JP2016159366A - 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】ステンレス鋼等の熱伝導性に乏しい被削材の湿式高速断続切削加工において、すぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具を提供する。【解決手段】工具基体の表面に、直接あるいはTi化合物からなる下部層を介して、ゾルーゲル法によりα型酸化アルミニウム層を被覆した表面被覆切削工具であって、α型酸化アルミニウム層中には、平均孔径が10〜100nmである微細空孔が分散して形成され、かつ、α型酸化アルミニウム層の縦断面で測定した前記微細空孔の平均密度は30〜70個/μm2であり、前記微細空孔は、α型酸化アルミニウム結晶粒の結晶粒界及び結晶粒内に均一に分散分布し、所定の観察視野範囲における前記空孔密度を所定視野数にわたって求めた場合の標準偏差が15個/μm2以下であり、前記微細空孔のうち、微細空孔の周囲の少なくとも一部分に、微細空孔に隣接してTi酸化物が形成されている微細空孔の個数割合は、全微細空孔数の50%以上である表面被覆切削工具。【選択図】 図1

Description

この発明は、ステンレス鋼等の熱伝導性に乏しい被削材の湿式高速断続切削加工において、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮するゾル−ゲル法で硬質被覆層を形成した表面被覆切削工具(以下、「被覆工具」という)に関する。
従来から、工具基体表面に、周期律表の4a、5a、6a族から選ばれた少なくとも1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物等からなる硬質皮膜を被覆形成することにより、切削工具の耐摩耗性向上を図ることが知られている。
そして、硬質皮膜のうちでも、α型酸化アルミニウム層は、熱安定性に優れ、反応性が低く、かつ、高硬度であるという点から、上記周期律表の4a、5a、6a族から選ばれた少なくとも1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物等からなる硬質皮膜の最表面層として、α型酸化アルミニウム層を被覆形成した被覆工具が知られているが、切削条件が厳しくなるにしたがって、それに耐え得る切削性能を備えた被覆工具が求められており、そのため、硬質皮膜の最表面層を構成するα型酸化アルミニウム層についても種々の改良・提案がなされている。
その一つとして、高熱発生を伴うとともに、切れ刃に断続的・衝撃的な高負荷が作用する断続切削条件で使用される被覆工具おいて、硬質被覆層中に空孔を導入することによって、硬質被覆層の耐チッピング性を改善することが提案されている。
例えば、特許文献1では、WC基超硬合金、TiCN基サーメットで構成された工具基体の表面に、(a)Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、窒酸化物層、および炭窒酸化物層からなるTi化合物層のうちの1層または2層以上からなり、かつ3〜20μmの平均層厚を有する下部強靭層、(b)走査型電子顕微鏡により観察された縦断面組織にもとづく測定で、5〜30%の空孔率を有する多孔質酸化アルミニウム蒸着層からなり、かつ0.5〜15μmの平均層厚を有する上部硬質層、(c)窒化チタンからなり、かつ0.5〜5μmの平均層厚を有する表面補強層からなる硬質被覆層を化学蒸着により形成した被覆工具が提案されており、この被覆工具による合金鋼、鋳鉄の乾式切削加工において、耐チッピング性が改善されることが明らかにされている。
また、特許文献2では、WC基超硬合金、TiCN基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層として、Ti化合物層からなる下部層と酸化アルミニウム層からなる上部層を化学蒸着法で被覆形成した被覆工具において、上部層の層厚方向に0.1μmの厚み幅間隔で、各厚み幅領域に存在する孔径2〜30nmの空孔の空孔密度を測定した場合に、空孔密度が200〜500個/μmの厚み幅領域と空孔密度が0〜20個/μmの厚み幅領域とが、上部層の層厚方向に沿って、交互に少なくとも複数領域形成されているような空孔分布形態を形成することが提案されており、この被覆工具を用いた炭素鋼、合金鋼、鋳鉄の乾式高速断続切削加工において、耐チッピング性、耐欠損性が改善されることが明らかにされている。
特許文献3では、WC基超硬合金、TiCN基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層として、Ti化合物層からなる下部層と酸化アルミニウム層からなる上部層を化学蒸着法で被覆形成した被覆工具において、上部層中に孔径分布がバイモーダルな分布をとる孔径2〜50nmの微小空孔を導入すること、好ましくは、該微小空孔の孔径分布の第1ピークが2〜10nmに存在し、孔径2nmごとにポアを数えたときの第1ピークにおけるポア数密度が200〜500個/μmであって、該微小空孔の孔径分布の第2ピークが、20〜50nmに存在し、孔径2nmごとにポアを数えたときの第2ピークにおけるポア数密度が10〜50個/μmである微小空孔を導入することが提案されており、この被覆工具を用いた炭素鋼、合金鋼、鋳鉄の乾式高速断続切削加工において、耐チッピング性、耐欠損性が改善されることが明らかにされている。
特開2003−48105号公報 特開2012−143827号公報 特開2012−161847号公報
上記特許文献1〜3で提案されている被覆工具は、いずれも硬質被覆層を構成する酸化アルミニウム層は化学蒸着で形成されており、酸化アルミニウムの熱安定性、非反応性によって、ある程度の耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する。
しかし、例えば、ステンレス鋼等の熱伝導性に乏しい被削材の湿式高速断続切削加工においては、大きな衝撃が加わるとともに切れ刃近傍での発熱も大きく、高温硬さの低下や酸化アルミニウム層中の空孔もしくは比較的脆弱である結晶粒界などからクラックが発生し、結晶粒ごと脱落するため、結果として、チッピング等の異常損傷を発生しやすく短寿命となることが多く、長期の使用にわたって十分な耐摩耗性を発揮し得ないという問題があった。
