JP6672813B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6672813B2
JP6672813B2 JP2016005386A JP2016005386A JP6672813B2 JP 6672813 B2 JP6672813 B2 JP 6672813B2 JP 2016005386 A JP2016005386 A JP 2016005386A JP 2016005386 A JP2016005386 A JP 2016005386A JP 6672813 B2 JP6672813 B2 JP 6672813B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carcass
tire
reinforcing layer
cord
radial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016005386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017124752A (ja
Inventor
佐藤 利之
佐藤  利之
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2016005386A priority Critical patent/JP6672813B2/ja
Publication of JP2017124752A publication Critical patent/JP2017124752A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6672813B2 publication Critical patent/JP6672813B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
一般的に多くの空気入りタイヤは、タイヤ幅方向における両側に配置されるビード部間にカーカスを配置し、カーカスは、ビードコアを巻き込むようにしてビード部で折り返されて構成されている。また、空気入りタイヤには、様々な性能が要求されるが、従来の空気入りタイヤの中には、複数の性能を向上させるために、カーカスの折り返し部分の近傍に、補強層を配設しているものがある。
例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤは、操縦安定性と乗り心地性能を犠牲にすることなく、転がり抵抗を低減するために、トレッド部側に配置されるベルト端と、カーカスの折り返し端との間のサイドウォール部領域内に、短繊維補強層を配置している。また、特許文献2に記載された空気入りタイヤは、軽量で操縦安定性に優れたタイヤを得るために、繊維補強層をビードフィラーに積層して配置している。また、特許文献3に記載された空気入りタイヤは、乗り心地性能や耐久性を損なうことなく操縦安定性を向上させるために、タイヤ径方向におけるビードフィラーの外端からベルト部の最大幅端に至るまでの間の35%以上にわたり補強層を配置している。
特開平8−175119号公報 特開2007−176215号公報 特開平10−53010号公報
ここで、空気入りタイヤに求められる性能の1つとして、軽量化も重要な性能になるが、軽量化を目的としてサイドウォール部のゴムの厚さを薄くした場合、インフレートをした際に、カーカスの端部におけるタイヤ表面に段差ができることがある。特に、車両に装着しているタイヤにパンク等の故障が発生した際に、故障したタイヤと交換して一時的に使用するためのタイヤである、いわゆるテンポラリータイヤは、通常時に使用する空気入りタイヤと比較して高い空気圧で使用するため、カーカスの端部におけるタイヤ表面の段差が、通常の空気入りタイヤよりも現れ易くなる。
また、カーカスはビード部で折り返されているため、サイドウォール部では、折り返し端を基点とするタイヤ径方向における内側領域と外側領域とで剛性差が大きくなっているが、サイドウォール部のゴムの厚さを薄くした場合、この剛性差は、より顕著に現れ易くなる。
タイヤ表面に現れる段差は、カーカスの端部を覆う補強層を配設することにより解消することができるが、カーカスの端部を補強層で覆った場合、補強層を設けない場合においても剛性が高くなっているビード部側の領域の剛性が、さらに高くなる。この場合、ビード部の剛性が高くなり過ぎるため、リム組み性が低下する虞がある。また、タイヤ表面に現れる段差は、サイドウォール部のゴムの厚さを厚くすることによっても段差の発生を解消することができるが、サイドウォール部のゴムの厚さを厚くした場合には、空気入りタイヤの軽量化を図ることができなくなる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、リム組み性を低下させることなく、タイヤ表面に段差を発生させずに軽量化を図ることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド面を有するトレッド部と、タイヤ幅方向における前記トレッド部の両端からタイヤ径方向内方に向かって配設されるサイドウォール部と、前記サイドウォール部のタイヤ径方向側に配設されるビード部と、前記ビード部に設けられるビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外方に配設されるビードフィラーと、カーカスコードがタイヤ周方向に対して20°以上50°以下の角度で傾斜して配設されると共に前記カーカスコードが互いに交差して配置される複数のカーカスからなり、タイヤ幅方向両側の前記ビード部間にかけて配設されると共に前記ビードコア周りに折り返されるカーカス層と、を備え、前記カーカス層は、折り返された部分であるターンナップ部におけるタイヤ径方向外方側の端部であるカーカス端部が、前記カーカス層における前記ターンナップ部よりもタイヤ幅方向内方側に位置する部分に接しており、前記トレッド部における最もタイヤ径方向外方側に位置している部分とリムベースラインとのタイヤ径方向の距離であるタイヤ断面高さHSと、前記ビードフィラーにおけるタイヤ径方向外方側の端部と前記リムベースラインとのタイヤ径方向の距離であるビードフィラー高さHBと、前記カーカス端部と前記リムベースラインとのタイヤ径方向の距離であるカーカス端部