JP6047383B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤ、特に重荷重用空気入りタイヤのビード部の改良に関する。
従来より、空気入りタイヤのビード部におけるエア入りの発生防止及びセパレーションの発生防止を目的としたビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤが知られている。
下記特許文献1には、左右一対のビード部に設けられたビードコアと、一方のビード部から他方のビード部に延び、ビードコアに内側から外側に向けて巻回されてビード部に係留されたカーカスプライと、カーカスプライを介してビードコアに巻回されたビード補強層と、少なくともリムと接触するビード部の表面に配置されたゴムチェーハーとを備え、ビード補強層は、1層のゴム付きスチールコード層よりなり、ビード補強層のタイヤ軸方向内側巻き返し部とタイヤ軸方向外側巻き返し部がそれぞれビードコアを越えてラジアル方向外側に延び、ゴムチェーハーは互いに異なる配合ゴムよりなる2ピースの硬軟ゴムチェーハーで形成され、ビードヒール側が破壊特性に優れた硬ゴムチェーハーで、ビードトウ側が接着特性に優れた軟ゴムチェーハーとなっていて、軟ゴムチェーハーがビード補強層の軸方向内側巻き返し端縁を直接覆うように端縁を越えてラジアル方向外側に延びている構成を有する重荷重用空気入りラジアルタイヤが示されている。
すなわち、下記特許文献1に示される空気入りタイヤは、ビードコアを越えてカーカスプライの周りにカーカスプライを包み込むように巻き上げているビード補強層(本発明における第1のチェーハーに相当)と、当該ビード補強層に重ねられ、リムと接触するビード部の表面に配置されたゴムチェーハー(本発明における第2のチェーハーに相当)とを備え、当該ゴムチェーハーは、互いに異なる2種類の硬軟ゴムチェーハーで形成されており、当該硬軟ゴムチェーハーは、そのビードヒール側に耐クリープ特性に優れた硬ゴムチェーハーが配置され、ビードトゥ側には接着性及び破壊特性に優れた軟ゴムチェーハーが配置されてなるものである。このように構成したことにより、当該軟ゴムチェーハーがビード補強層のタイヤ幅方向内方側の端部を直接覆うので、エア入りの発生を防止できる作用効果を有するものである。
下記特許文献2には、一対のビードコアと、一対のビードコアにトロイド状に跨がるカーカスとを有し、カーカスは一枚のカーカスプライから構成され、カーカスプライは互いに平行に並べられた複数本のプライコードを備え、これら複数本のプライコードがコーティングゴムに埋設され、カーカスプライは、ビードコアの回りをタイヤ軸方向内側から外側へ向けて折り返され、このカーカスプライの本体部と折返部との間には、ビード部の剛性を確保するためにスティフナーが配設され、ビード部内のカーカスプライの外周面(ビードコア側とは反対面)に沿って、ワイヤーチェーハーが密着状態で配置され、ワイヤーチェーハーは、互いに平行に並べられた複数本のスチールワイヤーを備え、これら複数本のコードがコーティングゴムに埋設され、カーカスプライの内面側には、タイゴム層を介してインナーライナーが設けられ、ワイヤーチェーハーのタイヤ内側端部にて計測したコードとプライコードとの間のゴムゲージは、該タイヤ内側端部よりもタイヤ径方向内側の他の部分(少なくともタイヤ内側端部からワイヤーチェーハーに沿って20mm離れた位置よりも更に離れた部分)で計測したゴムゲージよりも小さく設定された空気入りタイヤが示されている。
すなわち、下記特許文献2に示される空気入りタイヤは、ワイヤーチェーハー(本発明における第1のチェーハーに相当)のタイヤ幅方向内方側の端部で内面剪断歪みが発生するため、タイヤ幅方向内方側の端部でのワイヤーチェーハーのコードとカーカスプライのプライコードとの間のゴムゲージを小さくすることで歪みを小さくでき、タイヤ幅方向内方側の端部を起点としたクラックの発生を抑制することができる。また、タイヤ幅方向内方側の端部とカーカスプライのタイヤ内側に配置されたインナーライナーとの間にタイゴム層(本発明における第2のチェーハーに相当)を配置することで、バッシュブレッド(使用環境や走行期間に伴いゴムが劣化することでカーカス層のゴムが内圧を支えられなくなり、タイヤの内層に配設されたインナーライナーが粗いカーカスコード間から外部へ吹き出す現象)故障を防ぎ、気体の透過も抑制できる。
