JP2001347691A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2001347691A JP2000169830A JP2000169830A JP2001347691A JP 2001347691 A JP2001347691 A JP 2001347691A JP 2000169830 A JP2000169830 A JP 2000169830A JP 2000169830 A JP2000169830 A JP 2000169830A JP 2001347691 A JP2001347691 A JP 2001347691A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録媒体の両側縁部における浮き上がりの発生
を防止して、良質な画像記録を行うことのできるインク
ジェット記録装置を提供すること。 【解決手段】記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、
記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の幅方向に亘
って走査すると共にインクを噴射して画像を記録する記
録手段と、画像の記録時に記録媒体を保持して浮き上が
りを防止する記録媒体保持手段6とを有するインクジェ
ット記録装置において、上記記録媒体保持手段6は、記
録媒体裏面に接する保持部61に、記録媒体よりも大き
な範囲に記録を行った際に噴射された余剰インクを受け
るためのインク受け用の開口部612,613を設けると共
に、該開口部612,613の近傍に、記録媒体の吸着部64
を設けたことを特徴とするインクジェット記録装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に関し、詳しくは、記録ヘッドによる記録媒体への
画像記録時に該記録媒体の浮き上りを防止するために保
持する記録媒体保持手段を有するインクジェット記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ロール状やシート状の記録媒体上にイン
クを噴射させて画像を記録するインクジェット記録装置
は、一般に、記録媒体上にインクの噴射を行う記録ヘッ
ドを該記録媒体の幅方向に亘って走査させ、その走査の
過程でインクを噴射して画像の記録を行う動作と、その
走査方向と略直交する方向に沿って記録媒体を所定量搬
送する動作とを順次繰り返すことにより、記録媒体上に
所望の画像が記録形成されるようになっている。
【0003】良質な画像を記録形成するため、画像記録
時に、インクを噴射する記録媒体表面の平滑性を保つこ
とが重要である。このため、インクジェット記録装置に
は、記録媒体の裏面に当接してこれを保持するための記
録媒体保持手段が設けられている。
【0004】この記録媒体保持手段は、図19(a)に
示すように、記録媒体の裏面に当接する表面が平滑な平
板状の保持部100に、吸引ファンや吸引ポンプ等の吸
引手段によって空気を吸引するための多数の吸引孔10
1が開穿されており、この吸引孔101から空気を吸引
することにより記録媒体をその表面に吸引、吸着させ、
記録媒体表面の平滑性を維持するようにしている。
【0005】また、記録媒体の大きさよりも大きな画像
(縁なし画像)を記録形成する場合には、記録ヘッドに
より記録媒体の大きさよりも大きな範囲に記録を行った
際に、該記録ヘッドから噴射されて記録媒体の両側縁部
からはみ出した余剰インクを受け入れるため、図19
(b)に示すように、記録媒体の両側縁部に対応する位
置に、インク受け用の開口部102、103がそれぞれ
設けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット記録装
置においては、インクを安定的に記録媒体上に噴射させ
るため、記録ヘッドと記録媒体との間隔は極めて近接し
ている。
【0007】このため、保持手段によって保持される記
録媒体に浮き上がり等が存在していると、該記録媒体と
記録ヘッドとが接触することにより、記録媒体や記録ヘ
ッドのノズルが損傷する問題があり、また、良質の画像
を記録形成することも困難となるため、その浮き上がり
の発生を極力抑えることが必要である。
【0008】特に、記録ヘッドは記録媒体の幅方向に沿
って主走査を行う関係上、記録媒体の両側縁部において
浮き上がりを抑えることは、重要である。
【0009】図19(b)に示すように、保持部100
にインク受け用の開口部102、103が形成されてい
るものにあっては、該開口部102、103は記録媒体
の両側縁部に位置するため、該部において記録媒体の吸
引、吸着が行われず、記録媒体の浮き上がりによって記
録ヘッドとの接触の問題が懸念される。
【0010】また、保持部100に形成されるインク受
け用の開口部102、103は、記録媒体の幅に対応さ
せて設けられるため、幅が異なる記録媒体を使用する場
合には、縁なし画像を記録することができない。
【0011】そこで、本発明の課題は、記録媒体の両側
縁部における浮き上がりの発生を防止して、良質な画像
記録を行うことのできるインクジェット記録装置を提供
することにある。
【0012】また、本発明の他の課題は、幅の異なる各
種の記録媒体へ画像を記録する場合にも容易に対応する
ことのできるインクジェット記録装置を提供することを
課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、記録媒体を搬
送する搬送手段と、記録媒体の幅方向に亘って走査する
と共にインクを噴射して画像を記録する記録手段と、画
像の記録時に記録媒体を保持して浮き上がりを防止する
記録媒体保持手段とを有するインクジェット記録装置に
おいて、上記記録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接す
る保持部に、記録媒体よりも大きな範囲に記録を行った
際に噴射された余剰インクを受けるためのインク受け用
の開口部を設けると共に、該開口部の近傍に、記録媒体
の吸着部を設けたことを特徴とするインクジェット記録
装置である。
【0014】請求項2記載の発明は、前記吸着部は、開
口部における記録媒体の搬送方向に沿い且つ記録媒体の
搬送経路上の上流側及び/又は下流側に形成したことを
特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置であ
る。
【0015】請求項3記載の発明は、前記吸着部は、開
口部の長手方向に沿う側部で且つ記録媒体の搬送経路上
に形成したことを特徴とする請求項1記載のインクジェ
ット記録装置である。
【0016】請求項4記載の発明は、前記吸着部は、開
口部における記録媒体の搬送方向に沿い且つ記録媒体の
搬送経路上の上流側及び/又は下流側と、該開口部の長
手方向に沿う側部で且つ記録媒体の搬送経路上に形成し
たことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録
