性の測定を行った。結果を表1に示した。
プロピルアンモニウムをTPABr/SiO2=0.1、NaOH/SiO2=0.
025、SiO2/Al2O3=∞、H2O/SiO2=56となるように調製
し、ゼオライト反応原料混合物を得た。この反応原料混
合物を円筒状の反応容器に仕込み、種結晶を付着させた
管状の多孔質アルミナ支持体(ニッカトー社製、PMチュ
ーブ:Al2O3含有量65%、気孔率42%、平均細孔径
1.3μm、外径12mm,内径9mm,肉厚1.5m
m、長さ50mm)を前記反応原料混合物に浸漬した。
マイクロ波照射は、CEM社製のマイクロ波式反応加速
システムMARS5を使用し、周波数2450MHz、
照射開始時5分で、170℃に昇温できるように行い、
この後、2、3または4時間、反応温度170℃に維持
できるようマイクロ波照射を行った。反応終了後、多孔
質アルミナ支持体を取り出して、水洗、乾燥し、次いで
500℃以上の温度で20時間焼成を行い、結晶化促進
剤(臭化テトラプロピルアンモニウム)を除去した。以
上のようにして得た多孔質アルミナ支持体表面の表面部
分のX線回折を行ったところ、得られた多孔質アルミナ
支持体表面物質のピークパターンは、標品のZSM−5
型ゼオライト粉末のピークパターンとよく一致し、前記
支持体表面にZSM−5型ゼオライトが生成しているこ
とが確認された。この多孔質アルミナ支持体表面上に生
成しているZSM−5型ゼオライト膜について、浸透気
化特性の測定を行った。結果を表1に示した。
【0016】実施例2 TPABr/SiO2=0.1、NaOH/SiO2=0.025、SiO2/Al2O3=∞、H2
O/SiO2=80となるようにゼオライト反応原料混合物を調
製した以外は実施例1と同様にしてZSM−5型ゼオラ
イト膜を得た。X線回折でZSM−5型ゼオライトのピ
ークパターンを確認し、浸透気化特性の測定を行った。
結果を表1に示した。
O/SiO2=80となるようにゼオライト反応原料混合物を調
製した以外は実施例1と同様にしてZSM−5型ゼオラ
イト膜を得た。X線回折でZSM−5型ゼオライトのピ
ークパターンを確認し、浸透気化特性の測定を行った。
結果を表1に示した。
【0017】比較例1 TPABr/SiO2=0.067、NaOH/SiO2=0.16、SiO2/Al2O3=100、
H2O/SiO2=15となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製し、反応温度を175℃とした以外は実施例1と同様
にして反応を行った。しかし、反応1時間で反応原料混
合物が固化し、ZSM−5型ゼオライト膜を得ることが
できなかった。
H2O/SiO2=15となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製し、反応温度を175℃とした以外は実施例1と同様
にして反応を行った。しかし、反応1時間で反応原料混
合物が固化し、ZSM−5型ゼオライト膜を得ることが
できなかった。
【0018】比較例2 TPABr/SiO2=0.067、NaOH/SiO2=0.16、SiO2/Al2O3=100、
H2O/SiO2=33となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製し、反応温度を175℃とした以外は実施例1と同
様にしてZSM−5型ゼオライト膜を得た。X線回折で
ZSM−5型ゼオライトのピークパターンを確認し、浸
透気化特性の測定を行った。結果を表1に示した。
H2O/SiO2=33となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製し、反応温度を175℃とした以外は実施例1と同
様にしてZSM−5型ゼオライト膜を得た。X線回折で
ZSM−5型ゼオライトのピークパターンを確認し、浸
透気化特性の測定を行った。結果を表1に示した。
【0019】比較例3 TPABr/SiO2=0.067、NaOH/SiO2=0.16、SiO2/Al2O3=100、
H2O/SiO2=51となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製した以外は実施例4と同様にしてZSM−5型ゼオ
ライト膜を得た。X線回折でZSM−5型ゼオライトの
ピークパターンを確認し、浸透気化特性の測定を行っ
た。結果を表1に示した。
H2O/SiO2=51となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製した以外は実施例4と同様にしてZSM−5型ゼオ
ライト膜を得た。X線回折でZSM−5型ゼオライトの
ピークパターンを確認し、浸透気化特性の測定を行っ
た。結果を表1に示した。
【0020】比較例4 TPABr/SiO2=0.067、NaOH/SiO2=0.16、SiO2/Al2O3=100、
H2O/SiO2=69となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製した以外は実施例4と同様にしてZSM−5型ゼオ
ライト膜を得た。X線回折でZSM−5型ゼオライトの
ピークパターンを確認し、浸透気化特性の測定を行っ
た。結果を表1に示した。
H2O/SiO2=69となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製した以外は実施例4と同様にしてZSM−5型ゼオ
ライト膜を得た。X線回折でZSM−5型ゼオライトの
