JP5806010B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、1対のビードコアと、1対のビードコア間に跨るトロイダル形状を有するカーカス層とを備えるタイヤに関する。
従来、1対のビードコアと、1対のビードコア間に跨るトロイダル形状を有するカーカス層と、カーカス層に隣接して配置されるベルト層と、ビードコア、カーカス層及びベルト層を被覆するゴム層とを備えるタイヤが知られている。
一般的に、カーカス層は、1対のビードコア間に跨るカーカス本体部分と、ビードコアでトレッド幅方向の外側に折り返されるカーカス折返し部分とを含む。カーカス本体部分とカーカス折返し部分との間には、ビードフィラーが設けられる。
タイヤは、ビードコアを有するビード部と、タイヤ踏み面を有するトレッド部と、タイヤの側面を形成するサイドウォール部とを備える。
なお、ビード部は、ビードコア、ビードフィラー、カーカス層、これらを被覆するゴムによって構成される。
ここで、タイヤがリムに組み付けられた際において、タイヤ径方向においてリムに設けられるリムフランジと対応する高さを有するタイヤの部位(以下、リムライン部)の倒れ込みに起因して、大きなせん断応力が生じることが知られている。一般的に、リムライン部はビード部の一部であるため、リムライン部の倒れ込みに起因するせん断応力を低減するために、ビード部の構造を工夫する技術が提案されている。
具体的には、ビード部は、カーカス本体部分とカーカス折返し部分との間に設けられる第1ビードフィラーと、トレッド幅方向においてカーカス折返し部分の外側に設けられる第2ビードフィラーと、トレッド幅方向において第2ビードフィラーの外側に設けられるゴムチェーファーとを有する(例えば、特許文献1)。
このようなビード部を有するタイヤでは、第2ビードフィラー及びゴムチェーファーが補強層として機能するため、リムライン部の倒れ込みが抑制される。
特開2007−210363号公報
ところで、タイヤの内圧が低内圧(例えば、450kPa)である場合には、リムライン部の倒れ込みは不可避である。このような場合には、ビード部の変形に伴って、ビード部の温度が上昇し、カーカス層に隣接するゴム(例えば、ビードフィラー)とカーカス層とのセパレーションが生じる。一般的に、補強層として設けられるゴムチェーファーの剛性が高く、発熱しやすいため、ゴムチェーファーが設けられる場合には、ゴムチェーファーで生じる熱がセパレーションの要因となることに留意すべきである。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ビード部の耐久性を維持しながら、低内圧状態において、セパレーションを抑制することを可能とするタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。本発明の特徴は、1対のビードコアと、前記1対のビードコア間に跨るトロイダル形状を有するカーカス層とを備えるタイヤであって、前記カーカス層は、前記1対のビードコア間に跨るカーカス本体部分と、前記1対のビードコアでトレッド幅方向の外側に折り返されるカーカス折返し部分とを含み、前記カーカス本体部分と前記カーカス折返し部分との間には、第1ビードフィラーが設けられており、前記トレッド幅方向において前記カーカス折返し部分の外側には、第2ビードフィラーが設けられており、前記トレッド幅方向において前記第2ビードフィラーの外側には、ゴムチェーファーが設けられており、前記第2ビードフィラーと前記ゴムチェーファーとの間に、ゴム層が設けられており、前記ゴム層は、前記タイヤが組み付けられるリムに設けられるリムフランジと前記トレッド幅方向において重なる位置にまで達しており、前記ゴム層の剛性は、前記第2ビードフィラーの剛性及び前記ゴムチェーファーの剛性よりも小さく、前記ゴムチェーファーは、前記タイヤの外側表面に露出することを要旨とする。
低内圧状態では、タイヤの転動によってリムライン部の倒れ込みが繰り返されるため、リムライン部は、熱が発生しやすい。本発明の特徴によれば、第2ビードフィラーとゴムチェーファーとの間に、ゴム層が設けられており、ゴム層は、タイヤが組み付けられるリムに設けられるリムフランジとトレッド幅方向において重なる位置にまで達しているため、リムライン部におけるゴムチェーファーの熱は、第2ビードフィラーに直接伝わらない。さらに、ゴムチェーファーは、タイヤの外側表面に露出するため、ゴムチェーファーで生じた熱は、タイヤの外へと逃げやすい。従って、リムライン部において、ゴムチェーファーで生じた熱が第2ビードフィラーに伝わりにくくなる。また、ゴム層の剛性は、第2ビードフィラーの剛性及びゴムチェーファーの剛性よりも小さい。従って、ゴム層は、第2ビードフィラー及びゴムチェーファーよりも発熱しにくいため、ゴム層の熱によって、ビード部の内部にある第2ビードフィラーの温度は、上昇しにくい。これらの結果、ビード部の温度の上昇が抑制されるため、熱によるカーカス層に隣接するゴムのゴム物性の変化が抑制される。従って、カーカス層に隣接するゴムとカーカス折返し部分との接着力の低下が抑制されるため、低内圧状態において、セパレーションを抑制できる。
タイヤは、ビード部の剛性を高める第1ビードフィラー、第2ビードフィラー及びゴムチェーファーを備えているため、ビード部の耐久性を維持できる。
前記第1ビードフィラーは、タイヤ径方向における前記第1ビードフィラーの外側端である第1ビードフィラー外側端を含み、前記トレッド幅方向において、第1ビードフィラー外側端の外側には、第2ビードフィラーが設けられてもよい。
タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、前記タイヤ径方向における前記リムフランジの高さがH1であり、前記タイヤ径方向における前記第2ビードフィラーの外側端の高さがB2であり、前記B2は、前記H1の1.3倍以上、かつ、前記H1の3.0倍以下であってもよい。
タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、前記タイヤ径方向における前記リムフランジの高さがH1であり、前記タイヤ径方向における前記第1ビードフィラーの外側端の高さがB1であり、前記B1は、前記H1の1.3倍以上、かつ、前記H1の3.0倍以下であってもよい。
前記第2ビードフィラーの損失正接は、前記ゴムチェーファーの損失正接よりも小さくてもよい。
タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、前記タイヤ径方向における前記第2ビードフィラーの外側端の高さがB2であり、前記タイヤ径方向における前記ゴムチェーファーの外側端の高さがG1であり、前記G1は、前記B2より低くてもよい。
タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、前記タイヤ径方向における前記第2ビードフィラーの外側端の高さがB2であり、前記タイヤ径方向における前記ゴムチェーファーの外側端の高さがG1であり、前記G1は、前記B2より高くてもよい。
前記タイヤは、前記カーカス層に沿って延び、前記トレッド幅方向において前記1対のビードコアの外側に跨るトロイダル形状を有するカーカスダウン層を備え、前記カーカスダウン層は、前記トレッド幅方向において前記カーカス折返し部分と前記第2ビードフィラーとの間に位置してもよい。
前記タイヤは、前記ビードコアと前記カーカス層との間に設けられるナイロンコード層を備え、前記ナイロンコード層は、前記トレッド幅方向において前記カーカス本体部分と前記ビードコアとの間に位置するナイロンコード内側部分と、前記トレッド幅方向において前記ビードコアと前記カーカス折返し部分との間に位置するナイロンコード外側部分とを含み、前記ナイロンコード外側部分は、タイヤ径方向における前記ナイロンコード外側部分の外側端を含み、前記タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、前記タイヤ径方向における前記リムフランジの高さがH1であり、前記タイヤ径方向における前記ナイロンコード外側部分の外側端の高さがF1であり、前記F1は、前記H1の0.5倍以上、かつ、前記H1の1.5倍以下であってもよい。
タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、前記タイヤ径方向における前記カーカス折返し部分の外側端の高さがP1であり、前記タイヤ径方向における前記第2ビードフィラーの外側端の高さがB2であり、前記P1は、前記B2よりも高くてもよい。
本発明によれば、ビード部の耐久性を維持しながら、低内圧状態において、セパレーションを抑制することを可能とするタイヤを提供できる。
図1は、本実施形態に係るタイヤ1のタイヤ径方向及びトレッド幅方向に沿った断面図である。 図2は、図1におけるビード部3の拡大図である。 図3は、図1におけるビード部3の拡大図である。 図4は、変形例に係るタイヤにおけるビード部3のタイヤ径方向及びトレッド幅方向に沿った断面図である。 図5は、比較例1に係るタイヤのタイヤ径方向及びトレッド幅方向に沿ったビード部の断面図である。 図6は、比較例2に係るタイヤのタイヤ径方向及びトレッド幅方向に沿ったビード部の断面図である。 図7は、比較例3に係るタイヤのタイヤ径方向及びトレッド幅方向に沿ったビード部の断面図である。
本発明に係るタイヤの一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)タイヤ1の概略構成、(2)ビード部3の概略構成、(3)ビード部3を構成する部材の位置関係、(4)作用効果、(5)変形例、(6)比較評価、(7)その他実施形態、について説明する。
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)タイヤ1の概略構成
本実施形態に係るタイヤ1の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るタイヤ1のタイヤ径方向及びトレッド幅方向に沿った断面図である。図2は、図1におけるビード部3の拡大図である。
タイヤ1は、正規リムであるリム200に組み付けられている。タイヤ1は、正規内圧を有し、正規荷重が負荷されている。なお、リム200には、リムフランジ210が設けられる。リムフランジ210は、トレッド幅方向において、ビード部3を支持する。リムフランジ210は、タイヤ径方向においてリムフランジ210の最も外側の表面であるリムフランジ外側表面215を含む。
図1に示されるように、タイヤ1は、ビード部3、トレッド部5、サイドウォール部7を備える。
ビード部3は、ビードコア10を有する。ビード部3は、リム200に接する。ビード部3は、リムライン部3rを含む。タイヤ1がリム200に組み付けられた際において、リムライン部3rは、タイヤ径方向におけるリムフランジ210と対応する高さを有するビード部3の一部である。具体的には、リムライン部3rは、タイヤ径方向におけるビード部3のリムフランジ外側表面215から外側の部分である。リムライン部3rは、リムライン73が形成される部分を含む。リムライン73は、タイヤ1とリム200とが同心円状態で組まれているかを否かチェックするためのラインである。リムライン73は、ビード部3において、トレッド幅方向において外側に突出する突部である。リムライン73は、トレッド幅方向におけるタイヤ1の外側表面に形成される。トレッド幅方向から視て、リムライン73は、環状である。
トレッド部5は、タイヤ踏み面を有する。トレッド部5は、路面と接する。サイドウォール部7は、タイヤ1の側面を形成する。サイドウォール部7は、ビード部3とトレッド部5とをつなぐ。
タイヤ1は、1対のビードコア10、カーカス層20、第1ビードフィラー50、第2ビードフィラー60、ゴムチェーファー70、サイドゴム80及びナイロンコード層90を備える。