装置である。
【0017】請求項5記載の発明は、前記吸着部は、空
気吸引用の孔又はスリットであることを特徴とする請求
項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置で
ある。
【0018】請求項6記載の発明は、記録媒体を供給す
る記録媒体供給手段と、記録媒体を搬送する搬送手段
と、記録媒体の幅方向に亘って走査すると共にインクを
噴射して画像を記録する記録手段と、画像の記録時に記
録媒体を保持して浮き上がりを防止する記録媒体保持手
段とを有するインクジェット記録装置において、上記記
録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接する保持部表面に
静電吸着部を設けたことを特徴とするインクジェット記
録装置である。
【0019】請求項7記載の発明は、前記保持部は、記
録媒体よりも大きな範囲に記録を行った際に噴射された
余剰インクを受けるためのインク受け用の開口部を有
し、該開口部の周囲に静電吸着部を設けたことを特徴と
する請求項6記載のインクジェット記録装置である。
【0020】請求項8記載の発明は、前記保持部は、空
気吸引用の多数の吸引孔を有し、該保持部表面に部分的
に静電吸着部を設けたことを特徴とする請求項6記載の
インクジェット記録装置である。
【0021】請求項9記載の発明は、記録媒体を供給す
る記録媒体供給手段と、記録媒体を搬送する搬送手段
と、記録媒体の幅方向に亘って走査すると共にインクを
噴射して画像を記録する記録手段と、画像の記録時に記
録媒体を保持して浮き上がりを防止する記録媒体保持手
段とを有するインクジェット記録装置において、上記記
録媒体保持手段は、多数の吸引孔を有して記録媒体裏面
に接する保持部と、該保持部下面側に設けられた負圧室
と、該負圧室と接続して上記吸引孔から空気を吸引する
ことにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引手段とを
有すると共に、上記負圧室の吸引手段との接続口を記録
媒体の両側縁部近傍の位置に対応させて設けたことを特
徴とするインクジェット記録装置である。
【0022】請求項10記載の発明は、記録媒体を供給
する記録媒体供給手段と、記録媒体を搬送する搬送手段
と、記録媒体の幅方向に亘って走査すると共にインクを
噴射して画像を記録する記録手段と、画像の記録時に記
録媒体を保持して浮き上がりを防止する記録媒体保持手
段とを有するインクジェット記録装置において、上記記
録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接する保持部に、記
録媒体よりも大きな範囲に記録を行った際に噴射された
余剰インクを受けるためのインク受け用の開口部を設け
ると共に、該開口部の位置を、記録媒体の幅に応じて変
更可能に構成したことを特徴とするインクジェット記録
装置である。
【0023】請求項11記載の発明は、前記保持部を交
換可能に構成し、該保持部を、記録媒体の幅に対応させ
て予めインク受け用の開口部をそれぞれ形成してなる複
数種の保持部のいずれかと交換することにより、インク
受け用の開口部の位置を変更可能としたことを特徴とす
る請求項10記載のインクジェット記録装置である。
【0024】請求項12記載の発明は、各種記録媒体の
各々の幅に対応する位置にインク受け用の開口部を形成
してなる保持部の下面に、上記開口部と適合する大きさ
の開口を、上記開口部よりも少ない数だけ形成したスラ
イド板をスライド可能に当接させ、上記保持部とスライ
ド板との相対位置を変更して保持部のいずれかの開口部
とスライド板の開口とを選択的に適合させることによ
り、インク受け用の開口部の位置を変更可能としたこと
を特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置
である。
【0025】請求項13記載の発明は、記録媒体を供給
する記録媒体供給手段と、記録媒体を搬送する搬送手段
と、記録媒体の幅方向に亘って走査すると共にインクを
噴射して画像を記録する記録手段と、画像の記録時に記
録媒体を保持して浮き上がりを防止する記録媒体保持手
段とを有するインクジェット記録装置において、上記記
録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接する多数の吸引孔
を有する保持部と、該保持部下面側に設けられた負圧室
と、該負圧室と接続して上記吸引孔から空気を吸引する
ことにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引手段とを
有すると共に、上記保持部の多数の吸引孔のうち、上記
吸引手段よって空気が吸引可能な吸引孔の領域を変更可
能としたことを特徴とするインクジェット記録装置であ
る。
【0026】請求項14記載の発明は、上記保持部表面
に、該保持部の吸引孔と適合し得る孔の数をそれぞれ異
ならせた複数種の開孔領域を形成してなる帯状遮蔽板を
スライド可能に当接させ、該遮蔽板をスライドさせてい
ずれかの開孔領域を保持部の吸引孔と選択的に適合させ
ることにより、空気が吸引可能な吸引孔の領域を変更す
ることを特徴とする請求項13記載のインクジェット記
録装置である。
【0027】請求項15記載の発明は、上記保持部下面
に、該保持部の吸引孔を遮蔽する遮蔽板をスライド可能
に配設し、該遮蔽板をスライドさせて保持部の複数の吸
引孔のうちの一部の領域を遮蔽することにより、空気が
吸引可能な吸引孔の領域を変更することを特徴とする請
求項13記載のインクジェット記録装置である。
【0028】請求項16記載の発明は、上記吸引手段に
よって空気が吸引可能な吸引孔の領域は、記録媒体の幅
に対応した領域であることを特徴とする請求項13〜1
5のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
【0029】請求項17記載の発明は、記録媒体を供給
する記録媒体供給手段と、記録媒体を搬送する搬送手段
と、記録媒体の幅方向に亘って走査すると共にインクを
噴射して画像を記録する記録手段と、画像の記録時に記
録媒体を保持して浮き上がりを防止する記録媒体保持手
段とを有するインクジェット記録装置において、上記記
録媒体保持手段は、多数の吸引孔を有して記録媒体裏面
に接する保持部と、該保持部下面側に設けられた負圧室
と、該負圧室をと接続して上記吸引孔から空気を吸引す
ることにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引手段と
を有すると共に、記録媒体の搬送時に上記吸引手段によ
る吸引孔からの空気の吸引を遮断する手段を設けたこと
を特徴とするインクジェット記録装置である。
【0030】請求項18記載の発明は、上記吸引孔から
の空気の吸引を遮断する手段は、上記保持部の吸引孔を
遮蔽するシャッタからなることを特徴とする請求項17
記載のインクジェット記録装置である。
【0031】請求項19記載の発明は、上記吸引孔から
の空気の吸引を遮断する手段は、上記吸引手段による負
