JP4780344B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被記録材の搬送方向に沿って形成される複数の突条部が搬送方向と交差する方向へ離間して並設され、記録実行領域において突条部の頂部で被記録材を支持する支持部材を備えた記録装置に関する。
インクジェットプリンタ等の記録装置においては、被記録材の搬送方向に沿って形成される複数の突条部(プラテンリブ等)が搬送方向と交差する方向へ離間して並設され、記録実行領域において突条部の頂部で被記録材を支持する、いわゆるプラテン等の支持部材を備えた記録装置が公知である(例えば、特許文献1を参照)。記録装置において、このような構成の支持部材を採用する主な目的としては、以下の2つの目的を挙げることができる。
第1の目的は、記録紙等の被記録材の記録面にインク等が噴射されることで生ずる、いわゆるコックリングと呼ばれる被記録材の波打ち変形に起因して、被記録材の記録面が浮き上がって記録ヘッド等のインク噴射手段に接触する虞を低減させることである。つまり、コックリングによる被記録材の波打ち変形の凹凸形状に合わせて突条部を適切に配置することによって、波打ち変形の凸部分の裏側を突条部で支持することができ、波打ち変形の凹部分を突条部間に逃がすことができる。それによって、波打ち変形による被記録材の浮き上がりを抑制することができるので、被記録材の記録面が記録ヘッド等のインク噴射手段に接触する虞を低減させることができる。
また、第2の目的は、被記録材に余白なく記録を実行する縁なし記録を実行する際に被記録材の外側に打ち捨てられたインクが被記録材の裏面に付着してしまう、いわゆる被記録材の裏汚れを防止することである。被記録材に余白なくインクを噴射するためには、被記録材のスキューや搬送誤差、寸法誤差等を考慮して、被記録材より充分大きなインク噴射領域を設定し、被記録材の外側へもインクを噴射しながら記録を実行する必要がある。このとき、記録装置の外側へ噴射されるインクが当該被記録材を支持している突条部と当該被記録材の外側にある突条部との間に打ち捨てられるようにする。それによって、被記録材を裏面側から摺接支持する部分(突条部の頂部)にインクが噴射されてしまうことを防止することができるので、被記録材の外側に打ち捨てられたインクが被記録材の裏面に付着してしまうことを防止することができる(例えば、特許文献1を参照)。
このような支持部材(プラテン等)に関する従来技術の一例としては、以下のものが公知である。
例えば、被記録材の両面に記録を実行可能な記録装置において、表面への記録実行後、被記録材を反転させて裏面へ記録を実行する際に、複数の突条部を有するプラテン全体を被記録材の搬送方向と交差する方向へ一定量だけ移動する移動手段を設けた記録装置が公知である。表面記録時にコックリングにより生じた被記録材の波打ち変形の凹凸は、裏面記録時には凹凸が反転するため、そのままでは突条部の頂部に波打ち変形の凹部の裏側が接した状態で被記録材が浮き上がってしまう虞が生ずる。当該従来技術は、裏面記録実行時には、プラテン全体を突条部間隔の半分の距離だけ、被記録材の搬送方向と交差する方向移動させる。それによって、裏面記録実行時にも突条部の頂部に波打ち変形の凸部の裏側が接した状態となるため、コックリングによる波打ち変形に起因した被記録材の浮き上がりを防止することができる、というものである(例えば、特許文献2を参照)。
また、同様にプラテン全体を被記録材の搬送方向と交差する方向へ移動させる従来技術としては、被記録材にインクを噴射する多数のノズルを有する記録ヘッドに対して、そのノズル間隔の半分の間隔だけプラテン全体を微少移動させる微動機構を備えた記録装置が公知である。このような微動機構を設けることによって、本来のノズル間隔に対応した解像度よりも高解像度の画像記録を実現することができる、というものである(例えば、特許文献3を参照)。
特開2004−322635号公報 特開2006−192838号公報 特開2007−130777号公報
コックリングによる被記録材の波打ち変形による被記録材の浮き上がりを効果的に防止するためには(第1の目的)、支持部材において、その記録装置で使用可能なサイズの被記録材の全てにそれぞれ対応可能なように、各突条部の配置及び間隔を適切に設定する必要がある。すなわち、各突条部の配置及び間隔は、その記録装置で使用可能なサイズの被記録材の種類等に応じて必然的に定まってしまう部分が多く、その自由度は低い。そして、近年は、記録装置で使用可能な被記録材として多種多様なサイズの被記録材が存在する。そのため、被記録材支持装置における各突条部の配置及び間隔の自由度は、ますます低くなる傾向となる。
また、前記の通り、被記録材に余白なくインクを噴射するためには、被記録材より大きなインク噴射領域を設定して、被記録材の外側へもインクを噴射しながら記録を実行する必要がある。このとき、例えば、公知の自動給送装置等による被記録材の給送位置にずれが生じると、プラテン等の支持部材における本来の支持位置からずれた位置に被記録材が支持された状態となってしまう。公知の自動給送装置は、被記録材の給送位置を被記録材のサイズごとに所定位置に規制するエッジガイド等を備えているのが通常であるが、エッジガイド等の操作はユーザが行うため、被記録材の給送位置の位置精度は、ユーザの操作に左右されることから、依然として被記録材の給送位置にずれが生じる虞がある。