ビードコア10は、ビード部3に設けられる。ビードコア10は、ビードワイヤー(不図示)によって構成される。
カーカス層20は、タイヤ1の骨格をなすものである。カーカス層20の位置は、トレッド部5からサイドウォール部7を通ってビード部3に渡る。カーカス層20は、カーカスアップ層30とカーカスダウン層40とを備える。カーカス層20の構造は、いわゆるアップダウン構造である。
カーカスアップ層30は、1対のビードコア10間に跨るトロイダル形状を有する。カーカスアップ層30は、カーカス本体部分30Aとカーカス折返し部分30Bとを含む。カーカス本体部分30Aは、1対のビードコア10間に跨る。従って、カーカス本体部分30Aの位置は、トレッド部5からサイドウォール部7を通ってビード部3に渡る。カーカス折返し部分30Bは、1対のビードコア10でトレッド幅方向の外側に折り返される。
カーカスダウン層40は、カーカスアップ層30よりもタイヤ1の外側に設けられる。具体的には、ビード部3及びサイドウォール部7では、カーカスダウン層40は、トレッド幅方向においてカーカスアップ層30の外側に設けられる。トレッド部5では、カーカスダウン層40は、タイヤ径方向においてカーカスアップ層30の外側に設けられる。カーカスダウン層40は、カーカスアップ層30に沿って延びる。ビード部3からトレッド部5に向かって、カーカスダウン層40は、カーカス折返し部分30Bに沿って延びた後、カーカス本体部分30Aに沿って延びる。
カーカスダウン層40は、トレッド幅方向においてカーカス折返し部分30Bと第2ビードフィラー60との間に位置する。本実施形態において、カーカスダウン層40は、カーカス折返し部分30B及び第2ビードフィラー60と接する。
第1ビードフィラー50は、ビード部3の剛性を高める。第1ビードフィラー50は、カーカス本体部分30Aとカーカス折返し部分30Bとの間に設けられる。第1ビードフィラー50は、タイヤ径方向においてビードコア10の外側に設けられる。
第1ビードフィラー50は、タイヤ径方向における第1ビードフィラー50の外側端である第1ビードフィラー外側端55aを含む。
第2ビードフィラー60は、ビード部3の剛性を高める。第2ビードフィラー60は、トレッド幅方向においてカーカス折返し部分30Bの外側に設けられる。本実施形態において、第2ビードフィラー60は、トレッド幅方向において、第1ビードフィラー外側端55aの外側に設けられる。従って、トレッド幅方向において、第2ビードフィラー60は、第1ビードフィラー外側端55aを覆う。トレッド幅方向において、第2ビードフィラー60は、カーカス層20を挟んで、第1ビードフィラー外側端55aに隣接する。
ゴムチェーファー70は、ビード部3の剛性を高める。ゴムチェーファー70は、トレッド幅方向において第2ビードフィラー60の外側に設けられる。ゴムチェーファー70は、タイヤ1の外側表面に露出する。すなわち、ゴムチェーファー70は、トレッド幅方向において、ビード部3の最も外側に位置する。ゴムチェーファー70は、リムフランジ210と接する。ゴムチェーファー70には、リムライン73が形成される。
サイドゴム80は、サイドウォール部7において、カーカス層20を保護する。本実施形態において、サイドゴム80は、ビード部3及びサイドウォール部7に設けられる。サイドゴム80は、サイドウォール部7からビード部3まで延びている。サイドゴム80は、少なくともリムライン部3rまで延びている。従って、サイドゴム80は、リムフランジ210とトレッド幅方向において重なる位置にまで達する。サイドゴム80は、リムライン部3rにおいて、第2ビードフィラー60とゴムチェーファー70との間に設けられる。
サイドゴム80の剛性は、第2ビードフィラー60の剛性及びゴムチェーファー70の剛性よりも小さい。従って、サイドゴム80は、第2ビードフィラー60及びゴムチェーファー70よりも発熱しにくい。
ナイロンコード層90は、ビードコア10を保護する。ナイロンコード層90は、ナイロンコードによって構成される。ナイロンコード層90は、ビードコア10とカーカスアップ層30との間に設けられる。ナイロンコード層90は、タイヤ径方向における内側から外側に向かってビードコア10を包む。ナイロンコード層90は、ナイロンコード内側部分90Aとナイロンコード外側部分90Bとを含む。ナイロンコード内側部分90Aは、トレッド幅方向においてカーカス本体部分30Aとビードコア10との間に位置する。ナイロンコード外側部分90Bは、トレッド幅方向においてビードコア10とカーカス折返し部分30Bとの間に位置する。
本実施形態において、第2ビードフィラー60の剛性は、第1ビードフィラー50の剛性よりも小さい。第1ビードフィラー50の剛性は、ゴムチェーファー70の剛性よりも小さい。従って、第2ビードフィラー60は、第1ビードフィラー50よりも発熱しにくい。第1ビードフィラー50は、ゴムチェーファー70よりも発熱しにくい。
剛性の大きさは、ゴム硬さによって測定する。ゴム硬さが硬いほど、剛性が大きい。ゴム硬さは、例えば、「JIS K 6253」の規定に準拠して、ゴム硬度計を用いて測定できる。
発熱性については、各ゴム部材の損失正接を用いて測定できる。発熱性が大きい、すなわち、発熱しやすいほど、損失正接が大きい。従って、サイドゴム80の損失正接は、第2ビードフィラー60の損失正接及びゴムチェーファー70の損失正接よりも小さい。また、本実施形態において、第2ビードフィラー60の損失正接は、第1ビードフィラー50の損失正接よりも小さい。第1ビードフィラー50の損失正接は、ゴムチェーファー70の損失正接よりも小さい。そのため、第2ビードフィラー60の損失正接は、ゴムチェーファー70の損失正接よりも小さい。なお、損失正接(tanδ)は、貯蔵剪断弾性率(G’)に対する損失剪断弾性率(G’’)の比(G’’/G’)である。損失正接は、例えば、「JIS K 6394」の規定に準拠して、動的粘弾性測定装置を用いて測定できる。
(2)ビード部3の概略構成