高さHCと、の関係が、{(HB/HS)<0.25}で、且つ、{0.25<(HC/HS)<0.5}を満たす関係にあり、前記カーカス端部のタイヤ径方向外方側には、100%伸張時のモジュラスが前記サイドウォール部を構成するゴムの120%以上250%以下であるゴムを含み、且つ、前記カーカス層に沿うと共に前記カーカス端部から離間して配置される補強層が設けられることを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、タイヤ径方向における下端と前記カーカス端部との距離が5mm以上20mm以下となっており、且つ、前記補強層のタイヤ径方向外方側の端部である補強層上端部と前記カーカス端部とのタイヤ径方向の距離である補強層上端部高さHMと、タイヤ幅方向における前記トレッド部の両端に位置するショルダーエッジと前記カーカス端部とのタイヤ径方向の距離であるショルダーエッジ高さHEと、が{(HM/HE)≦0.6}を満たす位置に前記補強層上端部が位置することが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、有機繊維部材を有する有機繊維補強層であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、前記有機繊維部材のコード径DMと、前記カーカスコードのコード径DCとが、{0.6≦(DM/DC)≦0.9}の関係を満たすことが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、タイヤ周方向に対する前記有機繊維部材のコード角度AMと、前記カーカス層の前記ターンナップ部における前記カーカスコードのタイヤ周方向に対するコード角度ACとが、{−20°≦(AC−AM)≦−5°}の関係を満たすことが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、前記有機繊維部材の密度EMと、前記カーカスコードの密度ECとが、{0.65≦(EM/EC)≦0.95}の関係を満たすことが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記空気入りタイヤは、車両に装着される空気入りタイヤの故障時に応急的に用いられるテンポラリータイヤであることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、リム組み性を低下させることなく、タイヤ表面に段差を発生させずに軽量化を図ることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1のA−A方向から見たカーカスコードの説明図である。 図3は、図1に示す補強層の配置の形態を示す説明図である。 図4は、図3のB−B方向から見た補強層コード及びカーカスコードの説明図である。 図5は、図4のC−C方向から見た補強層コードの説明図である。 図6は、図4のD−D方向から見たカーカスコードの説明図である。 図7Aは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図7Bは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図7Cは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内方とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう方向、タイヤ径方向外方とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる方向をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、子午面断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド面3として形成されている。タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両端は、ショルダー部4として形成されており、サイドウォール部10が配設されている。つまり、サイドウォール部10は、タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両端からタイヤ径方向内方に向かって配設されており、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2ヶ所に配設されている。
さらに、それぞれのサイドウォール部10のタイヤ径方向内方側には、ビード部20が配設されており、ビード部20は、サイドウォール部10と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2ヶ所に配設されている。即ち、ビード部20は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に一対が配設されている。一対のビード部20のそれぞれにはビードコア21が設けられており、それぞれのビードコア21のタイヤ径方向外方にはビードフィラー24が配設されている。ビードフィラー24は、後述するカーカス層30のタイヤ幅方向端部がビードコア21の位置でタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
トレッド部2のタイヤ径方向内方には、ブレーカ6が配設されている。ブレーカ6は、例えば、第1ブレーカ7と第2ブレーカ8とを積層した多層構造をなし、ナイロン等の有機繊維材から成る複数のブレーカコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成される。また、ブレーカ6は、タイヤ周方向に対するブレーカコードの角度が、絶対値で30°以上40°以下の角度で傾斜して構成されており、第1ブレーカ7及び第2ブレーカ8は、タイヤ周方向に対するブレーカコードの傾斜角が互いに異なっている。即ち、第1ブレーカ7と第2ブレーカ8とを有するブレーカ6は、ブレーカコードの方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成される。
