JP4894785B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートを搬送するための搬送装置に関する。
従来、シートを搬送するための搬送装置としては、プリンタ装置やコピー機などが備える搬送装置であって、記録位置や読取位置に用紙を搬送するための搬送装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図13は、従来知られるインクジェット方式のプリンタ装置101の構成を表す概略断面図であって、特に、用紙の搬送機構を表した図である。
このプリンタ装置101は、搬送対象の用紙が積層される給紙トレイ103と、回転により給紙トレイ103に収容された用紙Pを一枚分離して搬送路105に送出する給紙ローラ107と、給紙ローラ107の回転により搬送路105に送出された用紙Pを、対向配置されたピンチローラ112と共に挟持し、回転動作によって、用紙Pを、下流の記録位置に搬送する搬送ローラ111と、を備える構成にされている。
この種のプリンタ装置101では、用紙に画像を形成(印刷)するに当たって、まず給紙ローラ107を回転させることにより、給紙トレイ103において最上部に配置された用紙Pを、搬送路105に送出し、当該用紙Pを、搬送ローラ111とピンチローラ112との接点であるニップ部に突き当たるまで搬送する。
このとき、搬送ローラ111は、用紙Pの斜行補正のために、搬送方向とは逆方向に回転させるか、回転させないようにする。また、用紙Pが搬送ローラ111とピンチローラ112との接点(ニップ部)に突き当たったか否かについては、例えば、搬送路105に設けたセンサの出力や給紙ローラ107の回転量に基づいて判定する。
そして、用紙Pがニップ部に突き当たったと判定すると、その状態で更に給紙ローラ107を回転させて用紙Pを過送りすることにより、斜行補正動作を実現する。このように、用紙Pを搬送ローラ111とピンチローラ112との間のニップ部に突き当てて、用紙Pの先端の移動を規制した状態で、用紙Pを過送りすると、用紙Pは、次第に斜行補正される。
尚、図13上段は、用紙Pを搬送路105に送り出す前の態様を表す図であり、図13中段は、用紙Pが搬送ローラ111とピンチローラ112との間のニップ部に突き当たった状態での当該用紙Pの態様を表す図である。また、図13下段は、用紙Pを過送りした際の当該用紙Pの態様を表す図である。
図13下段に示すように用紙Pを過送りすると、用紙Pは、搬送ローラ111とピンチローラ112との間のニップ部に突き当たった状態で湾曲した状態になり、次第に斜行補正される。
そして、従来のプリンタ装置101では、所定量の過送りが完了すると、用紙Pが十分に斜行補正されたとみなして、搬送ローラ111を回転させ、上記ニップ部に突き当てられた用紙Pを搬送路105の下流に取り込むことで、用紙Pを、記録位置へと搬送する。
特開平5−155086号公報
しかしながら、従来装置では、次のような問題があった。即ち、従来装置では、給紙ローラ107の回転量に基づき紙送り量を推定し、所定量の過送りが完了した時点で斜行補正動作を終了して、次の手順(用紙Pを記録位置へと搬送する手順)に移行するため、用紙Pと給紙ローラ107との間で滑りが発生しており、給紙ローラ107の回転量に対して紙送り量が少なくなっている場合には、斜行補正に十分な量の過送りが実現できず、用紙Pが記録位置へ斜めに傾いて搬送されてしまうといった問題があった。
この点について、詳述すると、センサを用いずに、給紙ローラ107の回転量に基づいて紙送り量を推定し、用紙Pが搬送ローラ111とピンチローラ112との間のニップ部に突き当たったか否かを判定する場合には、給紙ローラ107と用紙Pとの間で生じる滑りの影響から、そもそも、用紙Pが搬送ローラ111とピンチローラ112との間のニップ部に突き当たったか否かの判定を、高精度に実現できない。
また、センサを用いて、用紙Pが搬送ローラ111とピンチローラ112との間のニップ部に突き当たったか否かを判定するにしても、実際には、突き当たる直前の搬送路105の位置にセンサを設けて、その突き当たる直前の位置を用紙Pの先端が通過したか否かを検出することができる程度であり、その地点を通過した後の紙送り量については、給紙ローラ107の回転量に基づいて推定する他ない。
従って、従来手法では、センサを用いるか否かに拘らず、過送り量の推定に誤差が生じて、滑り量が大きいときに、十分に用紙Pを斜行補正することができないといった問題があった。
また、滑り量が大きいときに発生するこのような問題は、過送り量を予め大きめに設定することで解決することができるが、その一方で、過送り量を過剰に設定すると、滑り量が小さいときに、用紙Pが斜行補正に必要な量以上に搬送路105に送り出されることになって、用紙Pがくしゃくしゃになってしまうといった問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、シートを搬送する回転体(例えば、給紙ローラ)の回転量に基づいて、シートの送り量を正確に推定することができない環境下でも、適切に搬送対象のシートを斜行補正可能な技術を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、モータに加える電流値又は電圧値を制御することによりモータを制御するモータ制御手段と、このモータ制御手段によって制御されるモータによって駆動され、搬送対象のシートを第1の位置からシート搬送方向下流側に搬送する第1搬送手段と、第1搬送手段によって供給されたシートを更にシート搬送方向下流側へ搬送する第2搬送手段と、を備え、第1及び第2搬送手段の動作によりシートが、シート搬送方向下流へと搬送される搬送装置である。
この搬送装置が備える第2搬送手段は、第1の位置よりもシート搬送方向下流側に設定された第2の位置で、第1搬送手段によって第1の位置から供給されたシートをせきとめることによって、斜行補正を行う第1動作と、第1搬送手段によって供給されたシートをシート搬送方向下流側へ搬送する第2動作と、を切り替えて実行可能に構成されている。
また、この搬送装置は、上記第2の位置、又は、第2の位置よりシート搬送方向上流であって第1の位置よりシート搬送方向下流の所定位置に、シートが到達したか否かを判定する到達判定手段と、到達判定手段により到達したと判定された後、上記モータに加えられる電流値又は電圧値に基づき、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきか否かを判定する要否判定手段と、を備える。
第2搬送手段は、この要否判定手段にて搬送動作を完了すべきと判定されるまで、第1搬送手段から供給されたシートを、第1動作により斜行補正し、要否判定手段にて搬送動作を完了すべきと判定された後、第2動作により搬送方向下流側に搬送する。
上述したように、従来の斜行補正技術では、シートが斜行補正位置に到達してから所定量の過送りを実行することで、シートの斜行補正を実現するようにしていたが、シートが斜行補正位置に到達したか否かを正確に知ることができず、また、シートの送り量も正確に知ることができないため、シートと、シートを搬送する回転体(給紙ローラ等)との間の滑り量が大きいときに、過送り量の誤差が大きく発生し、シートを斜行補正するのに十分に過送りすることができなくなってしまうといった問題があった。即ち、従来装置では、滑り量が大きい場合、シートを十分に斜行補正することができないといった問題があった。
そこで、本発明では、モータ制御手段がモータに入力する電流値又は電圧値に基づいて、斜行補正の進み具合を間接的に評価し、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきか否かを判定するようにした。
斜行補正のためのシートの突き当て動作(斜行補正動作)が実現されているときには、モータによるシート搬送の負荷が上昇し、モータに入力される電流値や電圧値が上昇する。本発明では、このような現象に着目し、モータに入力される電流値又は電圧値に基づき、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきか否かを判定する。
このように構成された本発明の搬送装置によれば、モータに入力される電流値又は電圧値に基づき、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきか否かを判定するので、シートの滑り量に左右されず、適切な量の過送りを実現できて、適切に斜行補正を実現することができる。従って、本発明によれば、シートを搬送する回転体の回転量に基づいては、シートの送り量を正確に推定することができない環境下でも、適切に搬送対象のシートを斜行補正することができる。