例えば、被記録材の給送位置にずれが生じても、給送後に支持部材に支持されている被記録材の支持位置をセンサ等で検出すれば、その検出した被記録材の位置に基づいてインク噴射領域を設定することはできる。しかし、この場合、被記録材に対してはインク噴射領域が適切な範囲に設定されるが、支持部材に対しては、そのずれの分だけ本来設定されるべき範囲からずれた範囲にインク噴射領域が設定されてしまうことになる。それによって、例えば、その被記録材のインク噴射領域に、その被記録材のサイズより一回り大きなサイズの被記録材に対応する突条部が干渉してしまい、その突条部の頂部にインクが噴射されてしまう虞が生ずる。つまり、いわゆる被記録材の裏汚れを防止するという目的(第2の目的)が達成できない虞が生じてしまう。
このような虞を低減させるには、例えば、プラテン等の支持部材に対する被記録材の支持位置が多少ずれてもその被記録材のインク噴射領域とその被記録材のサイズより一回り大きなサイズの被記録材に対応する突条部とが干渉しないように、充分なマージンをもって各突条部を配置することが考えられる。しかし、前記の通り各突条部の配置及び間隔の自由度は低いため、充分なマージンを確保しようとすると一部の突条部が適切な位置とならず、その被記録材のサイズより一回り大きなサイズの被記録材へ記録を実行するときに、その被記録材を突条部で適切に支持することができなくなる虞が生ずる。そのため、その被記録材の一部が突条部間に垂れ下がり、その被記録材の裏面が突条部間に打ち捨てられたインクに接触して裏汚れが生じてしまうことになる。
このようなことから、特に近年の多種多様なサイズの被記録材を使用可能な記録装置においては、被記録材の裏汚れが生じやすくなる傾向にあるという課題があった。また、このような課題は、前記の従来技術のいずれにおいても解決することはできない。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、縁なし記録を実行可能な記録装置において、被記録材の裏汚れが生じてしまう虞を低減させることにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、被記録材にインクを噴射してドットを形成する記録ヘッドと、前記被記録材を所定の搬送方向へ搬送する搬送装置と、記録実行領域において前記搬送方向と交差する方向へ離間して並設され、被記録材を支持する複数の突部を有する支持部材と、前記支持部材を前記搬送方向と交差する方向へ変位させる支持部材変位装置と、前記搬送装置から搬送された被記録材を、被記録材の前記搬送方向と交差する方向における位置を検出する検出装置と、前記検出装置による被記録材の検出結果に基づいて、被記録材の正の給送位置からのずれ量を算出し、被記録材に重ならない前記突部に被記録材からはみ出したインクが付着しないように、前記ずれ量に基づいて前記支持部材を前記搬送方向と交差する方向へ変位させるように前記支持部材変位装置を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とした記録装置である。
また、第1の態様に関連する態様は、被記録材を所定の搬送方向へ搬送する搬送装置と、前記搬送方向に沿って形成される複数の突条部が前記搬送方向と交差する方向へ離間して並設され、記録実行領域において前記突条部の頂部で被記録材を支持する支持部材と、前記支持部材に支持された被記録材の前記搬送方向と交差する方向における位置を検出する検出装置と、前記支持部材を前記搬送方向と交差する方向へ変位させる支持部材変位装置と、前記検出装置による被記録材の検出状態に基づいて前記支持部材変位装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記検出装置により検出した被記録材の位置に応じて前記支持部材を変位させる、ことを特徴とした記録装置である。
制御装置は、自動給送装置等により給送された被記録材又はユーザにより手差し給送された被記録材の支持位置が、支持部材において本来支持されるべき位置からずれていても、そのずれ量を検出装置で検出し、検出したずれ量に応じて支持部材を変位させる。それによって、被記録材と支持部材との相対的な位置関係を本来の適切な位置関係にすることができるので、記録を実行している被記録材の外側にある突部の頂部にインク噴射等がなされてしまう虞を低減させることができる。また、被記録材の一部が突部間に垂れ下がり、その被記録材の裏面が突部間に打ち捨てられたインクに接触して裏汚れが生じてしまう虞も低減させることができる。
これにより、本発明の第1の態様に記載の記録装置によれば、縁なし記録を実行可能な記録装置において、被記録材の裏汚れが生じてしまう虞を低減させることができるという作用効果が得られる。
また、支持部材の各突部の配置は、搬送方向と交差する方向における被記録材の中心位置を挟んで一方側と他方側とで突部の配列が対称になるように設定されるのが一般的である。これは、被記録材と各突部との摺接面に生ずる摩擦抵抗が、搬送方向と交差する方向における被記録材の中心位置を挟んで一方側と他方側とで均等になるようにするためである。つまり、搬送装置で被記録材が搬送されるときに、被記録材と各突部との摺接面に生ずる摩擦抵抗がアンバランスになると、それ起因して被記録材のスキュー(搬送方向に対する被記録材の傾き)が生じてしまうからである。
前記の通り、本発明の第1の態様に記載の記録装置は、被記録材の給送位置のずれに応じて支持部材を変位させることによって、被記録材と支持部材との相対的な位置関係を本来の適切な位置関係にすることができる。したがって、自動給送装置等により給送された被記録材又はユーザにより手差し給送された被記録材の支持位置が、支持部材において本来支持されるべき位置からずれていても、そのずれに応じて支持部材を変位させることによって、被記録材と各突部との摺接面に生ずる摩擦抵抗を均一にすることができる。それによって、被記録材と各突部との摺接面に生ずる摩擦抵抗がアンバランスになることに起因して被記録材のスキューが生ずる虞を低減させることができる。
