JP6282464B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6282464B2
JP6282464B2 JP2013271832A JP2013271832A JP6282464B2 JP 6282464 B2 JP6282464 B2 JP 6282464B2 JP 2013271832 A JP2013271832 A JP 2013271832A JP 2013271832 A JP2013271832 A JP 2013271832A JP 6282464 B2 JP6282464 B2 JP 6282464B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
cord
reinforcing layer
fiber
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013271832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015123942A (ja
Inventor
邦弘 小嶋
邦弘 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2013271832A priority Critical patent/JP6282464B2/ja
Publication of JP2015123942A publication Critical patent/JP2015123942A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6282464B2 publication Critical patent/JP6282464B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤに関する。
空気入りラジアルタイヤ、とりわけ重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、ビード部の耐久性を向上することが求められる。ビード部の耐久性を向上するためには、ビード部の変形を抑制することにより、カーカスプライの巻き上げ端での歪みを低減させることが有効である。そのため、カーカスプライの巻き上げ部に沿って、チェーファと呼ばれる補強層を設けることが行われている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1及び2には、このような補強層として、スチールコードを含むスチールコード補強層と、有機繊維を含む2層の繊維コード補強層をカーカスプライの巻き上げ部に設けることが開示されている。
特開平6−286411号公報 特開2002−219913号公報
上記のように、カーカスプライの巻き上げ部の周りにスチールコードを含む金属補強層と有機繊維コードを含む繊維補強層を設けて補強することにより、カーカスプライの巻き上げ端の歪みを分散させることができ、ビード部の耐久性を向上することができる。
しかしながら、このように複数の補強層を設けると、ビードコアのタイヤ軸方向内側において複数の補強層の端部同士が近接しやすいため、端部が近接する位置にひずみ応力が集中してビード部の耐久性が低下しやすくなる。これに対して、補強層などの各部材の厚みを大きくして剛性を向上させることも考えられるが、このような場合、ビード部の厚みが大きくなりタイヤ質量が増加する結果、コスト増や転がり抵抗の悪化に繋がる問題がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、タイヤ質量の増加を抑えつつ、ビード部の耐久性を向上することができる空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りラジアルタイヤは、ビード部に埋設されたビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラーと、前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられたプライコードを含むカーカスプライと、前記カーカスプライの外側においてタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられた金属コードを含む金属補強層と、前記金属補強層の外側においてタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられた有機繊維コードを含む第1繊維補強層と、少なくとも前記ビードコアよりタイヤ軸方向外側に設けられた有機繊維コードを含む第2繊維補強層とを備え、金属補強層が備える金属コードの前記プライコードに対する角度が、前記第1繊維補強層及び前記第2繊維補強層が備える有機繊維コードの前記プライコードに対する角度より大きく、かつ、前記プライコードに対する前記第1繊維補強層の有機繊維コードの傾斜方向が、前記金属補強層が備える金属コード及び前記第2繊維補強層が備える有機繊維コードの傾斜方向と逆向きに傾斜し、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側において、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端が、前記カーカスプライの巻き上げ端を通るタイヤ内側面の法線よりタイヤ径方向外側に位置し、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側に位置する前記第1繊維補強層のタイヤ径方向外側端が、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外方に位置し、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側において、前記金属補強層と前記カーカスプライとの間に設けられた補強ゴム層を備え、前記補強ゴム層は、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端部からタイヤ径方向外方へ延び、前記補強ゴム層は、前記ビードコアよりタイヤ径方向外方の位置から前記第1繊維補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外方の位置までタイヤ径方向に沿って延び、前記第1繊維補強層のタイヤ径方向外側端部と前記カーカスプライとの間に前記補強ゴム層が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る空気入りラジアルタイヤの好ましい態様として、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側において、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端が、前記カーカスプライの巻き上げ端を通るタイヤ内側面の法線よりタイヤ径方向外側に位置し、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側に位置する前記第1繊維補強層のタイヤ径方向外側端が、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外方に位置する。また、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側において、前記金属補強層と前記カーカスプライとの間に設けられた補強ゴム層を備え、前記補強ゴム層のタイヤ径方向外側端が、前記第1繊維補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外方に位置する。また、前記第2繊維補強層は、前記金属補強層の外側においてタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられ、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側において、前記第2繊維補強層のタイヤ径方向外側端が、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向内方に位置する。また、前記第1繊維補強層は、前記ビードコアの周りに位置する折り返し部における有機繊維コードの前記プライコードに対する角度が、前記折り返し部よりタイヤ径方向外側に位置する延出部における有機繊維コードの前記プライコードに対する角度より大きい。また、前記ビードコアのタイヤ軸方向外側において、前記カーカスプライの巻き上げ端が、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外方に位置する。
本発明によれば、タイヤ質量の増加を抑えつつ、ビード部の耐久性を向上することができる。
第1実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの半断面図である。 第1実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。 第1実施形態に係る空気入りラジアルタイヤにおけるプライコードに対する各補強層が有するコードの傾斜角度と傾斜方向を示す模式図で、(a)は金属コード、(b)は第1有機繊維コード、(c)は第2有機繊維コードを示す。 第2実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。 第2実施形態に係る空気入りラジアルタイヤにおけるプライコードに対する各補強層が有するコードの傾斜角度と傾斜方向を示す模式図で、(a)は金属コード、(b)は第1有機繊維コード、(c)は第2有機繊維コードを示す。 他の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ(以下、「タイヤ」という)10を示したものであり、規定リム1に装着した状態での半断面を示している。
本明細書において、タイヤ軸方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であって、タイヤ幅方向と同義であり、図において符号Yで示し、タイヤ軸方向内側及び外側をそれぞれ符号Y1及びY2で示す。また、タイヤ径方向(ラジアル方向)とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図において符号Zで示し、タイヤ径方向内側及び外側をそれぞれ符号Z1及びZ2で示す。
実施形態に係るタイヤ10は、左右一対のビード部12と、ビード部12からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部14と、左右のサイドウォール部14の径方向外方端部同士を連結するように両サイドウォール部14間に設けられたトレッド部16とを備える。
タイヤ10の内部には、一対のビード部12間にまたがって延びるカーカスプライ18が埋設されている。カーカスプライ18は、トレッド部16からサイドウォール部14を通って延在し、ビード部12において両端部が係止されている。トレッド部16におけるカーカスプライ18の外周側にはベルト20が設けられており、カーカスプライ18の外周でトレッド部16を補強する。カーカスプライ18は、タイヤ周方向に対して略直交する方向に配列したプライコード19を、トッピングゴムで被覆してなる。プライコード19としては、スチールコードや有機繊維コードが用いられる。
カーカスプライ18の内側には、タイヤ10の内周面を構成する耐空気透過ゴム層としてのインナーライナー22が設けられている。また、サイドウォール部14では、カーカスプライ18の外側に、タイヤ10の外壁面を構成するサイドウォールゴム24が設けられている。
