JP2014100768A - 高速断続切削加工においてすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

高速断続切削加工においてすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Hiroaki Kakinuma
宏彰 柿沼
Hidemitsu Takaoka
秀充 高岡
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晃 長田
Hideaki Sakurai
英章 桜井
Yoshio Kuromitsu
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Abstract

【課題】鋳鉄、炭素鋼等の高速断続切削加工において、硬質被覆層が、すぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具を提供する。
【解決手段】 基体表面硬化層等が表面に形成された工具基体の表面に、硬質被覆層の表面層として酸化シリコン主体層を形成した表面被覆切削工具において、酸化シリコン主体層中には、アルミニウムの酸化物結晶体が5〜50面積%分散含有され、かつ、該平均断面径は酸化シリコン主体層表面に向かって膜厚方向に減少する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鋳鉄、炭素鋼等の高速断続切削加工に用いた場合でも、長期の使用に亘ってすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具(以下、「被覆工具」という)に関する。
従来から、工具基体表面に、周期律表の4a、5a、6a族から選ばれた少なくとも1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化アルミニウム、酸化シリコン等からなる皮膜を、化学蒸着法または物理蒸着法で被覆形成した被覆工具が知られている。
例えば、特許文献1に示すように、工具基体表面に、化学蒸着法により、下部層としてTi化合物層、上部層として上部内周層と上部外周層とを被覆形成し、さらに、上部内周層はAlとCrの複合酸化物層で構成し、また、上部外周層は、酸化シリコン層とAlとCrの複合酸化物層との交互積層で構成した被覆工具が提案されており、この被覆工具によれば、皮膜が潤滑性を有することから、難削材の重切削加工ですぐれた耐チッピング性を発揮することが知られている。
特許文献1に示すものは、化学蒸着法により酸化シリコン層を形成するものであるが、酸化シリコン層の他の成膜手段としては、ゾル−ゲル法による成膜も知られている。
例えば、特許文献2に示すように、アークイオンプレーティング法による形成した窒化膜の高温環境下で発生する酸化鉄の発生を抑え、耐熱性と耐摩耗性を強化するために、アークイオンプレーティング法で形成した窒化膜上に、MgO、Al、または、ZrOからなる酸化膜を形成したのち、TiAlN膜を形成し、更にその上にゾル−ゲル法でシリケート膜を形成することが知られている。
また、特許文献3に示すように、耐溶出性を改善し、基材の腐食等を防止するために、アークイオンプレーティング法で形成した窒化膜上に、あるいは、この上に形成した酸化膜上に、ゾル−ゲル法で酸化珪素膜を形成することが知られている。
特開2007−130741号公報 特開2000−54114号公報 特開2000−54162号公報
上記特許文献1において提案されている被覆工具は、通常の切削速度の加工では、ある程度の靭性、耐摩耗性を発揮するが、例えば、鋳鉄、炭素鋼等の高速断続切削加工、即ち、高熱発生を伴うとともに、切れ刃に断続的・衝撃的負荷が作用する切削加工に用いた場合には、チッピング、欠損が発生しやすく、これが原因となり、長期の使用にわたって十分な耐摩耗性を発揮し得ないという問題があった。
そこで、本発明者等は、ゾル−ゲル法により、工具基体表面に耐摩耗性に優れた酸化シリコン層を形成すべく鋭意検討したところ、ゾル−ゲル法で形成した酸化シリコン層中に、アルミニウムの粒状酸化物結晶体を分散含有せしめるとともに、これらの結晶体の占める面積割合を規定し、結晶体の平均断面径が基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面から表面へ向かって減少するような該酸化シリコン主体層を形成することによって、高熱発生を伴い、かつ、切れ刃に断続的・衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工に供した場合でも、チッピング、欠損等を発生することがなくすぐれた耐摩耗性を発揮する被覆工具を得られることを見出したのである。
