JP4348431B2 - 高シリカ型cds−1ゼオライト膜及びその製造方法 - Google Patents

高シリカ型cds−1ゼオライト膜及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規高シリカ型CDS−1ゼオライト膜及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、化学組成が[(Si36-x・O72)・M](式中、MはNa、K、Li等のアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦3.0、yは0≦y≦3.0の範囲を表す。)で表され、Si原子とO原子との共有結合からなる細孔構造を有し、SiOの4面体配位の繰り返し単位のシリケート構造を持ち、ケイ素5員環及び8員環を含んだ幾何学的な結晶構造(原子配列)をもつゼオライト(Cylindrical
Double Saw−Edged ゼオライト1型:以下、CDS−1と略記する。)膜及びその製造方法に関するものである。
本発明は、近年、高機能性触媒として世界的に注目されている高シリカゼオライトの技術分野において、工業的にも容易に利用でき得る新規CDS−1ゼオライト膜及び該CDS−1ゼオライト膜を簡便に製造する方法を提供するものとして有用である。本発明は、従来法では開発することが困難とされていた高シリカ型のゼオライト膜を提供とすることを可能とするものであり、本発明を利用すれば、高シリカ型CDS−1ゼオライトの有する分子ふるい能及び疎水性/親水性を用いた液体分離や、高耐熱性を有する高性能・高選択な気体分離膜を用いた新技術の実用化が可能である。
ゼオライトは、規則的に配列したミクロ孔を有し、一般に、耐熱性が高く、化学的にも安定なものが数多く得られることから、様々な分野で利用されている。このゼオライトの骨格構造は、Siの一部がAlに置換したアルミノシリケートであり、分子オーダー(3−10Å程度)の細孔を有し、立体選択的な吸着作用を持つことによりモレキュラーシーブ(分子ふるい)としての機能を有する。天然に産出するゼオライトの他に、これまでに多くのゼオライトが合成されており、例えば、固体酸触媒、分離吸着剤、イオン交換剤等の分野で幅広く用いられている。
このゼオライト(粉末)をセラミックスや金属の多孔質基板支持体上に製膜したゼオライト膜は、ゼオライトの分子ふるい作用や親和性(疎水性又は親水性)を利用し、浸透気化法によるアルコールと水の分離やガス分離膜として用いられるようになってきている。このような状況から、様々な多孔質支持体を用いたゼオライト膜及びその製造方法が提案されている。
近年、ゼオライト膜合成技術の向上により、蒸溜法に代るアルコールの分離法として実用化された例として、例えば、酸素8員環構造を有するA型ゼオライトの親水性を利用した、アルコール水溶液からの水選択透過によるアルコールの濃縮方法(特許文献1)がある。しかしながら、このA型ゼオライトは、耐酸性が、他の高シリカ型ゼオライトと比較して、劣るため(酸と接触するとその構造が破壊される)、酸性の混合物と水との分離には使用することが困難であるという課題があった。
高シリカ組成のゼオライトは、耐熱性が高い、疎水性が高いという2つの意味で、A型ゼオライト等の低シリカ組成の膜よりも優れている。そこで、これらの観点から、高シリカ型ゼオライト膜の製造方法の開発研究が種々試みられている。
ゼオライトは、可塑性に乏しいため、膜化する場合、ほとんどの場合は水熱合成法、すなわち、大量の水とアルミニウム源、シリカ源、アルカリ金属、アミン類などの有機結晶化調整剤を適宜目的の生成物ゼオライト組成になるように調合し、オートクレーブ等の圧力容器にそれらを封じ込めて、アルミナやムライトなどの多孔質基板やチューブを共存させて加熱することにより、それらの基板上にゼオライト膜を合成している。また、ゼオライト種結晶を塗布した後、更に、水熱合成することにより欠陥のないゼオライト膜を合成している(例えば、特許文献2:DDR型ゼオライト膜の製造方法)。これらの手法で合成されたゼオライト膜は、気体又は液体混合物からの分離・濃縮などに利用される(例えば、特許文献3:モルデナイト型ゼオライト膜複合体及びその製造方法並びにそれを用いた濃縮方法)。しかしながら、これらのゼオライト膜は、全て既存のゼオライトを用いて作製したゼオライト膜であり、当技術分野では、更に、優れたゼオライト膜の開発が強く要請されていた。