本実施形態に係るビード部3の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図2に示されるように、ビード部3は、ビードコア10、カーカスアップ層30、カーカスダウン層40、第1ビードフィラー50、第2ビードフィラー60、ゴムチェーファー70、サイドゴム80及びナイロンコード層90を含んで構成される。
ビードコア10は、タイヤ径方向におけるビードコア10の内側端であるビードコア内側端15を含む。ビードコア内側端15は、ビードコア10のタイヤ径方向において最も内側の表面である。タイヤ径方向におけるビードコア10の外側端は、第1ビードフィラー50と接する。
カーカスアップ層30は、本実施形態において、ビードコア10、第1ビードフィラー50及びナイロンコード層90を包む。従って、カーカス本体部分30Aとカーカス折返し部分30Bとは、タイヤ径方向における第1ビードフィラー50の外側において接する。本実施形態において、カーカスアップ層30は、第1ビードフィラー50及びナイロンコード層90と接する。
カーカス折返し部分30Bは、タイヤ径方向におけるカーカス折返し部分30Bの外側端であるカーカス折り返し外側端35Baを含む。カーカス折り返し外側端35Baは、カーカス本体部分30Aと接する。カーカス折り返し外側端35Baは、カーカスダウン層40と接する。
カーカスダウン層40は、タイヤ径方向におけるカーカスダウン層40の内側端であるカーカスダウン層内側端45を含む。カーカスダウン層内側端45は、タイヤ径方向において、リムライン部3rよりも内側に位置するゴムチェーファー70部分と接する。
第1ビードフィラー50は、タイヤ径方向における第1ビードフィラー50の外側端である第1ビードフィラー外側端55aを含む。
第1ビードフィラー50は、ナイロンコード層90と接する。ナイロンコード層90と接する部分よりもタイヤ径方向において外側の第1ビードフィラー50部分は、第1ビードフィラー外側端55aに向かうに連れ、第1ビードフィラー50の厚みが薄くなる。
第2ビードフィラー60は、タイヤ径方向における第2ビードフィラー60の外側端である第2ビードフィラー外側端65aを含む。第2ビードフィラー60は、タイヤ径方向における第2ビードフィラー60の内側端である第2ビードフィラー内側端65bを含む。第2ビードフィラー外側端65aは、カーカスダウン層40と接する。第2ビードフィラー外側端65aは、サイドゴム80と接する。また、第2ビードフィラー内側端65bは、カーカスダウン層40と接する。第2ビードフィラー内側端65bは、サイドゴム80と接する。タイヤ径方向において、第2ビードフィラー内側端65bは、ビードコア10よりも外側に位置する。
ゴムチェーファー70は、タイヤ径方向におけるゴムチェーファー70の外側端であるゴムチェーファー外側端75aを含む。ゴムチェーファー外側端75aは、サイドゴム80と接する。ゴムチェーファー外側端75aは、タイヤ1の外側表面に露出する。
サイドゴム80は、タイヤ径方向におけるサイドゴム80の内側の端部であるサイドゴム内側端部85を含む。サイドゴム内側端部85は、リムフランジ210とトレッド幅方向において重なる位置にある。サイドゴム内側端部85は、リムフランジ外側表面215よりもタイヤ径方向において内側に位置する。サイドゴム内側端部85は、カーカス層20(具体的には、カーカスダウン層40)と接する。従って、本実施形態では、ゴムチェーファー70と第2ビードフィラー60とが接しない構造となっている。サイドゴム内側端部85は、ビードコア内側端15よりもタイヤ径方向において外側に位置する。
ナイロンコード外側部分90Bは、タイヤ径方向におけるナイロンコード外側部分90Bの外側端であるナイロンコード外側端95Baを含む。ナイロンコード外側端95Baは、第1ビードフィラー50と接する。ナイロンコード外側端95Baは、カーカス折返し部分30Bと接する。
(3)ビード部3を構成する部材の位置関係
本実施形態に係るビード部3を構成する部材の位置関係について、図2及び図3を参照しながら説明する。図3は、図1におけるビード部3の拡大図である。すなわち、図3では、正規内圧を有し、正規荷重が負荷されたタイヤ1のタイヤ径方向及びトレッド幅方向に沿った断面図である。
図3に示されるように、ビードコア内側端15を基準として、タイヤ径方向におけるカーカス折り返し外側端35Baの高さがP1である。すなわち、ビードコア内側端15からカーカス折り返し外側端35Baまでのタイヤ径方向に沿った高さがP1である。ビードコア内側端15を基準として、タイヤ径方向における第1ビードフィラー外側端55aの高さがB1である。すなわち、ビードコア内側端15から第1ビードフィラー外側端55aまでのタイヤ径方向に沿った高さがB1である。ビードコア内側端15を基準として、タイヤ径方向における第2ビードフィラー外側端65aの高さがB2である。すなわち、ビードコア内側端15から第2ビードフィラー外側端65aまでのタイヤ径方向に沿った高さがB2である。ビードコア内側端15を基準として、タイヤ径方向におけるゴムチェーファー外側端75aの高さがG1である。すなわち、ビードコア内側端15からゴムチェーファー外側端75aまでのタイヤ径方向に沿った高さがG1である。ビードコア内側端15を基準として、タイヤ径方向におけるナイロンコード外側端95Baの高さがF1である。すなわち、ビードコア内側端15からナイロンコード外側端95Baまでのタイヤ径方向に沿った高さがF1である。ビードコア内側端15を基準として、タイヤ径方向におけるリムフランジ外側表面215の高さがH1である。すなわち、ビードコア内側端15からリムフランジ外側表面215までのタイヤ径方向に沿った高さがH1である。
B1は、H1の1.3倍以上、かつ、H1の3.0倍以下であることが好ましい。B2は、H1の1.3倍以上、かつ、H1の3.0倍以下であることが好ましい。F1は、H1の0.5倍以上、かつ、H1の1.5倍以下であることが好ましい。
