JP4682142B2 - 受信回路及び光受信回路 - Google Patents

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Description

本発明は、広ダイナミックレンジ化を実現した受信回路及び光受信回路に関するものである。
近年、情報通信の発達に伴い、光伝送の高速化、伝送容量の増大化、及び伝送距離の長距離化が求められており、非常に高度な伝送技術が要求されている。この光伝送技術の一形態としてPON(Passive Optical Network)システムがあるが、このPONシステムでは、1つの局舎と複数の加入者とを時分割多重で接続しており、各加入者から局舎への上り方向の伝送では、各加入者から局舎までの伝送距離が各々異なるため、受信するパワーレベルに大きな差が生じる。特に、高速、長距離化が求められている現在では、バースト信号間のパワーレベルの幅は更に大きくなっており、このような中で、受信した信号の大小にかかわらず適正な受信ができ、且つ、後段のアンプ回路やクロックリカバリ回路において高精度なデータ再生を行う為に、デューティーの安定した信号を出力することは、光受信回路の必須条件となっている。
しかし、従来の光受信回路では、大きな光信号が入力された場合には、トランスインピーダンスアンプ出力が飽和してしまい、波形に歪みが生じる、また、最悪の場合には出力がHレベル又はLレベルに張りついてしまい、波形が出力されないということが生じていた。
この対策として用いられる従来の光受信回路を図2に示す。
図2に示す光受信回路では、入力された光入力信号を光受信素子100により光−電気変換された電流による電気信号IN100が反転増幅器101に入力される。この反転増幅器101の入出力間には帰還抵抗R100が並列に接続され、トランスインピーダンスアンプが構成される。更に、帰還抵抗R101及びダイオードRCの直列接続、帰還抵抗R102a及びトランジスタM100aの直列接続、また、帰還抵抗R103a及びトランジスタM100bの直列接続が、前記トランスインピーダンスアンプの帰還抵抗R100と並列に接続される。
このトランスインピーダンスアンプの出力は、コンパレータ102a及び102bに入力され、それぞれに設定された比較値と比較される。これら比較値は、コンパレータ102aにおいては、比較値VB100aであり、また、コンパレータ102bにおいては、比較値VB100bである。
これらコンパレータ102a及び102bにおけるそれぞれの比較結果は、データ入力端子DがVDD電圧に接続されたフリップフロップ103a及び103bのクロック入力端子Cに入力され、フリップフロップ103a及び103bの出力端子Qからそれぞれ出力された信号100a及び信号100bは、前記トランジスタM100a及びM100bのゲートに入力される。
前記構成により、コンパレータ102a及び102bの出力値がハイレベルになったとき、すなわち、光入力信号レベルが大きく、トランスインピーダンスアンプの出力値が、コンパレータ102a又は102bに設定された比較値VB100a又はVB100bを下回る値となったとき、コンパレータ102a及び102bから出力される比較結果はハイレベルとなり、ハイレベルの信号がクロック入力端子Cに入力されたフリップフロップ103a又は103bの出力端子Qからはハイレベルの信号が出力される。
これにより、トランジスタM100a又はM100bがONし、トランスインピーダンスアンプに帰還抵抗R100とR102a又はR102bが並列になった値で帰還がかかり、その増幅率が抑えられ、出力OUT100の値は適正な値に抑えられる。
前記光受信回路については、特許文献1に記載があり、従来はこのようにして帰還抵抗の大きさを切り替え、大きな光信号が入力された場合には、帰還抵抗を小さく設定し、トランスインピーダンスアンプの利得を小さくすることにより飽和を防止していた。
このトランスインピーダンスアンプの出力に応じて制御信号を生成する手段としては、
(1)アナログ回路で構成された帰還型の自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)機能を用いて制御信号を生成する手段、(2)図2に示したようにトランスインピーダンスアンプの出力振幅を数個の比較回路で判定し、その結果を用いて制御信号を生成する手段、(3)トランスインピーダンスアンプの出力振幅を多数の比較回路で判定し、その結果を用いて制御信号を生成する方法があげられる。
特開2000−315923号公報(第1図)
しかしながら、制御信号を生成する(1)の手段では、ループ時定数の問題で高速応答が不可能であり、(2)の手段では、トランスインピーダンスアンプの利得の切り替わり目でトランスインピーダンスアンプの出力振幅に大きな段差が生じてしまうため、後段のアンプ回路やクロックリカバリ回路でのデータ再生時にデータ欠けが生じ、データ品質が損なわれる可能性があり、また、この(2)の問題を回避する目的で比較回路の数を増加させる(3)の手段では、トランスインピーダンスアンプの出力ラインに多数の比較回路による負荷が付いてしまうので、特に高速動作時に、正常動作が不可能になるといった課題が生じる。
更に、(2)及び(3)の手段では、入力信号の消光比が小さい場合には、Lレベルでの電流量もかなり大きくなるので、この電流量の設定において、1度のみの判定では、正常なレベル(Hレベル)に対しての判定が正確に行われず、誤ってLレベルに対しての判定が行われてしまう可能性もあり、AGC機能が適正に働かないといった課題が生じる。
前記課題は、入力信号が光入力に限られるものではなく、電気信号入力に対しても同様に生じるものである。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的は、トランスインピーダンスアンプの利得を切り替えるときに出力振幅に生じる段差を抑えるとともに、広ダイナミックレンジな入力信号の変化に対しても正確に高速動作を行うことにある。
前記目的を解決するために、本発明の受信回路及び光受信回路は、トランスインピーダンスアンプの出力レベルを判定するための比較回路を多数用いず、1つ又は2つに限定し、トランスインピーダンスアンプの利得調整のための制御信号を生成するために比較回路の後段に設けた制御回路内に多数の判定レベルを設けることにより、トランスインピーダンスアンプの出力負荷を軽減し、高速動作を可能とする。
これにより、高速動作と、出力振幅に大きな段差を生じることの防止とを同時に実現する。
すなわち、請求項1記載の発明の受信回路は、入力電流を増幅する反転増幅器と前記反転増幅器の入出力間に並列接続された帰還抵抗とからなり、制御信号により利得調整されるトランスインピーダンスアンプと、前記トランスインピーダンスアンプの出力レベルを判定する為に設定する第1の比較値に対して、前記トランスインピーダンスアンプの出力値を比較し、その比較結果を出力する比較回路と、前記比較回路から出力された前記比較結果を保持するとともに、保持する前記比較結果に基づいて前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記トランスインピーダンスアンプに送信する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記比較回路から出力される前記比較結果を保持する複数のラッチ回路と、前記複数のラッチ回路の出力結果に基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの利得調整を行う為の前記制御信号を生成し、前記トランスインピーダンスアンプへ送信する制御信号生成回路とを備え、前記個々のラッチ回路は、保持値リセット信号が入力されることにより非動作状態となり、前記保持値リセット信号が順次解除されることにより前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態になり、前記制御回路は、前記トランスインピーダンスアンプの出力が前記第1の比較値を上回るまで前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整するように前記制御信号を出力し、前記受信回路に備える前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値を受けて、この出力値の中間値を生成する基準値生成回路と、前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値と前記基準値生成回路の出力値とから差動信号を生成する差動増幅回路とを備え、前記基準値生成回路は、リセット信号が入力されることにより、前記中間値が初期化され、前記基準値生成回路は並列接続された2つ以上の中間値生成回路と、各々の前記中間値生成回路と前記差動増幅回路との間に直列に挿入され、前記中間値生成回路を前記差動増幅回路と選択的に接続するスイッチとを備え、直列接続された前記スイッチに、このスイッチをONする信号が入力された時に、前記中間値のリセットを解除する中間値リセット信号が前記中間値生成回路に入力され、また、前記スイッチをOFFする信号が入力されたときに、前記中間値生成回路のリセットを行う前記中間値リセット信号が入力されることを特徴とする。
請求項2記載の発明の受信回路は、入力電流を増幅する反転増幅器と前記反転増幅器の入出力間に並列接続された帰還抵抗とからなり、制御信号により利得調整されるトランスインピーダンスアンプと、前記トランスインピーダンスアンプの出力レベルを判定する為に設定する第1の比較値に対して、前記トランスインピーダンスアンプの出力値を比較し、その比較結果を出力する比較回路と、前記比較回路から出力された前記比較結果を保持するとともに、保持する前記比較結果に基づいて前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記トランスインピーダンスアンプに送信する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記比較回路から出力される前記比較結果を保持する複数のラッチ回路と、前記複数のラッチ回路の出力結果に基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの利得調整を行う為の前記制御信号を生成し、前記トランスインピーダンスアンプへ送信する制御信号生成回路と、前記複数のラッチ回路へ送信することにより個々の前記ラッチ回路を非動作状態にし、前記ラッチ回路に対して送信を順次解除することにより前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態にする保持値リセット信号を、リセット信号に基づいて生成するリセット信号生成回路とを備え、前記制御回路は、前記トランスインピーダンスアンプの出力が前記第1の比較値を上回るまで前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整するように前記制御信号を出力し、前記受信回路に備える前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値を受けて、この出力値の中間値を生成する基準値生成回路と、前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値と前記基準値生成回路の出力値とから差動信号を生成する差動増幅回路とを備え、前記基準値生成回路は、リセット信号が入力されることにより、前記中間値が初期化され、前記基準値生成回路は並列接続された2つ以上の中間値生成回路と、各々の前記中間値生成回路と前記差動増幅回路との間に直列に挿入され、前記中間値生成回路を前記差動増幅回路と選択的に接続するスイッチとを備え、直列接続された前記スイッチに、このスイッチをONする信号が入力された時に、前記中間値のリセットを解除する中間値リセット信号が前記中間値生成回路に入力され、また、前記スイッチをOFFする信号が入力されたときに、前記中間値生成回路のリセットを行う前記中間値リセット信号が入力されることを特徴とする。