そこで、本発明者等は、ステンレス鋼等の熱伝導性に乏しい被削材の湿式高速断続切削加工等のチッピングを発生し易い切削条件においても、耐チッピング性に優れたα型酸化アルミニウム層をゾル−ゲル法により形成すべく鋭意検討したところ、α型酸化アルミニウム層の結晶粒界及び結晶粒内に微細空孔を均一に分散分布することにより、ステンレス鋼等の湿式高速断続切削加工において、α型酸化アルミニウム層表面から工具基体への熱伝導経路が減少するとともに、α型酸化アルミニウム層の摩耗が進行した場合にも、微細空孔に切削液が入り込むため、切れ刃部分の表面積が大きくなることによる放熱効果が高まり、α型酸化アルミニウム層及び工具基体の温度上昇を抑制し得ることから、高温硬さの低下を防止することができ長期の使用にわたって耐摩耗性を維持し得ること得ること、さらに、均一に分散分布する微細空孔によって、α型酸化アルミニウム層の耐熱的衝撃性及び耐機械的衝撃性が向上することを見出した。
また、α型酸化アルミニウム層中に均一に分散分布する微細空孔を形成するにあたり、微細空孔の周囲あるいは微細空孔の周囲の一部分に、微細空孔に隣接してTi酸化物を形成することによって、微細空孔の存在によりもたらされるα型酸化アルミニウム層の強度低下が防止されることを見出した。
さらに、ゾル−ゲル法で形成したα型酸化アルミニウム層は、その表面粗さが非常に小さいため、切屑流れが良く、化学蒸着法等で成膜したα型酸化アルミニウム層に比して切削加工時の発熱が抑制されるため、溶着等に起因するチッピングの発生を抑制し得ることを見出した。
そして、このようなα型酸化アルミニウム層を被覆形成した被覆工具を、切れ刃に断続的・衝撃的負荷が作用するステンレス鋼等の熱伝導性に乏しい被削材の湿式高速断続切削加工に供した場合、チッピングを発生することがなく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮することを見出したのである。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) Ti成分を含有する炭化タングステン基超硬合金、または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層が被覆形成された表面被覆切削工具において、
(a)前記硬質被覆層は、ゾル−ゲル法により形成された0.5〜4.0μmの平均層厚を有するα型酸化アルミニウム層であり、
(b)前記α型酸化アルミニウム層中には、平均孔径が10〜100nmである微細空孔が分散して形成され、かつ、α型酸化アルミニウム層の縦断面で測定した前記微細空孔の平均密度は30〜70個/μmであり、
(c)前記微細空孔は、α型酸化アルミニウム結晶粒の結晶粒界及び結晶粒内に均一に分散分布し、所定の観察視野範囲における前記空孔密度を所定視野数にわたって求めた場合の標準偏差が15個/μm以下であり、
(d)前記微細空孔のうち、微細空孔の周囲の少なくとも一部分に、微細空孔に隣接してTi酸化物が形成されている微細空孔の個数割合は、全微細空孔数の50%以上であることを特徴とする表面被覆切削工具。
(2) 炭化タングステン基超硬合金、または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、下部層と上部層からなる硬質被覆層が被覆形成された表面被覆切削工具において、
(a)前記下部層は、化学蒸着法、物理蒸着法またはゾル−ゲル法により成膜されたTiの窒化物層、炭窒化物層、酸化物層、炭酸化物層、炭窒酸化物層、TiとAlの窒化物層の何れか1層または2層以上からなるTi化合物層であり、
(b)前記上部層は、ゾル−ゲル法により形成された0.5〜4.0μmの平均層厚を有するα型酸化アルミニウム層であり、
(c)前記α型酸化アルミニウム層中には、平均孔径が10〜100nmである微細空孔が分散して形成され、かつ、α型酸化アルミニウム層の縦断面で測定した前記微細空孔の平均密度は30〜70個/μmであり、
(d)前記微細空孔は、α型酸化アルミニウム結晶粒の結晶粒界及び結晶粒内に均一に分散分布し、所定の観察視野範囲における前記空孔密度を所定視野数にわたって求めた場合の標準偏差が15個/μm以下であり、
(e)前記微細空孔のうち、微細空孔の周囲の少なくとも一部分に、微細空孔に隣接してTi酸化物が形成されている微細空孔の個数割合は、全微細空孔数の50%以上であることを特徴とする表面被覆切削工具。
(3) 前記α型酸化アルミニウム層におけるα型酸化アルミニウム結晶粒のアスペクト比を層厚垂直方向の粒径に対する層厚方向の粒径の比とした場合に前記結晶粒の平均アスペクト比は、0.5〜5.0であることを特徴とする(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具。
(4) 前記α型酸化アルミニウム層の表面粗さRaは0.03μm以下であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(5) 炭化タングステン基超硬合金からなる工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCoの平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(6) 炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCo及びNiの合計平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。」
を特徴とするものである。
以下、本発明について、詳細に説明する。
この発明の被覆工具は、炭化タングステン基超硬合金、または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層として、少なくともゾル−ゲル法により形成されたα型酸化アルミニウム層を被覆形成する。
そして、前記ゾル−ゲル法により形成されたα型酸化アルミニウム層においては、該層中に微細空孔が形成されるとともに、α型酸化アルミニウム層を形成するゾル−ゲルの工程において、工具基体あるいは下部層の成分であるTiがα型酸化アルミニウム層へ拡散し、しかも、前記微細空孔の周囲の少なくとも一部分に、微細空孔に隣接してTi酸化物を形成することが必要である。
