JP4683097B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、キャリッジを主走査方向に搬送すると共にシートを副走査方向に搬送して、所定の処理を実行する電子機器に関する。
従来、キャリッジを主走査方向に搬送すると共にシートを副走査方向に搬送する電子機器としては、記録ユニットを搭載したキャリッジを主走査方向に搬送すると共に、記録紙を副走査方向に搬送して、記録紙に画像を形成する画像形成装置が知られている。
また、画像形成装置としては、インクジェットヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に搬送するインクジェットプリンタであって、キャリッジの搬送異常を検知すると、キャリッジを緊急停止し、更には、キャリッジを逆方向に戻すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
尚、ここでの搬送異常とは、キャリッジの搬送時に、搬送制御において目標とする結果が得られない状態のことを言う。キャリッジの搬送異常の検知方法としては、次の方法が知られている。
例えば、ステップモータでキャリッジを搬送制御する場合には、別途設けたセンサが示すキャリッジの運動状態と、出力ステップ数との辻褄が合うかどうかで、搬送異常を検知する方法が知られている。
その他、DC(直流)モータでキャリッジを搬送制御する場合には、キャリッジ速度やDCモータの電流・電圧等を監視し、これらの物理量と予め設定された異常判定値との比較により、搬送異常を検知する方法が知られている。
ここで、搬送異常が発生する原因について詳述すると、搬送異常が発生する第一の原因としては、シートとキャリッジとが干渉してジャムが発生し、キャリッジに接触するシートがキャリッジの移動を妨げることに起因して、キャリッジの搬送負荷が上昇することが挙げられる。
このような事象が発生した場合には、キャリッジの実速度が目標速度よりも低くなり、目標速度と実速度の偏差が大きくなることによってモータに入力される駆動電流・電圧が上昇する。このため、上述した手法で、搬送異常を検知する。
また、第二の原因としては、ユーザがキャリッジの搬送路に指を挿入したことに起因して、一時的にキャリッジの搬送負荷が上昇することが挙げられ、第三の原因としては、キャリッジの移動を規制するガイド軸に汚れが付着していることに起因して、一時的にキャリッジの搬送負荷が上昇することが挙げられる。
更に、第四の原因としては、異常が発生してモータやセンサが正常に機能しなくなることが挙げられる。モータやセンサに異常が発生すると、モータを制御することができなくなり、又は、キャリッジの運動状態を正確に把握することができなくなる。このようなことが原因で、正常な搬送制御を実行することができなくなり、搬送異常が発生する。
特開2007−055030号公報
ところで、上述の従来装置では、搬送異常を検知した時に、搬送異常の種類に合わせて、適切な対応を採ることができないといった問題があった。
即ち、搬送異常の種類によっては、搬送制御を直ぐに再開できる場合があるにも拘わらず、従来装置では、検知した搬送異常の種類を判別することができないため、搬送異常を検知したときには、一旦、キャリッジを待機させて、それまで実行していた搬送制御をキャンセルするといった同一のエラー処理を実行していた。
この点について詳述すると、ジャムによる搬送異常が発生した場合には、シートの取り外し動作が行われない限り搬送異常が解消する可能性はないので、搬送異常を検知した場合には、キャリッジの搬送を止めて、キャリッジを停止した状態にするか、更に、キャリッジを後退させて、搬送異常検知前の搬送制御をキャンセルするのが好ましいが、ユーザがキャリッジに触れることにより発生する搬送異常は、瞬間的なものであり、搬送異常を検知して、キャリッジを緊急停止すれば、ユーザも自身がキャリッジに触れたことが原因で異常が検知されたことに気づき、すぐに異常は解消する。
このため、ユーザがキャリッジに触れることにより、搬送異常が発生した場合には、キャリッジを緊急停止させた後、搬送異常検知前の搬送制御をキャンセルする必要はなく、搬送異常検知前のキャリッジの搬送制御を、直ぐに再開すればよい。
同様に、ガイド軸に汚れが付着して一時的に搬送負荷が上昇する場合には、搬送異常が検知されて、キャリッジが緊急停止するまでの間に、汚れがガイド軸から外れることも多い。また、このような些細な原因の負荷上昇については、そもそも搬送異常を検知する必要はないが、単に、ジャムによる搬送異常等に備えて搬送異常の検知感度を高めた結果、搬送異常が検知されてしまうといったこともある。この場合には、すぐに搬送異常検知前の搬送制御を開始することができる。
しかしながら、従来装置では、搬送異常が、ジャムによる搬送異常であるのか否かの判別を正確にすることができないため、搬送異常が発生した場合には、ジャムが発生したものと一律に判断し、ジャムによる搬送異常に適した処理を、異常検知後に実行するようにしていた。
特に、ジャムによる搬送異常では、ジャム以外の搬送異常とは異なり、無理に搬送制御を継続すると、記録ユニットのノズル部分に傷がつき致命的なダメージを被る可能性があるので、搬送異常を検知した場合には、慎重な対応を採らざるを得ず、結果的に、ユーザにより、明らかなエラー解消のための動作が行われるまで、待機せざるを得なかった。
従って、従来装置では、搬送異常が発生したときの対応が過剰になりがちで、この点がユーザに不満を及ぼす可能性があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを適切に判別することのできる電子機器(画像形成装置等)を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた本発明は、モータを備え、モータの駆動力によって主走査方向にキャリッジを搬送するキャリッジ搬送手段と、キャリッジが搬送される主走査方向とは交差する副走査方向に、シートを搬送するシート搬送手段と、を備えた電子機器であって、キャリッジの搬送異常を検知する異常検知手段と、主走査方向におけるキャリッジの位置を検出する位置検出手段と、上記異常検知手段により搬送異常が検知された時点での位置検出手段によって検出されたキャリッジの位置に基づき、異常検知手段により検知された搬送異常が、キャリッジとシートとの干渉により生じたジャムによる搬送異常であるか否かを判定するジャム判定手段と、を備えることを特徴とする。
ジャムによる搬送異常は、搬送異常が発生する原因となるシートが存在しない領域では、発生しない。従って、シートが存在しない領域で発生した搬送異常は、少なくともジャムによる搬送異常ではないと言える。一方、シートが存在する領域で発生した搬送異常については、ジャム以外の搬送異常の発生確率が、ジャムによる搬送異常よりも十分に小さいことを考慮すると、ジャムによる搬送異常である可能性が高い。
本発明者らは、この点に着目し、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを、搬送異常が検知された時点での主走査方向におけるキャリッジの位置に基づき、判定するようにした。従って、本発明の電子機器によれば、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを適切に判別することができ、搬送異常の種類に応じ、適切な対応をとることができる。
例えば、搬送異常がジャムである場合には、ジャムの発生を報知して、ユーザにジャムを解消させるが、搬送異常がジャムでない場合には、搬送異常の検知後、異常が継続しているか否かをテスト搬送により判断して、異常が継続していない場合には、搬送動作を再開するといった対応をとることができる。
結果、本発明によれば、搬送異常の検知後、ユーザにより所定のアクションがなされるまでは搬送動作を再開しない従来装置と比較して、搬送動作を迅速に再開することができて、搬送異常の検知によってキャリッジを緊急停止した場合に、ユーザに不満が及ぶのを抑えることができる。
尚、ジャム判定手段は、搬送異常が検知された時点でのキャリッジの位置が、キャリッジの搬送路における予め定められた特定領域にあるとき、搬送異常がジャムによる搬送異常であると判定する構成にすることができる。
具体的に、ジャム判定手段は、搬送異常が検知された時点でのキャリッジの搬送方向先頭位置が上記特定領域にあるとき、搬送異常がジャムによる搬送異常であると判定する構成にすることができる。また、特定領域は、シート搬送手段の動作により副走査方向に搬送されるシートが通過するキャリッジの搬送路上の領域であるシート通過領域内に定めることができる。例えば、シート通過領域の全領域や一部領域を上記特定領域として定めることができる。
また、キャリッジ搬送手段の動作によって、キャリッジが主走査方向に往復運動される場合、特定領域は、キャリッジの往路及び復路の夫々に対して定められるとよい。具体的に、往路及び復路の夫々に対応する上記特定領域は、シート搬送手段の動作により搬送されるシートの副走査方向に沿う二つの側縁の内、キャリッジの搬送方向上流に位置する側縁と対向するキャリッジの搬送路上の地点を基準に、シート通過領域内の一部領域に対して定めることができる。
ジャムが発生するのは、キャリッジがシート側縁からシート内側に移動するときであることを考えれば、搬送異常を検知したときのキャリッジの位置が、キャリッジの搬送方向上流に位置するシート側縁から下流に十分に進んだ位置である場合には、例え、キャリッジがシート通過領域にあるとは言っても、搬送異常がジャムによる搬送異常である可能性は低い。
従って、特定領域を、キャリッジの搬送方向毎に定めて、ジャムが発生する可能性の低い領域を排除するようにすれば、より適切に、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを判定することができる。
また、特定領域は、シート搬送手段により搬送されるシートの種類毎に定められ、ジャム判定手段は、シート搬送手段が搬送中のシートの種類に対応する特定領域の情報に基づいて、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを判定する構成にされるとよい