請求項3記載の発明の受信回路は、入力電流を増幅する反転増幅器と前記反転増幅器の入出力間に並列接続された帰還抵抗とからなり、制御信号により利得調整されるトランスインピーダンスアンプと、前記トランスインピーダンスアンプの出力レベルを判定する為に設定する第1の比較値に対して、前記トランスインピーダンスアンプの出力値を比較し、その比較結果を出力する比較回路と、前記比較回路から出力された前記比較結果を保持するとともに、保持する前記比較結果に基づいて前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記トランスインピーダンスアンプに送信する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記比較回路から出力される前記比較結果を保持する複数のラッチ回路と、前記複数のラッチ回路の出力結果及びリセット信号に基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの利得調整を行う為の前記制御信号と前記複数のラッチ回路に各々入力する保持値リセット信号とを生成する制御信号生成回路とを備え、前記個々のラッチ回路は、前記制御信号生成回路で生成された前記保持値リセット信号を受けて、自己のラッチ回路が非動作状態となり、また自己のラッチ回路に対して送信が順次解除されることにより、前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態になり、前記制御回路は、前記トランスインピーダンスアンプの出力が前記第1の比較値を上回るまで前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整するように前記制御信号を出力し、前記受信回路に備える前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値を受けて、この出力値の中間値を生成する基準値生成回路と、前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値と前記基準値生成回路の出力値とから差動信号を生成する差動増幅回路とを備え、前記基準値生成回路は、リセット信号が入力されることにより、前記中間値が初期化され、前記基準値生成回路は並列接続された2つ以上の中間値生成回路と、各々の前記中間値生成回路と前記差動増幅回路との間に直列に挿入され、前記中間値生成回路を前記差動増幅回路と選択的に接続するスイッチとを備え、直列接続された前記スイッチに、このスイッチをONする信号が入力された時に、前記中間値のリセットを解除する中間値リセット信号が前記中間値生成回路に入力され、また、前記スイッチをOFFする信号が入力されたときに、前記中間値生成回路のリセットを行う前記中間値リセット信号が入力されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路において、前記制御回路は、前記比較回路から出力される前記比較結果を保持する複数のラッチ回路を備え、前記制御回路では、前記複数のラッチ回路へ保持値リセット信号を送信することにより個々の前記ラッチ回路を非動作状態にし、また、前記ラッチ回路の前記保持値リセット信号を順次解除することにより前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態にすると共に、前記複数のラッチ回路の出力値に基づいて、前記中間値生成回路へ入力される前記中間値リセット信号と、前記中間値生成回路を前記差動増幅回路へ選択的に接続する前記スイッチをON又はOFFする信号とを生成することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の受信回路において、前記制御回路は、前記リセット信号及び前記複数のラッチ回路の出力値に基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの出力値が前記第1の比較値を上回るまで、個々の前記ラッチ回路に送信した前記保持値リセット信号を順次解除すると共に、前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整する前記制御信号を出力し、前記中間値リセット信号及び前記スイッチをON又はOFFする信号を生成して前記中間値を切替選択し、また、前記トランスインピーダンスアンプの出力値が前記第1の比較値を上回ったときには、前記保持値リセット信号を新たに解除しない制御信号生成回路を備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路において、前記制御回路は、前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持するシフトレジスタ回路を備え、前記制御回路では、前記シフトレジスタ回路へ前記リセット信号を送信することにより前記シフトレジスタ回路を非動作状態にし、また、前記シフトレジスタ回路の前記リセット信号を解除することにより前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態にすると共に、前記制御回路に入力される前記リセット信号と、前記レジスタ回路の出力値とに基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整する前記制御信号を出力し、前記中間値生成回路へ入力される前記中間値リセット信号と前記中間値生成回路を前記差動増幅回路へ選択的に接続する前記スイッチをON又はOFFする信号とを生成することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路において、前記2つ以上の中間値生成回路は交互に使用されることを特徴とする。
請求項8記載の発明の光受信回路は、請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路と、受信した光の入力信号を光−電気変換し、電流による電気信号を前記受信回路の反転増幅器に入力する光受信素子とを備えたことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路において、前記受信回路に入力される前記入力信号はバースト信号であることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項8記載の光受信回路において、前記光受信回路に入力される前記入力信号はバースト信号であることを特徴とする。
以上により、請求項1〜10記載の発明では、1つの比較回路を用いて、トランスインピーダンスアンプの出力値を比較し、この結果に基づき、制御回路で利得調整の為の制御信号を生成するので、トランスインピーダンスアンプの出力負荷を低減し、高速動作を可能とする。
以上説明したように、請求項1〜10記載の発明によれば、トランスインピーダンスアンプの出力部に接続されるのは比較回路が1つのみなので、トランスインピーダンスアンプの出力部の負荷を小さくでき、高速応答時にも、広ダイナミックレンジな入力光信号又は入力電気信号に対して正確な増幅動作が可能な光受信回路を実現できる。また比較回路を1つのみ使用するので、小面積、低消費電力な構成の実現が可能である。
更に、Lレベルデータの入力からHレベルデータの入力へと変化する場合においても、入力Lレベルデータ入力後のHレベルデータに高速に応答する構成となっているので、Lレベルデータ入力に対する誤反応を防ぎ、正確なAGC動作が可能となる。
加えて、入力データが一定のパワーでなく、例えばプリアンブル期間に徐々にデータが大きくなるようなデータに対しても高速に応答できるので、この場合にも正確なAGC動作が可能となる。
このように、請求項1〜10の構成をとることによって、小信号から大信号まで幅広いダイナミックレンジに対応し、且つ、高精度なデータ受信が可能な光受信回路を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。
(第1の実施の形態)
先ず、図1を用いて、本発明の光受信回路の第1の実施の形態について説明する。
図1の光受信回路は、光の入力信号を受信し、この入力光の強度に比例した電流を出力する受光素子1と、この受光素子1により光−電気変換され、出力された電流による電気信号を増幅する為の反転増幅器2と反転増幅器2の入力INと出力OUTとの間に接続された帰還抵抗R1から構成されるトランスインピーダンスアンプ3と、トランスインピーダンスアンプ3の出力を受けて、この出力と、ある所望の値に設定した基準値(第1の比較値)VB1とを比較し、トランスインピーダンスアンプ3の出力レベルを判定し、この比較結果を出力する比較回路4と、比較回路4の比較結果を保持し、この比較結果に応じてトランスインピーダンスアンプ3の利得を調整する為のAGC信号(利得調整の為の制御信号)20を生成する制御回路5から構成される。
但し、トランスインピーダンスアンプ3はAGC信号20の入力に応じて、利得を調整できる機能を有しているものとする。また、本実施の形態における制御回路5は、過大な入力信号が入力された場合に、利得を小さく制御するように働くものとする。
ここで、前記構成による光受信回路の動作説明を行う。まず、受光素子1に小振幅の入力光を受信した場合、受光素子1では、入力光の強度に比例した電流を出力し、トランスインピーダンスアンプ3では、小振幅の入力電流を増幅して出力する。比較回路4では、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号OUTと、ある所望の値に設定した基準値VB1とを比較し、この比較結果を出力する。しかし、小振幅の電流が入力された場合には、トランスインピーダンスアンプ3の反転増幅された出力信号振幅は小さく、ある所望の値に設定した基準値VB1を下回らないので、比較回路4からは、出力信号OUTが基準値VB1を下回ったことを示す信号は出力されず、制御回路5からも、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整する為のAGC信号20は出力されない。従って、トランスインピーダンスアンプ3は常に一定の利得で、入力電流を増幅し出力し続ける。
次に、受光素子1に大振幅の入力光を受信した場合、受光素子1では、入力光に比例した電流を出力し、トランスインピーダンスアンプ3では、大振幅の入力電流を増幅して出力する。比較回路4では、トランスインピーダンスアンプ3の反転増幅された出力信号OUTと、ある所望の値に設定した基準値VB1とを比較し、出力信号OUTが基準値VB1を下回る過大な信号であった場合には、出力信号OUTが基準値VB1を下回ったことを示す信号を出力する。この比較信号を受けた制御回路5では、受けた比較信号を保持するとともに、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整する為のAGC信号20を出力する。トランスインピーダンスアンプ3では、制御信号5から受けたAGC信号20により利得を抑えるよう調整され、新たに設定された利得により入力電流を増幅し、出力する。この利得調整後の出力信号OUTを受けて、比較回路4では、更に、トランスインピーダンスアンプ3の新たに設定された利得による出力信号OUTと、ある所望の値に設定した基準値VB1とを比較し、尚且つ、出力信号OUTが基準値VB1を下回る場合には、再度、出力信号OUTが基準値VB1を下回ったことを示す信号を出力する。このように、トランスインピーダンスアンプの出力信号が基準値VB1を下回っている間は、比較回路4は信号レベルの比較を継続し、制御回路5は比較回路4からの比較結果を保持すると共に、AGC信号20を出力し、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整し続ける。そして、トランスインピーダンスアンプ3の利得が低く抑えられ、出力信号OUTが基準値VB1を上回ると、比較回路4からは、出力信号OUTが基準値VB1を下回ったことを示す信号は出力されなくなり、制御回路5からはその時設定されているAGC信号20が出力され続け、トランスインピーダンスアンプ3はその時設定されている利得で、入力電流を増幅し出力し続ける。
但しここでは、出力信号OUTが基準値VB1を下回った場合には、比較回路4からは、出力信号OUTが基準値VB1を下回ったことを示す信号が出力されると説明したが、出力信号OUTが基準値VB1を上回った場合には、比較回路4から、出力信号OUTが基準値VB1を上回ったことを示す信号を出力するような、基準値VB1の設定の仕方、比較回路4の構成等を用いても構わない。
同様に、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号が基準値VB1を上回るまで比較し続けると説明したが、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号が基準値VB1を下回るまで比較し続けるような基準値VB1の設定の仕方、比較回路4の構成等を用いても構わない。