尚、上述の第1搬送手段は、従来装置と同様に、第1の位置で、搬送対象のシートに当接される回転体を有し、上記モータによって駆動される回転体の回転力によって、シートをシート搬送方向下流に搬送する構成にすることができる。
また、上述の発明は、モータ制御手段が、予め第2の位置よりもシート搬送方向下流に設定された目標位置にシートが到達するように、第1搬送手段が有する回転体の回転量に基づき、モータの電流値又は電圧値を制御して、搬送動作を実行するフィードバック制御系の搬送装置に構成にすることができる(請求項2)。
具体的には、モータ制御手段が、第1搬送手段によってシートが搬送されるときの当該シートの目標位置と実位置との差に基づいて、モータに加える電流値又は電圧値を制御する搬送装置に適用することができる(請求項3)。
このようなフィードバック制御系では、上記第2の位置にシートが突き当たると、目標位置と実位置(実際の位置)との間のズレが大きくなり、モータへの入力電流値(又は電圧値)が上昇する。従って、このような搬送装置に、本発明の概念を適用すれば、モータへの入力電流値(電圧値)に基づいて、シートの斜行補正を適切に行うことができる。
尚、上述の搬送装置は、具体的に、モータの回転量を検出する回転量検出手段を備え、モータの目標回転量と回転量検出手段によって検出された回転量との差に基づいて、モータに加える電流値又は電圧値を制御する構成にすることができる(請求項4)。
また、第2搬送手段は、第2の位置に、第1搬送手段によって第1の位置から供給されたシートをシート搬送方向下流へ搬送するための回転体を有し、上記第2動作において、第2搬送手段が有する回転体をシート搬送方向に回転させることにより、第1搬送手段から供給されたシートにシート搬送方向の力を加えて、シートをシート搬送方向下流側へ搬送する構成にすることができる。
この他、第2搬送手段は、上記第1動作において、第2搬送手段が有する回転体の回転を停止した状態に維持することにより、第2の位置で、第1搬送手段によって第1の位置から供給されたシートをせきとめる構成にされてもよいし、上記第1動作において、第2搬送手段が有する回転体をシート搬送方向とは逆方向に回転させた状態に維持することにより、第2の位置で、第1搬送手段によって第1の位置から供給されたシートをせきとめる構成にされてもよい(請求項5)。
また、第2搬送手段は、シートが搬送される搬送経路における第2の位置において、シートの通過を妨げる閉鎖状態及びシートの通過を許容する開放状態の二状態間を遷移可能なゲート手段を有した構成にされても良い(請求項6)。
この場合、ゲート手段は、第1動作において、閉鎖状態をとることによって、第2の位置で、第1搬送手段によって第1の位置から供給されたシートをせきとめ、第2動作において、開放状態をとることによって、シートがシート搬送方向下流側へ搬送されることを許容する構成にされればよい。
また、要否判定手段は、到達判定手段により到達したと判定された後、モータの電流値又は電圧値が、予め設定された閾値以上となると、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきと判定する構成にすることができる(請求項7)。
この他、要否判定手段は、到達判定手段により到達したと判定された後、モータの電流値又は電圧値が予め設定された閾値以上である時間が、予め設定された基準時間以上継続すると、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきと判定する構成にすることができる(請求項8)。このようにして、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきか否か判定すれば、適切なタイミングで搬送動作を完了することができ、搬送対象のシートの斜行補正が十分ではなかったり、過送りしすぎて用紙がくしゃくしゃになってしまうのを回避することができる。
また、この搬送装置には、要否判定手段に対し、上記閾値として、搬送対象のシートの種類に応じた値を設定する閾値切替手段を設けると一層好ましい(請求項9)。シートの種類により、シートの斜行補正時に発生する負荷は異なるから、このように閾値切替手段を設ければ、一層適切なタイミングで搬送動作を完了することができ、搬送対象のシートの斜行補正が十分ではなかったり、過送りしすぎて用紙がくしゃくしゃになってしまうのを回避することができる。
具体的に、閾値切替手段は、搬送対象のシートのサイズが大きいほど、上記閾値として、大きな値を、要否判定手段に対して設定する構成にすることができる(請求項10)。シートサイズが大きいほど、斜行補正時のモータ負荷が高くなるので、このように閾値切替手段を構成すれば、シートサイズによらず、適切に過送りして、斜行補正を行うことができる。
また、閾値切替手段は、搬送対象のシートの厚みが大きいほど、上記閾値として、大きな値を、要否判定手段に対して設定する構成にされてもよい(請求項11)。シートの厚みが大きいほど、シートの腰が強くなるので、斜行補正時のモータ負荷が高くなる。従って、このように閾値切替手段を構成すれば、シートの厚みによらず、適切に斜行補正を行うことができる。
また、閾値切替手段を設ける理由と同様の理由で、上記搬送装置には、要否判定手段に対し、上記基準時間として、搬送対象のシートの種類に応じた値を設定する時間切替手段を設けるとよい(請求項12)。搬送対象のシートの種類により、シートの斜行補正時に発生する負荷は異なるから、このような構成の時間切替手段を設ければ、シートの種類によっては、搬送対象のシートの斜行補正が十分ではなかったり、過送りしすぎて用紙がくしゃくしゃになってしまうのを回避することができる。
具体的に、時間切替手段は、上記閾値切替手段と同様に、搬送対象のシートのサイズが大きくなるほど、上記基準時間として、大きな値を、要否判定手段に対して設定する構成にすることができる(請求項13)。このように時間切替手段を構成すれば、シートサイズによらず、適切に斜行補正を行うことができる。
この他、時間切替手段は、搬送対象のシートの厚みが大きくなるほど、上記基準時間として、大きな値を、要否判定手段に対して設定する構成にすることができる(請求項14)。このように時間切替手段を構成すれば、シートの厚みによらず、適切に斜行補正を行うことができる。
また、到達判定手段は、上記第2の位置と第1の位置との間の搬送経路に、シートを検知するためのセンサを備え、このセンサの出力信号に基づき、センサに対応する位置に、シートが到達したか否かを判定する構成にされてもよいし(請求項15)、センサを用いずに、次のように構成されてもよい。
即ち、到達判定手段は、シートの搬送を第1搬送手段が開始してからの第1搬送手段が有する回転体の回転量に基づき、上記第2の位置、又は、第2の位置よりシート搬送方向上流であって上記第1の位置よりシート搬送方向下流の所定位置に、シートが到達したか否かを判定する構成にされてもよい(請求項16)。
センサを設けずに、回転体の回転量に基づいて、上記位置に、シートが到達したか否かを判定するようにすれば、センサを設ける場合よりも、簡素な装置構成で、本発明を実現することができて、適切な斜行補正を行うことが可能な搬送装置を安価に消費者に提供することができる。
一方、到達判定手段にセンサを設け、センサの出力信号に基づいて、センサに対応する位置に、シートが到達したか否かを判定するように搬送装置を構成する場合には、シートの滑り量に影響されず、上記位置に、シートが到達したか否かを正確に判定することができるので、シートの滑り量が大きい場合に、上記第2の位置より大きく離れた地点から要否判定手段が動作してしまうことにより搬送装置の誤動作の発生確率が高くなるのを抑えることができる。
尚、回転体の回転量に基づいて、上記第2の位置、又は、第2の位置よりシート搬送方向上流であって上記第1の位置よりシート搬送方向下流の所定位置に、シートが到達したか否かを判定するように到達判定手段を構成する場合には、第1搬送手段が有する回転体のシートに対する滑り量を加味して、上記位置に、シートが到達したか否かを判定するように、到達判定手段を構成するとよい(請求項17)。
このように到達判定手段を構成すれば、シートの滑り量が大きい場合に、上記第2の位置より大きく離れた地点で、要否判定手段が動作してしまうことにより搬送装置の誤動作の発生確率が高くなるのを抑えることができる。