具体的に、特定領域は、シートのサイズ毎やシートの厚み毎に定めることができる。また、特定領域をシートの厚み毎に定める場合には、シートが厚い程、特定領域の主走査方向の長さが小さくなるように、特定領域を定めるのがよい
シートのサイズが同じであっても、シートの厚みが異なれば、キャリッジがシートの側縁に当たってジャムが発生したときのキャリッジのシート内側への進入度合い(換言すると搬送負荷)が変わってくる。
例えば、シートが厚い場合には、シートが固いので、ジャムが発生したときにキャリッジに作用する搬送負荷が大きく、搬送異常も、進入度合いの浅い地点で検知されることになる。一方、シートが薄い場合には、ジャムが発生したときにキャリッジに作用する搬送負荷が小さいので、搬送異常も直ちには検知し辛く、搬送異常検知時点での進入度合いが深くなる
このため、シートの厚みによって、ジャムが発生したときに搬送異常が検知される位置が変化する。従って、厚み毎に、特定領域を定めれば、より適切に、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを判定することができる。
また、シートのサイズが変化すれば、キャリッジの搬送路におけるシート通過領域が変化するので、シートサイズによって、特定領域を定めても、適切に、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを判定することができる。
尚、上述の発明は、キャリッジ搬送手段が、キャリッジの主走査方向の実速度又は実位置と、その目標値との偏差から、モータに入力する駆動電圧又は駆動電流を決定することによって、キャリッジの主走査方向の速度又は位置を、目標値に一致させるようにフィードバック制御し、当該制御により、キャリッジを目標軌跡(目標速度軌跡又は目標位置軌跡)に沿って主走査方向に搬送する構成にされた電子機器であって、異常検知手段が、上記偏差、又は、駆動電圧若しくは駆動電流が閾値を超えると、搬送異常が発生したとして、搬送異常を検知する構成にされた電子機器に適用することができる
上記偏差等が閾値を超えたことを条件に搬送異常を検知する構成にされた電子機器では、ユーザの指がキャリッジに接触したり、キャリッジの移動方向を規制するガイド軸に汚れが付着して、搬送負荷が上昇したときにも、搬送異常が検知されることになるが、このような電子機器に、本発明を適用すれば、検知された搬送異常が、ジャムによる搬送異常であるのか、それとも、上述したジャム以外の搬送異常であるのかを、適切に判別することができる。
また、ガイド軸の汚れ等による搬送負荷の些細な上昇が原因での搬送異常の検知は、本来、緊急停止させる必要のないキャリッジを停止させることになる可能性が高いので、可能な限り回避すべきである。一方、ジャムによる搬送異常については、無理な搬送を続けると、キャリッジに搭載されたヘッドのノズル部分を傷つける可能性があるので、当該ジャムによる搬送異常が発生した際には、可能な限り迅速に搬送異常を検知してキャリッジを停止させるのが好ましい(電子機器がインクジェットプリンタである場合)。
従って、インクジェットプリンタ等の電子機器では、ジャムによる搬送異常が起こる領域での上記閾値を下げて、当該領域では搬送異常を高感度に検知するようにし、ジャムによる搬送異常が起こらない領域については、上記閾値を上げて、搬送異常を、過度に高感度に検知しないようにするのが好ましい。
即ち、キャリッジ搬送路の主走査方向の長さが、シート搬送手段が搬送するシートの主走査方向の長さよりも長く、ジャムが発生する可能性のある電子機器に対しては、上記閾値を、主走査方向の複数地点(キャリッジ搬送路の複数地点)に対し定めると共に、その際、上記特定領域内の各地点の閾値を、上記特定領域外の各地点の閾値よりも、小さい値に定めるのがよい
このように、閾値を設定すれば、ジャムによる搬送異常が生じない領域において、過度に敏感に搬送異常を検知してしまうことにより、ユーザに不満が及ぶのを防止することができる。一方で、インクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドのノズル部分を傷つけずに済む。
また、閾値の定め方については、次のような方法を採用してもよい。即ち、キャリッジ搬送路における上記特定領域のキャリッジの搬送方向上流側の端に対応する地点の閾値を、その他の各地点の閾値よりも小さい値に定めるようにしてもよい
ジャムが発生するのは、シートの外縁からシート内側にキャリッジが侵入するときである。従って、上述のように閾値を設定すれば、ジャムによる搬送異常については、高感度に検知することができると共に、ジャム以外による搬送異常についての検知感度を下げることができて、過度な搬送異常の検知により、ユーザに不満が及ぶのを抑えることができる。
また、上述の電子機器には、ジャム判定手段により搬送異常がジャムによる搬送異常であると判定されると、ジャムの発生をユーザに向けて報知する報知手段を設けるとよい。このように報知手段を設ければ、ジャムの発生をユーザに伝えて、搬送異常を、迅速にユーザに解消させることができる。
また、本発明は、上述したように、シートにインク液滴を吐出可能な記録ユニット、がキャリッジに搭載された画像形成装置であって、画像形成指令が入力されると、キャリッジ搬送手段に、キャリッジを主走査方向に搬送させると共に、シート搬送手段に、シートを副走査方向に搬送させ、キャリッジが主走査方向へ移動する際には、記録ユニットにインク液滴を吐出させることにより、シートに、画像形成指令にて指定された画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置に適用されると、その効果が一層発揮される
また、画像形成装置には、異常検知手段により搬送異常が検知されると、画像形成手段による画像形成動作を中断させる画像形成中断手段を設けると共に、異常検知手段により搬送異常が検知され、且つ、ジャム判定手段により搬送異常がジャムによる搬送異常であると判定されると、キャリッジ搬送手段に、キャリッジを、当該搬送異常発生時の搬送方向とは逆方向に搬送させる異常時対応手段を設けるとよい
ジャムが発生した場合に、無理に記録ユニットを搭載したキャリッジを搬送すると、記録ユニットのノズル部分が傷ついてしまう可能性がある。従って、ジャムが発生した場合には、キャリッジを後退させるようにすると、このような問題が発生することがなく、好ましい。
また、キャリッジ搬送路の一端に、記録ユニットのインク液滴が吐出されるノズル部分をキャッピングするためのキャッピング部が設けられ、キャッピング部が設けられた端部とは反対側の端部に、記録ユニットのフラッシング動作により吐出されるインク液滴を蓄積するためのフラッシング部が設けられた画像形成装置においては、キャリッジ搬送手段に、キャリッジを逆方向に搬送させて、記録ユニットをキャッピング部又はフラッシング部に配置するように、上記異常時対応手段を構成するのがよい
インク液滴を吐出する構成の記録ユニットについては、キャッピングするかフラッシング動作させないと、ノズル部分に付着したインクが固まって、ノズルが詰まってしまうので、画像形成動作中以外の期間には、記録ユニットを、キャッピング部又はフラッシング部に配置するのが好ましい。従って、上述のように異常時対応手段を構成すれば、ノズルが詰まってしまうのを防止することができる。
但し、キャリッジを後退させても搬送異常が検知される場合に、無理にキャリッジの搬送を続けると、ジャムが酷くなる可能性もある。従って、上記画像形成装置には、異常時対応手段の動作によりキャリッジが逆方向に搬送されているときに、異常検知手段により搬送異常が検知された場合に、キャリッジ搬送手段によるキャリッジの搬送動作を中断させる搬送中断手段を設けるのがよい
また、上述の画像形成装置には、異常検知手段により搬送異常が検知され、且つ、ジャム判定手段により搬送異常がジャムによる搬送異常ではないと判定されると、キャリッジが主走査方向に一往復するように、キャリッジ搬送手段にキャリッジを搬送させるテスト搬送手段と、テスト搬送手段によるキャリッジの搬送中に、異常検知手段により搬送異常が検知された場合には、キャリッジ搬送手段によるキャリッジの搬送動作を中断させるテスト中断手段と、テスト搬送手段の動作によってキャリッジが一往復するまでの期間に、異常検知手段により搬送異常が検知されなかった場合には、画像形成手段に、中断された画像形成動作を再開させる再開制御手段と、を設けるのが好ましい
上述したように、搬送異常には、ジャムによる搬送異常の他、種々の搬送異常があるが、ユーザがキャリッジに触れたり、キャリッジの移動を規制するガイド軸に汚れが付着していることが原因で検知される搬送異常については、その異常検知後、直ぐ異常が解消する可能性が高い。
従って、ジャム以外の搬送異常を検知した場合に、キャリッジを一往復させて異常がなければ、画像形成動作を再開するように装置を構成すれば、画像形成動作が中断されることによって、ユーザに不満が及ぶのを抑制することができ、ユーザに対し使用感に優れた画像形成装置を提供することができる。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された画像形成装置1の構成を表す断面図である。
本実施例の画像形成装置1は、インクジェットプリンタとして構成されたものであり、複数枚の用紙Pが積層された給紙トレイ101と、給紙トレイ101に収容された用紙Pを一枚ずつ分離して搬送路(以下、「用紙搬送路」と表現する。)に送出する給紙ユニット110と、給紙ユニット110を構成する給紙ローラ111の回転により用紙搬送路に送出された用紙Pを、対向配置されたピンチローラ133と共に挟持し、回転動作によって、用紙Pを、記録ユニット40下のインク吐出位置に搬送する搬送ローラ131と、搬送ローラ131から搬送されてきた用紙Pを、対向配置されたピンチローラ143と共に挟持し、回転動作によって、用紙Pを、用紙搬送路下流に位置する図示しない排紙トレイに排出する排紙ローラ141と、用紙搬送路を構成する土手部151及びUターンパス153及びプラテン155と、を備える。