これにより、本発明の第1の態様に記載の記録装置によれば、被記録材のスキューに起因して記録精度が低下してしまう虞を低減させることができるという作用効果が得られる。
さらに、本発明の第1の態様に記載の記録装置は、被記録材の給送位置にかかわらず、自動給送装置等により給送された被記録材又はユーザにより手差し給送された被記録材の支持位置と支持部材との相対的な位置関係を本来の適切な位置関係に維持することができる。したがって、エッジガイド等の被記録材の給送位置を規制する手段を設けることなく、給送された被記録材と支持部材との相対的な位置関係を本来の適切な位置関係に維持して被記録材への記録を実行することが可能になる。
これにより、本発明の第1の態様に記載の記録装置によれば、エッジガイド等が設けられていない記録装置を実現することが可能になる。それによって、従来ユーザが行っていたエッジガイドの位置調整といった煩雑な作業を行う必要がなくなるので、よりユーザにとって使い勝手の良い記録装置を実現することができるという作用効果が得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様に記載の記録装置において、前記制御装置は、前記検出装置が検出した被記録材の前記搬送方向と交差する方向における中心位置と前記支持部材の前記突部が配設された領域の前記搬送方向と交差する方向における中心位置とが一致するように、前記支持部材変位装置を制御する、ことを特徴とした記録装置である。
例えば、搬送方向と交差する方向における中心位置を基準として、複数の突部が搬送方向と交差する方向の両側に対称配置されるように、被記録材の各サイズに対応する突部をそれぞれ配設する。つまり、搬送方向と交差する方向における被記録材の中心位置と支持部材の突部が配設された領域の中心位置とを一致させれば、被記録材のサイズにかかわりなく、給送された被記録材と支持部材との相対的な位置関係が適切な位置関係となるようにする。それによって、支持部材における前記基準の位置、すなわち被記録材の中心位置を一致させる目標位置は、被記録材のサイズにかかわりなく常に一定の位置になる。したがって、被記録材のサイズにかかわりなく、支持部材の変位制御を常に同一の制御手順で実現することができる。
本発明の第3の態様は、前述した第2の態様に記載の記録装置において、前記支持部材より前記搬送方向の上流側及び下流側には、前記支持部材の突部と対応する補助突部が前記搬送方向と交差する方向へ変位可能に配設されており、前記制御装置は、前記検出装置が検出した被記録材の位置に応じて前記補助突部を変位させる、ことを特徴とした記録装置である。
補助突部は、搬送装置により搬送される被記録材を支持部材より搬送方向の上流側及び下流側において支持する。つまり、補助突部は、支持部材の突部が配置されている記録実行領域の前後において、搬送装置により搬送される被記録材を支持する。このような補助突部を設けることによって、より安定した支持状態で被記録材を搬送方向へ搬送することができるので、被記録材のスキューが生ずる虞がより低減され、それによって被記録材への記録精度をより向上させることができる。
そして、本発明の第3の態様に記載の記録装置は、支持部材と同様に、補助突部も搬送方向と交差する方向へ変位可能に配設されており、制御装置によって、搬送方向と交差する方向における位置が設定される。すなわち、被記録材の給送位置のずれに応じて補助突部も変位させることによって、被記録材と補助突部との相対的な位置関係も本来の適切な位置関係に維持することができる。それによって、前記の補助突部の機能を安定的に発揮させることができる。
本発明の第4の態様は、前述した第3の態様に記載の記録装置において、前記補助突部は、前記支持部材と一体的に変位する、ことを特徴とした記録装置である。
このように、補助突部と支持部材とが一体的に変位する構造にすることによって、支持部材と補助突部とは、常に同じ変位方向へ同じ変位量で変位することになる。すなわち、支持部材の突部と補助突部との位置関係を常に適切な位置関係に維持することができる。それによって、支持部材の変位位置にかかわらず、安定した支持状態で被記録材を搬送可能な状態を高精度に維持することができる。
本発明の第5の態様は、前述した第1〜第4の態様のいずれかに記載の記録装置において、前記制御装置は、前記支持部材を変位させる間、前記支持部材に支持されている被記録材を前記搬送装置により前記支持部材の外側へ退避させる、ことを特徴とした記録装置である。
支持部材に被記録材が支持されている状態で支持部材を変位させると、支持部材の突部に被記録材の端部が引っ掛かった状態で支持部材が変位して、被記録材のスキューや折れ曲がり等が生じてしまう虞がある。そこで、支持部材を変位させる間は、支持部材に支持されている被記録材を支持部材の外側へ一時的に退避させるようにする。それによって、支持部材を変位させる際に被記録材のスキューや折れ曲がり等が生じてしまう虞を低減させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<インクジェットプリンタの概略構成>
まず、本発明に係る「記録装置」の一例であるインクジェットプリンタ50の概略構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るインクジェットプリンタ50の側断面図であり、図2は、その要部平面図である。
