JP6962137B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録装置に関する。
特許文献1には、記録装置の一例として、ヘッドを搭載したキャリッジを走査方向に移動させながら、ヘッドから用紙にインクを吐出させるシリアル式のインクジェットプリンタが開示されている。この特許文献1のインクジェットプリンタでは、リニアエンコーダにより検出されるキャリッジの速度と、キャリッジの目標速度との偏差に応じた電流値がキャリッジの駆動モータに印加されるように、フィードバック制御を伴って当該駆動モータを制御している。
ところで、ヘッドから吐出されたインクを吸収して用紙が波打つ所謂コックリングや、インクの吸収による用紙のカール等の用紙の変形によって、キャリッジの移動中において用紙とヘッドとの間で擦れが生じることがある。このような擦れが生じると、ヘッドの損傷や、用紙の詰りが発生する可能性がある。
そこで、特許文献1に記載されたインクジェットプリンタでは、キャリッジの駆動モータのフィードバック制御において、擦れによりキャリッジの速度が目標速度よりも遅れると、駆動モータに印加される電流値が通常よりも大きくなる事象を利用して、電流値が所定の閾値を超えた場合には、擦れが生じていると判断している。
特開2010−184443号公報
ここで、キャリッジの速度を検出するリニアエンコーダは、通常、走査方向に沿って設けられ、所定間隔毎に指標が形成されたスケールと、キャリッジに搭載され、スケールに形成された指標を検出するための検出部とを有している。そして、リニアエンコーダは、キャリッジの移動中に、検出部がスケール上の指標を読み取ることで、キャリッジの速度を検出する。このようなリニアエンコーダにおいて、スケール上に汚れや傷が付く等の異常が生じると、検出部がスケール上の指標を正確に読み取ることが難しくなる。その結果として、リニアエンコーダにより検出されるキャリッジの速度が、実際の速度よりも遅くなる場合がある。この場合、特許文献1に記載されたインクジェットプリンタでは、リニアエンコーダにより検出されるキャリッジの速度が、スケール上の汚れにより目標速度よりも遅くなると、実際には擦れが生じていないにも関わらず、擦れが生じていると誤って判断する可能性がある。
本発明の目的は、ヘッドと被記録媒体との間の擦れを精度よく判断することが可能な記録装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の記録装置は、液体を吐出するためのノズルを有するヘッドと、前記ヘッドが搭載されたキャリッジと、前記キャリッジを所定の走査方向に往復移動させるキャリッジ駆動部と、前記走査方向に沿って設けられ、所定間隔毎に指標が形成されたスケール、及び、前記キャリッジに搭載され、前記スケールに形成された
前記指標を検出するための検出部を有するエンコーダと、記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、被記録媒体が前記キャリッジと対向可能な領域に位置するか否かを判断する媒体位置判断処理と、前記媒体位置判断処理により被記録媒体が前記キャリッジと対向可能な領域に位置していないと判断した場合に、前記キャリッジが前記走査方向に移動するよう前記キャリッジ駆動部を制御し、このキャリッジの移動中における前記検出部による前記指標の検出結果に基づいて前記スケール上の異常位置を含む異常位置情報を生成し、この異常位置情報を前記記憶部に記憶する異常位置検出処理と、前記媒体位置判断処理により被記録媒体が前記キャリッジと対向可能な領域に位置していると判断した場合に、前記キャリッジが前記走査方向に目標速度で移動するように、前記検出部の前記指標の検出結果により取得した前記キャリッジの速度に関する速度パラメータ値に基づいて前記キャリッジ駆動部を制御し、且つ、画像データに基づいて前記ノズルから被記録媒体に液体を吐出させるよう前記ヘッドを制御して、被記録媒体に画像を印刷する印刷処理と、前記印刷処理における前記キャリッジ駆動部の制御中において、前記検出部の前記スケール上の検出位置が、前記記憶部に記憶された前記異常位置情報の前記異常位置以外の位置であるときに、そのときに取得した前記速度パラメータ値が、前記印刷処理における前記目標速度よりも遅い速度に対応する第1閾値と比べて、対応する速度が遅い値の場合には、前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断し、前記印刷処理における前記キャリッジ駆動部の制御中において、前記検出部の前記スケール上の前記検出位置が、前記記憶部に記憶された前記異常位置情報の前記異常位置であるときに、そのときに取得した前記速度パラメータ値が、前記第1閾値よりも遅い速度に対応する第2閾値と比べて、対応する速度が遅い値の場合には、前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断する擦れ判断処理と、を実行可能である。
本発明によると、検出位置が異常位置である場合には、検出位置が異常位置以外の位置である場合に用いる第1閾値よりも遅い速度に対応する第2閾値を用いて、ヘッドと被記録媒体との間で生じる擦れについて判断される。このように、スケール上の異常位置と異常位置以外の位置とでは異なる閾値を用いることで、検出部による指標の検出結果に基づいて取得した速度パラメータ値がスケール上の異常に起因して低下したとしても、ヘッドと被記録媒体との間で生じる擦れを精度よく判断することができる。
インクジョットプリンタの概略鉛直断面図である。 インクジョットプリンタの概略平面図である。 (a)はエンコーダのスケールと検出センサの配置を示す図であり、(b)は検出センサが透過領域と対向している状態を示す図であり、(c)は検出センサが非透過領域と対向している状態を示す図である。 (a)はスケールに汚れが付着していない場合のパルス信号を示す図であり、(b)及び(c)はスケールに汚れが付着している場合のパルス信号を示す図である。 (a)はプリンタの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は異常位置及び異常位置以外の位置での、用紙擦れ及びジャムに係る閾値を説明する図である。 検出センサによる検出結果に基づいて取得されるキャリッジ速度の低下要因について説明する説明図であり、(a)は用紙擦れが低下要因であるときの図であり、(b)はジャムが低下要因であるときの図である。 検出センサによる検出結果に基づいて取得されるキャリッジ速度の低下要因について説明する説明図であり、(a)はスケール上の汚れが低下要因であるときの図であり、(b)は用紙擦れ及びスケール上の汚れが低下要因であるときの図である。 インクジェットプリンタの動作を示すフローチャートである。 インクジェットプリンタの動作を示すフローチャートである。 変形例に係るインクジェットプリンタの動作を示すフローチャートである。 変形例に係るインクジェットプリンタの動作を示すフローチャートである。
以下、記録装置として、インクジェットプリンタ1を例にして説明する。また、以下では、図1及び図2に示すように、互いに直交する、前後方向、左右方向、及び上下方向を規定して説明する。図1に示すように、プリンタ1は、給送部2、プリンタ部3、制御装置100等を備えている。
給送部2は、被記録媒体である用紙Pが載置される給紙トレイ51と、給紙トレイ51の上方に設けられたピックアップローラ52を有する。ピックアップローラ52は、制御装置100による制御の下、給紙モータ53(図5(a)参照)が駆動されると、給紙トレイ51から用紙Pを1枚ずつ取り出す。ピックアップローラ52によって取り出された用紙Pは、ガイド54に沿って送り出され、プリンタ部3に供給される。
プリンタ部3は、図2に示すように、キャリッジ4、インクジェットヘッド5(以下、ヘッド5)、搬送機構6、エンコーダ7、キャップ8、フラッシング受け9等を備えている。キャリッジ4は、左右方向に延びた2本のガイドレール11、12に支持されている。2本のガイドレール11,12は、前後方向に互いに間隔をあけて配置されている。ガイドレール12の上面の、左右方向における両端部には、プーリ13、14が設けられている。プーリ13、14には、ゴム材料からなる無端状のベルト15が巻き掛けられている。キャリッジ4は、ベルト15のプーリ13とプーリ14との間に位置する部分に取り付けられている。また、右側のプーリ13には、キャリッジモータ16が接続されている。そして、キャリッジモータ16を正転及び逆転させると、プーリ13、14が回転することによってベルト15が走行し、キャリッジ4が左右方向を走査方向として往復移動する。このとき、左側のプーリ14は、ベルト15の走行に伴い回転する。
ヘッド5は、キャリッジ4に搭載されており、キャリッジ4とともに走査方向に往復移動する。このヘッド5の下面は、インクを吐出するための複数のノズル10が形成されたノズル面10a(図1参照)である。また、ヘッド5内には、複数のノズル10に連通するインク流路と、インク流路内のインクに圧力を付与して複数のノズル10からそれぞれインクを吐出させる複数の駆動素子を備えたアクチュエータとを備えている。アクチュエータは、特定の構成のものには限られないが、例えば、駆動素子として、圧電層の逆圧電効果による変形を利用してインクを加圧する圧電素子を有する、圧電アクチュエータを好適に採用できる。尚、駆動素子として、熱によってインク内に気泡を発生させるための発熱素子を採用してもよい。
また、ヘッド5は、用紙Pに画像を印刷するために、一吐出周期内にノズル10から吐出可能なインクの吐出量(インク滴の体積)は4種類(大滴、中滴、小滴、非吐出)である。従って、用紙P上に形成されるドットによって表現可能なのは、インクの吐出量に応じた4段階の濃度である。このように、プリンタ1では、用紙P上に4階調の印刷を行うことできる。尚、吐出周期とは、走査方向解像度に対応する単位距離だけヘッド5が移動するのに要する時間である。
搬送機構6は、プラテン41、及び、2つの搬送ローラ42,43を備えている。プラテン41は、キャリッジ4よりも下方、且つ、キャリッジ4と対向可能な位置に配置されている。プラテン41は、その左右方向の幅が、用紙Pの左右方向の幅よりも長く、印刷時に用紙Pを下側から支持する。
2つの搬送ローラ42,43は、プラテン41を挟むように前後に配置されている。そして、2つの搬送ローラ42,43は、制御装置100による制御の下、搬送モータ37(図5(a)参照)により同期して回転駆動され、給送部2から送られてきた用紙Pを、プラテン41の上方の、キャリッジ4と対向可能な領域A(図1参照:以下、対向領域A)に搬送する。なお、搬送ローラ42の回転軸には、搬送ローラ42の回転に応じたパルス信号を出力するロータリーエンコーダ40(図5(a)参照)が設置されている。制御装置100は、このロータリーエンコーダ40のパルス信号に基づいて、用紙Pの搬送を制御する。
また、図1に示すように、搬送ローラ42,43よりも搬送方向上流側には、用紙センサ38が配置されている。この用紙センサ38は、用紙Pの搬送経路における、搬送ローラ42,43よりも搬送方向上流側位置を、検出位置として、当該検出位置に用紙Pが存在するか否かを検出する。制御装置100は、この用紙センサ38の検出結果、及び、搬送モータ37に対する制御内容に基づいて、用紙Pが対向領域Aに位置するか否かを判断する。具体的には、制御装置100は、用紙センサ38が用紙Pの先端を検知してからの、ロータリーエンコーダ40のパルス信号に基づいた搬送ローラ42,43による用紙Pの搬送量が、用紙センサ38の検出位置と対向領域Aとの間の距離と同じ量となった時点を、用紙Pの先端が対向領域Aに到達した第1時点とする。また、この第1時点からの、ロータリーエンコーダ40のパルス信号に基づいた搬送ローラ42,43による用紙Pの搬送量が、対向領域A(キャリッジ4)の搬送方向に関する長さ、及び、用紙Pの搬送方向に関する長さの合計量となった時点を、用紙Pの後端が対向領域Aから抜けた第2時点とする。そして、この第1時点から第2時点までの間、用紙Pが対向領域Aに位置していると判断する。
また、搬送ローラ42,43よりも搬送方向下流側には、用紙センサ39が配置されている。この用紙センサ39は、用紙Pの搬送経路における、搬送ローラ42,43よりも搬送方向下流側位置を、検出位置として、当該検出位置に用紙Pが存在するか否かを検出する。制御装置100は、ロータリーエンコーダ40のパルス信号、及び用紙センサ38,39の検出結果に基づいて、用紙Pのジャムを判断する。具体的には、制御装置100は、用紙センサ38が用紙Pを検出した時点からカウントしたロータリーエンコーダ40のパルス信号のパルス数が、用紙センサ38,39間の搬送距離に相当する値に達したにもかかわらず、用紙センサ39が用紙Pを検出しなかった場合に、ジャムが生じたと判断する。
エンコーダ7は、透過型のリニアエンコーダであり、図2及び図3に示すように、スケール21と、検出センサ22とを有している。スケール21は、ガイドレール12の上面に配置され、キャリッジ4の移動可能範囲にわたって走査方向に延びている。また、スケール21には、図3(a)に示すように、透過領域21aと非透過領域21bとが走査方向に沿って交互に複数配置されている。透過領域21a各々の走査方向における領域幅は全て同じであり、非透過領域21b各々の走査方向における領域幅も全て同じである。つまり、スケール21上において、複数の透過領域21aは走査方向に沿って所定間隔(非透過領域21bの領域幅)毎に形成されており、複数の非透過領域21bは走査方向に沿って所定間隔(透過領域21aの領域幅)毎に形成されている。また、透過領域21aは光を透過する領域である一方、非透過領域21bは光を透過しない領域である。
検出センサ22は、キャリッジ4に搭載されており、発光素子26と受光素子27とを有している。発光素子26と受光素子27とは、前後方向において、スケール21を挟むように配置されている。発光素子26は、受光素子27に向けて光を照射する。受光素子27は、発光素子26から照射された光を受光する。そして、検出センサ22は、この発光素子26と受光素子27とで挟まれるスケール21上の位置を検出位置として、透過領
域21a及び非透過領域21bの検出を行う。
具体的には、図3(b)に示すように、検出センサ22の検出位置が透過領域21aである場合には、発光素子26から照射された光は、透過領域21aを透過して受光素子27により受光される。一方で、図3(c)に示すように、検出センサ22の検出位置が非透過領域21bである場合には、発光素子26から照射された光は、非透過領域21bにより遮断されて、受光素子27には到達しない。このため、キャリッジ4が走査方向に移動することで、検出センサ22の検出位置が移動すると、受光素子27は、発光素子26からの光を受光する状態と、発光素子26からの光を受光しない状態とを交互に繰り返すことになる。
図4(a)に示すように、検出センサ22は、受光素子27が発光素子26からの光を受光しないときに電位がV1となり、受光素子27が発光素子26からの光を受光するときに電位がV2(V2<V1)となるパルス信号を出力する。即ち、検出センサ22から出力されるパルス信号は、電位がV1のときは検出センサ22が非透過領域21bを検出していることを表し、電位がV2のときは検出センサ22が透過領域21aを検出していることを表している。詳細は後述するが、本実施形態では、制御装置100は、検出センサ22の検出結果に基づいて、キャリッジ4の速度(以下、キャリッジ速度Vcrともいう)の取得等を行っている。
図2に示すように、キャップ8は、プラテン41の右側に配置されており、これに対応して、プリンタ1では、キャリッジ4を、ノズル面10aがキャップ8と対向する待機位置まで移動可能となっている。キャップ8は、昇降機構(不図示)によって上下方向に移動させることが可能である。キャリッジ4が待機位置に位置づけられたときに、キャップ8を上方向に移動させてヘッド5に近づけると、キャップ8がノズル面10aに密着し、複数のノズル10がキャップ8で覆われる。尚、キャップ8がノズル面10aに密着することには限られず、例えば、ヘッド5が、ノズル面10aを取り囲むように配置されたフレームを有するものである場合に、キャップ8がこのフレームに密着することによってノズル10を覆ってもよい。尚、プリンタ1では、印刷を行われない場合には、キャリッジ4が待機位置に位置づけられて、複数のノズル10がキャップ8で覆われた状態にされる。これにより、ノズル10内のインクの乾燥が防止される。
フラッシング受け9は、プラテン41の左側に配置されており、これに対応して、プリンタ1では、キャリッジ4を、ノズル面10aがフラッシング受け9と対向するフラッシング位置まで移動可能となっている。キャリッジ4がフラッシング位置に位置づけられたときに、各ノズル10からインクを吐出させることで、各ノズル10内で増粘したインクを排出する、フラッシングを行う。尚、フラッシング位置は、ノズル面10aがフラッシング受け9と対向する位置である必要は必ずしもなく、例えば、キャリッジ4が移動しながらフラッシングを行う場合には、キャリッジ4の速度によっては、キャリッジ4の移動方向においてフラッシング受け9より手前の位置でもよい。
図5(a)に示すように、制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)1