図3に示されるように、本実施形態において、G1は、B2よりも低い。また、P1は、B2よりも高い。
(4)作用効果
タイヤ1によれば、カーカス本体部分30Aとカーカス折返し部分30Bとの間には、第1ビードフィラー50が設けられており、トレッド幅方向においてカーカス折返し部分30Bの外側には、第2ビードフィラー60が設けられており、トレッド幅方向において第2ビードフィラー60の外側には、ゴムチェーファー70が設けられており、第2ビードフィラー60とゴムチェーファー70との間に、ゴム層80が設けられており、サイドゴム80は、リムフランジ210とトレッド幅方向において重なる位置にまで達しており、ゴム層80の剛性は、第2ビードフィラー60の剛性及びゴムチェーファー70の剛性よりも小さく、ゴムチェーファー70は、タイヤ1の外側表面に露出する。
低内圧状態では、タイヤ1の転動によってリムライン部3rの倒れ込みが繰り返されるため、リムライン部3rは、熱が発生しやすい。リムライン部3rにおいて、第2ビードフィラー60とゴムチェーファー70との間に、サイドゴム80が設けられており、サイドゴム80は、リムフランジ210とトレッド幅方向において重なる位置にまで達している。このため、リムライン部3rにおけるゴムチェーファー70の熱は、第2ビードフィラー60に直接伝わらない。さらに、ゴムチェーファー70は、タイヤ1の外側表面に露出するため、ゴムチェーファー70で生じた熱は、タイヤ1の外へと逃げやすい。従って、リムライン部3rにおいて、ゴムチェーファー70で生じた熱が第2ビードフィラー60に伝わりにくくなる。また、サイドゴム80の剛性は、第2ビードフィラー60の剛性及びゴムチェーファー70の剛性よりも小さい。従って、サイドゴム80は、第2ビードフィラー60及びゴムチェーファー70よりも発熱しにくいため、サイドゴム80の熱によって、第2ビードフィラー60の温度は、上昇しにくい。これらの結果、第2ビードフィラー60の温度の上昇が抑制されるため、熱による第2ビードフィラー60のゴム物性の変化が抑制される。従って、第2ビードフィラー60とカーカスダウン層40との接着力の低下が抑制されるため、低内圧状態において、セパレーションを抑制できる。
タイヤ1は、ビード部3の剛性を高める第1ビードフィラー50、第2ビードフィラー60及びゴムチェーファー70を備えているため、ビード部3の耐久性を維持できる。
さらに、タイヤ1によれば、トレッド幅方向において、第1ビードフィラー外側端55aの外側には、第2ビードフィラー60が設けられる。第1ビードフィラー50のある部分と第1ビードフィラー50のない部分とでは、剛性差が生じるため、第1ビードフィラー外側端55aの周辺には、リムライン部3rの倒れ込みによって生じるせん断歪みが集中しやすい。トレッド幅方向における第1ビードフィラー外側端55aの外側に第2ビードフィラー60が設けられることによって、リムライン部3rの倒れ込みを抑制できるため、第1ビードフィラー外側端55aの周辺にせん断歪みが集中しにくくなる。その結果、ビード部3の耐久性を維持できる。
さらに、タイヤ1において、B2は、H1の1.3倍以上、かつ、H1の3.0倍以下であることが好ましい。B2がH1の1.3倍以上であれば、第2ビードフィラー60によって、リムライン部3rの倒れ込みが抑制できる。従って、ビード部3の剛性を向上できる。B2がH1の3.0倍以下であれば、第2ビードフィラー60の使用量が少なくなる。従って、第2ビードフィラー60で生じる熱が少なくなるため、ビード部3の温度の上昇を抑制できる。これにより、セパレーションを抑制できる。さらに、第2ビードフィラー60の使用量が少なくなるため、タイヤ1を軽量化できる。その結果、タイヤ1の転がり抵抗を低下できる。
さらに、タイヤ1において、B1は、H1の1.3倍以上、かつ、H1の3.0倍以下であることが好ましい。B1がH1の1.3倍以上であれば、ビード部3の剛性を向上しつつ、第1ビードフィラー外側端55aを歪みの集中しやすい位置から遠ざけることができる。その結果、第1ビードフィラー外側端55aに歪みが集中しにくくなり、ビード部3の耐久性を維持できる。B1がH1の3.0倍以下であれば、第1ビードフィラー50の使用量が少なくなる。第1ビードフィラー50で生じる熱が少なくなるため、ビード部3の温度の上昇を抑制できる。さらに、第1ビードフィラー50の使用量が少なくなるため、タイヤ1を軽量化できる。その結果、タイヤ1の転がり抵抗を低下できる。
さらに、タイヤ1において、第2ビードフィラー60の損失正接は、ゴムチェーファー70の損失正接よりも小さい。これにより、タイヤ1の外側へ熱を逃がしやすいゴムチェーファー70によって、ビード部3の剛性を高めつつ、第2ビードフィラー60で生じる熱を抑えることができる。その結果、ビード部3の温度の上昇を抑制できるため、セパレーションを抑制できる。
さらに、タイヤ1において、G1は、B2より低い。このため、ゴムチェーファー外側端75aは、タイヤ径方向において、第2ビードフィラー外側端65aよりも内側にある。従って、ゴムチェーファー70に生じた熱は、第2ビードフィラー60全体に伝わりにくい。このため、第2ビードフィラー60の温度の上昇を抑制できる。その結果、第2ビードフィラー60とカーカスダウン層40との接着力の低下が抑制される。また、ゴムチェーファー70の使用量が少なくなるため、ゴムチェーファー70に生じる熱量を抑えることができるとともに、タイヤ1を軽量化できる。
さらに、タイヤ1において、カーカスダウン層40は、トレッド幅方向においてカーカス折返し部分30Bと第2ビードフィラー60との間に位置する。このため、トレッド幅方向においてカーカス折り返し外側端35Baは、カーカスダウン層40に接する。このため、カーカス折り返し外側端35Baとトレッド幅方向において外側にゴム部材が接しない。従って、カーカス折り返し外側端35Baを起点としたセパレーションが抑制される。その結果、ビード部3の耐久性を維持できる。
