JP2017056890A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】セパレーションが生じにくく耐久性が向上した空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】一対のビード部11間の本体部21と、本体部21から伸びてビード部11 の周りでタイヤ幅方向内側から外側へ折り返されて形成された巻き上げ部22とを有するアッププライ20と、アッププライ20よりタイヤ外側に設けられ、巻き上げ部22とタイヤ幅方向に重なる部分を有するダウンプライ25と、ビード部11よりタイヤ幅方向外側におけるタイヤ表面を有するゴムチェーファー40と、アッププライ20(アッププライが複数ある場合、巻き上げ端部がよりタイヤ径方向外側のアッププライ)の巻き上げ部22とダウンプライ25とに挟まれた第1ゴム層42と、ダウンプライ25とゴムチェーファー40とに挟まれた第2ゴム層44と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】一対のビード部11間の本体部21と、本体部21から伸びてビード部11 の周りでタイヤ幅方向内側から外側へ折り返されて形成された巻き上げ部22とを有するアッププライ20と、アッププライ20よりタイヤ外側に設けられ、巻き上げ部22とタイヤ幅方向に重なる部分を有するダウンプライ25と、ビード部11よりタイヤ幅方向外側におけるタイヤ表面を有するゴムチェーファー40と、アッププライ20(アッププライが複数ある場合、巻き上げ端部がよりタイヤ径方向外側のアッププライ)の巻き上げ部22とダウンプライ25とに挟まれた第1ゴム層42と、ダウンプライ25とゴムチェーファー40とに挟まれた第2ゴム層44と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は空気入りタイヤに関する。
例えば特許文献1に示されているように、空気入りタイヤには2枚のカーカスプライを備えるものがある。2枚のカーカスプライのうち1枚は、一対のビード部間でタイヤの骨格を形成するとともに、ビード部の周りでタイヤ幅方向内側から外側へ折り返されて巻き上げられたアッププライ(内側カーカスプライ等とも言う)である。もう1枚は、アッププライよりタイヤ外側に設けられたダウンプライ(外側カーカスプライ等とも言う)である。
このような空気入りタイヤでは、アッププライとダウンプライとの接触面やダウンプライのタイヤ幅方向外側の面に、これらの面内で一方が他方に対してずれる方向の歪みが生じ易く、その歪みが原因でセパレーション等の故障が生じるおそれがあった。そのためこのような空気入りタイヤの耐久性には向上の余地があった。
また特許文献2に示されているように、ダウンプライのタイヤ幅方向外側に補助フィラーが設けられ、ダウンプライの端部がアッププライと補助フィラーとに挟まれた空気入りタイヤも提案されている。さらに、アッププライとダウンプライの間に緩衝ゴム層が設けられ、ダウンプライの端部が緩衝ゴム層と補助フィラーとに挟まれた空気入りタイヤも提案されている。これらの空気入りタイヤでは、ダウンプライの端部がアッププライ又は緩衝ゴム層と補助フィラーとの間で保護されるため、ダウンプライの端部を起点としたセパレーションの発生が抑制される。
しかし、補助フィラーがタイヤ表面を形成している場合、補助フィラーがリムから応力を受けたときに補助フィラーとダウンプライとの間に歪みが生じてセパレーションが生じるおそれがある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、セパレーションが生じにくく耐久性が向上した空気入りタイヤを提供することを課題とする。
実施形態の空気入りタイヤは、一対のビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側にそれぞれ設けられたビードフィラーとを有するビード部と、一対の前記ビード部間の本体部と、前記本体部から伸びて前記ビード部の周りでタイヤ幅方向内側から外側へ折り返されタイヤ径方向外側へ巻き上げられて形成された巻き上げ部とを有するアッププライと、前記アッププライよりタイヤ外側に設けられ、前記巻き上げ部とタイヤ幅方向に重なる部分を有するダウンプライと、を備える空気入りタイヤにおいて、前記ビード部よりタイヤ幅方向外側におけるタイヤ表面を有するゴムチェーファーと、前記アッププライの前記巻き上げ部と前記ダウンプライとに挟まれた第1ゴム層と、前記ダウンプライと前記ゴムチェーファーとに挟まれた第2ゴム層と、を有することを特徴とする。
本実施形態の空気入りタイヤはセパレーション等の故障が生じにくく耐久性が向上したものである。