また、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整する為のAGC信号20は、1本の制御信号で説明したが、複数のAGC信号を使用しても構わない。
図22に、トランスインピーダンスアンプ3の入力信号INと、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号OUTと、あらかじめ設定した所定の基準電圧VB1との比較動作のタイミングチャートを示す。図中、矢印で時刻ta〜teを示したように、出力信号OUTが基準電圧VB1を下回っている間は、トランスインピーダンスアンプ3の利得が調整され続けるので、出力信号OUTの振幅が時刻taから時刻teへ向かって徐々に小さくなる。そして、出力信号OUTが基準電圧VB1を上回ると、前記図1の説明のように比較回路4は、出力信号OUTが基準電圧VB1を下回っていることを示す信号が出力されなくなるので、これにより、制御回路5からは、トランスインピーダンスアンプの利得調整を行う為のAGC信号20は新たに生成されなくなり、トランスインピーダンスアンプ3の利得及び出力信号OUTの振幅は一定となり、以降そのままの振幅で出力され続ける。
また図22では、Hレベルデータ毎にAGC機能が動作しているが、トランスインピーダンスアンプ3の利得が最適に設定されるタイミングであれば、どのようなタイミングでAGC機能を働かせても構わない。
ここで、トランスインピーダンスアンプ3はAGC信号20が入力されると利得を調整できる機能を有していると明記したが、この機能については、利得調整機能付き反転増幅器を利用しても構わない。
一例として図18に、利得調整機能付き反転増幅器を示す。図18の反転増幅器では、ゲートに入力信号INが入力され、ソースがGNDに接続されたNMOSトランジスタM12と、ソースがNMOSトランジスタM12のドレインに接続され、ゲートに所望のバイアス電圧VB4が入力されたNMOSトランジスタM13と、このNMOSトランジスタM13のドレインと電源VDDとの間に接続された負荷抵抗RLと、NMOSトランジスタM12のドレインと電源VDDとの間に接続された電流源I2と、ゲートがNMOSトランジスタM13のドレインに接続され、ドレインが電源VDDに接続されたNMOSトランジスタM14と、NMOSトランジスタM14のソースとGNDとの間に接続された電流源I3とNMOSトランジスタM12のゲートとNMOSトランジスタM14のソースとの間に接続された帰還抵抗R1とから構成され、NMOSトランジスタM14のソースから出力信号OUTが出力されるトランスインピーダンスアンプ3に、ソースがNMOSトランジスタM12のゲートに接続され、ドレインがNMOSトランジスタM12のドレインに接続され、ゲートに制御電圧AGC信号が印加されるNMOSトランジスタM15を追加した構成を示す。
この構成では、大電流入力時にAGC信号20がNMOSトランジスタM15のゲートに印加されることによって、NMOSトランジスタM15に過剰電流が引き抜かれ、また、反転増幅器の利得が下げられるので、トランスインピーダンスアンプ3における飽和の抑制が可能となる。
但しここで示したのは一例であり、利得調整機能のある反転増幅器であればどのような構成のものを用いても構わない。
また、図19に示すように、トランスインピーダンスアンプ3において、帰還抵抗R1に並列に接続された複数のNMOSトランジスタM1a、M1b、・・・を用意し、並列に接続された1つ又は複数のNMOSトランジスタM1a、M1b、・・・にトランスインピーダンスアンプ3の利得を調整する為の制御信号AGCa、AGCb、・・・を与え、オンしたときの抵抗値を利用して、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整しても構わない。
但しここでは、トランスインピーダンスアンプ3の利得の調整をNMOSトランジスタで行ったが、PMOSトランジスタを使用しても、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタを両方使用しても構わない。
また、図20に示すように、トランスインピーダンスアンプ3において、帰還抵抗R1と帰還抵抗R1に並列に接続された1つ又は複数の帰還抵抗R2a、R2b、・・・とスイッチSW2a、SW2b、・・・とを直列に接続したものを用意し、これらスイッチSW2a、SW2b、・・・をトランスインピーダンスアンプ3の利得を調整する為の制御信号AGCa、AGCb、・・・に応じてON、OFFすることによって、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整しても構わない。
更に、図21に示すように、トランスインピーダンスアンプ3において、1つ又は複数の反転増幅器2a、2b、・・・と、各々の反転増幅器を切り替えるためのスイッチSW3a、SW3b、・・・を用意し、スイッチSW3a、SW3b、・・・をON、OFFすることによって、適正な反転増幅器を選択し、トランスインピーダンスアンプ3の利得及び帯域を調整しても構わない。
このようにトランスインピーダンスアンプ3の利得を調整できるいくつかの機能を示したが、これらの機能を単独で使用しても、組み合わせて使用してもよく、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整できる方法であればその他どのような手法を用いても構わない。
次に、図14に、比較回路4の具体例を示す。図14の比較回路4は、ゲートにあらかじめ設定した所定の基準電圧VB1を入力するPMOSトランジスタM1と、ソースがM1のソースと接続され、ゲートにトランスインピーダンスアンプ3の出力信号OUTを入力するPMOSトランジスタM2と、ドレインがPMOSトランジスタM1のドレインと接続され、ソースがGNDに接続されたNMOSトランジスタM3と、ドレインがPMOSトランジスタM2のドレインと接続され、ゲートがNMOSトランジスタM3のドレイン及びゲートに接続され、ソースがGNDに接続されたNMOSトランジスタM4と、PMOSトランジスタM1及びM2のソースと電源VDDとの間に接続された電流源I1とから構成され、NMOSトランジスタM4のドレインから出力信号COUTが出力される構成とする。
ここで、前記構成の比較回路についての動作説明を行う。図14に示した比較回路4では、あらかじめ設定した所定の基準電圧VB1とトランスインピーダンスアンプ3の出力信号OUTとを比較し、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号OUTがあらかじめ設定した所定の基準電圧VB1を下回った場合には、PMOSトランジスタM2に電流が流れ、出力信号COUTがHとなる。
但し、ここで示した構成は一例であり、トランスインピーダンスアンプ3の出力と所望の基準値VB1を比較できる構成であれば、どのような構成でも構わない。また出力信号の極性が反対になっても構わない。
本実施の形態の構成をとることにより、従来は複数の基準値、複数の比較回路を用いてトランスインピーダンスアンプ3の利得を調整する必要があったが、本発明では、基準値及び比較回路を共に1つのみを設ける構成により、同様にトランスインピーダンスアンプ3の利得を調整することができ、また、比較回路を1つのみ接続している為、トランスインピーダンスアンプ3の出力ノードの負荷を小さく設定出来るので、高速応答時にも、広ダイナミックレンジな入力に対して高精度な応答が可能な光受信回路を実現することができる。また、基準値及び比較回路をともに1つのみ使用するため、小面積、低消費電力化も可能となる。
更に、制御回路5に複数のリセット信号を入力、又は、制御回路5に1つ又は複数のリセット信号RETを入力し、これを元に複数のリセット信号を生成することによって、随時、保持している比較結果の初期化(リセット)を行うことができ、バースト信号等、不連続信号への対応が可能となる。また、このリセット信号RETa、RETb、・・・を使用して、順次比較回路4からの出力を制御回路5で保持し、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整するAGC信号20を生成することが可能となる。このような制御回路5の具体例を図3〜図8を用いて説明する。
先ず、図3に本発明の第1の実施の形態における制御回路5の具体例Aを示す。尚、図3において、制御回路5の内部構成以外については、図1について前記に示したので、同一部分の説明は省略する。
図3の制御回路5は、比較回路4から出力される比較結果を保持する複数のラッチ回路6a、6b、・・・と、複数のラッチ回路6a、6b、・・・の出力結果MOUTa、MOUTb、・・・よりトランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為の制御信号としてAGC信号20を生成する制御信号生成回路7から構成される。
ここで、前記構成の制御回路5の動作説明を行う。制御回路5ではまず、複数のラッチ回路6a、6b、・・・が各々リセット信号(保持値リセット信号)RETa、RETb、・・・によりリセットされ、非動作状態になる。次に、ラッチ回路6aに入力されるリセット信号RETaがリセット解除にされ、ラッチ回路6aが動作状態になることによって、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTと基準値VB1とを比較した比較結果が比較結果MOUTaとしてラッチ回路6aに保持されるとともに、この比較結果MOUTaが出力される。
制御信号生成回路7では、この比較結果MOUTaを用いて、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為のAGC信号20を出力し、トランスインピーダンスアンプ3は調整された利得において増幅した信号を出力する。次に、ラッチ回路6bのリセットが、リセット信号RETbによって解除され、ラッチ回路6bを動作させることによって、利得調整を行ったトランスインピーダンスアンプ3の出力OUTと基準値VB1の比較結果が保持され、比較結果MOUTbが出力される。制御信号生成回路7では、この比較結果MOUTbを用いて、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為のAGC信号20を出力し、トランスインピーダンスアンプ3は調整された利得において増幅した信号を出力する。
このように、ある所望のタイミングで順次ラッチ回路6a、6b、・・・のリセットが解除されると、順次ラッチ回路6a、6b、・・・にトランスインピーダンスアンプ3の出力OUTと基準値VB1の比較結果が保持されるので、制御信号生成回路7では、この比較結果MOUTa、MOUTb、・・・を用いて、順次トランスインピーダンスアンプの利得調整を行う為のAGC信号20を生成し、最終的に、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTが基準値VB1を上回るまで、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整し続ける。
更に、複数のラッチ回路6a、6b、・・・に改めてリセット信号RETa、RETb、・・・を入力し、リセットすると、複数のラッチ回路6a、6b、・・・は初期化され、新たにAGC機能を動作させることが可能となる。
また、ここでは、制御信号生成回路7より、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為のAGC信号20を出力すると明記したが、比較結果MOUTa、MOUTb、・・・をそのまま制御信号に使用しても構わない。
図4に本実施の形態における制御回路5の具体例Bを示す。
図3に示した制御回路5の具体例Aで、複数のラッチ回路6a、6b、・・・には、順次リセット信号RETa、RETb、・・・を入力するとしたが、このリセット信号は外部からRETa、RETb、・・・と順に、一定又は最適なタイミングで入力しても構わないが、入力信号数が多い場合は、外部での構成及びタイミング調整が困難である。そこで、図4に示す本実施の形態の制御回路5では、外部からの1つ又は複数のリセット信号RETを受けて、複数のラッチ回路6a、6b、・・・に入力するリセット信号(保持値リセット信号)RETa、RETb、・・・をリセット信号生成回路8で内部生成する構成とする。
