JP4679001B2 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤ及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、いわゆるアップ−ダウンプライ構造のカーカスを具えるタイヤ、特に小型トラック用タイヤのビード部耐久性の改善を図る。
【0002】
【従来の技術】
タイヤは、リムに装着した、いわゆるタイヤ車輪状態で使用に供される。
このタイヤ、特に負荷荷重やリムフランジから大きな突き上げ入力があるような苛酷な条件下で使用される、アップ−ダウンプライ構造のカーカスを具える小型トラック用ラジアルタイヤを負荷転動させた場合、タイヤに作用する車両重量やリムフランジからの大きな突き上げ入力によって、タイヤ、特にタイヤのビード部が繰返し大きく曲げ変形することになり、このとき、ビード部に位置するカーカスプライ、特に、最も外周側に位置するダウンプライには大きな歪が作用するとともに、ビード部を構成するゴム、特に図1の領域Aで示すビード部内部に位置するゴムの発熱量がビード部の変形量に比例して多くなる結果として、ビード部でセパレーション等の故障が生じやすくなり、十分なビード部耐久性が得られない場合があった。
【0003】
そのため、十分なビード部耐久性を得るには、ビード部に位置するカーカスプライ、特にダウンプライに作用する歪を極力小さくするとともに、ゴムの発熱量を低減するための手段を開発する必要があった。
【0004】
ビード部に位置するカーカスプライに作用する歪を小さくするための手段としては、図2に示すように、ダウンプライ101の外面に隣接させてナイロンチェーファー102を配設することにより、リムからの突き上げ入力を緩和する方法が有用であるが、この方法は、ビード部の発熱による故障を防止する効果が小さい。
【0005】
また、ビード部に位置するカーカスプライに作用する歪を小さくするとともに、ビード部内部に位置するゴムの発熱量を低減するための手段としては、サイドトレッド及びゴムチェーファーとダウンプライとの間に低発熱性の硬質ゴムを配設することが好ましい。
【0006】
しかしながら、従来は、図3に示すように一定ゲージの低発熱性の硬質ゴムシート103を、サイドトレッド104及びゴムチェーファー105とダウンプライ106との間に配設するのが一般的であるため、前記ビード部内部に位置するゴムの発熱量を有効に低減することができなかった。また、一定ゲージの硬質ゴムシートの配設は、その両端部位置でエアー溜りが生じやすく、製品不良の原因となる場合があった。
【0007】
ところで、グリーンケースの成型工程は、成型ドラム上にインナーライナー及びアッププライを順次貼り合わせた後、このアッププライをビードコアの周りに折り返し、次いで、通常は、ゴムチェーファーを貼り合わせてからサイドトレッドを貼り合わせる、いわゆる正貼りで行うのが一般的である。
【0008】
しかしながら、この正貼りでグリーンケースを成型する場合には、ダウンプライの外面側を構成するゴムのゲージを有効に確保することが難しく、ダウンプライのコード中心位置をビード部の厚み中心線上に一致するように配置することも難しかった。すなわち、ゴムチェーファーは、その部材としての役割(リムとの接触部を担うという役割)から、発熱性を考慮する必要があるため、ゴムゲージを厚く設定することができないからであり、また、正貼りによって、サイドトレッドをゴムチェーファーの外面に被せるようにリム接触付近まで配置してゴムゲージを厚くした場合には、リムとの接触によりサイドトレッドゴムが摩耗するとともに、リムずれが生じるなどの問題が生じるからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、いわゆるアップ−ダウンプライ構造を有するカーカスのダウンプライの外面側を構成するゴム部分の適正化を図ることにより、タイヤ負荷転動時にビード部が曲げ変形することに伴ってダウンプライに生じる歪量と、ビード部に位置するダウンプライの外面に隣接するゴム部分の発熱量の双方を有効に抑制してビード部耐久性の向上を図った空気入りタイヤ、特に小型トラック用タイヤ及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の空気入りタイヤは、対をなすビードコア間でトロイド状をなしかつこれらビードコアのそれぞれの周りにタイヤ幅方向の内側から外側に向かって折り返された少なくとも1枚