圧室内の空気の吸引経路を遮蔽する弁からなることを特
徴とする請求項17記載のインクジェット記録装置であ
る。
【0032】請求項20記載の発明は、記録媒体を供給
する記録媒体供給手段と、記録媒体を搬送する搬送手段
と、記録媒体の幅方向に亘って走査すると共にインクを
噴射して画像を記録する記録手段と、画像の記録時に記
録媒体を保持して浮き上がりを防止する記録媒体保持手
段とを有するインクジェット記録装置において、上記記
録媒体保持手段は、多数の吸引孔を有して記録媒体裏面
に接する保持部と、該保持部下面側に設けられた負圧室
と、該負圧室と接続して上記吸引孔から空気を吸引する
ことにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引手段とを
有すると共に、該記録媒体保持手段によって保持される
記録媒体の列数に応じて、上記吸引孔からの空気の吸引
を各列個別に制御することを特徴とするインクジェット
記録装置である。
【0033】請求項21記載の発明は、前記負圧室内を
記録媒体の列数に対応させて複数に区画形成すると共
に、各区画毎にそれぞれ吸引手段と接続し、各々の吸引
手段を個別制御することを特徴とする請求項20記載の
インクジェット記録装置である。
【0034】請求項22記載の発明は、前記負圧室内
に、前記保持部の吸引孔を遮蔽するシャッタを記録媒体
の列毎にそれぞれ対応させて設け、各々のシャッタを個
別制御することを特徴とする請求項20記載のインクジ
ェット記録装置である。
【0035】請求項23記載の発明は、記録媒体を供給
する記録媒体供給手段と、記録媒体を搬送する搬送手段
と、記録媒体の幅方向に亘って走査すると共にインクを
噴射して画像を記録する記録手段と、画像の記録時に記
録媒体を保持して浮き上がりを防止する記録媒体保持手
段とを有するインクジェット記録装置において、上記記
録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接する多数の吸引孔
を有する保持部と、該保持部下面側に設けられた負圧室
と、該負圧室と接続して上記吸引孔から空気を吸引する
ことにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引手段と、
上記負圧室内に設けられ、記録媒体よりも大きな範囲に
記録を行った際に噴射された余剰インクを受けるための
インク受け部とを有し、上記インク受け部は、内部に貯
溜された余剰インクを排出する排出口を開閉弁を介して
上記負圧室内に臨ませ、上記記録手段による非記録時に
上記開閉弁を開放することにより、吸引手段の吸引力に
よりインク受け部内の余剰インクを排出するようにした
ことを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0037】図1はインクジェット記録装置の概略を示
す構成図である。
【0038】同図に示すように、装置上方には記録媒体
供給手段1が配置されている。記録媒体供給手段1は、
長尺状の記録媒体が巻回された複数(図示例では2つ)
のペーパーロール1A、1Bから、それぞれ記録媒体1
0A、10Bが搬送手段2にによって図示下方向に繰り
出されるようになっている。
【0039】搬送手段2は、各々の記録媒体10A、1
0Bを搬送する搬送ローラ対21A、21Bと、該搬送
ローラ対21A、21Bを駆動させる搬送モータ22
A、22Bとを有しており、ペーパーロール1A、1B
から繰り出された各記録媒体10A、10Bを上記搬送
ローラ対21A、21Bにそれぞれ挟持し、搬送モータ
22A、22Bの駆動制御によってそれぞれ次段の記録
手段3へ搬送させる。
【0040】記録手段3は、各々の記録媒体10A、1
0Bの表面側(記録面側)に、該記録媒体10A、10
Bに対して複数のノズルから液滴状のインクを噴射して
画像を記録形成するための記録ヘッド31が、記録媒体
10A、10Bの搬送方向(副走査方向)と略直交する
ように横架された走査ガイド32に沿って移動可能に取
付けられたキャリッジ33に装備されている。
【0041】記録ヘッド31は、例えばY(イエロ
ー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)
等の各インクが貯溜された複数のインクタンクと、各々
のインクタンク内のインクを液滴状に射出するための多
数のノズルヘッドを有して構成されており、キャリッジ
モータ34と連動するプーリ35によってキャリッジ3
3が移動することにより、記録媒体10A、10Bの搬
送方向と略直交する方向(主走査方向)に沿い、且つ各
々の記録媒体10A、10Bに亘って移動する。
【0042】記録手段3によって画像記録がなされた記
録媒体10A、10Bは、それぞれローラ対4A、4B
によって挟持移送された後、カッタ5によって各々一画
像毎等の所定サイズに裁断される。
【0043】上記記録ヘッド31によって画像記録が行
われる記録媒体10A、10Bの裏面側には、記録ヘッ
ド31に対向するように、主走査方向に沿い且つ各記録
媒体10A、10Bに亘って記録媒体保持手段6が配設
されている。
【0044】記録媒体保持手段6は、記録ヘッド31に
よる記録媒体10A、10Bへの画像記録時に、該記録
媒体10A、10Bを保持して、表面の平滑性を維持す
ると同時に、それらの浮き上がりを防止し、主走査方向
に沿って移動する記録ヘッド31との接触を回避するよ
うに機能する。
【0045】図2に記録媒体保持手段6の実施の形態の
一例を示す。(a)は記録媒体保持手段6の部分平面
図、(b)は(a)の(I)−(I)線に沿う側面断面図であ
る。
【0046】なお、本実施形態に示すインクジェット記
録装置は、2列の記録媒体10A、10Bを同時に搬送
可能に構成しており、記録媒体保持手段6は各記録媒体
10A、10Bに対応した左右対称構造を呈しているた
め、以下、本明細書においては、特に記載がない限り、
記録媒体10A側に対応する部分についてのみ説明す
る。
【0047】記録媒体保持手段6は、記録媒体10Aの
裏面に接する平板状の保持部61の表面に、多数の吸引
孔611が開穿され、保持部61の下面側に配置された
箱体状の負圧室62と接続した図示しない吸引ファンや
吸引ポンプ等の適宜の吸引手段の駆動によって、負圧室
62内を負圧にして上記多数の吸引孔611から空気を
吸引することにより、上記保持板61表面に記録媒体1
0Aを吸着させ、その浮き上がりを防止する。
【0048】保持板61には、記録媒体10Aの両側縁
部にそれぞれ対応する位置に、インク受け用の開口部6
12、613が設けられている。これら開口部612、
613の長さは、記録ヘッド31の副走査方向に沿う長
さと同じ若しくは若干長く形成されており、所謂縁なし
画像を記録形成するために、記録ヘッド31により記録
媒体10Aの大きさよりも大きな範囲に記録を行った際
に、該記録ヘッド31から噴射されて記録媒体10Aの
両側縁部からはみ出した余剰インクを受け入れる。開口
部612、613から受け入れた余剰インクは、該開口
