JP7131047B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、サイド補強ゴムを具えるランフラットタイヤに関する。
下記特許文献1には、カーカスとサイド補強ゴムとリムプロテクターとを具えたランフラットタイヤが記載されている。前記カーカスは、一対のビード部間をトロイド状に延びている。前記サイド補強ゴムは、断面略三日月状をなしサイドウォール領域に配されている。前記リムプロテクターは、ビード部に設けられ、タイヤ軸方向外側に突出している。この特許文献1では、前記リムプロテクターの頂部からカーカスに立てた法線上の前記サイド補強ゴムの厚さをタイヤの厚さに対して規定することにより、曲げ剛性を維持しつつ縦バネの増加を抑制して、ランフラット耐久性と乗り心地とを両立させている。
しかしながら、近年では、ランフラットタイヤについて、ランフラット耐久性能及び乗り心地性能に関して、さらなる性能向上の要求がある。
特開2017-880088号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出されたもので、優れたランフラット耐久性能及び乗り心地性能を有するランフラットタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、ランフラットタイヤであって、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、前記カーカスの内側かつ前記サイドウォール部に配された断面三日月状のサイド補強ゴムを具え、
前記ランフラットタイヤが、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記ランフラットタイヤのタイヤ半径方向の最外端から、タイヤ半径方向内側に、タイヤ断面高さの28%、50%及び72%の距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の位置を第1点、第3点及び第2点とし、かつ前記第1点、前記第2点及び前記第3点を通る前記カーカスの法線上での前記サイド補強ゴムの厚さをそれぞれL1、L2及びL3としたときに、下記式(1)及び(2)を満たす。
0.64≦L1/L3≦0.88…(1)
0.84≦L2/L3≦1.08…(2)
本発明に係るランフラットタイヤは、前記ビード部が、前記カーカスのタイヤ軸方向の外側に配された外側ビード補強ゴムを具え、前記外側ビード補強ゴムは、前記タイヤ子午線断面において、前記正規リムのリム径位置からタイヤ半径方向外側に、タイヤ断面高さの20%の距離を隔てたタイヤ外面上の位置を通る前記カーカスの法線上で4.5mm以上の厚さを有するのが望ましい。
本発明に係るランフラットタイヤは、前記ビードコアが、前記カーカスのタイヤ半径方向の内端部のタイヤ軸方向の内側及び外側に配された内側コア及び外側コアを含むのが望ましい。
本発明に係るランフラットタイヤは、前記カーカスが、アラミド繊維からなるカーカスコードを含み、下記式(3)で定義される前記カーカスコードの上撚り角θが40~53度であるのが望ましい。但し、Aは、前記カーカスコードの直径(mm)であり、Bは、前記カーカスコード100mm当りの上撚り数である。
θ=tan-1(A×B×π/100)…(3)
本発明のランフラットタイヤは、タイヤ外面上の第1点、第2点及び第3点を通るカーカスの法線上での前記サイド補強ゴムの厚さをそれぞれL1、L2及びL3としたときに、下記式(1)及び(2)を満たす。
0.64≦L1/L3≦0.88…(1)
0.84≦L2/L3≦1.08…(2)
但し、前記第1点、前記第2点及び前記第3点は、前記ランフラットタイヤのタイヤ半径方向の最外端から、タイヤ半径方向内側に、タイヤ断面高さの28%、72%及び50%の距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の位置である。
発明者らは、種々の実験の結果、前記サイド補強ゴムの厚さL1ないしL3となる位置は、ランフラット走行時、大きな曲げ応力が作用するので、破壊損傷するおそれが大きい点であることを突き止めた。また、発明者らは、ランフラットタイヤの構造等に基づいて、前記厚さL1ないし厚さL3となる位置では、それぞれ、曲げ応力の大きさが異なることを突き止めた。
上記知見に基づいて、種々の実験が行われた結果、前記厚さL1を前記厚さL3の0.64~0.88とすることで、タイヤの相対的にタイヤ半径方向外側となる部分において、曲げ剛性と縦バネとをバランス良く高めることが判明した。また、前記厚さL2を前記厚さL3の0.84~1.08とすることで、タイヤの相対的にタイヤ半径方向内側となる部分において、曲げ剛性と縦バネとをバランス良く高めることが判明した。また、最も大きな曲げ応力が作用する前記厚さL3の位置において、曲げ剛性をより高めることが判明した。したがって、前記比を採用する本発明のランフラットタイヤは、ランフラット耐久性能と乗り心地性能とが向上する。