そこで、本発明の被覆工具では、使用する工具基体によって、硬質被覆層の構造(下部層の形成の要否)が異なる。
なお、本発明では、上部層は、下部層からのTi成分の拡散によってTi酸化物を必ず含有するから、上部層を厳密に表現すれば「Ti酸化物を含有するα型酸化アルミニウム層」ということになるが、便宜上、単に、「α型酸化アルミニウム層」と表現することとする。
まず、工具基体である炭化タングステン基超硬合金がその成分としてTiを含有する場合には、その表面へ、直接、ゾル−ゲル法によりα型酸化アルミニウム層を形成することができ、また、これによって、α型酸化アルミニウム層中へのTi成分の拡散が生じる。
ただし、工具基体である炭化タングステン基超硬合金がその成分としてTiを含有する場合に、炭化タングステン基超硬合金の表面に下部層を形成し、その上に、ゾル−ゲル法により上部層を形成しても良く、この場合には、炭化タングステン基超硬合金−下部層−上部層の密着強度の向上が図られる。
しかし、工具基体である炭化タングステン基超硬合金がその成分としてTiを含有していない場合には、化学蒸着法、物理蒸着法またはゾル−ゲル法により成膜されたTiの窒化物層、炭窒化物層、酸化物層、炭酸化物層、炭窒酸化物層、TiとAlの窒化物層の何れか1層または2層以上からなるTi化合物層を下部層として形成し、この上に、上部層としての前記ゾル−ゲル法によりα型酸化アルミニウム層を形成することにより、下部層成分であるTiをα型酸化アルミニウム層中へ拡散させることが必要である。
上記の如く、工具基体である炭化タングステン基超硬合金からのTiの拡散、あるいは、下部層であるTi化合物層からのTiの拡散によって、α型酸化アルミニウム層中の微細空孔の周囲の少なくとも一部分に、微細空孔に隣接してTi酸化物が形成される。
なお、ここで、炭化タングステン基超硬合金がその成分としてTiを含有するとは、炭化タングステン基超硬合金に含有される金属成分全体の中で、2.0質量%以上のTiが含有される場合をいう。
一方、工具基体として炭窒化チタン基サーメットを用いる場合には、工具基体の成分として必ずTiが含有されており、このTiの拡散が生じることから、炭窒化チタン基サーメット表面に、直接、ゾル−ゲル法によりα型酸化アルミニウム層を形成することができる。また、炭窒化チタン基サーメット表面に、前記下部層を介して、ゾル−ゲル法によりα型酸化アルミニウム層を形成することも勿論可能であり、この場合には、炭窒化チタン基サーメット−下部層−上部層の密着強度が向上する。
下部層は、化学蒸着法、物理蒸着法またはゾル−ゲル法により成膜されたTiの窒化物層、炭窒化物層、酸化物層、炭酸化物層、炭窒酸化物層、TiとAlの窒化物層の何れか1層または2層以上からなるTi化合物層として形成される。
下部層は、前記のとおり、炭化タングステン基超硬合金、または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体と上部層との密着強度を高めるとともに、後記するように、下部層の成分であるTiを上部層のα型酸化アルミニウム層中へ拡散させ、酸化アルミニウム層中に形成される微細空孔の周囲の一部分にTi酸化物を形成し、微細空孔の存在によりもたらされるα型酸化アルミニウム層の強度低下を防止する。
上部層は、ゾル−ゲル法により成膜した平均層厚0.5〜4.0μmのα型酸化アルミニウム層を備えるが、上部層の平均層厚が0.5μm未満であると、長期の使用に亘って十分な耐摩耗性を発揮することができず、一方、平均層厚が4.0μmを超えると、チッピングが発生しやすくなるため、ゾル−ゲル法により形成するα型酸化アルミニウム層の層厚は0.5〜4.0μmと定めた。
また、ゾル−ゲル法によりα型酸化アルミニウム層を形成することにより、従来の成膜法(例えば、化学蒸着法、物理蒸着法等)により成膜したα型酸化アルミニウム層に比して、その表面粗さRaが小さく0.03μm以下であるため、熱伝導性に乏しいステンレス鋼等の被削材の湿式高速断続切削加工において、摩擦により発生する高熱による工具基体の強度低下を防止し得るとともに、溶着に起因するチッピングの発生を抑制することができる。
図1(a)に、本発明のゾル−ゲル法により形成したα型酸化アルミニウム層についての、CP加工した断面SEM像を示し、図1(b)に、その模式図を示す。
本発明のα型酸化アルミニウム層は、後記するゾル−ゲル法により成膜されることにより、図1(b)にも示されるように、層中に微細な空孔が結晶粒界ばかりでなく結晶粒内にも均一に分散して形成され、この微細空孔の存在によって、ステンレス鋼等の湿式高速断続切削において、α型酸化アルミニウム層表面から工具基体への熱伝導経路が減少し、さらに、切れ刃部分の表面積が大きいことにより放熱効果が高まり、α型酸化アルミニウム層及び工具基体の温度上昇を抑制し得る。
その結果として、切れ刃部分の高温硬さの低下を防止することができるため、すぐれた耐摩耗性が発揮される。
さらに、層中に均一に分散分布する微細空孔によって、高速断続切削における耐熱的衝撃性及び耐基体的衝撃性が向上する。
なお、前掲特許文献1〜3でも層中に空孔を形成することは知られているが、前記従来技術では、結晶粒界に空孔が形成されやすく、本発明でいうように、微細な空孔が結晶粒界ばかりでなく結晶粒内にも均一に分散して形成されるものではなかった。
ここで、α型酸化アルミニウム層中に形成される微細空孔の平均孔径が10nm未満であると、切削加工時の熱伝導経路の遮断効果が小さく、一方、平均孔径が100nmを超えると層中に脆弱部が形成されることになり破壊を起こしやすくなる。
したがって、α型酸化アルミニウム層中に形成される微細空孔の平均孔径は10〜100nmとする。
また、α型酸化アルミニウム層の縦断面について測定した微細空孔の平均密度が、30個/μm未満であると、切削加工時の熱伝導経路の減少に寄与せず、一方、70個/μmを超えるとα型酸化アルミニウム層の強度が低下することから、微細空孔の平均密度は、30〜70個/μmとする。