給紙ユニット110は、DC(直流)モータで構成される給紙モータ80の駆動力を受けて給紙ローラ111を回転させる構成にされており、給紙ローラ111を、給紙トレイ101に載置された用紙Pの上面に当接し、給紙ローラ111の回転により、給紙トレイ101に載置された最上部の用紙Pを分離して、用紙搬送路に送出する。
土手部151及びUターンパス153から構成される用紙搬送路の上流部は、給紙ローラ111により送出される用紙Pの移動を規制して、用紙Pを、用紙搬送路下流に位置する搬送ローラ131とピンチローラ133との接点SP1に誘導するためのものであり、Uターンパス153の下流側には、その下方に、用紙Pの下方向への移動を規制して、用紙Pを搬送ローラ131とピンチローラ133との接点SP1に誘導するための補助部154が設けられている。
本実施例の画像形成装置1では、このように構成された用紙搬送路により、給紙ローラ111を通じて給紙トレイ101から送出された用紙Pが、搬送ローラ131及びピンチローラ133の接点SP1に誘導される。
また、画像形成装置1では、接点SP1に用紙Pの先端が到来すると、搬送ローラ131の回転動作により、用紙Pが搬送ローラ131及びピンチローラ133の間に引き込まれ、搬送ローラ131及びピンチローラ133に挟持される。その後、用紙Pは、搬送ローラ131の回転と共に、搬送ローラ131の回転量に相当する距離、用紙搬送路下流(副走査方向)に搬送される。
一方、プラテン155は、搬送ローラ131と排紙ローラ141とを結ぶ用紙搬送路の下流部を構成するものである。このプラテン155は、搬送ローラ131から搬送される用紙Pを、記録ユニット40によってインクが吐出されるインク吐出位置に誘導すると共に、記録ユニット40のインク吐出動作により画像が形成された用紙Pを、排紙ローラ141とピンチローラ143との接点SP2に誘導する。
用紙Pは、このプラテン155に沿って排紙ローラ141側へと搬送され、先端が排紙ローラ141とピンチローラ143との接点SP2に到達すると、排紙ローラ141の回転と共に、排紙ローラ141とピンチローラ143との間に引き込まれ、排紙ローラ141及びピンチローラ143により挟持される。その後、用紙Pは、排紙ローラ141の回転と共に、図示しない排紙トレイへと排出される。
尚、排紙ローラ141及び搬送ローラ131は、同径のローラとして構成され、同一の駆動源により駆動される。即ち、搬送ローラ131及び排紙ローラ141は、ベルトにて連結されており、連動して回転する。また、搬送ローラ131は、DC(直流)モータで構成されるLFモータ70の駆動力を受けて回転する。
その他、記録ユニット40は、インク液滴を吐出するためのノズル40a(図2参照)が、プラテン155に対向する底面に複数配列された構成にされている。この記録ユニット40は、主走査方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に移動可能なキャリッジ50に搭載されており、キャリッジ50は、DC(直流)モータで構成されるCRモータ60により駆動され、主走査方向に移動する。
図2は、画像形成装置1が備えるキャリッジ搬送機構の構成を表す図である。但し、図2に示すノズル40aは、概念的なものであり、記録ユニット40のノズル40aは、周知のインクジェットヘッドと同様に記録ユニット40の底面に形成されているものとする。
図2に示すように、画像形成装置1が備えるキャリッジ搬送機構においては、キャリッジ50が、ガイド軸160に沿って移動可能に設置され、無端ベルト170に連結されている。
無端ベルト170は、CRモータ60の駆動力を受けて回転するプーリー171とアイドルプーリー173との間に掛けられ、CRモータ60の駆動力を、プーリー171を介して受けて回転する。即ち、キャリッジ搬送機構は、CRモータ60の駆動力を受けて、無端ベルト170が回転することにより、キャリッジ50が、ガイド軸160に沿って主走査方向に移動する構成にされている。
また、画像形成装置1には、図2に示すように、ガイド軸160に沿って、スリットが一定の微小間隔で形成されたタイミングスリット180が設けられ、タイミングスリット180に形成されたスリットの間隔を読み取ってキャリッジ50の位置に対応したパルス信号(エンコーダ信号)を出力するセンサ素子(図示せず)が、キャリッジ50の主走査方向中央に設けられている。このようにして、本実施例においては、タイミングスリット180とセンサ素子とにより、リニアエンコーダ65が構成されている。
この他、ガイド軸160に沿うキャリッジ搬送路のホームポジション(HP)側の端部には、キャッピング部191が設けられている。尚、ここで言うキャリッジ搬送路とは、キャリッジ50がガイド軸160に沿って移動可能な主走査方向のエリアのことである。
キャッピング部191は、キャップと、キャップを記録ユニット40の底面にキャッピングするための図示しないキャッピング機構と、からなる。
このキャッピング部191については、周知のインクジェットプリンタと同様の構成を有するので、ここでは簡単に説明するが、キャッピング部191は、キャリッジ50がホームポジションから離脱しているときには、キャップを下方に下げ、キャリッジ50がホームポジション側に接近してくると、キャリッジ50の押圧力により、機械的に、キャップを上方に徐々に押し上げ、キャリッジ50がホームポジションに到達した時点で、キャップを下方から記録ユニット40の底面に装着して、キャッピングを完了する構成にされている。
また、キャリッジ搬送路のホームポジションとは反対側の端部には、フラッシング部195が設けられている。フラッシング部195は、記録ユニット40のノズル40aから吐出されるインクを受けて吸収するフラッシングフォームからなる。以下では、フラッシング部195が設けられたキャリッジ搬送路上の地点を「フラッシング位置」と表現する。
尚、本実施例の画像形成装置1は、A4サイズ以下の用紙を給紙可能に構成にされており、キャリッジ搬送路の主走査方向の長さは、A4サイズの用紙Pの横方向(主走査方向)の長さ(横幅)に、キャッピングに必要なエリア及びフラッシングに必要なエリアの主走査方向長さを加算して得られる長さより、長く設定されている。
続いて、画像形成装置1の電気的構成について説明する。図3は、画像形成装置1の電気的構成を表すブロック図である。
本実施例の画像形成装置1は、上述した構成要素の他、CPU11と、CPU11が実行するプログラム等を記憶するROM13と、CPU11によるプログラム実行時に作業領域として使用されるRAM15と、各種設定情報を記憶するEEPROM17と、外部装置90から送信されてくる印刷画像データを受信する通信インタフェース19と、各種操作キー及びメッセージ表示用の液晶ディスプレイ及びスピーカを備えるユーザインタフェース21と、印字/モータ制御部30と、記録ユニット40及びCRモータ60及びLFモータ70及び給紙モータ80の夫々を駆動する駆動回路41,61,71,81と、ロータリエンコーダ75,85と、用紙センサ55と、を備える。
また、印字/モータ制御部30は、印字制御部31と、キャリッジ制御部33と、用紙搬送制御部35と、給紙制御部37と、信号処理部34,36,38とを備える。
印字制御部31は、記録ユニット40によるインク液滴の吐出動作を制御するものであり、CPU11から入力される指令に従い、駆動回路41を通じて記録ユニット40を駆動し、記録ユニット40によるインク液滴の吐出動作を制御する。
具体的に、印字制御部31は、インク液滴の吐出動作を制御することで、記録ユニット40に、CPU11から入力された印刷画像データに基づく画像を、対向する用紙Pに形成させる。
また、キャリッジ制御部33は、キャリッジ50の搬送制御を司るものである。インク液滴を目的の地点に着弾させるために、画像形成時には、キャリッジ50を定速制御する必要があるが、キャリッジ制御部33は、このようなキャリッジ50の搬送制御を、CPU11からの指令に従って実行する。
具体的に、キャリッジ制御部33は、駆動回路61を介してCRモータ60を駆動し、CRモータ60の駆動電圧又は電流を制御することにより、キャリッジ50の搬送制御を実現する(詳細後述)。また、キャリッジ制御部33には、上記搬送制御のため、信号処理部34からキャリッジ50の位置X及び速度Vの情報が入力される。
信号処理部34は、リニアエンコーダ65から入力されるエンコーダ信号(A相信号及びB相信号)を処理して、キャリッジ50の位置X及び速度Vを導出するものである。
エンコーダ信号を用いた位置X及び速度Vの導出方法については周知なので、ここでは簡単に説明するが、例えば、信号処理部34は、リニアエンコーダ65から入力されるエンコーダ信号のエッジを検出し、A相信号についてのエッジ検出間隔(隣接するエッジの時間間隔)を計測し、計測した時間間隔(エッジ検出間隔)の逆数を、キャリッジ50の速度Vとしてキャリッジ制御部33に入力する。
更には、A相信号及びB相信号の位相差からキャリッジ50の移動方向を特定すると共に、キャリッジ50が「順方向」に移動しているときには、A相信号のエッジ検出毎に、キャリッジの位置を表す変数Xを1カウントアップし、キャリッジ50が「逆方向」に移動しているときには、エッジ検出毎に、キャリッジの位置を表す変数Xを1カウントダウンすることにより、キャリッジ50の位置Xを導出する。尚、このキャリッジ50の位置Xの情報は、インク液滴の吐出制御にも必要であるので、印字制御部31にも入力される。
また、用紙搬送制御部35は、CPU11からの指令に従い、駆動回路71を介してLFモータ70を制御することにより、用紙Pの搬送を制御するものである。この用紙搬送制御部35には、信号処理部36から、用紙Pの搬送量及び速度の情報が入力される。
具体的に、LFモータ70の回転軸には、ロータリエンコーダ75が設けられており、信号処理部36は、このロータリエンコーダ75から入力されるエンコーダ信号に基づき、用紙の搬送量及び速度を導出し、この情報を用紙搬送制御部35に入力する。
