JP4692763B2 - 被記録媒体支持装置、記録装置、液体噴射装置 - Google Patents

被記録媒体支持装置、記録装置、液体噴射装置 Download PDF

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Description

本発明は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと対向して設けられ、被記録媒体を支持することにより被記録媒体と前記記録ヘッドとのギャップを規定する被記録媒体支持装置、及びこれを備えた記録装置に関する。また、本発明は液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
記録装置或いは液体噴射装置の一例としてインクジェットプリンタがある。インクジェットプリンタは被記録媒体或いは被噴射媒体としての記録用紙にインク(液体)を吐出する記録ヘッドと対向する位置に、記録用紙を下から支持することにより記録ヘッドと記録用紙とのギャップを規定する支持部材(紙案内或いはプラテンとも呼ばれる)を備えている。
ここで、支持部材において記録ヘッドと対向する面には、用紙送り方向に延びる、用紙を支持するリブが、用紙幅方向に適宜の間隔を置いて複数設けられている。これは、インクを吸収することによって膨潤する記録用紙に一定振幅の波打ち状態(所謂”コックリング状態”)を形成することで、記録面と記録ヘッドとの距離を可能な限り均一にする為である。
また、上記リブは、上流側と下流側とに分断される様にして設けられる場合がある。例えば、記録用紙の端部に余白無く記録を行う、所謂縁無し記録を実行可能に構成されたプリンタにおいては、上記リブを分断する様に、主走査方向に延びる溝穴が形成される。そして、用紙上端或いは下端が溝穴に望んだ状態で用紙上端或いは下端から外れた領域にもインクを吐出することで、縁無し記録が実行される様になっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−86821号公報
ところで上記リブは、記録用紙のコックリングの周期を考慮して、30〜70mm程度の間隔で配置されるとともに、記録用紙の両サイドの沈み込みを防ぐ為に記録用紙の両サイドからやや内側の位置に配置される様になっている。更に、記録用紙の両サイドに縁無し記録を実行する場合には、記録用紙の両サイドの内側と外側に数mm程度(例えば、3mm程度)のインク打ち捨て部を設ける必要があり、従ってこの位置には、上記リブを配置することができない。
この様に上記リブの配置位置には制約があるが、その一方で記録用紙には種々のサイズのものがある為、各サイズの記録用紙の全てについて上記リブの配置条件を満たそうとすると、上記リブの配置が複雑となる。その結果、或るサイズの記録用紙、或いは全てのサイズの記録用紙について、その幅方向中心に対してリブが非対称に配置されることとなるが、記録用紙と上記リブとの間には摩擦力が生じる為に、この摩擦力が記録用紙の幅方向中心に対して非対称に作用することで記録用紙にスキュー傾向が生じてしまう虞がある。
ここで、記録用紙の搬送方向と直交する方向において基準となる位置を記録用紙の中心位置に設定すると、各サイズの記録用紙の幅方向中心に対し、上記リブが対称に配置されることとなり、上記問題を解消することができるが、例えばL判写真用紙サイズと4×6判写真用紙サイズとでは、幅寸法(前者で3.5インチ、後者で4インチ)が近似しており、この様にサイズの近似した記録用紙のいずれに対しても上記リブの配置条件を満たすことは不可能となる。
そこで本発明はこの様な状況に鑑み成されたものであり、その目的は、サイズの近似した記録用紙に対してもリブの配置条件を満たすことができるとともに、リブの配置が用紙幅方向において中心位置に対して対称となることでスキューの発生を防止することのできる用紙支持装置を提供することにある。
上記課題を解決する為に、本発明の第1の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと対向して設けられ、被記録媒体を支持することにより被記録媒体と前記記録ヘッドとのギャップを規定する被記録媒体支持装置であって、被記録媒体の搬送方向に延びる、被記録媒体を支持するリブを、被記録媒体の幅方向に適宜の間隔を置いて複数備えるとともに、前記リブの一部または全部が、被記録媒体の幅方向に変位可能に設けられ、前記変位可能なリブを変位させることにより、サイズの異なる複数種類の被記録媒体の全てに対し、前記リブを被記録媒体の両方の側端の内側に配置しつつ、幅方向中心位置に対して対称に配置可能となっていることを特徴とする。
