JP4690983B2 - 建設機械の操作ペダル装置 - Google Patents
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Description
通常この種の操作ペダルは、運転室内に設置された運転席の前方に設けられていて、運転席に着席したオペレータは、手で操作レバーを操作しながら足で操作ペダルを操作して、建設機械自体の操作と作業機の操作の全てを行うようになっており、操作ペダルの種類としては、例えば特許文献1に記載された二方向踏み込み式(シーソー式)のものと、特許文献2に記載された一方向踏み込み式のもの等がある。
特許文献1に記載された建設機械のペダル操作装置は、図6に示すように支点aを中心に前後方向へ回動する操作ペダルbを有していて、この操作ペダルbに足c全体を載せ、足cの爪先でペダルbの前端側を踏み込むと、支点aを中心に操作ペダルbが前方へ回動し、足cの踵で操作ペダルbの後端側を踏み込むと、支点aを中心に操作ペダルbが後方へ回動するようになっている。
一方、特許文献2に記載の一方向踏み込み式操作ペダル装置は、ペダルの後端側が床面付近に枢着されていて、床面に踵を付けた状態で足の爪先でペダルの前端側を踏み込むと、支点を中心にペダルが前方へ回動するようになっている。
ペダルの下方には、スプールを上方へ突出したバルブが設置されていて、ペダルが前方へ回動するのに伴いスプールが上下方向に摺動されて、バルブにより油圧回路が切り換えられるように構成されている。
また操作ペダルbで操作する対象物が、例えば作業機にアタッチメントとして装着された油圧ブレーカの場合、オン、オフ制御となるため、操作ペダルbが後方へ回動するのを防止するストッパeを、図6に示すようにペダルbの後方下部に取り付けているが、この場合でも操作ペダルbに足c全体を載置して操作する必要があるため、オペレータが疲労するのを防止できない問題がある。
しかし作業機を操作する操作ペダルには、二方向操作ペダルにより操作するものと、一方向操作ペダルにより操作するものとがあり、二方向操作ペダルが作業機操作用として設置してある場合、特許文献2に記載の一方向操作ペダルと交換しようとすると、操作ペダルのみならず、バルブ全体を交換しなければならない。
またバルブには多くの油圧配管が接続されていることから、バルブを交換する場合、油圧配置の継ぎ換え作業等が必要となり、操作ペダルの交換作業に多くの時間と労力を必要とし、建設機械の稼働率を低下させる等の問題がある。
本発明はかかる問題を改善するためになされたもので、一方向操作ペダルと二方向操作ペダルの交換が容易な建設機械の操作ペダル装置を提供することを目的とするものである。
また既存の操作ペダル装置を改造する場合も、ペダル取り付け部材と、一方向操作ペダル及び二方向操作ペダルを新たに製作する等の小規模な改造のみでよいため、安価に実施することができる上、設置スペースも既存のものとほとんど変わらないため、容易に実施することもできる。
図1は操作ペダル装置が設置された運転室内の斜視図、図2は操作ペダル装置の側面図、図3は一部を切欠した分解側面図、図4は二方向操作ペダルを装着する場合の側面図、図5は一部を切欠した分解側面図である。
図1に示す油圧ショベルの運転室1は、オペレータ(図示せず)が着席する座席2が設置されていて、座席2の両側に設けられた肘掛け3の前部に、左右操作レバー4が設けられている。
これら操作レバー4は、走行体上に設置された旋回体の旋回操作や作業機(何れも図示せず)を操作するもので、座席2の前方には、床板5上に一対の走行ペダル6と、作業機に装着された例えば油圧ブレーカのようなアタッチメント(図示せず)を操作する操作ペダル装置及び床板5上に立設された一対の走行操作レバー8が設けられている。
走行ペダル6と走行操作レバー8は、床下で機械的に連動されていて、走行ペダル6または走行操作レバー8の何れでも走行体の前後動操作と、操舵操作が行えるようになっている。
走行ペダル6に隣接するように設置された本発明の操作ペダル装置は、図2及び図3に示すように、運転室1の床板5より下方に設置されたバルブ10の上方に位置している。
バルブ10は、例えばパイロット回路を切り換えるパイロットバルブよりなり、バルブ10と操作ペダル装置はユニット化されていて、床板5より操作ペダル装置とともに取り外せるように、床板5にユニット基板11が複数の固着具12により取り付けられており、バルブ10回りの油圧配管には高圧ホース(図示せず)が使用されていて、ユニットを脱着する際に支障をきたさないようになっている。
ユニット基板11には、バルブ10より突設されたフランジ10aが固着具12により取り付けられており、フランジ10aの上面にブラケット13が固着されていて、このブラケット13にピン14によりペダル取り付け部材15が前後方向に回動自在に枢着されている。
ユニット基板11は、複数の固着具17により操作ペダル取り付け板18に下方から取り付けられている。
操作ペダル取り付け板18は、床板5に開口された開口部(図示せず)を覆うように床板5の上面に取り付けられており、この操作ペダル取り付け板18を床板5に取り付けている固着具(図示せず)を取り外すことにより、床板5よりユニット全体が取り外せるようになっている。
操作ペダル本体20は、図2及び図3に示す一方向操作ペダル21と、図4及び図5に示す二方向操作ペダル22とからなり、用途に応じて交換できるようになっている。
一方向操作ペダル21は、図3に示すようにペダル部材21aとペダルブラケット21bとからなり、ペダル部材21aは、前後方向に細長い長方形状の平板より形成されていて、オペレータの足の踵を床板5上面に着けた状態で、足裏のほぼ全体が載置できる大きさに形成されている。