また、給紙制御部37は、CPU11からの指令に従い、駆動回路81を介して給紙モータ80を制御することにより、給紙トレイ101から搬送ローラ131側への用紙Pの供給動作を実現するものである。この給紙制御部37には、信号処理部38から、用紙の搬送量及び速度の情報が入力される。
具体的に、給紙モータ80の回転軸には、ロータリエンコーダ85が設けられており、信号処理部38は、ロータリエンコーダ85から入力されるエンコーダ信号に基づき、用紙の搬送量及び速度を導出し、この情報を給紙制御部37に入力する。
CPU11は、このような構成の印字/モータ制御部30の各部に対して指令入力することにより、主走査方向への画像形成動作、及び、主走査方向とは直交する副走査方向への用紙Pの搬送動作を統括的に制御し、用紙Pに外部装置90から入力された印刷画像データに基づく画像を形成する。
また、CPU11は、画像形成動作に伴うキャリッジの搬送時に、キャリッジ制御部33により搬送異常が検知されると、この搬送異常の発生時点でのキャリッジ50の位置Xの情報に基づき、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを判定し、その判定結果に従って、発生した搬送異常に対応した処理を実行する(印刷制御処理)。
続いて、CPU11が実行する印刷制御処理について説明する。図4及び図5は、CPU11が実行する印刷制御処理を表すフローチャートである。CPU11は、通信インタフェース19を通じて外部装置90から、印刷指令と共に印刷画像データを受信すると、図4及び図5に示す印刷制御処理を開始する。
印刷制御処理を開始すると、CPU11は、外部装置90からの受信データに基づき、給紙トレイ101から供給される用紙のサイズ及び紙質を特定する(S110)。ここで、用紙サイズ及び紙質を特定するのは、キャリッジ搬送路において、ジャムが発生する領域とそうでない領域を判別するためである。
即ち、本実施例の外部装置90は、普通紙、光沢紙、はがき等の紙質及びA4,B5,A5等の用紙サイズの情報を、印刷設定データとして、印刷指令及び印刷画像データと共に送信する構成にされている。CPU11は、S110において、印刷画像データと共に受信した上記印刷設定データが示すこれらの情報に基づき、給紙トレイ101から供給される用紙のサイズ及び紙質を特定する。
尚、紙質を特定するのは、紙の「変形のしやすさ」によって、ジャムの発生態様が変化するためである。「変形のしやすさ」は、紙の材質や仕上げ、紙厚等の影響を受けて変化するが、「変形のしやすさ」については、ユーザからその情報を得るのは、困難である。また、給紙トレイ101に載置された用紙Pの「変形のしやすさ」を用紙搬送路において計測するのも困難である。
また、紙厚の情報については、ユーザから紙厚の具体的数値を入力してもらうことにより得ることも可能であるが、そのような入力操作は、ユーザに対して過度の設定操作を求めることになり、画像形成装置に対するユーザの利便性が損なわれる可能性がある。
このため、本実施例では、「変形のしやすさ」を表す指標として、普通紙、光沢紙、はがき等の紙質の情報を用いる。但し、本実施例では、普通紙よりも光沢紙のほうが厚く、光沢紙よりもはがきのほうが厚いと仮定して、ここで特定した紙質の情報に基づき、後述の処理を行う。
S110にて、用紙サイズ及び紙質を特定すると、CPU11は、給紙制御部37に指令入力し、給紙ユニット110による給紙動作が開始されるようにする(S120)。即ち、S120では、給紙制御部37に、給紙モータ80を制御させ、給紙ユニット110に給紙動作を開始させる。
また、給紙動作を開始させると、CPU11は、キャリッジの走査方向を「順方向」に設定する(S130)。但し、本実施例では、主走査方向であってホームポジションからフラッシング位置へ向かう方向を、特に「順方向」といい、主走査方向であってフラッシング位置からホームポジションに向かう方向を、特に「逆方向」という。
S130での処理を終えると、CPU11は、S140に移行し、現在設定されている走査方向及び特定した用紙サイズ及び紙質の情報に基づき、ジャム判定領域を設定する。ジャム判定領域とは、キャリッジ搬送路の内、搬送異常が発生したときに、搬送異常がジャムであると判定すべき領域のことを言う。
詳述すると、EEPROM17には、ジャム判定領域として設定すべき主走査方向のエリアを表す領域定義テーブルが記憶されており、CPU11は、この領域定義テーブルに従って、主走査方向にジャム判定領域を設定する。図6は、領域定義テーブルの構成を表す図である。
EEPROM17には、領域定義テーブルとして、走査方向が「順方向」に設定された場合に参照すべき順方向領域定義テーブルTBL1と、走査方向が「逆方向」に設定された場合に参照すべき逆方向領域定義テーブルTBL2と、が書き込まれており、各領域定義テーブルには、用紙サイズ毎、及び、紙質毎に、ジャム判定領域として設定すべきエリアが、エリア両端の位置座標で定義され記述されている。尚、エリア両端の位置座標は、信号処理部34から得られるキャリッジ50の位置Xの座標系で表される。
このエリアは、予め設計段階で次のように定められる。即ち、画像形成装置1の構造からキャリッジ搬送路を横断する用紙Pの通過領域は、一意に定まるが、図7及び図8に示すように、ジャム判定領域として設定すべきエリアの走査方向上流の始点R1は、用紙Pの左右側縁の内、走査方向上流に位置する側縁に、キャリッジ50の走査方向下流の先端が接触する位置に定められる。図7は、「順方向」についてのジャム判定領域を表す説明図であり、図8は、「逆方向」についてのジャム判定領域を表す説明図である。
まず、「順方向」のジャム判定領域の定め方について図7を用いて詳述すると、走査方向が「順方向」に設定されているときには、後述するS170の処理にて、キャリッジ50が「順方向」即ちホームポジションからフラッシング位置の方向へと搬送されることになる。
このため、キャリッジ搬送路におけるホームポジション側を「右」、フラッシング位置側を「左」として左右を定義すると、キャリッジ50は、図7(a)に示すように、用紙Pの右側縁P_Rに対向する位置(用紙通過領域右端)から用紙Pの内側領域(用紙通過領域内側)に移動した後、用紙Pの左側縁P_Lに対向する位置(用紙通過領域左端)から、用紙通過領域を抜けることになり、図7(b)に示すように、用紙Pの右側縁P_Rにキャリッジ50が引っ掛かることでジャムが発生することになる。
一方、本実施例の画像形成装置1は、図7(b)に示すように、キャリッジ50の実速度Vと目標速度Vrとの偏差e=Vr−Vが異常判定値Erを超えたことを条件に搬送異常を検知し、搬送異常検知時に信号処理部34から得られたキャリッジ50の位置Xが、ジャム判定領域内にあるか否かによって、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを判定する。
このため、搬送異常は、キャリッジ50が用紙Pに接触してジャムが発生し始めた時点から遅れて、検知されることになり、搬送異常がジャムであるか否かを判定する指標となる「搬送異常検知時のキャリッジ50の位置X」は、用紙Pの右側縁P_Rから用紙通過領域内側に入り込んだ位置となる。
従って、「順方向」のジャム判定領域については、用紙Pの右側縁P_Rにキャリッジ50の走査方向先端が接触するキャリッジ搬送路内の位置を始点R1として、それより走査方向下流に定める。
但し、リニアエンコーダ65を構成するセンサ素子は、キャリッジ50の主走査方向中央に設けられており、キャリッジ位置検出点は、キャリッジ50の主走査方向中央である。即ち、信号処理部34から得られるキャリッジ50の位置Xは、図7(a)に示すように、キャリッジ50の走査方向先端位置からΔずれているため、ジャム判定領域の始点R1は、それに合わせて、用紙Pの右側縁P_Rが通過する地点PPRよりもΔ分走査方向上流に遡った地点に定める。
また、ジャム判定領域の終点R2は、用紙Pの「変形のしやすさ」を考慮して定める。具体的には、設計段階で、試験によりジャムを故意に発生させ、ジャムが発生したときに、キャリッジ搬送路におけるどの位置で搬送異常が検知されるかについての統計データを、紙質毎に取得する。
そして、「ジャムが発生しているにも拘わらずキャリッジ50の位置Xがジャム判定領域にないことに起因して、搬送異常がジャムによる搬送異常でないと判定される確率」(ジャム誤判定率)が許容範囲内(例えばゼロ)となる位置であって、ジャム判定領域の主走査方向の長さが最も短くなる位置を、ジャム判定領域の終点R2に定める。
本実施例では、このようにして、ジャム判定領域として適切なエリアを設計段階で試験により定め、このエリアの情報を、領域定義テーブルに表して、順方向領域定義テーブルTBL1を作成する。
このような手法で順方向領域定義テーブルTBL1を作成すると、ジャム判定領域として設定すべきエリアは、例えば、図7(c)に示すように定義されることになる。即ち、用紙サイズが同一である場合には、「普通紙」の紙厚よりも「光沢紙」の紙厚のほうが大きいため、上記エリアの主走査方向の長さは、「普通紙」よりも「光沢紙」のほうが短く定義される。紙質が同一である場合、上記エリアの主走査方向の長さは、用紙サイズが小さいほど、短く定義される。
尚、ジャム判定領域の終点R2の限界は、「順方向」の場合、「用紙Pの左側縁P_Lにキャリッジ50の走査方向先端が到達する位置」となる。ジャムによる搬送異常は、用紙Pの左側縁P_Lが搬送ローラ131等で動かないように規制されている限り、用紙Pの左側縁P_Lよりも走査方向下流にキャリッジ50が移動した時点で検知されることは、基本的にないからである。
また、逆方向領域定義テーブルTBL2についても、順方向領域定義テーブルTBL1と同様の思想により作成する。「逆方向」のジャム判定領域を定義するに際して考慮すべき点は、キャリッジ50の走査方向が異なる関係上、ジャムが、用紙Pの左側縁P_Lとキャリッジ50との接触により発生する点(図8(b)参照)、及び、用紙Pの右側縁P_Rが用紙サイズに依らず用紙搬送路の同じ位置を通過するように画像形成装置1が構成されている関係上、ジャム判定領域の始点R1を定める基準となる用紙Pの左側縁P_Lの位置が、用紙サイズによって変化する点である(図8(a)参照)。