01、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、不揮発性メモリ104、発振回路105、ASIC(application specific integrated circuit)106等を含む。ROM102には、CPU101が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAM103には、プログラム実行時に必要なデータ(画像データ等)が一時的に記憶される。不揮発性メモリ104には、後述する異常位置情報等が記憶される。発振回路105は、予め定められた周波数のクロック信号を出力する。ASIC106には、ヘッド5、検出センサ22、キャリッジモータ16、搬送モータ37、用紙センサ38、タッチパネル99、通信インターフェース110等、プリンタ1の様々な装置あるいは駆動部と接続されている。
CPU101は、ROM102に格納されたプログラムを実行することにより、ASIC106を介して、ヘッド5やキャリッジモータ16等の動作を制御する各種処理を実行する。尚、以下では、CPUによって各種処理を行うものとして説明するが、制御装置100が複数のCPUを備え、複数のCPUによって処理を分担して行ってもよい。また、制御装置100が複数のASICを備え、複数のASICによって処理を分担してもよい。あるいは、1つのASIC単独で処理を行ってもよい。以下、CPU101が、ROM102に記憶されたプログラムに従って、実行する処理について説明する。
CPU101は、通信インターフェース110を介して、PC等の外部装置200から印刷指令を受信したときに、ヘッド5、キャリッジモータ16、搬送モータ37等を制御して、RAM103に記憶された画像データに係る画像を用紙Pに印刷する印刷処理を実行する。
具体的には、CPU101は、印刷指令を受信すると、まず、RAM103に記憶された画像データに対して公知の誤差拡散処理(量子化処理)等の画像処理を行うことで、吐出データを生成する。この吐出データは、一吐出周期内にノズル10から吐出可能なインクの4種類の吐出量に対応した4階調のデータである。また。CPU101は、ピックアップローラ52や搬送モータ37を制御して、給紙トレイ51から対向領域Aに向けて用紙Pを搬送する。その後、CPU101は、用紙センサ38の検知結果等に基づいて用紙Pが対向領域Aに位置しているか否かを判断する。そして、用紙Pが対向領域Aに位置していると判断したときに、CPU101は、生成した吐出データに係る印刷処理を開始する。この印刷処理では、CPU101は、キャリッジ4の走査方向への1回の移動(パスともいう)の間に、吐出データに基づいてノズル10からインクを吐出させる吐出処理と、搬送機構6により用紙Pを前方に所定量だけ搬送させる搬送処理とを交互に行う。
尚、1回のパスを印刷する吐出処理において、CPU101は、キャリッジ4が目標速度で定速移動するよう、検出センサ22の検出結果に基づいて取得した現在のキャリッジ速度Vcrと、当該目標速度との偏差に基づくフィードバック制御により、キャリッジ4の移動を制御する。また、プリンタ1では、キャリッジ4の目標速度として、複数段の速度を設定可能にされている。CPU101は、印刷指示(印刷指示に含まれる、用紙Pに印刷する画像の走査方向の解像度に関する指示等)や、パスでの印刷範囲等に応じて、この複数段の速度のうちの何れか1つの速度を目標速度として設定して、吐出処理中は、当該目標速度でキャリッジ4が定速移動するようキャリッジモータ16を制御する。
ところで、用紙Pは、インクを吸収すると、コックリングやカール等の用紙変形が生じる。このような用紙変形が生じると、以後のパスの印刷を行う際に、図6(a)に示すように、キャリッジ4の移動中に用紙Pとヘッド5のノズル面10aとの間で擦れ(以下、用紙擦れ)が生じることがある。この用紙擦れが生じた状態で、キャリッジ4の移動を継続すると、ノズル面10aの損傷に起因したインクの吐出不良や、ジャム等の要因となる。
そこで、CPU101は、キャリッジ4を移動させる際に、キャリッジ4の現在の速度であるキャリッジ速度Vcrを取得し、このキャリッジ速度Vcrに基づいて用紙擦れが生じたか否かを判断する。そして、CPU101は、用紙擦れが生じたと判断した場合には、キャリッジ4の移動を停止する処理等を行う。以下、詳細に説明する。
吐出処理においては、先に触れたように、CPU101が、キャリッジ4を目標速度で移動するように、キャリッジモータ16を制御する。この制御中においては、キャリッジ
4は、モータ変動の影響は多少受けるものの、大よそ目標速度で移動する。しかしながら、上記用紙擦れが生じると、ノズル面10aと用紙Pとの間の摩擦力により、キャリッジ速度Vcrは目標速度よりも大きく低下する。従って、キャリッジモータ16の制御中に取得したキャリッジ速度Vcrが所定の閾値(以下、第1閾値)と比べて遅いときに、用紙擦れが生じたと判断することができる。尚、この第1閾値は、目標速度よりも遅い速度に対応する値であり、目標速度と第1閾値との差は、上記モータ変動による速度低下分よりも大きい。例えば、キャリッジ速度Vcrが、目標速度に対してモータ変動により5%前後は変動する場合には、第1閾値を、目標速度の90%の値に設定する。
上記キャリッジ速度Vcrについては、下記の式1により算出することができる。尚、式1中において、Wは1つの非透過領域21bの走査方向の領域幅であり、Fは発振回路105から出力されるクロック信号の周波数である。また、CKは、検出センサ22が1つの非透過領域21bを検出している間に、発振回路105から出力されるクロック信号のクロック数である。
Vcr=W/(CK/F)・・・・(式1)
上記式1において、領域幅W及び周波数Fは、予め定められている固定値であるため、クロック数CKを取得することでキャリッジ速度Vcrを算出することができる。そして、このクロック数CKについては、検出センサ22から出力されるパルス信号の電位が、V2からV1に立ち上がる時点から、V1からV2に立ち下がる時点までの期間、つまり、パルス信号の電位がV1に保持される期間(以下、V1保持期間ともいう)に、発振回路105から出力されるクロック信号のクロックをカウントすることで取得することができる。以上のようにして、キャリッジ4の移動中に、検出センサ22の検出結果に基づいてキャリッジ速度Vcrを取得することで、用紙擦れを判断することが可能となる。尚、キャリッジ速度Vcrの取得は、検出センサ22から出力されるパルス信号の電位がV1からV2に立ち下がる毎に実行される。
また、図6(b)に示すように、用紙Pが上方に大きく浮き上がるように変形した場合、キャリッジ4の移動中に、用紙Pとキャリッジ4の側面等に衝突してジャムが生じることがある、このようなジャムが生じると、キャリッジ速度Vcrは、用紙擦れのときよりも大きく低下する。そこで、CPU101は、検出センサ22の検出結果に基づいて取得したキャリッジ速度Vcrが、上記第1閾値より遅い速度に対応する第3閾値と比べて遅いときに、ジャムが生じたと判断する。この第3閾値は、例えば、目標速度の30%の値に設定する。
ところで、スケール21は、その一部にインク汚れ等を要因とした異常が生じることがある。例えば、ジャムが生じた場合、ユーザにより詰まった用紙を除去する除去作業が行われるが、この除去作業の過程で、インクがスケール21上に付着して汚れることがある。また、用紙Pの走査方向の長さよりも広い範囲に亘ってノズル10からインクを吐出させて、用紙Pの走査方向の全長に亘って印刷を行う、いわゆる縁無し印刷を行うことがある。通常、ノズル10からインクを吐出させる際にインクに付与される吐出エネルギーは、プラテン41に支持された用紙Pの上面にインクを着弾させるのに必要なエネルギーしか付加されていないため、縁無し印刷において、用紙Pよりも走査方向外側の範囲においてノズル10から吐出されたインクの一部は、プラテン41に着弾せずにミスト化される。このミスト化したインクがスケール21上に付着して汚れることがある。
以上のように、スケール21上に汚れ等が付着して異常が生じると、検出センサ22から出力されるパルス信号が、本来出力されるべきパルス信号と異なることで、この検出センサ22に基づいて取得するキャリッジ速度Vcrが、実際の速度よりも遅くなる場合がある。以下、具体的に説明する。
汚れが付着した部分が非透過領域21bである場合には、非透過領域21bは、元々、光を遮断する領域であるため、非透過領域21b上の汚れにより、検出センサ22から出力されるパルス信号が、本来出力されるべきパルス信号と異なることはない。
一方で、汚れが付着した部分が透過領域21aである場合、発光素子26から照射された光は、透過領域21aの汚れにより遮断されて、受光素子27に到達しない。その結果、この透過領域21aの汚れにより、検出センサ22から出力されるパルス信号が、本来出力されるべきパルス信号と異なることになる。