本実施形態の空気入りタイヤ10はタイヤ幅方向両側に一対のビード部11を有する。図1に示されているように、ビード部11は、束ねられた鋼線にゴムが被覆されたビードコア12と、ビードコア12のタイヤ径方向外側に設けられたゴム部材であるビードフィラー13を有する。
空気入りタイヤ10は2枚のカーカスプライを備える。2枚のカーカスプライのうち1枚は、一対のビード部11の間でタイヤの骨格を形成する本体部21と、本体部21から伸びてビード部11の周りでタイヤ幅方向内側から外側へ折り返されタイヤ径方向外側へ巻き上げられて形成された巻き上げ部22とを有するアッププライ20である。もう1枚のカーカスプライは、一対のビード部11の間でアッププライ20よりタイヤ外側に設けられたダウンプライ25である。ダウンプライ25はアッププライ20の巻き上げ部22とタイヤ幅方向に重なる部分を有している。いずれのカーカスプライも、複数のプライコードがゴムで被覆されて形成されたものである。プライコードとしては、ポリエステルやナイロン等でできた有機繊維コードや、スチールコード等が用いられる。
カーカスプライよりタイヤ径方向外側には複数のベルト30が積層されている。ベルト30はスチール製等の複数本のコードがゴムで被覆されたものである。タイヤ幅方向両側において、ベルト30とダウンプライ25との間に、ベルト下パッド31が設けられている。また、ベルト30よりタイヤ径方向外側には接地面を有するトレッド32が設けられている。さらに、ダウンプライ25のタイヤ幅方向両側にはサイドウォール33が、アッププライ20のタイヤ内側にはインナーライナー34が、それぞれ設けられている。
図2にビード部11周辺の構造が示されている。ビード部11よりタイヤ幅方向外側にはゴムチェーファー40が設けられている。ゴムチェーファー40の上部はサイドウォール33の下部と接している。またゴムチェーファー40の下部はビードコア12よりタイヤ径方向内側へ入り込んでいる。このゴムチェーファー40の表面の一部はタイヤ表面を構成している。ゴムチェーファー40の表面のうち少なくともビードコア12のタイヤ幅方向外側にあたる面にはリムが接する。
タイヤ表面の所定位置にはリムライン35が小突起として設けられている。リムライン35とは、空気入りタイヤ10が正規リムに装着されたときに空気入りタイヤ10と正規リムとが同心円状になっていることを確認するためのラインのことである。その目的のために、リムライン35は、タイヤ周方向に1周に亘って設けられ、空気入りタイヤ10の回転軸を中心とする円となっている。リムライン35が設けられる所定位置は、リムライン35が正規リムのフランジの外周から一定距離だけタイヤ径方向外側に出る位置である。図2のように、通常、リムライン35はタイヤ表面におけるゴムチェーファー40とサイドウォール33との境界部分に設けられている。なお正規リムとはJATMA、TRA、ETRTO等の規格に定められている標準リムのことである。
アッププライ20の巻き上げ部22とダウンプライ25との間に第1ゴム層42が設けられている。またダウンプライ25とゴムチェーファー40との間に第2ゴム層44が設けられている。よって、アッププライ20の巻き上げ部22はビードフィラー13と第1ゴム層42とに挟まれ、ダウンプライ25は第1ゴム層42と第2ゴム層44とに挟まれていることになる。なお、第2ゴム層44のタイヤ幅方向外側にゴムチェーファー40があるため、第2ゴム層44はタイヤ表面に露出されておらず、リムと接触することはない。
また、アッププライ20の折り返されている部分の周りには、アッププライ20を包むように折り返しチェーファー49が設けられている。折り返しチェーファー49は複数の有機繊維コードが埋め込まれたゴム部材である。
本実施形態では、望ましい形態として、各部材の端部が以下のように配置されている。
まず、ダウンプライ25のタイヤ径方向内側の端部25aは、ビードコア12の中心12aよりタイヤ径方向内側で、かつ、ビードコア12のタイヤ幅方向外側の端部12bよりタイヤ幅方向外側にある。ここでビードコア12の中心12aとは、ビードコア12のタイヤ幅方向の長さが最も長い位置でのタイヤ幅方向の中心のことである。
また、ビードフィラー13がアッププライ20の巻き上げ部22の端部22aよりもタイヤ径方向外側まで伸びている。そのため、ビードフィラー13がアッププライ20の本体部21と巻き上げ部22の端部22aとの間に入り、これらを離隔させていることになる。
また、第1ゴム層42もアッププライ20の巻き上げ部22の端部22aよりもタイヤ径方向外側まで伸びている。そのため、巻き上げ部22の端部22aは、ビードフィラー13と第1ゴム層42とに挟まれていることになる。また、第1ゴム層42が、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aとダウンプライ25とを離隔させていることになる。第1ゴム層42のタイヤ径方向内側の端部42bは、ビードコア12のタイヤ径方向外側の端部12cから、タイヤ径方向両側へ、ビードコア12のタイヤ径方向の長さの50%の距離内にある。