また、α型酸化アルミニウム層中に形成される微細空孔について、前記空孔密度を所定の観察視野範囲及び視野数、例えば0.3×0.3μmの視野範囲における観察を10視野ずつ求め、全視野にわたって標準偏差(即ち、微細空孔の分散分布の度合い)を求めたとき、その値が15個/μmより大きいと、局所的に微細空孔が集中して形成されることとなり、高速断続切削時の衝撃によって、異常損傷を発生することになるから、微細空孔の標準偏差を15個/μm以下として、微細空孔を均一に分散分布させる。
本発明のα型酸化アルミニウム層における微細空孔の平均孔径、平均密度、分布の標準偏差(即ち、微細空孔の分散分布の度合い)は前記のとおりであるが、本発明のα型酸化アルミニウム層には、微細空孔の周囲の少なくとも一部分にTi酸化物が形成されている微細空孔が存在する。このようなTi酸化物は、下部層からのTi成分の拡散によって形成され、微細空孔の周囲の少なくとも一部分にTi酸化物が形成されていることによって、微細空孔が存在することによるα型酸化アルミニウム層の脆弱化が防止され、特に、耐チッピング性の向上に寄与する。そして、耐チッピング性向上効果を得るためには、α型酸化アルミニウム層中に存在する微細空孔の全個数のうち、50%以上の微細空孔について、微細空孔の周囲の少なくとも一部分にTi酸化物が形成されていることが必要であり、50%未満の場合には、α型酸化アルミニウム層の強度低下を補うことは難しいため、耐チッピング性向上効果を期待することはできない。なお、微細空孔の全個数のうち、50%以上の微細空孔の周囲の少なくとも一部分にTi酸化物が形成されていることが必要である。また、耐チッピング性に寄与するために、Ti酸化物の粒径は0.03〜0.1μmとなることが望ましい。これは0.03μm未満であると、切削加工時の負荷を吸収することができず、一方、0.1μmを超えると比較的粗大な粒子が形成され、Ti酸化物粒子自体が脆弱部となりうるためである。
α型酸化アルミニウム層中の微細空孔の周囲の少なくとも一部分に、Ti酸化物が隣接して形成されているか否かは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)とオージェ電子分光装置(AES)を用いて確認することができる。まず、0.7×0.7μmの観察視野範囲に観察される微細空孔の位置をSEMにて特定し、続いて、該観察範囲をオージェ電子分光装置を用いて、前記SEMにて特定した微細空孔の周囲の元素マッピングを行うと微細空孔の周囲の少なくとも一部分に、Ti酸化物が隣接して形成されているか否かを判別することができる。
本発明のα型酸化アルミニウム層におけるα型酸化アルミニウム結晶粒の平均アスペクト比は、0.5未満では耐摩耗性に乏しく、一方、5.0を超えると粗大組織となるため脱落チッピングがしやすくなる。したがって、酸化アルミニウム層を構成する結晶粒の平均アスペクト比は0.5〜5.0とすることが好ましい。
本発明のゾル−ゲル法によるα型酸化アルミニウム層は、工具基体表面に直接あるいは下部層を介して形成するが、工具基体自体に特定の処理を施しておくことで、工具基体と硬質被覆層の密着強度を更に高めることができる。
例えば、炭化タングステン基超硬合金を工具基体とする場合、窒素雰囲気中での焼成により、工具基体表面付近に、耐摩耗性の高いTi炭窒化物等を多く含有させ、基体表面硬化層を形成させることによって、工具基体と硬質被覆層の密着強度を向上させ、工具寿命を延長することが可能となる。
なお、Tiばかりでなく、さらに、Ta、Nb、Zrの1種または2種以上を含有させておくことにより、基体表面硬化層を形成させてもよい。
そして、炭窒化物を多く含有させることで基体表面付近におけるCoは相対的に減ることとなり、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの断面観察を行い、分析視野領域1×1μmの範囲にて波長分散型X線分光法による定量分析により、結合相金属としてのCoの含有量を検出した場合に、Coの含有量を2.0質量%未満にすれば、基体の表面硬化の要因となる炭窒化物が十分に形成され、耐摩耗性がより向上する。
なお、基体表面硬化層を形成した後の炭化タングステン基超硬合金基体の硬さはビッカース硬さ(Hv)で2200以上、2800以下であることが好ましい。
また、基体表面硬化層の平均層厚は0.5μm以下であると耐摩耗性が十分発揮できないまま比較的すぐに磨滅してしまい、3.0μm以上であるとチッピングしやすくなるので、基体表面硬化層の平均層厚は0.5〜3.0μmであることが好ましい。
また、炭窒化チタン基サーメットを工具基体とする場合には、焼結工程において昇温及び最高温度で保持する際の雰囲気を所定の窒素雰囲気とし、保持の途中もしくは降温する際に減圧することにより、全焼結工程を一定圧力の窒素雰囲気中で実施した場合よりも表面を硬化させることができる。これは、最高温度で保持するまでの工程を一定の窒素圧力下で実施すると、基体内部に均一に硬さの高い炭窒化物が分散形成されるが、これを昇温、または保持の途中までは比較的高い窒素圧力下で処理し、保持の途中もしくは降温時から、より減圧された窒素雰囲気にして処理すると、基体のごく表面のみ脱窒されることにより、NiやCoなどの結合相へのTiやNbなどの溶解及び内部から基体表面への拡散が活発となり、TiやNbなどの炭窒化物の形成が表面にて促進され、基体表面硬化層が形成されるためである。
そして、上記炭化タングステン基超硬合金からなる工具基体と同様に、基体表面付近におけるNi及びCoは相対的に減ることとなり、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの断面観察を行い、分析視野領域1×1μmの範囲にて波長分散型X線分光法による定量分析した場合に、結合相金属としてのNi及びCoの合計含有量を2.0質量%未満にすれば、基体の表面硬化の要因となる炭窒化物が十分に形成され、耐摩耗性がより向上する。
なお、基体表面硬化層を形成した後の炭窒化チタン基サーメット基体の硬さはビッカース硬さ(Hv)で2000以上、2600以下であることが好ましい。
また、基体表面硬化層の平均層厚は0.5μm以下であると耐摩耗性が十分発揮できないまま比較的すぐに磨滅してしまい、3.0μm以上であるとチッピングしやすくなるので、基体表面硬化層の平均層厚は0.5〜3.0μmであることが好ましい。