部612、613に連通して負圧室62内に配置された
インク受け部63内に一時貯溜され、その後図示しない
廃インクタンクへ排出される。
【0049】この開口部612、613においては、記
録媒体10Aの吸引、吸着は行われないため、開口部6
12、613の近傍に、記録媒体10Aの両側縁部を吸
着するための吸着部64が設けられている。
【0050】図2に示す吸着部64は空気吸引孔641
からなり、開口部612、613における記録媒体10
Aの搬送方向に沿い且つ記録媒体10Aの搬送経路上に
位置して、該開口部612、613の上流側及び下流側
にそれぞれ設けられている。形状は図示する丸孔状に限
らず、角孔状、スリット状等任意である。また、多孔質
材により形成してもよい。
【0051】吸引手段の駆動により、保持部61の各吸
引孔611から空気が吸引されるのと同時に、この吸着
部64の空気吸引孔641からも空気が吸引される。こ
れによりインク受け用の開口部612、613が存在す
る記録媒体10Aの両側縁部も、保持部61表面に吸
引、吸着され、その浮き上がりが防止される。従って、
記録媒体側縁部の浮き上がりに起因する記録ヘッドとの
接触による印字不良発生の問題が解消される。
【0052】この吸着部64は、開口部612、613
の搬送方向に沿う上下流側に設けられているが、上下流
側のいずれか一方のみでもよい。
【0053】図3に吸着部64の他の例を示す。
【0054】図3(a)は、吸着部64を開口部61
2、613の側部に設けた例を示している。この吸着部
64は多数の空気吸引孔642を開口部612、613
の長手方向に沿って列状に設けている。この吸着部64
は、開口部612、613の長手方向に沿う側部で且つ
記録媒体10Aの搬送経路上にあり、即ち、開口部61
2及び613の内側にそれぞれ配置されている。
【0055】図3(b)は、吸着部64を、空気吸引用
のスリット643により形成した例を示している。スリ
ット643も、開口部612、613の長手方向に沿う
側部で且つ記録媒体10Aの搬送経路上に形成されてお
り、同様に吸引手段の駆動により記録媒体10Aの両側
縁部を保持部61の表面に吸引、吸着し、その浮き上が
りを防止する。このスリット643は開口部612、6
13における記録媒体10Aの搬送方向に沿う上流側及
び/又は下流側に配置されていてもよい。
【0056】図3(c)は、吸着部64を、開口部61
2、613における記録媒体10Aの搬送方向に沿い且
つ記録媒体10Aの搬送経路上の上下流側と、該開口部
612、613の長手方向に沿う側部で且つ記録媒体1
0Aの搬送経路上にそれぞれ形成した例であり、それぞ
れ空気吸引孔641と空気吸引用のスリット643とを
組合わせた例を示している。
【0057】図4は、吸着部64の更に他の例を示して
いる。
【0058】この吸着部64は、保持部61の表面と面
一状に形成された静電吸着部644により構成されてい
る。静電吸着部644は、空気吸引する前記空気吸引孔
641、642、スリット643のような吸着部と異な
り、吸着部それ自身が静電現象を利用して記録媒体を吸
着する機能を有している。
【0059】同図に示す静電吸着部644は、各インク
受け用の開口部612、613の四辺を囲むようにそれ
ぞれ周囲に配置されている。記録媒体10Aは、吸引手
段による多数の吸引孔611からの空気の吸引によって
保持部61表面に吸引、吸着されると共に、インク受け
用の開口部612、613上に位置するその両側縁部
が、静電吸着部644によって保持部61表面に静電吸
着され、その浮き上がりが防止される。
【0060】この静電吸着部644は、開口部612、
613の四辺を囲む態様に限らず、図5に示すように様
々な態様を採ることができる。
【0061】図5(a)は、開口部612における外側
(他の開口部613と反対側)の一辺を除く該開口部6
12の三辺を囲むように設けている。
【0062】図5(b)は、開口部612における内側
(他の開口部613側)の一辺のみに沿うように一定幅
で設けている。
【0063】図5(c)は、開口部612における記録
媒体10Aの搬送方向に沿い且つ記録媒体10Aの搬送
経路上の上下流側に設けている。
【0064】このような静電吸着部644は、空気吸引
孔641、642から空気吸引することにより記録媒体
10Aを吸着するものに比べ、記録媒体10Aを一定幅
で面状に吸着することができる。
【0065】また、静電吸着部644は、記録媒体の両
側縁部に対応する位置等のように、浮き上がりを防止す
るのに必要な部位に部分的に設けることが好ましい。こ
のようにすれば保持部61表面全面に静電吸着部644
を設ける場合に比べて安価に構成できる。
【0066】図6は、インク受け用の開口部612、6
13の近傍以外に、静電吸着部644を保持部61の表
面に亘って部分的に設けた例を示している。この図に示
す静電吸着部644は、両開口部612、613の間
に、記録媒体10Aの搬送方向に沿って一定幅で4本設
けられているが、数は限定されない。
【0067】また、静電吸着部644による記録媒体1
0Aの部分的な吸着と、吸引孔611からの空気の吸引
による記録媒体10Aの吸着とを併用すれば、記録媒体
10A全体を空気吸引によって保持部61表面に吸着さ
せると同時に、特に記録媒体10Aの浮き上がりの発生
が懸念される部位、例えば上記のようにインク受け用の
開口部612、613の近傍等に静電吸着部644によ
って記録媒体10Aを部分的に保持部61表面に確実に
吸着させるようにすることができ、記録媒体10Aの浮
き上がりに起因する問題をより効果的に解消することが
できる。
【0068】図7は、記録媒体の両側縁部の浮き上がり
を防止する別の例であり、記録媒体保持手段6の負圧室
62の吸引手段65との接続口621、622を、記録
媒体10Aの両側縁部近傍の位置に対応させてそれぞれ
設けた例を示している。
【0069】各々の接続口621、622は、図8に示
すように、負圧室62の側面において、保持部61の表
面側から見て、記録媒体10Aの両側縁部の位置と搬送
方向に沿って略重なるような位置に設けられ、吸引手段
65とそれぞれ吸引ダクト651、652によって接続
されている。
【0070】吸引手段65の駆動により、吸引ダクト6
51、652を介して負圧室62内の空気を吸引した
際、該接続口621、622近傍の吸引力を向上させ、
これにより記録媒体10Aの両側縁部近傍の吸引力を向
上させる。従って、簡単な構成で記録媒体10Aの両側
縁部の浮き上がりを効果的に防止することができる。
【0071】各接続口621、622は、記録媒体10
Aの両側縁部近傍の位置に対応させて設けられれば、負
圧室62の底面に設けられてもよい。また、負圧室62
において記録媒体10Aの搬送方向の上流側の側面に設
けられていてもよい。
【0072】次に、記録媒体保持手段の保持部に形成さ
れたインク受け用の開口部の位置を変更可能とした態様
について説明する。
【0073】図9は、保持部を交換可能とした場合を示
しており、ここでは記録媒体10A、10Bの各列を保
持する記録媒体保持手段6全体を示している。