また、上述の要否判定手段は、到達判定手段により到達したと判定される前の期間及び到達判定手段により到達したと判定された後の期間の夫々において、モータの電流値又は電圧値に基づき、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきか否かを判定する構成にされるとよい(請求項18)。ジャムの発生に応じてモータ駆動を停止するために、到達判定手段により到達したと判定される前の期間に、上記判定を行うようにすれば、ジャムを検知してモータ駆動を停止することができるので、ジャムが生じているにも拘わらずモータ駆動を継続することによる不都合を解消することができる。
具体的に、このように搬送装置を構成する場合には、到達判定手段により到達したと判定された後の期間では、モータの電流値又は電圧値が予め設定された閾値以上となると、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきと判定し、到達判定手段により到達したと判定される前の期間では、モータの電流値又は電圧値が予め設定された閾値よりも大きいエラー判定値以上となった場合に限って、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきと判定するように、要否判定手段を構成するとよい。
また、要否判定手段は、到達判定手段により到達したと判定される前の期間において、モータの電流値又は電圧値が予め設定された閾値よりも大きいエラー判定値以上である時間が、予め設定された限界時間以上継続すると、第1搬送手段による搬送動作を完了すべきと判定する構成にされてもよい。このように要否判定手段を構成すれば、ジャム等を適切に検知して、搬送動作を終了することができる。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
図1は、インクジェット方式で用紙Pに画像を形成する本実施例のプリンタ装置1の構成を表す概略断面図である。また、図2は、本実施例のプリンタ装置1の電気的構成を表すブロック図である。
図1に示すように、本実施例のプリンタ装置1は、複数枚の用紙Pが積層配置される給紙トレイ3と、給紙トレイ3に載置された用紙Pを一枚ずつ分離して搬送路に送出する給紙ユニット10と、給紙ユニット10を構成する給紙ローラ11の回転により搬送路に送出された用紙Pを、対向配置されたピンチローラ22と共に挟持し、回転動作によって、用紙Pを、記録ヘッド30下の記録位置に搬送する搬送ローラ21と、搬送ローラ21から搬送されてきた用紙Pを、対向配置されたピンチローラ42と共に挟持し、回転動作によって、用紙Pを、搬送路下流に位置する図示しない排紙トレイに排出する排紙ローラ41と、用紙Pの搬送路を構成する土手部51及びUターンパス53及びプラテン55と、を備える。
給紙ユニット10は、直流モータで構成される給紙モータ13の駆動力を受けて給紙ローラ11を回転させる構成にされており、給紙ローラ11を、給紙トレイ3に載置された用紙Pの上面に当接し、給紙ローラ11の回転により、給紙トレイ3に載置された最上部の用紙Pを分離して、搬送路に送出する。
土手部51及びUターンパス53から構成される搬送路の上流部は、給紙ローラ11により送出される用紙Pの移動を規制して、用紙Pを、搬送路下流に位置する搬送ローラ21とピンチローラ22との接点であるニップ部C1に誘導するためのものであり、Uターンパス53の下流側には、その下方に、用紙Pの下方向への移動を規制して、用紙Pを搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部C1に誘導するための補助部53aが設けられている。
このように構成された搬送路により、本実施例のプリンタ装置1では、給紙ローラ11を通じて給紙トレイ3から送出された用紙Pが、Uターンパス53及び補助部53aの搬送路下流側に位置する搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部C1に誘導される。
また、ニップ部C1の近傍であって、ニップ部C1の上流側には、レジストセンサ60が設けられており、プリンタ装置1は、このレジストセンサ60により、用紙Pの先頭位置を検出する構成にされている。
具体的に、レジストセンサ60は、発光部及び受光部と備えると共に、用紙Pが到来すると回動して発光部から受光部への光路を遮断する遮蔽機構を備える。即ち、このレジストセンサ60によれば、遮蔽機構が設置された地点を用紙Pが通過する期間に限って、受光部による発光部からの光の受光動作が不可能になり、出力信号がオンからオフに切り替わる。このような原理により、本実施例では、レジストセンサ60を通じ、用紙Pの先頭位置を検出する。
また、このプリンタ装置1においては、ニップ部C1に用紙Pの先端が到達して斜行補正動作が完了すると(詳細後述)、搬送ローラ21が回転し、この搬送ローラ21の回転動作により、用紙Pは、搬送ローラ21及びピンチローラ22の間に引き込まれ、搬送ローラ21とピンチローラ22との間に挟持されて、搬送ローラ21の回転と共に、搬送路下流に搬送される。
一方、プラテン55は、搬送ローラ21と排紙ローラ41とを結ぶ搬送路の下流部を構成するものである。このプラテン55は、搬送ローラ21から搬送される用紙Pを、記録ヘッド30によって画像が形成される記録位置に誘導すると共に、記録ヘッド30により画像が形成された用紙Pを、排紙ローラ41とピンチローラ42との接点であるニップ部C2に誘導する。
用紙Pは、このプラテン55に沿って排紙ローラ41側へと搬送され、先端が排紙ローラ41とピンチローラ42との間のニップ部C2に到達すると、排紙ローラ41の回転と共に、排紙ローラ41とピンチローラ42との間に引き込まれ、排紙ローラ41及びピンチローラ42により挟持される。その後、用紙Pは、排紙ローラ41の回転と共に、図示しない排紙トレイへと排出される。
尚、排紙ローラ41及び搬送ローラ21は、同径のローラとして構成され、同一の駆動源により駆動される。即ち、搬送ローラ21及び排紙ローラ41は、ベルトにて連結されており、連動して回転するように構成されている。また、搬送ローラ21は、直流モータで構成されるLFモータ23の駆動力を受けて回転する。
その他、記録ヘッド30は、インク液滴を吐出するためのノズルが、プラテン55に対向する底面に複数配列された構成にされている。この記録ヘッド30は、ガイド軸(図示せず)に沿って主走査方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に移動可能なキャリッジ31に搭載されており、キャリッジ31は、直流モータで構成されるCR(キャリッジ)モータ33により駆動され、主走査方向に移動する。
続いて、プリンタ装置1の電気的構成について説明する。図2に示すように、本実施例のプリンタ装置1は、CPU71と、CPU71が実行するプログラム等を記憶するROM73と、プログラム実行時に作業領域として使用されるRAM75と、各種設定情報を記憶するEEPROM77と、パーソナルコンピュータ(PC)90と通信可能に接続されるインタフェース79(例えば、USBインタフェース)と、ヘッド/モータ制御部80と、を備える。
更に、このプリンタ装置1は、給紙モータ13により駆動される給紙ローラ11の回転軸に設けられて、給紙モータ13が所定量回転する度にパルス信号を出力するロータリエンコーダ15と、LFモータ23により駆動される搬送ローラ21の回転軸に設けられて、LFモータ23が所定量回転する度にパルス信号を出力するロータリエンコーダ25と、CRモータ33によって駆動されるキャリッジ31の上記ガイド軸に沿って設けられ、キャリッジ31が所定量移動する度にパルス信号を出力するリニアエンコーダ35と、を備える。
この他、プリンタ装置1は、ヘッド/モータ制御部80に、CRモータ33を制御するためのキャリッジ制御部83と、キャリッジ制御部83からのPWM信号に従ってCRモータ33を駆動する駆動回路83aと、リニアエンコーダ35から入力されるパルス信号を処理してキャリッジ31の位置座標を算出するエンコーダ信号処理部83bとを備えた構成にされている。
即ち、プリンタ装置1は、キャリッジ制御部83にCRモータ33を制御させることにより、キャリッジ31の主走査方向への移動を制御する。
また、このプリンタ装置1は、ヘッド/モータ制御部80に、記録ヘッド30を制御するためのヘッド制御部81と、ヘッド制御部81からの制御信号に従って記録ヘッド30を駆動する駆動回路81aと、を備える。即ち、プリンタ装置1は、キャリッジ制御部83と共にヘッド制御部81を動作させ、キャリッジ31が主走査方向へ移動している状態で、記録ヘッド30に、インク液滴を吐出させることにより、主走査方向への画像形成を、実現する。