本発明のα型酸化アルミニウム層は、例えば、以下に示すゾル−ゲル法によって形成することができる。
アルミナゾルの調製:
まず、アルミニウムのアルコキシド(例えば、アルミニウムセカンダリブトキシド、アルミニウムイソプロポキシド)にアルコール(例えば、メタノール、エタノール)を添加し、次いで、微量の硝酸を添加した後、加水分解反応を徐々に進めて、前駆体を密に形成させるために10℃以下の温度範囲にて12時間以上攪拌することによってアルミナゾルを調製する。本発明においては、−10〜10℃の低温度範囲における攪拌と熟成を、例えば、合計12時間以上という長時間をかけての低温処理を行うことが望ましい。
これは、攪拌および熟成処理時の温度が10℃を超えると加水分解および重縮合反応が急速に進んでしまうため、酸化アルミニウム前駆体が密に形成されにくく、後工程の焼成処理で、α型酸化アルミニウムが形成されにくくなることから、攪拌および熟成処理時の温度の上限を10℃とし、一方、攪拌および熟成処理時の温度が−10℃未満では、加水分解および重縮合反応が進みにくく、結晶化しにくくなってしまうという理由からである。
なお、撹拌及び熟成時間を合計12時間以上としたのは、前記撹拌及び熟成時の温度範囲で起こる化学反応を十分に平衡状態までもっていき、加水分解縮重合したAlとOのネットワークが密に形成された安定な酸化アルミニウム前駆体ゾルを得るために必要な時間である。
また、微量添加する硝酸の濃度は、0.5〜4.0Nが望ましく、アルミニウムのアルコキシドに対する硝酸の添加量は、0.1〜0.6倍(モル比)が望ましい。また、その際には、水の添加量が少ないとゾル中のコロイド粒子が十分に分散しなくなるため、不十分な解膠状態やゲル化により、膜付き不良の発生や成膜自体ができなくなる。
なお、一般的に酸化アルミニウムの結晶化、特にα化には1000℃以上の高温が必要とされるが、Ti化合物は酸化アルミニウムの結晶化促進に寄与し、特に、Ti酸化物を用いると比較的低温で結晶化が可能になる。Ti酸化物による酸化アルミニウムの低温結晶化促進効果のメカニズムは明確に解明されているわけではないが、各種金属酸化物の標準生成自由エネルギーを考慮すると熱力学的にTi酸化物はAl酸化物よりも不安定であり、Ti酸化物はAl元素を酸化しうる、つまり、Ti酸化物が還元することにより、Alを酸化するための酸素供給源となると考えられること、さらに、複数の金属酸化物のうち、Alの標準生成自由エネルギーに最も近い金属元素がTiであるため、特にTi酸化物は酸化アルミニウムの結晶化促進に効果が大きいのではないかと考えられること、ゾル-ゲル法は例えば石英の製造方法で知られるように金属元素とOのネットワーク形成によるゾル状態、ゲル状態を経ることで通常では得ることのできない比較的低温で結晶化を達成出来る手法であることを考えると、Ti酸化物の酸素供給によりAlとOのネットワーク形成を比較低温の段階で形成助長させている可能性も考えられ、Ti酸化物の表面が酸化アルミニウム結晶粒の成長する起点となり、Ti酸化物近傍の限定した箇所においては比較的低温で結晶化が可能になる。
本発明のα型酸化アルミニウム膜は、上記Ti化合物やTi酸化物が基体もしくは下部層にあるとともにアルミナゾルの各成分、特に水や硝酸の濃度が重要である。アルミナゾルの成分である原料の有機基はもちろん、一部の水やアルコール、硝酸などは、焼成時に酸化アルミニウムを形成する際の不純物成分になると考えられる。多くの検証試験を行った結果、焼成前の酸化アルミニウムの膜中に存在する硝酸は他成分と比較し、均一に分布しており、それらを適切な濃度範囲に設定した場合には、膜中に均一に微細空孔を適切な形成数だけ分布させることができることが分かった。加えて、乾燥条件や焼成条件を調整することで、膜中に均一形成される微細空孔の存在は維持しつつ、乾燥や焼成の際に高温の雰囲気と接することとなる酸化アルミニウム層のごく表面のみを緻密にすることができ、表面粗さは小さくなり、切削時の酸化雰囲気からの保護や切削抵抗低減の効果により、耐酸化性や耐溶着性が向上する。
また、成膜の際には、成膜基体の材料や成膜基体形状によっては、膜付き不良やクラックが生じる場合があるが、界面活性剤やキレート化剤を添加することでそれらを効果的に抑制することが可能である。特に添加種を限定するわけではないが、界面活性剤としては例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C1225SONa)、ラウリン酸ナトリウム(C1123COONa)などが挙げられ、キレート化剤としては例えばβ−ケトエステル類としてのキレート剤であるアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルなどが挙げられる。
アルミナゾルの加熱処理:
次いで、上記アルミナゾルについて、ゾル中で起きている加水分解・縮合反応が平衡状態に至るまで進める目的で6時間以上加熱撹拌する。なお、加熱処理は一般的な有機合成で使用されるようなオイルバス等による還流加熱処理を用いることが望ましく、ゾルの成分にもよるが80〜180℃の温度で加熱処理を行うことが望ましい。
乾燥・焼成:
工具基体あるいは下部層(例えば、Ti化合物層)を被覆した工具基体を、上記で調製したアルミナゾル中へ浸漬処理し、その後、0.5mm/secの速度でアルミナゾル中からこれを引き上げ、それに続き100〜600℃で10分乾燥処理を施し、この浸漬処理と乾燥処理を所要の層厚になるまで繰り返し行い、次いで、窒素雰囲気中、800〜1100℃の温度範囲で焼成処理を行う。
上記乾燥処理によって、アルミナの乾燥ゲルが形成され、次いで行う焼成処理によって、酸化アルミニウム層中に、所定の平均孔径、平均密度、標準偏差の微細空孔が形成されるとともに、該微細空孔の周囲の少なくとも一部分にTi酸化物が形成されたゾル−ゲル法によるα型酸化アルミニウム層が形成される。
上記α型酸化アルミニウム層の膜厚は、アルミナゾルへの浸漬回数に依存するが、被覆形成された上記α型酸化アルミニウム層の平均層厚が0.5μm未満では、長期の使用にわたって被覆工具としてすぐれた耐摩耗性を発揮することができず、一方、平均層厚が4.0μmを越えるとα型酸化アルミニウム層が剥離を生じやすくなることから、上記α型酸化アルミニウム層の膜厚は0.5〜4.0μmとする。