【0074】保持部は各記録媒体10A、10Bにそれ
ぞれ対応して61A、61Bに2分割され、それぞれ個
別に適宜の固定手段によって着脱可能に負圧室62上面
を覆うように取り付けられている。固定手段は何ら限定
されない。
【0075】各保持部61A、61Bには、それぞれ記
録媒体10A、10Bの両側縁部に対応する位置に、イ
ンク受け用の開口部612A、613A、612B、6
13Bが設けられている。
【0076】これら開口部612A、613A、612
B、613Bは、一種類の記録媒体の幅に対応するよう
にしか設けられていない。それら開口部が対応している
幅の記録媒体と異なる幅の記録媒体に対しても縁なし画
像の記録を可能とするために、図10に示すように、記
録媒体の幅に対応させて予めインク受け用の開口部61
2A、613Aをそれぞれ形成した複数種の保持部61
A1、61A2、61A3、61A4を用意しておく。
なお、図10は保持部61Aの交換用の保持部を示して
いる。
【0077】例えば、保持部61A1は記録媒体幅が1
27mm用、保持部61A2は100mm用、保持部6
1A3は89mm用、保持部61A4は82mm用等の
ように、予めインク受け用の開口部612A、613A
を各幅に合わせてそれぞれ設ける。但し、ここでは、記
録媒体は開口部613Aに対応する側縁部を常に定位置
にしているため、開口部612Aのみの位置が変更され
る。
【0078】記録を行う記録媒体の幅に応じて、これら
保持部61A1、61A2、61A3、61A4のいず
れかと交換すれば、開口部612A、613Aの位置を
各種の記録媒体の幅に合致するように変更することがで
き、一台の記録装置で幅の異なる複数種の記録媒体に対
応して縁なし画像の記録を行うことができる。
【0079】また、各保持部61A1、61A2、61
A3、61A4には、吸引孔611を開口部612Aと
613Aの間のみに形成しておけば、記録媒体の幅が変
わっても、それに応じて必要な部分、即ち記録媒体が存
在する領域のみ吸引することができ、記録媒体の存在し
ない吸引に不必要な箇所から吸引することによる空気漏
れの無駄を解消し、吸引力の低下を防止することができ
る。
【0080】なお、負圧室62内には、保持部が61A
1、61A2、61A3、61A4のいずれと交換され
ても、その位置が変更される開口部612Aによって余
剰インクを受け入れることができるように、各保持部の
開口部612Aの位置にそれぞれ対応させて複数のイン
ク受け部を予め配置しておくことが好ましい。
【0081】図11は、記録媒体保持手段の保持部に形
成されたインク受け用の開口部の位置を変更可能とした
別の態様を示している。
【0082】この態様では、保持部61には、各種記録
媒体の各々の幅に対応するインク受け用の複数の開口部
612a、612b、612c、612dが同時に形成
されている。
【0083】この保持部61の下面側には、少なくとも
上記開口部612a、612b、612c、612dを
全て覆うことができる大きさのスライド板66を、図1
2に示すように、主走査方向に沿う方向にスライド可能
に当接させている。
【0084】スライド板66には、上記開口部612
a、612b、612c、612dと同一大きさの開口
661が一つだけ形成されており、該スライド板66を
スライドさせることにより、保持部61との相対位置を
変更し、その開口661が保持部61の上記開口部61
2a、612b、612c、612dのうちのいずれか
と選択的に適合し得るようになっている。
【0085】これにより、一台の記録装置で複数種の幅
の記録媒体に対応して、縁なし画像の記録を行うことが
できる。
【0086】また、最も幅の狭い記録媒体を保持部61
表面に吸着させて記録を行う場合、スライド板66の開
口661が保持部61の開口部612dのみと適合し得
るようにスライドさせれば、記録媒体の存在しない領域
の吸引孔611や開口部612a、612b、612c
をスライド板66で遮蔽することができるので、スライ
ド板66は遮蔽板としても機能し、空気漏れの無駄を解
消して吸引力の低下を防止することができるようにな
る。
【0087】スライド板66のスライド操作はオペレー
タが手動で行ってもよいし、図12に示すように、駆動
モータ663の駆動によって自動で行ってもよい。自動
化する場合には、スライド板66にセンサ孔662を適
宜形成しておき、該センサ孔662をセンサ664によ
って読取ることでスライド板66の位置検出を行うよう
にすることが好ましい。
【0088】なお、この図11及び図12に示す態様で
は、スライド板66に開口661のみ一つだけ形成され
ているものについて説明したが、このスライド板66に
形成される開口は一つに限定されず、保持部61に形成
されている開口部612a、612b、612cの数よ
りも少ない数だけ形成されていればよい。従って、スラ
イド板66に複数の開口(例えば、図11及び図12に
示す態様では、最大3つまで)を形成しておき、保持部
61との相対位置を変えることにより、開口部を選択的
に適合させるようにすることもできる。このようにする
と、スライド板66の複数の開口と保持部61の開口部
との位置の組合わせによって、最小のスライド量で所望
の保持部61の開口部とスライド板66の開口とを適合
させることができるようになり、迅速な処理が可能であ
る。
【0089】図13に、記録媒体保持手段の保持部に形
成された吸引孔のうち、吸引を行う領域を変更可能とし
た態様を示す。
【0090】この態様では、記録媒体保持手段6の保持
部61の表面に帯状遮蔽板67をスライド可能に当接さ
せている。
【0091】帯状遮蔽板67は、例えばスチールベルト
のような可撓性を有する薄くて丈夫な帯状体からなり、
両端がそれぞれローラ671、672に巻き付けられ、
該ローラ671、672の回動により記録媒体の搬送方
向に沿って、保持部61表面に各記録媒体10A、10
Bの列に対応させてそれぞれスライド可能に設けられ
る。
【0092】帯状遮蔽板67には、図13(b)に示す
ように、複数の領域、図示例ではX1、X2、X3、X
4の4種が設定されており、各領域X1、X2、X3、
X4内のみに、該帯状遮蔽板67の搬送方向に沿う保持
部61の各吸引孔611と適合する位置及び大きさの開
孔673が形成されている。従って、保持部61の吸引
孔611と適合し得る孔の数は、各領域X1、X2、X
3、X4内でそれぞれ異なっている。
【0093】この帯状遮蔽板67をスライドさせて、そ
のいずれかの領域を保持部61表面と選択的に適合させ
ることにより、帯状遮蔽板67の領域に形成された開孔
673と、それに相当する保持部61の吸引孔611の
みから空気が吸引され、その他の領域外の吸引孔は帯状
遮蔽板67で遮蔽され、そこからの空気の吸引は行われ
ない。帯状遮蔽板67を適宜スライドさせることによ
り、領域X1、X2、X3、X4の複数種の領域に容易
に変更することが可能である。
【0094】この帯状遮蔽板67のスライド操作は、オ
ペレータが手動で行ってもよいし、適宜の駆動手段によ