のアッププライ、及びトレッド部からサイドウォール部を経て前記ビードコア又はその近傍の位置にわたって前記アッププライをその外周側から覆うように延びる少なくとも1枚のダウンプライとからなる、いわゆるアップ−ダウンプライ構造を有するカーカスと、このカーカスの外周側に位置し、少なくともサイドウォール部の外皮ゴムを構成するサイドトレッドと、リムと接触するビード部の外面部分を少なくとも構成するゴムチェーファーとを有する空気入りタイヤにおいて、少なくともビード部に位置するダウンプライの外面に隣接させて、低発熱性、およびサイドトレッドのゴム硬さより大きく、ゴムチェーファーのゴム硬さよりも小さい硬質ゴムからなる補強ゴム部材を配設し、前記サイドトレッドが、ビード部内の前記補強ゴム部材と前記ゴムチェーファーとの間まで延びる延長部を有し、タイヤを標準リムに装着し、規定内圧を適用したときのタイヤ車輪をその幅方向断面で見て、ビード部のトゥ位置を通りタイヤ幅方向に延びる第1仮想線を30mmだけタイヤ径方向外方に平行移動した第2仮想線が交差するタイヤ外面位置に垂線を立てるとき、前記補強ゴム部材は、前記垂線上の位置を含む少なくとも25〜45mm幅の部分を1.5〜2.0mmの範囲の厚肉部分とすることにある。
【0011】
また、好適には、タイヤを標準リムに装着し、規定内圧を適用したときのタイヤ車輪をその幅方向断面で見て、前記垂線と交差するダウンプライのコード中心位置を、前記タイヤ外面位置から前記垂線上で測定した距離は、前記垂線上で測定したビード部厚みの35〜65%の範囲とする。
【0012】
ここで、「規定内圧」とは、下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことを意味する。
そして、「規格」とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book” であり、欧州では、”The European Tire and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA Year Book”にて規定されている。
【0013】
さらに、前記補強ゴム部材は、(1)厚肉部分からタイヤ径方向内外端に向かって厚さが漸減する形状を有するコンター部材であること、()25℃で1%歪時の損失係数tanδが0.3以下であること、及び/又は、()そのタイヤ径方向内端位置が、前記第1仮想線からタイヤ径方向外側に測定して5〜20mmの範囲内にあり、そのタイヤ径方向外端位置が、タイヤ最大幅位置に対応する位置と、前記第1仮想線からタイヤ径方向外側に測定して30mmの位置とで挟まれた範囲内にあることが好ましい。
【0014】
ここで、「損失係数tanδ」は、JIS K 6394-1995に規定する「荷重変形、たわみ波形による場合(引張り)」に従い、損失弾性率と動的弾性率の比で表される損失係数(tanδ)を東洋精機社製スペクトロメータを用いて、静的に初期荷重:160gを与え、平均歪振幅:1%、試験振動数:52Hzの条件により、試験温度:25℃にて測定したときの損失係数の値を意味する。
【0015】
さらにまた、補強ゴム部材のゴム硬さは、70〜75の範囲、サイドトレッドのゴム硬さは、50〜55の範囲、ゴムチェーファーのゴム硬さは、76〜80の範囲であることがより好適である。
【0016】
ここで、「ゴム硬さ」は、JIS K 6253-1993に規定するタイプAデュロメータ硬さ試験機を用い、試験温度:25℃にて測定したときのゴム硬さの値を意味する。
【0017】
一方、この発明の空気入りタイヤの製造方法は、成型ドラム上でグリーンケースを形成する工程を有する空気入りタイヤの製造方法であって、成型ドラム上にインナーライナー及びアッププライを順次貼り合わせた後、このアッププライをビードコアの周りに折り返し、次いで、折り返したアッププライの上にダウンプライを貼り合わせ、その後、ダウンプライの端部に低発熱性の硬質ゴムからなる補強ゴム部材を貼り合わせ、次に、この補強ゴム部材の外面全体を実質的に覆うようにサイドトレッドを貼り合わせてから、サイドトレッドの端部上にゴムチェーファーを貼り合わせることによりグリーンケースを形成する工程を有することにある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明に従う代表的な空気入りタイヤの一のビード部の断面を示したものであり、図1中の1はビード部、2はビードコア、3はカーカス、4はアッププライ、5はサイドウォール部、6はダウンプライ、7はサイドトレッド、9はゴムチェーファー、10は補強ゴム部材、11はサイドトレッドの延長部である。