例えば、図4(b)に示すように、透過領域21aにおいて、両隣の非透過領域21bのうちの何れか一方にのみつながる汚れが付着すると、検出センサ22の検出位置が、1つの非透過領域21bにある期間に加えて、検出位置が汚れ部分にある期間の間、電位がV1に保持されることになる。
また、図4(c)に示すように、透過領域21aの全体に汚れが付着すると、検出センサ22の検出位置が、1つの非透過領域21bにある期間に加えて、1つの非透過領域、及び、汚れが付着した1つの透過領域21aにある期間の間、電位がV1に保持されることになる。
以上のように、スケール21の透過領域21aに汚れが付着すると、電位がV1に保持されるV1保持期間が、検出センサ22の検出位置が1つの非透過領域21bにある期間よりも長くなる。その結果として、V1保持期間中に取得するクロック数CKは、検出センサ22の検出位置が1つの非透過領域21bにある期間にカウントされるクロック数よりも多くなる。つまり、上記式1におけるクロック数CKは、実際の値よりも大きくなる。一方で、上記式1において、非透過領域21bについての領域幅Wは固定値とされている。このため、クロック数CKが実際の値よりも多くなることで、式1を用いて算出されるキャリッジ速度Vcrが、実際の速度よりも遅くなる。その結果として、図7(a)に示すように、用紙擦れが生じていないにも関わらず、キャリッジ速度Vcrが第1閾値未満となると、CPU101は、用紙擦れが生じたと誤って判断することになる。これにより、キャリッジ4の移動を停止されて、印刷処理が不要に中断されるため、プリンタ1の使い勝手が悪くなる。
そこで、本実施形態では、この問題を解決すべく、CPU101は、印刷処理よりも前において、スケール21上の異常位置に関する異常位置情報を生成して、不揮発性メモリ104に記憶する異常位置検出処理を実行する。
また、CPU101は、印刷処理におけるキャリッジモータ16の制御中において、検出センサ22の検出位置が異常位置以外の位置である場合には第1閾値を用いて用紙擦れを判断し、検出位置が異常位置である場合には、第1閾値とは異なる第2閾値を用いて用紙擦れを判断する擦れ判断処理を実行する。この第2閾値は、第1閾値よりも小さく、且つ、第3閾値よりも大きい値の閾値である。また、これら第1閾値〜第3閾値を設定する閾値設定処理を実行する。以下、これらの処理について詳細に説明する。
異常位置検出処理においては、CPU101は、用紙Pが対向領域Aに位置していないと判断した場合に、キャリッジモータ16を制御してキャリッジ4を走査方向に定速で移動させる。このときのキャリッジ4の移動範囲は、待機位置からフラッシング位置までの範囲である。そして、このキャリッジ4の移動中における検出センサ22の検出結果に基づいて、スケール21上の異常位置、及び当該異常位置に対応する後述する速度低下率を含む異常位置情報を異常位置毎に生成する。以下、具体的に説明する。
異常位置検出処理中においては、用紙Pは対向領域Aに位置していないため、キャリッジ速度Vcrが用紙擦れにより遅くなることはなく、キャリッジ4は設定された目標速度と略同じ速度で定速に移動することになる。従って、スケール21上に汚れが付着していない場合には、図4(a)に示すように、V1保持期間それぞれの長さは全て同じであり、且つ、検出センサ22が1つの非透過領域21bを検出している期間と同じとなる。このため、V1保持期間それぞれにおいて取得されるクロック数CKを上記式1に変数として代入して算出されるキャリッジ速度Vcrは、設定した目標速度と略同じとなる。
一方で、図4(b)及び(c)に示すように、スケール21上の何れかの透過領域21aに非透過領域21bにつながる汚れが付着していた場合、スケール21上の、この透過領域21aの汚れ部分及び非透過領域21bの位置は異常位置となる。そして、検出センサ22の検出位置がこの異常位置があるときには、検出位置が異常位置以外の位置であるときと比べて、V1保持期間は長くなり、このV1保持期間において取得されるクロック数CKも多くなる。このため、このクロック数CKを上記式1に変数として代入して算出されるキャリッジ速度Vcrは、設定した目標速度よりも遅くなる。そこで、CPU101は、算出したキャリッジ速度Vcrが、所定の閾値よりも遅い場合、検出センサ22の現在の検出位置は、スケール21上の異常位置であると判断する。尚、上記閾値は、上記モータ変動等の外乱による誤差を考慮した分だけ、上記目標速度よりも遅い速度である。
検出センサの現在の検出位置については、キャリッジ4の待機位置から検出センサ22により検出される非透過領域21bの数をカウントすることで取得する。不揮発性メモリ104には、キャリッジ4の待機位置からの、検出センサ22により検出される非透過領域21bの検出数を示すカウント値が記憶される。そして、CPU101は、キャリッジ4が走査方向に沿って左方に移動する際に、検出センサ22により非透過領域21bが検出される(電位がV2からV1に立ち上がる)毎に、不揮発性メモリ104に記憶されたカウント値を1だけカウントアップする。一方で、CPU101は、キャリッジ4が走査方向に沿って左方に移動する際に、検出センサ22により非透過領域21bが検出される毎に、不揮発性メモリ104に記憶されたカウント値を1だけカウントダウンする。これにより、検出センサ22の現在の検出位置を取得することができる。
以上のようにして、CPU101は、スケール21上の異常位置を判断する。また、CPU101は、各異常位置に対応して取得したキャリッジ速度Vcrから、当該異常位置での汚れによる速度低下率を算出する。具体的には、目標速度を100としたときの、取得したキャリッジ速度Vcrの割合を速度低下率とする。そして、CPU101は、この異常位置、及び当該異常位置に対応する速度低下率、を含む異常位置情報を異常位置毎に生成して、不揮発性メモリ104に記憶する。尚、この異常位置検出処理中における、キャリッジ4の速度制御についても、目標速度と、検出センサ22の検出結果に基づいて取得したキャリッジ速度Vcrとの偏差に基づくフィードバック制御により行われる。ここで、取得したキャリッジ速度Vcrが、スケール21上の汚れにより、実際の速度よりも遅くなると、上記フィードバック制御を適切に行うことができない。そこで、取得したキャリッジ速度Vcrが、上記所定の閾値よりも遅い場合には、この取得したキャリッジ速度Vcrをフィードバック制御のパラメータとして使用しないようにしてもよい。
尚、キャリッジ4が加減速して移動する際には、モータ変動が大きい等の理由によりキャリッジ速度Vcrが大きく変動するため、検出センサ22の検出結果に基づいて異常位置情報を生成した場合、その精度が低い場合がある。一方で、キャリッジ4が定速で移動するように制御している際には、キャリッジ速度Vcrの変動が小さい。このため、本実施形態のように、キャリッジ4が定速で移動するように制御して、検出センサ22の検出結果に基づいて異常位置情報を生成することで、その精度を向上させることができる。ま
た、本実施形態では、異常位置検出処理において設定されるキャリッジ4の目標速度は、設定可能な複数段の速度のうち、最も早い速度である。これにより、異常位置検出処理に要する時間を短縮することができる。
閾値設定処理においては、CPU101は、印刷処理の吐出処理中のキャリッジ4の目標速度に応じて、第1閾値及び第3閾値を設定する。例えば、上述したように、目標速度の90%の値を第1閾値として設定し、目標速度の30%の値を第3閾値として設定する。また、CPU101は、吐出処理中のキャリッジ4の目標速度、及び、不揮発性メモリ104に記憶された異常位置情報に基づき、スケール21上の異常位置毎に、第2閾値を設定する。例えば、或る異常位置に係る第2閾値については、目標速度に当該或る異常位置に対応する速度低下率を乗算して得られた値の、90%の値と設定する。尚、第2閾値の設定方法はこれに限定されるものではなく、例えば、速度低下率と、各目標速度に対応する第2閾値との関係が、テーブルや算出式によってROM102に記憶されており、これらを用いて、異常位置検出処理において取得した速度低下率に基づき第2閾値を設定してもよい。
尚、各異常位置の第2閾値を設定する際に、当該第2閾値が第3閾値よりも小さくなった場合には、スケール21上において汚れの範囲が大きく、用紙擦れを精度よく判断することができないため、エラー画面をタッチパネル99に表示させてもよい。若しくは、例外的に、この異常位置だけ、第3閾値を、第2閾値よりも小さくなるように設定してもよい。以上のように、キャリッジ4の目標速度に応じて第1〜第3閾値を設定することで、用紙擦れやジャムを精度よく判断することが可能となる。また、速度低下率に基づいて、異常位置毎に第2閾値を設定することで、用紙擦れをより精度よく判断することが可能となる。