ピークパターンを確認し、浸透気化特性の測定を行っ
た。結果を表1に示した。
【0021】比較例5 TPABr/SiO2=3.28、Na2O/SiO2=1.64、SiO2/Al2O3=12.2、
H2O/SiO2=164となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製し、反応温度を140℃とした以外した実施例1と同
様にしてZSM−5型ゼオライト膜を得た。X線回折で
ZSM−5型ゼオライトのピークパターンを確認し、浸
透気化特性の測定を行った。結果を表1に示した。
H2O/SiO2=164となるようにゼオライト反応原料混合物を
調製し、反応温度を140℃とした以外した実施例1と同
様にしてZSM−5型ゼオライト膜を得た。X線回折で
ZSM−5型ゼオライトのピークパターンを確認し、浸
透気化特性の測定を行った。結果を表1に示した。
【0022】比較例6 実施例2と同様に、TPABr/SiO2=0.1、NaOH/SiO2=0.02
5、SiO2/Al2O3=∞、H2O/SiO2=80となるようにゼオライ
ト反応原料混合物を調製した。この反応原料混合物をス
テンレス製オートクレーブ(テフロン(登録商標)製内
筒付)に仕込み、種結晶を付着させた管状の多孔質アル
ミナ支持体(ニッカトー社製、PMチューブ)を浸漬し
た。これを密閉した後、恒温槽に入れ、170℃まで5
〜10℃/hrで昇温し、24時間後、170℃に達
し、48時間、170℃を保った。反応終了後、多孔質
アルミナ支持体を取り出して、水洗、乾燥し、次いで5
00℃以上の温度で20時間焼成を行い、結晶化促進剤
(臭化テトラプロピルアンモニウム)を除去した。X線
回折でZSM−5型ゼオライトのピークパターンを確認
し、浸透気化特性の測定を行った。結果を表1に示し
た。
5、SiO2/Al2O3=∞、H2O/SiO2=80となるようにゼオライ
ト反応原料混合物を調製した。この反応原料混合物をス
テンレス製オートクレーブ(テフロン(登録商標)製内
筒付)に仕込み、種結晶を付着させた管状の多孔質アル
ミナ支持体(ニッカトー社製、PMチューブ)を浸漬し
た。これを密閉した後、恒温槽に入れ、170℃まで5
〜10℃/hrで昇温し、24時間後、170℃に達
し、48時間、170℃を保った。反応終了後、多孔質
アルミナ支持体を取り出して、水洗、乾燥し、次いで5
00℃以上の温度で20時間焼成を行い、結晶化促進剤
(臭化テトラプロピルアンモニウム)を除去した。X線
回折でZSM−5型ゼオライトのピークパターンを確認
し、浸透気化特性の測定を行った。結果を表1に示し
た。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られるZS
M−5型ゼオライト膜は、耐熱性、耐久性、耐薬品性な
どの他、透過速度や選択性などに優れた液体や気体の混
合物の分離膜である。しかも、マイクロ波により加熱す
ることで多孔質支持体上に膜厚が均一で膜にピンホール
のない緻密なZSM−5型ゼオライト膜を短時間に効率
良く製造することが可能になった。
M−5型ゼオライト膜は、耐熱性、耐久性、耐薬品性な
どの他、透過速度や選択性などに優れた液体や気体の混
合物の分離膜である。しかも、マイクロ波により加熱す
ることで多孔質支持体上に膜厚が均一で膜にピンホール
のない緻密なZSM−5型ゼオライト膜を短時間に効率
良く製造することが可能になった。
Claims (1)
- 【請求項1】 多孔質支持体の存在下に、H2O、NaOH、S
iO2、Al2O3、及びテトラプロピルアンモニウムハロゲン
化物(TPAX)からなるゼオライト反応原料混合物を
加熱して水熱合成反応させ、前記支持体上にゼオライト
膜を析出させるゼオライト膜の製造方法において、前記
ゼオライト反応原料混合物のモル組成比がH2O/SiO2=20
〜100、SiO2/Al2O3=110以上であり、加熱がマイクロ波
による加熱であることを特徴とするZSM−5型ゼオラ
イト膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000248311A JP2002058973A (ja) | 2000-08-18 | 2000-08-18 | マイクロ波を用いたzsm−5膜の製造方法 |
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JP (1) | JP2002058973A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004026644A (ja) * | 2002-06-03 | 2004-01-29 | Inst Fr Petrole | 薄いゼオライト膜の調製法 |
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KR100648520B1 (ko) | 2005-11-09 | 2006-11-27 | 한국화학연구원 | 초음파 분무 열분해법에 의한 기체 분리용 세라믹 막의제조방법 |
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-
2000
- 2000-08-18 JP JP2000248311A patent/JP2002058973A/ja active Pending
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