特開平7−185275号公報 特開2003−159518号公報 特開2003−144871号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、高シリカ含有ゼオライト膜を作製することが可能な、新しいゼオライト膜の製造技術を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、新規高シリカ型CDS−1ゼオライト膜の開発に成功し、本発明を完成するに至った。本発明は、高シリカ型ゼオライト膜を合成するにあたり、既存のゼオライトではなく、全く新規なゼオライトであるCDS−1ゼオライト膜を簡便に合成する方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、緻密なCDS−1膜の合成法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、疎水性が高く、かつ耐熱性に優れた特性を有する新規ゼオライト膜を提供することを目的とするものである。また、本発明は、工業的な液体及びガス分離プロセス等に採用され得るゼオライト膜を簡便に、かつ、短期間で製造することが可能であるばかりでなく、例えば、石油化学工業において、分離と触媒作用を持ち合わせたメンブレンリアクター等として好適なゼオライト膜を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)化学組成が[(Si36−x・O72)・M](式中、MはNa、K、又はiのアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦3.0、yは0≦y≦3.0の範囲を表す。)で表され、Si原子とO原子との共有結合からなる細孔構造を有し、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位がシリケート構造を持ち、ケイ素5員環及び8員環を含んだ幾何学的結晶構造(原子配列)をもつゼオライト(以下、CDS−1と略記する。)を支持体上に製膜したゼオライト膜であって、
粉末X線回折パターンにおける格子面間隔d(Å)が少なくとも表1又は表2に記載されたものであることを特徴とするゼオライト膜。
表1
d(Å)
相対強度(ピーク)
9.17±0.05 100
6.86±0.05 35
6.11±0.05
5.50±0.05
4.84±0.05
4.70±0.05
4.58±0.05
4.44±0.05
4.35±0.05
4.09±0.05
3.88±0.05
3.81±0.05
3.68±0.05
3.43±0.05 16
3.41±0.05 18
3.31±0.05
3.24±0.05
3.07±0.05
表2
d(Å)
相対強度(ピーク)
9.25±0.05 100
8.85±0.05
7.67±0.05
6.85±0.05 65
6.14±0.05
4.74±0.05
4.65±0.05
4.49±0.05 13
4.40±0.05
4.10±0.05
3.90±0.05
3.84±0.05
3.71±0.05
3.44±0.05 30
3.34±0.05 14
3.26±0.05
3.08±0.05
2.99±0.05
2.89±0.05
2.75±0.05
2.37±0.05
1.97±0.05
1.86±0.05
(2)上記結晶構造において、
1)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=7.37±0.03Åの範囲にある斜方晶型(空間群Pnma)、
2)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=7.37±0.03Åの範囲にある斜方晶型(空間群Pnnm)、
3)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=14.74±0.03Åの範囲にある斜方晶型(空間群Pbcm)、又は
4)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=7.37±0.03Å、β=90±0.3゜の範囲にある単斜晶型(P21/m)、であることを特徴とする前記(1)に記載のゼオライト膜。
)支持体が、無機多孔体、金属あるいは金属酸化物の多孔質基板であることを特徴とする前記(1)に記載のゼオライト膜。
)化学組成が[(Si18−x・O38)・M・(TMA)・(HO)w](式中、TMAはテトラアルキルアンモニウム陽イオン、Mはアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦1.2、yは0.5≦y≦1.5、zは6≦z≦8、wは0.02≦w≦1.5の範囲を表す。)で表され、Si原子とO原子とからなる共有結合性のネットワークを形成し、ナノサイズの1次元微細孔を有する単一層状ケイ酸骨格を基本構造として有する結晶性層状ケイ酸塩(以下、PLSと略記する)を種晶として用い、PLS内に存在するSi−OH基を縮合させて、ケイ素5員環及び8員環を含んだ幾何学的な結晶構造(原子配列)をもつ前記(1)に記載のCDS−1に転換し、支持体上にゼオライトを製膜することを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
)PLSを種晶として、PLS膜を形成することを特徴とする前記()に記載のゼオライト膜の製造方法。