図2に拡大して示すように、ビード部12には、ゴム被覆したビードワイヤを積層巻回した収束体よりなる環状のビードコア26と、該ビードコア26のタイヤ径方向外側Z2に配置されたゴム製のビードフィラー28とが埋設されている。
カーカスプライ18は、ビードコア26の周りにタイヤ軸方向内側Y1から外側Y2に巻き上げられている。詳細には、カーカスプライ18は、サイドウォール部14から延びる本体部18Aがビードコア26及びビードフィラー28のタイヤ軸方向内側面に沿って配され、ビードコア26のタイヤ径方向内側(図1及び2の下側)Z1を通ってタイヤ軸方向外側Y2に巻き上げられている。つまり、カーカスプライ18は、ビードコア26のタイヤ径方向内側Z1において折り返され、ビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2が巻き上げ部が18Bをなしている。そして、カーカスプライ18の巻き上げ部18Bは、ビードコア26及びビードフィラー28のタイヤ軸方向外側面に沿って配されており、その先端(即ち、巻き上げ部18Bのタイヤ径方向外側端)が巻き上げ端18Eとなる。
ビード部12におけるカーカスプライ18の周りには、金属コード33を含む1層の金属補強層32と、有機繊維コード35,37を含む2層の繊維補強層、具体的には、第1繊維補強層34及び第2繊維補強層36が設けられている。
金属補強層32は、スチールコードなどの金属コード33にトッピングゴムを被覆することで形成されたスチールチェーファであり、カーカスプライ18の外側をタイヤ軸方向内側Y1から外側Y2に巻き上げられている。すなわち、金属補強層32は、ビード部12においてカーカスプライ18を包むようにその外表面に重ね設けられ、ビードコア26のタイヤ軸方向内側Y1においてカーカスプライ18の本体部18Aに隣接して設けられ、ビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2において巻き上げ部18Bに隣接して設けられている。
金属補強層32は、ビードコア26(あるいはビードフィラ28)のタイヤ軸方向内側Y1に位置するタイヤ径方向外側端32Einが、カーカスプライ18の巻き上げ端18Eを通るタイヤ内側面(つまり、インナーライナーの内面)10iの法線Lよりタイヤ径方向外側Z2に位置し、ビードコア26(あるいはビードフィラ28)のタイヤ軸方向外側Y2に位置するタイヤ径方向外側端32Eoutが、カーカスプライ18の巻き上げ端18Eよりタイヤ径方向内側Z1に位置している。
第1繊維補強層34及び第2繊維補強層36はいずれも、ナイロン繊維コードなどの第1有機繊維コード35及び第2有機繊維コード37にトッピングゴムを被覆することで形成された補強層であり、ビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2において、金属補強層34の外側面に重ねて設けられている。
第1繊維補強層34は、金属補強層32の外側においてタイヤ軸方向内側Y1から外側Y2に巻き上げられており、金属補強層32を包むようにその外表面に重ね設けられている。この例では、第1繊維補強層34は、ビードコア26のタイヤ径方向内側Z1及びタイヤ軸方向内側Y1において金属補強層32に重ねて設けられ、ビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2において金属補強層32の外側に沿わせて設けられた第2繊維補強層36の外側に重ねて設けられている。
第1繊維補強層34は、ビードコア26(あるいはビードフィラ28)のタイヤ軸方向内側Y1に位置するタイヤ径方向外側端34Einが、金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Einよりタイヤ径方向外側Z2に位置しており、金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Einと重なり合わない位置に配置されている。この例では、上記法線Lから第1繊維補強層34のタイヤ径方向外側端34Einまでの距離と、上記法線Lから金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Einまでの距離との差で表される第1繊維補強層34の延出量H1が、金属補強層32の厚み(金属コード33をトッピングゴムで被覆した状態の厚み)Wの3倍以上に設定されている。
また、第1繊維補強層34は、ビードコア26(あるいはビードフィラ28)のタイヤ軸方向外側Y2に位置するタイヤ径方向外側端34Eoutが、金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Eoutやカーカスプライ18の巻き上げ端18Eよりタイヤ径方向外側Z2に位置し、ノミナル径からタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向Zの高さH0(図1参照)の70%以下の位置で終端することが好ましい。
第2繊維補強層36は、ビードコア26(あるいはビードフィラ28)のタイヤ軸方向外側Y2において、金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Eoutを外側から覆うように設けられ、金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Eoutを越えてタイヤ径方向外方Z2に延在している。第2繊維補強層36は、この例では、タイヤ径方向外側端36Eが、第1繊維補強層34のタイヤ径方向外側端34Eoutよりタイヤ径方向外側に配置され、第1繊維補強層34のタイヤ径方向外側端34Eoutと重なり合わない位置に配置されている。また、第2繊維補強層36は、ビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2のみに配置されており、ビードコア26の内側には巻き込まれていない。