擦れ判断処理においては、図5(b)及び図6(a)に示すように、CPU101は、印刷処理におけるキャリッジモータ16の制御中において、検出センサ22の検出位置が、不揮発性メモリ104に記憶された異常位置情報の異常位置以外の位置であるときには、そのときに取得したキャリッジ速度Vcrが第1閾値未満であり、且つ第3閾値以上である場合に、用紙擦れが生じたと判断する。また、CPU101は、印刷処理におけるキャリッジモータ16の制御中において、検出センサ22の検出位置が、異常位置であるときには、図7(b)に示すように、そのときに取得したキャリッジ速度Vcrが、当該異常位置に対応する第2閾値未満であり、且つ、第3閾値以上である場合に、用紙擦れが生じたと判断する。この用紙擦れの有無の判断は、キャリッジ速度Vcrを取得する毎に実行される。尚、図5(b)に示すように、取得したキャリッジ速度Vcrが第3閾値未満である場合には、CPU101は、検出センサ22の検出位置に関わらず、ジャムが生じたと判断する。
以下、プリンタ1の、一連の動作について、図8及び図9を参照しつつ説明する。尚、図8の動作フロー開始時において、キャリッジ4は待機位置に位置づけられており、且つ、対向領域Aを含む搬送経路上には用紙Pが存在しないものとする。
図8に示すように、CPU101は、外部装置200等から印刷指令を受信する(S1:YES)と、対向領域Aへの用紙Pの搬送前であるため、対向領域Aに用紙Pが位置していないと判断して、異常位置検出処理を実行する(S2)。具体的には、CPU101は、キャリッジモータ16を制御して、設定可能な最大速度を目標速度として、キャリッジ4を待機位置からフラッシング位置まで定速で移動させる。そして、このキャリッジの移動中における検出センサ22の検出結果に基づいて異常位置情報を生成して、不揮発性メモリ104に記憶する。
次に、CPU101は、ヘッド5にフラッシングを行わせるフラッシング処理を実行する(S3)。これにより、ノズル10内で増粘したインクを排出することができる。そして、CPU101は、RAM103に記憶されている画像データから、吐出データを生成する(S4)。次に、CPU101は、ピックアップローラ52、搬送モータ37等を制御して、給紙トレイ51の用紙Pを対向領域Aまで搬送する(S5)。このS5の処理により用紙Pが対向領域Aに搬送されるため、CPU101は、用紙Pが対向領域Aに位置したと判断する。
そして、CPU101は、次の吐出処理で設定されるキャリッジ4の目標速度に応じて、第1及び第3閾値を設定するとともに、キャリッジ4の目標速度、及び不揮発性メモリ104に記憶されている異常位置情報に基づいて、異常位置毎に第2閾値を設定する閾値設定処理を実行する(S6)。この後、CPU101は、1パス分の印刷に係る吐出処理を開始する(S7)。即ち、キャリッジモータ16を制御してキャリッジ4の走査方向への移動を開始させ、且つ、ヘッド5を制御して吐出データに基づくノズル10からのインクの吐出を開始する。このキャリッジモータ16の制御中においては、検出センサ22による検出結果に基づいて、検出センサ22の検出位置、及び、キャリッジ速度Vcrの取得が行われる。尚、先に触れたように、この吐出処理中における、キャリッジ4の速度制御については、目標速度と、検出センサ22の検出結果に基づいて取得したキャリッジ速度Vcrとの偏差に基づくフィードバック制御により行われる。しかしながら、検出センサ22のスケール21上の検出位置が異常位置にあるときには、そのときに取得したキャリッジ速度Vcrが、実際の速度よりも遅くなる。その結果として、吐出処理中のキャリッジ4の速度制御を適切に行うことができない可能性がある。そこで、検出センサ22のスケール21上の検出位置が異常位置にあるときには、取得したキャリッジ速度Vcrをフィードバック制御のパラメータとして使用しないようにしてもよい。若しくは、不揮発性メモリ104に記憶されている当該異常位置に対応する異常位置情報の速度低下率を参照して、取得したキャリッジ速度Vcrを補正した上で、フィードバック制御をしてもよい。
次に、CPU101は、取得したキャリッジ速度Vcrが第3閾値未満か否かを判断する(S8)。そして、キャリッジ速度Vcrが第3閾値以上であると判断した場合(S8:NO)には、CPU101は、ジャムが生じていないと判断してS9の処理に移る。一方で、キャリッジ速度Vcrが第3閾値未満であると判断した場合(S8:YES)には、CPU101は、ジャムが生じていると判断して、S30の処理に移る。
S9の処理では、CPU101は、不揮発性メモリ104の異常位置情報を参照して、検出センサ22の現在の検出位置が異常位置であるか否かを判断する(S9)。検出位置が異常位置以外の位置であると判断した場合(S9:NO)には、CPU101は、取得したキャリッジ速度Vcrが第1閾値未満か否かを判断する(S10)。そして、キャリッジ速度Vcrが第1閾値以上であると判断した場合(S10:NO)には、CPU101は、用紙擦れが生じていないと判断してS12の処理に移る。一方で、キャリッジ速度Vcrが第1閾値未満であると判断した場合(S10:YES)には、CPU101は、用紙擦れが生じていると判断して、S35の処理に移る。
S9の処理で、検出位置が異常位置であると判断した場合(S9:YES)には、CPU101は、取得したキャリッジ速度Vcrが第2閾値未満か否かを判断する(S11)。そして、キャリッジ速度Vcrが第2閾値以上であると判断した場合(S11:NO)には、CPU101は、用紙擦れが生じていないと判断してS12の処理に移る。一方で、キャリッジ速度Vcrが第2閾値未満であると判断した場合(S11:YES)には、CPU101は、用紙擦れが生じていると判断して、S35の処理に移る。
S12の処理では、CPU101は、吐出処理(1パス分の印刷)が終了したか否かを判断する。吐出処理が終了していないと判断した場合(S12:NO)には、吐出処理を継続すべく、S8の処理に戻る。一方で、吐出処理が終了したと判断した場合(S12:YES)には、一枚の用紙Pへの印刷が終了したか否かを判断する(S13)。一枚の用紙Pへの印刷が終了していないと判断した場合(S13:NO)には、CPU101は、搬送モータ37を制御して用紙Pを所定量だけ前方へ搬送し(S14)、次のパスの印刷を実行すべく、S6の処理に移る。一方で、一枚の用紙Pへの印刷が終了したと判断した場合(S13:YES)には、CPU101は、搬送モータ37を制御して、印刷した用紙Pを前方に搬送して対向領域A内から排出し(S15)、この後、受信した印刷指令に係る印刷が全て終了したか否かを判断する(S16)。印刷が全て終了したと判断した場合(S16:YES)には、CPU101は、キャリッジモータ16を制御して、キャリッジ4を待機位置に移動させた後に、S1の処理に移る。
一方で、印刷が未だ終了していないと判断した場合(S16:NO)には、直前に行った用紙Pへの画像の印刷が縁無し印刷であったか否かを判断する(S17)。縁無し印刷ではないと判断した場合(S17:NO)には、CPU101は、次の用紙Pの印刷を実行すべく、S5の処理に移る。一方で、縁無し印刷であったと判断した場合(S17:YES)には、スケール21上に新たな汚れが発生した可能性があるとして、CPU101は、異常位置検出処理を実行する(S18)。これにより、不揮発性メモリ104に記憶される異常位置情報が更新される。この後、CPU101は、次の用紙Pの印刷を実行すべく、S5の処理に移る。
図9に示すように、ジャムが生じていると判断したときに行うS30の処理では、CPU101は、キャリッジモータ16を制御してキャリッジ4を停止させる。そして、CPU101は、ジャムが発生した旨を示す画面をタッチパネル99に表示させる(S31)。この後、ユーザにより詰まった用紙の除去作業が行われる。そして、ユーザから除去作業が完了した旨を示す入力を、タッチパネル99を介して受け付けると(S32:YES)、CPU101は、この除去作業中にスケール21上に新たな汚れが発生した可能性があるとして、異常位置検出処理を実行する(S33)。これにより、不揮発性メモリ104に記憶される異常位置情報が更新される。この後、CPU101は、同じ吐出データに基づく印刷を新たな用紙Pで再度実行すべく、S5の処理に移る。
用紙擦れが生じていると判断したときに行うS35の処理では、CPU101は、キャリッジモータ16を制御してキャリッジ4を停止させる。そして、CPU101は、所定時間だけ待機し(S36)、この後、搬送モータ37を制御して、印刷した用紙Pを対向領域A内から排出する(S37)。ここで、用紙Pの変形理由が、用紙Pがインクを吸収したことに由来する場合、その状態でしばらく待機させておくと、用紙P浮き上がりがおさまり、結果として、用紙Pがノズル面10aから離れる。従って、上記のように、用紙Pを対向領域Aから排出させる前に、所定時間だけ待機することで、用紙Pの排出時に、用紙Pとノズル面10aとの間で用紙擦れが生じることを抑制することができる。