)支持体が、無機多孔体、金属あるいは金属酸化物の多孔質基板であることを特徴とする前記()に記載のゼオライト膜の製造方法。
)PLS膜を、300℃〜800℃に加熱することにより、PLS内に存在するSi−OH基を縮合させてCDS−1に転換することを特徴とする前記()に記載のゼオライト膜の製造方法。
)PLS膜を、減圧下で加熱することを特徴とする前記()に記載のゼオライト膜の製造方法。
)PLS膜を140℃〜170℃の温度での水熱合成により形成することを特徴とする前記()に記載のゼオライト膜の製造方法。
10)PLSから合成したCDS−1結晶を、支持体に塗布した後、二次成長させることにより製膜することを特徴とする前記()に記載のCDS−1ゼオライト膜の製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明者らは、ケイ素5員環を含む結晶構造を持った層状珪酸塩(PLS)から、その幾何学的類似性を活用することによって、図1に示されるようなケイ素5員環及び8員環構造を含んだ結晶構造を有するゼオライトが合成できることを見出した。具体的には、真空中や空気中、酸素雰囲気中などの条件下で、PLS内に存在するSi−OH基を縮合することで新規なゼオライトに転換した。このゼオライトをCDS1ゼオライト(Cylindrical Double Saw−Edged ゼオライト1型)と呼ぶ。このCDS−1は、化学組成が[(Si36-x・O72)・M](式中、MはNa、K、Li等のアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦3.0、yは0≦y≦3.0の範囲を表す。)で表され、Si原子とO原子との共有結合からなる細孔構造を有し、図1に示すような幾何学的な結晶構造(原子配列)をもつ多孔質物質(ゼオライト)である。図1からわかるように、CDS−1の細孔径は、ゼオライトの中では小さいものであり、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)などの低分子ガスの分離膜として適用できる可能性を有する。また、本発明の、CDS−1は、X線回折パターンにおける格子面間隔d(Å)が少なくとも表1又は表2に記載されたものである。
次に、本発明の、CDS−1ゼオライト膜及びその製造方法の好適な態様を説明する。なお、本発明において、数値範囲の記載は、両端値のみならず、その中に含まれる全ての任意の中間値を含むものとするとともに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが可能である。
本発明の新規高シリカ型ゼオライトCDS−1膜を合成する方法として、例えば、(1)その前駆体物質であるPLSを多孔質支持体上に形成せしめ、焼成及び/又は真空処理することによりPLS内のSi−OH基を縮合させ、CDS−1膜に転換する方法、(2)CDS−1粉末を、多孔質支持体に種付け、吸い込み等によって塗布した後、アルカリ及びシリカ源の含まれた水溶液にて水熱合成することにより、塗布したCDS−1結晶を二次成長させることで膜化する方法、が例示される。これらの方法では、CDS1ゼオライト膜の合成に、前駆体化合物として、結晶性層状化合物PLS(特願2002331333号)と同一のものが用いられる。
(支持体)
本発明における支持体としては、例えば、アルミナ、ムライト、ジルコニア、ステンレススチールやアルミニウムを代表とする金属あるいは合金製、金属酸化物等の多孔質支持体、陽極酸化膜多孔質支持体等が例示される。好ましくは平均細孔径が0.1〜10ミクロンを有する当該多孔質支持体が用いられ、例えば、PMチューブ(管状支持体)、F(平板円盤状又は角板形状)等の製品((株)ニッカトー)がある。これらの支持体の表面処理の方法としては、水洗い、超音波洗浄などが例示され、好ましくは、例えば、水による1〜10分の超音波洗浄により、支持体表面の洗浄を行う方法が用いられる。
(PLS膜合成法)
本発明においては、水熱合成法により前述の多孔質支持体にPLSを製膜する。PLSは、SiOの4面体配位の繰り返し単位をシリケート基本構造に持ち、珪素5員環による微細高がシリケート内に含まれた構造を有している。そして、シリカ源、イオン半径1.0Å以上のアルカリ源、直径3.0オングストローム以上のアミン類等の有機結晶化調整剤及び溶媒から合成される有機結晶化調整剤含有層状ケイ酸塩である。
支持体上への膜の作製には、例えば、予め合成したPLSの種晶を多孔質支持体に擦り込んだ後、再度水熱合成することにより、種晶を成長させて強固な連続膜にしても良い。この水熱合成には、適当な容器、例えば、耐圧容器が使用される。多孔質支持体を耐圧容器内へ配置する方法としては、例えば、容器の底面、容器の中間部、容器の上部、容器と平行、容器と垂直、容器とある程度の角度をもった配置等により、耐圧容器内に多孔質支持体を存在させる方法が例示される。また、PLS種晶を水熱合成時に出発原料中に0.1〜30wt%、好ましくは3〜10wt%存在させることで、PLS結晶化速度を短縮することもできる。