インクジェットプリンタ50は、記録紙Pをインクジェットプリンタ50の内部へ給送するための自動給送装置70を備えている。また、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている「被記録材」としての記録紙Pを搬送方向Yへ搬送する「搬送装置」としての搬送駆動ローラ51及び搬送従動ローラ52を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている記録紙Pの記録面にインクを噴射してドットを形成する記録ヘッド62を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、記録実行後の記録紙Pを搬送方向Yへ排出するための排出駆動ローラ54及び排出従動ローラ55を備えている。
自動給送装置70は、ホッパ71、左エッジガイド72、右エッジガイド73、給送用ローラ74、分離パッド75及び給送経路76を備えている。「被記録材載置部」としてのホッパ71は、給送する記録紙Pが載置され、給送用ローラ74の回転に連動して動作する揺動機構(図示せず)により、給送用ローラ74へ向けて揺動する。それによって、ホッパ71に載置されている記録紙Pを給送用ローラ74の外周面に押圧することができる。また、ホッパ71には、対をなす対称構造の左エッジガイド72及び右エッジガイド73が記録紙Pの幅方向X(搬送方向Yと交差する方向)へスライド変位可能に配設されている。
給送用ローラ74は、給送用ローラ軸741に一体的に配設されており、図示していない給送用モータの回転力で給送用ローラ軸741が回転することによって回転する。記録紙Pは、給送用ローラ74の回転により、給送経路76を通じて搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52との当接面へ向けて給送される。このとき、公知の分離パッド75によって、給送される記録紙Pから他の記録紙Pが分離され、記録紙Pの重送が防止される。
搬送駆動ローラ51は、表面に高摩擦被膜が施されており、PFモータ58(図3)の駆動力が伝達されて回転する。搬送従動ローラ52は、従動回転可能に軸支され、図示していないばね等の付勢手段によって搬送駆動ローラ51の外周面に押圧付勢されている。自動給送装置70により給送された記録紙Pは、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とで挟持され、搬送駆動ローラ51の駆動回転により搬送方向Yへ所定の搬送量でプラテン53上を搬送される。
記録ヘッド62は、キャリッジ61の底部に配設されている。記録ヘッド62のヘッド面には、インクを噴射するための多数の噴射ノズル(図示せず)が配設されている。キャリッジ61は、記録ヘッド62のヘッド面とプラテン53上の記録紙Pの記録面とが略平行となる状態を維持しつつ記録紙Pの幅方向Xへ往復動可能に、キャリッジガイド軸56に支持されている。キャリッジ61は、CRモータ63(図3)の回転軸に配設された駆動プーリ(図示せず)と従動プーリ(図示せず)との間に掛架された無端ベルト(図示せず)が連結されており、無端ベルトを介してCRモータ63の回転駆動力が伝達されて幅方向Xへ往復動する。
「支持部材」としてのプラテン53は、インクジェットプリンタ50の基体11に支持されており、記録紙Pの搬送方向Yに沿って形成された多数の「突条部」としてのプラテンリブ531が幅方向Xへ離間して並設されている。プラテン53上を搬送される記録紙Pは、このプラテンリブ531の頂部で裏面側から支持される。また、基体11には、プラテン53より搬送方向Yの上流側に、記録紙Pを支持する「補助突条部」としての複数の補助リブ111が設けられている。さらに、基体11には、プラテン53より搬送方向Yの下流側に、記録紙Pを支持する「補助突条部」としての複数の補助リブ112が設けられている。
記録紙Pは、プラテン53に支持された領域において、記録ヘッド62により記録面にインクが噴射されてドットが形成される(記録実行領域)。記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pの記録面との間隔は、プラテンリブ531の頂部によって規定される。プラテンリブ531の周囲には、縁なし記録時に記録紙Pの外側に打ち捨てられるインクを吸収するインク吸収材532が配設されている。
プラテン53上を搬送される記録紙Pは、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動しながら記録ヘッド62のヘッド面から記録紙Pの記録面にインクを噴射してドットを形成する動作と、搬送駆動ローラ51の駆動回転により搬送方向Yへ所定の搬送量で搬送する動作とが交互に繰り返されることによって、記録面への記録が実行される。インク噴射後の記録紙Pは、排出駆動ローラ54と、排出フレーム12に従動回転可能に軸支されている排出従動ローラ55とで挟持され、排出駆動ローラ54の駆動回転により搬送方向Yへ搬送されて排出される。これらの一連の記録制御は、「制御装置」としての記録制御部100(図3)により実行される。
図3は、本発明に係るインクジェットプリンタ50の概略のブロック図である。
記録制御部100は、ROM101、RAM102、ASIC(特定用途向け集積回路)103、CPU(中央処理装置)104、不揮発性メモリ105、PFモータドライバ106、CRモータドライバ107及びヘッドドライバ108を備えている。ROM101、RAM102、ASIC103、CPU104及び不揮発性メモリ105は、記録制御部100のシステムバスに接続されている。PFモータドライバ106、CRモータドライバ107及びヘッドドライバ108は、ASIC103に接続されている。