また、これに加えて、リセット信号RETa、RETb、・・・はリセット信号RETを基に遅延回路を用いて生成してもよいし、最適なタイミングでリセットを解除できる構成であれば、その他どのような構成を用いても構わない。
更に、リセット信号生成時に、まずラッチ回路6aのみリセット信号RETaでリセットを解除しておき、ラッチ回路6aの出力信号が変化した時、すなわち、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTが基準値VB1を下回った時のみ、残りのリセット信号RETb、・・・を生成するとすれば、トランスインピーダンスアンプ3の入力電流が大きく、AGC機能が必要な時のみリセット信号が生成されることになり、通常使用時の低雑音化、低消費電力化が図れる。
図5に本実施の形態における制御回路5の具体例Cを示す。
本実施の形態では、図4の制御回路5の具体例Bに加え、トランスインピーダンスアンプ3の利得が適正に調整され、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTが基準値(第1の比較値)VB1を上回った場合には、制御信号生成回路7が、リセット信号生成回路8へSTOP信号21を送信し、リセット信号生成回路8のその時の状態を保持し、新たなラッチ動作をしない機能が追加される。
このことにより、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTが基準値VB1を上回り、それ以上トランスインピーダンスアンプ3の利得調整が必要なくなった場合には、リセット信号生成回路及びラッチ回路動作を停止することによって、無駄な回路動作及び出力を停止し、雑音特性の向上及び低消費電力化が図れる。
図6に本実施の形態における制御回路5の具体例Dを示す。
本実施の形態では、図4の制御回路5の具体例Bに加え、トランスインピーダンスアンプ3の利得が適正に調整され、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTが基準値(第1の比較値)VB1を上回った場合には、制御信号生成回路7が、複数のラッチ回路6a、6b、・・・へSTOP2信号22を送信し、複数のラッチ回路6a、6b、・・・のその時の状態を保持し、新たな信号を生成しないように動作する機能が追加される。
ここで、複数のラッチ回路6a、6b、・・・は動作を停止すると明記したが、データを別途保持し、全てのラッチ回路6a、6b、・・・の動作を停止しても構わないし、使用しなかったラッチ回路のみ停止しても構わない。
また、ラッチ回路6a、6b、・・・の動作の停止については、リセット信号RETa、RE Tb、・・・とSTOP2信号22との論理和をとり、STOP2信号22が入力されたときにはリセット信号RETa、RETb、・・・が働く構成とし、動作を停止させてもよく、また、強制的にラッチ回路を停止しても構わない。
これにより、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTが基準値VB1を上回り、それ以上トランスインピーダンスアンプ3の利得調整が必要なくなった場合には、ラッチ回路動作を停止することによって、無駄な回路動作及び出力を省き、雑音特性の向上及び、低消費電力化を図ることができる。
図7に本実施の形態における制御回路5の具体例Eを示す。
図3の制御回路5の具体例Aでは、複数のラッチ回路6a、6b、・・・には、外部から順次リセット信号RETa、RETb、・・・を入力するとしたが、本実施の形態では、外部から制御信号生成回路7へ1つ又は複数のリセット信号RETを入力し、このリセット信号RETと複数のラッチ回路6a、6b、・・・が出力する比較結果MOUTa、MOUTb、・・・とに基づいてリセット信号(保持値リセット信号)RETa、RETb、・・・を生成し、これら生成したリセット信号RETa、RETb、・・・を、複数のラッチ回路6a、6b、・・・の各々に入力することにより、その動作を順次開始させる。
ここで、前記構成の制御回路5の動作説明を行う。制御信号生成回路10では、外部より入力されたリセット信号RETに基づいてリセット信号RETa、RETb、・・・を生成し、複数のラッチ回路6a、6b、・・・を初期化し、これら複数のラッチ回路6a、6b、・・・を非動作状態にする。次に、リセット信号RETaを用いてラッチ回路6aのリセット解除することにより動作状態にし、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTと基準値VB1との比較結果を保持する。この保持した比較結果MOUTaが出力されると、トランスインピーダンスアンプ3では利得の調整がおこなわれ、トランスインピーダンスアンプ3では、調整された利得で増幅された信号を出力する。次に、ラッチ回路6aの比較結果MOUTaの出力より少し遅れたタイミングでリセット信号RETbを生成する。そして、上述したのと同様に、リセット信号RETbを用いてラッチ回路6bのリセット解除を行い、利得の調整されたトランスインピーダンスアンプ3の出力OUTと基準値VBの比較結果を保持する。また、保持した比較結果MOUTbが出力されると、トランスインピーダンスアンプ3では利得の調整が行われ、トランスインピーダンスアンプ3では、調整された利得で増幅された信号が出力される。
このように、出力される比較結果MOUTa、MOUTb、・・・に基づいて、順次リセット信号RETa、RETb、・・・を生成し、順次複数のラッチ回路6a、6b、・・・に、利得調整を行なったトランスインピーダンスアンプ3の出力OUT及び基準値VB1の比較結果を保持することによって、高精度なタイミングでAGC機能動作を行うことを可能としている。
更に、この構成では、ストップ信号を新たに生成しなくても、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTが基準値VB1を上回ったところで、比較結果MOUTn(以下、nはa、b、・・・を示す)は変化しなくなり、新たなリセット信号は生成されなくなるので、無駄な回路動作を省略することができ、低消費電力化が図れる。
但し、ここでは、比較結果MOUTaの出力より少し遅れたタイミングでリセット信号RETbを生成するとしたが、このタイミングは遅延回路を用いてもよいし、その他どのような構成を用いても構わない。
続いて、図15に、ラッチ回路6a、6b、・・・の具体例としてラッチ回路6を示す。ラッチ回路6は、ゲートに比較回路4の出力信号COUTを入力し、ソースがGNDに接続されたNMOSトランジスタM5と、ゲートがNMOSトランジスタM5のドレインに接続され、ソースがVDDに接続されたPMOSトランジスタM6と、ドレインがPMOSトランジスタM6のドレインに接続され、ソースがGNDに接続されたNMOSトランジスタM7と、ドレインがPMOSトランジスタM6のドレインに接続され、ソースがVDDに接続されたPMOSトランジスタM8と、ドレインがPMOSトランジスタM6のドレインに接続され、ソースがGNDに接続されたNMOSトランジスタM9と、ゲートがPMOSトランジスタM8のドレインに接続され、ソースがVDDに接続され、更にドレインがPMOSトランジスタM8のゲートに接続されたPMOSトランジスタM10と、ゲートがNMOSトランジスタM9のドレインに接続され、ソースがGNDに接続され、更にドレインがNMOSトランジスタM9のゲートとPMOSトランジスタM10のドレインとに接続されたNMOSトランジスタM11とから構成され、NMOSトランジスタM11のドレインから出力信号ROUTが出力される構成とする。
ここで、前記構成のラッチ回路6の動作説明を行う。ラッチ回路6では、まずリセット信号RETにHを入力すると、NMOSトランジスタM7がONとなり、PMOSトランジスタM8、NMOSトランジスタM9、PMOSトランジスタM10、及びNMOSトランジスタM11で正帰還がかかり、NMOSトランジスタM9、PMOSトランジスタM10がONとなり、出力信号ROUTにHが出力される。次に、リセット信号RETにLを入力することによりリセット解除した後、比較回路4の出力信号COUTにHが入力されると、NMOSトランジスタM5、PMOSトランジスタM6がONとなり、PMOSトランジスタM8、NMOSトランジスタM9、PMOSトランジスタM10、及びNMOSトランジスタM11で正帰還がかかり、PMOSトランジスタM8、NMOSトランジスタM11がONとなり、出力信号ROUTがLに変化する。
その後、PMOSトランジスタM8、NMOSトランジスタM9、PMOSトランジスタM10、NMOSトランジスタM11では正帰還がかかり続けるので、改めてリセット信号RETにHが入力されない限り、この値が保持され続ける。
但し、ここでは、リセット信号RETにHが入力されたときに初期化されると明記したが、ラッチ回路6a、6b、・・・の構成によっては、信号極性は反対になっても構わない。
また、ラッチ回路6a、6b、・・・はこの構成に限らず、比較回路4の出力信号を保持できる構成であれば、どのような構成でも構わない。
図16に制御回路内の制御信号生成回路10の具体例を示し、また、図24、及び図25に、この制御信号生成回路10のタイミングチャートを示す。
制御信号生成回路10は、外部からのリセット信号RET及び複数のラッチ回路6a、6b、・・・の出力する比較結果MOUTa、MOUTb、・・・に基づいて、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為のAGC信号を生成する。
このAGC信号を生成するために、制御信号生成回路10は、まず、比較結果MOUTa、MOUTb、・・・の逆相信号/MOUTa、/MOUTb、・・・を生成する。
これら生成した比較結果MOUTa、MOUTb、・・・及び逆相信号/MOUTa、/MOUTb、・・・と電源電圧VDDとを用いて、2入力のAND演算を行う。2入力型のAND回路に入力する信号は、生成された比較結果に対して、前回生成された比較結果の逆相信号を組み合わせた2つの信号を入力するものとする。すなわち、生成されたのが、例えば、比較結果MOUTcであった場合、この1回前に生成された比較結果の逆相信号/MOUTbと比較結果MOUTcとを組み合わせた2つの信号をAND回路(図16ではAND回路AND0b)に入力される。同様にして、生成される比較結果に対してAND回路AND0a〜AND0zまでのAND演算が行われる。但し、最初に生成される比較結果MOUTa及び最後に生成される比較結果の逆相信号/MOUTzに対しては、電源電圧VDDとの論理和が演算される。このようにして、順次生成される比較結果に基づいてAND回路AND0a〜AND0zの何れか1つからHの信号が出力される。
一方、トランスインピーダンスアンプ3の利得を制御する為の設定電圧Va、Vb、・・・Vz(Va<Vb<・・・<Vz)を予め用意し、各々スイッチSWa、SWb、・・・、SWzを介して、AGC信号を供給するラインに接続する。これらスイッチSWn(nはa〜zを示す)には、上述のAND回路AND0n(nはa〜zを示す)が対応し、例えば、AND回路AND0bの出力がHのとき、スイッチSWbがONとなり、AGC信号を供給するラインには、設定電圧Vbが出力される。
このように、出力される比較結果MOUTa、MOUTb、・・・に応じて、順次設定電圧Va、Vb、・・・、Vzが選択され、AGC信号として、例えば図18のようなトランスインピーダンスアンプ3のAGC信号入力ゲートへ入力され、利得調整が行われる。
但しここでは、AND回路を用いたが、順次設定電圧Va、Vb、・・・、Vzを選択できる構成であれば、どのような論理回路でも、また、アナログ回路でも構わない。
また、AGC信号として、設定電圧Va、Vb、・・・、Vz(Va<Vb<・・・<Vz)を設定したが、電圧の関係はこの限りではない。
更に、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTが基準値VB1を下回っていたとき、比較回路4の出力をラッチ回路6nでラッチした比較結果MOUTnをLとしたが、比較回路4、ラッチ回路6nの構成により極性が反対になっても構わない。但し、ここでnはa〜zを示すものとする。
またここでは、AGC信号をトランスインピーダンスアンプ3に出力するラインを1本としたが、複数のAGC信号a、AGC信号b、・・・を生成し、例えば図19のようなトランスインピーダンスアンプ3へ入力し、利得調整を行っても構わない。