(PLS膜からCDS−1膜への転換)
本発明においては、例えば、CDS−1ゼオライトの合成に、前駆体化合物として、結晶性層状化合物PLSを、前述した多孔質支持体に成膜し、先ず、PLS膜を得る。その後、得られたPLS膜を空気中で300〜800℃、好ましくは400〜600℃、毎分0.1〜30℃、好ましくは毎分0.5〜10℃の速度で焼成することにより、CDS−1膜に転換できる。なお、この焼成工程は、PLSのSi−OH基を縮合させるのが目的であり、真空中での焼成、例えば、PLS膜を任意の大きさのガラス管に入れ、窒素トラップ及びターボ分子ポンプの付いた汎用真空ラインにガラス管を接続し、真空中で加熱処理することでCDS−1膜に転換しても良い。このとき、到達真空度は、特に制限はないが、好ましくは1×10−3〜1×10−8torrの範囲で、加熱温度は、好ましくは400〜800℃である。
本発明のゼオライト膜を構成するCDS−1は、その結晶構造において、(1)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=7.37±0.03Åの範囲にある斜方晶型(空間群Pnma)、(2)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=7.37±0.03Åの範囲にある斜方晶型(空間群Pnnm)、(3)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=14.74±0.03Åの範囲にある斜方晶型(空間群Pbcm)、及び、(4)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=7.37±0.03Å、β=90±0.3゜の範囲にある単斜晶型(P21/m)、であることを特徴とする。また、CDS−1は、X線回折パターンにおける格子面間隔d(Å)が少なくとも表1又は表2で示されるものであることを特徴とする。CDS−1膜の、別の製造方法の例として、予め合成したCDS−1の種結晶を、多孔質支持体に塗布した後、二次成長させることにより製膜する方法を挙げられる。この方法では、PLSを合成し、その後、PLS中に含まれるSi−OH基を縮合させてCDS−1とする。次いで、多孔体支持体にCDS−1種結晶を塗布した後、ケイ素を含むアルカリ水溶液中等で種結晶を二次成長させることによりCDS−1膜とする。得られた、CSD−1膜は、例えば、気相ベックマン転移反応において触媒活性を示すばかりでなく、Al−SiO八員環構造(4.5×3.3Å)を有するため、分離膜素材としても耐熱性、耐酸性を有する部材として有用である。例えば、このCDS−1膜を用いた浸透気化法による水/エタノール分離を行った結果、エタノールに対する水の分離係数=23、浸透流速=0.23kg/m・hを示した。CDS−1が水選択透過膜の性質を決めしたことは、PLSからの縮合の際の残存Si−OHが膜内に存在していることによるものと考えられる。
本発明により、(1)高シリカ型ゼオライト膜を提供できる、(2)既存のゼオライトではなく、全く新規なゼオライトであるCDS−1ゼオライト膜を簡便に合成する方法を提供できる、(3)疎水性が高く、かつ耐熱性に優れた特性を十分に発揮することができる緻密なゼオライト膜を提供できる、(4)工業的な液体及びガス分離プロセス等に採用され得るゼオライト膜を簡便に、かつ、短期間で製造することが可能である、(5)例えば、石油化学工業において、分離と触媒作用を持ち合わせたメンブレンリアクター等として好適なゼオライト膜を提供できる、という格別の効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例等によって何ら限定されるものではない。
(1)PLS種結晶の合成方法
SiO (商品名:CABOT Co.製CabSil M5)を2.00g取り、26%濃度のTMAOH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:東京化成(株)製、試薬特級)25.4g、0.5規定のKOH10.0g、H2O 68.6g、(1,4dioxane:東京化成(株)製、試薬特級)100.0g、に加えた、1時間程良く攪拌し、テフロン(登録商標)内筒を有するオートクレーブ(内容積300ml、ナックオートクレーブ社製)に移し、150℃で10日間加熱処理した。オートクレーブから取り出した後、エタノール及び水で洗浄を行い、70℃の温度下で12時間乾燥させ粉末状の生成物を得た。生成物の収率はSiOに対して、ほぼ100%であった。また、本生成物が層状化合物PLSであることを29Si−MAS NMR及び、SEM及びXRD測定により確認した。この生成物のXRDパターンから、表3に示されるPLS特有の格子面間隔d(Å)が得られた。
表3
d(Å)