ROM101は、CPU104によるインクジェットプリンタ50の制御に必要な記録制御プログラム(ファームウェア)等が格納される。RAM102は、CPU104の作業領域や記録データ等の格納領域として用いられる。CPU104は、インクジェットプリンタ50の記録制御を実行する為の演算処理やその他必要な演算処理を行う。不揮発性メモリ105は、記録制御プログラムの処理に必要な各種データ等が記憶されている。
ASIC103は、DCモータであるPFモータ58及びCRモータ63の速度制御並びに記録ヘッド62のノズル駆動制御を行うための制御回路を有している。ASIC103は、PFモータ58及びCRモータ63の速度制御を行うための各種演算を行い、その演算結果に基づくモータ制御信号をPFモータドライバ106及びCRモータドライバ107へ送出する。また、ASIC103は、記録ヘッド62の制御信号を演算生成してヘッドドライバ108へ送出し、記録ヘッド62のインク噴射を制御する。さらに、ASIC103は、パーソナルコンピュータ301とのインタフェース機能も有している。
さらに、インクジェットプリンタ50は、搬送駆動ローラ51の回転量を検出するロータリエンコーダ31、キャリッジ61の移動量を検出するリニアエンコーダ32、記録紙Pの搬送方向Yの先端及び後端を検出する紙検出器33、記録紙Pの幅方向Xの端部を検出するためのPWセンサ34及びインクジェットプリンタ50の電源をON/OFFするための電源スイッチ35を備えている。
公知のロータリエンコーダ31は、搬送駆動ローラ51の回転に連動して回転するロータリスケール(図示せず)と、そのロータリスケールの外周に沿って等間隔に形成されているスリットを検出するロータリスケールセンサ(図示せず)とを有している。搬送駆動ローラ51の回転に伴い変化するロータリエンコーダ31の出力信号は、ASIC103を介してCPU104に入力される。
公知のリニアエンコーダ32は、キャリッジ61の近傍に幅方向Xと略平行に配置されたリニアスケール(図示せず)と、そのリニアスケールに等間隔に形成されているスリットを検出する、キャリッジ61に搭載されたリニアスケールセンサ(図示せず)と、を有している。キャリッジ61の幅方向Xの移動量に応じてパルスの周期が移動速度に伴い変化するリニアエンコーダ32の出力信号は、ASIC103を介してCPU104に入力される。
公知の紙検出器33は、給送用ローラ74と搬送駆動ローラ51との間に配設されている。紙検出器33は、給送ローラ74により給送された記録紙Pの搬送方向Yの先端位置及び後端位置を検出する。「検出装置」としてのPWセンサ34は、キャリッジ61の底部に配設された非接触の光学式センサであり、プラテン53上にある記録紙Pの幅方向Xの位置等を検出する。紙検出器33及びPWセンサ34の検出信号は、ASIC103を介してCPU104に入力される。
<「支持部材変位装置」の構成>
つづいて、「支持部材変位装置」の構成について、図4〜図6を参照しながら説明する。
図4は、プラテン53の支持構造を図示した要部斜視図である。図5は、その要部側断面図であり、図6は、その要部平面図である。尚、説明の便宜上、プラテン53のプラテンリブ531の周囲に配設されているインク吸収材532の図示は省略してある。
「支持部材」としてのプラテン53は、幅方向Xへ変位可能に、インクジェットプリンタ50の基体11に支持されている。また、プラテン53には、プラテン用のリニアスケール41が配設されており、基体11には、このリニアスケール41のスリットを検出するためのプラテン用のリニアスケールセンサ42が配設されている。このプラテン用のリニアスケール41とリニアスケールセンサ42とで、プラテン53の変位位置を検出するためのプラテン用のリニアエンコーダが構成される。そして、基体11には、プラテン53を変位させるためのプラテン駆動用モータ43が配設されている。「支持部材変位装置」は、このプラテン用のリニアスケール41、プラテン用のリニアスケールセンサ42及びプラテン駆動用モータ43で構成される。
尚、このプラテン用のリニアエンコーダの基本的な構成は、前記の公知のリニアエンコーダ32と同じである。また、プラテン用のリニアスケール41及びリニアスケールセンサ42は、インクが付着してスリットの検出精度が低下してしまうことを防止するために、記録ヘッド62から噴射されるインクや噴射されたインクミストが付着しにくい位置に配設するのが好ましい。
基体11の底面113には、幅方向Xに沿って長溝114が形成されており、プラテン53の底部には、幅方向Xに沿って凸部532が形成されている。プラテン53は、凸部532が基体11の長溝114に係合して位置決めされた状態で、長溝114に沿って幅方向Xへスライド移動可能に、基体11の凹部の底面113に支持されている。DCモータであるプラテン駆動用モータ43は、回転軸431の先端近傍に雄ねじが形成されている。他方、プラテン53の側端部には、雌ねじ部534を有するナット533が埋設されている。
プラテン駆動用モータ43は、回転軸431の雄ねじ部分がプラテン53のナット533の雌ねじ部534に螺合した状態で、基体11に固設されている。したがって、プラテン駆動用モータ43の回転軸431が符号Aで示した回転方向へ回転させることによって、プラテン53を幅方向Xに沿って符号Bで示した方向へ変位させることができる。また、プラテン53の変位量は、プラテン駆動用モータ43の回転軸431の回転量を制御することによって調整することができる。プラテン駆動用モータ43の回転制御は、プラテン用のリニアスケールセンサ42の出力信号に基づいて、記録制御部100により実行される。