ビードコア26のタイヤ軸方向内側Y1には、カーカスプライ18の本体部18Aに沿って補強ゴム層38が設けられている。この補強ゴム層38は、金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Einよりもタイヤ径方向内側Y1においてカーカスプライ18の本体部18と金属補強層32との間に介在し、第1繊維補強層34のタイヤ径方向外側端34Einにおいてカーカスプライ18の本体部18と第1繊維補強層34との間に介在している。そして、補強ゴム層38は、第1繊維補強層34のタイヤ径方向外側端34Einよりタイヤ径方向外側まで延設しており、補強ゴム層38のタイヤ径方向外側端38Eが、第1繊維補強層34のタイヤ径方向外側端34Einよりタイヤ径方向外側に位置し、この例では、法線Lから補強ゴム層38のタイヤ径方向外側端38Eまでの距離と、法線Lから第1繊維補強層34のタイヤ径方向外側端34Einまでの距離との差で表される補強ゴム層38の延出量H2が、金属補強層32の厚みWの3倍以上に設定されている。
ビード部18に設けられた金属補強層32、第1繊維補強層34、及び第2繊維補強層36が有する各コード33,35,37の傾斜角度及び傾斜方向は、次のように設定されている。
図3は、ビード部12におけるカーカスプライ18、金属補強層32、第1繊維補強層34、及び第2繊維補強層36を展開した状態における、カーカスプライ18のプライコード19に対する金属コード33、第1有機繊維コード35及び第2有機繊維コード37の傾斜角度と傾斜方向を示す。図3に示すように、金属補強層32が有する金属コード33は、カーカスプライ18のプライコード19に対して(つまり、タイヤ周方向Fに垂直な方向に対して)角度θ1の傾斜角度で傾斜して配列され、第1繊維補強層34が有する第1有機繊維コード35は、プライコード19に対して角度θ2の傾斜角度で傾斜して配置され、第2繊維補強層36が有する第2有機繊維コード37は、プライコード19に対して角度θ3の傾斜角度で傾斜して配置されている。
金属コード33の傾斜角度θ1は、第1繊維補強層34が有する第1有機繊維コード35の傾斜角度θ2及び第2繊維補強層36が有する第2有機繊維コード37の傾斜角度θ3より大きく設定されている。つまり、金属コード33は、第1有機繊維コード35及び、第2有機繊維コード37に比べてタイヤ周方向Fに沿う方向に傾斜している。
また、プライコード19に対する第1繊維補強層34が有する第1有機繊維コード35の傾斜方向G1は、金属補強層32が有する金属コード33及び第2繊維補強層36が有する第2有機繊維コード37の傾斜方向G2と逆向きに傾斜しており、プライコード19を挟んで金属コード33及び第2繊維補強層36と逆向きに傾斜している。
ここで、金属コード33、第1有機繊維コード35及び第2有機繊維コード37の角度、金属補強層32の厚みW、第1繊維補強層34の延出量H1及び補強ゴム層38の延出量H2の一例を示すと、金属コード33の傾斜角度θ1を50°〜70°の範囲に、第1有機繊維コード35の傾斜角度θ2を−40°〜−60°の範囲に、第2有機繊維コード37の傾斜角度θ3を40°〜60°の範囲にそれぞれ設定することができ、金属補強層32の厚みWが1.5mm〜4.0mmの場合に、第1繊維補強層34の延出量H1を5.0mm〜20mm、補強ゴム層38の延出量H2を5.0mm〜20mmに設定することができる。
以上のような本実施形態では、金属コード33の傾斜角度θ1は、第1繊維補強層34が有する第1有機繊維コード35の傾斜角度θ2及び第2繊維補強層36が有する第2有機繊維コード37の傾斜角度θ3より大きく設定されるとともに、ビードコア26の周りに巻き上げられた金属補強層32と第1繊維補強層34は、プライコード19に対する金属コード33の傾斜方向G2と第1繊維補強層35の傾斜方向G1とが逆向きに傾斜している。
そのため、第1有機繊維コード35及び第2有機繊維コード37に比べて金属コード33をタイヤ周方向Fに沿わせるように配置することで、金属補強層32による補強効果を高めつつ、金属補強層32に重ねて配置する第1繊維補強層34の第1有機繊維コード35が、金属補強層32の金属コード33とプライコード19を挟んで逆向きに傾斜することで、金属補強層32と第1繊維補強層34を重ねて配置した部分の補強効果を高めることができる。つまり、本実施形態では、金属補強層32及び第1繊維補強層34を薄く設けてビードコア26周りの厚み増加を抑えつつ、ビードコア26周りの補強効果を高めることができる。
特に、本実施形態では、金属補強層32及び第1繊維補強層34が、ビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2だけでなく内側Y1にも設けられており、ビードコア26の周りをバランス良く補強することができるため、ビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2に設ける補強層等の各種部材が肉厚にあるのを抑えることができ、ビードコア26周りの厚み増加を抑えることができる。
また、ビードコア26のタイヤ軸方向内側Y1では、第1繊維補強層34の径方向外側端34Einが金属補強層32の径方向外側端32Einよりタイヤ径方向外側まで延設しており、金属補強層32及び第1繊維補強層34による補強効果をタイヤ径方向外側に行くほど段階的に小さくすることで、金属補強層32の径方向外側端32Einに集中するひずみを緩和することができ、ビード部12の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1繊維補強層34の延出量H1や補強ゴム層38の延出量H2が、金属補強層32の厚みWの3倍以上に設定されているため、金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Einの外側を第1繊維補強層34で確実に覆うことができ、補強層32、34による補強効果を段階的に小さくすることができるとともに、金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Einや第1繊維補強層34のタイヤ径方向外側端34Einにおける空気溜まりの発生を抑制することができる。