本発明のランフラットタイヤの一実施形態を示すタイヤ子午線断面図である。 図1のサイドウォール部及びビード部の拡大図である。 図1のビード部の拡大図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の一実施形態を示すランフラットタイヤ1(以下、単に「タイヤ1」ということがある。)の正規状態におけるタイヤ回転軸(図示省略)を含む右半分のタイヤ子午線断面図である。
前記「正規状態」とは、タイヤ1が正規リム(以下、単に「リム」という場合がある。)Rにリム組みされ、かつ、正規内圧が充填され、しかも無負荷の状態である。以下、特に言及されない場合、タイヤ1の各部の寸法等はこの正規状態で測定された値である。
「正規リム」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムRであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITSAT VARIOUSCOLD INFLATION PRESSURES"に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、カーカス6、ベルト層7及びサイド補強ゴム9を具えている。
カーカス6は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5までのびる少なくとも1枚、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aによって構成されている。カーカスプライ6Aは、例えば、タイヤ赤道C方向に対して例えば75~90°の角度で配列されたカーカスコード(図示省略)をトッピングゴムで被覆して形成されている。
本実施形態のカーカスプライ6Aのタイヤ半径方向の内端部6iは、ビードコア5で折り返されることなく終端している。このようなカーカスプライ6Aは、従来のカーカスプライ(図示省略)に比べて、サイドウォール部3からビード部4において、タイヤ軸方向外側に偏って配される。従来のカーカスプライは、例えば、トレッド部2からビードコア5まで延びる本体部と、この本体部に連なりビードコア5の廻りで折り返された折返し部とで形成されたものである。本実施形態のタイヤ1は、サイドウォール部3及びビード部4側において、カーカスプライ6Aからタイヤ外面1aまでの厚さ(図示省略)を小さくすることができる。これにより、タイヤ1の縦バネが小さくなるので、乗り心地性能が高められる。
ベルト層7は、カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配された少なくとも2枚、本実施形態ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bによって構成されている。各ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ赤道Cに対して15~40°の角度で傾けられた例えばスチール、アラミド又はレーヨン等からなる高弾性のベルトコードを有している。ベルト層7のタイヤ半径方向の外側には、路面と接地するトレッドゴム2Gが配置されている。
本実施形態のサイド補強ゴム9は、カーカス6の内側かつサイドウォール部3に配された断面三日月状で形成されている。サイド補強ゴム9は、本実施形態では、タイヤ半径方向の中央部分からタイヤ半径方向の内端9iに向かって厚さが漸減している。サイド補強ゴム9は、本実施形態では、タイヤ半径方向の中央部分からタイヤ半径方向の外端9oに向かって厚さが漸減している。このようなサイド補強ゴム9は、サイドウォール部3の曲げ剛性を高めることができる。これにより、タイヤ1は、パンク時の縦撓みが制限され、ランフラット耐久性能が確保されうる。
サイド補強ゴム9は、本実施形態では、第1点P1、第2点P2及び第3点P3を通るカーカス6の法線n1ないしn3上での厚さをそれぞれL1、L2及びL3としたときに、下記式(1)及び(2)を満たす。
0.64≦L1/L3≦0.88…(1)
0.84≦L2/L3≦1.08…(2)
但し、第1点P1、第3点P3及び第2点P2は、タイヤ1のタイヤ半径方向の最外端1eから、タイヤ半径方向内側に、タイヤ断面高さHの28%、50%及び72%の距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面1a上の位置をいう。前記最外端1eは、本明細書では、タイヤ断面高さHの基準となる位置である。