本態様によれば、リブの一部または全部が、被記録媒体の搬送方向と直交する方向に変位可能に設けられ、前記変位可能なリブを変位させることにより、サイズの異なる複数種類の被記録媒体の全てに対し、前記リブを被記録媒体の両方の側端の内側に配置しつつ、幅方向中心位置に対して対称に配置可能となっているので、サイズの近似した被記録媒体に対しても上記リブを変位させることによって適切な位置にリブを配置することができる。同時に、被記録媒体の幅方向中心位置に対してリブが対称に配置されることで、被記録媒体がリブから受ける負荷が幅方向で対称となり、もってスキューの発生を防止することが可能となる。尚、「被記録媒体の幅方向」とは、被記録媒体の搬送方向と直交する方向を意味する。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、被記録媒体を搬送する際の、被記録媒体の搬送方向と直交する方向における基準位置が、被記録媒体の幅方向中心位置であり、前記リブの一部が被記録媒体の幅方向に変位可能に構成されたことにより、前記リブが、前記変位可能な可動リブと、固定状態に設けられる固定リブと、によって構成され、前記固定リブが、被記録媒体の幅方向中心位置に配置され、前記可動リブが、前記固定リブの両側に配置されていることを特徴とする。本態様によれば、被記録媒体の幅方向中心位置に固定リブが配置され、可動リブが固定リブの両側に配置されていることから、被記録媒体の幅方向中心に対してリブを容易に対称に配置することができる。
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、前記固定リブから最も遠い位置に設けられた前記可動リブの外側に、打ち捨てられたインクを捕捉するインク捕捉部が配設されていることを特徴とする。本態様によれば、前記固定リブから最も遠い位置に設けられた前記可動リブの外側に、打ち捨てられたインクを捕捉するインク捕捉部が配設されているので、被記録媒体の両方の側端に縁無し記録を実行する際に、インクミストの発生を防止することができる。
本発明の第4の態様は、上記第3の態様において、前記インク捕捉部が、インク吸収材によってインクを捕捉する様構成されていることを特徴とする。本態様によれば、前記インク捕捉部を、構造簡単にして且つ低コストに構成することができる。
本発明の第5の態様は、上記第2から第4の態様のいずれかにおいて、被記録媒体の幅方向に変位可能に設けられるとともに被記録媒体のエッジをガイドするエッジガイドの変位動作に連係して前記可動リブが変位する様構成されていることを特徴とする。本態様によれば、被記録媒体の幅方向に変位可能に設けられるとともに被記録媒体のエッジをガイドするエッジガイドの変位動作に連係して前記可動リブが変位する様構成されているので、前記可動リブを、被記録媒体のサイズに適した位置に間違うことなく確実に配置することができる。
本発明の第6の態様は、上記第2から第4の態様のいずれかにおいて、前記可動リブが、駆動モータの動力によって変位する様構成されるとともに、前記駆動モータを制御する制御部が、被記録媒体のサイズ情報をもとに前記可動リブを変位させる様構成されていることを特徴とする。本態様によれば、制御部が受信した被記録媒体のサイズ情報をもとに前記可動リブが変位するので、前記可動リブを、被記録媒体のサイズに適した位置に間違うことなく確実に配置することができる。
本発明の第7の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと対向する位置に、上記第1乃至第6の態様のいずれかに記載の前記被記録媒体支持装置を備えていることを特徴とする。本態様によれば、記録装置において、上記第1乃至第6の態様のいずれかと同様な作用効果を得ることができる。
本発明の第8の態様は、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドと対向する位置に、被噴射媒体を支持することにより被噴射媒体と前記液体噴射ヘッドとのギャップを規定する被噴射媒体支持装置を備えた液体噴射装置であって、被噴射媒体の搬送方向に延びる、被噴射媒体を支持するリブを、被噴射媒体の幅方向に適宜の間隔を置いて複数備えるとともに、前記リブの一部または全部が、被噴射媒体の幅方向に変位可能に設けられ、前記変位可能なリブを変位させることにより、サイズの異なる複数種類の被噴射媒体の全てに対し、前記リブを被噴射媒体の両方の側端の内側に配置しつつ、幅方向中心位置に対して対称に配置可能となっていることを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について図1乃至図3を参照しながら説明する。ここで、図1は本発明に係る「記録装置」「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の側断面図、図2及び図3は本発明に係る「被記録媒体支持装置」「被噴射媒体支持装置」としての用紙支持装置28の平面図である。