また、ここでは設定電圧Va、Vb、・・・、Vzを選択したが、設定電圧を選択するのではなく、ロジックレベルの電圧を出力し、例えば図20、図21のようなトランスインピーダンスアンプ3へ入力、スイッチをON、OFFして利得調整を行っても構わない。
更に、直接比較結果MOUTa、MOUTb、・・・を利用して制御を行っても構わない。
図16に示す制御信号生成回路10では、更に、外部からのリセット信号RETと複数のラッチ回路6a、6b、・・・の比較結果MOUTa、MOUTb、・・・とに基づいて複数のラッチ回路6a、6b、・・・に各々入力するリセット信号RETa、RETb、・・・を生成し、これらリセット信号RETa、RETb、・・・を生成する為に、インバータ回路INV2a及び3入力のNAND回路NAND2b、NAND2c、・・・NAND2zを備える。
まず、制御信号生成回路10では、比較結果MOUTa、MOUTb、・・・の逆相信号/MOUTa、/MOUTb、・・・が生成される。
ここで、リセット信号RETaは、インバータ回路INV2aの出力とし、この入力端子には外部から入力されるリセット信号RETが入力される。また、リセット信号RETb〜RETzは、NAND回路NAND2b〜NAND2zの出力とし、それぞれのNAND回路には、リセット信号RET、逆相信号/MOUTa〜/MOUTy、及び、遅延回路Delaya〜Delayyを介した逆相信号/MOUTa〜/MOUTyが入力される。例えば、リセット信号RETcの生成は、NAND回路NAND2cにより行われ、NAND回路NAND2cに入力される外部からのリセット信号RETがHであり、また、逆相信号/MOUTbとしてHが入力されてからDelaybの遅延時間が経過した後に、NAND回路NAND2cの全ての入力がHとなり、この出力であるリセット信号RETcはLレベルとなり、それ以外の場合はHレベルの値となる。
本実施の形態では、リセット信号RETa〜RETzが値Hをとる間は、これらが入力されるラッチ回路6a〜6zはリセット状態であり、H→Lとなることによりリセットが解除される。
このように、順次比較結果/MOUTa、/MOUTb、・・・を遅延させたリセット信号RETa、RETb、・・・を生成し、ラッチ回路6a、6b、・・・に入力することにより、ラッチ回路6a、6b、・・・では順次リセットが解除され、ラッチ動作が行なわれる。
ここで、リセット信号RETをNANDへの入力信号の1つに加えたのは、リセット信号RETb、RETc、・・・、RETzの初期リセットを行う為である。
また、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTが基準値VB1を上回ると、比較回路4からLが出力されるので、ラッチ回路6nの出力/MOUTnはずっとLのままとなり、リセット信号RETn+1によるラッチ回路6n+1の新たなリセット解除は停止される。このことにより、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整の必要がなくなると、それ以降のラッチ回路動作は停止でき、無駄な回路動作がなくなることによる低消費電力化が図れる。
但しここでは、リセット信号RETnの出力値がHの間はリセットされ、H→Lでラッチ回路6nのリセットが解除されるとしたが、ラッチ回路6nの構成により、極性が反対になっても構わない。
ここで、前記構成の制御信号生成回路10の動作を図24及び図25のタイミングチャートを用いて説明する。
図24は、トランスインピーダンスアンプ3の入力信号TIA_INに対する出力信号TIA_OUTの変化を、逆相信号/MOUTa、/MOUTb、・・・、/MOUTg及びスイッチSWa、SWb、・・・、SWgの動作に対して示した図であり、図25は、図24に示したのと同一のトランスインピーダンスアンプ3の入力信号TIA_INに対する出力信号TIA_OUTの変化を、逆相信号/MOUTa、/MOUTb、・・・、/MOUTg及びリセット信号RET、RETa、RETb、・・・、RETgの動作に対して示した図である。尚、図24及び図25に示したTIA_INはトランスインピーダンスアンプ3の入力信号、TIA_OUTはトランスインピーダンスアンプ3の出力信号、また、Vrefは、比較回路4において出力信号TIA_OUTと比較される比較値を示す。
図24及び図25では、時刻t1においてトランスインピーダンスアンプ3に入力信号TIA_INが入力されることを示している。
ここでは先ず、図25に示すように、時刻t0では、ラッチ回路6aのリセット信号RETaが解除されており、且つ、出力信号TIA_OUTが比較回路4の比較値Vrefを上回っているので、ラッチ回路6aの出力する比較結果MOUTaの値はH(比較結果/MOUTaの値はL)であり、図16の制御信号生成回路10におけるAND回路AND0aは値Hを出力する。これにより、図24に示すように、スイッチSWaは選択され、設定電圧VaがAGC信号としてトランスインピーダンスアンプ3に入力される。
時刻t1では、この設定電圧VaによるAGC信号で設定されるトランスインピーダンスアンプ3の利得による時刻t1の入力信号TIA_INに対する出力信号TIA_OUTは、比較回路4の比較値Vrefを下回ることが示されている。このため、比較結果MOUTaはLに、すなわち、逆相信号/MOUTaはHになり、図16に示したNAND回路NAND2bにより、所定の遅延時間経過後にラッチ回路6bのリセットが解除され、ラッチ回路6bに新たな比較結果MOUTbが保持される。これにより、図16の制御信号生成回路10のAND回路AND0aはL、また、AND回路AND0bはHとなり、スイッチSWbが選択されることにより、トランスインピーダンスアンプ3には、設定電圧Vbが入力されることになる。
時刻t2では、この設定電圧Vbを受けて利得調整されたトランスインピーダンスアンプ3により、新たに出力される出力信号TIA_OUTの値が少し上昇している。しかし、比較値Vrefに対しては、依然、下回っているため、更に、ラッチ回路6cのリセットが解除される。これにより、前記同様に制御信号生成回路10のAND回路AND0cはHとなり、スイッチSWcが選択されることにより、トランスインピーダンスアンプ3には、設定電圧Vcが入力される。
時刻t3では、この設定電圧Vcによる利得調整により、出力信号TIA_OUTが比較値Vrefを上回ることが示される。このようにして、トランスインピーダンスアンプ3の利得が適正に調整される。図24では、入力信号TIA_INのレベルが時刻t4まで変化しないので、この状態が時刻t4まで保持される。
しかし、時刻t4において、入力信号TIA_INのレベルが上昇するので、これに対して、出力信号TIA_OUTも変化し、再び、比較値Vrefを下回る。そして、これ以降は、上述の動作と同様に、出力信号TIA_OUTが比較値Vrefを上回るまで、利得調整が行われる。
(第2の実施の形態)
次に、図8を用いて、本発明の受信回路の第2の実施の形態について説明を行う。
本実施の形態における受信回路は、第1の実施の形態の受信回路の制御回路5がラッチ回路により、比較回路4の比較結果を保持していた構成に対して、レジスタ回路により順次比較回路4の比較結果を保持する構成において第1の実施の形態と異なる。
ここでは、レジスタ回路以外については、第1の実施の形態に示しているので、同一部分の説明は省略する。
図8に示す本実施の形態における受信回路が備える制御回路5は、比較回路4から出力される比較結果を順次保持するシフトレジスタ回路11a、11b、・・・と、シフトレジスタ回路11a、11b、・・・の出力結果MOUTa、MOUTb、・・・に基づいてトランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為の制御信号であるAGC信号20を生成する制御信号生成回路7とから構成される。
ここで、前記構成の制御回路5について動作説明を行う。制御回路5ではまず、シフトレジスタ回路11a、11b、・・・にリセット信号RETが入力され、初期化される。

次に、前記シフトレジスタ回路11a、11b、・・・のリセット信号RETが解除されると、その後、シフトレジスタ回路11aから比較結果MOUT2aとして値Hが出力され、この結果より制御信号生成回路7では、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為のAGC信号20を出力し、トランスインピーダンスアンプ3は調整された利得において増幅した信号を出力する。次に、調整された利得において、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号が尚且つ基準値VB1を下回る場合、シフトレジスタ回路11a、11bから比較結果MOUT2a、MOUT2bとして値Hが出力され、この結果より制御信号生成回路7では、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為のAGC信号20を出力し、トランスインピーダンスアンプ3は調整された利得において増幅した信号を出力する。
以後、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号が基準値VB1を下回る限り、シフトレジスタは動作し、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整し続ける。そして、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号が基準値VB1を上回ると、シフトレジスタの変化は止まるので、その後は、その際に設定された適正なシフトレジスタの出力に応じた(AGC信号に応じた)利得を保持し続ける。
この装置では、複雑なリセット信号作成が不要であり、Hレベルの信号が入力される毎に応答できるので、高速応答可能な構成となる。
また、第1の実施の形態における場合と同様に、制御回路5にリセット信号RETを用いることにより、バースト信号等の不連続信号への対応が可能となる。
但しここでは、出力信号OUTが基準値VB1を下回ると、比較回路4より比較結果MOUTnに対して値Hが出力されると明記したが、基準値VB1の設定の仕方や比較回路4の構成等により、値Lが出力されても構わない。
更に、ここでは、制御信号生成回路7より、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為のAGC信号20を出力すると明記したが、出力結果MOUTa、MOUTb、・・・をそのまま制御信号に使用してもよい。
(第3の実施の形態)
次に、図9を用いて、本発明の受信回路の第3の実施の形態について説明を行う。
図9に示す本実施の形態における受信回路は、トランスインピーダンスアンプ3の出力の中間値を生成する基準値生成回路12、トランスインピーダンスアンプの出力と基準値生成回路12の出力とを入力し、差動信号を生成する差動増幅回路13を追加した構成において第1の実施の形態と異なる。
データ通信等、後段のアンプ回路で差動信号が必要な場合には、本発明の第1の実施の形態の構成では、出力信号OUTはシングルの信号である為、本発明のようなシングル−差動変換が必要となる。
また、任意のタイミングで、基準値生成回路12にリセット信号(中間値リセット信号)を入れて初期化を行うことができることにより、バースト信号等、不連続信号に対しても応答可能となる。
また、基準値生成回路12は、トランスインピーダンスアンプ3の出力の最小値と最大値を検出し、そこから中間値を求めてもよいし、中間値をそのまま求めてもよいし、中間値を生成できるものであれば、どのような構成でも構わない。
ここでは、上記構成以外については、第1の実施の形態に示しているので、同一部分の説明は省略する。
図10に本実施の形態における受信回路の基準値生成回路12の具体例を示す。
基準値生成回路12は、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTに並列に接続された2つ以上の基準値生成回路(中間値生成回路)12a、12b、・・・と、これら基準値生成回路12a、12b、・・・に直列に接続された各々の出力を選択するスイッチ(中間値選択スイッチ)MSWa、MSWb、・・・とから構成され、差動増幅回路13は、トランスインピーダンスアンプ3の出力と、前記基準値生成回路12の出力とを入力し、差動出力(差動信号)OUTA及びOUTBを出力する。