【0019】
図1に示すビード部1を有する空気入りタイヤは、対をなすビードコア2間でトロイド状をなすカーカス3を有している。
【0020】
カーカス3は、両ビードコア2のそれぞれの周りにタイヤ幅方向の内側から外側に向かって折り返された少なくとも1枚のアッププライ(図1では1枚のアッププライ4)と、トレッド部(図示せず)からサイドウォール部5を経て前記ビードコア2又はその近傍の位置にわたって前記アッププライ4をその外周側から覆うように延びる少なくとも1枚のダウンプライ(図1では1枚のダウンプライ6)とからなる、いわゆるアップ−ダウンプライ構造を有している。
【0021】
また、このタイヤは、カーカス3の外周側には、少なくともサイドウォール部5の外皮ゴムを構成するサイドトレッド7と、リムRと接触するビード部の外面部分8を少なくとも構成するゴムチェーファー9とを有している。
【0022】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、カーカスがいわゆるアップ−ダウンプライ構造である場合のダウンプライの外面側を構成するゴム部分の適正化を図ることにあり、より具体的には、少なくともビード部1に位置するダウンプライ6の外面に隣接させて、低発熱性、およびサイドトレッド7のゴム硬さより大きく、ゴムチェーファー9のゴム硬さよりも小さい硬質ゴムからなる補強ゴム部材10を配設し、前記サイドトレッド7が、ビード部1内の前記補強ゴム部材10と前記ゴムチェーファー9との間まで延びる延長部11を有し、タイヤを標準リムに装着し、規定内圧を適用したときのタイヤ車輪をその幅方向断面で見て、ビード部のトゥ位置を通りタイヤ幅方向に延びる第1仮想線を30mmだけタイヤ径方向外方に平行移動した第2仮想線が交差するタイヤ外面位置に垂線を立てるとき、前記補強ゴム部材は、前記垂線上の位置を含む少なくとも25〜45mm幅の部分を1.5〜2.0mmの範囲の厚肉部分とすることにある。
【0023】
そして、上記構成を採用することによって、タイヤ負荷転動時にビード部1が曲げ変形することに伴ってダウンプライ6に生じる歪量と、ビード部1に位置するダウンプライ6の外面に隣接するゴム部分の発熱量の双方を有効に抑制してビード部耐久性の向上を図ることができる。
【0024】
以下で、この発明を完成するに至った経緯を作用とともに説明する。
まず、発明者は、アップ−ダウンプライ構造を有するタイヤ、特に小型トラック用空気入りラジアルタイヤを想定したとき、ビード部1の内部であってかつダウンプライ6の外面に隣接する部分、特にリムフランジRfからの突き上げ入力F(図1の矢印方向)が大きくなるゴム部分(図1の領域Aのゴム部分)の発熱量が多く、かかるゴム部分の発熱量を低減すること、及び、ダウンプライ6に生じる曲げ入力時の歪が小さくなるようにすることがビード部耐久性を向上させることになると考えた。
【0025】
しかしながら、従来タイヤの場合、ダウンプライの外面に隣接するゴム部分は、通常、サイドトレッドとゴムチェーファーのいずれか一方又は双方で構成されていて、ゴムチェーファーは低発熱性ではなく、また、サイドトレッドは低発熱性ではあるが比較的軟質なゴムであるため、ダウンプライのコードとその外面に隣接するゴムとの間の変形能の相違等から大きな歪が生じるとともに、かかるゴム部分の発熱量も多くなることから、セパレーション故障等が生じやすくなり、十分なビード部耐久性が得られないことが判明した。
【0026】
そこで、発明者はビード部耐久性を向上させるための検討を行った結果、図4に示すように、低発熱性の硬質ゴムからなる補強ゴム部材107をサイドトレッド108及びゴムチェーファー109とダウンプライ110との間に配設すれば、これらの間での歪が抑制されるとともにかかる部分での発熱が抑制されると考えられるため、かかる構成を採用することとした。
【0027】
タイヤビード部に対しリムからの大きな突き上げ入力があると、ゴムチェーファー109を介して硬質ゴム部材107及びダウンプライ110に伝達されるが、上記構成を採用したタイヤの場合だと、ゴムチェーファー109及び硬質ゴム部材107はいずれも硬質ゴムからなるため、リムRからの大きな突き上げ入力が直接的に補強ゴム部材107やダウンプライ110に伝達されるため、この入力によってビード部故障が生じやすくなるということが新たに判明した。
