JP6936617B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録装置に関する。
従来、シリアルスキャン形式のインクジェット記録装置では、記録が行われる際に、記録ヘッドを搭載したキャリッジが、ガイドレールによって案内、支持されながら主走査方向に移動することによって走査を行う。このような構成では、ガイドレールがキャリッジに設けられた軸受部と当接してキャリッジを支持すると共に、キャリッジの移動を案内している。特許文献1では、キャリッジの移動方向の2箇所に、それぞれガイドレールの円弧部に当接する2つの斜面を含む軸受部を設けている。
また、このような記録装置において、浮きあがった記録媒体とキャリッジが接触してキャリッジに装着されたヘッドのフェース面が損傷して、キャリッジが正常に動作できなかったり、印刷不良が起こったりする場合がある。そのような場合は、成果物や装置自体の保護の観点から、速やかに動作を停止させて異常を報知することが重要である。
しかしながら、キャリッジが動作不良となる場合の原因は様々であり、原因によってはその特定に時間を要してしまうという問題があった。このような課題に対し、例えば、特許文献2では、検出した加速度と設定されたしきい値を比較することで異常な状態を判定し、キャリッジを停止させて、異常の内容を報知する。その結果、記録ヘッドと印刷媒体が継続的に接触し、記録ヘッドが損傷を受けることを防いでいる。
特開2004−345187号公報 国際公開第2010/084606号
前述のように、キャリッジの異常によって起こる振動の原因は様々である。各原因を考慮すると、特許文献2における加速度センサでの検出値は、非常に高精度に検出する必要がある。しかし、ジャムの際に用紙に対する接触が軽微になる程、しきい値に対しての差が少なくなるため、比較結果からの原因判定が困難となる。
また、キャリッジの反転時は加減速動作に伴い走査方向の値が大きく変化する。また、搬送される用紙の幅方向端部の浮き等に起因するキャリッジとの軽微な接触と、キャリッジの加減速動作とが同時に生じうる構成において、上記の走査方向のしきい値が設けにくいという課題がある。
上記課題を鑑み、本願発明は、キャリッジの加減速時に生じる振動の変化値に左右されることなく、異常状態を正確に検出することを目的とする。
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を有する。すなわち、記録装置であって、記録ヘッドを搭載し、ガイド部に沿って往復移動が可能なキャリッジと、前記キャリッジの移動を制御する制御手段と、前記キャリッジに設けられ、前記キャリッジの加速度を検知する検知手段と、前記検知手段より検知された少なくとも前記キャリッジの略重力方向の加速度と、所定のしきい値とを比較した結果に基づいて、前記キャリッジの異常状態を判定する判定手段とを備え、前記キャリッジは、前記ガイド部の一部を接触保持する接触部を有し、かつ、略反重力方向に前記接触部の接触状態から離間可能であり、前記判定手段は、前記キャリッジの移動時において、加速度が前記所定のしきい値を超えたことが、所定時間にわたって継続したことを検知した際に、異常状態と判定する
本発明は、加減速時に生ずる振動の変化値に左右されることなく、正確に異常状態を検出することができる。
本発明を適用可能な記録装置の外観斜視図。 本発明に係る軸受体周辺部を示した左側面図。 本発明に係るキャリッジ摺動部を模式的に示した斜視図。 本発明に係るキャリッジ摺動部を模式的に示した左側面図。 本発明に係る制御装置の構成例を示す図。 シートの端部が記録ヘッドの下部と擦れる際の経過を示す図。 本発明に係るシーケンス図。 通常反転時の各方向の加速度波形を示す図。 シートの端部とキャリッジが接触した際の加速度波形を示す図。 Z方向の通常反転時とキャリッジが接触した際の加速度値を示す図。
[機器構成]
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る記録装置100の構成例を示す斜視図である。記録装置100は、記録ヘッドからインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置である。記録装置100は、複数のサイズの記録媒体に対応し、比較的大判の記録媒体にも対応している。本実施形態では、記録装置100は連続した記録媒体であるロール紙に画像を記録することが可能であり、記録手段としての記録ヘッド2、ロール紙に対応した給紙機構、および搬送機構などを備える。記録装置100は、キャリッジ3に搭載された記録ヘッド2が主走査方向(図1中の矢印A方向)に沿って走査しながら記録が行われるシリアルスキャン方式の記録装置である。