また、このプリンタ装置1は、ヘッド/モータ制御部80に、LFモータ23を制御するための搬送制御部85と、搬送制御部85からのPWM信号に従ってLFモータ23を駆動する駆動回路85aと、ロータリエンコーダ25から入力されるパルス信号を処理して搬送ローラ21及び排紙ローラ41の回転量を算出するエンコーダ信号処理部85bとを備える。
即ち、このプリンタ装置1は、用紙Pに対して画像形成を行う際、搬送制御部85も動作させ、キャリッジ31の動作に同期させて、記録ヘッド30が形成可能な1ライン分の画像幅(副走査方向の幅)に対応した距離ずつ、搬送ローラ21により把持された用紙Pを記録位置へ搬送することにより、用紙Pを副走査方向に搬送し、副走査方向への画像形成を、実現する構成にされている。
この他、プリンタ装置1は、ヘッド/モータ制御部80に、給紙モータ13を制御するための給紙制御部87と、給紙制御部87からのPWM信号に従って給紙モータ13を駆動する駆動回路87aと、ロータリエンコーダ15から入力されるパルス信号を処理して給紙ローラ11の回転量を算出するエンコーダ信号処理部87bとを備える。
即ち、プリンタ装置1は、給紙制御部87を作動させて給紙ローラ11を回転させることにより、給紙トレイ3に載置された用紙Pを給紙トレイ3から取り出し、これを、搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部C1まで搬送する。
尚、ヘッド制御部81、キャリッジ制御部83、搬送制御部85、及び、給紙制御部87を備える上記ヘッド/モータ制御部80は、CPU71により制御される。また、CPU71は、外部のパーソナルコンピュータ90からインタフェース79を通じて印刷指令を受信すると、それと共に受信した印刷対象データを処理対象にして、図3に示す印刷制御処理を実行し、ヘッド/モータ制御部80を通じて、用紙Pに、印刷対象データに基づく画像を形成(印刷)する。
CPU71は、印刷制御処理を実行すると、まず、搬送制御部85をオフに維持し、搬送ローラ21及びピンチローラ22を停止させた状態で、給紙制御部87を作動させて、給紙ローラ11を回転させることにより、給紙ローラ11に、用紙Pを、搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部C1に搬送させると共に、ニップ部C1で用紙Pをせきとめることによって斜行補正動作を実現する(S110)。尚、S110での処理の内容の詳細については、後で詳しく述べる。
また、斜行補正動作が完了し給紙モータ13の駆動が停止すると、CPU71は、S120に移行し、搬送制御部85を起動して搬送ローラ21を搬送方向に回転させることにより、給紙された用紙Pを搬送ローラ21に取り込ませると共に、搬送制御部85を通じて、搬送ローラ21に、用紙Pを記録位置まで副走査方向に所定量ずつ間欠的に搬送させる。また、間欠的に到来する用紙搬送停止期間に、ヘッド制御部81及びキャリッジ制御部83を通じて、キャリッジ31を主走査方向に移動させ、記録ヘッド30に、印刷対象データに対応する画像を用紙Pに形成するためのインク滴を吐出させる(S120)。このようにして、S120では、給紙ローラ11を通じて供給された用紙Pに対して印刷対象データに基づく画像を形成する動作を行う。
また、1ページ分の画像形成が完了すると、CPU71は、S130に移行し、LFモータ23による間欠的な用紙搬送動作を止める。そして、搬送制御部85を通じ、用紙Pが排紙トレイに排出されるまでLFモータ23を連続的に駆動することにより、用紙Pを排紙する。
また、この処理を終えると、CPU71は、次ページの印刷が必要であるか否かを判断し(S140)、次ページの印刷が必要である場合には(S140でYes)、S110に移行して、新たなページについての画像形成動作を、S110〜S130の処理により実現する。このようにして、CPU71は、印刷対象データが複数ページに及ぶデータである場合には、最終ページの印刷が完了するまで、S140でYesと判断して、ページ毎の画像形成動作を繰返し、最終ページの印刷が完了すると、S140でNoと判断して、当該印刷制御処理を終了する。
続いて、給紙制御部87を通じて実現される給紙動作の詳細について、図4〜図7を用いて説明する。図4(a)は、給紙制御部87によるモータ制御の基本原理を表すブロック図であり、図4(b)は、CPU71の動作により給紙制御部87に対して設定される位置プロファイルの例を示したグラフである。
図4(a)に示すように、給紙制御部87では、位置プロファイルに従う目標位置rと、制御出力としてのエンコーダ値y(即ち、エンコーダ信号処理部87bにより算出される給紙開始時からの給紙ローラ11の回転量y)との偏差e=r−yを算出し、この偏差eを所定の伝達関数Gに入力することにより、操作量uとして、給紙モータ13へ入力する電流値を算出する。そして、この操作量uに対応するPWM信号を駆動回路87aに入力することにより、操作量uに対応する電流値で給紙モータ13を駆動する。
給紙制御部87は、このようなフィードバック制御系により、給紙ローラ11の回転量yが、予め設定された位置プロファイルに沿って変化するように、操作量uを調整して、給紙モータ13を制御する。
また、本実施例では、図4(b)に示すように、搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部C1に対応する位置より搬送路下流まで目標位置rを設定することにより、用紙Pが搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部C1に到達した後も、給紙制御部87により用紙搬送が継続されるようにし、この動作により斜行補正動作を実現する。
ところで、給紙制御部87では、給紙ローラ11の回転量yを、用紙Pの搬送位置を表す座標として取扱い、位置プロファイルに従ってフィードバック制御を行うため、給紙ローラ11と用紙Pとの間に全く滑りがない場合には、給紙ローラ11の回転量yと用紙Pの先端位置の座標とが一致し、位置プロファイルに従って用紙Pの移動を精度よく制御することが可能であるが、給紙ローラ11と用紙Pとの間に滑りがある場合には、用紙Pの実位置と給紙ローラ11の回転量yとの間に、滑り量に対応するズレが生じるため、用紙Pの移動を精度よく制御することができず、用紙Pがニップ部C1に到達した後には、予め設定された過送り量Kよりも少ない量しか、用紙Pを紙送りすることができない。
このため、位置プロファイルに従うフィードバック制御のみでは、滑り量が大きいときに、実際の過送り量が不足して、過送りによる斜行補正を十分に行うことができない。一方、滑り量が大きいときに斜行補正が十分に行えない問題を解決するために、過送り量Kを大きくすると、滑り量が小さいときに過送りが過剰に行われて用紙がくしゃくしゃになってしまう。
そこで、本実施例では、過送り量Kを、滑り量が大きいときを考慮して十分に大きく設定すると共に、位置プロファイルに従って算出される操作量uが上限値SP2以上となった場合には、用紙Pがニップ部C1に突き当たっている状態であるとみなして、次の処理を行うことにより、必要十分に紙を送り、適切な斜行補正を実現できるようにしている。
具体的には、操作量uが上限値SP2以上となった場合には、当該操作量uを、この上限値SP2に規制すると共に(図7参照)、操作量uが上限値SP2以上となっている期間(操作量uを上限値SP2に規制している期間)が規定時間を越えた場合には、斜行補正が完了したと判断して、給紙ローラ11による用紙搬送を停止する処理を行う。本実施例では、このように、形式的に過送り量Kを大きく設定すると共に、上述した条件で給紙ローラ11を停止することで、滑り量に関係なく、適切な斜行補正を実現できるようにしている。
続いて、前段で簡単に説明した本実施例のプリンタ装置1に特有な構成についての詳細な内容を、以下に説明する。図5(a)は、上限値SP1,SP2及び停止判定値Hの設定時に、CPU71が参照する上限切替テーブルの構成を表す説明図であり、図5(b)は、上限切替テーブルが示す「用紙サイズ及び用紙タイプと設定すべき上限値SP2との関係」を示すグラフである。
図5(a)に示す上限切替テーブルは、CPU71が実行するプログラムや位置プロファイルなどと共に、ROM73に記憶されるものであり、設計段階で、設計者により作成され、ROM73に記録される。
この上限切替テーブルは、「光沢紙」「厚紙」「普通紙」の計3種類の用紙タイプ毎、及び、「A3」「B4」「A4」「B5」のプリンタ装置1が取扱い可能な計4種類の用紙サイズ毎に、上限値SP2として設定すべき値(電流値)と、停止判定値Hとして設定すべき値と、が記されたものである。