本発明の被覆工具は、硬質被覆層の表面層が酸化シリコン主体層で構成されるとともに、該酸化シリコン主体層が、アルミニウムの粒状酸化物結晶体を分散含有せしめるとともに、これらの結晶体の占める面積割合を規定し、結晶体の平均断面径が基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面から表面へ向かって減少するような表面層を備えた被覆工具は、鋳鉄、炭素鋼等の高熱発生を伴うとともに、切れ刃に断続的・衝撃的高負荷が作用する高速断続切削加工に用いた場合でも、チッピング、欠損等を発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮することを見出したのである。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
(a)上記硬質被覆層は、工具基体の表面に直接または下地層を介して形成された0.5〜5.0μmの平均層厚を有する酸化シリコン主体層からなる表面層を備え、
(b)上記酸化シリコン主体層中には、アルミニウムの粒状酸化物結晶体が、層中に占める面積割合で5〜50面積%分散含有され、
(c)上記酸化物結晶体のそれぞれの断面の面積を、真円の面積として換算した際の直径を断面径とし、該断面径の平均値を平均断面径とした場合、上記粒状酸化物結晶体の平均断面径が基体または下地層との界面から表面に向かって減少することを特徴とする表面被覆切削工具。
(2)前記(1)記載の粒状酸化物結晶体の平均断面径は0.05〜0.5μmの範囲内にあり、表面近傍の平均断面径は基体または下地層との界面近傍の平均断面径の1/3以下となっていることを特徴とする前記(1)に記載の表面被覆切削工具。
(3) 炭化タングステン基超硬合金からなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
上記工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCoの平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具。
(4) 炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
上記工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCo及びNiの合計平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具。」
を特徴とするものである。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の被覆工具は、炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に直接上述した結晶体が分散含有される酸化シリコン主体層を形成することができることは勿論であるが、工具基体表面と該酸化シリコン主体層との間に、周期律表の4a、5a、6a族、Al、Siから選ばれる少なくとも1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物を含有する下地層を、物理蒸着法(PVD法)、化学蒸着法(CVD法)、またはゾル−ゲル法により形成した後、該下地層硬質皮膜の表面に上記酸化シリコン主体層を被覆形成することもできる。
下地層の具体例としては、例えば、化学蒸着によって形成したTiN層、TiCN層、TiCO層、TiCNO層等のTi化合物層を上げることができ、また、物理蒸着によって形成したTiとAlの複合窒化物層、CrとAlの複合窒化物層等を挙げることができる。
この発明の被覆工具は、硬質被覆層の表面層として、例えば、ゾル−ゲル法により成膜した厚さ0.5〜5.0μmの酸化シリコン主体層を備えるが、酸化シリコン主体層の層厚が0.5μm未満であると、長期の使用に亘って十分な耐摩耗性を発揮することができず、一方、層厚が5.0μmを超えると、チッピングが発生しやすくなるため、酸化シリコン主体層の層厚は0.5〜5.0μmと定めた。
酸化シリコン主体層に含有されるアルミニウムの粒状酸化物結晶体については、優れた高温硬さと化学的安定性を有するため、酸化シリコン主体層が有する潤滑性と両立することで高速切削時の発熱により刃先が高温となる場合においても、特にすくい面損傷において優れた耐摩耗性を示す。
この発明の被覆工具の表面層を構成する酸化シリコン主体層は、例えば、後記するゾル−ゲル法により成膜することにより、その主体は酸化シリコンから構成され、該層中にはアルミニウム酸化物結晶体が層中に占める面積割合で5〜50面積%分散含有されている。
上記のアルミニウム粒状酸化物結晶体は、酸化シリコン主体層を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した場合に、上記粒状酸化物結晶体の平均断面径が基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面から酸化シリコン主体層の表面に向かって減少しており、さらに、酸化シリコン主体層中に占める該結晶体の面積割合を、例えば、視野領域0.25×0.25μmの範囲で縦断面TEM観察により求めると、5〜50面積%を占めることが分かる。
なお、本発明でいう上記粒状酸化物結晶体の平均断面径とは、それぞれの結晶体の断面の面積を測定し、これを真円の面積として換算した際の該真円の直径を求め、該直径をそれぞれの結晶体の断面径とした場合に、該断面径を平均した平均値を本発明では平均断面径とよぶ。
酸化シリコン主体層に含有される上記酸化物結晶体の平均断面径は0.05〜0.5μmであることが望ましく、酸化シリコン主体層表面近傍の平均断面径は基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面近傍の平均断面径の1/3以下であることが望ましい。なお、酸化シリコン主体層表面近傍とは酸化シリコン主体層表面から、基体の方向に酸化シリコン主体層の膜厚の1/3までの範囲内における酸化シリコン主体層の一部をいい、基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面近傍とは基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面近傍から酸化シリコン主体層表面の方向へ酸化シリコン主体層の膜厚の1/3までの範囲内の酸化シリコン主体層の一部をいう。例えば、酸化シリコン主体層表面近傍、及び、基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面近傍の平均断面径を、視野領域0.25×0.25μmの範囲で縦断面TEM観察により求めると、上記酸化物結晶体は酸化シリコン主体層の5〜50面積%を占めるとともに、酸化シリコン主体層表面近傍に含有される上記酸化物結晶体の平均断面径は基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面近傍に含有される上記酸化物結晶体の平均断面径の1/3以下となることが望ましい。
また、酸化シリコン主体層中に占める上記結晶体の面積割合が、50面積%を超えると、結晶体の分散組織を固定している酸化シリコンの割合が少なくなるため、酸化シリコン主体層に脆化傾向があらわれる。
一方、面積割合が5面積%未満である場合には、耐摩耗性向上に寄与する結晶体が少なくなるため、酸化シリコン主体層の耐摩耗性が低下する。
したがって、本発明では、酸化シリコン主体層中に占める上記結晶体の面積割合を5〜50面積%と定めた。
上記アルミニウム酸化物結晶体のそれぞれについて、該結晶体の面積と等しい面積を有する真円の直径を該結晶体の断面径として求め、さらに、求めた断面径の平均値を平均断面径とした場合、上記結晶体の平均断面径が0.05μm未満では、クラックの迂回によるクラック進展エネルギーの解放につながらず、チッピング、剥離等の抑制効果が小さく、一方、平均断面径が0.5μmを超えると、粗大な結晶体の分散組織となるため、切削時の温度上昇による該結晶体の熱膨張により微小部応力が負荷され、クラックの起点となり易く耐チッピング性の低下を招くこととなる。
したがって、上記結晶体の平均断面径は、0.05〜0.5μmと定めた。
また、上記粒状酸化物結晶体の平均断面径が基体または下地層との界面から表面に向かって減少することで、表面近傍は比較的微細な結晶体が含有されているため硬く、耐摩耗性に優れており、界面近傍では比較的大きな結晶体が含有されているため、クラックの迂回効果が大きく、靭性に優れ、剥離しにくいとともに、上記粒状酸化物結晶体の平均断面径が連続的、もしくは段階的に変化するために、膜厚方向に急激に熱的、機械的な特性が変化する部分が存在せず、クラックが起きにくいため、長期にわたって耐摩耗性と靭性を両立することが可能となる。また、本発明では、上記アルミニウム酸化物結晶体の酸化シリコン主体層断面に占める面積、膜厚方向の平均断面径が変化することを規定しており、それらだけでも耐摩耗性、靭性が向上するため、長寿命化するものの、酸化シリコン主体層表面近傍に含有される上記アルミニウム酸化物結晶体の平均断面径が基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面近傍の平均断面径の1/3以下であると、特に酸化シリコン主体層表面近傍が優れた耐摩耗性を示すために、酸化シリコン主体層が磨滅しにくく、大幅に寿命が延長する。