なお、図1に示すように、記録装置100に関し、主走査方向をX軸、副走査方向をY軸、縦方向をZ軸として説明を行う。この軸の対応は、各図面において一致しているものとする。
ロール紙から引き出されたシート1(シート状の記録媒体)は、記録ヘッド2へ向けて供給される。シート1が搬送機構によって搬送されながら、記録ヘッド2の記録素子(不図示)が駆動されることによりシート1に画像が記録される。記録が行われたシート1は、排出部としての排出口99から送り出されて記録装置100から排出される。
記録ヘッド2は、画像情報に基づき、記録素子が駆動することによってシート1に画像(文字や記号等も含む)を記録する。記録ヘッド2がインクジェット形式の場合は、画像情報に基づいて記録ヘッド2が備える複数の吐出口からシートへインクが吐出されて記録が行われる。なお、シート1としては、記録紙やプラスチックシート等のシート状のものが一般に使用される。なお、インクジェットの方式としては、サーマル方式でもよいし、ピエゾ方式でもよく、特に限定するものではない。
シート1に対向する位置には、記録ヘッド2を搭載することが可能なキャリッジ3が配置されている。また、キャリッジ3による走査を案内するように、キャリッジ3の移動範囲に対応した位置に、シート1の搬送方向に交差する方向に延びるように第1ガイドレール(ガイド部)4が配置されている。キャリッジ3は、第1ガイドレール4に沿って摺動することにより、第1ガイドレール4によって支持され走査方向(図1中の矢印A方向)に案内される。
キャリッジ3の移動範囲における一方側の端部には、駆動側プーリ5が配置されている。駆動側プーリ5には、キャリッジモータ9が接続されている。また、キャリッジ3の移動範囲の他方側の端部には従動側プーリ(アイドルプーリ)6が配置されている。駆動側プーリ5と従動側プーリ6との間には、タイミングベルト7が懸架されて配置されている。タイミングベルト7の一部に、キャリッジ3が取り付けられている。これらの走査手段によってキャリッジ3は走査される。
また、キャリッジ3の移動範囲に対応した位置に、第1ガイドレール4と平行に延びるように、第2ガイドレール8が配置されている。キャリッジ3における第2ガイドレール8に近接した位置には、位置決め部材23が取り付けられている。位置決め部材23は、第2ガイドレール8に当接可能に配置されている。位置決め部材23が第2ガイドレール8に当接した状態で摺動することにより、第2ガイドレール8によってキャリッジ3が押さえられる。これにより、第1ガイドレール4を軸にキャリッジ3が回転することを抑えることができる。また、キャリッジ3は、内部に3軸方向の加速度を検出可能な加速度センサ50を搭載しており、キャリッジ3の移動時(印刷動作時)の加速度を検知することができる。本実施形態では、検出された加速度値に基づいてキャリッジ3の異常状態を判別する。加速度センサ50による検出の例については後述する。
また、シート1の搬送経路には、主走査方向に延びた搬送ローラ16と、主走査方向に沿って配置された複数のピンチローラ15が設けられている。搬送ローラ16には、搬送モータ14が接続されている。搬送ローラ16は、シート1を搬送させる際に搬送モータ14によって駆動される駆動側ローラである。ピンチローラ15は、搬送ローラ16の回転駆動に従動して回転する従動側ローラである。搬送ローラ16とピンチローラ15により、一対のローラ対をなしている。
また、記録ヘッド2には多数の記録素子(不図示)が設けられており、記録装置100の本体から記録ヘッド2に記録素子の駆動信号を供給するためのFFC(Flexible Flat Cable)13を配する。FFC13は細長くかつ薄いフィルム形状をなしており、その内部または表面に駆動信号を伝達するための導体パターンが形成されている。FFC13は、キャリッジ3の移動に伴って屈曲しかつ曲げの中心位置が移動するように可撓性を有している。さらに、キャリッジ3の外部にインクタンク(不図示)を配置し、インクタンク内のインクを記録ヘッド2に供給するチューブ18を配する。チューブ18は、キャリッジ3の移動に伴って屈曲しかつ曲げの中心位置が移動するように可撓性を有している。FFC13とチューブ18を含んで構成される接続部材20は、キャリッジ3と記録装置100本体の固定部22との間に接続されている。