ってローラ671、672を駆動させることにより自動
で行ってもよい。
【0095】上記領域X1、X2、X3、X4は、各種
の記録媒体のそれぞれの幅に対応した大きさを有する領
域とすれば、記録媒体の幅が変更した際に、記録媒体が
存在する部分のみを吸引することができ、記録媒体の存
在しない領域の吸引孔611を帯状遮蔽板67で塞ぐこ
とができるので、空気漏れの無駄を解消して吸引力の低
下を防止することができるようになる。
【0096】また、保持部61には、図11のように各
種の記録媒体のそれぞれの幅に対応させて、余剰インク
を受け入れるためのインク受け用の開口部を複数同時に
形成しておき、図13に示すように、帯状遮蔽板67の
各領域X1、X2、X3、X4に、それら開口部のいず
れかと適合し得る開口674a〜674d、675a〜
675dを形成しておくことにより、記録媒体の幅に対
応させてインク受け用の開口部の位置も同時に変更する
ことができる。このとき、保持部61の不要な開口部は
帯状遮蔽板67で遮蔽されるため、吸引、吸着時の支障
となるようなこともない。
【0097】更に、この帯状遮蔽板67を、その搬送方
向に若干ずらすことにより、保持部61の吸引孔611
と、帯状遮蔽板67の各領域X1、X2、X3、X4内
の開孔673との相対位置を変化させ、両者の適合状態
を解除させることができる。従って、保持部61の吸引
孔611は帯状遮蔽板67によって遮蔽されるため、該
帯状遮蔽板67が記録媒体の保持部61表面への吸着を
遮断するシャッタの役目をなす。記録媒体の搬送時に、
このようにして帯状遮蔽板67により記録媒体の保持部
61表面への吸着を一時的に遮断すれば、始動及び停止
動作のレスポンスの遅い吸引手段自体を停止させること
により吸着を解除しなくて済むため、記録媒体の搬送を
迅速且つスムーズに行うことができるようになる効果も
ある。
【0098】記録媒体の保持部61表面への吸着状態を
一時的に解除する他の態様として、図14に示すよう
に、保持部61の下面側に、保持部61の吸引孔611
と適合し得る位置及び大きさの開孔681を形成した遮
蔽板68を、主走査方向に沿う方向にスライド可能に当
接させるようにすることも好ましい。
【0099】この遮蔽板68は、駆動モータの駆動又は
手動操作によりスライドさせて、保持部61と遮蔽板6
8との相対位置を変化させ、保持部61の吸引孔611
と遮蔽板68の開孔681との適合状態を解除させるこ
とにより、該遮蔽板68をシャッタとして機能させ、保
持部61の吸引孔611を遮蔽する。これにより保持部
61表面への吸着状態を迅速且つスムーズに一時解除す
ることができる。
【0100】また、図15に示すように、負圧室62と
接続した吸引手段との吸引経路途上に、開閉弁69を介
在させ、この開閉弁69を制御して一時的に閉じること
により、吸引手段からの負圧室62内の空気の吸引を一
時的に遮断するようにしてもよい。
【0101】図16及び図17に、保持部61の吸引孔
611からの吸引を、記録媒体10A、10Bの各列で
個別に制御するようにした態様を示す。
【0102】図16は、記録媒体保持手段6の負圧室6
2内部を、記録媒体10A、10Bの各列に対応させ
て、仕切り壁623によって2つに区画した例を示して
いる。
【0103】該仕切り壁623によって区画された負圧
室624A、624Bには、それぞれ個別に吸引手段6
5A、65Bが接続されており、それら吸引手段65
A、65Bの駆動を制御することによって各負圧室62
4A、624Bを個別に吸引制御することができるよう
になっている。
【0104】これにより記録媒体を搬送する必要のない
列の負圧室624A又は624Bの吸引を停止させてお
くことができると共に、吸引手段は負圧室624A又は
624Bのいずれかのみを吸引し得るだけの能力で済む
ため、それだけ省エネを図ることができる。
【0105】図17は、図14に示す遮蔽板68を、記
録媒体10A、10Bの各列毎に対応させて、それぞれ
設けた例を示している。
【0106】それぞれの遮蔽板68A、68Bによって
各記録媒体10A、10Bの列に対応する吸引孔611
を個別に遮蔽することができるので、吸引孔611から
の空気の吸引を各列個別に制御することができる。
【0107】これによれば、吸引手段65一つで各列の
吸引制御を個別に行うことができるので、吸引機構が1
系統で済むようになる。また、吸引手段65自体の駆動
を制御することなく吸引制御が行えるため、迅速且つス
ムーズな制御が可能である。
【0108】また、上記遮蔽板68A、68Bに代え
て、図13に示す帯状遮蔽板67を各列に対応させて個
別に配置させることにより、各列の吸引を個別に制御す
るようにしても上記同様の制御が可能である。
【0109】図18は、インク受け部内に貯溜された余
剰インクを排出するための態様を示している。
【0110】同図において、負圧室62内に配置された
インク受け部63は、内部に貯溜された余剰インクWを
排出する排出口631が、開閉弁632を介して負圧室
62内に臨んで位置している。
【0111】従って、この開閉弁632を開放すること
により、インク受け部63内と負圧室62内が連通し、
吸引手段の吸引力によってインク受け部63内に貯溜さ
れた余剰インクWが排出される。この開閉弁632の開
放制御は、画像記録時の吸引力低下を防ぐため、記録手
段3による非記録時に行うようにする。
【0112】これにより吸引手段の吸引力を利用して、
余剰インクの排出をスムーズに行うことができるように
なる。
【0113】なお、以上の説明では、記録媒体10A、
10Bがペーパーロール1A、1Bから供給される長尺
状のものについて説明したが、予め適宜サイズに裁断さ
れているシート状の記録媒体であってもよいことはもち
ろんである。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、記録媒体の両側縁部に
おける浮き上がりの発生を防止して、良質な画像記録を
行うことのできるインクジェット記録装置を提供するこ
とができる。
【0115】また、本発明によれば、幅の異なる各種の
記録媒体へ画像を記録する場合にも容易に対応すること
のできるインクジェット記録装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の概要を示す構成図
【図2】(a)は記録媒体保持手段を示す部分平面図、
(b)はそのb−b線に沿う側面断面図
【図3】(a)〜(c)は吸着部の他の例を示す部分平
面図
【図4】吸着部を静電吸着部として例を示す部分平面図
【図5】(a)〜(c)は静電吸着部の他の例を示す説
明図
【図6】静電吸着部の更に他の例を示す部分平面図
【図7】記録媒体保持部材の他の例を示す部分斜視図
【図8】図7の部分平面図
【図9】記録媒体保持手段の更に他の例を示す斜視図
【図10】交換用の保持部を示す平面図
【図11】保持部の他の例を示す説明図
【図12】保持部の他の例を示す部分平面図
【図13】(a)は記録媒体保持手段の更に他の例を示
す部分斜視図、(b)は帯状遮蔽板を示す平面図
【図14】保持部の更に他の例を示す部分平面図