以下では先ず、図1を参照しながらプリンタ1の概要について説明する。尚、以下では、図1の左方向(プリンタ前方側)を用紙搬送経路の「下流側」と言い、図1の右方向を「上流側」と言うこととする。
プリンタ1は後部に「被記録媒体」、「被噴射媒体」の一例としての記録用紙(主として単票紙:以下「用紙P」と言う)を傾斜姿勢でセット可能な給送装置2を備え、当該給送装置2から、用紙Pを下流側の搬送手段4へ向けて給送する。給送された用紙Pは搬送手段4によって下流側へ搬送(副走査送り)され、記録が実行される。そして記録ヘッド27によって記録の行われた用紙Pは、下流側の排出手段5によって装置前方へ排出される。
以下、用紙搬送経路上の構成要素について更に詳説する。給送装置2は、ホッパ11と、給送ローラ12と、リタードローラ13と、戻しレバー14と、2つのエッジガイド15と、更に図示しないその他の構成要素と、を備えて構成されている。
ホッパ11は板状体から成り、上部の揺動支点11aを中心に揺動可能に設けられ、揺動することにより、ホッパ11上に傾斜姿勢に支持された用紙Pを給送ローラ12に圧接させる圧接姿勢と、給送ローラ12から離間させる離間姿勢と、を切り換える。給送ローラ12は側面視略D形の形状を成し、その円弧部分によって圧接した最上位の用紙Pを下流側へ給送する。
リタードローラ13は給送ローラ12の円弧部分と圧接可能に設けられ、且つ、所定の回転抵抗(トルク)が与えられた状態に設けられており、用紙Pの重送が発生せずに1枚だけ給送されている場合には、給送ローラ13に対して従動回転する一方で、用紙Pが給送ローラ12とリタードローラ13との間に複数枚存在する場合には、回転せずに停止した状態となり、これにより用紙Pの重送を防止する。戻しレバー14は、用紙Pの給送経路を側視して揺動可能に設けられていて、揺動することにより、重送されようとした次位以降の用紙Pをホッパ11上に戻す。
エッジガイド15は、用紙Pの両サイドに設けられるとともに、ホッパ11上において用紙幅方向(図1の紙面表裏方向)にスライド変位可能に設けられており、用紙Pの両サイドエッジに対向して位置することにより、用紙Pの給送方向と直交する方向における位置を規制する。尚、本実施形態では、用紙Pはセンター基準によって給送されるので、2つのエッジガイド15は、用紙Pの幅方向中心位置を基準にして互いに近接離間する様に、且つその変位量が等しくなる様に変位する。
次に、給送装置2と搬送手段4との間には、用紙Pの通過を検出する検出手段(図示せず)と、用紙Pの給送姿勢を形成するとともに用紙Pの給送ローラ12への接触を防止して搬送負荷を軽減するガイドローラ22が設けられている。
搬送手段4は、図示しないモータによって回転駆動される搬送駆動ローラ23と、該搬送駆動ローラ23に圧接して従動回転する搬送従動ローラ24とを備えて構成されている。搬送駆動ローラ23は用紙幅方向(主走査方向)に延びる金属軸の外周面に耐摩耗性粒子がほぼ均一に分散されて成る付着層を備えて成され、搬送従動ローラ24は外周面がエラストマ等の低摩擦材料によって成され、搬送駆動ローラ23の軸線方向に複数配設される。
搬送従動ローラ24は紙案内上24の下流側端部に自由回転可能に軸支され、当該紙案内上24は、軸24aがメインフレーム7に軸支されることで、用紙搬送経路を側視して軸24aを中心に揺動可能に設けられるとともに、コイルばね25によって、搬送従動ローラ24が搬送駆動ローラ23に圧接する方向に付勢される。
搬送手段4に到達した用紙Pは、搬送駆動ローラ23と搬送従動ローラ24とによってニップされた状態で搬送駆動ローラ23が回転することにより、下流側へと副走査送りされる。
搬送手段4の下流側には、インク(液体)を用紙Pに向けて吐出する記録ヘッド27と、当該記録ヘッド27と対向して配置される用紙支持装置28とが設けられている。記録ヘッド27はキャリッジ25の底部に設けられ、当該キャリッジ25は主走査方向に延びるキャリッジガイド軸26にガイドされながら、図示しない駆動モータによって主走査方向に往復動する様に駆動される。また、キャリッジ25は、複数の色毎に独立したインクカートリッジ(図示せず)を搭載し、記録ヘッド27へとインクを供給する。