特開平9−123715号公報 特開2005−297927号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の空気入りタイヤにおいては、軟質ゴムチェーハーを使用することで、エア入りの発生を防止できる改善としては有効であるが、タイヤ幅方向内方側の端部を起点とするセパレーション発生を防止することについては弱いことが懸念される。
また、上記特許文献2に記載の空気入りタイヤにおいては、タイゴム層を配置することで気体の透過を抑制できるが、タイゴム層の厚みが1.0mm〜2.5mm必要となるので、タイヤ幅方向内方側の端部での歪みが大きくなりやすく、歪みが大きくなった場合、タイヤ幅方向内方側の端部からのセパレーションの発生は防ぎきれない問題がある。
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、空気入りタイヤにおいて、ビード部における内面スチールチェーハー端にゴム層を配置し、このゴム層を硬質ゴムチェーハーで覆うことで、内面スチールチェーハー端での内面セパレーションの発生及びエア入りの発生を防止することにより、ビード部の耐久性に優れた空気入りタイヤを案出した。
本発明に係る請求項1に記載の空気入りタイヤは、1対のビード部と、各ビード部に配設されたビードコアと、各ビードコア間を跨ぎ、ビードコアの周りでタイヤ径方向外方側にかつタイヤ幅方向外方側に端部が巻き上げられるカーカスプライと、カーカスプライのタイヤ幅方向内方側に配設したタイヤ内周面を構成するインナーライナーとを備える空気入りタイヤにおいて、ビード部におけるタイヤ幅方向内方側から外方側に亘ってカーカスプライの巻き上がり部の周り覆う第1のチェーハーを配設し、前記第1のチェーハーの周りを覆う第2のチェーハーを配設し、前記第1のチェーハーにおけるタイヤ幅方向内方側の端部と第2のチェーハーとの間に第2のチェーハーより軟質のゴム層を介在させて、該ゴム層により第1のチェーハーのタイヤ幅方向内方側の端部を被覆し、前記ゴム層を第2のチェーハーにより覆い、第2のチェーハーのタイヤ幅方向内方側の立ち上がり部をインナーライナーにより覆ったことを特徴とするものである。
上記の第1のチェーハーは、タイヤ径方向に対して斜めに配列したコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。当該コードは、弾性率が2500kg/mm程度未満の伸張性コードや、弾性率が2500kg/mm程度以上の非伸張性コードとが一般使用されている。前記伸張性コードについては、弾性率が300〜500kg/mm程度のナイロンコードや弾性率が700〜900kg/mm程度のポリエステルコードの有機繊維コードが代表的である。また、非伸張性コードは、一般に重荷重用空気入りタイヤに使用され、弾性率が15000〜20000kg/mm程度のスチールコードや弾性率が2500〜5000kg/mm程度の芳香族ポリアミドコード等の有機繊維コードが使用され、前記のスチールコードにトッピングゴムを被覆してなるものはスチールチェーハー又はワイヤーチェーハーと呼ばれる。
上記の第2のチェーハーとしては、耐クリープ特性に優れた硬質ゴムチェーハーが配置される。例えば、ゴム成分がブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴム合計20〜40重量%、シス−1,4−ポリイソプレンゴム及びエポキシ化−シス,4−ポリイソプレンゴム合計80〜60重量%とからなるゴム組成物を用いたものや主要部が弾性率の高いジエン系ゴムから構成されているものなどがあり、単にゴムチェーハーと呼ばれる。