即ち、走査方向が「逆方向」に設定されているときには、後述するS170の処理にて、キャリッジ50がフラッシング位置からホームポジションの方向へと搬送されることになるので、キャリッジ50は、図8(a)に示すように、用紙Pの左側縁P_Lに対向する位置(用紙通過領域左端)から用紙Pの内側領域(用紙通過領域内側)に移動した後、用紙Pの右側縁P_Rに対向する位置(用紙通過領域右端)から、用紙通過領域を抜けることになり、用紙Pの左側縁P_Lにキャリッジ50が引っ掛かることでジャムが発生する。
このため、「逆方向」のジャム判定領域については、用紙Pの左側縁P_Lにキャリッジ50の走査方向先端が接触するキャリッジ搬送路内の位置を始点R1として、それより走査方向下流に定める。
但し、順方向の場合と同様、リニアエンコーダ65を構成するセンサ素子は、キャリッジ50の主走査方向中央に設けられており、キャリッジ位置検出点は、キャリッジ50の主走査方向中央であるので、信号処理部34から得られるキャリッジ50の位置Xは、図8(a)に示すように、キャリッジ50の走査方向先端位置からΔずれている。更に、用紙Pの左側縁P_Lが通過する地点は、用紙サイズによって異なるので、各用紙サイズに対応するジャム判定領域の始点R1については、対応するサイズの用紙Pの左側縁P_Lが通過する地点PPLよりもΔ分走査方向上流に遡ったそれぞれの地点に定める。また、各用紙サイズ及び紙質についてのジャム判定領域の終点R2については、ジャム判定領域の始点R1から、同用紙サイズ及び同紙質についての「順方向」のジャム判定領域の主走査方向長さと同じ距離分、走査方向下流に離れた位置に定める。
本実施例では、このようにしてジャム判定領域として適切なエリアを定め、このエリアを表した逆方向領域定義テーブルTBL2を作成する。尚、本実施例では、キャリッジ位置検出点を、キャリッジ50の主走査方向中央に設定しているので、Δの値は、順方向と逆方向とで一致するが、Δの値は、順方向と逆方向で異なっても良い。
S140で、EEPROM17に記憶されている上記順方向領域定義テーブルTBL1及び逆方向領域定義テーブルTBL2の内、現在設定されている走査方向に対応した領域定義テーブルに基づいて、現在特定されている用紙サイズ及び紙質に対応するジャム判定領域を設定し終えると、CPU11は、S150に移行する。
但し、S140では、必ず走査方向が「順方向」に設定されているので、順方向領域定義テーブルTBL1に基づいて、ジャム判定領域を設定することになる。ちなみに、逆方向領域定義テーブルTBL2は、後述するS200で、走査方向が反転され「逆方向」に設定された際に、S220の処理にて参照される(詳細後述)。
また、S150に移行すると、CPU11は、キャリッジ搬送路におけるS140で設定したジャム判定領域以外の領域を、非ジャム判定領域と取扱って、キャリッジ搬送路における各地点の閾値Thを設定する。尚、閾値Thは、キャリッジ制御部33に対し設定されるものであり、キャリッジ制御部33において上記異常判定値Erとして用いられる(図7及び図10参照)。
具体的に、S150では、非ジャム判定領域内の各地点の閾値Thを、ジャム以外の搬送異常を検知するのに最適な値として設計段階で定められた第一の閾値Th1に設定する(図9参照)。そして、ジャム判定領域における最も走査方向上流に位置する地点R1の閾値Thを、ジャムによる搬送異常を検知するのに最適な値として定められた第二の閾値Th2に設定する。
但し、第二の閾値Th2は、第一の閾値Th1よりも小さい値を採るものとする。ジャムによる搬送異常については、搬送異常の検知が遅れると記録ユニット40のノズル部分にダメージを与える結果となることから、搬送異常を高感度に検知できるようにするのが好ましい。
このため、本実施例では、第二の閾値Th2として、第一の閾値Th1よりも十分小さい値を採用する。このように閾値設定することで、走査方向上流側の用紙側縁(外縁)周辺においては、小さい偏差eでも搬送異常が検知されるようにする。
また、ジャム判定領域内のその他の各地点の閾値Thについては、ジャム判定領域の走査方向上流の始点R1から走査方向下流の終点R2にかけて、閾値Th2から閾値Th1までを滑らかに変化(増加)するように、設定する。
図9は、閾値Thの設定例を示した説明図である。図9に示す例では、ジャム判定領域の走査方向上流の始点R1から走査方向下流の終点R2までの各地点の閾値Thを、直線的に定めている。
具体的に、図9(a)は、走査方向が「順方向」であって用紙サイズが「A4」であり紙質が「普通紙」であるときの閾値Thを表す。一方、図9(b)は、走査方向が「順方向」であって用紙サイズが「はがき」であり紙質が「はがき」であるときの閾値Thを表し、図9(c)は、走査方向が「逆方向」であって用紙サイズが「A4」であり紙質が「普通紙」であるときの閾値Thを表す。
尚、本実施例では、信号処理部34から得られる位置Xより高精度の位置情報を得ることができないため、信号処理部34から得られる位置Xの最小単位毎に、閾値Thを設定することで、キャリッジ搬送路における各地点の閾値Thを設定する。但し、閾値Thは、離散的な値ではなく、閾値Th1及び閾値Th2、並びに、ジャム判定領域の左右端点の位置Xをパラメータとした関数(例えば、一次関数)として設定されてもよい。
また、S150での処理を終えると、CPU11は、S120で開始された給紙動作が完了するまで待機し(S160)、給紙動作が完了すると(S160でYes)、用紙搬送制御部35に指令入力して、用紙搬送制御部35に、給紙された用紙を、画像形成開始位置(先頭ライン)が記録ユニット40によるインク吐出位置に到達するまで搬送させる(S165)。
その後、CPU11は、印字/モータ制御部30に指令入力することにより、印字/モータ制御部30に、1パス分の画像形成動作を開始させる(S170)。尚、「1パス分の画像形成動作」とは、キャリッジを走査方向に片道分定速移動させてキャリッジ走査を行うと共に、この際にインク液滴を記録ユニット40から吐出させることにより、用紙Pに所定ライン数分(例えば1ライン分。記録ユニット40の能力による。)の画像を形成する動作のことを言う。
例えば、S170では、印字制御部31に、受信した印刷画像データであって、当該印字制御部31に画像形成させるべきラインの印刷画像データを入力すると共に、キャリッジ制御部33に、目標速度軌跡(各時刻の目標速度Vr)及び減速開始位置及び走査方向等を指定して、前段の処理(S130又はS200)で設定された走査方向に、キャリッジ50を搬送させることにより、印字/モータ制御部30に、1パス分の画像形成動作を開始させる。
ここで、CPU11が実行する印刷制御処理の説明を一旦中断し、S170でCPU11から入力される指令によりキャリッジ制御部33が実行する処理について、図10を用いて説明する。図10は、S170で入力されるCPU11からの指令を受けて、キャリッジ制御部33が実行する処理を表すフローチャートである。
キャリッジ制御部33は、CPU11からの上記指令を受けると、信号処理部34から得られるキャリッジ50の位置Xが、減速開始位置に到達するまで(S510でNo)、S520〜S560の処理を実行する。具体的には、目標速度Vrと信号処理部34から得られるキャリッジ50の実速度Vとの偏差e=Vr−Vを算出する(S520)。
尚、CPU11からは、図10下段に示す目標速度軌跡を指定することにより、キャリッジ50が加速状態から定速状態に滑らかに移行できるようにする。
そして、偏差eの算出後には、CPU11による前段の処理(S150又はS230)で設定された閾値Thであって、信号処理部34から得られた現在のキャリッジ50の位置Xに対応する地点の閾値Thを、異常判定値Erに設定し(S530)、偏差eが異常判定値Erを超えているか否かを判断する(S540)。
そして、偏差eが異常判定値Er以下であると判断すると(S540でNo)、偏差eに対応する操作量uを、所定の伝達関数により算出し(S550)、算出した操作量uを駆動回路61に設定することにより、駆動回路61に、操作量uに対応する駆動電圧又は駆動電流で、CRモータ60を駆動させる(S560)。
このようにして、キャリッジ制御部33は、偏差eからCRモータ60に入力する駆動電圧又は駆動電流を決定し、これによって、キャリッジ50の主走査方向の速度を、目標速度Vrに一致させるようにフィードバック制御し、キャリッジ50を定速制御する(S560)。
また、S560での処理を終えると、キャリッジ制御部33は、S510に移行し、キャリッジ50が減速開始位置に到達すると(S510でYes)、S570に移行して、CRモータ60(間接的にはキャリッジ50)を減速・停止させることにより、1パス分のキャリッジ走査を完了する。
一方、偏差eが異常判定値Erを超えていると判断すると(S540でYes)、キャリッジ制御部33は、信号処理部34から得られた現在のキャリッジの位置Xを、中断位置X0として記憶すると共に(S580)、搬送異常の検知をCPU11に通知する(S590)。また、印字制御部31に対して搬送異常の検知を通知することによって、印字制御部31によるインク吐出動作を中断させる。
また、S590での処理を終えると、S600に移行し、CRモータ60(キャリッジ50)を減速・停止させる。このようにして、搬送異常を検知した場合には、キャリッジ走査を一旦中断し、「1パス分の画像形成動作」を一旦中断する。
話をCPU11が実行する印刷制御処理に戻す。CPU11は、「1パス分の画像形成動作」を開始させた後には、キャリッジ制御部33により搬送異常が検知されるか、キャリッジ走査が完了するまで待機する(S180,S185)。
そして、搬送異常が検知されずに(搬送異常検知の通知を受けることなく)、キャリッジ走査が完了すると(S185でYes)、S190に移行し、1頁の最終ラインまで「1パス分の画像形成動作」を実行したか否かを判断し、最終ラインまで実行していないと判断すると(S190でNo)、走査方向を現在設定されている方向と反対方向に再設定する(S200)。