10.46±0.1
8.38±0.1
7.34±0.1
7.00±0.1
6.51±0.1
6.45±0.1
5.86±0.5
5.82±0.5
5.66±0.5
5.23±0.5
5.07±0.5
4.90±0.5
4.75±0.5
4.57±0.5
4.40±0.5
4.35±0.5
4.26±0.5
4.19±0.5
4.00±0.5
(2)PLS膜の合成方法
このPLS粉末を、ムライトチューブ(商品名:PM、6mmφ、80mm長、平均細孔径=1.8μm、ニッカトー(株)製)表面に擦り込むことにより塗布した(Rubbing法)。このムライトチューブの上及び下端部をテフロン(登録商標)テープで封止した後、テフロン(登録商標)製の治具(7mmφの貫通穴があいている厚さ20mm、直径38mmの台座)に垂直に固定した。次に、台座に固定したムライトチューブを直径40mm、内容積250mLのSUS製オートクレーブ(真壁技研(株)製)の底面に設置した。
次いで、前述のPLS種結晶の合成で用いたPLS合成の原料溶液に、PLS結晶を0.5g加えて良く攪拌した。このPLS結晶入りの原料溶液を200mLのみオートクレーブに移し、ムライトチューブが完全に浸るようにした。次に、このオートクレーブを160℃に予備加熱した送風オーブン(ヤマト科学(株)製、DK300)中に静置し、72時間水熱処理した。その後、オートクレーブを取り出し、台座に固定したムライトチューブを取り出して、十分水洗した。なお、台座には自立膜が生成していた。水洗したムライトチューブを70℃で24時間乾燥することで、PLS膜とした。
(3)PLS膜からCDS−1膜への転換
このPLS膜を焼成炉(ヤマト科学(株)製、FO300、強制排気装置付き)に移し、室温〜450℃まで1℃毎分の焼成速度で昇温し、450℃で10時間焼成することにより、CDS−1膜に転換した。
次に、得られたCDS−1膜の結晶化度を評価するため、X線回折測定を行ったところ、表1又は表2に示したd値の回折ピーク及び支持体であるムライトチューブの回折ピークが得られた。また、オートクレーブ中に共存した粉末のX線回折測定を行ったところ、表1に示したd値の回折ピークのみであった。更に、膜厚の測定を電子顕微鏡で観察したところ、約8μmの膜厚であることがわかった。
表1
d(Å) 相対強度(ピーク)
9.17±0.05 100
6.86±0.05 35
6.11±0.05 5
5.50±0.05 4
4.84±0.05 1
4.70±0.05 1
4.58±0.05 3
4.44±0.05 7
4.35±0.05 7
4.09±0.05 6
3.88±0.05 8
3.81±0.05 9
3.68±0.05 3
3.43±0.05 16
3.41±0.05 18
3.31±0.05 8
3.24±0.05 9
3.07±0.05 1
表2
d(Å) 相対強度(ピーク)
9.25±0.05 100
8.85±0.05 7
7.67±0.05 4
6.85±0.05 65
6.14±0.05 7
4.74±0.05 6
4.65±0.05 7
4.49±0.05 13
4.40±0.05 5
4.10±0.05 5
3.90±0.05 7
3.84±0.05 8
3.71±0.05 5
3.44±0.05 30
3.34±0.05 14
3.26±0.05 9
3.08±0.05 4
2.99±0.05 3
2.89±0.05 2
2.75±0.05 1
2.37±0.05 2
1.97±0.05 2
1.86±0.05 2
実施例1で、PLS膜の水熱合成処理条件を150℃で24時間とした以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、CDS−1及び支持体であるムライトチューブのピーク以外に、20〜20°(CuKα)の領域にかけてブロードなハローピークが観察された。また、膜厚は1μm以下であり、電子顕微鏡観察では、場所によっては、CDS−1結晶が観察されない部分もあった。
実施例1で、PLS膜の水熱合成処理条件を150℃で72時間とした以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、CDS−1及び支持体であるムライトチューブのピーク以外に、20〜30°(CuKα)の領域にかけてブロードなハローピークが観察された。また、膜厚は1μm以下であり、電子顕微鏡観察では、場所によっては、CDS−1結晶が観察されない部分もあった。