なお、上記酸化シリコン主体層は、工具基体に直接成膜することで、その性能を発揮することは可能であるが、炭窒化チタンを含む超硬合金を基体とする場合は窒素雰囲気中での焼成により、工具基体表面付近に、Ti、Ta、Nb、Zrのうち、少なくとも1種の耐摩耗性の高い炭窒化物を多く含有させ、基体表面硬化層を形成させるとともに、酸化シリコン主体層と工具基体との密着強度を向上させ、工具寿命を延長することが可能となる。なお、該基体表面硬化層形成後の超硬合金基体の硬さはビッカース硬さ(Hv)で2200以上、2800以下であることが好ましい。その際、炭窒化物を多く含有させることで基体表面付近におけるCoは相対的に減ることとなり、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの断面観察を行い、分析視野領域1×1μmの範囲にて波長分散型X線分光法による定量分析により、結合相金属としてのCoの含有量を検出した場合に、Coの含有量を2.0質量%未満にすれば、基体の表面硬化の要因となる炭窒化物が十分に形成され、耐摩耗性がより向上する。
基体表面硬化層の平均層厚は0.5μm以下であると耐摩耗性が十分発揮できないまま比較的すぐに磨滅してしまい、3.0μm以上であるとチッピングしやすくなる。
また、炭窒化チタン基サーメットを基体とする場合には、焼結工程において昇温及び最高温度で保持する際の雰囲気を所定の窒素雰囲気とし、保持の途中もしくは降温する際に減圧することにより、全焼結工程を一定圧力の窒素雰囲気中で実施した場合よりも表面を硬化させることができる。これは、最高温度で保持するまでの工程を一定の窒素圧力下で実施すると、基体内部に均一に硬さの高い炭窒化物が分散形成されるが、これを昇温、または保持の途中までは比較的高い窒素圧力下で処理し、保持の途中もしくは降温時から、より減圧された窒素雰囲気にして処理すると、基体のごく表面のみ脱窒されることにより、NiやCo金属結合相へのTiやNbなどの溶解及び内部から基体表面への拡散が活発となり、TiやNbなどの炭窒化物の形成が表面にて促進され、基体表面硬化層が形成されるためである。なお、該基体表面硬化層形成後のサーメット基体の硬さはビッカース硬さ(Hv)で2000以上、2600以下であることが好ましい。また、その際は上記超硬基体と同様に、基体表面付近におけるNi及びCoは相対的に減ることとなり、結合相金属としてのNi及びCoの含有量を2.0質量%未満にすれば、基体の表面硬化の要因となる炭窒化物が十分に形成され、耐摩耗性がより向上する。
本発明の被覆工具の表面層を構成する酸化シリコン主体層は、例えば、以下に示すゾル−ゲル法によって形成することができる。
酸化物結晶体の準備:
本発明では、ゾル−ゲル法によって酸化シリコン主体層を形成する際、シリカゾルに添加する結晶体として、アルミニウムの酸化物結晶体を用いるが、最終的に形成される酸化シリコン主体層において、該結晶体の面積割合を所定値にするため、さらに、該結晶体の平均断面径を所定値にするために、添加する結晶体には、以下のような調製を行う。
該酸化物結晶体を転動流動層を有する風力装置へ搬入し、層内圧力を−400mmAqに保持して、加熱しながらロータ回転数240〜400rpmで転動流動させ、一次エア量55〜70L/分で空気を吹き込みながら該風力装置の上部に設けられたメッシュクロスにより風力分級を5分間行うことで所定サイズの酸化物結晶体を得ることができる。
シリカゾルの調製:
まず、シリコンのアルコキシド(例えば、テトラエトキシシラン)にアルコール(例えば、エタノール)を添加し、所定量、所定サイズのアルミニウムの酸化物結晶体を添加した後、さらに、所定濃度の酸(例えば、塩酸)を添加した後、10〜40℃の温度範囲にて1〜3時間攪拌することによってシリカゾルを調製する。なお、該結晶体を含有させる方法としては、前駆体ゾル調製時の加水分解及び縮重合反応にて形成されるSiとOのネットワーク中に該結晶体が均一に分散し、取り込まれていることが望ましいため、塩酸を添加し、加水分解及び縮重合が始まる前に該結晶体が添加されていることが望ましい。なお、シリコンのアルコキシドは粘性が高く、撹拌しにくいため、例えば、アルコール中に結晶体を添加、撹拌して分散させておくことが望ましい。