記録が行われる際には、駆動側プーリ5に接続されたキャリッジモータ9が駆動されて駆動側プーリ5が回転駆動する。これによって駆動側プーリ5と従動側プーリ6との間に懸架されたタイミングベルト7が主走査方向(図1中の矢印A方向)に沿って移動する。これにより、キャリッジ3は、第1ガイドレール4の軸方向における一方側の端部(第1端)と他方側の端部(第2端)との間を第1ガイドレール4に沿って主走査方向に往復移動する。
シート1の搬送が行われる際には、搬送ローラ16とピンチローラ15とから構成されるローラ対によってシート1が挟まれた状態で、搬送モータ14によって搬送ローラ16が回転駆動される。これにより、キャリッジ3の移動方向(主走査方向)と直交する副走査方向(図1中の矢印B方向)に、シート1がプラテン21上を搬送される。プラテン21は上面に吸引孔が複数設けられており、シート1の搬送時にエア吸引を行うことでシート1を吸着し、プラテン21上面にならった正しい姿勢に保つ。記録ヘッド2の記録素子を駆動させながら主走査方向に往復運動するキャリッジ3の動作と、所定量ずつ行われる副走査方向へのシート1の搬送とを各々交互に行うことでシートに画像が記録される。記録ヘッド2には、キャリッジ3に搭載されたインクタンクからインクが供給されて一旦貯留される。
次に、キャリッジ3と第1ガイドレール4の周辺部について説明する。図2は、図1に示されたキャリッジ3と第1ガイドレール4との間の摺動部の周辺部について、矢印IIIに沿っての左側面図である。
次にキャリッジ3と第1ガイドレール4との間の摺動部の周辺部について図3と図4を用いて説明する。図3は、図1に示されたキャリッジ3と第1ガイドレール4との間の摺動部の周辺部について、図1の矢印IIIに沿って矢視して模式的に示した斜視図である。図4は、キャリッジ3と第1ガイドレール4との間の摺動部の周辺部についての左側面図である。
キャリッジ3には、支持部11が形成されており、支持部11の内面には平板状若しくは概略平板上の軸受部12を備えた2つの軸受体10が、軸受部12が側面視で逆V字状となるように配置される。そして、円柱状の第1ガイドレール4の円周面のうち上部側に当接部11aで当接するように構成されている。なお、キャリッジ3の右側面側も同様の構成である。つまり、第1ガイドレール4は、2か所の当接部11aにて、キャリッジ3と当接している。また、キャリッジ3にはZ方向に垂直な面で構成された規制部25が、第1ガイドレール4を略対称に挟むように形成されている。キャリッジ3は反重力方向に力を受けると第1ガイドレール4から浮き上がり、第1ガイドレール4に対して非接触状態になる。つまり、キャリッジ3は、略反重力方向に第1ガイドレール4から離間可能である。この構成により、キャリッジ3の姿勢を重力方向に解放させることで、予期せぬ反重力方向の力で支持部周辺の部品が破損したり、変形したりすることを防ぐ。例えば、搬送不良により浮き上がった、キャリッジ3の用紙への乗り上げの様な用紙ジャムなどがある。
このように、ガイド部の周面に接触保持する接触部が、ガイド部に対し略重力方向に接触部の接触状態から離間可能である。このため、キャリッジ3が用紙と接触する際の振動を反重力方向に検知しやすい構成である。さらに本実施形態において、規制部25はキャリッジ3の一部で形成されるが、これに限らず、例えば、キャリッジ3とは別体で、キャリッジ3に固定された部材であっても同様の効果が得られる。
図5は、本実施形態に係る各構成要素の制御を行う制御装置40の構成例を示す。制御装置40は、主制御部41、搬送制御部42、記録制御部43、及びオペレーションパネル制御部44を備える。主制御部41は、加速度センサ50からの入力値とエンコーダセンサ51からの入力値に基づいて、搬送制御部42、記録制御部43、オペレーションパネル制御部44それぞれに動作指令を伝達する。また、主制御部41は、加速度センサ50からの出力値を演算し、予め設けられたしきい値よりも高いと判定した場合、後述するような制御を行う。なお、本実施形態に係る記録装置100が備える制御装置40は、他の処理や制御を行うための制御部を備えてもよい。
[動作説明]
以上のような構成の記録装置100において、キャリッジ3の異常を検出し、原因を判定する動作について以下に説明する。