尚、停止判定値Hは、上述した規定時間を定義するものである。また、上限値SP2及び停止判定値Hは、次の関係を満足するように定められて、設計者により、上限切替テーブルに記述され、ROM73に登録される。具体的には、用紙サイズが大きいほど、上限値SP2及び停止判定値Hとして、大きな値が定められ、用紙の厚みが大きいほど、上限値SP2及び停止判定値Hとして、大きな値が定められる(図5(b)参照)。但し、本実施例における用紙タイプの分類においては、普通紙が一番薄く、厚紙、光沢紙の順に厚いものとする。
このように、用紙サイズや厚みが大きいほど、上限値SP2や停止判定値Hを大きな値とするのは、用紙サイズや厚みが大きいほど、斜行補正に係る抵抗が大きくなり、高い電流値で長い時間、給紙モータ13を駆動して、用紙Pをニップ部C1に突き当てないと、十分な斜行補正ができないためである。
尚、図5(a)では、上限値SP2の具体的な値を、アンペアの単位で示し、停止判定値Hの具体的な値を、ミリ秒の単位で示すが、ここで示す値は、単位を含めて、一例に過ぎないことを言及しておく。
以上には、ROM73に記憶された上限切替テーブルの構成について説明したが、CPU71は、印刷制御処理(図3参照)におけるS110の実行時に、印刷指令及び印刷対象データと共にパーソナルコンピュータ90から受信した用紙タイプ及び用紙サイズの情報に基づき、この情報が示す用紙タイプ及び用紙サイズに対応する上限値SP2及び停止判定値Hを、上限切替テーブルから読み出し、この読出値を、給紙制御部87に対して設定する。そして、この状態で給紙制御部87を作動させることで、給紙制御部87に、ユーザ側から指定された用紙タイプ及び用紙サイズに対応する上限値SP2及び停止判定値Hで、図6に示す給紙制御処理を実行させる。但し、パーソナルコンピュータ90から印刷指令及び印刷対象データと共に送信されてくる用紙タイプ及び用紙サイズの情報は、ユーザから申告された給紙トレイ3に載置された用紙Pの種類を表すものである。
また、CPU71は、S110の実行時、上限値SP2とは別に、ジャムを原因としてモータに入力される電流値が定格以上に上昇するのを防止するため、ジャム判定用の上限値SP1を、給紙制御部87に対して設定すると共に、給紙制御部87に対して、図4(b)に示す位置プロファイルを設定する。
尚、上限値SP1は、適切な斜行補正を行うために設定される上限値SP2とは異なり、上述したように、ジャムによるモータ電流値の上昇を抑えるためのものであるので、上限値SP2よりも十分高く設定される。この上限値SP1は、予め設計者により定められ、ROM73に記憶される。
続いて、CPU71から上限値SP1,SP2及び停止判定値H及び位置プロファイルが設定された状態で作動する給紙制御部87の動作について、図6を用いて説明する。図6は、給紙制御部87が実行する給紙制御処理を表すフローチャートである。即ち、この給紙制御処理は、CPU71によるS110の実行時に、CPU71の指令を受けて、給紙制御部87により実行される。
この給紙制御処理を開始すると、給紙制御部87は、S210において、前サイクルで算出したPWM値を駆動回路87aに入力することにより、給紙モータ13に入力する電流値を前サイクルで算出した操作量uに対応する値に切り替える。但し、初回のS210実行時には、前サイクルで算出したPWM値が存在しないので、PWM値としてゼロ値を駆動回路87aに入力する。
また、この処理を終えると、給紙制御部87は、S220に移行し、エンコーダ信号処理部87bからエンコーダ値yを取得する。尚、ここでいうエンコーダ値yとは、上述した通り、エンコーダ信号処理部87bにより算出された給紙開始時からの給紙ローラ11の回転量yのことである。エンコーダ信号処理部87bが保持するエンコーダ値yは、給紙の開始時にリセットされ、以後、ロータリエンコーダ15から入力される信号に従って逐次更新される。
また、S220での処理を終えると、給紙制御部87は、S230に移行し、レジストセンサ60の出力信号がオフにされているか否かを判断することにより、用紙Pの先頭がレジストセンサ60に対応する位置に到達したかを判断する。
そして、レジストセンサ60の出力信号がオン状態にある場合には、用紙Pの先頭がレジストセンサ60に対応する位置に到達していないと判断して(S230でNo)、モータ電流の上限値SPを、予めCPU71から指定された上限値SP1に設定する(S240)。その後、S260に移行する。
一方、レジストセンサ60の出力信号がオフ状態にある場合には、用紙Pの先頭がレジストセンサ60に対応する位置に到達したと判断して(S230でYes)、モータ電流の上限値SPを、予めCPU71から指定された上限値SP2に設定する(S250)。その後、S260に移行する。
このようにして、給紙制御部87は、給紙トレイ3から搬送される用紙Pの先端がレジストセンサ60に対応する位置に到達するまでは、モータ電流の上限値SPを、値SP1に設定して、ジャムにより給紙モータ13が焼け付かないように電流値を規制し、用紙Pの先端がレジストセンサ60に対応する位置に到達した後には、モータ電流の上限値SPを、値SP2に設定することにより、モータ制御を、用紙Pを斜行補正するためのモータ制御に切り替える。
また、S260に移行すると、給紙制御部87は、CPU71から設定された位置プロファイルに従って、目標位置rを設定する。即ち、位置プロファイルが示す給紙開始時からの経過時間tに対応する値R(t)に、目標位置rを設定することで、目標位置rを現在時刻に対応する値に更新する。
その後、S220で取り込んだエンコーダ値yに基づき、目標位置rと、エンコーダ値yとの偏差e=r−yを算出し(S270)、偏差eに対応する操作量u(給紙モータ13に入力する電流値)を、所定の伝達関数Gに従って算出する(S280)。
また、操作量uを算出し終えると、この操作量uが上限値SP以上であるか否かを判断し(S290)、操作量uが上限値SP未満であると判断すると(S290でNo)、操作量uが上限値SP以上となってからの経過時間を計測するための経過時間カウンタの値CNをゼロにクリアする(S310)。
その後、S350に移行し、操作量uをPWM値に変換する。また、この処理を終えると、S210に移行して、前サイクル、即ち、直前のS350で求めたPWM値を駆動回路87aに出力する。その後、S220以降の処理を実行する。尚、PWM値の出力は、周期的に到来する出力タイミングが到来するまで待って行う。ここでいう「サイクル」とは、この出力タイミングにて定まるサイクルのことである。
一方、給紙制御部87は、S280で求めた操作量uが上限値SP以上であると判断すると(S290でYes)、上限値SPを超える電流値を給紙モータ13に入力しないようにするために、操作量uを、上限値SPに規制する。即ち、操作量uを、上限値SPに設定する(S320)。
また、S320での処理を終えると、給紙制御部87は、継続時間カウンタの値CNを更新することで(CN←CN+1)、操作量uが上限値SP以上となってからの経過時間を計測し(S330)、更新後の継続時間カウンタの値CNと、CPU71から指定された停止判定値Hとを比較することで、カウンタ値CNが停止判定値Hを超えているか否かを判断する(S340)。
尚、ここでは、カウンタ値CNと停止判定値Hとの比較により、操作量uが上限値SP以上となってからの経過時間が上記規定時間を越えているか否かを判断する。従って、停止判定値Hは、継続時間カウンタの更新周期を単位として値が設定され、予め上限切替テーブルに登録される。
そして、カウンタ値CNが停止判定値H以下であると判断すると(S340でNo)、給紙制御部87は、操作量uが上限値SP以上となった時点からの経過時間が規定時間を越えていないとして、S350に移行し、上限値SPに規制した操作量uをPWM値に変換する。また、この処理を終えると、S210に移行し、上記PWM値を駆動回路87aに入力する。その後、S220以降の処理を実行する。
一方、カウンタ値CNが停止判定値Hを超えていると判断すると(S340でYes)、給紙制御部87は、操作量uが上限値SP以上となった時点からの経過時間が上記規定時間を越えているとして、S360に移行し、給紙モータ13の駆動を停止して、給紙ローラ11による用紙搬送を終了する。その後、当該給紙制御処理を終了する。
尚、本実施例のプリンタ装置1は、上限値SPを値SP1に設定しているときに、S340でYesと判断して、給紙モータ13の駆動を停止した場合には、ジャムが発生しているとみなして、S120以降の処理を実行せず、用紙Pへの画像形成動作を中断する。
以上が、給紙制御部87により実行される給紙制御処理の内容である。また、図7は、このような給紙制御部87の動作により給紙モータ13に入力される電流値の変化を表すグラフである。