本発明の表面被覆切削工具によれば、工具基体の表面に、直接あるいは下部層を介してゾル−ゲル法によって成膜したα型酸化アルミニウム層が被覆形成され、該α型酸化アルミニウム層中には、所定の平均孔径、平均密度、標準偏差の微細空孔が形成されるとともに、該微細空孔の周囲の少なくとも一部分にTi酸化物が形成された微細空孔が、全微細空孔数の50%以上形成されていることによって、ステンレス鋼等の熱伝導性に乏しい被削材の切れ刃に高負荷が作用する湿式高速断続切削加工に供した場合、α型酸化アルミニウム層は、すぐれた耐熱的衝撃性、耐機械的衝撃性、耐摩耗性を示し、また、強度の低下もなくすぐれた耐チッピング性を示すことから、長期の使用にわたってすぐれた切削性能を発揮するのである。
(a)は、本発明のゾル−ゲル法により形成したα型酸化アルミニウム層についての、CP加工した断面SEM像を示し、(b)は、その模式図を示す。 (a)は、本発明工具2によるゾル−ゲル法により形成したα型酸化アルミニウム層についての、CP加工した断面SEM像を示し、(b)は、その部分拡大図である。 (a)は、比較例工具3によるゾル−ゲル法により形成したα型酸化アルミニウム層についての、CP加工した断面SEM像を示し、(b)は、その部分拡大図である。 (a)は、比較例工具18によるゾル−ゲル法により形成したα型酸化アルミニウム層についての、CP加工した断面SEM像を示し、(b)は、その部分拡大図である。
つぎに、本発明を実施例により具体的に説明する。
(a) 原料粉末として、平均粒径0.8μmの微粒WC粉末、平均粒径2〜3μmの中粒WC粉末といずれも1〜3μmの平均粒径を有するTiCN粉末、ZrC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示す所定の配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1400℃の温度にて1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.06mmのホーニング加工を施すことによりISO・SNGA120408に規定するインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A,B,C,D,E,F,G,H,I(工具基体A,B,C,D,E,F,G,H,Iという)を製造した。
但し、1400℃にて1時間保持後1320℃までの冷却を、超硬基体Fについては、3.3kPaの窒素雰囲気中にて40分間行い、超硬基体Gについては、1kPaの窒素雰囲気中にて40分間、超硬基体Hについては、2kPaの窒素雰囲気中にて10分間、超硬基体Iについては、3.3kPaの窒素雰囲気中にて120分間かけて冷却することで基体表面を硬化処理した。
(b) ついで、上記工具基体A〜Iに対して、下層を形成した。
なお、下層の形成にあたり、上記工具基体A〜Cについては、化学蒸着装置に装入し、表2に示す成膜条件を用いて、粒状結晶組織を有するTiN層、TiCN層、TiCO層、TiCNO層、縦長成長結晶組織のTiCN層(以下、l−TiCNで示す)、TiO、TiからなるTi化合物層を表5に示す皮膜構成にて下地層を予め形成した。一方、上記工具基体Dについては、物理蒸着装置の一種であるアークイオンプレーティング装置に装入し、表5に示す膜厚のTi0.5Al0.5N層からなる下地層を予め形成した。
一方、上記工具基体E,F,G,H,Iについては、下地層の形成を特に行わなかった。
(c) 一方、α型酸化アルミニウム層をゾル−ゲル法で被覆形成するためのアルミナゾルの調製を、次のように行った。
表3に示す所定量のアルミニウムのアルコキシドであるアルミニウムセカンダリブトキシドに、同じく表3に示す所定量のエタノールを添加した後、恒温槽中10℃以下で攪拌を行い、さらに、所定量の水を添加した硝酸を滴下により1〜3時間かけて添加した。
(d) さらに、アルミナゾルにおけるアルミニウムと水のモル比を1:40〜1:150の範囲になるように、表3に示す所定量の水を添加し、これをオイルバスによる還流装置を用いて表3に示す温度でゾル中の加水分解・縮重合反応を安定させることを目的として所定時間撹拌した。
最終的な溶液組成は、モル比で、
(アルミニウムセカンダリブトキシド):(水):(エタノール):(硝酸)
=1:(40〜150):(15〜30):(0.1〜0.6)
になるように調整を行った。
(e) ついで、上記工具基体A〜Iを、上記アルミナゾル中に浸漬し、その後、上記工具基体A〜Iをアルミナゾル中から引き上げ速度0.5mm/secで引き上げ、500℃で10分間の乾燥処理を行い、さらに、浸漬、引き上げ、乾燥処理を繰り返した後、表3に示す条件で焼成処理を行い、α型酸化アルミニウム層中に微細空孔が形成され、該微細空孔の周囲の少なくとも一部に隣接してTi酸化物が形成されている微細空孔が存在する本発明のα型酸化アルミニウム層を被覆形成することにより、表5、6に示す本発明の被覆工具1〜15(本発明工具1〜15という)を製造した。なお、下地層の形成を特に行わなかった工具基体E,F,G,H,Iについては、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの断面観察を行い、分析視野領域1×1μmの範囲にて波長分散型X線分光法による結合相金属の定量分析と表面硬化層厚の測定を実施した。その結果を表5に示す。
前記本発明工具1〜15について、α型酸化アルミニウム層の平均層厚を透過電子顕微鏡を用いて断面測定したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均値(5ヶ所の平均値)を示した。
また、X線回折装置と走査型電子顕微鏡(SEM)及びオージェ電子分光分析装置(AES)を用い、酸化アルミニウム層の結晶構造とα型酸化アルミニウム層中の微細空孔の平均孔径、平均密度、分布の標準偏差、微細空孔に隣接してTi酸化物が形成されている微細空孔の個数割合を求めた。
α型酸化アルミニウム層中の微細空孔の平均孔径に関しては走査型電子顕微鏡により0.7×0.7μmの視野範囲における観察を行い、微細空孔の面積を円の面積として置き換えた場合の直径を5視野10点ずつ測定し、その平均値とした。