即ち、走査方向が「順方向」に設定されている場合には、走査方向を「逆方向」に再設定し、走査方向が「逆方向」に設定されている場合には、走査方向を「順方向」に再設定する。このように走査方向を反転させることにより、本実施例の画像形成装置1は、キャリッジ50を往復運動させる。
また、走査方向を再設定すると(S200)、直前のキャリッジ走査時に、キャリッジ50に設けられた用紙センサ55から得られた用紙端の検出結果に基づき、給紙トレイ101から供給された用紙サイズを再特定する(S210)。
即ち、S110で特定される用紙サイズは、外部装置90から通知された用紙サイズであり、給紙トレイ101から供給される用紙Pのサイズと一致することが保証されていない。このため、S210では、ジャム判定の精度を高めるため、実際に供給された用紙Pの用紙サイズを特定する。尚、S210の処理については、給紙後、1度のみ実行されればよい。
この後には、S210で再特定した用紙サイズ及び印刷設定データから特定された紙質の情報に基づき、ジャム判定領域を再設定する(S220)。具体的に、S220では、EEPROM17に記憶されている上記順方向領域定義テーブルTBL1及び逆方向領域定義テーブルTBL2の内、直前のS200で再設定された走査方向に対応する領域定義テーブルを参照し、S210で再特定した用紙サイズ及び印刷設定データから特定された紙質に対応するエリアを、ジャム判定領域に設定することで、ジャム判定領域を再設定(更新)する。
また、ジャム判定領域を再設定(更新)すると、CPU11は、S230に移行し、キャリッジ搬送路におけるS220で再設定したジャム判定領域以外の領域を、非ジャム判定領域と取扱って、キャリッジ搬送路における各地点の閾値Thを、S150と同様の手法で、設定する。
S230での処理を終えると、CPU11は、S240に移行し、用紙搬送制御部35に指令入力することにより、用紙搬送制御部35に、用紙Pを1パス分の距離、搬送方向下流に搬送させる。尚、ここでいう「1パス分の距離」は、S170における「1パス分の画像形成動作」によって用紙Pに形成可能な画像の副走査方向の長さに対応する。
また、S240での処理を終えると、CPU11は、S170に移行し、上述した手法で「1パス分の画像形成動作」を印字/モータ制御部30に開始させ、更に、S180以降の処理を実行する。
そして、最終ラインまでの画像形成動作が完了すると(S190でYes)、S250に移行し、用紙搬送制御部35に指令入力することにより、用紙搬送制御部35に、用紙Pを排紙トレイまで排出する処理を実行させる。その後には、S260に移行し、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50をホームポジションまで移動させる。
更に、CPU11は、外部装置90から受信した印刷画像データに、用紙Pに画像形成していない次頁のデータがあるか否かを判断し(S270)、次頁のデータがあると判断すると(S270でYes)、S120に移行して、次頁のデータについて、S120以降の処理を実行し、次頁のデータがないと判断すると、当該印刷制御処理を終了する。
一方、「1パス分の画像形成動作」の実行中に、キャリッジ制御部33により搬送異常が検知され、キャリッジ制御部33から搬送異常の検知が通知されると(S180でYes)、キャリッジ制御部33から中断位置X0の情報を取得し(S280)、搬送異常検知時のキャリッジ50の位置である上記中断位置X0の情報に基づき、発生した搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを判断する(S290)。具体的には、中断位置X0がジャム判定領域内にあるとき、ジャムによる搬送異常であると判断し、中断位置X0がジャム判定領域外にあるとき、ジャムによる搬送異常ではないと判断する。但し、ここでは、ジャム判定領域の端点(始点R1及び終点R2)を、ジャム判定領域内と取扱うものとする。
そして、搬送異常がジャムによる搬送異常ではないと判断すると(S290でNo)、S300に移行し、キャリッジ制御部33に指令入力して、テスト搬送動作を、キャリッジ制御部33に開始させる。尚、ここでいう「テスト搬送動作」とは、「搬送異常の検知によりキャリッジ50が停止した地点」から走査方向に、キャリッジ搬送路の走査方向側の端点まで、キャリッジ50を搬送し、その後、キャリッジ搬送路の反対側の端点までキャリッジ50を搬送し、更に、その端点から「搬送異常の検知によりキャリッジ50が停止した地点」までキャリッジ50を搬送する動作のことを言う。
また「テスト搬送動作」の実行に際しては、キャリッジ制御部33に対し、上記「1パスの画像形成動作」実行時の目標速度軌跡よりも低速度の目標速度軌跡を指定することにより、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50を、低速度で定速搬送させる。
即ち、S300では、キャリッジ50を「搬送異常の検知によりキャリッジ50が停止した地点」を基点として低速で一往復させる処理の実行を、キャリッジ制御部33に開始させる。尚、この際には、当然であるが、印字制御部31を作動させないで、インク液滴の吐出動作が実行されないようにする。
また、テスト搬送動作を、キャリッジ制御部33に開始させた後には、キャリッジ制御部33により搬送異常が検知されるか、テスト搬送動作が完了するまで待機する(S310,S315)。
尚、キャリッジ制御部33は、テスト搬送時においても、図10に示す処理と同様の手順で、目標速度Vrと実速度Vとの偏差eを求め、偏差eが異常判定値Erを超えると搬送異常の検知をCPU11に通知すると共に、キャリッジ50を緊急停止するものとする。
但し、本実施例では、非常用の異常判定値として予め設計段階で固定値を定め、この固定値を、テスト搬送時の異常判定値Erとして用いるものとする。更に言えば、非常用の異常判定値として、十分に小さい値を定める。なぜなら、一度搬送異常が検出された状態では、無理にキャリッジ50を搬送することは好ましくないためである。
以下では、「1パス分の画像形成動作」時に搬送異常が検知された場合(即ち、S180でYesと判断された場合)、その時点から「1パス分の画像形成動作」が再開されるか(即ち、S330の処理が実行されるか)、搬送異常が解消して給紙動作が開始されるまでの期間(即ち、S380又はS430でYesと判断されてS120の処理による給紙動作が開始されるまでの期間)、キャリッジ制御部33は、キャリッジ50の搬送の際、常時、上記非常用の異常判定値Erと偏差eとの比較により、搬送異常を検知し、搬送異常を検知した場合には、キャリッジ50を緊急停止するものとする。
CPU11は、搬送異常が検知されることなくテスト搬送動作が完了すると(S315でYes)、S320に移行し、キャリッジ制御部33に指令入力して、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50を、中断位置X0よりも走査方向上流に所定距離離れた再開位置まで搬送させ、当該再開位置に、キャリッジ50を配置する。尚、再開位置から中断位置X0までの距離は、キャリッジ50が停止状態から定速状態に移行するまでに必要な距離である。
その後、CPU11は、印字/モータ制御部30に指令入力して、搬送異常の検知により中断された「1パス分の画像形成動作」を、印字/モータ制御部30に、再開させる(S330)。
具体的には、キャリッジ制御部33に、上記再開位置から走査方向にキャリッジ50を図10に示す手順で搬送させると共に、中断位置X0に到達した時点で、中断位置X0以降のインク吐出動作を、印字制御部31を通じて記録ユニット40に実行させる。また、S330の処理後には、S180に移行する。
一方、テスト搬送中に、キャリッジ制御部33において搬送異常が検知されると(S310でYes)、CPU11は、S317に移行し、搬送異常が発生したことをユーザに報知するための警報であって搬送異常の解消をユーザに促すための警報を、音及びメッセージの形態で、ユーザインタフェース21を通じて出力する。尚、S317では、S290での判断結果に従って、搬送異常の種類(ジャムによる搬送異常であるか否か)についてもユーザにメッセージを通じて報知する。その後、当該印刷制御処理を終了する。
続いて、搬送異常がジャムによる搬送異常であると判断した後の処理(S290でYesと判断した後の処理)を、図5を用いて説明する。CPU11は、搬送異常がジャムによるものと判断すると、S340に移行し、搬送異常検知時の走査方向が「順方向」であるか「逆方向」であるかによって処理を切り替える。具体的に、走査方向が「順方向」である場合には、S350に移行し、走査方向が「逆方向」である場合には、S390に移行する。
そして、S350に移行すると、キャリッジ制御部33に指令入力することにより、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50をホームポジションまで後退させる動作を実行させる。尚、この際には、テスト搬送時と同様、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50を、低速度で定速搬送させる。
また、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50をホームポジションまで後退させる動作を開始させた後には、キャリッジ制御部33により搬送異常が検知されるか、キャリッジ50がホームポジションに到達することによりキャッピングが完了するまで待機する(S360,S365)。
そして、搬送異常が検知されるか(S360でYes)、キャリッジ50がホームポジションに到達すると(S365でYes)、S370に移行し、S317と同様の手法で、警報を、ユーザインタフェース21を通じて出力する。具体的には、警報出力により、ジャムによる搬送異常が発生したことを報知し、ジャムの解消をユーザに促す。