また、ビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2には、有機繊維コード35、37が互いに逆向きに傾斜するように第1繊維補強層34と第2繊維補強層36が重ねて配置されており、第1繊維補強層34と第2繊維補強層36を薄く設けてビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2の厚み増加を抑えつつ、ビード部12において特に歪みが集中しやすいビードコア26のタイヤ軸方向外側Y2を重点的に補強することができる。
また、本実施形態では、ビードコア26のタイヤ軸方向内側Y1において、金属補強層32とカーカスプライ18の本体部18Aとの間に補強ゴム層38が設けられており、この補強ゴム層38のタイヤ径方向外側端38Eが、第1繊維補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外方まで延びている。そのため、補強ゴム層38による補強効果に加え、カーカスプライ18の本体部18Aに生じるタイヤ径方向外方Z2への張力により金属補強層32や第1繊維補強層34とカーカスプライ18との間で生じる剪断歪みを補強ゴム層38によって緩和することができ、ビード部12の耐久性を向上させることができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部12の断面図であり、図5は、第2実施形態に係る空気入りラジアルタイヤにおけるプライコードに対する各補強層が有するコードの傾斜角度と傾斜方向を示す模式図で、(a)は金属コード、(b)は第1有機繊維コード、(c)は第2有機繊維コードを示している。第2実施形態は、第1繊維補強層34が有する第1有機繊維コード35のプライコード19に対する角度がタイヤ軸方向Yで変化する点で第1実施形態とは異なる。
具体的には、第1繊維補強層34は、ビードコア26の周りに位置する折り返し部34Rと、折り返し部34Rよりタイヤ径方向外側Z2に延出する延出部、言い換えれば、折り返し部34Rよりタイヤ軸方向内側Y1に延出する延出部34Sとタイヤ軸方向外側Y2に延出する延出部34Tとを備える。
第1繊維補強層34は、折り返し部34Rにおける第1有機繊維コード35Rがプライコード19に対して角度θ2Rの傾斜角度で傾斜し、折り返し部34Rよりタイヤ軸方向内側Y1に延出する延出部34Sにおける第1有機繊維コード35Sがプライコード19に対して角度θ2Sの傾斜角度で傾斜し、折り返し部34Rよりタイヤ軸方向外側Y2に延出する延出部34Tにおける第1有機繊維コード35Tがプライコード19に対して角度θ2Tの傾斜角度で傾斜している。
そして、折り返し部34Rにおける第1有機繊維コード35Rの傾斜角度θ2Rは、金属補強層32の金属コード33の傾斜角度θ1より小さく、かつ、延出部34Sにおける第1有機繊維コード35Sの傾斜角度θ2S及び延出部34Tにおける第1有機繊維コード35Tの傾斜角度θ2Tより大きく設定されており、例えば、金属コード33の傾斜角度θ1を50°〜70°の範囲に、折り返し部34Rにおける第1有機繊維コード35Rの傾斜角度θ2Rを−40°〜−60°の範囲に、延出部34S、34Tにおける第1有機繊維コード35S、35Tの傾斜角度θ2S、θ2Tを−30°〜−50°の範囲にそれぞれ設定することができる。
このように第1繊維補強層34は、折り返し部34Rにおける第1有機繊維コード35の傾斜角度θ2Rが、延出部34S、34Tにおける第1有機繊維コード35の傾斜角度θ2S、θ2Tより大きく設定され、折り返し部34Rが、延出部34S,34Tに比べてタイヤ周方向Fに沿う方向に第1有機繊維コード35が傾斜している。そのため、第1繊維補強層34による補強効果をタイヤ径方向外側Z2に行くほど段階的に小さくすることができ、ビード部12の耐久性を向上させることができる。
第2実施形態について、その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同じであり、説明は省略する。
(他の実施形態)
第1実施形態では、カーカスプライ18の本体部18Aに沿って補強ゴム層38を設けたが、図6に示すように、補強ゴム層38を設けることなく、金属補強層32及び第1繊維補強層34のタイヤ径方向外側Z2の端部をカーカスプライ18の本体部18Aに重ねて設けても良い。
また、第2繊維補強層36は、金属補強層32の外側においてタイヤ軸方向内側Y1から外側Y2に巻き上げられるように設けられてもよい。その場合、ビードコア26のタイヤ軸方向内側Y1において、第2繊維補強層36のタイヤ径方向外側端が、金属補強層32のタイヤ径方向外側端32Einよりタイヤ径方向内方Z1に位置する。
本実施形態に係る空気入りラジアルタイヤは、ビード部の耐久性に優れるため、トラックやバス、産業車両、建設車両などの車両質量が重い車両に使用される重荷重用空気入りタイヤとして好適である。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
上記実施形態の構成と効果を具体的に示すために、空気入りラジアルタイヤ(サイズ:275/80R22.5、リム:22.5×8.25)を試作し、性能評価を行った、評価方法は以下のとおりである。
(1)ビード部耐久性
リム組みしたタイヤに900kPaの内圧を充填し、半径1.7mの表面が平滑なスチールドラム上にJATMA基準荷重の210%で圧着し、40km/hで168時間走行させた。168時間毎に負荷荷重を10%ずつ増やし、ビード部が破壊するまで走行させた。室温は40℃に設定した。破壊するまでの時間について、比較例1を100とした指数で表示した。数値が大きいほど、耐久性が良好である。
(2)転がり抵抗