実施例1で、ムライトチューブへのPLS種結晶の塗布法を吸い込ませる方法(Suction)とし、PLS膜の水熱合成処理条件を150℃で24時間とする以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。なお、PLS種結晶のムライトチューブ表面への吸い込ませ方は、0.5gのPLS結晶を100gのイオン交換水に加え、超音波洗浄器(アズワン製、US−4型、出力500W)で10分間処理した後、片方の開口部をテフロン(登録商標)テープにて封止したムライトチューブを浸し、反対側を真空ポンプに連結させてPLS結晶の水溶液を吸引することで、PLS結晶を塗布した。その後、ムライトチューブを70℃で24時間乾燥した後、PLS膜の水熱合成処理を行った。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるムライトチューブのピークのみが観察された。また、電子顕微鏡観察では、ほとんどCDS−1結晶が観察されなかった。
実施例4で、PLS膜の水熱合成処理条件を150℃で72時間とする以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるムライトチューブのピーク及び20〜30°(CuKα)の領域にかけてブロードなハローピークが観察された。また、電子顕微鏡観察では、CDS−1結晶が観察されなかった部分もあった。
実施例4で、PLS膜の水熱合成処理条件を160℃で72時間とする以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるムライトチューブのピーク及び20〜30°(CuKα)の領域にかけてブロードなハローピークが観察された。また、電子顕微鏡観察では、CDS−1結晶が観察されなかった部分もあった。
実施例1で、多孔質支持体をアルミナチューブ(平均細孔径=0.2μm、日本碍子社製)とし、PLS膜の水熱合成処理条件を150℃で72時間とする以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるアルミナチューブのピークのみが観察された。また、電子顕微鏡観察では、ほとんどCDS−1結晶が観察されなかった。
実施例7で、PLS膜の水熱合成処理条件を160℃で240時間とする以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるアルミナチューブのピークのみが観察された。また、電子顕微鏡観察では、ほとんどCDS−1結晶が観察されなかった。
実施例7で、アルミナチューブへの種付け法が、Suctionとした以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるアルミナチューブのピークのみが観察された。また、電子顕微鏡観察では、ほとんどCDS−1結晶が観察されなかった。
(比較例1)
実施例1で、PLS膜の水熱合成処理条件を130℃で72時間とする以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるムライトチューブのピークのみが観察された。また、電子顕微鏡観察では、CDS−1結晶がほとんど観察されなかった。
(比較例2)
実施例1で、PLS膜の水熱合成処理条件を180℃で72時間とする以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるムライトチューブのピークのみが観察された。また、電子顕微鏡観察では、CDS−1結晶がほとんど観察されなかった。
(比較例3)
実施例1で、ムライトチューブへの種付け法をSuctionとし、PLS膜の水熱合成処理条件を130℃で72時間とする以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるムライトチューブのピークのみが観察された。また、電子顕微鏡観察では、CDS−1結晶がほとんど観察されなかった。
(比較例4)
実施例1で、ムライトチューブへの種付け法をSuctionとし、PLS膜の水熱合成処理条件を180℃で72時間とする以外は、同一条件、同一操作でCDS−1膜を合成した。得られた膜のX線回折ピークは、支持体であるムライトチューブのピークのみが観察された。また、電子顕微鏡観察では、CDS−1結晶がほとんど観察されなかった。
実施例1〜9及び比較例1〜4について、PLS膜の合成条件をまとめて表4に示す。また、実施例1で合成したPLS膜及び焼成後CDS−1膜の電子顕微鏡写真を図2に示す。
(ガス透過試験)
実施例1〜9で作製したPLS膜の評価をするために、窒素ガスによる透過試験を行った。得られたPLS膜の両端をバリアン社製のトールシールを用いて、1/4インチSUS管に接続し、内径15mmのSUS製の測定管に固定した。供給側の圧力は、0.2MPa、透過側を大気解放とし、PLS膜の外側から内側への窒素ガスの透過量を室温にて測定した。
(実施例10〜18)
実施例1〜9において得られたPLS膜について、窒素ガス透過量をまとめて表5に示す。PLS種晶をRubbing法により塗布し、160℃で72時間の水熱処理をする ことで、窒素ガスが透過しない緻密な膜が合成できることがわかった。なお、種付けの方法が吸い込み法の場合及び平均細孔径が0.2μmのアルミナチューブの場合は、二次成長に必要とされる十分な種晶量が塗布されなかったため、及び支持体との密着性が悪いため(PLS種晶は2μm弱の薄片状結晶である)と考えられる。