図6は、本実施形態に係るシート1の端部が記録ヘッド2の下部に擦れる経過を示す図である。特に、プラテン21上において、キャリッジ3がシート1の端部近傍で減速中の状態とする。図6中の矢印は、キャリッジ3の速度の大きさと方向を示す。なお、図6に示す矢印の方向(キャリッジ3の移動方向)は、図1の矢印Aの方向に対応する。
図6(a)において、キャリッジ3が定速動作から減速動作をし始める。この際、シート1の端部は何らかの原因でプラテン21からめくれ上がった状態である。例えば、めくれの原因はシート1のカール癖や、プラテン21の吸引不良、シート1の先端の搬送方向の引っかかりなどが挙げられる。図6(b)において、キャリッジ3の左端部とめくれあがったシート1が接触し始める。図6(c)において、シート1の端部は、キャリッジ幅の中央部下を通過している。シート1は、キャリッジ3に比べて軟体であるため、シート1とキャリッジ3との衝突の勢いでキャリッジ3からシート1が離れることは少ない。図6(d)において、キャリッジ3の右端部とシート1の端部が接触している。図6(e)において、キャリッジ3は反転位置に到達する。この瞬間のキャリッジ3の加速度はゼロであって、キャリッジ3はシート1とは接触していない。図6(f)において、キャリッジ3は反転後の加速動作に入るため、図6中の右側に向かって加速を開始する。
なお、図6では、シート1の一端側において擦れる経過を示したが、シート1の他端側においても同様に、擦れが生じ得る。
図7は、印刷中にキャリッジ3の異常を検出し、報知する動作について示すフローチャートである。本処理フローは、主制御部41により実行、処理される。ここでは、本動作は、印刷動作の開始と同時に開始されるものとする。なお、本処理フローの開始前に、キャリッジ3とシート1との接触が生じていない状態での加速度センサ50による検知結果(基準値)を保持しているものとする。
S100にて、主制御部41は、加速度センサ50の検出値のチェックを開始し、印刷動作中、継続して行う。本実施形態では、チェックの周期が予め定義され、印刷動作中はその周期にてチェックを行っているものとする。
S101にて、主制御部41は、加速度センサ50の検出値が予め設定されたしきい値を超えているか否かを判定する。この際、キャリッジ3の走査方向は前述した通り、加速度値の変動が大きいため、判定には少なくともX方向とは異なる一方向の値を使って判定する。ここでは、Z方向の加速度値を使って判定した例を示す。なお、これに限らず、X方向を含めて総合的に判定しても構わない。また、しきい値は、記憶部(不図示)等に保持され、主制御部41にて管理されているものとする。加速度センサ50の出力値(加速度値)がしきい値を超えていた場合(S101にてNO)S103へ進み、しきい値以下である場合(S101にてYES)S102へ進む。
S102にて、主制御部41は、印刷動作が完了したか否かを判定する。印刷動作が完了した場合は(S102にてYES)本処理フローを終了し、印刷動作が未完了の場合は(S102にてNO)S101へ戻り、処理を継続する。
S103にて、主制御部41は、動作停止直前の加速度センサ50の出力値より算出される、Z方向のしきい値との差分を確認する。そして、ここでの差分が、所定の値よりも大きいか否かを判定する。ここでの所定の値は、S101にて用いたしきい値との差分に対して設定される。差分が所定の値よりも大きい場合(S103にてYES)S104へ進み、所定の値以下である場合(S103にてNO)S107へ進む。
S104にて、主制御部41は、記録制御部43を介してキャリッジモータ9の動作を停止させる。
S105にて、主制御部41は、搬送制御部42を介して搬送モータ14の動作を停止させる。
S106にて、主制御部41は、オペレーションパネル制御部44を介して、オペレーションパネル54に“キャリッジ衝突エラー”の旨を表示する。“キャリッジ衝突エラー”とは、キャリッジ3の底部とシート1との擦れ(接触)が生じ、かつ、印刷動作に大きな影響が出ている可能性があることを意味する。そして、本処理フローを終了する。
S107にて、主制御部41は、オペレーションパネル制御部44を介して、オペレーションパネル54に“軽微なヘッド擦れ”の旨を表示する。“軽微なヘッド擦れ”とは、キャリッジ3の底部とシート1との擦れ(接触)が生じているが、印刷動作を停止するほどの影響は生じていないと想定されることを意味する。
なお、表示内容については、上記に限定するものではなく、他の表示内容であってもよい。
[加速度の検出について]