ISO28580に準拠し、タイヤ転がり抵抗値の測定を行った。比較例1を100とした指数で表示した。数値が小さいほど良好である。
実施例1〜3及び比較例1及び2に係るタイヤの構成を表1に示す。実施例1は、上記第1実施形態に係る図2及び図3に示すビード部構成を持つ例であり、実施例2は、上記第2実施形態に係る図4及び図5に示すビード部構成を持つ例であり、実施例3は、上記他の実施形態に係る図6に示すビード部構成を持つ例である。比較例1及び2は、実施例1と同様に図2に示すビード部構成をベースとするものであるが、第1繊維補強層34の第1有機繊維コード35の傾斜角度及び傾斜方向が本発明の範囲から外れるものである。なお、表中、傾斜方向G2をプラス、傾斜方向G1をマイナスで表示している。
Figure 0006282464
結果は、表1に示すとおりであり、実施例1〜3では、比較例1及び2に比べて、転がり抵抗が低減し、ビード部の耐久性が向上した。特に、カーカスプライ18の本体部18Aに沿って補強ゴム層38を設けた実施例1や、折り返し部34Rにおける第1有機繊維コード35Rの傾斜角度θ2Rが、延出部34S、34Tにおける第1有機繊維コード35S、35Tの傾斜角度θ2S、θ2Tより大きく設定された実施例2では、ビード部の耐久性向上が顕著であった。
10…空気入りラジアルタイヤ、12…ビード部、14…サイドウォール部、16…トレッド部、18…カーカスプライ、18…本体部、18B…巻き上げ部、20…ベルト、22…インナーライナー、24…サイドウォールゴム、26…ビードコア、28…ビードフィラー、32…金属補強層、33…金属コード、34…第1繊維補強層、35…有機繊維コード、36…第2繊維補強層、37…有機繊維コード、38…補強ゴム層

Claims (4)

  1. ビード部に埋設されたビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラーと、前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられたプライコードを含むカーカスプライと、前記カーカスプライの外側においてタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられた金属コードを含む金属補強層と、前記金属補強層の外側においてタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられた有機繊維コードを含む第1繊維補強層と、少なくとも前記ビードコアよりタイヤ軸方向外側に設けられた有機繊維コードを含む第2繊維補強層とを備え、
    金属補強層が備える金属コードの前記プライコードに対する角度が、前記第1繊維補強層及び前記第2繊維補強層が備える有機繊維コードの前記プライコードに対する角度より大きく、かつ、前記プライコードに対する前記第1繊維補強層の有機繊維コードの傾斜方向が、前記金属補強層が備える金属コード及び前記第2繊維補強層が備える有機繊維コードの傾斜方向と逆向きに傾斜し、
    前記ビードコアのタイヤ軸方向内側において、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端が、前記カーカスプライの巻き上げ端を通るタイヤ内側面の法線よりタイヤ径方向外側に位置し、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側に位置する前記第1繊維補強層のタイヤ径方向外側端が、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外方に位置し、
    前記ビードコアのタイヤ軸方向内側において、前記金属補強層と前記カーカスプライとの間に設けられた補強ゴム層を備え、
    前記補強ゴム層は、前記ビードコアよりタイヤ径方向外方の位置から前記第1繊維補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外方の位置までタイヤ径方向に沿って延び、前記第1繊維補強層のタイヤ径方向外側端部と前記カーカスプライとの間に前記補強ゴム層が設けられていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記第2繊維補強層は、前記金属補強層の外側においてタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられ、
    前記ビードコアのタイヤ軸方向内側において、前記第2繊維補強層のタイヤ径方向外側端が、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向内方に位置することを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記第1繊維補強層は、前記ビードコアの周りに位置する折り返し部における有機繊維コードの前記プライコードに対する角度が、前記折り返し部よりタイヤ径方向外側に位置する延出部における有機繊維コードの前記プライコードに対する角度より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記ビードコアのタイヤ軸方向外側において、前記カーカスプライの巻き上げ端が、前記金属補強層のタイヤ径方向外側端よりタイヤ径方向外側に位置することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
JP2013271832A 2013-12-27 2013-12-27 空気入りラジアルタイヤ Active JP6282464B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271832A JP6282464B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 空気入りラジアルタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271832A JP6282464B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 空気入りラジアルタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015123942A JP2015123942A (ja) 2015-07-06