サイド補強ゴム9において、前記厚さL1を前記厚さL3の0.64~0.88とすることで、タイヤ1の相対的にタイヤ半径方向外側となる部分において、曲げ剛性と縦バネとをバランス良く高めることができる。また、サイド補強ゴム9において、前記厚さL2を前記厚さL3の0.84~1.08とすることで、タイヤ1の相対的にタイヤ半径方向内側となる部分において、曲げ剛性と縦バネとをバランス良く高めることができる。また、最も大きな曲げ応力が作用する前記厚さL3の位置において、曲げ剛性をより高めることができる。したがって、前記比を採用するタイヤ1は、ランフラット耐久性能と乗り心地性能とが向上する。
上述の作用をより効果的に発揮させるために、厚さL1ないしL3は、下記式(1a)及び(2a)を満たすのが望ましい。
0.70≦L1/L3≦0.82…(1a)
0.90≦L2/L3≦1.02…(2a)
特に限定されるものではないが、厚さL3は、第3点P3を通るカーカス6の法線上でのタイヤ1の厚さLaの60%~80%が望ましい。
このようなサイド補強ゴム9は、その複素弾性率E*が、好ましくは11~21MPaである。サイド補強ゴム9の複素弾性率E*が11MPa未満であると、ランフラット走行時のサイド補強ゴム9の曲げ剛性を十分に維持できないおそれがある。逆に、サイド補強ゴム9の複素弾性率E*が21MPaを超えると、タイヤ1の縦バネが過度に大きくなるおそれがある。このような観点より、サイド補強ゴム9の複素弾性率E*は、より好ましくは14MPa以上であり、また、より好ましくは18MPa以下である。
また、サイド補強ゴム9は、その損失正接tanδが、好ましくは0.03~0.05である。サイド補強ゴム9の損失正接tanδが0.03未満の場合、そのエネルギーロスが小さくなるため衝撃吸収能力が低下し、ひいては乗り心地性能が悪化するおそれがある。サイド補強ゴム9の損失正接tanδが0.05を超える場合、その発熱が大きくなり、ランフラット耐久性能が悪化するおそれがある。サイド補強ゴム9の損失正接tanδは、より好ましくは0.035以上であり、また、より好ましくは0.045以下である。
本明細書において、「複素弾性率E*」及び「損失正接tanδ」は、JIS-K6394の規定に準じて、次に示される条件で、株式会社岩本製作所製の「粘弾性スペクトロメータ」を用いて測定した値である。
初期歪み:10%
振幅:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張り
測定温度:70℃
図2は、サイドウォール部3及びビード部4の拡大図である。図2に示されるように、第2点P2は、本実施形態では、タイヤ1がタイヤ軸方向の外側に突出するリムプロテクター10に配される。リムプロテクター10は、ランフラット走行時におけるビード部4の変形を軽減し、カーカス6やサイド補強ゴム9に作用する曲げ応力を小さくするので、ランフラット耐久性能を向上する。
リムプロテクター10は、例えば、タイヤ周方向に連続してのびている。リムプロテクター10は、本実施形態では、頂部10aと、頂部10aに連なる外側傾斜面10bと、頂部10aに連なる内側傾斜面10cとを含み、断面略三角形状に形成されている。
頂部10aは、リムプロテクター10において、タイヤ軸方向外方に最も突出する部分である。なお、この最も突出する部分が、タイヤ半径方向に連続している場合は、その突出部分のタイヤ半径方向の中間位置が、頂部10aとして特定されるものとする。
外側傾斜面10b及び内側傾斜面10cは、本実施形態では、タイヤ軸方向の内側に向かって凸の円弧状で形成されている。これにより、タイヤ1の厚さを小さくできるので、縦バネの増加が抑制される。なお、外側傾斜面10b及び内側傾斜面10cは、このような態様に限定されるものではない。
図1に示されるように、最外端1eから頂部10aまでのタイヤ半径方向の距離H2は、本実施形態では、タイヤ断面高さHの60%~80%に設定されている。
前記カーカスコードは、アラミド繊維からなるコードであるのが望ましい。このようなカーカスコードは、カーカス6の剛性を高めて、タイヤ1の変形を抑制するので、ランフラット耐久性能や通常走行時の耐久性能を向上する。
アラミド繊維コードは、コード構造が1300~1900dtex/3の極細コードが好適に採用される。このようなカーカスコードは、コードの伸び性と復元性とのバランスに優れるため、より優れたランフラット耐久性能と乗り心地性能とを発揮させることができる。
前記カーカスコードは、下記式(3)で定義されるカーカスコードの上撚り角θが、40~53度であるのが望ましい。上撚り角θが40度未満の場合、カーカスコードが剛直化して乗り心地性能の低下を招くおそれがあり、上撚り角θが53度を越えると、カーカスコードの剛性が減じて操縦安定性の低下を招くおそれがある。
θ=tan-1(A×B×π/100)…(3)
但し、Aは、カーカスコードの直径(mm)を表し、Bは、カーカスコード100mm当りの上撚り数を表している。