これらの第1ブレーカ7及び第2ブレーカ8は、第1ブレーカ7がタイヤ径方向内方側に配設され、第2ブレーカ8は、第1ブレーカ7のタイヤ径方向外方側に、第1ブレーカ7に対して積層して配設される。また、第2ブレーカ8は、タイヤ幅方向における幅が、同方向における第1ブレーカ7の幅よりも広くなっている。
ブレーカ6のタイヤ径方向内方、及びサイドウォール部10のタイヤ赤道面CL側には、バイアスプライのテキスタイルコードを内包するカーカス層30が、タイヤ幅方向両側のビード部20間にかけて配設されることによって連続して設けられている。このカーカス層30は、第1カーカス32と第2カーカス33との2枚のカーカス31を積層して成る多層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設されるビードコア21間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。
詳しくは、カーカス層30は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部20のうち、一方のビード部20から他方のビード部20にかけて配設されており、ビードコア21及びビードフィラー24を包み込むようにビード部20でビードコア21に沿ってタイヤ幅方向外方に巻き返されている。即ち、カーカス層30は、ビードコア21のタイヤ幅方向内方からビードコア21のタイヤ径方向内方を通り、ビードコア21のタイヤ幅方向外方にかけて配設されるように、ビード部20でビードコア21周りに折り返されており、ビードコア21周りに折り返された部分は、ターンナップ部35として設けられている。
第1カーカス32と第2カーカス33とは、第1カーカス32が空気入りタイヤ1における内側に位置し、第2カーカス33は、第1カーカス32の外側に第1カーカス32に対して積層して配設される。詳しくは、トレッド部2の位置では、第2カーカス33は第1カーカス32のタイヤ径方向外方側に第1カーカス32に対して積層し、サイドウォール部10の位置におけるターンナップ部35以外の部分では、第2カーカス33は第1カーカス32のタイヤ幅方向外方側に第1カーカス32に対して積層して配設される。また、第1カーカス32及び第2カーカス33は、積層された状態でビードコア21周りに折り返されるため、ターンナップ部35では、第1カーカス32が第2カーカス33のタイヤ幅方向外方側に積層して配設される。
ターンナップ部35に位置する第1カーカス32及び第2カーカス33は、タイヤ径方向における外方側の端部付近が、カーカス層30におけるターンナップ部35以外の部分であるカーカス本体部34に接触している。詳しくは、カーカス層30における、ビードコア21周りの位置での内側に位置する第2カーカス33は、ターンナップ部35側の部分におけるタイヤ径方向外方側の端部付近が、第2カーカス33におけるカーカス本体部34側の部分に接触している。つまり、第2カーカス33における、ターンナップ部35側の部分のタイヤ径方向外方側の端部は、ビードフィラー24におけるタイヤ径方向外方側の端部であるビードフィラー端部25よりもタイヤ径方向外方側に位置しており、これにより、第2カーカス33における、ターンナップ部35側の部分のタイヤ径方向外方側の端部付近は、カーカス本体部34に接触している。
また、ターンナップ部35では、第1カーカス32及び第2カーカス33は、第2カーカス33よりも第1カーカス32の方が、タイヤ径方向外方側まで配設されている。このため、第1カーカス32は、ターンナップ部35側の部分におけるタイヤ径方向外方側の端部付近が、第2カーカス33のターンナップ部35がカーカス本体部34に接触している位置よりもタイヤ径方向外方側の位置で、第2カーカス33のカーカス本体部34側の部分に接触している。
つまり、カーカス層30は、ターンナップ部35におけるタイヤ径方向外方側の端部であるカーカス端部36が、カーカス層30におけるターンナップ部35よりもタイヤ幅方向内方側に位置する部分に接している。この場合におけるカーカス端部36は、ターンナップ部35におけるタイヤ径方向外方側の端部が、第2カーカス33のタイヤ径方向外方側の端部よりもタイヤ径方向外方側に位置する、第1カーカス32のタイヤ径方向外方側の端部となっている。
図2は、図1のA−A方向から見たカーカスコードの説明図である。カーカス層30のカーカス31は、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成る複数のカーカスコード38をコートゴムで被覆して圧延加工して構成されている。これらのカーカスコード38は、タイヤ周方向に対して絶対値で20°以上50°以下の角度θで傾斜して配設されている。さらに、カーカス層30は、第1カーカス32のカーカスコード38と第2カーカス33のカーカスコード38とが互いに交差して配置されている。
また、カーカス層30の内側、或いは、当該カーカス層30の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ15がカーカス層30に沿って形成されている。
これらのように構成される空気入りタイヤ1は、リムベースラインBLを基準とするタイヤ断面高さHSと、ビードフィラー高さHBと、カーカス端部高さHCとの関係が、{(HB/HS)<0.25}で、且つ、{0.25<(HC/HS)<0.5}を満たす関係となって形成されている。このうち、タイヤ断面高さHSは、トレッド部2における最もタイヤ径方向外方側に位置している部分と、リムベースラインBLとのタイヤ径方向の距離になっている。また、ビードフィラー高さHBは、ビードフィラー端部25とリムベースラインBLとのタイヤ径方向の距離になっている。また、カーカス端部高さHCは、カーカス端部36とリムベースラインBLとのタイヤ径方向の距離になっている。また、ここでいうリムベースラインBLは、JATMAの規格で定められるリム径を通るタイヤ軸方向線である。
さらに、本実施形態に係る空気入りタイヤ1には、サイドウォール部10におけるカーカス端部36のタイヤ径方向外方側に、カーカス層30に沿うと共に、カーカス端部36から離間して配置される補強層40が設けられている。
図3は、図1に示す補強層の配置の形態を示す説明図である。補強層40は、タイヤ幅方向におけるカーカス層30の外側に、カーカス層30に沿って配設されており、タイヤ径方向における下端である補強層下端部42とカーカス端部36との距離Sが、5mm以上20mm以下の範囲内でカーカス端部36からタイヤ径方向外方側に離間している。