また、この警報出力後には、ユーザインタフェース21を通じて異常が解消した旨の操作信号がユーザから入力されるまで待機し(S380)、異常が解消した旨の操作信号がユーザから入力されると(S380でYes)、S120に移行して、画像形成動作中断時の頁についての画像形成動作を、給紙動作からやり直す。
一方、S390に移行すると、CPU11は、キャリッジ制御部33に指令入力することにより、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50をフラッシング位置まで後退させる動作を実行させる。尚、この際には、テスト搬送時と同様、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50を、低速度で定速搬送させる。
また、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50をフラッシング位置まで後退させる動作を開始させた後には、キャリッジ制御部33により搬送異常が検知されるか、キャリッジ50がフラッシング位置に到達するまで待機する(S400,S405)。
そして、搬送異常が検知された場合には(S400でYes)、S420に移行し、S370と同様の警報を、ユーザインタフェース21を通じて出力した後、S430に移行する。
一方、キャリッジ50がフラッシング位置に到達した場合には(S405でYes)、S410に移行し、S370と同様の警報を、ユーザインタフェース21を通じて出力すると共に、印字制御部31に指令入力することにより、フラッシング動作を開始させる。即ち、インクが乾燥してノズル部分が詰まらないように、記録ユニット40に断続的にインク液滴をノズルからフラッシングフォームに向けて吐出させる。その後、S430に移行する。
また、S430に移行すると、CPU11は、ユーザインタフェース21を通じて異常が解消した旨の操作信号がユーザから入力されるまで待機し(S430)、当該操作信号が入力されると(S430でYes)、印字制御部31に指令入力することにより、フラッシング動作を終了させる(S440)。
そして、キャリッジ制御部33に、キャリッジ50をホームポジションまで搬送させた後(S450)、S120に移行し、画像形成動作中断時の頁についての画像形成動作を、給紙動作からやり直す。
以上、本実施例の画像形成装置1について説明したが、本実施例では、ジャムによる搬送異常が発生する可能性のある領域を、ジャム判定領域として設定し、搬送異常検知時のキャリッジ位置が、このジャム判定領域にある場合、搬送異常がジャムによる搬送異常であると判定し、搬送異常検知時のキャリッジ位置が、このジャム判定領域にない場合には、搬送異常がジャムによる搬送異常ではないと判定するようにした。
従って、本実施例の画像形成装置1によれば、搬送異常がジャムによる搬送異常であるか否かを適切に判別することができ、搬送異常の種類に応じ、後続の処理(搬送異常に対応するエラー処理)を適切に切り替えることができる。
具体的に、本実施例では、搬送異常がジャムによる搬送異常である場合には、搬送異常の解消がユーザにより通知されるまで待機するが、搬送異常がジャムによる搬送異常でない場合には、キャリッジ50をキャリッジ搬送路において一往復させることでテスト搬送し、当該テスト搬送で異常がない場合には、画像形成動作を再開するようにした。
従って、本実施例の画像形成装置1によれば、搬送異常検知後、ユーザによりアクションがなされるまでは搬送動作を再開しない従来装置と比較して、ジャム以外の搬送異常が検知されたときに、搬送動作を迅速に再開することができて、搬送異常の検知によってキャリッジを緊急停止することによって、ユーザに不満が及ぶのを抑制することができる。
特に、本実施例によれば、ジャム判定領域を、用紙サイズや紙質によって切り替えるようにしたので、それぞれの用紙に対応して搬送異常を適切に検知できる。従って、搬送異常が実際にはジャム以外の原因によるものであるにも拘わらず、ジャムによる搬送異常であると誤判定されてしまうのを極力回避することができ、些細な原因で搬送異常が検知されたときに、過剰な対応をとらなくて済む。
また、搬送異常の検知の基準となる閾値Thについては、搬送異常がジャムである可能性が高いエリアの閾値Thを小さい値に設定し、搬送異常がジャムである可能性が低いエリアの閾値Thを大きい値に設定することにより、本実施例では、搬送異常がジャムである可能性が高いエリア程、敏感に搬送異常が検知されるようにした。
従って、本実施例によれば、ジャムにより記録ユニット40のノズル部分がダメージを受けるのを回避しつつ、ガイド軸160の汚れ等による搬送負荷の些細な上昇が原因での搬送異常の検知を可能な限り抑えることができる。
また、本実施例によれば、ジャムによる搬送異常が検知された場合、可能な限り記録ユニット40をホームポジション(キャッピング位置)かフラッシング位置に後退させるようにして、インクの乾燥によりノズルが詰まるのを防止するようにした。よって、本実施例によれば、キャリッジが緊急停止された状態で放置されることにより、ノズルが詰まるのを防止することができる。
例えば、ユーザが大量のデータの印刷を指定するときには、当該大量のデータの印刷が完了するのを、ユーザがその場で待たずに、画像形成装置1から離れる可能性があるが、そのような場合に、キャリッジが緊急停止された状態で放置されることにより、ノズルが詰まるのを防止することができる。
尚、本発明のキャリッジ搬送手段は、キャリッジ制御部33及びキャリッジ搬送機構によって実現され、シート搬送手段は、用紙搬送制御部35及び搬送ローラ131等により実現され、異常検知手段は、S540の処理により実現されている。また、位置検出手段は、リニアエンコーダ65及び信号処理部34により実現され、ジャム判定手段は、S290の処理により実現されている。また、本発明の特定領域は、上記実施例のジャム判定領域に対応する。
また、画像形成手段は、S170及びS240等の処理により実現され、画像形成中断手段は、S590の処理により実現され、異常時対応手段は、S350,S390の処理により実現され、搬送中断手段は、後退時に搬送異常が検知されると行われるキャリッジ50の緊急停止動作にて実現されている。
尚、上述したように、本実施例では、S350,S390の処理実行時においても、キャリッジ制御部33が、図10に示す処理と同様の手順で、目標速度Vrと実速度Vとの偏差eを求め、偏差eが異常判定値Erを超えると、搬送異常の検知をCPU11に通知すると共に、キャリッジ50を緊急停止する。従って、搬送中断手段は、S350,S390の処理実行により、キャリッジ制御部33で開始された処理(S510〜S560)を通じて、キャリッジ制御部33が、搬送異常を検知すると、S540でYesと判断して、S600の処理により、キャリッジ50を緊急停止させる動作に対応する。
また、テスト搬送手段は、S300の処理により実現され、テスト中断手段は、テスト搬送時に搬送異常が検知されると行われるキャリッジ50の緊急停止動作にて実現され、再開制御手段は、S330の処理にて実現されている。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、給紙トレイ101から供給される用紙のサイズ及び紙質を特定して、それに対応するジャム判定領域を設定するようにしたが、領域定義テーブルには、用紙サイズ毎及び紙厚毎にジャム判定領域として設定すべきエリアを記述し、S140,S220では、特定した用紙サイズ及び紙厚の情報に基づき、用紙サイズ及び紙厚に対応するジャム判定領域を設定するように、画像形成装置1を構成してもよい。この際には、紙厚が大きい程、ジャム判定領域として、主走査方向に短いエリアが設定されるようにする。
また、上記実施例では、キャリッジ制御部33に目標速度軌跡を与えてキャリッジ50を速度制御する構成にしたが、キャリッジ制御部33は、キャリッジ50の位置Xと目標位置Xrとの偏差から操作量(制御入力)を求めて、キャリッジの主走査方向の位置を、目標位置に一致させるように位置制御する構成にされてもよい。この際には、キャリッジ50が定速運動するように目標位置軌跡をキャリッジ制御部33に対して設定することになる。
また、キャリッジ制御部33においては、偏差eにより搬送異常を検知しなくてもよく、例えば、偏差eから導出される操作量u(制御入力)が異常判定値を超えたか否かによって、搬送異常を検知してもよい。更に言えば、操作量uによる搬送異常の検知は、駆動電圧又は駆動電流によって搬送異常を検知することに等しいので、CRモータ60の駆動電圧又は駆動電流により搬送異常を検知するように、画像形成装置1を構成してもよい。
また、上記実施例では、閾値Thについて、用紙通過領域の左右側縁であって、キャリッジ50が進入する走査方向上流側の側縁に対応する地点の閾値Thを、最小値(第二の閾値Th2)に設定して、この地点の閾値Thを、他の各地点の閾値Thよりも小さい値に設定するようにし、その地点から走査方向下流においては徐々に閾値Thを大きい値に設定するようにしたが、例えば、閾値Thは、図11に示すように設定されてもよい。
即ち、ジャム判定領域の全域を、第二の閾値Th2に設定し、非ジャム判定領域の全域を、第一の閾値Th1に設定するようにしてもよい。
また、上記実施例では、用紙Pの「変形しやすさ」を考慮して、紙質により、ジャム判定領域の終点R2を調整するようにしたが、ジャム判定領域の終点R2は、図11に示すように、始点R1から用紙Pの主走査方向長さ(用紙Pの横幅)分、走査方向に離れた位置に設定されてもよい。このようにした場合には、用紙通過領域内の各地点の閾値を、用紙が通らない用紙通過領域外の各地点の閾値よりも、小さい値に定めることになる。
また、上記実施例では、用紙のサイズや紙質の特定を、ユーザが外部装置90の操作により入力した用紙サイズや紙質を示す印刷設定データに基づいて行うこととしたが、別の実施態様として、装置本体に、用紙サイズや紙質、紙厚などを検知可能なセンサを設け、そのセンサからの検出情報に基づいて用紙サイズを特定すると共に「変形のしやすさ」を特定するようにしてもよい。このような装置構成とすれば、装置本体に設けられたセンサの検出情報を利用して用紙サイズや紙質、紙厚などを特定するので、印刷設定データが示す用紙情報が誤っている場合でも、キャリッジ搬送路において、ジャムが発生する領域とそうでない領域を正しく判別することができる。