シリカゾルの保持:
次いで、上記シリカゾルについて、ゾル中で起きている加水分解・縮合反応が平衡状態に至るまで待つ目的で20〜40℃の温度範囲にて12時間以上保持する。
乾燥・焼成:
工具基体、あるいは、その表面に中間層を被覆形成した工具基体を上記シリカゾル中に浸漬し、それに続き100〜500℃での乾燥処理を繰り返し行い、次いで、300〜900℃の温度範囲で焼成処理を行って、0.5〜5.0μmの平均層厚を有する酸化シリコン主体層を成膜する。
上記乾燥処理によって、酸化物結晶体を分散含有する酸化シリコンの乾燥ゲルが形成され、次いで行う焼成処理によって、酸化シリコン相中に、所定面積割合かつ所定平均断面径の酸化物結晶体を分散含有する酸化シリコン主体層が形成される。
また、異なる結晶体サイズを所定量含有するシリカゾルを複数種類使用することで、酸化シリコン主体層中に含有する酸化物結晶体の平均断面径が、膜厚方向に変化するように成膜する。
上記酸化シリコン主体層の膜厚はシリカゾルへの浸漬回数に依存するが、被覆形成された上記酸化シリコン主体層の膜厚が0.5μm未満では、長期の使用にわたってすぐれた耐摩耗性を発揮することができず、一方、膜厚が5.0μmを越えると酸化シリコン主体層が剥離を生じやすくなることから、上記酸化シリコン主体層の膜厚は0.5〜5.0μmとする。
また、酸化シリコン主体層に分散含有される酸化物結晶体の面積割合は、シリカゾルの形成に当たって添加する酸化物結晶体の大きさと添加量によって影響される。
また、乾燥処理の温度範囲を100〜500℃としているのは、100℃未満では十分な乾燥が行えず、500℃を超えるとゲルの体積収縮が急激に進行してクラック等を発生し、皮膜が剥離等を生じやすくなるためであり、また、焼成温度については、300℃未満では十分に酸化しないため、酸化シリコン主体層の硬さが低く、耐摩耗性が不十分であり、
一方、900℃を越える温度で焼成した場合、該結晶体と酸化シリコン主体層の熱膨張差に起因するクラックが起きやすいという理由による。
本発明の被覆工具は、工具基体の表面に、アルミニウムの粒状酸化物結晶体を5〜50面積%分散含有し、しかも、上記粒状酸化物結晶体の平均断面径が基体または下地層と酸化シリコン主体層の界面から酸化シリコン主体層表面に向かって減少する酸化シリコン主体層を被覆形成するものであるから、高熱発生を伴うとともに、切れ刃に断続的・衝撃的負荷が作用する鋳鉄、炭素鋼等の高速断続切削加工に用いた場合でも、チッピング、欠損、剥離等の異常損傷を発生することなく、長期の使用にわたってすぐれた耐摩耗性を発揮するのである。
本発明工具1についての酸化シリコン主体層の縦断面模式図を示す。
つぎに、この発明を実施例により具体的に説明する。
(a) 原料粉末として、平均粒径0.8μmの微粒WC粉末、平均粒径2〜3μmの中粒WC粉末といずれも1〜3μmの平均粒径を有するTiCN粉末、ZrC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示す所定の配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1400℃の温度にて1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.05mmのホーニング加工を施すことによりISO・CNMG120408に規定するインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A,B,C,D,E,F,G,H,I(工具基体A,B,C,D,E,F,G,H,Iという)を製造した。
但し、1400℃にて1時間保持後1320℃までの冷却を、超硬基体Fについては、3.3kPaの窒素雰囲気中にて40分間行い、超硬基体Gについては、1kPaの窒素雰囲気中にて40分間、超硬基体Hについては、2kPaの窒素雰囲気中にて10分間、超硬基体Iについては、3.3kPaの窒素雰囲気中にて120分間かけて冷却することで基体表面を硬化処理した。
(b) ついで、上記工具基体A〜Iに対して、下層を形成した。
なお、下層の形成にあたり、上記工具基体A及びBについては、化学蒸着装置に装入し、表2に示す成膜条件を用いて、粒状結晶組織を有するTiN層、TiCN層、TiCO層、TiCNO層、縦長成長結晶組織のTiCN層(以下、l−TiCNで示す)からなるTi化合物層を表5に示す皮膜構成にて下地層を予め形成した。一方、上記工具基体Cについては、物理蒸着装置の一種であるアークイオンプレーティング装置に装入し、表5に示す膜厚のTi0.5Al0.5N層からなる下地層を予め形成した。