次に、CPU101は、用紙Pの1枚当たりに吐出されるインクの吐出量が、先ほどの印刷処理で使用した吐出データよりも少なくなるように、同じ画像データから、吐出データを再度生成する(S38)。例えば、量子化処理における閾値を変更する等して、中滴や大滴のインクが吐出される比率を低くする一方で、小滴のインクが吐出される比率を多くする。この後、生成した吐出データに基づく印刷を新たな用紙Pで実行すべく、S5の処理に移る。このように、用紙Pの1枚当たりに吐出されるインクの吐出量が少ない吐出データに変更することで、再印刷中において、ノズル10から吐出されたインクにより用紙Pが変形する度合を抑えることができる。その結果として、再印刷中において、用紙擦れが生じることを抑制することができる。
以上、本実施形態によると、検出センサ22の検出位置が異常位置である場合には、検出位置が異常位置以外の位置である場合に用いる第1閾値よりも遅い速度に対応する第2閾値を用いて、用紙擦れが判断される。このように、スケール21上の異常位置と異常位置以外の位置とでは異なる閾値を用いることで、検出センサ22の検出結果に基づいて取得したキャリッジ速度Vcrがスケール21上の汚れに起因して低下したとしても、用紙擦れを精度よく判断することができる。
また、印刷処理前に行うフラッシング処理のためのキャリッジ4の待機位置からフラッシング位置への移動が、異常位置検出処理におけるキャリッジの移動を兼ねているため、異常位置検出処理のためだけにキャリッジ4を新たに移動させる必要がない。
また、縁無し印刷後やジャム後においては、スケール21に汚れが新たに付着している可能性があるため、次の印刷を行う前に異常位置検出処理が実行される。その結果として、次の印刷中において、用紙擦れを精度よく判断することができる。尚、図8及び図9のフローチャート図では図示されていないが、CPU101は、ロータリーエンコーダ40のパルス信号、及び用紙センサ38,39の検出結果に基づいて、用紙Pのジャムが生じたと判断した場合においても、次の印刷を行う前に、異常位置検出処理を実行する。
以上説明した実施形態において、キャリッジモータ16が「キャリッジ駆動部」に相当する。検出センサ22が「検出部」に相当し、非透過領域21bが「指標」に相当する。不揮発性メモリ104が「記憶部」に相当する。フラッシング受け9が「液体受け」に相当する。検出センサ22の検出結果に基づいて取得するキャリッジ速度Vcrが速度パラメータ値に相当する。速度低下率が「速度情報」に相当する。用紙センサ38,39及びロータリーエンコーダ40が「ジャム検出部」に相当する。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、CPU101が、用紙擦れが生じたと判断した(S10:YES,S11:YES)以降の処理を、図10(a)や図10(b)に示すようにしてもよい。以下、これらの変形例について説明する。
まず、図10(a)に示す変形例について説明する。CPU101は、用紙擦れが生じたと判断した場合、キャリッジモータ16を制御して、用紙擦れを判断したときのキャリッジ4の進行方向とは逆方向にキャリッジ4を、プラテン41よりも外側となるまで移動させる(S41)。尚、用紙擦れを判断するまでは、ヘッド5と用紙Pとは接触していないため、S41の処理のように、進行方向とは逆方向にキャリッジ4を移動させたとしても、ヘッド5と用紙Pとの間で用紙擦れが生じる可能性は低い。
その後、CPU101は、上述したS37及びS38と同様なS42及びS43の処理を実行した後に、生成した吐出データに基づく印刷を新たな用紙Pで実行すべく、S5の処理に移る。以上、本変形例でも、用紙擦れを判断した以降において、用紙擦れによりヘッド5が損傷等することを抑制することができる。
次に、図10(b)に示す変形例について説明する。本変形例では、CPU101は、用紙擦れが生じたと判断したとしても、当該パスの印刷が終了していなければ、ジャムが生じない限り継続して行う。具体的には、CPU101は、用紙擦れが生じたと判断した場合、1パス分の印刷が終了したか否かを判断する(S51)。1パス分の印刷が終了していないと判断した場合(S51:NO)には、印刷を継続し、取得したキャリッジ速度Vcrが第3閾値未満か否かを判断する(S52)。キャリッジ速度Vcrが第3閾値以
上であると判断した場合(S52:NO)には、S51の処理に戻る。一方で、キャリッジ速度Vcrが第3閾値未満であると判断した場合(S53:YES)には、ジャムが生じたと判断して、S53の処理に移る。
S51の処理で、1パス分の印刷が終了したと判断した場合(S51:YES)には、一枚の用紙Pへの印刷が終了したか否かを判断する(S53)。一枚の用紙Pへの印刷が終了したと判断した場合(S53:YES)には、S15の処理に移る。一方で、一枚の用紙Pへの印刷が終了していないと判断した場合(S53:NO)には、CPU101は、所定時間だけ待機し(S54)、この後、搬送モータ37を制御して、用紙Pを所定量だけ前方へ搬送し(S55)、次のパスの印刷を実行すべく、S6の処理に移る。以上により、用紙擦れが生じたと判断した場合には、所定時間待機した後に、次のパスの印刷が開始されることになる。つまり、用紙擦れが生じたと判断した場合には、用紙擦れが生じたと判断していない場合と比べて、次のパスの印刷開始タイミングが遅れることになる。これにより、次のパスの印刷開始タイミングにおいては、この所定時間待機した分だけ、用紙P浮き上がりがおさまっているため、次のパスの印刷時において用紙擦れが生じる可能性を低減することができる。加えて、用紙擦れが生じたと判断したとしても、印刷処理が継続して実行されるため、印刷処理に要する時間を短くすることができる。
以下、別の変形例について説明する。上述したように、キャリッジ4の速度制御は、検出センサ22の検出結果に基づいて取得した現在のキャリッジ速度Vcrと、目標速度との偏差に基づくフィードバック制御により行っている。このため、検出センサ22の検出位置が異常位置を跨ぐときには、CPU101は、キャリッジ4の速度が目標速度よりも低下したと誤って判断して、キャリッジ4の速度が上昇するようにキャリッジモータ16を制御する。このため、キャリッジ4の実際の速度が目標速度よりも高くなる。この後、フィードバック制御により、キャリッジ4の速度(取得したキャリッジ速度Vcr)は目標速度に収束することになるが、その過程において、キャリッジ4の速度は、目標速度を中心として上下に変動する。また、このときの、キャリッジ4の速度変動の変動幅は、吐出処理中のキャリッジ4の目標速度が高いほど大きい。従って、目標速度が高い場合には、キャリッジ4の速度変動により、検出センサ22の検出結果に基づいて取得したキャリッジ速度Vcrが、第1閾値未満となる場合がある。つまり、検出センサ22の検出位置が、異常位置以外の位置のときでも、異常位置の前後の所定範囲内においては、スケール21上の汚れに起因して、キャリッジ4の実際の速度(キャリッジ速度Vcr)が第1閾値未満となる場合がある。これにより、用紙擦れが生じていないにも関わらず、用紙擦れが生じた誤って判断する虞がある。
そこで、本変形例では、設定可能な複数段の速度のうち、所定の速度閾値未満の速度(第2速度)を、吐出処理中のキャリッジ4の目標速度として設定した際には、擦れ判断処理を、上記実施形態と同様の処理内容で行う。一方で、上記速度閾値未満の速度(第1速度)を、吐出処理中のキャリッジ4の目標速度として設定した際には、擦れ判断処理の処理内容を変更する。
具体的には、CPU101は、検出センサ22の検出位置が、不揮発性メモリ104に記憶された異常位置情報の異常位置以外の位置であるときでも、異常位置の前後の所定範囲内にあるときは、そのときに取得したキャリッジ速度Vcrが第2閾値未満であり、且つ第3閾値以上である場合に、用紙擦れが生じたと判断する。つまり、取得したキャリッジ速度Vcrが第1閾値未満であり、且つ第2閾値以上である場合には、用紙擦れが生じたとは判断しない。より詳細には、プリンタ1の動作において、図11に示すように、上述したS9の処理の代わりに、S60の処理を実行する。S60の処理では、CPU101は、検出センサ22の現在の検出位置が、異常位置又は異常位置の前後の所定範囲内にあるか否かを判断する。そして、検出位置が異常位置以外の位置であり、且つ、異常位置の前後の所定範囲外にあると判断した場合(S60:NO)に、S10の処理に移る。一方で、検出位置が異常位置又は異常位置の前後の所定範囲内にあると判断した場合(S60:YES)には、S11の処理に移る。