JP6282464B2 true JP6282464B2 (ja) 2018-02-21

Family

ID=53534950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013271832A Active JP6282464B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 空気入りラジアルタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6282464B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6623751B2 (ja) 2015-12-25 2019-12-25 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6790846B2 (ja) * 2017-01-13 2020-11-25 住友ゴム工業株式会社 重荷重用空気入りタイヤ
JP7018757B2 (ja) * 2017-12-12 2022-02-14 Toyo Tire株式会社 空気入りラジアルタイヤ
US20190184766A1 (en) * 2017-12-15 2019-06-20 The Goodyear Tire & Rubber Company Pneumatic tire with a robust bead area structure
JP7484287B2 (ja) 2020-03-24 2024-05-16 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3643191B2 (ja) * 1995-11-29 2005-04-27 株式会社ブリヂストン トラック及びバス用15°テーパラジアルタイヤ
JP2906066B2 (ja) * 1989-11-27 1999-06-14 横浜ゴム株式会社 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP4450440B2 (ja) * 1998-11-11 2010-04-14 株式会社ブリヂストン 重荷重用空気入りラジアルタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015123942A (ja) 2015-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6153858B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP6249518B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6398723B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6282464B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP6209036B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN108116168B (zh) 充气轮胎
JP7011461B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2015157579A (ja) 空気入りタイヤ
JP6407707B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6607045B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5864974B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6907681B2 (ja) バイアスタイヤ
JP2017056890A (ja) 空気入りタイヤ
JP6773552B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6835566B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6047383B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6517612B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6773551B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP4098461B1 (en) Pneumatic tyre
JP2013067285A (ja) 空気入りタイヤ
JP2010215017A (ja) 空気入りタイヤ
JP6963496B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP7238231B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2017154661A (ja) 空気入りタイヤ
JP2016182925A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6282464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250