用紙Pと記録ヘッド27との距離を規定する用紙支持装置28は、樹脂材料によって形成される基体28に固定リブ36a〜36c及び37a〜37cを備え(図2参照)、また用紙幅方向に変位可能なスライド部材29、30に可動リブ38a〜38c及び39a〜39cを備えている(図2参照)。側断面視における凹部41、42には、用紙Pの上端と下端に余白無く記録を行う所謂縁無し記録を行う際に、用紙端部から外れたインクが打ち捨てられる。
具体的には、例えば用紙Pの上端を凹部42の上方に位置決めした状態で用紙Pの上端から外れた領域にもインクを吐出することにより、用紙Pの上端に縁無し記録を実行する。同様に、用紙Pの下端を溝41の上方に位置決めした状態で用紙Pの下端から外れた領域にもインクを吐出することにより、用紙Pの下端に縁無し記録を実行する。
尚、用紙Pの上端に縁無し記録を実行する際には、用紙Pの上端は排出手段5に到達していないので、用紙Pは搬送手段4のみから送り力を受ける(第1送りモード)。次に、用紙Pの上端が排出手段5に到達すると、用紙Pは搬送手段4と排出手段5の双方から送り力を受ける(第2送りモード)。そして用紙Pの下端が搬送手段4から抜けると、用紙Pは排出手段5のみから送り力を受ける(第3送りモード)。
続いて、記録ヘッド27の下流側には、補助ローラ47と、排出手段5が設けられている。補助ローラ47は、記録ヘッド27と用紙支持装置28との対向領域から排出手段5へ至る用紙搬送経路上に、用紙Pの記録面と接して従動回転するよう設けられることで、用紙Pの用紙支持装置28からの浮き上がりを防止して用紙Pと記録ヘッド27との距離を一定に保つ機能を果たす。
排出手段5は、図示しないモータによって回転駆動される排出駆動ローラ45と、当該排出駆動ローラ45に接して従動回転する排出従動ローラ46とを備えて構成されている。記録ヘッド27によって記録の行われた用紙Pは、排出駆動ローラ45と排出従動ローラ46とによってニップされた状態で排出駆動ローラ45が回転駆動されることにより、装置前方(図示しないスタッカ)へ向けて排出される。
尚、用紙Pは、搬送手段4と排出手段5との間で下方に撓み付けられ、これによっても用紙支持装置28からの浮き上がりが防止される。即ち、搬送駆動ローラ23と搬送従動ローラ24とのニップ点が、用紙搬送方向に対してやや下流側に設定されており、これにより搬送手段4による用紙送り出し方向が、用紙支持装置28に向かう様になっている。従ってこれにより、用紙Pは用紙支持装置28に押し付けられながら搬送手段4によって搬送され、用紙支持装置28からの浮き上がりが防止される。尚その為、用紙Pは、用紙搬送装置28に設けられた各リブから搬送負荷を受けることになる。
以上がプリンタ1の大略構成であり、以下用紙支持装置28について詳説する。
用紙支持装置28は、用紙搬送方向(図3、4において上下方向)に延びるリブを、用紙幅方向(図3、4において左右方向)に適宜の間隔を置いて複数備えており、そのリブは、上述した様に固定リブ36a〜36c及び37a〜37cと、可動リブ38a〜38c及び39a〜39cと、によって構成される。
本実施形態に係るプリンタ1は上述した様にセンター基準給紙であり、即ち用紙Pを搬送する際の用紙搬送方向と直交する方向(図3、4の左右方向)における基準位置が用紙Pの幅方向中心位置に設定されており、図3、4で符号cで示す線は、当該基準位置を示している。従って用紙サイズに拘わらず、全てのサイズの用紙Pは、その幅方向中心位置を基準位置cに合わせた状態で搬送される。
そして、固定リブ36a、36b、36cは、この基準位置cに配置されており、全てのサイズの用紙Pの幅方向中心位置を下方から支持する。固定リブ37a〜37cは、固定リブ36a〜36cの両側に形成されており、可動リブ38a、38b、38cの用紙幅方向への変位を許容する様に、中央部分が分断された状態に形成されている(図1)。
固定リブ36a〜36c及び37a〜37cが形成される基体28aの下部には平面視において略L字形の形状を成すスライド部材29、30が設けられており、可動リブ38a〜38c及び39a〜39cは、このスライド部材29、30から基体28aの側に突出する様に櫛歯状に形成された部分の頂部によって形成されている。
スライド部材29、30において用紙幅方向に延びるアーム部分にはそれぞれラック29a、30aが形成されており、このラック29a、30aには、駆動モータ31(図1)によって駆動されるピニオン歯車34が噛合している。従って駆動モータ31の動力を受けてピニオン歯車34が回転すると、スライド部材29、30は、用紙幅方向に沿って互いに近接或いは離間する様に、且つ同じ量だけスライド変位し、これにより可動リブ38a〜38c及び39a〜39cが、用紙幅方向に変位する様になっている。