前述したようにキャリッジ3の走査方向の加速度は、スケールフィルムのスリットの印刷精度のばらつきやインクミストを始めとする汚れ起因の読み取り値ばらつきに影響を受ける。それに加えて、キャリッジ3自身の減速があり加速度値が変動しやすい。そのため、上記のS101にて用いたしきい値は、少なくともキャリッジ3の走査方向(X軸方向)以外の方向に対する値を用いる。また、用紙送り方向と平行な方向(Y軸方向)は前述した走査方向よりも外乱が少ないものの、反転時のキャリッジ3のヨーイングの影響を受けるため、若干のばらつきがある。それに比べて重力方向(Z軸方向)の加速度の変動は、キャリッジ3の自重により走査ガイド(第1ガイドレール4)に押し付けられているため、ばらつきが少ない。その上、キャリッジ3が離間可能になっており、シート1の端部がキャリッジ3の下面に擦れることで、その振動を顕著に検出することができる。
図8は、キャリッジ3が正常に反転する際の時間の経過に伴う加速度センサ50の値をプロットした各方向の概略波形図である。図8は、縦軸を加速度とし、横軸を時間として示している。上述したように、本実施形態では主走査方向をX、主走査方向と直交する紙搬送方向をY、重力方向をZとし、図8(a)(b)(c)はそれぞれ、X,Y,Z方向の変化を示す。ここでは、シート1とキャリッジ3との接触は発生していない場合を示している。X方向の加速度値は、ばらつきが大きくキャリッジ3の反転時におけるグラフの縦軸方向の変動幅が大きい。一方、Z方向の加速度は、キャリッジ3の自重により下方の走査軸に押し付けられているため、振れ幅が小さい。
図9は、図6(b)以降の動作でキャリッジ3が減速反転する際にシート1に対して接触した際の加速度センサ50の各方向の出力値を示す図である。図9(a)(b)(c)はそれぞれ、X,Y,Z方向の変化を示す。図8と図9を比較すると、図9(b)(c)に示したYとZ方向は、図8(b)(c)に示したY、Zと比べて変化量が大きい(丸破線部)。なお、図8と図9では、縦軸(加速度)における縮尺が異なっている。
図10(a)は、Z軸における加速度の変化を示し、図8(c)と図9(c)の値の差分である。また、図10(b)は、差分値に対して経過時間順の検出値N−1番目とN番目の積を取り、グラフ化したものである。図10(b)内の二点鎖線は、破線丸内の積の変動を異常と判定するためのしきい値である。本実施形態において、図10(b)に示すしきい値は、図7のS101にて用いられたしきい値に対応し、予め定義され、主制御部41にて管理されているものとする。また、図7のS105にて用いる所定の値は、図10に示す加速度としきい値との差分に対して設定される。
また、キャリッジ3がシート1の端部に接触し始めてから(図6(b))接触し終わるまで(図6(d))の時間は、キャリッジ3の主走査方向の幅と速度、加速度より算出できる。具体的には、等加速度運動の式より、
Figure 0006936617
v0:キャリッジとシートが接触し始める際の速度(キャリッジの移動速度)
a:キャリッジの加速度(減速度)
t:キャリッジが減速し始めてからの時間
x:キャリッジの下部におけるシートと接触しうる幅
である。
本実施形態では、Z方向の加速度がしきい値を超え続けた時間が、上記の算出式により規定される所定時間であるtの値を越えたことをトリガーとして、キャリッジ3がシート1に接触したと判定する。つまり、キャリッジ3がシート1の端部に接触し始めてから(図6(b))接触し終わるまで(図6(d))は、加速度の出力値がしきい値を連続して超えているものとして、この場合に、キャリッジ3とシート1とが接触していると判定する。ここでの判定が、図7のS101に対応することとなる。なお、tは、実際のサンプリング数やその他の検出の仕様により、係数を用いて検出精度を向上させてもよい。
また、しきい値を超えたことを検出後、即座にキャリッジ3を停止させてもよいし、軽微な接触としてオペレーションパネル54に表示をした上でユーザの判断・指示に基づき装置を停止させてもよい。
また、図10(b)のように実際の加速度をしきい値と比較する際に、変動を分かりやすく検出するために、間隔をあけたデータの積を取ることでより変化が顕著となり、しきい値を設けやすくする事ができる。
また、本実施形態は、加速度センサで検知が難しいシート端部での軽微な接触を例に挙げたが、キャリッジがシートに乗り上げて停止してしまうようなジャムに関しても、同様に加速度センサの値からジャムと判定することが出来る。