さらに、タイヤ1において、F1は、H1の0.5倍以上、かつ、H1の1.5倍以下であることが好ましい。F1がH1の0.5倍以上とすることにより、ナイロンコード層90がビードコア10を適切に保護できる。F1がH1の1.5倍以下であることにより、ナイロンコード外側端95Baが、歪みの集中しやすい位置に配置されにくくなる。従って、ナイロンコード外側端95Baで発生が懸念される歪みを、リムライン部3rの倒れ込みによって生じるせん断歪みから遠ざけることができる。従って、歪みが一部に集中しなくなるため、セパレーションを抑制できる。
さらに、タイヤ1において、P1は、B2よりも高い。これにより、カーカス折り返し外側端35Baで発生が懸念される歪みを、リムライン部3rの倒れ込みによって生じるせん断歪みから遠ざけることができる。従って、歪みが集中しなくなるため、セパレーションを抑制できる。
なお、ビードコア内側端15を基準として、タイヤ径方向における第2ビードフィラー60の内側端の高さは、H1の1.0倍以上、かつ2.0倍以下であることが好ましい。第2ビードフィラー60の内側端の高さは、H1の1.0倍以上であれば、第2ビードフィラー60の使用量が少なくなる。第2ビードフィラー60で生じる熱が少なくなるため、ビード部3の温度の上昇を抑制できる。さらに、第2ビードフィラー60の使用量が少なくなるため、タイヤ1を軽量化できる。その結果、タイヤ1の転がり抵抗を低下できる。第2ビードフィラー60の内側端の高さは、H1の2.0倍以下であれば、リムライン部3rの倒れ込みによって生じるせん断歪みが集中しやすい部分に、第2ビードフィラー60が適切に設けられる。これによって、リムライン部3rの倒れ込みを抑制できるため、ビード部3の耐久性を維持できる。
(5)変形例
上述した実施形態に係る変形例について、図4を参照しながら説明する。図4は、変形例に係るタイヤにおけるビード部3のタイヤ径方向及びトレッド幅方向に沿った断面図である。図4において、変形例に係るタイヤは、正規内圧を有し、正規荷重が負荷されている。なお、上述した実施形態と同様の部分は、適宜省略する。
変形例に係るタイヤでは、G1は、B2より高い。すなわち、トレッド幅方向において、ゴムチェーファー70は、サイドゴム80を挟んで第2ビードフィラー60全体を覆っている。従って、ビード部3のタイヤ径方向において外側部分の剛性を第2ビードフィラー60だけでなく、ゴムチェーファー70によって向上できる。これにより、低内圧状態において、リムライン部3rの倒れ込みがより起こりやすい場合であっても、セパレーションを抑制することができる。その結果、ビード部3の耐久性を維持できる。
(6)比較評価
本発明の効果を確かめるために、以下の測定を行った。実施例1は、図3のビード部の構成のタイヤである。実施例2は、図4のビード部の構成のタイヤである。
比較例1は、図5のビード部の構成のタイヤである。具体的には、比較例1は、第2ビードフィラーを備えていない。また、比較例1は、他のタイヤと比べて、第1ビードフィラー高さであるB1が高い。
比較例2は、図6のビード部の構成のタイヤである。具体的には、比較例2は、第2ビードフィラー高さであるB2が高い。また、比較例2は、第2ビードフィラーとゴムチェーファーとの間にサイドゴムが設けられていない。
比較例3は、図7のビード部の構成のタイヤである。具体的には、比較例3は、第2ビードフィラーとゴムチェーファーとの間にサイドゴムが設けられていない。
各タイヤにおいて、タイヤ径方向における各部材の高さは、以下の表1に示す。各部材の高さは、リムフランジ高さを基準として表示している。具体的には、リムフランジ高さは、17.5mmである。比較例1において、B1は73mmであり、G1は29mmであり、P1は49mmであり、F1は40mmである。比較例2において、B1は40mmであり、B2は58mmであり、G1は42mmであり、P1は52mmであり、F1は25mmである。比較例3において、B1は30mmであり、B2は34mmであり、G1は40mmであり、P1は44mmであり、F1は19mmである。実施例1において、B1は30mmであり、B2は40mmであり、G1は29mmであり、P1は44mmであり、F1は19mmである。実施例2において、B1は30mmであり、B2は34mmであり、G1は40mmであり、P1は44mmであり、F1は19mmである。その他の構成は、各タイヤいずれも同一である。
各タイヤのタイヤサイズは、LT225/75R16である。リムサイズが6Jのリムに各タイヤを装着し、以下の測定を行った。
(6.1)走行距離
各タイヤをドラム試験機に装着し、荷重をかけた状態で走行させた。各タイヤの走行距離を測定した。各タイヤそれぞれ内圧を変えて、走行距離を測定した。
通常内圧走行試験では、内圧を525kPaにし、荷重を1875kgかけて、各タイヤを走行させた。低内圧走行試験では、内圧を450kPaにし、荷重を1315kgかけて、各タイヤを走行させた。超低内圧走行試験では、内圧を300kPaにし、荷重を1315kgかけて、各タイヤを走行させた。結果を表1に示す。比較例1の結果を基準(100)として、その他のタイヤの結果を指数で表示している。なお、数値が高いほど、走行距離が長い。すなわち、ビード部の耐久性が優れている。
(6.2)温度
各タイヤをドラム試験機に装着し、60km/hの速度で24時間走行させた後に、リムライン位置にあるカーカス層の表面の温度を測定した。結果を表1に示す。比較例1の結果を基準(100)として、その他のタイヤの結果を指数で表示している。なお、数値が高いほど、温度が高い。
(6.3)タイヤ質量
各タイヤの質量を測定した。結果を表1に示す。比較例1の結果を基準(100)として、その他のタイヤの結果を指数で表示している。なお、数値が高いほど、質量が大きい。
(6.4)結果
Figure 0005806010