また、補強層40は、カーカス端部36を基準にした場合における補強層上端部高さHMとショルダーエッジ高さHEとの関係が、{(HM/HE)≦0.6}を満たす位置に、補強層40のタイヤ径方向外方側の端部である補強層上端部41が位置して配設されている。このうち、補強層上端部高さHMは、補強層上端部41とカーカス端部36とのタイヤ径方向の距離になっている。また、ショルダーエッジ高さHEは、ショルダー部4に形成され、サイドウォール部10のタイヤ幅方向における表面とトレッド面3との境界に位置するショルダーエッジ5と、カーカス端部36とのタイヤ径方向の距離になっている。
なお、空気入りタイヤ1や補強層40の形態を規定するためのタイヤ断面高さHS、ビードフィラー高さHB、カーカス端部高さHC、補強層上端部高さHM、ショルダーエッジ高さHEは、空気入りタイヤ1を測定リム幅に固定し、ノーインフレート状態で測定した値になっている。この場合における測定リムは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、或いはETRTOに規定される「Measuring Rim」に準拠したリムになっている。
カーカス層30に沿って配設される補強層40は、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維部材から成る複数の補強層コード45をコートゴムで被覆して圧延加工して構成される、有機繊維補強層として設けられている。補強層40に用いられるゴムは、100%伸張時のモジュラス(JIS K6251:2010に準拠して求めた、試験片に100%の伸びを与えたときの引張応力)が、サイドウォール部10を構成するゴムであるサイドゴム11の120%以上250%以下であるゴムを含んでいる。
図4は、図3のB−B方向から見た補強層コード及びカーカスコードの説明図である。補強層40は、タイヤ周方向に対する補強層コード45のコード角度AMと、カーカス層30のターンナップ部35におけるカーカスコード38のタイヤ周方向に対するコード角度ACとが、{−20°≦(AC−AM)≦−5°}の関係を満たすように配設されている。つまり、補強層40は、タイヤ周方向に対する補強層コード45のコード角度AMが、ターンナップ部35のカーカスコード38のコード角度ACよりも、タイヤ周方向に対する角度が小さくなって形成されている。換言すると、補強層40は、タイヤ径方向に対する補強層コード45の傾斜角度が、タイヤ径方向に対するターンナップ部35のカーカスコード38の傾斜角度よりも大きくなっている。
図5は、図4のC−C方向から見た補強層コードの説明図である。図6は、図4のD−D方向から見たカーカスコードの説明図である。補強層40は、補強層コード45のコード径DMと、カーカス層30が有するカーカスコード38のコード径DCとが、{0.6≦(DM/DC)≦0.9}の関係を満たしている。つまり、補強層40は、補強層コード45のコード径DMが、カーカスコード38のコード径DCの0.6倍以上0.9倍以下の径となっている。
さらに、補強層40は、補強層コード45の密度EMと、カーカス層30が有するカーカスコード38の密度ECとが、{0.65≦(EM/EC)≦0.95}の関係を満たしている。なお、この場合における補強層コード45の密度EMは、補強層40において補強層コード45の延在方向に直交する断面における、単位面積当たりの補強層コード45の平均本数になっている。また、カーカスコード38の密度ECは、カーカス層30においてカーカスコード38の延在方向に直交する断面における、単位面積当たりのカーカスコード38の平均本数になっている。補強層40は、このように定義される補強層コード45の密度EM[本/mm]が、カーカスコード38の密度EC[本/mm]に対して、0.65倍以上0.95倍以下の範囲内になっている。
これらのように構成される本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、車両に装着される空気入りタイヤの故障時に応急的に使用される、いわゆるテンポラリータイヤとして用いられる。テンポラリータイヤは、通常時は車両の走行用として用いることなく車両に搭載され、車両の走行用に車両に装着される空気入りタイヤの故障時に車両に装着することにより、応急的に使用される。一方、空気入りタイヤ1に要求される性能の1つとして軽量化が挙げられるが、テンポラリータイヤは、通常時は車両に搭載されるものであるため、テンポラリータイヤにおいても、車両の走行時の重量を軽減して燃費性能や走行性能等を向上させるために、軽量化を図ることは重要な要素になっている。
空気入りタイヤ1の軽量化を図るためには、サイドウォール部10のゴムゲージGa(図1参照)を薄くすることが有効である。しかし、サイドウォール部10のゴムゲージGaを薄くした場合、インフレート時にカーカス層30のターンナップ部35のカーカス端部36の部分で、タイヤ表面12に段差が発生し易くなる。特に、テンポラリータイヤでは、インフレート時における空気圧が、通常時に車両に装着される空気入りタイヤと比較して高い空気圧で使用され、例えば、420kPa程度の空気圧で使用される。このため、本実施形態に係る空気入りタイヤ1も、通常時に車両に装着される空気入りタイヤと比較して高い空気圧で使用され、タイヤ表面12では、ターンナップ部35のカーカス端部36の部分付近の形状の影響を受け易くなる。
ここで、カーカス端部36のタイヤ径方向外方側には、カーカス層30に沿う補強層40が、カーカス端部36から離間して配置されている。これにより、カーカス端部36のタイヤ径方向外方側の部分で、ゴムゲージGaが急激に薄くならないので、カーカス端部36付近におけるタイヤ表面12に段差が発生することを抑制することができる。また、補強層40は、カーカス層30のターンナップ部35と重なっていないので、補強層40とターンナップ部35とが重なることに起因してタイヤ表面12に段差が発生することも抑制できる。
また、補強層40は、このようにカーカス層30のターンナップ部35と重なっていないので、補強層40を配設することに起因してビード部20の剛性が高くなり過ぎることを抑制できる。つまり、ビード部20の剛性が高くなり過ぎた場合、空気入りタイヤ1を規定リムに組み込む際に、剛性が高いことに起因してリムへの組み込みが困難になり、リム組み性が低下することがあるが、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、ビード部20の剛性が高くなり過ぎることを抑制できるため、リム組み性の低下を抑制することができる。