ここで、前記構成の基準値生成回路12について動作説明を行う。各々の基準値生成回路12a、12b、・・・には、まず初期化の為のリセット信号(中間値リセット信号)RET2a、RET2b、・・・が入力され、各々の有する中間値が初期化される。次に、トランスインピーダンスアンプ3からの出力信号OUTが入力されると、まずリセット信号RET2aを解除し、基準値生成回路12aを動作させると共に、基準値生成回路12aに直列に接続されたスイッチMSWaにONする選択信号MSWSaを入力し、基準値生成回路12aの出力を差動増幅回路13に接続する。この時、基準値生成回路12a以外の基準値生成回路12b、・・・はリセットされ、基準値生成回路12b、・・・に直列に接続されたスイッチMSWb、・・・にはOFFする選択信号MSWSb、・・・が入力されて、差動増幅回路13との接続は切断されている。
次に、トランスインピーダンスアンプ3の利得が変化した場合には、出力振幅が変化するので、変化後の正確な中間値を生成する為に、新たに基準値生成回路12bを使用するとし、リセット信号RET2bを解除し、基準値生成回路12bを動作させると共に、基準値生成回路12bに直列に接続されたスイッチMSWbにONする選択信号MSWSbを入力し、基準値生成回路12bの出力を差動増幅回路13に接続する。この時、基準値生成回路12aには再度リセットRET2aを入力し、基準値生成回路12aに直列に接続されたスイッチMSWaにはOFFする選択信号MSWSaを入力し、接続を切断する。
このように2つ以上の基準値生成回路12a、12b、・・・を適時切り替えることにより、常にその時々に適正な基準値を作成する。
また、基準値生成回路12の切り替え方法として、2つの基準値生成回路12a、12bを交互に使用しても構わない。特に、基準値生成回路12a、12bを交互に使用する方法は、少ない構成要素で、且つ常に正確な基準値生成が可能であり、非常に効果的な基準値生成手法である。
また、初期のみトランスインピーダンスアンプ3の利得調整が大きい場合には、初期のみ基準値生成回路12aを使用し、それ以降は基準値生成回路12b、・・・を順次又は交互に使用するといったように、基準値生成回路12a、12b、・・・を切り替えてもよい。
また、選択信号MSWSa、MSWSb、・・・の切り替えは、トランスインピーダンスアンプ3の利得が変化した場合と明記したが、適正な基準値作成が出来るタイミングであればこの限りではない。
次に図11、図12を用いて本実施の形態における受信回路の制御回路14の具体例を示す。
図11の受信回路における制御回路14では、比較回路4の比較結果と外部から入力されるリセット信号RETとに基づいて、基準値生成回路12の構成要素である基準値生成回路(中間値生成回路)12a、12b、・・・の基準値をリセットするリセット信号RET2a、RET2b、・・・及び基準値生成回路12a、12b、・・・を差動増幅回路13に接続するスイッチ(中間値選択スイッチ)MSWSa、MSWSb、・・・をON、OFFする信号を出力する。この制御回路14の詳細な構成について図12を用いて説明する。
制御回路14は、複数のラッチ回路6a、6b、・・・と、外部からのリセット信号RETと複数のラッチ回路6a、6b、・・・の比較結果MOUTa、MOUTb、・・・をもとにトランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為のAGC信号20を生成すると共に、複数のラッチ回路6a、6b、・・・に各々入力するリセット信号(保持値リセット信号)RETa、RETb、・・・と、基準値生成回路12a、12b、・・・に各々入力するリセット信号(中間値リセット信号)RET2a、RET2b、・・・と、基準値生成回路12a、12b、・・・の出力を選択するスイッチMSWa、MSWb、・・・への選択信号(中間値選択スイッチの開閉信号)MSWSa、MSWSb、・・・を生成する制御信号生成回路15から構成される。
ここで、前記構成の制御回路14について動作説明を行う。制御回路14の備える制御信号生成回路15は、外部からのリセット信号RETに基づいて、リセット信号RETa、RETb、・・・によりラッチ回路6a、6b、・・・の初期化を行う。また、リセット信号RET2a、RET2b、・・・により基準値生成回路12a、12b、・・・の初期化を行う。
次に、制御信号生成回路15は、ラッチ回路6aをリセット解除する信号に切り替えたリセット信号RETaをラッチ回路6aに入力して比較回路の出力を保持する動作状態にし、また同様に、基準値生成回路12aのリセット信号RET2aを解除して基準値生成回路12aを動作させ、出力を選択するスイッチMSWaへの選択信号MSWSaをONし、基準値生成回路12aで生成した基準値を差動増幅回路13に入力する。但し、基準値生成回路12a以外の基準値生成回路12b、・・・のリセット信号RET2b、・・・はリセットを掛けたままとし、基準値生成回路12b、・・・の出力を選択するスイッチMSWb、・・・への選択信号MSWSb、・・・はOFFとする。
次に、ラッチ回路6aが比較回路4の比較結果を保持し、比較結果MOUTaが出力されると、トランスインピーダンスアンプ3に、利得調整を行うためのAGC信号20を出力し、トランスインピーダンスアンプ3では、新たに設定された利得で、入力電流を増幅する。基準値生成回路12bでは、トランスインピーダンスアンプ3で新たに設定された利得での正確な中間値を生成する為、リセット信号RET2bでリセットの解除を行い、基準値生成回路12bを動作させると共に、出力を選択するスイッチMSWbへの選択信号MSWSbをONする。またこの時、基準値生成回路12aをリセット信号RET2aで再びリセットし、基準値生成回路12aの出力を選択するスイッチMSWaへの選択信号MSWSaをOFFし、接続を切断する。但し、基準値生成回路12c、・・・のリセット信号RET2cはリセットが掛かったままとし、基準値生成回路12c、・・・の出力を選択するスイッチMSWc、・・・への選択信号MSWSc、・・・はOFFとする。更に、ラッチ回路6bでは、トランスインピーダンスアンプ3で新たに設定された利得での比較結果を保持する為、ラッチ回路6bのリセット解除を行うリセット信号RETbを入力し、比較結果を保持する。
ここで、リセット信号RETbは、トランスインピーダンスアンプ3での利得調整時の変動を受けないよう、ラッチ回路6aの比較結果MOUTaより少し遅れたタイミングで生成される。また、リセット信号RET2a、RET2b、・・・、選択信号MSWSa、MSWSb、・・・も、トランスインピーダンスアンプ3での利得調整時の変動を受けないよう、ラッチ回路6aの比較結果MOUTaより少し遅れたタイミングで生成される。
このように、本構成では、比較結果MOUTa、MOUTb、・・・をもとにリセット信号RETa、RETb、・・・、リセット信号RET2a、RET2b、・・・、及び、選択信号MSWSa、MSWSb、・・・を生成するので、高精度な比較結果の保持、トランスインピーダンスアンプ3の利得制御、トランスインピーダンスアンプ3の正確な中間値の生成が可能な構成を実現できる。
また、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整の必要がなくなった場合、すなわち、比較回路4において、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTの値が基準値VB1を上回った場合であっても、ストップ信号を用いずに、リセット信号RETa、RETb、・・・の新たな生成を停止することが可能であり、従って、無駄な比較動作やラッチ動作が不要となり、低消費電力化が図れる。
但しここで、リセット信号RETbはラッチ回路6aの比較結果MOUTaより少し遅れたタイミングで生成されるとしたが、この遅れたタイミングの生成は遅延回路を用いてもよいし、その他どのような構成を用いても構わない。
また、リセット信号RET2a、RET2b、・・・、及び、選択信号MSWSa、MSWSb、・・・はラッチ回路6aの比較結果MOUTaより少し遅れたタイミングで生成されるとしたが、この遅れたタイミングの生成は遅延回路を用いてもよいし、ゲート遅延を用いてもよいし、その他どのような構成を用いても構わない。
更に、前記構成は複数の基準値生成回路12a、12b、・・・を使用する場合を示したが、複数の基準値生成回路を順次使用してもよいし、2個又は複数の基準値生成回路を交互に使用してもよいし、使用方法は、高精度な基準値を生成できる構成であれば、どのような構成でも構わない。
また、ここでは複数のラッチ回路6a、6b、・・・の比較結果MOUTa、MOUTb、・・・を元に説明したが、これらに替えて比較結果MOUTa、MOUTb、・・・を保持するシフトレジスタ回路11a、11b、・・・を用いて、上述の、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行うAGC信号20、シフトレジスタ回路11a、11b、・・・をリセットするリセット信号RETa、RETb、・・・、また、基準値生成回路12a、12b、・・・の基準値をリセットするリセット信号RET2a、RET2b、・・・、及び、選択信号MSWSa、MSWSb、・・・を生成してもよい。またそれ以外の、比較回路の比較結果を保持する構成を使用しても構わない。
以下、図17に制御信号生成回路15の具体例を示し、この制御信号生成回路15のタイミングチャートを図24及び図26に示す。
図17に示す回路は、外部からのリセット信号RETと複数のラッチ回路6a、6b、・・・の比較結果MOUTa、MOUTb、・・・をもとに、基準値生成回路12a、12bへのリセット信号RET2a、RET2b、及び、選択信号MSWSa、MSWSbを生成する。
制御信号生成回路15は、図16に示した制御信号生成回路10に、上記図17の回路を追加した構成である。
まず、比較結果MOUTa、MOUTb、・・・の逆相信号/MOUTa、/MOUTb、・・・を生成する。次に、比較結果MOUTn及びその逆相信号/MOUTnのANDをAND回路ANDnにより演算する。但し、ここでnはa、b、c、・・・、zを示すものとする。続いて、これらANDの結果に対するNOR演算をNOR回路NORにより行い、その出力を、スイッチMSWaを選択する選択信号MSWSaとする。
また、逆相信号/MOUTn及び比較結果MOUTnのAND演算をAND回路AND2nにより行う。そして、これに続いて、これらANDの演算結果に対するOR演算をOR回路ORにより行い、その出力を、スイッチMSWbを選択する選択信号MSWSbとする。
また、前記選択信号MSWSbを生成する回路と同じ構成の回路を、OR回路OR2及びAND回路AND3a、AND3c、・・・、AND3yにより構成し、このOR回路OR2の出力とリセット信号RETの反転信号/RETとの否定論理和を演算するNOR回路NOR2を追加した回路の出力をリセット信号RET2aとし、更に、前記選択信号MSWSbを生成する回路と同じ構成の回路を、OR回路OR3及びAND回路AND4a、AND4c、・・・、AND4yにより構成し、この出力をリセット信号RET2bとする。
ここで得られた選択信号MSWSaは、基準値生成回路12aに接続されるスイッチMSWaに、また、選択信号MSWSbは基準値生成回路12bに接続されるスイッチMSWbに入力される。
上記構成において、図12に示す制御回路14の動作は、図26に示すように、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号TIA_OUTが比較値Vrefを上回っているとき、時刻t0以前の初期状態、すなわち、図12の制御信号生成回路15がリセットされている状態では、図17に示す制御信号生成回路15のリセット信号RET2aを生成する回路は、比較結果の逆相信号/MOUTa、/MOUTc、・・・、/MOUTy及び比較結果MOUTb、MOUTd、・・・、MOUTzが入力されるAND回路AND3a〜AND3yの出力は、すべてLであり、これにより、OR回路OR2の出力はLとなる。従って、NOR回路NOR2には、リセット信号RETの反転値H及び上記OR回路OR2の出力値Lとが入力され、その出力値、すなわち、リセット信号RET2aの値はLとなる。一方で、選択信号MSWSaを生成する回路では、AND回路ANDa〜ANDyの出力が全てLになることから、NOR回路NORの出力である選択信号MSWSaはHであり、スイッチMSWaが選択される。この状態において、時刻t0でリセットRETがHになり、図12の制御信号生成回路15のリセットが解除されることにより、NOR回路NOR2の2つの入力は共にLとなることから、その出力であるリセット信号RET2aの値はHになる。また、選択信号MSWSaはそのままであるから、選択された基準値生成回路12aの生成する基準値を用いて差動増幅された出力値が差動増幅回路13より得られる。