また、上記工具基体Dについては、同じくアークイオンプレーティング装置に装入し、表5に示す膜厚のAl0.7Cr0.3N層からなる下地層を予め形成した。
一方、上記工具基体E、F、G、H、Iについては、下地層の形成を特に行わなかった。
(c) 一方、硬質被覆層の最表面層としての酸化シリコン主体層をゾル−ゲル法で被覆形成するためのシリカゾルの調製を、次のように行った。
(イ)まず、反応原料における各成分の溶液組成はモル比で、
(テトラエトキシシラン):(水):(エタノール):(塩酸)
=1:20〜40:30〜40:0.2〜0.5
になるよう添加した後、表4に示す条件で恒温槽中で攪拌し・保持することで、シリカゾルを調製した。なお、あらかじめ上記エタノール中には表3に示す所定サイズ、所定量のアルミニウムの酸化物結晶体を、表4に示すそれぞれのシリカゾルに添加し、撹拌しておいた。
(ロ)ついで、上記工具基体A〜Iの下層表面に上記シリカゾルを塗布した。
(ハ)ついで、上記浸漬塗布したシリカゾルを、表4に示す条件で大気中で乾燥処理を行い、さらに、表6に示すゾルを順に使用して、同じく表6に示す引き上げ速度にて塗布と乾燥を繰り返した後、大気中800℃で1時間の焼成処理を行うことにより、表5、6に示す本発明の被覆工具1〜18(本発明工具1〜18という)を製造した。
上記本発明工具1〜18について、酸化シリコン主体層の縦断面について、基体または下地層と該酸化シリコン主体層との該酸化シリコン主体層の表面に向かって、0.25×0.25μmの視野範囲にて、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察を複数回行っていったところ、酸化シリコン相中に含有される上記粒状酸化物結晶体の平均断面径が減少しながら分散含有されていることが確認された。
図1に、一例として、本発明工具1の酸化シリコン主体層の縦断面模式図を示す。
上記本発明工具1〜18について、酸化シリコン主体層の縦断面観察視野範囲に占める酸化物結晶体の占有面積割合(面積%)と、該酸化物結晶体の平均断面径を透過型電子顕微鏡による観察結果から算出し、その結果を平面と仮定して、酸化物結晶体の占める面積割合を求めるとともに、また、該酸化物結晶体の面積を真円の面積として算出した場合の近似円の直径を5点測定し、その平均値を平均断面径として算出した。
また、同時に酸化シリコン主体層の平均層厚を走査型電子顕微鏡を用いて断面測定したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均値(5ヶ所の平均値)を示した。
表6に、各観察視野において測定・算出した酸化物結晶体の面積割合(面積%)と平均断面径(μm)の値を示す。
さらに、上記本発明工具1〜18のうち、下地層を設けず超硬基板に直接酸化シリコン主体層を成膜した工具については、超硬基体表面のCoの含有量を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた波長分散型X線分光法により超硬基体の縦断面観察視野において基板表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの範囲内における1×1μmの面分析にて5視野を定量分析し、その平均値を採用した。
表5に、表面硬化層層厚、及び表面硬化層中の結合相金属量を示す。
[比較例1]
比較のため、以下の製造方法で被覆工具を製造した。
(イ)まず、反応原料における各成分の溶液組成はモル比で、
(テトラエトキシシラン):(水):(エタノール):(塩酸)
=1:20〜40:30〜40:0.2〜0.5
になるよう添加し、表4に示す条件でシリカゾルを調製した。また、その際、実施例1で使用したものとは異なる量のアルミニウム粒状酸化物結晶体をあらかじめエタノールに添加し、実施例1と同様に撹拌しておいた。
(ロ)次いで、前記化学蒸着法によるTi化合物層及び物理蒸着法によるTiAlN層、AlCrN層をそれぞれ形成した上記超硬基体A〜Dおよび特別な表面処理を施していない超硬基体E〜Iの表面に、上記シリカゾルを塗布した。
(ハ)ついで、上記塗布したシリカゾルを、表4に示す条件で大気中で乾燥処理を行い、さらに塗布と乾燥を所定層厚になるまで繰り返した後、大気中800℃で1時間の焼成処理を行うことにより、表7、8に示す比較例の被覆工具1〜9(比較例工具1〜9という)を製造した。
比較例工具1〜9についても、測定・算出した酸化物結晶体の各観察視野における面積割合(面積%)、平均断面径(μm)、及び、基体における表面硬化層層厚(μm)、表面硬化層中の結合相金属量(質量%)を測定・算出した。