詳しくは、サイドウォール部10では、カーカス端部36を基点とするタイヤ径方向における内側領域と外側領域とで剛性差が大きくなっており、補強層40を設けない場合においても、ビード部20側の剛性が高くなっている。このように、カーカス端部36を基点として剛性差を有するサイドウォール部10に対して補強層40を設ける際に、補強層40をターンナップ部35に重ねて配設した場合、ビード部20の剛性が、さらに高くなる。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、補強層40はターンナップ部35には重ねずに、ターンナップ部35のカーカス端部36からタイヤ径方向外方側に離間して配設しているので、サイドウォール部10の剛性を、ターンナップ部35が位置する領域、補強層40が配置される領域、補強層40が配置されない領域で、徐々に小さくすることができる。つまり、サイドウォール部10の剛性を、タイヤ径方向内方側からタイヤ径方向外方側に向かうに従って、徐々に小さくすることができ、補強層40を設けることに起因して、ビード部20付近の剛性のみが高くなることを抑制でき、ビード部20の剛性が高くなり過ぎることを抑制することができる。補強層40は、このようにカーカス端部36を基点とする剛性差を緩和する剛性緩和層としての機能も有しており、補強層40を配設することにより、カーカス端部36を基点とする剛性差を緩和し、ビード部20の剛性が高くなり過ぎることを抑制できる。これにより、リム組み性の低下を抑制することができる。
さらに、補強層40は、100%伸張時のモジュラスが、サイドウォール部10を構成するサイドゴム11の120%以上250%以下であるゴムを含んで構成されているため、補強層40が配設されている部分の剛性を、ターンナップ部35が配設されている部分と、ターンナップ部35や補強層40が配設されていない部分との間の剛性にすることができる。これにより、補強層40を設けることに起因して、ビード部20付近の剛性のみが高くなることをより確実に抑制でき、リム組み性の低下を、より確実に抑制することができる。これらの結果、リム組み性を低下させることなく、タイヤ表面12に段差を発生させずに軽量化を図ることができる。
また、補強層40は、補強層下端部42とカーカス端部36との距離Sが、5mm以上20mm以下の範囲内でカーカス端部36から離間しているため、サイドウォール部10における、ターンナップ部35が配設されている位置から、補強層40が配設されている位置にかけての剛性の変化をなだらかなものにすることができる。これにより、サイドウォール部10における、カーカス端部36を基点とする剛性差をサイドゴム11で補う必要がないため、サイドウォール部10のゴムゲージGaをより薄くすることができる。この結果、より確実に軽量化を図ることができる。
また、補強層40は、カーカス端部36を基準にした場合における補強層上端部高さHMとショルダーエッジ高さHEとの関係が、{(HM/HE)≦0.6}を満たす位置に、補強層上端部41が位置するように配設されているため、補強層40による剛性緩和効果を、より確実に得ることができる。つまり、補強層上端部高さHMとショルダーエッジ高さHEとが、{(HM/HE)>0.6}となる位置に補強層上端部41が位置する場合、補強層40が配設される領域が、タイヤ径方向外方側に大きくなり過ぎるため、サイドウォール部10におけるターンナップ部35が設けられている領域以外の領域の剛性が高くなり過ぎる虞がある。この場合、補強層40による剛性緩和効果を得難くなり、サイドウォール部10全体の剛性が高くなるため、リム組み性を効果的に低下することが困難になる虞がある。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、補強層上端部高さHMとショルダーエッジ高さHEとが、{(HM/HE)≦0.6}を満たす位置に、補強層上端部41が位置するように配設されているため、サイドウォール部10の剛性を、タイヤ径方向内方側からタイヤ径方向外方側に向かうに従って、徐々に小さくすることができる。これにより、補強層40による剛性緩和効果を、より確実に得ることができるため、より確実に、リム組み性を低下させることなく軽量化を図ることができる。
また、補強層40は、有機繊維部材である補強層コード45とゴムとを有する有機繊維補強層として設けられているため、補強層40の剛性を適切に確保することができ、カーカス端部36を基点とする剛性差を、より確実に緩和することができる。この結果、より確実に、リム組み性を低下させることなく軽量化を図ることができる。
また、補強層40は、補強層コード45のコード径DMと、カーカスコード38のコード径DCとが、{0.6≦(DM/DC)≦0.9}の関係を満たしているため、補強層40による剛性緩和の効果を、より確実に得ることができる。つまり、補強層コード45のコード径DMとカーカスコード38のコード径DCとが、{(DM/DC)<0.6}である場合には、補強層コード45のコード径DMが小さ過ぎることがあるため、補強層40の剛性を確保するのが困難になることがある。この場合、カーカス端部36を基点とする剛性差を、補強層40によって効果的に緩和し難くなることがある。また、補強層コード45のコード径DMとカーカスコード38のコード径DCとが、{(DM/DC)>0.9}である場合には、補強層コード45のコード径DMが大き過ぎることがあるため、補強層40の剛性が高くなり過ぎることがある。この場合、補強層40が配設されている部分の剛性が高くなり過ぎ、補強層上端部41を基点とする剛性差が発生することがある。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、補強層コード45のコード径DMとカーカスコード38のコード径DCとが、{0.6≦(DM/DC)≦0.9}の関係を満たすため、補強層40の剛性を、サイドウォール部10におけるターンナップ部35が設けられていない領域と、カーカス端部36が位置する領域との中間特性に近付けることができる。この結果、カーカス端部36を基点とする剛性差を、補強層40によってより確実に緩和することができ、より確実に、リム組み性を低下させることなく軽量化を図ることができる。