表1に示されるように、通常内圧走行時では、比較例1に比べて、比較例2、比較例3、実施例1及び実施例2は、走行距離が長かった。低内圧走行時及び超低内圧走行時では、比較例1から比較例3に比べて、実施例1及び実施例2は、走行距離が長かった。表1に示されるように、実施例1及び実施例2では、ビード部の温度の上昇が抑制されている。このため、カーカス層とゴム部材との接着性の低下が抑制されたため、セパレーションが抑制され、走行距離が長くなったと考えられる。
実施例1では、実施例2に比べて、通常内圧走行時及び低内圧走行時において、走行距離が長かった。実施例1では、実施例2に比べて、ゴムチェーファーの使用量が少ない。このため、ゴムチェーファーの発熱量が抑えられたことにより、ビード部の温度の上昇が抑えられ、その結果、セパレーションが抑制されたと考えられる。
実施例2では、実施例1に比べて、超低内圧走行時において、走行距離が長かった。超低内圧走行時では、リムライン部がより倒れ込みがやすくなる。実施例2では、実施例1に比べて、ゴムチェーファー高さが高い。このため、リムライン部の倒れ込みが抑制されたことにより、ビード部の温度の上昇が抑えられ、その結果、セパレーションが抑制されたと考えられる。
なお、表1に示されるように、比較例1及び比較例2に比べて、実施例1及び実施例2では、タイヤの質量を小さくできた。これは、実施例1及び実施例2では、比較例1に比べて、第1ビードフィラー及び第2ビードフィラーの使用量が少なく、比較例2に比べて、第2ビードフィラーの使用量が少ないためである。
(7)その他実施形態
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。
例えば、上述した実施形態では、サイドゴム80が第2ビードフィラー60とゴムチェーファー70との間に設けられていたが、必ずしもこれに限られない。例えば、別のゴム層が第2ビードフィラー60とゴムチェーファー70との間に設けられていてもよい。この場合、ゴム層の剛性は、第2ビードフィラー60の剛性及びゴムチェーファー70の剛性よりも小さい。従って、ゴム層の損失正接は、第2ビードフィラー60の損失正接及びゴムチェーファー70の損失正接よりも小さい。
上述した実施形態では、サイドゴム内側端部85は、カーカス層20と接していたが、必ずしもこれに限られない。サイドゴム80は、リムライン部3rにおいて、第2ビードフィラー60とゴムチェーファー70との間に設けられていればよい。従って、倒れ込みが起こらないリムライン部3rよりもタイヤ径方向において内側のビード部3では、第2ビードフィラー60とゴムチェーファー70とは、接していてもよい。
上述した実施形態では、P1は、B2よりも高かったが、これに限られない。P1は、B2よりも低くてもよい。
上述した実施形態では、カーカス層20は、カーカスアップ層30とカーカスダウン層40とを備えていたが、必ずしもこれに限られない。カーカス層20は、カーカスアップ層30のみ備えていてもよい。カーカス層20は、カーカスアップ層30を2枚備えていてもよい。
なお、カーカス層20は、カーカスアップ層30のみ備えていた場合、上述した実施形態において、カーカスダウン層40と接していた第2ビードフィラー60及びサイドゴム80は、カーカスアップ層30と接する。第2ビードフィラー60は、カーカス層20と接していたが、第2ビードフィラー60とカーカス層20との間に別のゴム部材が配置されていてもよい。
上述した実施形態では、タイヤ1は、ナイロンコード層90を備えていたが、必ずしもこれに限られない。タイヤ1は、ナイロンコード層90を備えていなくてもよい。また、タイヤ1は、上述した部材以外の部材を備えていてもよい。例えば、タイヤ1は、トレッド部5において、トレッド幅方向においてカーカス層20の外側に位置するベルト層を備えていてもよい。
本発明に係るタイヤは、空気入りタイヤであっても良いし、アルゴン等の希ガスが入れられた空気以外の気体入りタイヤであっても良い。また、小型トラックや大型乗用車に用いられるタイヤでは、タイヤに高荷重がかかりやすいため、ビード部の耐久性の向上が強く求められている。このため、本発明に係るタイヤは、小型トラックや大型乗用車に用いられるタイヤに好適に用いることができる。
なお、本発明において、「リム」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2008年度版に定められた適用サイズにおける標準リムを指す。日本以外では、後述する規格に記載されている適用サイズにおける標準リムを指す。
「正規内圧」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2008年度版のタイヤの測定方法で規定された(0−3頁、5項)空気圧である。日本以外では、「正規内圧」とは、後述する規格に記載されているタイヤ寸法測定時の空気圧に対応する空気圧である。
「正規荷重」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2008年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。日本以外では、「正規荷重」とは、後述する規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことである。
規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc. のYear Book ”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。