以上により、スケール21上の汚れに起因して生じるキャリッジ4の速度変動によって、用紙擦れが生じた誤って判断する可能性を低減することができる。なお、CPU101は、吐出処理中のキャリッジ4の目標速度に関わらず、検出センサ22の検出位置が、異常位置の前後の所定範囲内にあるときは、そのときに取得したキャリッジ速度Vcrが第2閾値未満であり、且つ第3閾値以上である場合に、用紙擦れが生じたと判断してもよい。
以下、その他の変形例について説明する。
上述の実施形態では、検出センサ22は、エンコーダ7の非透過領域21bを指標として検出するように構成されていたが、透過領域21aを指標として検出するように構成されていてもよい。また、エンコーダ7がいわゆる透過型のリニアエンコーダであったが、特にこれには限られるものではなく、反射型のリニアエンコーダであってもよい。この場合、上述の非透過領域21bを、光を反射しない非反射領域に変え、透過領域21aを、光を反射する反射領域に変える。そして、検出センサ22の発光素子26及び受光素子27を共にスケール21の前方側又は後方側に配置することで、検出センサ22から上述の実施形態と同様な、パルス信号を出力することは可能である。さらに、エンコーダは、光学式以外のエンコーダであってもよく、例えば、磁気エンコーダを用いてもよい。この場合、上述の非透過領域21bを磁気を帯びた領域、透過領域21aを磁気を帯びていない領域にすればよい。
また、異常位置検出処理におけるキャリッジ4の目標速度は、設定可能な最大速度である必要はなく、設定可能な他の速度であってもよい。またスケール21を、走査方向に複数の分割領域に分割し、異常位置検出処理においては、当該分割領域を単位として異常位置情報を生成してもよい。例えば、分割領域それぞれが、複数の非透過領域21bを有するように分割する。そして、この分割領域内で取得したキャリッジ速度Vcrの何れかが所定の閾値よりも低い場合には、当該分割領域全体を異常位置としてもよい。なお、スケール21上の汚れが、隣接する2つの分割領域に跨っている場合には、これら2つの分割領域を共に、分割領域全体が異常位置としてもよい。以上のように、分割領域を単位として異常位置情報を生成することで、不揮発性メモリ104に異常位置情報を記憶する際の記憶容量を少なくすることができる。また、異常位置検出処理においては、待機位置からフラッシング位置までの範囲に亘って、キャリッジ4を移動させていたが、異常位置検出処理中の移動範囲は、特にこれに限定されるものではない。従って、異常位置検出処理においては、不揮発性メモリ104に記憶されている異常位置情報のうち、キャリッジ4を移動させた移動範囲に対応する異常位置情報のみ更新してもよい。
また、異常位置情報は、異常位置のみ有する情報であってもよい。この場合、第2閾値は、異常位置毎に設定するのではなく、目標速度に応じた一律の値を設定すればよい。また、異常位置情報に含まれる速度情報は、速度低下率である必要はなく、例えば、異常位置に対応するキャリッジ速度Vcrであってもよい。
また、上述の実施形態では、検出センサ22の検出結果に基づいてキャリッジ速度Vcrを取得していたが、キャリッジ速度Vcr自体ではなく、キャリッジ速度Vcrに関する速度パラメータ値であってもよい。例えば、キャリッジ速度Vcrを算出するのではなく、V1保持期間中に取得したクロック数CKを速度パラメータ値として取得してもよい。この場合、速度パラメータ値は、キャリッジ4の速度が遅いほど大きくなる。従って、上記第1閾値〜第3閾値において、第1閾値が最も値が小さく、第3閾値が最も値が大きくなる。
また、上述の実施形態では、用紙擦れが生じたと判断した場合には、吐出データを変更することで、再印刷の際の、用紙P一枚当たりに吐出されるインクの吐出量を少なくしていたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、ヘッド5のアクチュエータが備える駆動素子に対する駆動電圧を調整することで、インクの吐出量を少なくしてもよい。
また、上述の実施形態では、用紙センサ38の検知結果等に基づいて、用紙Pが対向領域Aに位置しているか否かを判断していたが、これに限定されるものではない。例えば、用紙Pが対向領域Aに位置するか否かを直接検知可能なセンサを設け、このセンサの検知結果に基づいて、用紙Pが対向領域Aに位置しているか否かを判断してもよい。
また、上述の実施形態では、第1閾値は、目標速度の90%の値に設定されていたが、これに限定されるものではない。例えば、CPU101は、異常位置検出処理を実行したときに、異常位置以外と判断した複数の位置のキャリッジ速度の中で、最も速度が遅いキャリッジ速度Vcrを検出する。そして、CPU101は、第1閾値を、最も速度が遅いキャリッジ速度Vcrの90%の値に設定してもよい。
キャリッジ速度Vcrは、キャリッジ4がガイドレール11、12上の小さな異物等と接触することにより、異常位置以外の位置で僅かに変動する。CPU101が、このようなキャリッジ速度Vcrの変動に基づいて、用紙擦れが発生したと誤って判断しないように、最も速度が遅いキャリッジ速度Vcrを基準にして第1閾値を設定している。これにより、CPU101が、用紙擦れと誤って判断するのを防ぐことができる。尚、上記最も速度が遅いキャリッジ速度Vcrは、目標速度よりも遅い。
1 プリンタ(記録装置)
4 キャリッジ
5 インクジェットヘッド
7 エンコーダ
21 スケール
21b 非透過領域(指標)
22 検出センサ(検出部)
101 CPU(制御部)
104 不揮発性メモリ(記憶部)

Claims (16)

  1. 液体を吐出するためのノズルを有するヘッドと、
    前記ヘッドが搭載されたキャリッジと、
    前記キャリッジを所定の走査方向に往復移動させるキャリッジ駆動部と、
    前記走査方向に沿って設けられ、所定間隔毎に指標が形成されたスケール、及び、前記キャリッジに搭載され、前記スケールに形成された前記指標を検出するための検出部を有するエンコーダと、
    記憶部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    被記録媒体が前記キャリッジと対向可能な領域に位置するか否かを判断する媒体位置判断処理と、
    前記媒体位置判断処理により被記録媒体が前記キャリッジと対向可能な領域に位置していないと判断した場合に、前記キャリッジが前記走査方向に移動するよう前記キャリッジ駆動部を制御し、このキャリッジの移動中における前記検出部による前記指標の検出結果に基づいて前記スケール上の異常位置を含む異常位置情報を生成し、この異常位置情報を前記記憶部に記憶する異常位置検出処理と、
    前記媒体位置判断処理により被記録媒体が前記キャリッジと対向可能な領域に位置していると判断した場合に、前記キャリッジが前記走査方向に目標速度で移動するように、前記検出部の前記指標の検出結果により取得した前記キャリッジの速度に関する速度パラメータ値に基づいて前記キャリッジ駆動部を制御し、且つ、画像データに基づいて前記ノズルから被記録媒体に液体を吐出させるよう前記ヘッドを制御して、被記録媒体に画像を印刷する印刷処理と、
    前記印刷処理における前記キャリッジ駆動部の制御中において、前記検出部の前記スケール上の検出位置が、前記記憶部に記憶された前記異常位置情報の前記異常位置以外の位置であるときに、そのときに取得した前記速度パラメータ値が、前記印刷処理における前記目標速度よりも遅い速度に対応する第1閾値と比べて、対応する速度が遅い値の場合には、前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断し、
    前記印刷処理における前記キャリッジ駆動部の制御中において、前記検出部の前記スケール上の前記検出位置が、前記記憶部に記憶された前記異常位置情報の前記異常位置であるときに、そのときに取得した前記速度パラメータ値が、前記第1閾値よりも遅い速度に対応する第2閾値と比べて、対応する速度が遅い値の場合には、前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断する擦れ判断処理と、
    を実行可能であることを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御部は、
    前記印刷処理中において、前記擦れ判断処理により前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断した場合には、前記キャリッジの移動を停止するよう前記キャリッジ駆動部を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御部は、
    前記印刷処理中において、前記擦れ判断処理により前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断した場合には、当該擦れが生じたと判断した際の前記キャリッジの進行方向とは逆方向に前記キャリッジが移動するよう前記キャリッジ駆動部を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記制御部は、