ペダル部材21aの裏面には、前後方向に沿ってリブ21cが突設されており、リブ21cの中央よりやや前側とペダルブラケット21bの間には角度調整手段24が設けられ、リブ21cの中央よりやや後ろ側には取り付け孔21dが穿設されている。
基台21eに支持板21fの後部側を固定する固着具23には、ペダル部材21aのリブ21cに穿設された取り付け孔21dが挿通されていて、固着具23を中心にペダル部材21aの先端側が上下方向に回動自在となっており、ペダル部材21aの角度は、角度調整手段24により調整自在となっている。
角度調整手段24は、オペレータの操作しやすい位置にペダル部材21aの角度を微調整するもので、図3に示すようにペダル部材21aより突設されたリブ21cの前側に形成された長孔24aと、支持板21fの先端部よりやや後方に穿設されたピン孔24c及びこれら長孔24aとピン孔24cに挿入された固着具24bとからなる。なおペダル部材21aの角度調整方法は後述する。
ストッパ手段25は、操作ペダル取り付け板18上に固着された固定ブラケット25aと、下端側がピン25bにより固定ブラケット25aに枢着されたレバー25cと、レバー25cを前後方向へ付勢するトグルばね25dとからなる。
レバー25cは、長方形状の板体により形成されていて、上端側が図2に示す実線位置から仮想線で示す位置にピン25bを中心に回動自在となっており、レバー25cのほぼ中間部に突設された係止ピン25eとピン25bの間にトグルばね25dが張設されている。
レバー25cの上端側には、ピン25bと平行する方向にストッパ杆25fが突設されていて、レバー25cを図2の仮想線位置へ回動した際、ペダルブラケット21bの支持板21f先端部に形成された切り欠き21gに係合するようになっており、これによって一方向操作ペダル21の回動を固定することができると共に、ストッパ杆25fの先端部には、足でレバー25cを回動操作する操作片25gが固着されている。
ペダルブラケット22cは、下面が複数の固着具19によりペダル取り付け部材15の上面に着脱自在に取り付けられるようになっていて、このペダルブラケット22cに一対の固着具23により支持板22bが固着されている。
支持板22bの先端部には切り欠き22dが形成されていて、この切り欠き22dにストッパ手段25のストッパ杆25fを係合することにより、二方向操作ペダル22の回動を固定することができるようになっている。
図4に示す二方向操作ペダル22を使用して作業機を操作している状態から、作業機にアタッチメントとして例えば油圧ブレーカを装着し、油圧ブレーカを一方向操作ペダル21により操作して作業を行う場合は、まず二方向操作ペダル22をペダル取り付け部材15に固定している固着具19を緩めて二方向操作ペダル22をペダル取り付け部材15より取り外す。
次に一方向操作ペダル21のペダルブラケット21bを固着具23によりペダル取り付け部材15に固定したら、角度調整手段24によりペダル部材21aの角度調整を行う。
調整にあたっては、ペダル部材21aをペダルブラケット21bに固定している2本の固着具23のうち後側の固着具23と、ペダル部材21aを支持板21fに固定している固着具24bを緩め、後側の固着具23を中心にペダル部材21aの上端側を上下方向に回動し、ペダル部材21aの角度を微調整する。
このときの調整範囲は、リブ21cに形成された長孔24aの長さにもよるが、本実施の形態では、中立位置から上方へ4.5°、下方へ4.5°の計9°程度となっている。
また作業を中断したり終了する際には、ストッパ手段25のストッパ杆25fに設けた操作片25gを足の爪先で手前に引き寄せて、ピン25bを中心にレバー25cを後方へ回動させ、ストッパ杆25fを図2の仮想線に示すように支持板21fの切り欠き21gに係合すことにより、一方向操作ペダル21の回動を固定することができるため、不用意に油圧ブレーカが動作するのを防止することができる。
これによって二方向操作ペダル22のペダル部材22aに足全体を載置した状態で、ペダル部材22aを前後方向に回動することにより、二方向操作ペダル22によりアタッチメントを操作して作業を行うことができるようになる。
また作業を中断したり、終了する場合は、一方向操作ペダル21と同様に、ストッパ手段25のストッパ杆25fに設けた操作片25gを足の爪先で手前に引き寄せて、ピン25bを中心にレバー25cを後方へ回動させ、ストッパ杆25fを支持板22bの切り欠き22dに係合すことにより、二方向操作ペダル22の回動を固定することができる。
また油圧ショベルに実施した実施の形態について説明したが、一方向操作ペダル21と二方向操作ペダル22を交換して作業する必要のある建設機械全般に適用できるものである。
10 バルブ
14 ピン
15 ペダル取り付け部材
21 一方向操作ペダル
21a ペダル部材
21b ペダルブラケット
22 二方向操作ペダル
24 角度調整手段
Claims (2)
- 作業機や、前記作業機に装着されたアタッチメントを制御するバルブを、オペレータの足で操作する建設機械の操作ペダル装置であって、前記バルブの近傍にピンにより枢着され、かつ前記ピンを中心に回動することにより前記バルブの切り換えが可能なペダル取り付け部材と、床板に踵を着けた状態で操作する一方向操作ペダルと、足全体を載置した状態で操作する二方向操作ペダルとを備え、かつ前記ペダル取り付け部材に対し前記一方向操作ペダルと前記二方向操作ペダルを交換自在に取り付けたことを特徴とする建設機械の操作ペダル装置。
- 前記一方向操作ペダルを、ペダル部材とペダルブラケットとから構成し、かつ前記ペダル部材と前記ペダルブラケットとの間に、前記ペダル部材の角度を調整する角度調整手段を設けてなる請求項1に記載の建設機械の操作ペダル装置。
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