図2に示されるように、本実施形態のビードコア5は、カーカスプライ6Aのタイヤ半径方向内側の内端部6iをタイヤ軸方向の内外から挟持する内側コア5i及び外側コア5oによって構成されている。本実施形態の内側コア5i及び外側コア5oは、非伸張性のビードワイヤ(図示省略)を、タイヤ周方向に複数回巻き付けることによって形成されている。内側コア5i及び外側コア5oは、カーカス6を強く保持する。
タイヤ1は、本実施形態では、さらに、サイドウォールゴム11、外側ビード補強ゴム12、内側ビード補強ゴム13及びインナーライナー14を含んでいる。
本実施形態のサイドウォールゴム11は、カーカス6のタイヤ軸方向外側に設けられて、サイドウォール部3の外面を形成している。サイドウォールゴム11は、本実施形態では、リムプロテクター10の頂部10aを有し、かつ、外側傾斜面10bの全面及び内側傾斜面10cの一部を形成している。
サイドウォールゴム11は、特に限定されるものではないが、その複素弾性率E*が、3~8MPaに設定されるのが望ましい。また、サイドウォールゴム11の損失正接tanδは、0.04~0.10に設定されるのが望ましい。
図3に示されるように、外側ビード補強ゴム12は、タイヤ外面1a上の第4点P4を通るカーカス6の法線n4上での厚さL4が、4.5mm以上であるのが望ましい。第4点P4は、本実施形態では、正規リムRのリム径位置BLからタイヤ半径方向外側に、タイヤ断面高さHの20%の距離Haを隔てた位置に配される。このような第4点P4は、種々の実験の結果により、通常走行時、リムRのリムフランジRfと接することがないビード部4の外面4aにおいて、大きな歪が作用しクラックの生じ易い箇所である。このため、この第4点P4を通る外側ビード補強ゴム12の厚さL4を4.5mm以上とすることで、クラックを大きく抑制できる。なお、外側ビード補強ゴム12の厚さL4が過度に大きくなる場合、この位置での縦バネが大きくなるおそれがある。このため、厚さL4は、8.0mm以下が望ましい。
外側ビード補強ゴム12は、本実施形態では、サイドウォールゴム11のタイヤ半径方向内側に配されている。外側ビード補強ゴム12は、例えば、リムプロテクター10の内側傾斜面10cの一部を形成している。
外側ビード補強ゴム12は、本実施形態では、外側エイペックスゴム15と、クリンチゴム16とを含んで形成されている。
本実施形態の外側エイペックスゴム15は、外側コア5oからタイヤ半径方向外側に向かってテーパー状にのびている。外側エイペックスゴム15は、本実施形態では、外側コア5o及びカーカスプライ6Aのタイヤ軸方向外側に配置されている。
外側エイペックスゴム15の複素弾性率E*は、好ましくは40MPa以上、さらに好ましくは60MPa以上であり、また、好ましくは、130MPa以下、さらに好ましくは110MPa以下である。さらに、外側エイペックスゴム15の損失正接tanδは、好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.12以上であり、また、好ましくは、0.17以下、さらに好ましくは0.15以下である。
クリンチゴム16は、本実施形態では、ベース部16aと内側部16bと外側部16cとを含み、断面略U字状に形成されている。本実施形態のベース部16aは、内側ビード補強ゴム13及び外側エイペックスゴム15のタイヤ半径方向内側に配置され、ビード部4の底面を形成するとともに、リムRと接している。
本実施形態の内側部16bは、ベース部16aに連なり、内側ビード補強ゴム13のタイヤ軸方向内側をタイヤ半径方向外側にのびている。内側部16bは、例えば、インナーライナー14のタイヤ半径方向の内端部よりもタイヤ半径方向の外側で終端している。
本実施形態の外側部16cは、ベース部16aに連なり、外側エイペックスゴム15に沿って、そのタイヤ軸方向外側をタイヤ半径方向外側にのびている。外側部16cは、例えば、リムフランジRfと接し、かつ、ビード部4の外面4aを形成している。
クリンチゴム16の複素弾性率E*は、好ましくは5MPa以上、さらに好ましくは7MPa以上であり、また、好ましくは、15MPa以下、さらに好ましくは13MPa以下である。さらに、クリンチゴム16の損失正接tanδは、好ましくは0.06以上、さらに好ましくは0.08以上であり、また、好ましくは、0.15以下、さらに好ましくは0.13以下である。
第4点P4を通るカーカス6の法線n4上で、外側エイペックスゴム15の厚さL5は、外側ビード補強ゴム12の厚さL4の50%~70%であるのが望ましい。外側エイペックスゴム15の厚さL5が外側ビード補強ゴム12の厚さL4の50%未満の場合、ビード部4の曲げ剛性が小さくなり、ランフラット耐久性能が悪化するおそれがある。外側エイペックスゴム15の厚さL5が外側ビード補強ゴム12の厚さL4の70%を超える場合、縦バネが大きくなり、乗り心地性能が悪化するおそれがある。