【0028】
そこで、発明者は、図1に示すように、少なくともビード部1に位置するダウンプライ6の外面に隣接させて、低発熱性の硬質ゴムからなる補強ゴム部材10を配設するとともに、補強ゴム部材10の外面と接触するゴム部分を、比較的軟質ゴムからなるサイドトレッド7(の延長部11)で構成し、このサイドトレッド7の延長部11を、補強ゴム部材10とゴムチェーファー9の間に配設すればよいと考え、さらに検討を行ったところ、ダウンプライ6と補強ゴム部材10との間での歪が抑制されるとともにかかる部分での発熱が抑制され、また、リムRからの大きな突き上げ入力に対してサイドトレッド7の延長部11をクッションゴムとして作用させて、前記突き上げ入力を低減させて補強ゴム部材10やダウンプライ6に伝達させることができ、これによって、ビード部耐久性が飛躍的に向上することを見出し、これによって、この発明を完成することに成功したのである。
【0029】
この発明は、上記構成を採用することによって十分にビード部耐久性を向上させることができるが、ビード部耐久性をより一層向上させる必要がある場合には、ビード部1に位置するダウンプライ6のコード中心位置(より厳密にはコード中心位置を結ぶライン)をビード部の厚み中心線上またはその近傍に配置すること、より具体的には、タイヤを標準リムRに装着し、規定内圧を適用したときのタイヤ車輪をその幅方向断面で見て、ビード部1のトゥ位置12を通りタイヤ幅方向に延びる第1仮想線lを30mmだけタイヤ径方向外方に平行移動した第2仮想線mが交差するタイヤ外面位置Pに垂線nを立て、この垂線nと交差するダウンプライ6のコード中心位置Qを、前記タイヤ外面位置Pから前記垂線n上で測定した距離dは、前記垂線n上で測定したビード部厚みtの35〜65%の範囲とすることが、ダウンプライに作用する曲げ入力での歪が極めて小さくなるため好ましく、特に好適には、ダウンプライ6に作用する曲げ入力での歪を最小にするため、ダウンプライ6の前記コード中心位置Qをビード部の厚み中心線上に配置すること、すなわち、前記距離dを前記ビード部厚みtの50%とする。
【0030】
尚、ここでいう「標準リム」及び「最高空気圧」は、それぞれETRTO のSTANDARDS MANUAL(2001)に規定する適用リム(Approved Rim)及び最高空気圧(INFLATION PRESSURE)を意味する。
【0031】
また、本発明では、前記補強ゴム部材10は、前記垂線n上の位置を含む少なくとも25〜45mm幅の部分(図1の領域A内の部分)を1.5〜2.0mmの範囲の厚肉部分とする。これによって、ダウンプライに生じる歪とゴム発熱量を有効に低減することができる。
【0032】
ビード部1に位置するダウンプライ6のコード中心位置をビード部の厚み中心線上またはその近傍に配置する手段としては、主に補強ゴム部材10の形状を適正にすることによって調整することが好ましい。例えば、補強ゴム部材10を、その厚肉部分からそれぞれタイヤ径方向内端10a及び外端10bに向かって厚さが漸減する形状を有するコンター部材とすることが、他の部材との緊密な接合と、補強ゴム部材の両端部に生じやすいエア溜りの防止が図れる点で好ましい。
【0033】
さらに、補強ゴム部材10は、25℃で1%歪時の損失係数tanδが0.3以下であることが好ましく、より好ましくは0.2以下とする。
【0034】
さらにまた、補強ゴム部材10の、タイヤ径方向内端位置10aが前記第1仮想線lからタイヤ径方向外側に測定して5〜20mmの範囲内にあり、そのタイヤ径方向外端位置10bが、タイヤ最大幅位置に対応する位置と、前記第1仮想線lからタイヤ径方向外側に測定して30mmの位置とで挟まれた範囲内にあることが、リムからの突き上げを受ける部分に補強ゴム部材を有効に配置する点で好ましい。
【0035】
加えて、補強ゴム部材10のゴム硬さは、70〜75の範囲、サイドトレッド7のゴム硬さは、50〜55の範囲、ゴムチェーファー9のゴム硬さは、76〜80の範囲であることが好ましい。
【0036】
次に、上記構成のタイヤを製造する方法の一例を説明する。
まず、図示は省略するが、成型ドラム上にインナーライナー及びアッププライを順次貼り合わせた後、このアッププライをビードコアの周りに折り返し、次いで、折り返したアッププライの上にダウンプライを貼り合わせ、その後、ダウンプライの端部に低発熱性の硬質ゴムからなる補強ゴム部材を貼り合わせ、次に、この補強ゴム部材の外面全体を実質的に覆うようにサイドトレッドを貼り合わせてから、サイドトレッドの端部上にゴムチェーファーを貼り合わせる、いわゆる逆貼りによってグリーンケースを形成し、その後は、常法のタイヤ製造工程によって空気入りタイヤを製造すればよい。