図7に示すように、給紙制御処理の開始時には、給紙トレイ3に載置された静止状態の用紙Pを、搬送路に送出することになるので、一時的に電流値が上昇する。その後、電流値は、用紙Pの加速に伴って減少する。図4(b)に示すように位置プロファイルは、時間に比例して目標位置rを更新するように設定されているので、給紙制御処理の開始時点から所定時間後には、モータ電流値は十分に低い値で推移する。
但し、この際に、ジャム等が発生すると給紙ローラ11が回転しなくなり、目標位置rがエンコーダ値yに対して大きく乖離していくので、モータ電流値が大きく上昇する。そして、モータ電流値が上限値SPである値SP1に到達し、この状態が規定時間続くと、S340でYesと判断されて、給紙モータ13の駆動は停止する。
一方、ジャム等が発生しなければ、用紙Pは、レジストセンサ60に対応する位置を通過することになり、この時点で、上限値SPは、ジャム判定用の上限値SP1から、斜行補正用の上限値SP2に切り替わる。
この後には、用紙Pが更に搬送路下流に移動し、ニップ部C1に到達することになるが、用紙Pがニップ部C1に到達すると、用紙Pを紙送りする際の負荷が高くなるので、S280で算出される操作量uは上昇し、これに伴って給紙モータ13に入力される電流値も上昇する。
そして、操作量uが上限値SP2に到達すると、その時点から継続時間カウンタにて、操作量uが上限値SP2以上となった時点からの経過時間が計測される。そして、経過時間が規定時間を越えると(継続時間カウンタの値CNが停止判定値Hを超えると)、S340でYesと判断されて、給紙モータ13の駆動は、停止する。
このように、本実施例では、操作量uが上限値SP2以上となった時点からの経過時間で、給紙ローラ11による用紙搬送の終了タイミングを決めているので、給紙ローラ11と用紙Pとの間に滑りが生じて、エンコーダ値yと実際の紙送り量(用紙位置)との間にずれが生じているか否かに拘らず、用紙Pがニップ部C1に突き当たってから、斜行補正に必要十分な量、過送りして斜行補正動作を終了することができる。
即ち、本実施例によれば、滑り量に応じて、過送り量がばらつくことがなく、用紙Pがニップ部C1に突き当たってから、概ね一定量、用紙Pを過送りすることができる。従って、予め上限値SP2及び停止判定値Hの適値として、試験により、十分に斜行補正ができて且つ用紙Pがくしゃくしゃにならないような値を求め、これを上限切替テーブルに登録しておくことで、滑り量の大小に依らず、斜行補正に必要十分な量、用紙Pを過送りして斜行補正動作を終了することができる。
特に、本実施例によれば、用紙サイズ及び用紙タイプに応じて、上限値SP2及び停止判定値Hを切り替えるので、給紙トレイ3に様々なサイズや種類の用紙Pがユーザにより載置されても、その夫々の給紙時に、適切な斜行補正動作を実現できる。
ところで、本実施例では、用紙Pが上限値SPの切替位置に到達したか否かを、レジストセンサ60の出力に基づいて判断するようにしたが、プリンタ装置1は、エンコーダ値yに基づいて、用紙Pが上限値SPの切替位置に到達したか否かを判断する構成にされてもよい(変形例)。
[第一変形例]
続いて、第一変形例のプリンタ装置1の構成について、図8及び図9を用いて説明する。図8は、本変形例において給紙制御部87が実行する給紙制御処理の一部を抜粋して表したフローチャートである。
本変形例のプリンタ装置1は、レジストセンサ60が設けられておらず、給紙制御処理において、S230に代え、以下に説明するS235の処理を実行する他は、概ね、上述した実施例のプリンタ装置1と同一構成である。従って、以下では、上述した実施例のプリンタ装置1とは異なる構成を選択的に説明し、同一構成に関する説明を適宜省略する。
本変形例の給紙制御部87は、給紙制御処理を開始すると、上述したS210,S220の処理を実行した後、S235に移行し、エンコーダ値yが、予め定められた上限切替位置に対応する値M以上であるか否かを判断する。このような動作により、用紙Pの先端が上限切替位置に到達したか否かを判断する。
具体的に、本変形例において、上限切替位置は、ニップ部C1に対応する位置に定められている。即ち、値Mは、給紙ローラ11と用紙Pとの間の滑り量がゼロである状態で、用紙Pの先端がニップ部C1に到達するときに示すエンコーダ信号処理部87bのエンコーダ値に設定されている。
S235においては、エンコーダ信号処理部87bにより更新されるエンコーダ値yが、このように設定された値M以上であるか否かを判断する。そして、エンコーダ値yが値M未満であると判断すると(S235でNo)、上限値SPを、予めCPU71により指定された上限値SP1に設定する(S240)。一方、エンコーダ値yが値M以上であると判断すると(S235でYes)、上限値SPを、予めCPU71により指定された上限値SP2に設定する(S250)。そして、S240又はS250の処理を終えると、上述の実施例と同様に、S260以降の処理を実行する。
図9は、このようにして給紙制御部87で給紙制御処理が実行されることにより実現される第一変形例の上限値SPの切替態様を説明した図である。図9に示すように、本変形例では、滑りがない状態で用紙Pがニップ部C1に到達するときのエンコーダ値を、値Mに設定しているが、実際のプリンタ装置1の稼動時には、すくなからず用紙Pと給紙ローラ11との間にズレが生じる。尚、図9に示す鎖線及び点線を理解するに当たっては、グラフの縦軸を用紙Pの実位置に読み替えるものとする。
従って、本変形例では、用紙Pがニップ部C1に到達する時点よりも滑り量に対応した早い時期に、上限値SPが値SP1から値SP2に切り替えられることになる。そして、この時点から、操作量uが上限値SP2以上である時間が停止判定値Hに対応する規定時間を越えると、給紙モータ13の駆動が停止される。
以上、第一変形例のプリンタ装置1について説明したが、本変形例によれば、レジストセンサ60により上限値SPを切り替える実施例と同様の動作を、レジストセンタ60を用いずに実現できて、簡素な装置構成で、適切に搬送対象の用紙Pを斜行補正することができる。
但し、上限値SPを値SP1から値SP2に切り替える動作は、用紙Pがニップ部C1に突き当たった時点で行われるのが理想的である。
値SP2は、値SP1に対して十分に小さいので、上限値SPを早い時期に値SP1から値SP2に切り替えてしまうと、用紙Pが、ニップ部C1に突き当たる前の用紙Pの搬送過程で、搬送路にひっかかるなどして、負荷が上昇したときに、モータ電流値の上昇で、給紙モータ13の駆動を停止することにもなりかねず、誤動作の発生確率が上昇する。
従って、上限値SPの値SP1から値SP2への切替は、用紙Pがニップ部C1に突き当たった時点で行われるのがよいのであるが、上記値Mを、給紙ローラ11と用紙Pとの間の滑り量がゼロである状態で、用紙Pの先端がニップ部C1に到達するときに示すエンコーダ信号処理部87bのエンコーダ値に設定すると、現実には滑りが少なからず発生するため、常に、用紙Pがニップ部C1に突き当たる前に、上限値SPを、値SP1からSP2に切り替えることになってしまい、上記理想的な切替とは乖離した動作となってしまう。
一方、上限切替位置を、用紙Pの滑り量を加味して設定すれば、上限値SPの切替動作を、より理想的なものに近づけることができる。従って、プリンタ装置1においては、用紙Pの滑り量を加味して、上限切替位置を設定するのが好ましい。図10は、上限切替位置に対応する値Mを、用紙Pの滑り量を加味して設定した場合の上限値SPの切替態様を表した説明図である。
上限切替位置に対応する値Mを、用紙Pの滑り量を加味して設定する場合には、予め試験により、用紙Pの滑り量の分布を得る。そして、滑り量の分布に基づいて、用紙Pの先端がニップ部C1に到達した後に上限値が切り替わる事象の発生確率が所定値W未満となる値Mを設定する。
具体的には、給紙ローラ11と用紙Pとの間の滑り量がゼロである状態で、用紙Pの先端がニップ部C1に到達するときに示すエンコーダ信号処理部87bのエンコーダ値M0に、滑り量に対応した値αを加算した値を、値Mに設定する(M=M0+α)。
例えば、用紙Pの先端がニップ部C1に到達した後に上限値が切り替わる事象の発生確率がW未満となる値Mを設定しようとする場合には、「滑り量が値α以上となる事象」の発生確率が(1−W)以上となる値αを求めて、上限切替位置に対応する値Mを、M=M0+αに設定すればよい。
尚、値Wは、大きめに設定すると、滑りが少ないときに用紙Pを送りすぎて用紙Pがくしゃくしゃになってしまう可能性が高くなるので、例えば、数%程度の小さな値に設定されるのが好ましい。
[第二変形例]
続いて、第二変形例について説明する。図11は、第二変形例のプリンタ装置2の構成を表す概略断面図である。