以下、本明細書においては、「第1のチェーハー」を「スチールチェーハー」といい、「第1のチェーハーにおけるタイヤ幅方向内方側の端部」を「内面スチールチェーハー端」といい、「第2のチェーハー」を「硬質ゴムチェーハー」という。
通常、内面スチールチェーハー端を起点とするセパレーションが大きいが、上記のように内面スチールチェーハー端を硬質ゴムチェーハーで覆う構成としたことにより、スチールチェーハーの変形が抑制され、内面スチールチェーハー端側の厚みが増加するので内面スチールチェーハー端での歪が小さくなり、これらの作用によりスチールチェーハーと硬質ゴムチェーハーとの間におけるセパレーションが抑制される。
また、上記の構成だけの場合であると、内面スチールチェーハー端付近でエア入りが発生するおそれがあり、カーカスプライと硬質ゴムチェーハーとの接着不良が発生するおそれがあり、スチールチェーハーと硬質ゴムチェーハーの硬質なもの同士が接触する問題が発生するが、硬質ゴムチェーハーと内面スチールチェーハー端との間にゴム層を配置する構成としたことにより、エア入りの発生を防ぎ、スチールチェーハーとゴム層との接着性及びゴム層と硬質ゴムチェーハーとの接着性が良好であるため3層全体の一体性が向上し、かつ、内面スチールチェーハー端と硬質ゴムチェーハーとの接触を防ぐことができる。
また、本発明に係る請求項2に記載の空気入りタイヤは、上記請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、内面スチールチェーハー端における硬質ゴムチェーハー側の先端と硬質ゴムチェーハーとの間のゴム層の厚みが0.4mm〜1.0mmであることを特徴とするものである。
上記のゴム層の厚みが0.4mm未満であると内面スチールチェーハー端からのクラックが起こるおそれがある。また、ゴム層の厚みが1.0mmを超えると必要以上の厚みとなるため、質量が増大し、かつ、コストが高くなる。
さらに、本発明に係る請求項3に記載の空気入りタイヤは、上記請求項1又は2に記載の空気入りタイヤにおいて、内面スチールチェーハー端における硬質ゴムチェーハー側の先端とインナーライナーの表面との間隔が3.0mm〜6.0mmであることを特徴とするものである。
上記の間隔が3.0mm未満であると耐久力不足によりクラックが発生するおそれがある。また、上記の間隔が6.0mmを超えると必要以上の厚みとなるため、質量が増大し、かつ、コストが高くなる。
さらにまた、本発明に係る請求項4に記載の空気入りタイヤは、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、内面スチールチェーハー端とゴム層の最上端との距離が10mm〜40mmであることを特徴とするものである。
上記の距離が10mm未満であると接着不良により、カーカスプライと硬質ゴムチェーハーとが剥がれやすくなってエア入りが起こるおそれがあるため、10mm以上のゴム層を配置することで接着性を向上させることによりエア入りを抑制することができる。また、上記の距離が40mmを超えると必要以上の厚みとなり、質量が増大し、かつ、コストが高くなる。
また、本発明に係る請求項5に記載の空気入りタイヤは、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、内面スチールチェーハー端とゴム層の最下端との距離が10mm〜40mmであることを特徴とするものである。
上記の距離が10mm未満であると硬質ゴムチェーハーとスチールチェーハーの硬質ゴム同士の間で歪が大きくなり、両チェーハー間におけるセパレーションが発生するおそれがあるため、上記の距離を10mm以上のゴム層とすることで、歪の変形を抑える。また、上記の距離が40mmを超えると必要以上の厚みとなり、質量が増大し、かつ、コストが高くなる。
さらに、本発明に係る請求項6に記載の空気入りタイヤは、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、硬質ゴムチェーハーは、その100%モジュラスが5MPa以上のゴム材を使用してなることを特徴とするものである。