表7、8に、その結果を示す。
[参考例1]
参考のため、アルミニウムの粒状酸化物結晶体を含有しないシリカゾルを用いて、前記工具基体A〜Iに対して、前記(イ)〜(ハ)の工程にしたがって、所定の層厚の酸化シリコン層を被覆形成することにより、表7、8に示す参考例の被覆工具1〜9(参考例工具1〜9という)を製造した。
つぎに、上記本発明工具1〜18、比較例工具1〜9および参考例工具1〜9について、次の条件で鋳鉄FC250の乾式高速断続切削加工試験を行った。
被削材:FC250の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 350m/min、
切り込み:2.3mm、
送り量: 0.2mm/rev.、
切削時間: 5分
の条件での乾式高速断続切削加工試験(通常の切削速度は、320m/min.)、
切削加工試験後の、それぞれの工具の摩耗状態について観察を行い、逃げ面摩耗量の測定を行った。
これらの結果を表9に示す。









原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これらを表10に示す所定の配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1540℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG120412のチップ形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体J,K,L,M,N,O,P,Q,R(工具基体J〜Rという)を製造した。但し、工具基体Oについては1.3kPaの窒素雰囲気中、昇温速度を2℃/minとし、室温より1540℃まで昇温させ30分保持した後、13Paの真空とし、さらに、1540℃にて30分保持後降温させて表面硬化させた。工具基体Pについては、常に13Paの真空中にて昇温および1540℃にて60分保持、工具基体Qについては1.3kPaの窒素雰囲気中で室温より1540℃まで昇温させ30分保持した後、13Paの真空とし、さらに、1540℃にて5分保持、工具基体Rについては1.3kPaの窒素雰囲気中で室温より1540℃まで昇温させ30分保持した後、13Paの真空とし、さらに、1540℃にて90分保持後降温させて表面硬化させた。

ついで、上記工具基体J〜Rに対して、下層を形成した。
なお、下層の形成にあたり、上記工具基体J及びKについては、化学蒸着装置に装入し、表2に示す成膜条件を用いて、表11のTi化合物からなる皮膜構成にて下地層を予め形成した。一方、上記工具基体Lについては、物理蒸着装置の一種であるアークイオンプレーティング装置に装入し、表11に示す膜厚のTi0.5Al0.5N層からなる下地層を予め形成した。
また、上記工具基体Mについては、同じくアークイオンプレーティング装置に装入し、表11に示す膜厚のAl0.7Cr0.3N層からなる下地層を予め形成した。
一方、上記工具基体N,O,P,Q,Rについては、下地層の形成を特に行わなかった。
ついで、下地層を形成した上記工具基体J,K,L,Mおよび、下地層を形成していない上記工具基体N,O,P,Q,Rのいずれに対しても、実施例1と同様に表4の調製条件及び乾燥条件、表12の引き上げ条件におけるゾル−ゲル法により、所定目標層厚になるまで酸化シリコン主体層を成膜した。
ついで、大気中800℃で1時間の焼成処理を行うことにより、表11、12に示す本発明の被覆工具19〜36(本発明工具19〜36という)を製造した。
本発明工具19〜36について実施例1と同様に酸化物結晶体の面積割合(面積%)、平均断面径(μm)、表面硬化層層厚(μm)、表面硬化層中の結合相金属量(質量%)を測定・算出した。
表11、12に、その結果を示す。


[比較例2]
前記実施例2で用いたのと同じ工具基体J〜Rを用いて、実施例2と同様に、ゾル−ゲル法により、表10に示す所定目標層厚になるまで酸化シリコン主体層を成膜し、ついで、大気中800℃で1時間の焼成処理を行うことにより、表10に示す比較例の被覆工具10〜18(比較例工具10〜18という)を製造した。
酸化物結晶体の面積割合(面積%)、平均断面径(μm)、表面硬化層層厚(μm)、表面硬化層中の結合相金属量(質量%)を表13に示す。
[参考例2]
参考のため、表3に示すアルミニウムの粒状酸化物結晶体のいずれをも含有しないシリカゾルを用いて、前記工具基体J〜Rに対して、前記(イ)〜(ハ)の工程にしたがって、所定の層厚の酸化シリコン層を被覆形成することにより、表14に示す参考例の被覆工具10〜18(参考例工具10〜18という)を製造した。