<プラテン53の位置制御の初期化シーケンス>
記録制御部100は、プラテン用のリニアスケールセンサ42の出力信号からプラテン53の移動方向及び移動量を演算し、その演算したプラテン53の移動方向及び移動量に基づいてプラテン53の位置制御を実行する。そのため、記録制御部100は、インクジェットプリンタ50の電源ON時等に、プラテン53の幅方向Xの中心と位置制御の起点になる基準位置CPとを一致させる初期化シーケンスを実行する。以下、記録制御部100において実行されるプラテン53の位置制御の初期化シーケンスについて、図7及び図8を参照しながら説明する。
図7は、初期化シーケンスにおけるプラテン53の動きを模式的に図示した平面図である。図8は、初期化シーケンスのフローチャートである。
まず、プラテン53が支持されている基体11の凹部の側壁面13へ向けて、幅方向Xにおける右方向XR(以下、単に「右方向XR」という。)へプラテン53を移動させる動作を開始する(ステップS1)。つづいて、プラテン駆動用モータ43の電流値が一定のしきい値を超えたか否かを判定する(ステップS2)。それによって、プラテン53の右方向XRの端部が側壁面13に突き当たったか否かを判定することができる。プラテン駆動用モータ43の電流値が一定のしきい値を超えた時点(ステップS2でYes)、つまりプラテン53が側壁面13に突き当たった時点で(図7(a))、プラテン駆動用モータ43の回転を停止させる(ステップS3)。
そして、プラテン53の停止位置を原点位置に設定し(ステップS4)、その原点位置から一定の移動量βだけ、プラテン53を幅方向Xにおける左方向XL(以下、単に「左方向XL」という。)へ移動させ(ステップS5)、当該手順を終了する。この一定の移動量βは、プラテン53の幅方向Xの中心と基準位置CPとが一致している状態におけるプラテン53の右方向XRの端部と側壁面13との物理的な間隔に相当し、不揮発性メモリ105に予め記憶されている。したがって、プラテン53の右方向XRの端部が側壁面13に突き当たった状態から(図7(a))、プラテン53を移動量βだけ左方向XLへ移動させることによって(ステップS5)、プラテン53の幅方向Xの中心と位置制御の起点になる基準位置CPとを一致させることができる(図7(b))。
図9は、初期化シーケンスの他の実施例におけるプラテン53の動きを模式的に図示した平面図である。図10は、初期化シーケンスの他の実施例におけるフローチャートである。
当該実施例においては、目標となる目印Mが、プラテン53の幅方向Xの中心に対応する部分に予め付されている(図9(a))。この目印Mは、キャリッジ61に配設されたPWセンサ34で検出可能な目印である。まず、左方向XLへのキャリッジ61の移動を開始し(ステップS11)、PWセンサ34で目印Mを検出したか否かを判定する(ステップS12)。PWセンサ34で目印Mを検出した時点で(ステップS12でYes)、目印Mを検出した位置と中心位置CPとのずれ量γを算出する(ステップS13、図9(b))。中心位置CPは、キャリッジ61の移動制御における幅方向Xの特定の座標位置として不揮発性メモリ105に予め記憶されている。
そして、プラテン53をずれ量γだけ移動させ(ステップS14)、当該手順を終了する。より具体的には、ずれ量γが−側(右方向XR側)である場合には(図9(b))、ずれ量γに相当する距離だけプラテン53を+側(左方向XL側)へ移動させる(図9(c))。それによって、プラテン53の幅方向Xの中心と位置制御の起点になる基準位置CPとを一致させることができる。尚、ずれ量γが+側(左方向XL側)である場合には、ずれ量γに相当する距離だけプラテン53を−側(右方向XR側)へ移動させれば良い。
<プリンタ動作制御シーケンス>
つづいて、プラテン53の位置制御を含むプリンタ動作制御シーケンスについて、図11〜図15を参照しながら説明する。
図11は、L判サイズの記録紙Pが本来の給送位置に給送された状態を模式的に図示した平面図である。
プラテン53のプラテンリブ531Aは、L判サイズ(横幅89mm×長さ127mm)の記録紙Pに記録を実行する際に、その記録紙Pの側端近傍を支持するために設けられているプラテンリブ531である。他方、プラテンリブ531Bは、L判サイズより大きい、はがきサイズ(横幅100mm×長さ148mm)又はKGサイズ(横幅102mm×長さ152mm)の記録紙(一点鎖線で図示)に記録を実行する際に、その記録紙の側端近傍を支持するために設けられているプラテンリブ531である。このプラテンリブ531A、531Bを含む各プラテンリブ531は、コックリングによる記録紙Pの浮き上がりや記録紙Pの一部が垂れ下がることによる裏汚れ防止という観点から理想的な位置に配設されている。L判サイズの記録紙Pに縁なし記録を実行する際のインク噴射領域(破線で図示)は、L判サイズの記録紙Pが本来の給送位置に給送された状態では、プラテンリブ531Bより内側にある。
図12は、L判サイズの記録紙Pが本来の給送位置からずれた位置に給送された状態を模式的に図示した平面図である。
L判サイズの記録紙Pが本来の給送位置から右方向XRへずれた位置に給送されると、そのずれた記録紙Pの位置に合わせてインク噴射領域も右方向XRへずれた位置に設定されることになる。L判サイズの横幅とはがきサイズの横幅との差は、約11mmしかない。特に、当該実施例におけるインクジェットプリンタ50のように、記録紙Pの幅方向Xの中心を基準位置とする構成である場合には、その差は半分の約5.5mmしかないことになる。そのため、図示の如くL判サイズの記録紙Pに対するインク噴射領域と、本来はその外側にあるべきプラテンリブ531Bとが干渉してしまう虞が生ずる。このような状態になると、L判サイズの記録紙Pに縁なし記録を実行したときに、プラテンリブ531Bの頂部にインクが噴射されてしまうことになるため、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙に記録を実行するときに裏汚れが生ずる原因となってしまう。