また、第2ゴム層44のタイヤ径方向外側の端部44aは、ゴムチェーファー40のタイヤ幅方向内側の面におけるタイヤ径方向外側の端部40aよりも、タイヤ径方向外側にある。また、第2ゴム層44のタイヤ径方向内側の端部44bは、ビードコア12のタイヤ径方向外側の端部12cから、タイヤ径方向両側へ、ビードコア12のタイヤ径方向の長さの50%の距離内にある。第2ゴム層44のタイヤ径方向内側の端部44bは、リムライン35よりもタイヤ径方向内側にある。
また、第2ゴム層44のタイヤ径方向外側の端部44aは、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aよりもタイヤ径方向外側で、第1ゴム層42のタイヤ径方向外側の端部42aよりもタイヤ径方向内側にある。
また本実施形態では、望ましい形態として、第1ゴム層42、第2ゴム層44ともに、タイヤ幅方向の厚みがタイヤ径方向に変化している。
第1ゴム層42は、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aの位置又はその周辺部分において最も厚くなっている。巻き上げ部22の端部22aの位置の周辺部分とは、巻き上げ部22の端部22aの位置を中心にして、タイヤ径方向両側に、第1ゴム層42のタイヤ径方向の全長の10%の長さだけ離れた2つの位置に挟まれた部分のことである。第1ゴム層42の最も厚い部分での厚みは2.0mm以上4.0mm以下である。
また第2ゴム層44は、リムライン35のタイヤ幅方向内側の位置又はその周辺部分において最も厚くなっている。リムライン35のタイヤ幅方向内側の位置の周辺部分とは、リムライン35のタイヤ幅方向内側の位置を中心にして、タイヤ径方向両側に、第2ゴム層44のタイヤ径方向の全長の10%の長さだけ離れた2つの位置に挟まれた部分のことである。第2ゴム層44の最も厚い部分での厚みは1.0mm以上3.0mm以下である。なお、リムライン35のタイヤ幅方向内側では、アッププライ20の巻き上げ部22、第1ゴム層42、ダウンプライ25、第2ゴム層44、ゴムチェーファー40が、タイヤ幅方向に重なっている。
また本実施形態では、望ましい形態として、第1ゴム層42や第2ゴム層44等が以下の硬度を有している。なお硬度とはJIS K 6253で定められたタイプAのデュロメータで測定した硬度のことである。第1ゴム層42の硬度は、ビードフィラー13の硬度と同等以下であり、ビードフィラー13の硬度の85%以上95%以下の硬度であることがより望ましい。また、第2ゴム層44の硬度は、ビードフィラー13の硬度と同等以下であり、ビードフィラー13の硬度の85%以上90%以下の硬度であることがより望ましい。特に、ビードフィラー13、第1ゴム層42、第2ゴム層44の順に硬度が高いことが望ましい。また、ゴムチェーファー40の硬度は、ビードフィラー13の硬度の95%以上105%以下の硬度である。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、アッププライ20の巻き上げ部22とダウンプライ25との間に第1ゴム層42が挟まれているため、アッププライ20の巻き上げ部22とダウンプライ25とが接触しその接触面に歪みが生じることを防ぐことができ、セパレーションが生じることを防ぐことができる。また、タイヤ表面を有するゴムチェーファー40とダウンプライ25との間に第2ゴム層44が挟まれているため、ゴムチェーファー40がリムから応力を受けても、第2ゴム層44がその応力を緩和することができる。そのためダウンプライ25のタイヤ幅方向外側の面に歪みが生じてセパレーションが生じることを防ぐことができる。これらのことから本実施形態の空気入りタイヤ10は耐久性に優れている。
また、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aと本体部21との間にビードフィラー13が挟まれているため、ビードフィラー13が、巻き上げ部22と本体部21とを完全に離隔させて、これらの間の歪みを低減させている。そのため空気入りタイヤ10はさらに耐久性に優れたものとなっている。
また、ダウンプライ25の端部25aがビードコア12の中心12aよりタイヤ径方向内側にあるため、ダウンプライ25の端部25aをビードコア12とリムとの間に挟むことができ、その効果としてビード部11近傍の剛性が向上する。また、ダウンプライ25の端部25aが、ビードコア12のタイヤ幅方向外側の端部12bよりタイヤ幅方向外側にある。そのため、ダウンプライ25がさらにタイヤ径方向内側へ伸びてその端部25aがビードコア12のタイヤ径方向内側に巻き込まれている場合と比較して、空気入りタイヤ10の重量が軽くなり、また生産が容易になる。