【図15】記録媒体保持手段の更に他の例を示す側面断
面図
【図16】記録媒体保持手段の更に他の例を示す斜視図
【図17】記録媒体保持手段の更に他の例を示す斜視図
【図18】記録媒体保持手段の更に他の例を示す斜視図
【図19】(a)(b)は従来の記録媒体保持手段の保
持部を示す平面図
【符号の説明】
1:記録媒体保持手段 2:搬送手段 3:記録手段 6:記録媒体保持手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 HA29 JC13 KB08 2C058 AB17 AB18 AB19 AC07 AC11 AD01 AE04 AE09 AF06 AF10 AF20 AF31 AF51 AF63 AF66 DA11 DA17 DA38 DB04

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、
    記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の幅方向に亘
    って走査すると共にインクを噴射して画像を記録する記
    録手段と、画像の記録時に記録媒体を保持して浮き上が
    りを防止する記録媒体保持手段とを有するインクジェッ
    ト記録装置において、 上記記録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接する保持部
    に、記録媒体よりも大きな範囲に記録を行った際に噴射
    された余剰インクを受けるためのインク受け用の開口部
    を設けると共に、 該開口部の近傍に、記録媒体の吸着部を設けたことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記吸着部は、開口部における記録媒体の
    搬送方向に沿い且つ記録媒体の搬送経路上の上流側及び
    /又は下流側に形成したことを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記吸着部は、開口部の長手方向に沿う側
    部で且つ記録媒体の搬送経路上に形成したことを特徴と
    する請求項1記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】前記吸着部は、開口部における記録媒体の
    搬送方向に沿い且つ記録媒体の搬送経路上の上流側及び
    /又は下流側と、該開口部の長手方向に沿う側部で且つ
    記録媒体の搬送経路上に形成したことを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】前記吸着部は、空気吸引用の孔又はスリッ
    トであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、
    記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の幅方向に亘
    って走査すると共にインクを噴射して画像を記録する記
    録手段と、画像の記録時に記録媒体を保持して浮き上が
    りを防止する記録媒体保持手段とを有するインクジェッ
    ト記録装置において、 上記記録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接する保持部
    表面に静電吸着部を設けたことを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  7. 【請求項7】前記保持部は、記録媒体よりも大きな範囲
    に記録を行った際に噴射された余剰インクを受けるため
    のインク受け用の開口部を有し、該開口部の周囲に静電
    吸着部を設けたことを特徴とする請求項6記載のインク
    ジェット記録装置。
  8. 【請求項8】前記保持部は、空気吸引用の多数の吸引孔
    を有し、該保持部表面に部分的に静電吸着部を設けたこ
    とを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装
    置。
  9. 【請求項9】記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、
    記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の幅方向に亘
    って走査すると共にインクを噴射して画像を記録する記
    録手段と、画像の記録時に記録媒体を保持して浮き上が
    りを防止する記録媒体保持手段とを有するインクジェッ
    ト記録装置において、 上記記録媒体保持手段は、多数の吸引孔を有して記録媒
    体裏面に接する保持部と、該保持部下面側に設けられた
    負圧室と、該負圧室と接続して上記吸引孔から空気を吸
    引することにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引手
    段とを有すると共に、 上記負圧室の吸引手段との接続口を記録媒体の両側縁部
    近傍の位置に対応させて設けたことを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  10. 【請求項10】記録媒体を供給する記録媒体供給手段
    と、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の幅方向
    に亘って走査すると共にインクを噴射して画像を記録す
    る記録手段と、画像の記録時に記録媒体を保持して浮き
    上がりを防止する記録媒体保持手段とを有するインクジ
    ェット記録装置において、 上記記録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接する保持部
    に、記録媒体よりも大きな範囲に記録を行った際に噴射
    された余剰インクを受けるためのインク受け用の開口部
    を設けると共に、 該開口部の位置を、記録媒体の幅に応じて変更可能に構
    成したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】前記保持部を交換可能に構成し、該保持
    部を、記録媒体の幅に対応させて予めインク受け用の開
    口部をそれぞれ形成してなる複数種の保持部のいずれか
    と交換することにより、インク受け用の開口部の位置を
    変更可能としたことを特徴とする請求項10記載のイン
    クジェット記録装置。
  12. 【請求項12】各種記録媒体の各々の幅に対応する位置
    にインク受け用の開口部を形成してなる保持部の下面
    に、上記開口部と適合する大きさの開口を、上記開口部
    よりも少ない数だけ形成したスライド板をスライド可能
    に当接させ、上記保持部とスライド板との相対位置を変
    更して保持部のいずれかの開口部とスライド板の開口と