本発明に係るインクジェットプリンタ50は、このような記録紙の裏汚れを防止することができるものであり、以下、インクジェットプリンタ50の記録制御部100によるプリンタ動作制御シーケンスの各手順について説明する。
図15は、プリンタ動作制御シーケンスのフローチャートである。
まず、ユーザが電源スイッチ35を操作してインクジェットプリンタ50の電源がONされると(ステップS21)、前記の初期化シーケンスが実行される(ステップS22)。そして、ユーザによる記録実行操作がなされると(ステップS23)、記録紙Pが自動給送装置70により給送される(ステップS24)。
つづいて、記録紙Pが給送された状態(図12に図示した状態)から、キャリッジ61を幅方向へ往復動させて、給送された記録紙Pの幅方向Xの両端位置を「検出装置」としてのPWセンサ34で検出する(ステップS25)。つづいて、PWセンサ34で検出した記録紙Pの幅方向Xの両端位置から、その記録紙Pの大きさ(サイズ)を特定するとともに、その記録紙Pの幅方向Xにおける給送位置のずれ量αを算出する(ステップS26)。つづいて、搬送駆動ローラ54を逆回転させて記録紙Pを逆送り(搬送方向Yと逆の方向へ搬送)して、記録紙Pをプラテン53の外側へ一時的に退避させた後(ステップS27)、プラテン53をずれ量αだけ移動させる(ステップS28)。
図13は、記録紙Pを逆送りして、記録紙Pをプラテン53の外側へ退避させた後、プラテン53をずれ量αだけ移動させた状態を図示したものである。
このように、搬送駆動ローラ54を逆回転させて記録紙Pを逆送りして(符号C)、いったん記録紙Pをプラテン53の外側へ退避させてから、プラテン53を符号BRで示した方向へずれ量αだけ移動させるのが好ましい。それによって、記録紙Pがプラテンリブ531の側端面等に引っ掛かった状態でプラテン53が移動して記録紙Pのスキューや折れ曲がり等が生じてしまう虞を低減させることができる。
図14は、プラテン53の外側へ退避させた記録紙Pを再びプラテン53上に搬送した状態を図示したものである。
記録紙Pを搬送方向Yへ搬送してプラテン53に支持された状態に戻し(符号D)、当該記録紙Pへ記録を実行する(ステップS29)。当該記録紙Pへの記録実行後、次の記録JOBがあれば(ステップS30でYes)、ステップS24〜S29の手順を再度実行する。そして、全ての記録JOBを実行し終えた時点で(ステップS30でNo)、当該手順を終了する。
このように、給送されたL判サイズの記録紙Pの支持位置がプラテン53において本来支持されるべき位置からずれていても、記録制御部100は、そのずれ量αをPWセンサ34で検出し、検出したずれ量αに応じてプラテン53を変位させる。それによって、L判サイズの記録紙Pとプラテン53の各プラテンリブ531との相対的な位置関係を本来の適切な位置関係にすることができるので、記録紙Pの裏面の一部がプラテンリブ531間に垂れ下がってインク吸収材532に打ち捨てられたインクに接触して裏汚れが生ずる虞を低減させることができる。また、L判サイズの記録紙Pのインク噴射領域にプラテンリブ531Bが干渉しない状態にすることができるので、プラテンリブ531の頂部にインクが噴射されてしまうことに起因した裏汚れが生ずる虞を低減させることができる。
このようにして、本発明に係るインクジェットプリンタ50によれば、記録紙Pの裏汚れが生じてしまう虞を低減させることができる。
また、本発明に係るインクジェットプリンタ50において、プラテン53の各プラテンリブ531は、プラテン53の幅方向Xにおける中心位置を挟んで幅方向Xに左右対称配置になるようにプラテン53に配設されているのが好ましい(図4)。それによって、幅方向Xにおける記録紙Pの中心位置とプラテン53の中心位置とを一致させれば、記録紙Pのサイズにかかわりなく、給送された記録紙Pとプラテン53との相対的な位置関係を適切な位置関係にすることができる。すなわち、プラテン53における記録紙Pの中心位置を一致させる目標位置は、記録紙Pのサイズにかかわりなく常に一定の位置になる。したがって、記録紙Pのサイズにかかわりなく、プラテン53の変位制御を常に同一の制御手順で実現することができる。
さらに、記録紙Pは、幅方向Xにおける中心位置を挟んで左右対称配置された各プラテンリブ531に支持されることになる。したがって、記録紙Pと各プラテンリブ531との摺接面に生ずる摩擦抵抗は、幅方向Xにおける記録紙Pの中心位置を挟んで一方側と他方側とで略均等になる。それによって、搬送駆動ローラ51の回転により記録紙Pが搬送されるときに、録紙Pと各プラテンリブ531との摺接面に生ずる摩擦抵抗がアンバランスになる虞を低減させることができるので、それに起因した記録紙Pのスキュー(搬送方向Yに対する記録紙Pの傾き)が生じてしまう虞を低減させることができる。
さらに、本発明に係るインクジェットプリンタ50は、記録紙Pの給送位置を規制する左エッジガイド72及び右エッジガイド73を設けなくても、給送された記録紙Pとプラテン53の各プラテンリブ531との相対的な位置関係を本来の適切な位置関係に維持して記録紙Pへの記録を実行することが可能になる。したがって、本発明によれば、エッジガイド等の位置調整手段が設けられていないインクジェットプリンタ50を実現することもできる。すなわち、本発明によれば、記録紙Pのサイズにかかわらず、ユーザがホッパ71のどの位置に記録紙Pを載置しても記録紙Pへの記録を高精度に実行することができるインクジェットプリンタ50を実現することができる。それによって、従来ユーザが行っていたエッジガイド等の位置調整といった煩雑な作業を行う必要がなくなるので、よりユーザにとって使い勝手の良いインクジェットプリンタ50等の記録装置を実現することができる。