また、ビードコア12とリムとの間の領域では、ダウンプライ25やゴムチェーファー40はビードコア12とリムにより固定されて動きにくい。しかし、リムとタイヤ表面とが接する部分よりもタイヤ径方向外側の領域では、ダウンプライ25やゴムチェーファー40はビードコア12とリムにより固定されない。そのため、リムとタイヤ表面とが接する部分よりもタイヤ径方向外側の領域(その領域内でも特にリムから離れた領域)において、ダウンプライ25とゴムチェーファー40とが接触していると、接触面に歪みが生じ易い。しかし本実施形態のように、第2ゴム層44のタイヤ径方向外側の端部44aが、ゴムチェーファー40のタイヤ幅方向内側の面におけるタイヤ径方向外側の端部40aよりもタイヤ径方向外側にあれば、前記のリムから離れた領域においてダウンプライ25とゴムチェーファー40とが接触することを防ぐことができ、これらの接触面に歪みが生じてセパレーションが生じることを防ぐことができ、空気入りタイヤ10をさらに耐久性に優れたものとすることができる。
また、第2ゴム層44のタイヤ径方向外側の端部44aが、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aよりもタイヤ径方向外側で、第1ゴム層42のタイヤ径方向外側の端部42aよりもタイヤ径方向内側にあるため、これらの部材の端部がタイヤ幅方向に重ならず、応力がタイヤ径方向の1箇所に集中することを防ぐことができ、セパレーションが生じることを防ぐことができ、空気入りタイヤ10をさらに耐久性に優れたものとすることができる。
また、第1ゴム層42がアッププライ20の巻き上げ部22の端部22aの位置又はその周辺部分において最も厚くなっているため、巻き上げ部22の端部22aの歪みを効果的に低減することができ、巻き上げ部22の端部22aを起点とするセパレーションを防ぐことができ、空気入りタイヤ10をさらに耐久性に優れたものとすることができる。また、第2ゴム層44がリムライン35のタイヤ幅方向内側の位置又はその周辺部分においてタイヤ幅方向に最も厚くなっているため、ダウンプライ25のタイヤ幅方向外側の面に歪みが生じることを効果的に防ぐことができ、セパレーションが生じることを効果的に防ぐことができ、空気入りタイヤ10をさらに耐久性に優れたものとすることができる。
また、ビードフィラー13、第1ゴム層42、第2ゴム層44の順に硬度が高くなっている場合、ビードフィラー13から第2ゴム層44にかけてこれらの3つの部材の硬度が徐々に低くなることでこれらの3つの部材のいずれかに歪みが集中することを防ぐことができ、セパレーションが生じることを効果的に防ぐことができ、空気入りタイヤ10をさらに耐久性に優れたものとすることができる。
また、第1ゴム層42や第2ゴム層44がビードフィラー13の硬度よりも低い硬度である場合、第1ゴム層42や第2ゴム層44は緩衝の効果を十分に果たすことができる。特に、第1ゴム層42は、ビードフィラー13の硬度の85%以上95%以下の硬度であれば、緩衝の効果を十分に果たすことができる。また、ダウンプライ25のタイヤ幅方向外側の面は最も大きな歪みが生じるおそれのある部分である。しかし、第2ゴム層44がビードフィラー13の硬度の85%以上90%以下の硬度でしかもゴムチェーファー40よりも低い硬度であれば、第2ゴム層44の緩衝の効果が大きく、ダウンプライ25のタイヤ幅方向外側の面に生じる歪みを低減することができ、空気入りタイヤ10をさらに耐久性に優れたものとすることができる。
以上の実施形態に対して、発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な変更、置換、省略等を行うことができる。
例えば、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aと本体部21との間にはゴム部材が挟まれていれば良く、そのゴム部材は上記実施形態のようにビードフィラー13の一部でなくても良い。
図3(上記実施形態における部材と同一の部材には、図2における符号と同一の符号が付してある)の変更例では、ビードフィラー113のタイヤ径方向外側の端部が、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aよりもタイヤ径方向内側にある。そして、ビードフィラー113のタイヤ径方向外側に、ゴム部材としての緩衝ゴム層114が設けられている。緩衝ゴム層114のタイヤ径方向外側の端部114aは、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aよりもタイヤ径方向外側にある。そのため、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aと本体部21との間には緩衝ゴム層114が挟まれている。緩衝ゴム層114の硬度は、ビードフィラー113の硬度の80%以上100%以下の硬度であることが望ましい。