表面硬化層層厚(μm)、表面硬化層中の結合相金属量(質量%)を表13に示す。


つぎに、上記本発明工具19〜36、比較例工具10〜18、参考例工具10〜18について、次の条件で乾式高速断続切削加工試験を行った。
被削材:JIS・S10Cの長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 360 m/min、
切込み: 1.6 mm、
送り: 0.22 mm/rev、
切削時間: 5 分
切削加工試験(通常の切削速度は、それぞれ、220 m/min.)後の、それぞれの工具の摩耗状態について観察を行い、逃げ面摩耗量の測定を行うとともに、硬質被覆層の損傷状況を観察した。
これらの結果を表15に示す。

表5〜9、表11〜表15に示される結果から、この発明の被覆工具1〜36は、工具基体の最表面層として被覆形成された酸化シリコン主体層には、アルミニウムの粒状酸化物結晶体が5〜50面積%分散含有され、また、上記粒状酸化物結晶体の平均断面径が基体または下地層との界面から表面に向かって減少することから、これを、鋳鉄、炭素鋼等の高速断続切削加工に用いた場合でも、チッピング、欠損、剥離等の異常損傷を発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するのである。
これに対して、表面の酸化シリコン主体層に上記結晶体を含有しないもの、あるいは、含有したとしても、その面積割合、平均断面径の膜厚方向の変化率が本発明で規定する範囲外である比較例の被覆工具1〜18、参考例の被覆工具1〜18は、耐異常損傷性、耐摩耗性に劣り、短時間で工具寿命に至ることは明らかである。なお、前記実施例では、インサート形状の工具を用いて硬質被覆層の性能を評価したが、ドリル、エンドミルなどでも同様の結果が得られることはいうまでもない。
この発明の被覆工具によれば、表面に、例えば、ゾル−ゲル法によって酸化シリコン主体層が被覆形成され、該酸化シリコン主体層は優れた潤滑性を有するとともに、高い高温硬さと化学的安定性を有するアルミニウムの粒状酸化物結晶体を含有するため、鋳鉄、炭素鋼等の高速断続切削加工において、チッピング、欠損、剥離等の異常損傷を発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するものであり、工具寿命の長寿命化を図ることができ、実用上の効果が大である。





Claims (4)

  1. 炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
    (a)上記硬質被覆層は、工具基体の表面に直接または下地層を介して形成された0.5〜5.0μmの平均層厚を有する酸化シリコン主体層からなる表面層を備え、
    (b)上記酸化シリコン主体層中には、アルミニウムの粒状酸化物結晶体が、層中に占める面積割合で5〜50面積%分散含有されており、
    (c)上記酸化物結晶体のそれぞれの断面の面積を、真円の面積として換算した際の直径を断面径とし、該断面径の平均値を平均断面径とした場合、上記粒状酸化物結晶体の平均断面径が基体または下地層との界面から表面に向かって減少することを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 請求項1記載の粒状酸化物結晶体の平均断面径は0.05〜0.5μmの範囲内にあり、表面近傍の平均断面径は基体または下地層との界面近傍の平均断面径の1/3以下となっていることを特徴とする表面被覆切削工具。
  3. 炭化タングステン基超硬合金からなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
    上記工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCoの平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層を被覆形成してなる表面被覆切削工具において、
    上記工具基体の表面から深さ方向に0.5〜3.0μmの平均層厚を有する基体表面硬化層が形成され、該基体表面硬化層に含まれる結合相金属としてのCo及びNiの合計平均含有量が、2.0質量%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面被覆切削工具




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