補強層40は、タイヤ周方向に対する補強層コード45のコード角度AMと、カーカス層30のターンナップ部35におけるカーカスコード38のタイヤ周方向に対するコード角度ACとが、{−20°≦(AC−AM)≦−5°}の関係を満たしているため、補強層40による剛性緩和の効果を、より確実に得ることができる。つまり、タイヤ周方向に対する補強層コード45のコード角度AMとカーカスコード38のコード角度ACとが、{(AC−AM)<−20°}である場合には、補強層コード45のコード角度AMが、カーカスコード38のコード角度ACに対して傾斜し過ぎることがあるため、補強層40の剛性が、カーカス層30のターンナップ部35の剛性に対して小さくなり過ぎることがある。この場合、カーカス端部36を基点とする剛性差を、補強層40によって効果的に緩和し難くなることがある。また、タイヤ周方向に対する補強層コード45のコード角度AMとカーカスコード38のコード角度ACとが、{(AC−AM)>−5°}である場合には、補強層コード45のコード角度AMとカーカスコード38のコード角度ACとの角度差が小さ過ぎることがあるため、補強層40の剛性を、カーカス層30のターンナップ部35の剛性に対して小さくし難くなることがある。この場合、補強層40が配設されている部分の剛性が高くなり過ぎ、補強層上端部41を基点とする剛性差が発生することがある。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、タイヤ周方向に対する補強層コード45のコード角度AMとカーカスコード38のコード角度ACとが、{−20°≦(AC−AM)≦−5°}の関係を満たすため、補強層40の剛性を、サイドウォール部10におけるターンナップ部35が設けられていない領域と、カーカス端部36が位置する領域との中間特性に近付けることができる。この結果、カーカス端部36を基点とする剛性差を、補強層40によってより確実に緩和することができ、より確実に、リム組み性を低下させることなく軽量化を図ることができる。
また、補強層40は、補強層コード45の密度EMと、カーカスコード38の密度ECとが、{0.65≦(EM/EC)≦0.95}の関係を満たしているため、補強層40による剛性緩和の効果を、より確実に得ることができる。つまり、補強層コード45の密度EMとカーカスコード38の密度ECとが、{(EM/EC)<0.65}である場合には、補強層コード45の密度EMが小さ過ぎることがあるため、補強層40の剛性を確保するのが困難になることがある。この場合、カーカス端部36を基点とする剛性差を、補強層40によって効果的に緩和し難くなることがある。また、補強層コード45の密度EMとカーカスコード38の密度ECとが、{(EM/EC)>0.95}である場合には、補強層コード45の密度EMが大き過ぎることがあるため、補強層40の剛性が高くなり過ぎることがある。この場合、補強層40が配設されている部分の剛性が高くなり過ぎ、補強層上端部41を基点とする剛性差が発生することがある。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、補強層コード45の密度EMとカーカスコード38の密度ECとが、{0.65≦(EM/EC)≦0.95}の関係を満たすため、補強層40の剛性を、サイドウォール部10におけるターンナップ部35が設けられていない領域と、カーカス端部36が位置する領域との中間特性に近付けることができる。この結果、カーカス端部36を基点とする剛性差を、補強層40によってより確実に緩和することができ、より確実に、リム組み性を低下させることなく軽量化を図ることができる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、車両に装着される空気入りタイヤの故障時に応急的に用いられるテンポラリータイヤであるため、軽量化を図ることにより、当該空気入りタイヤ1を車両に搭載した状態で車両を走行させた際における燃費や走行性能を向上させることができる。また、ターンナップ部35のカーカス端部36の部分でタイヤ表面12に段差が発生することを抑制できるため、外観を向上させることができる。また、カーカス端部36を基点とする剛性差を補強層40によって緩和するため、テンポラリータイヤにおいてもリム組み性を確保することができる。
〔実施例〕
図7A、図7B、図7Cは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例及び比較例の空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、サイドウォール部10のタイヤ表面12への段差の発生状態についての評価試験と、リム組み性についての評価試験と、空気入りタイヤ1の軽量化の指標となるサイドゴム11の厚さGaについての評価試験を行った。
これらの性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びがT155/90D17サイズの空気入りタイヤ1を用いて行った。各試験項目の評価方法は、サイドウォール部10の段差については、評価試験を行う空気入りタイヤ1を17×4TサイズのJATMA標準リムのリムホイールにリム組みし、420kPaにインフレートして24時間室内で放置した後、サイドウォール部10の段差の有無を目視によって判定した。また、リム組み性については、評価試験を行う空気入りタイヤ1を、自動リム組みマシンにてJATMA標準リムのリムホイールにリム組みし、タイヤ幅方向両側のビード部20を問題なくリム内に落とす作業の歩留りを指数化することによって行った。リム組み性は、後述する従来例を100とする評点で表示され、指数が99以上のものを、リム組み性については良好であると判定する。また、サイドゴム11の厚さGaについては、評価試験を行う空気入りタイヤ1のカーカス端部36の位置でのサイドゴム11の厚さGaを指数化することによって行った。サイドゴム11の厚さGaは、後述する従来例を100とする評点で表示され、指数が90以下のものを、軽量化について効果があると判定する。