この変更例の場合も、アッププライ20の巻き上げ部22の端部22aと本体部21との間に緩衝ゴム層114が挟まれているため、ビードフィラー113及び緩衝ゴム層114が、巻き上げ部22と本体部21とを完全に離隔させて、これらの間の歪みを低減させている。そのため空気入りタイヤ10は耐久性に優れたものとなる。
また、アッププライは2枚以上設けられていても良い。図4の変更例では、アッププライとして、ビード部11に接する第1アッププライ220と、それに重ねられた第2アッププライ250が設けられている。第1アッププライ220の巻き上げ部222の端部222aと、第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aとは、いずれがよりタイヤ径方向外側にあっても良いが、図4では第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aの方がよりタイヤ径方向外側にある。
この変更例の場合もアッププライとその他の部材との位置関係等は上記実施形態の場合と同じである。つまり、第2アッププライ250の巻き上げ部252と、ダウンプライ25との間に、第1ゴム層42が設けられている。
また、ビードフィラー13が、第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252a(つまり巻き上げ部の端部がよりタイヤ径方向外側にあるアッププライのその端部、以下同じ)よりもタイヤ径方向外側まで伸びている。そのため、ビードフィラー13が、第1アッププライ220の本体部221と、第1アッププライ220の巻き上げ部222の端部222a及び第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aとの間に入り、これらを離隔させていることになる。図3の変更例のように、ビードフィラーのタイヤ径方向外側の端部が、第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aよりもタイヤ径方向内側にあり、ビードフィラーのタイヤ径方向外側に、ゴム部材としての緩衝ゴム層が設けられ、緩衝ゴム層のタイヤ径方向外側の端部が、第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aよりもタイヤ径方向外側にあっても良い。
また、第1ゴム層42も、第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aよりもタイヤ径方向外側まで伸びている。そのため第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aがビードフィラー13と第1ゴム層42とに挟まれていることになり、また第1ゴム層42が第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aとダウンプライ25とを離隔させていることになる。
また、第2ゴム層44のタイヤ径方向外側の端部44aは、第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aよりもタイヤ径方向外側で、第1ゴム層42のタイヤ径方向外側の端部42aよりもタイヤ径方向内側にある。
また、第1ゴム層42は、第2アッププライ250の巻き上げ部252の端部252aの位置又はその周辺部分において最も厚くなっている。
比較例及び実施例の空気入りタイヤの耐久性を評価した。比較例及び実施例の空気入りタイヤの特徴は表1の通りである。比較例1の空気入りタイヤは、図5(上記実施形態における部材と同一の部材には、図2における符号と同一の符号が付してある)に示されたもので、第2ゴム層44が設けられているが第1ゴム層が設けられていないものである。比較例2の空気入りタイヤは、図6(上記実施形態における部材と同一の部材には、図2における符号と同一の符号が付してある)に示されたもので、第1ゴム層も第2ゴム層も設けられていないものである。実施例1の空気入りタイヤは図2に示された上記実施形態の空気入りタイヤ10と同じ構造のものである。実施例2の空気入りタイヤは、図3の変更例の空気入りタイヤと同じ構造のもので、ビードフィラー113のタイヤ径方向外側に緩衝ゴム層114が設けられ、緩衝ゴム層114がアッププライ20の巻き上げ部22の端部22aと本体部21との間に挟まれているものである。いずれのタイヤもサイズは195/85R16である。このタイヤを正規リムにリム組みした。