本発明の空気入りタイヤは、上記のように構成したことにより、必要以上に質量及びコストが増大せずに、ビード部においてエア入り及びセパレーションの発生が防止できるので、ビード部の耐久性が向上する。
本発明の実施例1に係るタイヤにおけるタイヤ径方向の一部省略半断面図である。 図1におけるビード部のみの一部省略断面図である。 図2の一部拡大省略断面図である。 本発明の実施例2に係るタイヤにおけるビード部のみの一部省略断面図である。 図4の一部拡大省略断面図である。 従来例1のタイヤにおけるビード部のみの一部省略断面図である。 比較例3のタイヤにおけるビード部のみの一部省略断面図である。
以下、本発明に係る空気入りタイヤとリムとの組立体の好適な実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施例におけるスチールチェーハーは、スチールコードにトッピングゴムを被覆してなるものであるが、これに限られるものではない。また、本発明の実施例における硬質ゴムチェーハーは、100%モジュラス5MPaであるが、これに限られるものではない。さらに、本発明の実施例におけるゴム層は100%モジュラス3.6MPaであるが、これに限られるものではなく、硬質ゴムチェーハーより軟質のゴム層であればよい。
図1〜図3は実施例1を示す。本実施例に係る空気入りタイヤTは、図1に示すように、主として、タイヤの周面である踏面を構成するトレッド部1と、該トレッド部1のタイヤ幅方向両端からタイヤ径方向内方側に連続して形成されたタイヤの側面を構成する1対のサイドウォール部2と、各サイドウォール部2の下端にタイヤ径方向内方側に連続して形成された1対のビード部13とから構成される。
上記タイヤTには、トレッド部1、サイドウォール部2及びビード部13に亘って各ビードコア3a間を跨ぐようにカーカスプライ4が内蔵されており、ビード部13においては、カーカスプライ4は各ビードコア3aの周りでタイヤ径方向外方側にかつタイヤ幅方向外方側に巻き上げられ、その巻き上げ端4aは、各ビードコア3aのタイヤ径方向外方側にかつタイヤ幅方向外方側に位置する。カーカスプライ4は、タイヤ周方向に対してほぼ直交する方向に配列したカーカスプライコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。カーカスプライコードとしては、重荷重用空気入りタイヤにおいては、スチールコードが好適に使用される場合があるが、これに限られるものではなく、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、アラミド等の有機繊維コードが使用される場合もある。
上記タイヤTには、そのカーカスプライ4のタイヤ幅方向内方側に、タイヤ内に充填された気体の透過を阻止するために、タイヤTの内周面を構成するインナーライナー5が設けられている。
本実施例におけるタイヤTは、図2に示すように、ビード部13に、そのビードコア3aの周りで、ビード部13におけるタイヤ幅方向内方側から外方側に亘ってカーカスプライ4を包み込むように配設されたスチールチェーハー(第1のチェーハー)6を備えている。符号6aはスチールチェーハー6のタイヤ幅方向内方側に位置する一方の端部、すなわち内面スチールチェーハー端(第1のチェーハーにおけるタイヤ幅方向内方側の端部)である。スチールチェーハー6は、タイヤ径方向に対して、例えば、規定リム装着時にて20〜50°の斜めに配列したコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。該コードは補強効果を高める観点からスチールコードが使用されているが、タイヤの用途に応じて有機繊維コードを使用しても差し支えがない。
また、本実施例におけるタイヤTは、ビード部13に、上記のスチールチェーハー6に対して、その周りを包み込むように配設された硬質ゴムチェーハー(第2のチェーハー)7を備えている。硬質ゴムチェーハー7は、主要部が弾性率の高い、例えばジエン系ゴムから構成されており、100%モジュラス5MPaのゴムが使用されている。