第二変形例のプリンタ装置2は、ゲート機構27を備え、図3に示す印刷制御処理に代えて、図12に示す印刷制御処理を実行する他は、概ね、第一変形例のプリンタ装置1と同一構成である。従って、以下では、第一変形例のプリンタ装置1とは異なる構成を選択的に説明し、同一構成に関する説明を適宜省略する。
図11に示すように、第二変形例のプリンタ装置2は、搬送ローラ21より搬送路上流側の所定位置にゲート機構27を備える。このゲート機構27は、CPU71によってオン/オフ制御され、オフ状態では、ゲート27aを、ゲート収容部27bから搬送路へ降ろして、用紙の通過を妨げるようにして搬送路を遮断し、オン状態では、ゲート27aを、ゲート収容部27bに収容して、用紙が通過可能に搬送路を開放する。
図11(b)は、ゲート機構27周辺の拡大図であり、ゲート機構27がオフ状態にあるときのプリンタ装置2内の状態を表すものである。また、図11(c)は、ゲート機構27周辺の拡大図であり、ゲート機構27がオン状態にあるときのプリンタ装置2内の状態を表すものである。
このゲート機構27は、本変形例において、給紙トレイ3から供給される用紙を斜行補正するために用いられ、次のようにして、CPU71によりオン/オフ制御される。図12は、第二変形例のプリンタ装置2が、CPU71にて実行する印刷制御処理を表すフローチャートである。
印刷制御処理を開始すると、CPU71は、ゲート機構27をオフに設定し、図11(b)に示すように、ゲート27aにより搬送路が遮断された状態にする(S105)。その後、S110に移行し、給紙制御部87を作動させて、給紙ローラ11を回転させることにより、用紙Pを、搬送路下流へと搬送する。
この動作により、S110では、用紙Pの先端がゲート27aに突き当てられ、この突き当て動作により、用紙Pが斜行補正されるようにする。
尚、S110では、基本的に第一変形例と同様の処理を実行するが、上限切替位置に対応する値Mは、給紙ローラ11と用紙Pとの間の滑り量がゼロであるときに用紙Pの先端がゲート27aに到達するときのエンコーダ信号処理部87bのエンコーダ値に、設定される。即ち、本変形例では、用紙Pの先端がゲート27aに到達する時点で、上限値SPが、上限値SP1から上限値SP2に切り替えられるようにする。但し、値Mについては、第一変形例と同様、滑り量を加味して設定されてもよい。
また、斜行補正動作が完了し給紙モータ13の駆動が停止すると、CPU71は、S115に移行し、ゲート機構27をオンに設定する。本変形例においては、このようにしてゲート機構27がオンに設定されると、図11(c)に示すように、用紙Pの搬送路下流への移動が許容されて、ゲート27aに突き当てられていた用紙Pの湾曲が解け、用紙Pの先端が、搬送ローラ21とピントローラ22との間のニップ部C1に到達する。その後、CPU71は、S120に移行する。
また、S120では、上述した実施例と同様に、搬送制御部85を起動して搬送ローラ21を搬送方向に回転させることにより、ニップ部C1に給紙された用紙Pを搬送ローラ21に取り込ませると共に、搬送制御部85を通じて、搬送ローラ21に、用紙Pを記録位置まで副走査方向に所定量ずつ間欠的に搬送させる。そして、給紙ローラ11を通じて供給された用紙Pに対して印刷対象データに基づく画像を形成する動作を行う。
また、1ページ分の画像形成が完了すると、S130に移行し、LFモータ23による間欠的な用紙搬送動作を止める。そして、搬送制御部85を通じ、用紙Pが排紙トレイに排出されるまでLFモータ23を連続的に駆動することにより、用紙Pを排紙する。
そして、この処理を終えると、CPU71は、次ページの印刷が必要であるか否かを判断し(S140)、次ページの印刷が必要である場合には(S140でYes)、S105に移行して、新たなページについての画像形成動作を、S105〜S130の処理により実現する。このようにして、CPU71は、最終ページの印刷が完了するまで、S140でYesと判断して、ページ毎の画像形成動作を繰返し、最終ページの印刷が完了すると、S140でNoと判断して、当該印刷制御処理を終了する。
尚、第二変形例においても、上限値SPを値SP1に設定しているときに、S340でYesと判断して、給紙モータ13の駆動を停止した場合には、ジャムが発生しているとみなして、S120以降の処理を実行せず、用紙Pへの画像形成動作を中断するものとする。
以上、第二変形例について説明したが、ゲート27aによって斜行補正動作を実現するプリンタ装置2においても、上述したようにして、本発明の概念を適用すれば、適切に搬送対象の用紙Pを斜行補正することができる。
[対応関係]
以上、本発明の実施例について説明したが、「特許請求の範囲」に記載の第1搬送手段は、主に給紙ローラ11により実現され、第2搬送手段は、主に、搬送ローラ21及びピンチローラ22(及びゲート機構27)により実現されている。また、第2搬送手段が有するゲート手段は、ゲート機構27に対応する。
また、モータ制御手段は、主に、給紙モータ13と給紙制御部87が実行するS210,S220,S260〜S280,S320,S350の処理とにより実現されている。この他、回転量検出手段は、ロータリエンコーダ15及びエンコーダ信号処理部87bにて実現されている。
この他、到達判定手段は、レジストセンタ60及び給紙制御部87が実行するS230の処理、又は、給紙制御部87が実行するS235の処理により実現され、要否判定手段は、S290,S310,S330,S340の処理により実現されている。また、閾値切替手段及び時間切替手段は、CPU71が実行するS110の処理にて実現されている。また、「特許請求の範囲」に記載の閾値は、本実施例において上限値SP2に対応し、エラー判定値は、上限値SP1に対応する。
また、本発明は、上記実施例に限定されることなく、種々の態様を採りうる。例えば、上記実施例では、操作量uとして、給紙モータ13に入力する電流値を算出するように、給紙制御部87を構成したが、給紙制御部87は、操作量uとして、給紙モータ13に入力する電圧値を算出するように構成されてもよい。このようにして、給紙モータ13に入力する電圧値を制御することでも、給紙動作は実現できる。
この他、本実施例では、給紙制御部87による用紙搬送動作が終了するまで、搬送ローラ21を停止した状態に保つようにしたが、搬送ローラ21は、用紙搬送方向とは逆方向に回転させてもよい。このように、搬送ローラ21を逆回転させても用紙Pをせきとめることができて、用紙Pの斜行補正を実現することができる。
また、上記実施例では、上限値SPを、値SP1に設定している期間及び値SP2に設定している期間のいずれにおいても、同一の停止判定値Hを設定するようにしたが、停止判定値Hは各期間において異なる値に設定されてもよい。例えば、上限値SPを値SP1に設定している期間には、上限値SPを値SP2に設定している期間よりも停止判定値Hとして、大きい値を設定するようにしてもよい。
プリンタ装置1の概略断面図である。 プリンタ装置1の電気的構成を表すブロック図である。 CPU71が実行する印刷制御処理を表すフローチャートである。 給紙制御部87によるモータ制御に関する説明図である。 上限切替テーブルの構成を表す説明図である。 給紙制御部87が実行する給紙制御処理を表すフローチャートである。 給紙モータ13に入力される電流値の変化を表すグラフである。 変形例の給紙制御処理を表すフローチャートである。 変形例の上限値SPの切替態様を表す説明図である。 滑り量を加味した場合の上限値SPの切替態様を表す説明図である。 第二変形例のプリンタ装置2の構成を表す概略断面図である。 第二変形例の印刷制御処理を表すフローチャートである。 従来技術に関する説明図である。
符号の説明
1,101…プリンタ装置、3,103…給紙トレイ、10…給紙ユニット、11,107…給紙ローラ、13…給紙モータ、15,25…ロータリエンコーダ、21,111…搬送ローラ、22,42,112…ピンチローラ、23…LFモータ、27…ゲート機構、30…記録ヘッド、31…キャリッジ、33…CRモータ、35…リニアエンコーダ、41…排紙ローラ、51…土手部、53…Uターンパス、53a…補助部、55…プラテン、60…レジストセンサ、71…CPU、73…ROM、75…RAM、77…EEPROM、79…インタフェース、80…ヘッド/モータ制御部、81…ヘッド制御部、83…キャリッジ制御部、85…搬送制御部、87…給紙制御部、81a,83a,85a,87a…駆動回路、83b,85b,87b…エンコーダ信号処理部、C1,C2…ニップ部、90…パーソナルコンピュータ、105…搬送路、P…用紙

Claims (18)

  1. モータを備え、このモータに加える電流値又は電圧値を制御することにより前記モータを制御するモータ制御手段と、