(実施例19)
(浸透気化法によるエタノール/水の分離)
実施例1で得られたCDS−1膜を用いて、浸透気化法によるエタノール/水の分離を行った。CDS−1膜の片端をのトールシール(バリアン社製)を用いて封止し、反対側を同様にトールシールで1/4インチSUS管に接続した。次いで、SUS管を真空ポンプに接続した。この時のCDS−1膜の有効面積は、7.15cmであった。供給液は2vol%のエタノール水溶液とし、供給液を40℃に加温した。透過側は液体窒素のトラップを設けて、透過液を収集した。供給液及び透過液のエタノールと水の組成比はポラパックQのカラム付属のガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果、エタノールに対する水の分離係数は23、透過流速は0.23kg/m・hとなった。
(実施例20)
実施例19において、同様の操作・実験を24時間継続した後、透過液を収集した。その結果、エタノールに対する水の分離係数は32、透過流速は0.27kg/m・hとなった。実施例19に比べて、水選択透過性能(親水性)が若干増加した。水選択透過膜(親水性膜)となった理由は、PLSからの縮合の際に、膜内に、TMA(テトラメチルアンモニウム)及びSi−OH基が残存しているものと考えられる。実施例1のCDS−1膜は、焼成温度が450℃で10時間であるが、焼成条件、温度・時間を変えることにより、残存TMA及びSi−OH基の量を制御することが可能であると考えられ、親水性膜からシリカライトのような疎水性膜まで広範囲に特性が異なる膜を合成できる可能性がある。
(実施例21)
実施例19と同様に、CDS−1膜を用いて、浸透気化法によるエタノール/水の分離を行った。CDS−1膜の焼成条件を600℃−10時間とした。すなわち、TMA及びSi−OH基を完全に除去した。この時のCDS−1膜の有効面積は、6.59cmであった。供給量は5vol%のエタノール水溶液とし、供給液を40℃に加温した。透過側は、液体窒素のトラップを設けて、透過液を収集した。供給液及び透過液のエタノールと水の組成比は、ポラパックQのカラム付属のガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果、エタノールに対する水の分離係数は0.0188、透過流速は0.53kg/m・hとなった。即ち、焼成条件を変えることで、親水性膜から疎水性膜を合成できた。
(実施例22)
前述のPLS種結晶の合成方法により得られたPLSを内径25mmのガラス管に入れ、真空ラインに接続し,5×10−6torrの真空下で、室温から500℃まで4時間かけて昇温、4時間保持、1時間かけて室温まで冷却の3行程からなる熱処理を行い、灰色の粉末であるCDS1ゼオライトを得た。このCDS−1粉末を種晶としてPMムライトチューブにRubbingした。その後、実施例1と同様の水熱処理を行った。ただし、水熱処理する溶液は、1規定−KOH水溶液2gと26%濃度のTMAOH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:東京化成(株)製、試薬特級)2gをイオン交換水150mLに加えた水溶液を用いた。また、水熱処理温度は、150℃−24時間とした。水熱処理後、ムライトチューブを十分水洗し、70℃で24時間乾燥後、室温〜450℃まで1℃毎分の焼成速度で昇温し、450℃で10時間焼成した。この膜の電子顕微鏡観察による膜厚は、約3μmであった。
(実施例23)
実施例22において、水熱処理温度を150℃−48時間とした以外は、同様の操作を行った。この膜の膜厚は約5μmであった。
以上説明したように、本発明は、高シリカ型CDS−1型ゼオライト膜及びその製造方法に係るものであり、本発明により、例えば、種晶となるPLSを用いて水熱合成し、得られたPLS膜内のSi−OH基を縮合させることにより、簡便な工程によりCDS−1膜に転換することができる。本発明は、工業的な液体及びガス分離プロセス等に採用され得るゼオライト膜を簡便に、かつ、短期間で製造することが可能であるばかりでなく、得られたゼオライト膜は、例えば、石油化学工業において、分離と触媒作用を持ち合わせたメンブレンリアクター等として好適に使用し得るものである。
CDS−1の骨格構造を示す模式図である。 PLS膜(左)及びCDS−1膜(右)の電子顕微鏡写真である。

Claims (10)

  1. 化学組成が[(Si36−x・O72)・M](式中、MはNa、K、又はiのアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦3.0、yは0≦y≦3.0の範囲を表す。)で表され、Si原子とO原子との共有結合からなる細孔構造を有し、Si−Oの4面体配位の繰り返し単位がシリケート構造を持ち、ケイ素5員環及び8員環を含んだ幾何学的結晶構造(原子配列)をもつゼオライト(以下、CDS−1と略記する。)を支持体上に製膜したゼオライト膜であって、