そして、内面スチールチェーハー端6aと硬質ゴムチェーハー7との間において、硬質ゴムチェーハー7より軟質のゴム層18が配されており、該ゴム層18により内面スチールチェーハー端6aはゴム層18により被覆されていて、内面スチールチェーハー端6aが硬質ゴムチェーハー7に接触しないように構成されている。
本実施例における上記のゴム層18は、図3に示すように、内面スチールチェーハー端6aを覆う断面三日月型の形状をなすものである。また、内面スチールチェーハー端6aにおける硬質ゴムチェーハー7側の先端6bと硬質ゴムチェーハー7との間のゴム層18の厚み1Aは0.6mmである。なお、ゴム層18の厚み1Aは0.4mm〜1.0mmの範囲であれば差し支えない。さらに、前記内面スチールチェーハー端6aの先端6bとインナーライナー5の表面との間隔1Bは4.0mmである。なお、間隔1Bは3.0mm〜6.0mmの範囲であれば差し支えない。内面スチールチェーハー端6aとゴム層18のタイヤ径方向最上端18aとの距離1Cが20mmである。なお、距離1Cは10mm〜40mmの範囲であれば差し支えない。内面スチールチェーハー端6aとゴム層18のタイヤ径方向最下端18bとの距離1Dが20mmである。なお、距離1Dは10mm〜40mmの範囲であれば差し支えない。
本実施例の空気入りタイヤTを上記のように構成したので、内面スチールチェーハー端6aを硬質ゴムチェーハー7で覆う構成としたことにより、スチールチェーハー6の変形が抑制され、内面スチールチェーハー端6a側の厚みが増加するので内面スチールチェーハー端6aでの歪が小さくなり、これらの作用によりスチールチェーハー6と硬質ゴムチェーハー7との間におけるセパレーションが抑制される。また、硬質ゴムチェーハー7と内面スチールチェーハー端6aとの間にゴム層18を配置する構成とし、ゴム層18、硬質ゴムチェーハー7、内面スチールチェーハー端6a及びインナーライナー5との相対位置関係を本実施例のように数値限定したことにより、必要以上に質量及びコストが増大せずに、エア入りの発生を防ぎ、スチールチェーハー6とゴム層18との接着性及びゴム層18と硬質ゴムチェーハー7との接着性が良好であるため3層全体の一体性が向上し、かつ、内面スチールチェーハー端6aと硬質ゴムチェーハー7との接触を防ぐことができるので、ビード部13の耐久性が向上した空気入りタイヤTとなる。
実施例2は、上記実施例1におけるビード部13内のゴム層18の変更例である。したがって、実施例2は、ゴム層18以外の構成については実施例1と同様なので、実施例1の説明を援用し、その説明を省略する。
図4及び図5は実施例2を示す。図4に示すように、本実施例においては、ビード部23内において、内面スチールチェーハー端6aと硬質ゴムチェーハー7との間において、硬質ゴムチェーハー7より軟質のゴム層28が配されており、該ゴム層28により内面スチールチェーハー端6aはゴム層28により被覆されていて、内面スチールチェーハー端6aが硬質ゴムチェーハー7に接触しないように構成されている。
本実施例における上記のゴム層28は、図5に示すように、内面スチールチェーハー端6aを覆うシート状のものである。すなわち、シート状のゴム層28は、その一端部28cがカーカスプライ4と硬質ゴムチェーハー7との間に挟まれており、また、他端部28dはスチールチェーハー6と硬質ゴムチェーハー7との間に挟まれており、中間部28eは内面スチールチェーハー端6aと硬質ゴムチェーハー7との間に挟まれている。
また、内面スチールチェーハー端6aにおける硬質ゴムチェーハー7側の先端6bと硬質ゴムチェーハー7との間のゴム層28の厚み2Aは0.6mmである。なお、ゴム層28の厚み2Aは0.4mm〜1.0mmの範囲であれば差し支えない。さらに、前記内面スチールチェーハー端6aの先端6bとインナーライナー5の表面との間隔2Bは4.0mmである。なお、間隔2Bは3.0mm〜6.0mmの範囲であれば差し支えない。内面スチールチェーハー端6aとゴム層28のタイヤ径方向最上端28aとの距離2Cが20mmである。なお、距離2Cは10mm〜40mmの範囲であれば差し支えない。内面スチールチェーハー端6aとゴム層28のタイヤ径方向最下端28bとの距離2Dが30mmである。なお、距離2Dは10mm〜40mmの範囲であれば差し支えない。