<他の実施例>
さらに、本発明に係るインクジェットプリンタ50は、上記の実施例において、プラテン53の搬送方向Yの上流側及び下流側に配設されている補助リブ111及び112も幅方向Xへ変位可能に配設し、プラテン53と同様に、給送された記録紙Pの位置に応じて変位させるのがより好ましい。それによって、給送された記録紙Pの支持位置がプラテン53において本来支持されるべき位置からずれていても、補助リブ111及び112による安定した記録紙Pの搬送状態を安定的に維持することが可能になる。したがって、記録紙Pの搬送中にスキューが生ずる虞がより低減され、記録紙Pへの記録精度をより向上させることができる。
この場合、例えば補助リブ111及び112をプラテン53に延設して一体に設け、補助リブ111及び112がプラテン53と一体的に変位するように構成するのがより好ましい。それによって、プラテン53の各プラテンリブ531と補助リブ111及び112とは、常に同じ変位方向へ同じ変位量で変位することになるので、それらの相対的な位置関係も常に適切な位置関係に維持することができる。したがって、プラテン53の変位位置にかかわらず、補助リブ111及び112による安定した支持状態を高精度に維持することができるので、安定した支持状態で記録紙Pを搬送可能な状態を高精度に維持することができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係るインクジェットプリンタの側断面図。 本発明に係るインクジェットプリンタの要部平面図。 本発明に係るインクジェットプリンタの概略のブロック図。 プラテンの支持構造を図示した要部斜視図。 プラテンの支持構造を図示した要部側断面図。 プラテンの支持構造を図示した要部平面図。 初期化シーケンスにおけるプラテンの動きを模式的に図示した平面図。 初期化シーケンスのフローチャート。 初期化シーケンスにおけるプラテンの動きを模式的に図示した平面図。 初期化シーケンスのフローチャート。 記録紙が本来の給送位置に給送された状態を模式的に図示した平面図。 記録紙がずれた位置に給送された状態を模式的に図示した平面図。 記録紙を退避させてからプラテンを移動させた状態を図示した平面図。 退避させた記録紙を再びプラテン上に搬送した状態を図示した平面図。 プリンタ動作制御シーケンスのフローチャート。
符号の説明
34 PWセンサ、41 プラテン用のリニアスケール、42 プラテン用のリニアスケールセンサ、43 プラテン駆動用モータ、50 インクジェットプリンタ、51 搬送駆動ローラ、52 搬送従動ローラ、53 プラテン、54 排出駆動ローラ、55 排出従動ローラ、56 キャリッジガイド軸、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、70 自動給送装置、531 プラテンリブ、532 インク吸収材、533 ナット、534 雌ねじ部、P 記録紙、X 幅方向、Y 搬送方向

Claims (5)

  1. 被記録材にインクを噴射してドットを形成する記録ヘッドと、
    前記被記録材を所定の搬送方向へ搬送する搬送装置と、
    記録実行領域において前記搬送方向と交差する方向へ離間して並設され、被記録材を支持する複数の突部を有する支持部材と、
    前記支持部材を前記搬送方向と交差する方向へ変位させる支持部材変位装置と、
    前記搬送装置から搬送された被記録材を、被記録材の前記搬送方向と交差する方向における位置を検出する検出装置と、
    前記検出装置による被記録材の検出結果に基づいて、被記録材の正の給送位置からのずれ量を算出し、被記録材に重ならない前記突部に被記録材からはみ出したインクが付着しないように、前記ずれ量に基づいて前記支持部材を前記搬送方向と交差する方向へ変位させるように前記支持部材変位装置を制御する制御装置と、
    を備えたことを特徴とした記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、前記制御装置は、前記検出装置が検出した被記録材の前記搬送方向と交差する方向における中心位置と前記支持部材の前記突部が配設された領域の前記搬送方向と交差する方向における中心位置とが一致するように、前記支持部材変位装置を制御する、ことを特徴とした記録装置。
  3. 請求項2に記載の記録装置において、前記支持部材より前記搬送方向の上流側及び下流側には、前記支持部材の突部と対応する補助突部が前記搬送方向と交差する方向へ変位可能に配設されており、
    前記制御装置は、前記検出装置が検出した被記録材の位置に応じて前記補助突部を変位させる、ことを特徴とした記録装置。
  4. 請求項3に記載の記録装置において、前記補助突部は、前記支持部材と一体的に変位する、ことを特徴とした記録装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録装置において、前記制御装置は、前記支持部材を変位させる間、前記支持部材に支持されている被記録材を前記搬送装置により前記支持部材の外側へ退避させる、ことを特徴とした記録装置。
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