時刻t1では、出力信号TIA_OUTが比較値Vrefを下回り、これによりラッチ回路6aの出力MOUTaはL(逆相信号/MOUTaの値はH)となる。従って、AND回路AND3aの出力がHとなり、更に、OR回路OR2の出力がHとなることにより、NOR回路NOR2の出力であるリセット信号RET2aはL、すなわち、リセット状態となる。これと同時に、AND回路AND3aと同様に、AND回路ANDa、AND2a及びAND4aの出力がHとなることにより、選択信号MSWSaが非選択、選択信号MSWSbが選択、また、リセット信号RET2bが解除状態となる。従って、差動増幅回路13には、基準値生成回12bの生成する基準値が用いられる。
時刻t2では、依然、出力信号TIA_OUTが比較値Vrefを上回っていることから、ラッチ回路6bの出力MOUTbはL(逆相信号/MOUTbの値はH)となる。従って、AND回路ANDa、AND2a、AND3a及びAND4aの出力が全てLとなり、選択信号MSWSaが選択、選択信号MSWSbが非選択、また、リセット信号RET2aが解除、リセット信号RET2bがリセット状態となる。
次に、時刻t3では、出力信号TIA_OUTが比較値Vrefを上回り、トランスインピーダンスアンプ3の利得が適正に調整されたことにより、ラッチ回路の出力値は時刻t2のままとなる。従って、選択信号MSWSa、MSWSb及びリセット信号RET2a、RET2bの状態は、時刻t2の時と同じである。
この状態は、時刻t4において、出力信号TIA_OUTが再び、比較値Vrefを下回るまで保持される。そして、時刻t4以降は、出力信号TIA_OUTと比較値Vrefとの関係に応じて、時刻t1〜t3に示した動作の切り替えが行われる。
上記に示した構成から、選択信号MSWSaと選択信号MSWSbとは、互いに逆相の関係にあるため、基準値生成回路12a及び12bは、比較結果MOUTa、MOUTb、・・・の出力に応じて、交互に使用される構成となる。
但しここでは、2つの基準値生成回路12a及び12bを交互に使用するとしたが、複数の基準値生成回路12a、12b、・・・を利用する場合は順次選択する信号を生成すればよい。
また、基準値生成回路12a、12bは比較結果MOUTa、MOUTb、・・・の出力に応じてリセットされると明記したが、最適な中間値を作成できる構成であれば、どのようなタイミングでも構わない。
本実施の形態において図17に示したリセット信号RET2a及びRET2bを生成する回路は、選択信号MSWSa及びMSWSbと同様の構成を用いたが、同じタイミングの信号が作れる構成であれば、この限りでない。
尚、ここでは、制御回路7、9、10、15の構成例として、図16、図17の構成を示したが、外部からのリセット信号RETと複数のラッチ回路6a、6b、・・・の比較結果MOUTa、MOUTb、・・・をもとにトランスインピーダンスアンプ3の利得調整を行う為のAGC信号20を生成し、複数のラッチ回路6a、6b、・・・に各々入力するリセット信号RETa、RETb、・・・を生成し、基準値生成回路12a、12b、・・・に各々入力するリセット信号RET2a、RET2b、・・・を生成し、また、出力を選択するスイッチMSWa、MSWb、・・・への選択信号MSWSa、MSWSb、・・・を生成できる構成であれば、どのような構成でも構わない。
(第4の実施の形態)
次に、図13を用いて、本発明の受信回路の第4の実施の形態について説明を行う。
図13に示す本実施の形態における受信回路は、本発明の第1の実施の形態の構成における比較回路4(第1の比較回路)に並列に、ある所望の基準値(第2の比較値)VB2と、トランスインピーダンスアンプ3の出力と基準値VB2を比較し比較結果を出力する比較回路(第2の比較回路)16を追加し、これら比較回路4および6の比較結果に基づいて制御回路5が、トランスインピーダンスアンプ3の利得調整のためのAGC信号20を出力する構成である。
ここでは、上記構成以外については、第1の実施の形態に示しているので、同一部分の説明は省略する。
ここで、前記構成の説明を行う。トランスインピーダンスアンプ3では、入力電流を増幅し出力する。比較回路4では、トランスインピーダンスアンプ3の調整された利得での出力信号OUTと、ある所望の値に設定した基準値(第1の比較値)VB1を比較し、出力信号OUTが基準値VB1を下回った場合には、比較回路4からは、出力信号OUTが基準値VB1を下回ったという信号を出力する。制御回路5では、比較信号を保持し、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整する為の制御信号を出力する。これにより、トランスインピーダンスアンプ3では、制御信号により調整された利得で、入力電流を増幅し出力する。更に、比較回路4では、トランスインピーダンスアンプ3の調整された利得での出力信号OUTと、ある所望の値に設定した基準値VB1を比較し、出力信号OUTが基準値VB1を下回った場合には、比較回路4からは、出力信号OUTが基準値VB1を下回ったという信号を出力する。このように、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号が基準値VB1を上回るまで、比較回路4は比較し続け、制御回路5は制御信号を出力し、トランスインピーダンスアンプ3の利得を調整し続ける。
しかしこの方式において、トランスインピーダンスアンプ3の利得の切り替えたときに、出力振幅が急激に小さくなりすぎてしまう可能性がある。そこで、本発明ではさらに、比較回路16で、トランスインピーダンスアンプ3の調整された利得での出力信号OUTと、ある所望の値に設定した基準値VB2とを比較し、比較結果を出力する。そしてこの結果より、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号が基準値VB2を上回った場合には、トランスインピーダンスアンプ3の出力OUTの利得調整が過剰に働き、利得調整前後でのトランスインピーダンスアンプ3の出力振幅の変化が大きくなり過ぎたとみなし、制御回路5は、この利得を下げるために、トランスインピーダンスアンプ3へ利得調整のAGC信号20を出力し、トランスインピーダンスアンプ3の利得を大きくするように調整する。
但しこのとき用いる比較回路4及び比較回路16は同じ構成を用いてもよいし、異なる構成を用いても構わない。
図23に、トランスインピーダンスアンプ3の入力信号INと、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号OUTと、あらかじめ設定した所定の基準電圧VB1、VB2との比較動作のタイミングチャートを示す。出力信号OUTが基準電圧VB1を下回っている時刻ta〜teの間は、トランスインピーダンスアンプ3の利得が小さくなるように、出力信号OUTの振幅が小さくなるように調整されるが、利得の調整量が大き過ぎ、出力信号OUTが基準電圧VB2を上回ると、トランスインピーダンスアンプ3の利得を大きくし、出力信号OUTの振幅が大きくなるように補正され(時刻tf)、トランスインピーダンスアンプ3の出力信号OUTが基準電圧VB1、VB2の間になるまで調整され続ける。
またこの図では、Hレベルデータ毎にAGC機能が動作しているが、どのようなタイミングでAGC機能を働かせても構わない。
更に、本実施の形態においても、第1の実施の形態における場合と同様に、制御回路5にリセット信号RETを用いることにより、バースト信号等の不連続信号への対応が可能となる。
尚、前記第1〜第4の実施の形態では、入力信号が光入力の場合について説明したが、本発明は、これに限らず、電流による入力信号に対しても同様に適用してもよい。
本発明にかかる受信回路及び光受信回路は、トランスインピーダンスアンプの出力負荷を低減し、高速動作を可能とすると共に、広ダイナミックレンジに対応した高精度な出力調整を行うことができるものであり、広ダイナミックレンジの信号入力への対応が要求される光通信用装置一般に活用できる。
本発明の第1の実施の形態における光受信回路のブロック図である。 従来例における光受信回路のブロック図である。 本発明の第1の実施の形態において制御回路の具体例Aを示す光受信回路のブロック図である。 本発明の第1の実施の形態において制御回路の具体例Bを示す光受信回路のブロック図である。 本発明の第1の実施の形態において制御回路の具体例Cを示す光受信回路のブロック図である。 本発明の第1の実施の形態において制御回路の具体例Dを示す光受信回路のブロック図である。 本発明の第1の実施の形態において制御回路の具体例Eを示す光受信回路のブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における光受信回路のブロック図である。 本発明の第3の実施の形態における光受信回路のブロック図である。 本発明の第3の実施の形態において基準値生成回路の具体例Aを示す光受信回路のブロック図である。 本発明の第3の実施の形態において基準値生成回路の具体例Bを示す光受信回路のブロック図である。 本発明の第3の実施の形態において基準値生成回路の具体例Cを示す光受信回路のブロック図である。 本発明の第4の実施の形態における光受信回路のブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における比較回路の回路図である。 本発明の第1の実施の形態におけるラッチ回路の回路図である。 本発明の第1、第2及び第3の実施の形態における制御信号生成回路の回路図である。 本発明の第3の実施の形態における制御信号生成回路の回路図である。 本発明の第1の実施の形態におけるトランスインピーダンスアンプの構成例Aを示した回路図である。 本発明の第1の実施の形態におけるトランスインピーダンスアンプの構成例Bを示した回路図である。 本発明の第1の実施の形態におけるトランスインピーダンスアンプの構成例Cを示した回路図である。 本発明の第1の実施の形態におけるトランスインピーダンスアンプの構成例Dを示した回路図である。 本発明の第1の実施の形態おけるトランスインピーダンスアンプの入出力信号のタイミングチャート図である。 本発明の第4の実施の形態におけるトランスインピーダンスアンプの入出力信号のタイミングチャート図である。 本発明の第1、第2及び第3の実施の形態における制御信号生成回路の利得切り替えスイッチについてのタイミングチャート図である。 本発明の第1及び第2の実施の形態において制御信号生成回路が出力するリセット信号についてのタイミングチャート図である。 本発明の第3の実施の形態において制御信号生成回路が出力するリセット信号及び選択スイッチについてのタイミングチャート図である。
2、2a、2b、・・・ 反転増幅器
R1、R2a、R2b、・・・ 帰還抵抗
3 トランスインピーダンスアンプ
4、16 比較回路
5、14 制御回路
6a、6b、・・・ ラッチ回路
7、9、10、15 制御信号生成回路
8 リセット信号生成回路
11a、11b、・・・ シフトレジスタ回路
12 基準値生成回路
12a、12b、・・・ 基準値生成回路
13 増幅回路
IN トランスインピーダンスアンプ入力信号
OUT トランスインピーダンスアンプ出力信号
MOUTa、MOUTb、・・・ ラッチ回路が出力する比較結果
MOUT2a、MOUT2b、・・・ シフトレジスタ回路が出力する比較結果
/MOUTa、
/MOUTb・・・ ラッチ回路が出力する比較結果の逆相信号
OUTA、OUTB 差動増幅回路出力信号
RET リセット信号
RETa、RETb、・・・ 保持値リセット信号
RET2
、RET2a、RET2b、・・・ 中間値リセット信号
VB1 基準値(第1の比較値)
VB2 基準値(第2の比較値)
100a、100b、・・・ 帰還抵抗切り替え信号
20 AGC信号
21 STOP信号
22 STOP2信号
MSWa、MSWb、・・・ スイッチ(中間値選択スイッチ)
MSWSa、MSWSb、・・・ 選択信号

Claims (10)

  1. 入力電流を増幅する反転増幅器と前記反転増幅器の入出力間に並列接続された帰還抵抗とからなり、制御信号により利得調整されるトランスインピーダンスアンプと、