【0037】
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0038】
【実施例】
次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作し性能評価したので以下で説明する。
・実施例
実施例のタイヤは、図1に示すビード部構造を有する小型トラック用ラジアルタイヤであり、タイヤサイズがLVR 195/70R15c 8PR相当であり、前記距離dが前記ビード部厚みtの50%であり、補強ゴム部材は、コンター部材(厚肉部分の厚さ:2mm)であり、25℃で1%歪時の損失係数tanδが0.18であり、ゴム硬さが73であり、サイドトレッド及びゴムチェーファーのゴム硬さを、それぞれ、55及び76とした。尚、その他のタイヤ構造は、一般的な小型ラジアルタイヤと同様とした。
【0039】
・比較例
比較例のタイヤは、図4に示すビード部構造を有する小型トラック用ラジアルタイヤであり、タイヤサイズがLVR 195/70R15c 8PR相当であり、前記距離dが前記ビード部厚みtの30%であり、サイドトレッドとゴムチェーファーを正貼りで形成したことを除いては実施例のタイヤとほぼ同様の構造を有するタイヤである。
【0040】
・従来例1
従来例1のタイヤは、図3に示すビード部構造を有する小型トラック用ラジアルタイヤであり、タイヤサイズがLVR 195/70R15c 8PR相当であり、前記距離dが前記ビード部厚みtの40%であり、補強ゴム部材は、均一ゲージ(0.7mm)のゴムシートであり、25℃で1%歪時の損失係数tanδが0.18であり、ゴム硬さが73であり、サイドトレッド及びゴムチェーファーのゴム硬さを、それぞれ、55及び76とした。尚、その他のタイヤ構造は、一般的な小型ラジアルタイヤと同様とした。
【0041】
・従来例2
従来例2のタイヤは、図2に示すビード部構造を有する小型トラック用ラジアルタイヤであり、タイヤサイズがLVR 195/70R15c 8PR相当であり、前記距離dが前記ビード部厚みtの40%であり、補強ゴム部材の代わりにナイロンチェーファーを用いたものであり、サイドトレッド及びゴムチェーファーのゴム硬さを、それぞれ、55及び76とした。尚、その他のタイヤ構造は、一般的な小型ラジアルタイヤと同様とした。
【0042】
(性能評価)
上記各供試タイヤを標準リムに装着し、回転ドラム(ドラム径:1707mm)上で、タイヤ負荷荷重を上記規格に規定されている最大荷重の2倍とし、タイヤ内圧を前記最大荷重に対応する空気圧(ETRTO準拠)とし、前記規格(ETRTO準拠)に規定するリムに組み付けて60km/h相当の回転速度で負荷転動させ、ビード部故障が生じるまでの走行距離を測定し、この測定値によってビード部耐久性を評価した。表1にその評価結果を示す。尚、表1中の数値は従来例1を100としたときの指数比で示してあり、数値が大きいほどビード部耐久性が優れていることを意味する。
【0043】
【表1】
Figure 0004679001
【0044】
表1の評価結果から、実施例は、従来例1、2及び比較例に比べてビード部耐久性が優れている。
【0045】
【発明の効果】
この発明によれば、アップ−ダウンプライ構造を有するカーカスのダウンプライの外面側を構成するゴム部分の適正化を図ることにより、ビード部耐久性に優れた空気入りタイヤ、特に小型トラック用タイヤの提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う空気入りタイヤのビード部の幅方向断面図であり、タイヤをリムに装着した状態で示してある。
【図2】 従来例2のタイヤのビード部の幅方向断面図である。
【図3】 従来例1のタイヤのビード部の幅方向断面図である。
【図4】 比較例のタイヤのビード部の幅方向断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 ビードコア
3 カーカス
4 アッププライ
5 サイドウォール部
6 ダウンプライ
7 サイドトレッド
8 ビード部の外面部分
9 ゴムチェーファー
10 補強ゴム部材
11 サイドトレッドの延長部
12 ビードトゥ位置