この他、本発明は、ファクシミリ装置等のその他の電子機器にも適用可能である。
画像形成装置1の構成を表す断面図である。 画像形成装置1が備えるキャリッジ搬送機構の構成を表す図である。 画像形成装置1の電気的構成を表すブロック図である。 CPU11が実行する印刷制御処理を表すフローチャートである。 CPU11が実行する印刷制御処理を表すフローチャートである。 領域定義テーブルの構成を表す図である。 走査方向が「順方向」の場合のジャム判定領域を表す説明図である。 走査方向が「逆方向」の場合のジャム判定領域を表す説明図である。 閾値Thの設定例を表す説明図である。 キャリッジ制御部33が実行する処理を表すフローチャートである。 閾値Thの設定例(変形例)を表す説明図である。
符号の説明
1…画像形成装置、11…CPU、13…ROM、15…RAM、17…EEPROM、19…通信インタフェース、21…ユーザインタフェース、30…印字/モータ制御部、31…印字制御部、33…キャリッジ制御部、34,36,38…信号処理部、35…用紙搬送制御部、37…給紙制御部、40…記録ユニット、40a…ノズル、41,61,71,81…駆動回路、50…キャリッジ、55…用紙センサ、60…CRモータ、65…リニアエンコーダ、70…LFモータ、80…給紙モータ、90…外部装置、101…給紙トレイ、110…給紙ユニット、111…給紙ローラ、131…搬送ローラ、141…排紙ローラ、160…ガイド軸、170…無端ベルト、171,173…プーリー、191…キャッピング部、195…フラッシング部、P…用紙、TBL1,TBL2…領域定義テーブル

Claims (15)

  1. モータを備え、前記モータの駆動力によって主走査方向にキャリッジを搬送するキャリッジ搬送手段と、
    前記キャリッジが搬送される前記主走査方向とは交差する副走査方向に、シートを搬送するシート搬送手段と、
    を備えた電子機器であって、
    前記キャリッジの搬送異常を、検知する異常検知手段と、
    主走査方向における前記キャリッジの位置を検出する位置検出手段と、
    前記異常検知手段により搬送異常が検知された時点での、前記位置検出手段によって検出された前記キャリッジの位置に基づき、前記異常検知手段により検知された搬送異常が、前記キャリッジと前記シートとの干渉により生じたジャムによる搬送異常であるか否かを判定する手段であって、前記搬送異常が検知された時点での前記キャリッジの搬送方向先頭位置が、キャリッジの搬送路における予め定められた特定領域にあるとき、前記搬送異常が前記ジャムによる搬送異常であると判定するジャム判定手段と、
    を備え、
    前記特定領域は、前記シート搬送手段の動作により前記副走査方向に搬送される前記シートが通過する前記キャリッジの搬送路上の領域であるシート通過領域内で定められていること
    特徴とする電子機器。
  2. 前記キャリッジ搬送手段は、主走査方向に前記キャリッジを往復運動させる構成にされ、
    前記特定領域は、前記キャリッジの往路及び復路の夫々に対して定められ、前記往路及び復路の夫々に対応する前記特定領域は、前記シート搬送手段の動作により搬送される前記シートの前記副走査方向に沿う二つの縁の内、前記キャリッジの搬送方向上流に位置する側縁と対向する前記キャリッジの搬送路上の地点を基準に、前記シート通過領域内の一部領域に対して定められていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記特定領域は、前記シート搬送手段により搬送されるシートの種類毎に定められ、
    前記ジャム判定手段は、前記シート搬送手段が搬送中のシートの種類に対応する前記特定領域の情報に基づいて、前記搬送異常が前記ジャムによる搬送異常であるか否かを判定する構成にされていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子機器。
  4. 前記特定領域は、前記シートの種類として、前記シートのサイズ毎に定められていることを特徴とする請求項3記載の電子機器。
  5. 前記特定領域は、前記シートの種類として、前記シートの厚み毎に定められていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の電子機器。
  6. 前記特定領域の主走査方向の長さは、前記シートが厚い程、小さい値に定められていることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
  7. 前記キャリッジ搬送手段は、前記キャリッジの主走査方向の実速度又は実位置と、その目標値との偏差から、前記モータに入力する駆動電圧又は駆動電流を決定することによって、前記キャリッジの主走査方向の速度又は位置を、前記目標値に一致させるようにフィードバック制御し、当該制御により、前記キャリッジを目標速度軌跡又は目標位置軌跡に沿って主走査方向に搬送する構成にされ、
    前記異常検知手段は、前記偏差、又は、前記駆動電圧若しくは駆動電流が閾値を超えると前記搬送異常が発生したとして、前記搬送異常を検知すること
    を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電子機器。
  8. 前記キャリッジの搬送路の主走査方向の長さは、前記シート搬送手段が搬送するシートの主走査方向の長さよりも長く、
    前記閾値は、主走査方向に沿う前記キャリッジの搬送路の各地点に対し定められており、
    前記キャリッジの搬送路における前記特定領域内の各地点の前記閾値は、前記特定領域外の各地点の前記閾値よりも、小さい値に定められていること
    を特徴とする請求項7記載の電子機器。
  9. 前記キャリッジの搬送路の主走査方向の長さは、前記シート搬送手段が搬送するシートの主走査方向の長さよりも長く、
    前記閾値は、主走査方向に沿う前記キャリッジの搬送路の各地点に対し定められており、
    前記キャリッジの搬送路における前記特定領域の前記キャリッジの搬送方向上流側の端に対応する地点の前記閾値は、その他の各地点の前記閾値よりも小さい値に定められていること
    を特徴とする請求項7記載の電子機器。
  10. 前記ジャム判定手段により前記搬送異常が前記ジャムによる搬送異常であると判定されると、ジャムの発生をユーザに向けて報知する報知手段
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の電子機器。
  11. 前記電子機器は、
    前記シートにインク液滴を吐出可能な記録ユニット、が前記キャリッジに搭載された画像形成装置であり、
    画像形成指令が入力されると、前記キャリッジ搬送手段に、前記キャリッジを主走査方向に搬送させると共に、前記シート搬送手段に、前記シートを副走査方向に搬送させ、前記キャリッジが主走査方向へ移動する際には、前記記録ユニットにインク液滴を吐出させることにより、前記シートに、前記画像形成指令にて指定された画像を形成する画像形成手段
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電子機器。
  12. 前記異常検知手段により前記搬送異常が検知されると、前記画像形成手段による画像形成動作を中断させる画像形成中断手段と、
    前記異常検知手段により前記搬送異常が検知され、且つ、前記ジャム判定手段により前記搬送異常が前記ジャムによる搬送異常であると判定されると、前記キャリッジ搬送手段に、前記キャリッジを、当該搬送異常発生時の搬送方向とは逆方向に搬送させる異常時対応手段と、
    を備えること
    を特徴とする請求項11記載の電子機器。
  13. 前記キャリッジの搬送路の一端には、前記記録ユニットのインク液滴が吐出されるノズル部分をキャッピングするためのキャッピング部が設けられ、前記キャッピング部が設けられた端部とは反対側の端部には、前記記録ユニットのフラッシング動作により吐出されるインク液滴を蓄積するためのフラッシング部が設けられており、
    前記異常時対応手段は、前記キャリッジ搬送手段に、前記キャリッジを前記逆方向に搬送させて、前記記録ユニットを前記キャッピング部又は前記フラッシング部に配置する構成にされていることを特徴とする請求項12記載の電子機器。
  14. 前記異常時対応手段の動作により前記キャリッジが前記逆方向に搬送されているときに、前記異常検知手段により前記搬送異常が検知された場合、前記キャリッジ搬送手段による前記キャリッジの搬送動作を中断させる搬送中断手段
    を備えることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の電子機器。
  15. 前記異常検知手段により前記搬送異常が検知され、且つ、前記ジャム判定手段により前記搬送異常が前記ジャムによる搬送異常ではないと判定されると、前記キャリッジが搬送路を一往復するように、前記キャリッジ搬送手段に前記キャリッジを搬送させるテスト搬送手段と、
    前記テスト搬送手段による前記キャリッジの搬送中に、前記異常検知手段により前記搬送異常が検知された場合には、前記キャリッジ搬送手段による前記キャリッジの搬送動作を中断させるテスト中断手段と、
    前記テスト搬送手段の動作によって前記キャリッジが一往復するまでの期間に、前記異常検知手段により前記搬送異常が検知されなかった場合には、前記画像形成手段に、前記中断された画像形成動作を再開させる再開制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項12〜請求項14のいずれかに記載の電子機器。
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