    粉末X線回折パターンにおける格子面間隔d(Å)が少なくとも表1又は表2に記載されたものであることを特徴とするゼオライト膜。
    表1
    d(Å)
    相対強度(ピーク)
    9.17±0.05 100
    6.86±0.05 35
    6.11±0.05
    5.50±0.05
    4.84±0.05
    4.70±0.05
    4.58±0.05
    4.44±0.05
    4.35±0.05
    4.09±0.05
    3.88±0.05
    3.81±0.05
    3.68±0.05
    3.43±0.05 16
    3.41±0.05 18
    3.31±0.05
    3.24±0.05
    3.07±0.05
    表2
    d(Å)
    相対強度(ピーク)
    9.25±0.05 100
    8.85±0.05
    7.67±0.05
    6.85±0.05 65
    6.14±0.05
    4.74±0.05
    4.65±0.05
    4.49±0.05 13
    4.40±0.05
    4.10±0.05
    3.90±0.05
    3.84±0.05
    3.71±0.05
    3.44±0.05 30
    3.34±0.05 14
    3.26±0.05
    3.08±0.05
    2.99±0.05
    2.89±0.05
    2.75±0.05
    2.37±0.05
    1.97±0.05
    1.86±0.05
  2. 上記結晶構造において、
    (1)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=7.37±0.03Åの範囲にある斜方晶型(空間群Pnma)、
    (2)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=7.37±0.03Åの範囲にある斜方晶型(空間群Pnnm)、
    (3)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=14.74±0.03Åの範囲にある斜方晶型(空間群Pbcm)、又は
    (4)結晶の格子定数がa=18.35±0.05Å、b=13.77±0.03、c=7.37±0.03Å、β=90±0.3゜の範囲にある単斜晶型(P21/m)、であることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト膜。
  3. 支持体が、無機多孔体、金属あるいは金属酸化物の多孔質基板であることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト膜。
  4. 化学組成が[(Si18−x・O38)・M・(TMA)・(HO)w](式中、TMAはテトラアルキルアンモニウム陽イオン、Mはアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦1.2、yは0.5≦y≦1.5、zは6≦z≦8、wは0.02≦w≦1.5の範囲を表す。)で表され、Si原子とO原子とからなる共有結合性のネットワークを形成し、ナノサイズの1次元微細孔を有する単一層状ケイ酸骨格を基本構造として有する結晶性層状ケイ酸塩(以下、PLSと略記する)を種晶として用い、PLS内に存在するSi−OH基を縮合させて、ケイ素5員環及び8員環を含んだ幾何学的な結晶構造(原子配列)をもつ請求項1に記載のCDS−1に転換し、支持体上にゼオライトを製膜することを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
  5. PLSを種晶として、PLS膜を形成することを特徴とする請求項に記載のゼオライト膜の製造方法。
  6. 支持体が、無機多孔体、金属あるいは金属酸化物の多孔質基板であることを特徴とする請求項に記載のゼオライト膜の製造方法。
  7. PLS膜を、300℃〜800℃に加熱することにより、PLS内に存在するSi−OH基を縮合させてCDS−1に転換することを特徴とする請求項に記載のゼオライト膜の製造方法。
  8. PLS膜を、減圧下で加熱することを特徴とする請求項に記載のゼオライト膜の製造方法。
  9. PLS膜を140℃〜170℃の温度での水熱合成により形成することを特徴とする請求項に記載のゼオライト膜の製造方法。
  10. PLSから合成したCDS−1結晶を、支持体に塗布した後、二次成長させることにより製膜することを特徴とする請求項に記載のCDS−1ゼオライト膜の製造方法。
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