評価試験は、従来例の空気入りタイヤ1である従来例1、2と比較例の空気入りタイヤ1、及び本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜13の16種類の空気入りタイヤ1にて行った。これらの空気入りタイヤ1は、補強層40の有無や、補強層40の形態がそれぞれ異なっている。このうち、従来例1、2の空気入りタイヤ1は、共に補強層40が設けられていない。また、比較例の空気入りタイヤ1は、補強層40が設けられてはいるが、補強層40はカーカス層30のターンナップ部35から離間しておらず、一部がターンナップ部35に重なって配設されている。つまり、補強層40は、補強層下端部42がカーカス端部36のタイヤ径方向内方側に位置しており、補強層下端部42近傍がターンナップ部35のカーカス端部36近傍に重なっている。
これらに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜13は、全て補強層40を有しており、補強層40は、全てカーカス端部36のタイヤ径方向外方側に配設されている。また、補強層40は、カーカス端部36からの距離や補強層上端部41の位置、カーカスコード38のコード径DC、コード角度AC、密度ECに対する補強層コード45のコード径DM、コード角度AM、密度EMが、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて評価試験を行った結果、図7A、図7B、図7Cに示すように、実施例1〜13の空気入りタイヤ1は、従来例1、2及び比較例とは異なり、サイドウォール部10に段差が発生することなく、また、リム組み性が低下することなく、サイドゴム11の厚さGaを薄くすることができ、軽量化を図ることができることが分かった。つまり、実施例1〜13の空気入りタイヤ1は、リム組み性を低下させることなく、タイヤ表面12に段差を発生させずに軽量化を図ることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 トレッド面
4 ショルダー部
5 ショルダーエッジ
6 ブレーカ
10 サイドウォール部
11 サイドゴム
12 タイヤ表面
20 ビード部
21 ビードコア
24 ビードフィラー
25 ビードフィラー端部
30 カーカス層
31 カーカス
34 カーカス本体部
35 ターンナップ部
36 カーカス端部
38 カーカスコード
40 補強層
41 補強層上端部
42 補強層下端部
45 補強層コード(有機繊維部材)

Claims (7)

  1. トレッド面を有するトレッド部と、
    タイヤ幅方向における前記トレッド部の両端からタイヤ径方向内方に向かって配設されるサイドウォール部と、
    前記サイドウォール部のタイヤ径方向側に配設されるビード部と、
    前記ビード部に設けられるビードコアと、
    前記ビードコアのタイヤ径方向外方に配設されるビードフィラーと、
    カーカスコードがタイヤ周方向に対して20°以上50°以下の角度で傾斜して配設されると共に前記カーカスコードが互いに交差して配置される複数のカーカスからなり、タイヤ幅方向両側の前記ビード部間にかけて配設されると共に前記ビードコア周りに折り返されるカーカス層と、
    を備え、
    前記カーカス層は、折り返された部分であるターンナップ部におけるタイヤ径方向外方側の端部であるカーカス端部が、前記カーカス層における前記ターンナップ部よりもタイヤ幅方向内方側に位置する部分に接しており、
    前記トレッド部における最もタイヤ径方向外方側に位置している部分とリムベースラインとのタイヤ径方向の距離であるタイヤ断面高さHSと、
    前記ビードフィラーにおけるタイヤ径方向外方側の端部と前記リムベースラインとのタイヤ径方向の距離であるビードフィラー高さHBと、
    前記カーカス端部と前記リムベースラインとのタイヤ径方向の距離であるカーカス端部高さHCと、
    の関係が、{(HB/HS)<0.25}で、且つ、{0.25<(HC/HS)<0.5}を満たす関係にあり、
    前記カーカス端部のタイヤ径方向外方側には、100%伸張時のモジュラスが前記サイドウォール部を構成するゴムの120%以上250%以下であるゴムを含み、且つ、前記カーカス層に沿うと共に前記カーカス端部から離間して配置される補強層が設けられることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記補強層は、タイヤ径方向における下端と前記カーカス端部との距離が5mm以上20mm以下となっており、且つ、
    前記補強層のタイヤ径方向外方側の端部である補強層上端部と前記カーカス端部とのタイヤ径方向の距離である補強層上端部高さHMと、
    タイヤ幅方向における前記トレッド部の両端に位置するショルダーエッジと前記カーカス端部とのタイヤ径方向の距離であるショルダーエッジ高さHEと、
    が{(HM/HE)≦0.6}を満たす位置に前記補強層上端部が位置する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強層は、有機繊維部材を有する有機繊維補強層である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強層は、前記有機繊維部材のコード径DMと、前記カーカスコードのコード径DCとが、{0.6≦(DM/DC)≦0.9}の関係を満たす請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記補強層は、タイヤ周方向に対する前記有機繊維部材のコード角度AMと、前記カーカス層の前記ターンナップ部における前記カーカスコードのタイヤ周方向に対するコード角度ACとが、{−20°≦(AC−AM)≦−5°}の関係を満たす請求項3または4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記補強層は、前記有機繊維部材の密度EMと、前記カーカスコードの密度ECとが、{0.65≦(EM/EC)≦0.95}の関係を満たす請求項3〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記空気入りタイヤは、車両に装着される空気入りタイヤの故障時に応急的に用いられるテンポラリータイヤである請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