図2において符号P1で示す用紙は、一例としてA4サイズの用紙(長手方向を搬送方向とする場合)を示している。図示する様に、可動リブ38a〜38c及び39a〜39cを変位させることにより、用紙P1の両方の側端からやや内側に可動リブ39a〜39cが配置され、用紙P1の両方の側端(両サイド)の沈み込みが防止される。そして用紙P1は、更に内側の可動リブ38a〜38cと、固定リブ36a〜36c及び37a〜37cと、によって下方から支持される。
ここで、用紙幅方向において各リブの間隔がほぼ一定間隔となっており、そして基準位置(基準線)cに対し、各リブが対称に配置された状態となる。従ってこれにより、用紙P1には規則的なコックリングが形成されることとなり、記録ヘッド27と用紙P1との間のギャップが極端に不均一になることが防止されるとともに、各リブから受ける搬送負荷が基準位置cに対して対称となることで用紙P1が各リブから受ける負荷が用紙幅方向で対称となり、これによってスキューの発生が防止される。
尚、中央の固定リブ36a〜36cから最も遠い位置に設けられた可動リブ39a〜39cにおいて、用紙搬送方向中央に位置する可動リブ39bの外側には、インク捕捉部40が配設されている。用紙P1の側端は、図示する様にインク捕捉部40の上部に位置する様になっており、この状態で用紙P1の側端及び側端から外れた領域にインクを吐出することにより、用紙P1の側端に縁無し記録が実行されるとともに、インク捕捉部40にインクが打ち捨てられる。打ち捨てられたインクは、インク捕捉部40によって捕捉され、インクミストの発生が防止される。尚、インク捕捉部40はインク吸収材(例えば、スポンジ材)によって構成され、これによって吐出されたインクが捕捉される様になっている。
尚、本実施形態では、図2(A4サイズ用紙を長手方向に搬送する場合)において固定リブ36a〜36cとその隣の固定リブ37a〜37cとの間隔(用紙幅方向距離)は約35mm、固定リブ37a〜37cと可動リブ38a〜38cとの間隔は約32mm、可動リブ38a〜38cと可動リブ39a〜39cとの間隔は約35mm、可動リブ39a〜39cと用紙端との距離は約3mmとなる。
次いで、図3において符号P2で示す用紙は、L判写真サイズの用紙(長手方向を搬送方向とする場合)を示している。図示する様に、図2に示したA4サイズに適したリブ配置の状態から、スライド部材29、30を変位させることにより、用紙P1と同様に用紙の両サイドからやや内側に可動リブ39a〜39cを配置することができるとともに、基準位置(基準線)cに対し、各リブが対称に配置された状態とすることができ、スキューの発生を防止することが可能となる。
以上により、可動リブ38a〜38c及び39a〜39cを変位させることにより、サイズの異なる複数種類の用紙の全てに対し、用紙を両方の側端の内側で支持しつつ、幅方向中心位置に対して対称にリブを配置することができ、サイズの近似した用紙に対しても上記リブを変位させることによって適切な位置にリブを配置することができる。また同時に、用紙サイズに拘わらず、用紙幅方向中心位置に対してリブを対称に配置することができ、スキューの発生を防止することが可能となる。
尚、本実施形態では、図3(L判写真用紙を長手方向に搬送する場合)において固定リブ36a〜36cとその隣の可動リブ38a〜38cとの間隔(用紙幅方向距離)は約6mm、可動リブ38a〜38cと固定リブ37a〜37cとの間隔は約28mm、固定リブ37a〜37cと可動リブ39a〜39cとの間隔は約6mm、可動リブ39a〜39cと用紙端との距離は約3mmとなる。
以上の様な可動リブ38a〜38c及び39a〜39cの変位動作、即ちスライド部材29、30の変位動作は、制御部6(図1)によって実行される。制御部6は、プリンタドライバからの情報を元に駆動モータ31を駆動制御し、スライド部材29、30を適切な位置に位置決めする。即ち、用紙サイズ情報に応じて可動リブ38a〜38c及び39a〜39cが適切な位置に自動的に確実に位置決めされることとなる。尚、スライド部材29、30の用紙幅方向における位置を正確に把握する為に、スライド部材29或いは30にリニアスケールを設けるとともに当該リニアスケールを検出するセンサを配置しても良い。
以上説明した実施形態では、スライド部材29、30即ち可動リブ38a〜38c及び39a〜39cをモータの動力によって変位させる構成としたが、これに限られるものではなく、例えばエッジガイド15(図1)とスライド部材30とを図1において符号16及び仮想線で示す様なリンク部材によって連結し、用紙幅に応じてエッジガイド15を操作した際に、これに伴ってスライド部材30(及びスライド部材29)が変位動作する様に構成することもできる。