耐久性の評価を次のように行った。まず、空気入りタイヤをテストドラムに接地させ、空気入りタイヤの走行を開始する。空気入りタイヤの走行速度はそのタイヤのスピードシンボルで規定される許容速度に対し55%の速度とする。初期の負荷荷重はロードインデックスで規定される最大負荷荷重に対して65%とする。その後ステップを順に上げていくが、ステップを上げる毎に負荷荷重を20%(ステップを上げる前の負荷荷重の20%)ずつ上げていく。ステップ1からステップ3までは12時間走行毎に次のステップへ変更し、それ以降は24時間毎に次のステップへ変更する。空気入りタイヤに故障が発生した時に空気入りタイヤの走行を終了する。このようにして、各空気入りタイヤについて、故障が発生するまでの走行時間を調べた。そして各空気入りタイヤについての走行時間を、比較例1の走行時間を100とする相対的な指数に換算した。指数が大きいほど故障が発生するまでの走行時間が長く耐久性に優れていることを示している。
結果は表1の通りで、実施例1及び実施例2の空気入りタイヤは、比較例1及び比較例2の空気入りタイヤよりも耐久性に優れることが確認できた。
10…空気入りタイヤ、11…ビード部、12…ビードコア、12a…ビードコア12の中心、12b…ビードコア12のタイヤ幅方向外側の端部、12c…ビードコア12のタイヤ径方向外側の端部、13…ビードフィラー、20…アッププライ、21…本体部、22…巻き上げ部、22a…巻き上げ部22の端部、25…ダウンプライ、25a…ダウンプライ25の端部、30…ベルト、31…ベルト下パッド、32…トレッド、33…サイドウォール、34…インナーライナー、35…リムライン、40…ゴムチェーファー、40a…ゴムチェーファー40のタイヤ幅方向内側の面におけるタイヤ径方向外側の端部、42…第1ゴム層、42a…第1ゴム層42のタイヤ径方向外側の端部、42b…第1ゴム層42のタイヤ径方向内側の端部、44…第2ゴム層、44a…第2ゴム層44のタイヤ径方向外側の端部、44b…第2ゴム層44のタイヤ径方向内側の端部、49…折り返しチェーファー、113…ビードフィラー、114…緩衝ゴム層、114a…緩衝ゴム層114のタイヤ径方向外側の端部、220…第1アッププライ、221…第1アッププライ220の本体部、222…第1アッププライ220の巻き上げ部、222a…巻き上げ部222の端部、250…第2アッププライ、252…第2アッププライ250の巻き上げ部、252a…巻き上げ部252の端部
Claims (5)
- 一対のビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側にそれぞれ設けられたビードフィラーとを有するビード部と、
一対の前記ビード部間の本体部と、前記本体部から伸びて前記ビード部の周りでタイヤ幅方向内側から外側へ折り返されタイヤ径方向外側へ巻き上げられて形成された巻き上げ部とを有する1又は2以上のアッププライと、
前記1又は2以上のアッププライよりタイヤ外側に設けられ、前記巻き上げ部とタイヤ幅方向に重なる部分を有するダウンプライと、
を備える空気入りタイヤにおいて、
前記ビード部よりタイヤ幅方向外側におけるタイヤ表面を有するゴムチェーファーと、
前記1又は2以上のアッププライの前記巻き上げ部と前記ダウンプライとに挟まれた第1ゴム層と、
前記ダウンプライと前記ゴムチェーファーとに挟まれた第2ゴム層と、
を有する空気入りタイヤ。 - 前記1又は2以上のアッププライにおける前記巻き上げ部の端部と前記本体部との間にゴム部材が挟まれている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側に緩衝ゴム層が設けられ、前記緩衝ゴム層が、前記1又は2以上のアッププライのうち前記巻き上げ部の端部がよりタイヤ径方向外側にある前記アッププライにおける前記巻き上げ部の端部と前記本体部との間に挟まれている、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ダウンプライの端部が、前記ビードコアの中心よりタイヤ径方向内側にあり、前記ビードコアのタイヤ幅方向外側の端部よりタイヤ幅方向外側にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第2ゴム層は、タイヤ表面に設けられたリムラインのタイヤ幅方向内側の位置又はその周辺部分において、タイヤ幅方向に最も厚くなっている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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