JP2016005386A 2016-01-14 2016-01-14 空気入りタイヤ Active JP6672813B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016005386A JP6672813B2 (ja) 2016-01-14 2016-01-14 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016005386A JP6672813B2 (ja) 2016-01-14 2016-01-14 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017124752A JP2017124752A (ja) 2017-07-20
JP6672813B2 true JP6672813B2 (ja) 2020-03-25

Family

ID=59365436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016005386A Active JP6672813B2 (ja) 2016-01-14 2016-01-14 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6672813B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7368690B2 (ja) * 2019-02-18 2023-10-25 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5025202B1 (ja) * 1970-05-01 1975-08-21
JPH06247104A (ja) * 1993-02-26 1994-09-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りスペアタイヤ
JP3699143B2 (ja) * 1994-12-01 2005-09-28 株式会社ブリヂストン 空気入りラジアルタイヤ
JP2788715B2 (ja) * 1994-12-27 1998-08-20 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JPH08310206A (ja) * 1995-05-22 1996-11-26 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
JP4326416B2 (ja) * 2004-07-08 2009-09-09 住友ゴム工業株式会社 空気入りラジアルタイヤ
JP5092929B2 (ja) * 2008-06-23 2012-12-05 横浜ゴム株式会社 レーシングカート用空気入りバイアスタイヤ
JP5487802B2 (ja) * 2009-08-21 2014-05-14 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP5853361B2 (ja) * 2010-11-23 2016-02-09 横浜ゴム株式会社 空気入りバイアスタイヤ
JP6095292B2 (ja) * 2012-08-02 2017-03-15 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017124752A (ja) 2017-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015072322A1 (ja) 空気入りタイヤ
US7712498B2 (en) Run flat tire
JP2018177067A (ja) 空気入りタイヤ
JP2010137812A (ja) 空気入りタイヤ
JP2009214628A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP6959118B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5685860B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2013039851A (ja) 空気入りタイヤ
JP6194151B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6607045B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6672813B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4583891B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP6967949B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5003026B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5893824B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP6672892B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5598234B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4710478B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2008307988A (ja) 空気入りランフラットタイヤ
JP7324133B2 (ja) タイヤ
JP7419047B2 (ja) タイヤ
CN110239287B (zh) 泄气保用轮胎
JP2007331435A (ja) 空気入りタイヤ
US20150027608A1 (en) Pneumatic tire
JP6773551B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6672813

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250