以上、本実施形態によれば、少なくともキャリッジの走査方向以外の加速度センサの出力値のしきい値を超えたこととその検出時間に基づいて、シート端部が接触したことを正確に判定し、報知することができる。従って、時間をかけて長い画像を印刷し終わった後に画像不良に気づき用紙を無駄にしたり、用紙とヘッドが擦れ続けることにより記録ヘッドに損傷を受けたりすることを防止できる。
100…記録装置、1…シート、3…キャリッジ、9…キャリッジモータ、14…搬送モータ、41…主制御部、42…搬送制御部、43…記録制御部、44…オペレーションパネル制御部、50…加速度センサ、51…エンコーダセンサ、54…オペレーションパネル

Claims (8)

  1. 記録ヘッドを搭載し、ガイド部に沿って往復移動が可能なキャリッジと、
    前記キャリッジの移動を制御する制御手段と、
    前記キャリッジに設けられ、前記キャリッジの加速度を検知する検知手段と、
    前記検知手段より検知された少なくとも前記キャリッジの略重力方向の加速度と、所定のしきい値とを比較した結果に基づいて、前記キャリッジの異常状態を判定する判定手段と
    を備え、
    前記キャリッジは、前記ガイド部の一部を接触保持する接触部を有し、かつ、略反重力方向に前記接触部の接触状態から離間可能であり、
    前記判定手段は、前記キャリッジの移動時において、加速度が前記所定のしきい値を超えたことが、所定時間にわたって継続したことを検知した際に、異常状態と判定することを特徴とする記録装置。
  2. 記録ヘッドを搭載して往復移動が可能なキャリッジと、
    前記キャリッジの移動を制御する制御手段と、
    前記キャリッジに設けられ、前記キャリッジの加速度を検知する検知手段と、
    前記キャリッジの移動時において、前記検知手段より検知された、少なくとも前記キャリッジの移動方向とは異なる一方向の加速度と、所定のしきい値とを比較した結果に基づいて、前記キャリッジの異常状態を判定する判定手段と、を備える記録装置であって、
    前記所定のしきい値は、前記キャリッジの反転時の加速度から規定され、
    前記判定手段は、前記キャリッジの反転時の異常状態を判定することを特徴とする記録装置。
  3. 前記キャリッジの移動方向とは異なる一方向は、略重力方向を含むことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 記録ヘッドを搭載して往復移動が可能なキャリッジと、
    前記キャリッジの移動を制御する制御手段と、
    前記キャリッジに設けられ、前記キャリッジの加速度を検知する検知手段と、
    前記キャリッジの移動時において、前記検知手段より検知された、少なくとも前記キャリッジの移動方向とは異なる一方向の加速度と、所定のしきい値とを比較した結果に基づいて、前記キャリッジの異常状態を判定する判定手段と、を備える記録装置であって、
    前記判定手段は、前記キャリッジの移動時において、加速度が前記所定のしきい値を超えたことが、所定時間にわたって継続したことを検知した際に、異常状態と判定することを特徴とする記録装置。
  5. 前記所定時間は、前記キャリッジの下部の移動方向の長さと前記キャリッジの移動速度と加速度から算出される、前記キャリッジの下部をシートが通過する時間に基づいて規定されることを特徴とする請求項1または4に記載の記録装置。
  6. 前記判定手段は更に、前記キャリッジの移動の加速度が反転時とは異なるタイミングで前記所定のしきい値を越えたことを検知した際に、異常状態と判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
  7. 前記判定手段は、前記検知手段により所定の間隔で検知された複数の加速度の積を用いて、異常状態を判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
  8. 前記判定手段は更に、前記検知手段にて検知された加速度と前記所定のしきい値との差分が所定の値より大きいか否かを判定し、
    前記制御手段は、前記所定の値より大きいと判定された場合に、前記キャリッジの移動を停止させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
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