また、平均密度に関しては、0.3×0.3μmの視野範囲における観察を10視野ずつ行い、各視野の単位面積当たりの空孔数を測定し、平均して算出した。また、微細空孔の分布の標準偏差に関しては、上記にて測定した各視野毎の単位面積当たりの空孔数を全視野にわたり標準偏差をとることで求めた。
Ti酸化物が形成されている微細空孔は、上記走査型電子顕微鏡による観察とオージェ電子分光法による該観察視野範囲の元素マッピングの結果を照らし合わせることにより特定し、観察視野範囲内において該当する微細空孔の数を求めた。
また、α型酸化アルミニウム結晶粒の平均アスペクト比は電子線後方散乱回折装置(EBSD)を用いて該酸化アルミニウム層の縦断面を、例えば層厚×10μmの観察視野、測定ステップ50nmにて観察を行い、上記観察視野範囲内における各々の結晶粒形状を5視野に対して求めた場合に、層厚垂直方向の最大径を層厚垂直方向の粒径、層厚方向の最大径を層厚方向の粒径と定義し、層厚垂直方向の粒径に対する層厚方向の粒径の比を各々算出し、その平均値を該酸化アルミニウム層中の結晶粒の平均アスペクト比とした。
α型酸化アルミニウム結晶粒の表面粗さRaはレーザー顕微鏡を用い、JIS規格B−0601(2001)に基づき、10μm×10μmの測定視野において5視野測定し、平均値を算出した。
なお、図2(a)に、本発明工具2のα型酸化アルミニウム層についてのCP加工した断面SEM像を示し、図2(b)に、その部分拡大図を示す。
[比較例1]
比較のため、以下の製造方法で比較例の被覆工具を製造した。
(イ)まず、反応原料における各成分の溶液組成はモル比で、
(アルミニウムセカンダリブトキシド):(水):(エタノール):(硝酸)
=1:(30〜80):(15〜40):(0.5〜1.2)
になるように調整し、表4に示す条件でアルミナゾルを調製した。
(ロ)次いで、上記工具基体A〜Iの表面に、上記アルミナゾルを塗布した。
(ハ)ついで、上記塗布したアルミナゾルを、表4に示す条件で乾燥処理を行い、さらに塗布と乾燥を所定層厚になるまで繰り返した後、焼成処理を行うことにより、表5、7に示す比較例の被覆工具1〜15(比較例工具1〜15という)を製造した。
比較例工具1〜15について、α型酸化アルミニウム層の平均層厚を透過電子顕微鏡を用いて断面測定したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均値(5ヶ所の平均値)を示した。
また、比較例工具1〜15について、実施例1と同様にして、α型酸化アルミニウム層中の微細空孔の平均孔径、平均密度、分布の標準偏差、微細空孔に隣接してTi酸化物が形成されている微細空孔の個数割合、α型酸化アルミニウム結晶粒の平均アスペクト比、表面粗さRaを求めた。
なお、図3(a)に、比較例工具3のα型酸化アルミニウム層についてのCP加工した断面SEM像を、また、図4(a)に、比較例工具18のα型酸化アルミニウム層についてのCP加工した断面SEM像を示し、それぞれの部分拡大図を、図3(b)、図4(b)に示す。






つぎに、本発明工具1〜15および比較例工具1〜15について、以下に示す、ステンレス鋼の湿式高速断続切削試験を実施し、いずれも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
被削材:JIS・SUS316の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:150m/min、
切り込み:1.4mm、
送り:0.18mm/rev、
切削時間:5分、
(通常の切削速度は、120m/min)。
これらの結果を表8に示す。

原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これらを表9に示す所定の配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1540℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG120408のチップ形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体J,K,L,M,N,O,P,Q,R(工具基体J〜Rという)を製造した。但し、工具基体Oについては1.3kPaの窒素雰囲気中、昇温速度を2℃/minとし、室温より1540℃まで昇温させ30分保持した後、13Paの真空とし、さらに、1540℃にて30分保持後降温させて表面硬化させた。工具基体Pについては、常に13Paの真空中にて昇温および1540℃にて60分保持、工具基体Qについては1.3kPaの窒素雰囲気中で室温より1540℃まで昇温させ30分保持した後、13Paの真空とし、さらに、1540℃にて5分保持、工具基体Rについては1.3kPaの窒素雰囲気中で室温より1540℃まで昇温させ30分保持した後、13Paの真空とし、さらに、1540℃にて90分保持後降温させて表面硬化させた。
ついで、上記工具基体J〜Rに対して、実施例1と同様に表2に示す下地層の成膜条件、表3の調製条件及び焼成条件を用い、α型酸化アルミニウム層を成膜し、表10、11に示す本発明の被覆工具16〜30(本発明工具16〜30という)を製造した。なお、実施例1と同様に下地層の形成を特に行わなかった工具基体N,O,P,Q,Rについては、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの断面観察を行い、分析視野領域1×1μmの範囲にて波長分散型X線分光法による結合相金属の定量分析と表面硬化層厚の測定を実施した。その結果を表10に示す。
[比較例2]
前記実施例2で用いたのと同じ工具基体J〜Rを用いて、実施例2と同様に、ゾル−ゲル法により、表2に示す下地層の成膜条件、表3に示すゾル調製条件、焼成条件を用いて表12に示す所定目標層厚になるまで酸化アルミニウム主体層を成膜し、表10,12に示す比較例の被覆工具16〜30(比較例工具16〜30という)を製造した。