Claims (7)

  1. 対をなすビードコア間でトロイド状をなしかつこれらビードコアのそれぞれの周りにタイヤ幅方向の内側から外側に向かって折り返された少なくとも1枚のアッププライ、及びトレッド部からサイドウォール部を経て前記ビードコア又はその近傍の位置にわたって前記アッププライをその外周側から覆うように延びる少なくとも1枚のダウンプライとからなる、いわゆるアップ−ダウンプライ構造を有するカーカスと、このカーカスの外周側に位置し、少なくともサイドウォール部の外皮ゴムを構成するサイドトレッドと、リムと接触するビード部の外面部分を少なくとも構成するゴムチェーファーとを有する空気入りタイヤにおいて、
    少なくともビード部に位置するダウンプライの外面に隣接させて、低発熱性、およびサイドトレッドのゴム硬さより大きく、ゴムチェーファーのゴム硬さよりも小さい硬質ゴムからなる補強ゴム部材を配設し、
    前記サイドトレッドが、ビード部内の前記補強ゴム部材と前記ゴムチェーファーとの間まで延びる延長部を有し、
    タイヤを標準リムに装着し、規定内圧を適用したときのタイヤ車輪をその幅方向断面で見て、ビード部のトゥ位置を通りタイヤ幅方向に延びる第1仮想線(l)を30mmだけタイヤ径方向外方に平行移動した第2仮想線(m)が交差するタイヤ外面位置(P)に垂線(n)を立てるとき、前記補強ゴム部材は、前記垂線(n)上の位置を含む少なくとも25〜45mm幅の部分を1.5〜2.0mmの範囲の厚肉部分とすることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤを標準リムに装着し、規定内圧を適用したときのタイヤ車輪をその幅方向断面で見て、
    前記垂線(n)と交差するダウンプライのコード中心位置(Q)を、前記タイヤ外面位置(P)から前記垂線(n)上で測定した距離(d)は、前記垂線(n)上で測定したビード部厚み(t)の35〜65%の範囲とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強ゴム部材は、その厚肉部分からタイヤ径方向内外端に向かって厚さが漸減する形状を有するコンター部材である請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強ゴム部材は、25℃で1%歪時の損失係数tanδが0.3以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記補強ゴム部材は、そのタイヤ径方向内端位置が、前記第1仮想線(l)からタイヤ径方向外側に測定して5〜20mmの範囲内にあり、そのタイヤ径方向外端位置が、タイヤ最大幅位置に対応する位置と、前記第1仮想線(l)からタイヤ径方向外側に測定して30mmの位置とで挟まれた範囲内にある請求項1〜4のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  6. 補強ゴム部材のゴム硬さは、70〜75の範囲、サイドトレッドのゴム硬さは、50〜55の範囲、ゴムチェーファーのゴム硬さは、76〜80の範囲である請求項1〜5のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  7. 成型ドラム上でグリーンケースを形成する工程を有する空気入りタイヤの製造方法において、
    成型ドラム上にインナーライナー及びアッププライを順次貼り合わせた後、このアッププライをビードコアの周りに折り返し、次いで、折り返したアッププライの上にダウンプライを貼り合わせ、その後、ダウンプライの端部に低発熱性、およびサイドトレッドのゴム硬さより大きく、ゴムチェーファーのゴム硬さよりも小さい硬質ゴムからなる補強ゴム部材を貼り合わせ、次に、この補強ゴム部材の外面全体を実質的に覆うようにサイドトレッドを貼り合わせてから、サイドトレッドの端部上にゴムチェーファーを貼り合わせることによりグリーンケースを形成する工程を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
JP2001241936A 2001-08-09 2001-08-09 空気入りタイヤ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4679001B2 (ja)

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