本発明に係るプリンタの側断面図。 本発明に係る用紙支持装置の平面図。 本発明に係る用紙支持装置の平面図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、2 給送装置、3 記録手段、4 搬送手段、5 排出手段、6 制御部、11 ホッパ、12 給送ローラ、13 リタードローラ、14 戻しレバー、15 エッジガイド、20 紙案内上、21 コイルばね、22 ガイドローラ、
23 搬送駆動ローラ、24 搬送従動ローラ、25 キャリッジ、26 キャリッジガイド軸、27 記録ヘッド、28 用紙支持装置、28a 基体、29、30 スライド部材、31 駆動モータ、34 ピニオン歯車、36a〜36c 固定リブ、37a〜37c 固定リブ、38a〜38c 可動リブ、39a〜39c 可動リブ、40 インク捕捉部、41、42 凹部、45 排出駆動ローラ、46 排出従動ローラ、47 ガイドローラ、P 記録用紙

Claims (8)

  1. 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと対向して設けられ、被記録媒体を支持することにより被記録媒体と前記記録ヘッドとのギャップを規定する被記録媒体支持装置であって、
    被記録媒体の搬送方向に延びる、被記録媒体を支持するリブを、被記録媒体の幅方向に適宜の間隔を置いて複数備えるとともに、前記リブの一部または全部が、被記録媒体の幅方向に変位可能に設けられ、
    前記変位可能なリブを変位させることにより、サイズの異なる複数種類の被記録媒体の全てに対し、前記リブを被記録媒体の両方の側端の内側に配置しつつ、幅方向中心位置に対して対称に配置可能となっている、
    ことを特徴とする被記録媒体支持装置。
  2. 請求項1において、被記録媒体を搬送する際の、被記録媒体の搬送方向と直交する方向における基準位置が、被記録媒体の幅方向中心位置であり、
    前記リブの一部が被記録媒体の幅方向に変位可能に構成されたことにより、前記リブが、前記変位可能な可動リブと、固定状態に設けられる固定リブと、によって構成され、
    前記固定リブが、被記録媒体の幅方向中心位置に配置され、
    前記可動リブが、前記固定リブの両側に配置されている、
    ことを特徴とする被記録媒体支持装置。
  3. 請求項2において、前記固定リブから最も遠い位置に設けられた前記可動リブの外側に、打ち捨てられたインクを捕捉するインク捕捉部が配設されている、
    ことを特徴とする被記録媒体支持装置。
  4. 請求項3において、前記インク捕捉部が、インク吸収材によってインクを捕捉する様構成されていることを特徴とする被記録媒体支持装置。
  5. 請求項2から4のいずれか1項において、被記録媒体の幅方向に変位可能に設けられるとともに被記録媒体のエッジをガイドするエッジガイドの変位動作に連係して前記可動リブが変位する様構成されている、
    ことを特徴とする被記録媒体支持装置。
  6. 請求項2から4のいずれか1項において、前記可動リブが、駆動モータの動力によって変位する様構成されるとともに、前記駆動モータを制御する制御部が、被記録媒体のサイズ情報をもとに前記可動リブを変位させる様構成されている、
    ことを特徴とする被記録媒体支持装置。
  7. 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと対向する位置に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の前記被記録媒体支持装置を備えている、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドと対向する位置に、被噴射媒体を支持することにより被噴射媒体と前記液体噴射ヘッドとのギャップを規定する被噴射媒体支持装置を備えた液体噴射装置であって、
    被噴射媒体の搬送方向に延びる、被噴射媒体を支持するリブを、被噴射媒体の幅方向に適宜の間隔を置いて複数備えるとともに、前記リブの一部または全部が、被噴射媒体の幅方向に変位可能に設けられ、
    前記変位可能なリブを変位させることにより、サイズの異なる複数種類の被噴射媒体の全てに対し、前記リブを被噴射媒体の両方の側端の内側に配置しつつ、幅方向中心位置に対して対称に配置可能となっている、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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