本実施例の空気入りタイヤのビード部23を上記のように構成したので、内面スチールチェーハー端6aを硬質ゴムチェーハー7で覆う構成としたことにより、スチールチェーハー6の変形が抑制され、内面スチールチェーハー端6a側の厚みが増加するので内面スチールチェーハー端6aでの歪が小さくなり、これらの作用によりスチールチェーハー6と硬質ゴムチェーハー7との間におけるセパレーションが抑制される。また、硬質ゴムチェーハー7と内面スチールチェーハー端6aとの間にゴム層28を配置する構成とし、ゴム層28、硬質ゴムチェーハー7、内面スチールチェーハー端6a及びインナーライナー5との相対位置関係を本実施例のように数値限定したことにより、必要以上に質量及びコストが増大せずに、エア入りの発生を防ぎ、スチールチェーハー6とゴム層28との接着性及びゴム層28と硬質ゴムチェーハー7との接着性が良好であるため3層全体の一体性が向上し、かつ、内面スチールチェーハー端6aと硬質ゴムチェーハー7との接触を防ぐことができるので、ビード部23の耐久性が向上した空気入りタイヤとなる。
次に、従来例1、比較例1〜3、実施例1及び実施例2について、下記のように比較テストを行い、実施例1及び実施例2におけるビード部13,23の耐久性が向上していることについて説明する。
[従来例1の構成]
図6に示す従来例1のビード部103は、内面スチールチェーハー端106aがインナーライナー105で覆われ、内面スチールチェーハー端106aの下方からタイヤ幅方向外方側のスチールチェーハーの下部106bは硬質ゴムチェーハー107aで覆われたものであり、ゴム層は配置していないものである。
[比較例1の構成]
比較例1のビード部は、図示は省略するが、内面スチールチェーハー端からタイヤ幅方向外方側のスチールチェーハーの下部まで軟質ゴムチェーハーで覆われたものであり、ゴム層は配置していないものである。
[比較例2の構成]
比較例2のビード部は、図示は省略するが、内面スチールチェーハー端がインナーライナーで覆われ、内面スチールチェーハー端の下方からタイヤ幅方向外方側のスチールチェーハーの下部は硬質ゴムチェーハーで覆われたものであり、ゴム層を配置したものである。
[比較例3の構成]
図7に示す比較例3のビード部203は、内面スチールチェーハー端206aからタイヤ幅方向外方側のスチールチェーハーの下部206bまで硬質ゴムチェーハー207aで覆われたものであり、ゴム層は配置していないものである。
[比較テスト]
以下の条件の下に、上記の従来例1、比較例1〜3、実施例1及び実施例2について比較テストを行った。
テストタイヤ:295/75R22.5
室内試験機に、リムサイズ22.5X8.25、空気圧700kPaとした試験タイヤを取り付け、速度40km/h,負荷荷重5500kgの条件のもと走行試験を実施した。その後、走行距離8000kmを走行した際の内面スチールチェーハー端のセパレーションの長さを測定する。評価結果は、従来例1を「100」とした時に、この指数値が大きいほどセパレーションが抑制されていることを意味する。

Figure 0006047383

以上の比較テストの結果、内面スチールチェーハー端が硬質ゴムチェーハーで覆われているもの、すなわち、比較例3、実施例1及び実施例2は、内面スチールチェーハー端が硬質ゴムチェーハーで覆われていない従来例1、比較例2に比較して、セパレーションが大幅に抑制される結果となった。また、比較例3はセパレーションが大幅に抑制される結果となったが、内面スチールチェーハー端と硬質ゴムチェーハーとの間にゴム層を配置していないため、内面エア入りの発生を確認した。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
T………空気入りタイヤ
1………トレッド部
2………サイドウォール部
13……ビード部
3a……ビードコア
4………カーカスプライ
4a……カーカスプライの巻き上げ端
5………インナーライナー