    前記モータの駆動力によって、搬送対象のシートを、第1の位置からシート搬送方向下流側に搬送する第1搬送手段と、
    前記第1の位置よりも前記シート搬送方向下流側に設定された第2の位置で、前記第1搬送手段によって前記第1の位置から供給されたシートをせきとめることによって、斜行補正を行う第1動作と、前記第1搬送手段によって供給された前記シートを前記シート搬送方向下流側へ搬送する第2動作と、を切替可能な第2搬送手段と、
    前記第2の位置、又は、前記第2の位置より前記シート搬送方向上流であって前記第1の位置より前記シート搬送方向下流の所定位置に、前記シートが到達したか否かを判定する到達判定手段と、
    前記到達判定手段により到達したと判定された後、前記モータに加えられる電流値又は電圧値に基づき、前記第1搬送手段による搬送動作を完了すべきか否かを判定する要否判定手段と、
    を備え、
    前記第2搬送手段は、前記第1搬送手段から供給されたシートを、前記要否判定手段にて搬送動作を完了すべきと判定されるまで、前記第1動作により斜行補正し、前記要否判定手段にて搬送動作を完了すべきと判定された後、前記第2動作により前記搬送方向下流側に搬送するように構成されている
    ことを特徴とする搬送装置。
  2. 前記第1搬送手段は、前記第1の位置で、前記搬送対象のシートに当接される回転体を有し、前記モータによって駆動される前記回転体の回転力によって、前記シートを前記シート搬送方向下流に搬送する構成にされ、
    前記モータ制御手段は、予め前記第2の位置よりも前記シート搬送方向下流に設定された目標位置に前記シートが到達するように、前記第1搬送手段が有する前記回転体の回転量に基づき、前記モータの電流値又は電圧値を制御して、前記搬送動作を実行する構成にされていることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
  3. 前記モータ制御手段は、前記第1搬送手段によって前記シートが搬送されるときの当該シートの目標位置と実際の位置との差に基づいて、前記モータに加える電流値又は電圧値を制御することを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
  4. 前記モータの回転量を検出する回転量検出手段を備え、
    前記モータ制御手段は、前記モータの目標回転量と前記回転量検出手段によって検出された回転量との差に基づいて、前記モータに加える電流値又は電圧値を制御することを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
  5. 前記第2搬送手段は、
    前記第2の位置に、前記第1搬送手段によって前記第1の位置から供給されたシートを前記シート搬送方向下流へ搬送するための回転体を有し、
    前記第1動作において、前記第2搬送手段が有する回転体の回転を停止した状態、又は、前記第2搬送手段が有する回転体を前記シート搬送方向とは逆方向に回転させた状態に維持することにより、前記第2の位置で、前記第1搬送手段によって前記第1の位置から供給されたシートをせきとめ、
    前記第2動作において、前記第2搬送手段が有する回転体を前記シート搬送方向に回転させることにより、前記第1搬送手段から供給されたシートに前記シート搬送方向の力を加えて、前記シートを前記シート搬送方向下流側へ搬送する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の搬送装置。
  6. 前記第2搬送手段は、
    前記シートが搬送される搬送経路における前記第2の位置において、前記シートの通過を妨げる閉鎖状態及び前記シートの通過を許容する開放状態の二状態間を遷移可能なゲート手段を有し、
    前記ゲート手段は、
    前記第1動作において、前記閉鎖状態をとることによって、前記第2の位置で、前記第1搬送手段によって前記第1の位置から供給されたシートをせきとめ、
    前記第2動作において、前記開放状態をとることによって、前記シートが前記シート搬送方向下流側へ搬送されることを許容する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の搬送装置。
  7. 前記要否判定手段は、前記到達判定手段により到達したと判定された後、前記モータの電流値又は電圧値が、予め設定された閾値以上となると、前記第1搬送手段による搬送動作を完了すべきと判定する構成にされていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の搬送装置。
  8. 前記要否判定手段は、前記到達判定手段により到達したと判定された後、前記モータの電流値又は電圧値が予め設定された閾値以上である時間が、予め設定された基準時間以上継続すると、前記第1搬送手段による搬送動作を完了すべきと判定する構成にされていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の搬送装置。
  9. 前記要否判定手段に対し、前記閾値として、搬送対象のシートの種類に応じた値を設定する閾値切替手段
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の搬送装置。
  10. 前記閾値切替手段は、前記搬送対象のシートのサイズが大きいほど、前記閾値として、大きな値を、前記要否判定手段に対して設定する構成にされていることを特徴とする請求項9記載の搬送装置。
  11. 前記閾値切替手段は、前記搬送対象のシートの厚みが大きいほど、前記閾値として、大きな値を、前記要否判定手段に対して設定する構成にされていることを特徴とする請求項9記載の搬送装置。
  12. 前記要否判定手段に対し、前記基準時間として、搬送対象のシートの種類に応じた値を設定する時間切替手段
    を備えることを特徴とする請求項8記載の搬送装置。
  13. 前記時間切替手段は、前記搬送対象のシートのサイズが大きくなるほど、前記基準時間として、大きな値を、前記要否判定手段に対して設定する構成にされていることを特徴とする請求項12記載の搬送装置。
  14. 前記時間切替手段は、前記搬送対象のシートの厚みが大きくなるほど、前記基準時間として、大きな値を、前記要否判定手段に対して設定する構成にされていることを特徴とする請求項12記載の搬送装置。
  15. 前記到達判定手段は、前記第2の位置と前記第1の位置との間の搬送経路に、シートを検知するためのセンサを備え、前記センサの出力信号に基づき、前記所定位置としての前記センサに対応する位置に、前記シートが到達したか否かを判定する構成にされていることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれかに記載の搬送装置。
  16. 前記到達判定手段は、前記シートの搬送を前記第1搬送手段が開始してからの前記第1搬送手段が有する前記回転体の回転量に基づき、前記第2の位置、又は、前記第2の位置より前記シート搬送方向上流であって前記第1の位置より前記シート搬送方向下流の所定位置に、前記シートが到達したか否かを判定する構成にされていることを特徴とする請求項2記載の搬送装置。
  17. 前記到達判定手段は、前記第1搬送手段が有する前記回転体の前記シートに対する滑り量を加味して、当該回転体の回転量に基づき、前記第2の位置、又は、前記第2の位置より前記シート搬送方向上流であって前記第1の位置より前記シート搬送方向下流の所定位置に、前記シートが到達したか否かを判定する構成にされていることを特徴とする請求項16記載の搬送装置。
  18. 前記要否判定手段は、前記到達判定手段により到達したと判定される前の期間及び前記到達判定手段により到達したと判定された後の期間の夫々において、前記モータの電流値又は電圧値に基づき、前記第1搬送手段による搬送動作を完了すべきか否かを判定する構成にされ、前記到達判定手段により到達したと判定された後の期間では、前記モータの電流値又は電圧値が予め設定された前記閾値以上となると、前記第1搬送手段による搬送動作を完了すべきと判定し、前記到達判定手段により到達したと判定される前の期間では、前記モータの電流値又は電圧値が予め設定された前記閾値よりも大きいエラー判定値以上となると、前記第1搬送手段による搬送動作を完了すべきと判定する構成にされていることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれかに記載の搬送装置。
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