本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…タイヤ、 3…ビード部、 3r…リムライン部、 5…トレッド部、 5…ビード部、 7…サイドウォール部、 10…ビードコア、 15…ビードコア内側端、 20…カーカス層、 30…カーカスアップ層、 30A…カーカス本体部分、 30B…カーカス折返し部分、 35Ba…カーカス折返し外側端、 40…カーカスダウン層、 45…カーカスダウン層内側端、 50…第1ビードフィラー、 55a…第1ビードフィラー外側端、 60…第2ビードフィラー、 65a…第2ビードフィラー外側端、 65b…第2ビードフィラー内側端、 70…ゴムチェーファー、 73…リムライン、 75a…ゴムチェーファー外側端、 80…サイドゴム、 85…サイドゴム内側端部、 90…ナイロンコード層、 90A…ナイロンコード内側部分、 90B…ナイロンコード外側部分、 95Ba…ナイロンコード外側端、 200…リム、 210…リムフランジ、 215…リムフランジ外側表面

Claims (8)

  1. 1対のビードコアと、前記1対のビードコア間に跨るトロイダル形状を有するカーカス層とを備え、小型トラックに適用されるタイヤであって、
    前記カーカス層は、前記1対のビードコア間に跨るカーカス本体部分と、前記1対のビードコアでトレッド幅方向の外側に折り返されるカーカス折返し部分とを含み、
    前記カーカス本体部分と前記カーカス折返し部分との間には、第1ビードフィラーが設けられており、
    前記トレッド幅方向において前記カーカス折返し部分の外側には、第2ビードフィラーが設けられており、
    前記トレッド幅方向において前記第2ビードフィラーの外側には、ゴムチェーファーが設けられており、
    前記第2ビードフィラーと前記ゴムチェーファーとの間に、ゴム層が設けられており、
    前記ゴム層は、前記タイヤが組み付けられるリムに設けられるリムフランジと前記トレッド幅方向において重なる位置にまで達しており、
    前記ゴム層の剛性は、前記第2ビードフィラーの剛性及び前記ゴムチェーファーの剛性よりも小さく、
    前記ゴムチェーファーは、前記タイヤの外側表面に露出し、
    前記第1ビードフィラーは、タイヤ径方向における前記第1ビードフィラーの外側端である第1ビードフィラー外側端を含み、
    前記トレッド幅方向において、第1ビードフィラー外側端の外側には、第2ビードフィラーが設けられ、かつ、
    前記第1ビードフィラー外側端が前記ゴムチェーファー外側端よりも前記タイヤ径方向の内側に位置し、
    タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、
    前記タイヤ径方向における前記第2ビードフィラーの外側端の高さがB2であり、
    前記タイヤ径方向における前記ゴムチェーファーの外側端の高さがG1であり、
    前記G1は、前記B2より高いタイヤ。
  2. 損失正接(tanδ)を、貯蔵剪断弾性率(G’)に対する損失剪断弾性率(G’’)の比(G’’/G’)として定義した場合、前記第2ビードフィラーの損失正接は、前記第1ビードフィラーの損失正接よりも小さく、かつ、前記第1ビードフィラーの損失正接は、前記ゴムチェーファーの損失正接よりも小さい請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記ゴム層の内側端は、前記ビードコアの内側端よりも前記タイヤ径方向の外側に位置する請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、
    前記タイヤ径方向における前記リムフランジの高さがH1であり、
    前記タイヤ径方向における前記第2ビードフィラーの外側端の高さがB2であり、
    前記B2は、前記H1の1.3倍以上、かつ、前記H1の3.0倍以下である請求項1から3の何れか1項に記載のタイヤ。
  5. タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、
    前記タイヤ径方向における前記リムフランジの高さがH1であり、
    前記タイヤ径方向における前記第1ビードフィラーの外側端の高さがB1であり、
    前記B1は、前記H1の1.3倍以上、かつ、前記H1の3.0倍以下である請求項1から4の何れか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記タイヤは、前記カーカス層に沿って延び、前記トレッド幅方向において前記1対のビードコアの外側に跨るトロイダル形状を有するカーカスダウン層を備え、
    前記カーカスダウン層は、前記トレッド幅方向において前記カーカス折返し部分と前記第2ビードフィラーとの間に位置する請求項1から5の何れか1項に記載のタイヤ。
  7. 前記タイヤは、前記ビードコアと前記カーカス層との間に設けられるナイロンコード層を備え、
    前記ナイロンコード層は、前記トレッド幅方向において前記カーカス本体部分と前記ビードコアとの間に位置するナイロンコード内側部分と、前記トレッド幅方向において前記ビードコアと前記カーカス折返し部分との間に位置するナイロンコード外側部分とを含み、
    前記ナイロンコード外側部分は、タイヤ径方向における前記ナイロンコード外側部分の外側端を含み、
    前記タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、
    前記タイヤ径方向における前記リムフランジの高さがH1であり、
    前記タイヤ径方向における前記ナイロンコード外側部分の外側端の高さがF1であり、
    前記F1は、前記H1の0.5倍以上、かつ、前記H1の1.5倍以下である請求項1から6の何れか1項に記載のタイヤ。
  8. タイヤ径方向における前記ビードコアの内側端を基準とした場合に、
    前記タイヤ径方向における前記カーカス折返し部分の外側端の高さがP1であり、
    前記タイヤ径方向における前記第2ビードフィラーの外側端の高さがB2であり、
    前記P1は、前記B2よりも高い請求項1から7の何れか1項に記載のタイヤ。
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