6………スチールチェーハー(第1のチェーハー)
6a……内面スチールチェーハー端(第1のチェーハーにおけるタイヤ幅方向内方側の端部)
7………硬質ゴムチェーハー(第2のチェーハー)
18……ゴム層
18a…ゴム層のタイヤ径方向最上端
18b…ゴム層のタイヤ径方向最下端
1A……内面スチールチェーハー端の先端と硬質ゴムチェーハーとの間のゴム層の厚み
1B……内面スチールチェーハー端の先端とインナーライナーの表面との間隔
1C……内面スチールチェーハー端とゴム層のタイヤ径方向最上端との距離
1D……内面スチールチェーハー端とゴム層のタイヤ径方向最下端との距離
23……ビード部
28……シート状ゴム層
28c…シート状ゴム層の一端部(カーカスプライと硬質ゴムチェーハー7との間)
28d…シート状ゴム層の他端部(スチールチェーハーと硬質ゴムチェーハーとの間)
28e…シート状ゴム層の中間部(内面スチールチェーハー端と硬質ゴムチェーハーとの間)
2A……内面スチールチェーハー端の先端と硬質ゴムチェーハーとの間のゴム層の厚み
2B……内面スチールチェーハー端の先端とインナーライナーの表面との間隔
2C……内面スチールチェーハー端とゴム層のタイヤ径方向最上端との距離
2D……内面スチールチェーハー端とゴム層のタイヤ径方向最下端との距離
103……ビード部
106a…内面スチールチェーハー端
105……インナーライナー
106b…スチールチェーハーの下部
107a…硬質ゴムチェーハー
203……ビード部
206a…内面スチールチェーハー端
206b…スチールチェーハーの下部
207a…硬質ゴムチェーハー

Claims (6)

  1. 1対のビード部と、各ビー部に配設されたビードコアと、各ビードコア間を跨ぎ、ビードコアの周りでタイヤ径方向外方側にかつタイヤ幅方向外方側に端部が巻き上げられるカーカスプライと、カーカスプライのタイヤ幅方向内方側に配設したタイヤ内周面を構成するインナーライナーとを備える空気入りタイヤにおいて、
    ビード部におけるタイヤ幅方向内方側から外方側に亘ってカーカスプライの巻き上がり部の周りを覆う第1のチェーハーを配設し、
    前記第1のチェーハーの周りを覆う第2のチェーハーを配設し、
    前記第1のチェーハーにおけるタイヤ幅方向内方側の端部と第2のチェーハーとの間に第2のチェーハーより軟質のゴム層を介在させて、該ゴム層により第1のチェーハーのタイヤ幅方向内方側の端部を被覆し
    前記ゴム層を第2のチェーハーにより覆い、
    第2のチェーハーのタイヤ幅方向内方側の立ち上がり部をインナーライナーにより覆った
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 第1のチェーハーのタイヤ幅方向内方側の端部における第2のチェーハー側の先端と第2のチェーハーとの間のゴム層の厚みが0.4mm〜1.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 第1のチェーハーにおけるタイヤ幅方向内方側の端部における第2のチェーハー側の先端とインナーライナーの表面との間隔が3.0mm〜6.0mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 第1のチェーハーにおけるタイヤ幅方向内方側の端部とゴム層のタイヤ径方向最上端との距離が10mm〜40mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 第1のチェーハーにおけるタイヤ幅方向内方側の端部とゴム層のタイヤ径方向最下端との距離が10mm〜40mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 第2のチェーハーは、その100%モジュラスが5MPa以上のゴム材を使用してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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