    を選択的に適合させることにより、インク受け用の開口
    部の位置を変更可能としたことを特徴とする請求項10
    記載のインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】記録媒体を供給する記録媒体供給手段
    と、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の幅方向
    に亘って走査すると共にインクを噴射して画像を記録す
    る記録手段と、画像の記録時に記録媒体を保持して浮き
    上がりを防止する記録媒体保持手段とを有するインクジ
    ェット記録装置において、 上記記録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接する多数の
    吸引孔を有する保持部と、該保持部下面側に設けられた
    負圧室と、該負圧室と接続して上記吸引孔から空気を吸
    引することにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引手
    段とを有すると共に、 上記保持部の多数の吸引孔のうち、上記吸引手段よって
    空気が吸引可能な吸引孔の領域を変更可能としたことを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】上記保持部表面に、該保持部の吸引孔と
    適合し得る孔の数をそれぞれ異ならせた複数種の開孔領
    域を形成してなる帯状遮蔽板をスライド可能に当接さ
    せ、該遮蔽板をスライドさせていずれかの開孔領域を保
    持部の吸引孔と選択的に適合させることにより、空気が
    吸引可能な吸引孔の領域を変更することを特徴とする請
    求項13記載のインクジェット記録装置。
  15. 【請求項15】上記保持部下面に、該保持部の吸引孔を
    遮蔽する遮蔽板をスライド可能に配設し、該遮蔽板をス
    ライドさせて保持部の複数の吸引孔のうちの一部の領域
    を遮蔽することにより、空気が吸引可能な吸引孔の領域
    を変更することを特徴とする請求項13記載のインクジ
    ェット記録装置。
  16. 【請求項16】上記吸引手段によって空気が吸引可能な
    吸引孔の領域は、記録媒体の幅に対応した領域であるこ
    とを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】記録媒体を供給する記録媒体供給手段
    と、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の幅方向
    に亘って走査すると共にインクを噴射して画像を記録す
    る記録手段と、画像の記録時に記録媒体を保持して浮き
    上がりを防止する記録媒体保持手段とを有するインクジ
    ェット記録装置において、 上記記録媒体保持手段は、多数の吸引孔を有して記録媒
    体裏面に接する保持部と、該保持部下面側に設けられた
    負圧室と、該負圧室をと接続して上記吸引孔から空気を
    吸引することにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引
    手段とを有すると共に、 記録媒体の搬送時に上記吸引手段による吸引孔からの空
    気の吸引を遮断する手段を設けたことを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  18. 【請求項18】上記吸引孔からの空気の吸引を遮断する
    手段は、上記保持部の吸引孔を遮蔽するシャッタからな
    ることを特徴とする請求項17記載のインクジェット記
    録装置。
  19. 【請求項19】上記吸引孔からの空気の吸引を遮断する
    手段は、上記吸引手段による負圧室内の空気の吸引経路
    を遮蔽する弁からなることを特徴とする請求項17記載
    のインクジェット記録装置。
  20. 【請求項20】記録媒体を供給する記録媒体供給手段
    と、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の幅方向
    に亘って走査すると共にインクを噴射して画像を記録す
    る記録手段と、画像の記録時に記録媒体を保持して浮き
    上がりを防止する記録媒体保持手段とを有するインクジ
    ェット記録装置において、 上記記録媒体保持手段は、多数の吸引孔を有して記録媒
    体裏面に接する保持部と、該保持部下面側に設けられた
    負圧室と、該負圧室と接続して上記吸引孔から空気を吸
    引することにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引手
    段とを有すると共に、 該記録媒体保持手段によって保持される記録媒体の列数
    に応じて、上記吸引孔からの空気の吸引を各列個別に制
    御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  21. 【請求項21】前記負圧室内を記録媒体の列数に対応さ
    せて複数に区画形成すると共に、各区画毎にそれぞれ吸
    引手段と接続し、各々の吸引手段を個別制御することを
    特徴とする請求項20記載のインクジェット記録装置。
  22. 【請求項22】前記負圧室内に、前記保持部の吸引孔を
    遮蔽するシャッタを記録媒体の列毎にそれぞれ対応させ
    て設け、各々のシャッタを個別制御することを特徴とす
    る請求項20記載のインクジェット記録装置。
  23. 【請求項23】記録媒体を供給する記録媒体供給手段
    と、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の幅方向
    に亘って走査すると共にインクを噴射して画像を記録す
    る記録手段と、画像の記録時に記録媒体を保持して浮き
    上がりを防止する記録媒体保持手段とを有するインクジ
    ェット記録装置において、 上記記録媒体保持手段は、記録媒体裏面に接する多数の
    吸引孔を有する保持部と、該保持部下面側に設けられた
    負圧室と、該負圧室と接続して上記吸引孔から空気を吸
    引することにより記録媒体を保持部に吸着させる吸引手
    段と、上記負圧室内に設けられ、記録媒体よりも大きな
    範囲に記録を行った際に噴射された余剰インクを受ける
    ためのインク受け部とを有し、 上記インク受け部は、内部に貯溜された余剰インクを排
    出する排出口を開閉弁を介して上記負圧室内に臨ませ、 上記記録手段による非記録時に上記開閉弁を開放するこ
    とにより、吸引手段の吸引力によりインク受け部内の余
    剰インクを排出するようにしたことを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
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