上記本発明工具16〜30、比較例工具16〜30のα型酸化アルミニウム層について、実施例1の場合と同様にして、α型酸化アルミニウム層中の微細空孔の平均孔径、平均密度、分布の標準偏差、微細空孔に隣接してTi酸化物が形成されている微細空孔の個数割合、α型酸化アルミニウム結晶粒の平均アスペクト比、表面粗さRaを求めた。
表11、表12に、その結果を示す。




上記本発明工具16〜30、比較例工具16〜30について、次の条件で湿式高速断続切削加工試験を行った。
被削材:JIS・SUS430の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:180m/min、
切り込み:2.2mm、
送り:0.24mm/rev、
切削時間:5分、
(通常の切削速度は、140m/min)。
これらの結果を表13に示す。

表8、13に示される結果から、本発明工具1〜30においては、工具基体の表面に、直接あるいは下部層を介してゾル−ゲル法によって成膜したα型酸化アルミニウム層が被覆形成され、該α型酸化アルミニウム層中には、所定の平均孔径、平均密度、標準偏差の微細空孔が形成されるとともに、該微細空孔の周囲の少なくとも一部分にTi酸化物が形成された微細空孔が、全微細空孔数の50%以上形成されていることによって、熱伝導性に乏しいステンレス鋼の切れ刃に高負荷が作用する湿式高速断続切削加工に供した場合、α型酸化アルミニウム層は、すぐれた耐熱的衝撃性、耐機械的衝撃性、耐摩耗性を示し、また、強度の低下もなくすぐれた耐チッピング性を示すことから、長期の使用にわたってすぐれた切削性能を発揮する。
これに対して、比較例工具1〜30は、ステンレス鋼の湿式高速断続切削加工においてチッピング、剥離等の異常損傷の発生、あるいは、耐摩耗性が不足により、短時間で使用寿命に至ることは明らかである。
なお、前述の実施例では、インサート形状の工具を用いて硬質被覆層の性能を評価したが、ドリル、エンドミルなどでも同様の結果が得られることはいうまでもない。
本発明の表面被覆切削工具によれば、表面に、ゾル−ゲル法によってα型酸化アルミニウム層が被覆形成され、該α型酸化アルミニウム層は、すぐれた耐熱的衝撃性、耐機械的衝撃性、耐摩耗性、耐チッピング性を備えることから、これを、ステンレス鋼等の熱伝導性に乏しい被削材の湿式高速断続切削加工に用いた場合でも、チッピング、剥離等の異常損傷を発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであり、工具寿命の長寿命化を図ることができ、その実用上の効果は大きい。

Claims (6)

  1. Ti成分を含有する炭化タングステン基超硬合金、または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層が被覆形成された表面被覆切削工具において、
    (a)前記硬質被覆層は、ゾル−ゲル法により形成された0.5〜4.0μmの平均層厚を有するα型酸化アルミニウム層であり、
    (b)前記α型酸化アルミニウム層中には、平均孔径が10〜100nmである微細空孔が分散して形成され、かつ、α型酸化アルミニウム層の縦断面で測定した前記微細空孔の平均密度は30〜70個/μmであり、
    (c)前記微細空孔は、α型酸化アルミニウム結晶粒の結晶粒界及び結晶粒内に均一に分散分布し、所定の観察視野範囲における前記空孔密度を所定視野数にわたって求めた場合の標準偏差が15個/μm以下であり、
    (d)前記微細空孔のうち、微細空孔の周囲の少なくとも一部分に、微細空孔に隣接してTi酸化物が形成されている微細空孔の個数割合は、全微細空孔数の50%以上であることを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 炭化タングステン基超硬合金、または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、下部層と上部層からなる硬質被覆層が被覆形成された表面被覆切削工具において、
    (a)前記下部層は、化学蒸着法、物理蒸着法またはゾル−ゲル法により成膜されたTiの窒化物層、炭窒化物層、酸化物層、炭酸化物層、炭窒酸化物層、TiとAlの窒化物層の何れか1層または2層以上からなるTi化合物層であり、
    (b)前記上部層は、ゾル−ゲル法により形成された0.5〜4.0μmの平均層厚を有するα型酸化アルミニウム層であり、
    (c)前記α型酸化アルミニウム層中には、平均孔径が10〜100nmである微細空孔が分散して形成され、かつ、α型酸化アルミニウム層の縦断面で測定した前記微細空孔の平均密度は30〜70個/μmであり、
    (d)前記微細空孔は、α型酸化アルミニウム結晶粒の結晶粒界及び結晶粒内に均一に分散分布し、所定の観察視野範囲における前記空孔密度を所定視野数にわたって求めた場合の標準偏差が15個/μm以下であり、
    (e)前記微細空孔のうち、微細空孔の周囲の少なくとも一部分に、微細空孔に隣接してTi酸化物が形成されている微細空孔の個数割合は、全微細空孔数の50%以上であることを特徴とする表面被覆切削工具。
  3. 前記α型酸化アルミニウム層におけるα型酸化アルミニウム結晶粒のアスペクト比を層厚垂直方向の粒径に対する層厚方向の粒径の比とした場合に前記結晶粒の平均アスペクト比は、0.5〜5.0であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記α型酸化アルミニウム層の表面粗さRaは0.03μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  5. 炭化タングステン基超硬合金からなる工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCoの平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  6. 炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCo及びNiの合計平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
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