    前記印刷処理中において、前記擦れ判断処理により前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断した場合には、当該擦れが生じたと判断した際の前記キャリッジの前記走査方向のパスに係る印刷は継続して行い、次のパスに係る印刷については、前記擦れ判断処理により前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断していない場合と比べて、その印刷の開始タイミングを遅らせることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 前記制御部は、
    前記異常位置検出処理においては、前記検出部による前記指標の検出結果に基づいて前記異常位置に対応する前記速度パラメータ値も取得して、前記異常位置に加えて、前記異常位置に対応する前記速度パラメータ値に関する速度情報を含む前記異常位置情報を生成して、前記記憶部に記憶し、
    さらに、
    前記記憶部に記憶された前記異常位置情報それぞれの前記異常位置に対応する前記速度情報に基づいて、前記第2閾値を前記異常位置毎に設定する第1設定処理を実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録装置。
  6. 前記制御部は、
    前記異常位置検出処理においては、前記キャリッジが前記走査方向において一定速度で移動するよう前記キャリッジ駆動部を制御し、このキャリッジの移動中における前記検出部による前記指標の検出結果に基づいて、前記異常位置情報を生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録装置。
  7. 前記制御部は、
    前記キャリッジ駆動部を制御して前記キャリッジを前記走査方向において一定速度で移動させる際の目標速度として、複数段の速度を設定可能であり、
    前記制御部は、
    前記異常位置検出処理においては、前記複数段の速度のうち最も速い速度を目標速度として設定して、前記キャリッジを前記走査方向において一定速度で移動するよう前記キャリッジ駆動部を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録装置。
  8. 前記制御部は、
    前記キャリッジ駆動部を制御して前記キャリッジを前記走査方向において一定速度で移動させる際の目標速度として、複数段の速度を設定可能であり、
    前記制御部は、
    前記印刷処理においては、前記複数段の速度のうちの何れか1つの速度を目標速度として設定して、前記キャリッジが前記走査方向において一定速度で移動するよう前記キャリッジ駆動部を制御するものであり、
    さらに、
    前記印刷処理において設定される前記キャリッジの目標速度に応じて、前記第1閾値及び前記第2閾値を設定する第2設定処理を実行することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録装置。
  9. 前記制御部は、
    前記擦れ判断処理において、前記印刷処理における前記キャリッジ駆動部の制御中において、前記検出部の前記スケール上の検出位置が、前記記憶部に記憶された前記異常位置情報の前記異常位置以外の位置であるときでも、前記異常位置の前後の所定範囲内にあるときには、そのときに取得した前記速度パラメータ値が、前記第2閾値と比べて、対応する速度が遅い値の場合に、前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録装置。
  10. 前記制御部は、
    前記キャリッジ駆動部を制御して前記キャリッジを前記走査方向において一定速度で移動させる際の目標速度として、第1速度と、前記第1速度よりも遅い第2速度とを設定可能であり、
    前記制御部は、
    前記印刷処理においては、前記第1速度及び前記第2速度のうちの何れか1つの速度を目標速度として設定して、前記キャリッジが前記走査方向において一定速度で移動するよう前記キャリッジ駆動部を制御するものであり、
    さらに、
    前記擦れ判断処理において、
    前記印刷処理において設定される前記キャリッジの目標速度が前記第1速度である場合のみ、
    前記印刷処理における前記キャリッジ駆動部の制御中において、前記検出部の前記スケール上の検出位置が、前記記憶部に記憶された前記異常位置情報の前記異常位置以外の位置であるときでも、前記異常位置の前後の所定範囲内にあるときには、そのときに取得した前記速度パラメータ値が、前記第2閾値と比べて、対応する速度が遅い値の場合に、前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録装置。
  11. 前記キャリッジと対向可能であり、被記録媒体を支持するプラテンと、
    前記走査方向において前記プラテンより外側に位置し、前記ヘッドの前記ノズルを覆うことが可能なキャップと、
    前記走査方向において前記プラテンに対して前記キャップと反対側に位置する液体受けと、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記ノズルから前記液体受けへ液体を排出可能なフラッシング位置に前記キャリッジが位置付けられたときに、前記ヘッドを制御して、前記ノズルから前記液体受けへ液体を排出させるフラッシング処理を実行可能であり、
    さらに、
    前記制御部は、
    前記キャリッジが前記キャップと対向する待機位置に位置付けられている際に、前記印刷処理の実行指令を受信したときに、当該印刷処理よりも前に、
    前記キャリッジ駆動部を制御して、前記キャリッジを前記待機位置から前記フラッシング位置まで移動させ、且つ、このキャリッジの移動中における前記検出部による前記指標の検出結果に基づいて前記異常位置情報を生成して、前記記憶部に記憶する前記異常位置検出処理を実行し、且つ、この異常位置検出処理により前記キャリッジが前記フラッシング位置に位置付けられた後に、前記フラッシング処理を実行することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の記録装置。
  12. 前記制御部は、
    前記印刷処理において、前記ヘッドを制御して、被記録媒体の前記走査方向の長さよりも広い範囲に亘って、前記ノズルから液体を吐出させた場合に、前記印刷処理を次に実行する前に、前記異常位置検出処理を実行することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の記録装置。
  13. ジャムを検出するジャム検出部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記ジャム検出部に基づいてジャムが発生したと判断したときに、前記印刷処理を次に実行する前に、前記異常位置検出処理を実行することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の記録装置。
  14. 前記制御部は、
    前記印刷処理中において、前記擦れ判断処理により前記ヘッドと被記録媒体との間で擦れが生じたと判断した場合には、当該印刷処理を中止し、その後に、この中止した前記印刷処理と同じ画像データに基づく新たな前記印刷処理を、1つの被記録媒体当たりに対して前記ノズルから吐出される液体の吐出量を減らして行うことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の記録装置。
  15. 前記制御部は、
    前記異常位置検出処理において、前記スケールを複数の前記指標をそれぞれ有する複数の分割領域に分割し、当該分割領域を単位として前記異常位置情報を生成することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の記録装置。
  16. 前記制御部は、
    前記印刷処理における前記キャリッジ駆動部の制御中において、前記検出部の前記指標の検出結果により取得した前記速度パラメータ値が、前記第2閾値よりも遅い速度に対応する第3閾値と比べて、対応する速度が遅い値になったときに、ジャムが発生したと判断することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の記録装置。
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