    前記トランスインピーダンスアンプの出力レベルを判定する為に設定する第1の比較値に対して、前記トランスインピーダンスアンプの出力値を比較し、その比較結果を出力する比較回路と、
    前記比較回路から出力された前記比較結果を保持するとともに、保持する前記比較結果に基づいて前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記トランスインピーダンスアンプに送信する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、
    前記比較回路から出力される前記比較結果を保持する複数のラッチ回路と、
    前記複数のラッチ回路の出力結果に基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの利得調整を行う為の前記制御信号を生成し、前記トランスインピーダンスアンプへ送信する制御信号生成回路とを備え、
    前記個々のラッチ回路は、保持値リセット信号が入力されることにより非動作状態となり、前記保持値リセット信号が順次解除されることにより前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態になり、
    前記制御回路は、前記トランスインピーダンスアンプの出力が前記第1の比較値を上回るまで前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整するように前記制御信号を出力し、
    前記受信回路に備える前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値を受けて、この出力値の中間値を生成する基準値生成回路と、
    前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値と前記基準値生成回路の出力値とから差動信号を生成する差動増幅回路とを備え、
    前記基準値生成回路は、リセット信号が入力されることにより、前記中間値が初期化され、
    前記基準値生成回路は並列接続された2つ以上の中間値生成回路と、
    各々の前記中間値生成回路と前記差動増幅回路との間に直列に挿入され、前記中間値生成回路を前記差動増幅回路と選択的に接続するスイッチとを備え、
    直列接続された前記スイッチに、このスイッチをONする信号が入力された時に、前記中間値のリセットを解除する中間値リセット信号が前記中間値生成回路に入力され、また、前記スイッチをOFFする信号が入力されたときに、前記中間値生成回路のリセットを行う前記中間値リセット信号が入力される
    ことを特徴とする受信回路。
  2. 入力電流を増幅する反転増幅器と前記反転増幅器の入出力間に並列接続された帰還抵抗とからなり、制御信号により利得調整されるトランスインピーダンスアンプと、
    前記トランスインピーダンスアンプの出力レベルを判定する為に設定する第1の比較値に対して、前記トランスインピーダンスアンプの出力値を比較し、その比較結果を出力する比較回路と、
    前記比較回路から出力された前記比較結果を保持するとともに、保持する前記比較結果に基づいて前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記トランスインピーダンスアンプに送信する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、
    前記比較回路から出力される前記比較結果を保持する複数のラッチ回路と、
    前記複数のラッチ回路の出力結果に基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの利得調整を行う為の前記制御信号を生成し、前記トランスインピーダンスアンプへ送信する制御信号生成回路と、
    前記複数のラッチ回路へ送信することにより個々の前記ラッチ回路を非動作状態にし、前記ラッチ回路に対して送信を順次解除することにより前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態にする保持値リセット信号を、リセット信号に基づいて生成するリセット信号生成回路とを備え、
    前記制御回路は、前記トランスインピーダンスアンプの出力が前記第1の比較値を上回るまで前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整するように前記制御信号を出力し、
    前記受信回路に備える前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値を受けて、この出力値の中間値を生成する基準値生成回路と、
    前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値と前記基準値生成回路の出力値とから差動信号を生成する差動増幅回路とを備え、
    前記基準値生成回路は、リセット信号が入力されることにより、前記中間値が初期化され、
    前記基準値生成回路は並列接続された2つ以上の中間値生成回路と、
    各々の前記中間値生成回路と前記差動増幅回路との間に直列に挿入され、前記中間値生成回路を前記差動増幅回路と選択的に接続するスイッチとを備え、
    直列接続された前記スイッチに、このスイッチをONする信号が入力された時に、前記中間値のリセットを解除する中間値リセット信号が前記中間値生成回路に入力され、また、前記スイッチをOFFする信号が入力されたときに、前記中間値生成回路のリセットを行う前記中間値リセット信号が入力される
    ことを特徴とする受信回路。
  3. 入力電流を増幅する反転増幅器と前記反転増幅器の入出力間に並列接続された帰還抵抗とからなり、制御信号により利得調整されるトランスインピーダンスアンプと、
    前記トランスインピーダンスアンプの出力レベルを判定する為に設定する第1の比較値に対して、前記トランスインピーダンスアンプの出力値を比較し、その比較結果を出力する比較回路と、
    前記比較回路から出力された前記比較結果を保持するとともに、保持する前記比較結果に基づいて前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記トランスインピーダンスアンプに送信する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、
    前記比較回路から出力される前記比較結果を保持する複数のラッチ回路と、
    前記複数のラッチ回路の出力結果及びリセット信号に基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの利得調整を行う為の前記制御信号と前記複数のラッチ回路に各々入力する保持値リセット信号とを生成する制御信号生成回路とを備え、
    前記個々のラッチ回路は、前記制御信号生成回路で生成された前記保持値リセット信号を受けて、自己のラッチ回路が非動作状態となり、また自己のラッチ回路に対して送信が順次解除されることにより、前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態になり、
    前記制御回路は、前記トランスインピーダンスアンプの出力が前記第1の比較値を上回るまで前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整するように前記制御信号を出力し、
    前記受信回路に備える前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値を受けて、この出力値の中間値を生成する基準値生成回路と、
    前記トランスインピーダンスアンプの前記出力値と前記基準値生成回路の出力値とから差動信号を生成する差動増幅回路とを備え、
    前記基準値生成回路は、リセット信号が入力されることにより、前記中間値が初期化され、
    前記基準値生成回路は並列接続された2つ以上の中間値生成回路と、
    各々の前記中間値生成回路と前記差動増幅回路との間に直列に挿入され、前記中間値生成回路を前記差動増幅回路と選択的に接続するスイッチとを備え、
    直列接続された前記スイッチに、このスイッチをONする信号が入力された時に、前記中間値のリセットを解除する中間値リセット信号が前記中間値生成回路に入力され、また、前記スイッチをOFFする信号が入力されたときに、前記中間値生成回路のリセットを行う前記中間値リセット信号が入力される
    ことを特徴とする受信回路。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路において、
    前記制御回路は、前記比較回路から出力される前記比較結果を保持する複数のラッチ回路を備え、
    前記制御回路では、前記複数のラッチ回路へ保持値リセット信号を送信することにより個々の前記ラッチ回路を非動作状態にし、また、前記ラッチ回路の前記保持値リセット信号を順次解除することにより前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態にすると共に、前記複数のラッチ回路の出力値に基づいて、前記中間値生成回路へ入力される前記中間値リセット信号と、前記中間値生成回路を前記差動増幅回路へ選択的に接続する前記スイッチをON又はOFFする信号とを生成する
    ことを特徴とする受信回路。
  5. 請求項4記載の受信回路において、
    前記制御回路は、前記リセット信号及び前記複数のラッチ回路の出力値に基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの出力値が前記第1の比較値を上回るまで、個々の前記ラッチ回路に送信した前記保持値リセット信号を順次解除すると共に、前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整する前記制御信号を出力し、前記中間値リセット信号及び前記スイッチをON又はOFFする信号を生成して前記中間値を切替選択し、また、前記トランスインピーダンスアンプの出力値が前記第1の比較値を上回ったときには、前記保持値リセット信号を新たに解除しない制御信号生成回路を備える
    ことを特徴とする受信回路。
  6. 請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路において、
    前記制御回路は、前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持するシフトレジスタ回路を備え、
    前記制御回路では、前記シフトレジスタ回路へ前記リセット信号を送信することにより前記シフトレジスタ回路を非動作状態にし、また、前記シフトレジスタ回路の前記リセット信号を解除することにより前記比較回路から出力される前記比較結果を順次保持する動作状態にすると共に、前記制御回路に入力される前記リセット信号と、前記レジスタ回路の出力値とに基づいて、前記トランスインピーダンスアンプの利得を調整する前記制御信号を出力し、前記中間値生成回路へ入力される前記中間値リセット信号と前記中間値生成回路を前記差動増幅回路へ選択的に接続する前記スイッチをON又はOFFする信号とを生成する
    ことを特徴とする受信回路。
  7. 請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路において、
    前記2つ以上の中間値生成回路は交互に使用される
    ことを特徴とする受信回路。
  8. 請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路と、
    受信した光の入力信号を光−電気変換し、電流による電気信号を前記受信回路の反転増幅器に入力する光受信素子とを備えた
    ことを特徴とする光受信回路。
  9. 請求項1〜3の何れか1項に記載の受信回路において、
    前記受信回路に入力される前記入力信号はバースト信号である
    ことを特徴とする受信回路。
  10. 請求項8記載の光受信回路において、
    前記光受信回路に入力される前記入力信号はバースト信号である
    ことを特徴とする光受信回路。
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