特に限定されるものではないが、第4点P4を通るカーカス6の法線n4上で、サイド補強ゴム9の厚さL6は、外側ビード補強ゴム12の厚さL4の70%~100%が望ましい。
内側ビード補強ゴム13は、本実施形態では、内側エイペックスゴム18から形成されている。本実施形態の内側エイペックスゴム18は、内側コア5iからタイヤ半径方向外側に向かってテーパー状にのびている。内側エイペックスゴム18は、例えば、内側コア5i及びカーカスプライ6Aのタイヤ軸方向内側に配置されている。
内側エイペックスゴム18の複素弾性率E*及び損失正接tanδは、外側エイペックスゴム15と同じであるのが望ましい。
本実施形態のインナーライナー14は、サイド補強ゴム9のタイヤ軸方向内側、及び、カーカス6のタイヤ半径方向内側に配され、かつ、ビード部4、4間を跨って延びている。インナーライナー14は、空気非透過性に優れたゴムによって構成されており、タイヤ内腔面1bを形成している。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の基本構造を有するランフラットタイヤが、表1の仕様に基づき試作され、ランフラット耐久性能、乗り心地性能及び一般耐久性能がテストされた。共通仕様は以下のとおりである。
タイヤサイズ:245/45RF18
リムサイズ:18×8.0J
サイド補強ゴム:16MPa(複素弾性率)、0.04(損失正接)
サイドウォールゴム:5MPa(複素弾性率)、0.07(損失正接)
クリンチゴム:12MPa(複素弾性率)、0.11(損失正接)
外側エイペックスゴム:70MPa(複素弾性率)、0.13(損失正接)
内側エイペックスゴム:70MPa(複素弾性率)、0.13(損失正接)
厚さL3/厚さLa:70%
テスト方法は、次のとおりである。
<ランフラット耐久性能>
各試供タイヤを上記リムにリム組みし、下記の条件下で、直径1.7mの試験用ドラム上を走行させ、試供タイヤから異音が発生するまでの走行距離が測定された。結果は、比較例1の結果を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど、ランフラット耐久性能が良好である。
内圧:0kPa
荷重:5.1kN
速度:80km/h
<乗り心地性能>
各試供タイヤが、排気量3500ccの乗用車の全輪に装着された。テストドライバーが、この車両をドライアスファルト路面のテストコースで走行させ、このときのバネ上の動き、当たりの硬さ、剛性感等に関する特性を官能により評価した。結果は、実施例1を100とする評点で表示している。数値が90以上であれば、求められる乗り心地性能を満たしている。
内圧:210kPa
<一般耐久性能>
各試供タイヤを上記リムにリム組みし、下記の条件下で、直径1.7mの試験用ドラム上で所定の距離を走行させた。結果は、所定の距離を走行した試供タイヤを合格、走行できなかった試供タイヤを不合格とした。なお、不合格の試供タイヤでも、通常の一般的な走行には支障がなかった。
内圧:290kPa
荷重:9.54kN
速度:100km/h
テスト結果を表1に示す。
Figure 0007131047000001
Figure 0007131047000002
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、ランフラット耐久性能や乗り心地性能がバランス良く向上していることが確認できた。また、各ゴムの複素弾性率や損失正接を好ましい値の範囲で変化させた試供タイヤについてもテストを行ったが、同様の結果であった。
1 ランフラットタイヤ
1a タイヤ外面
1e 最外端
6 カーカス
9 サイド補強ゴム
H タイヤ断面高さ
P1 第1点
P2 第2点
P3 第3点

Claims (4)

  1. ランフラットタイヤであって、
    トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、前記カーカスの内側かつ前記サイドウォール部に配された断面三日月状のサイド補強ゴムを具え、
    前記ランフラットタイヤが、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    前記ランフラットタイヤのタイヤ半径方向の最外端から、タイヤ半径方向内側に、タイヤ断面高さの28%、50%及び72%の距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の位置を第1点、第3点及び第2点とし、かつ
    前記第1点、前記第2点及び前記第3点を通る前記カーカスの法線上での前記サイド補強ゴムの厚さをそれぞれL1、L2及びL3としたときに、下記式(1)及び(2)を満たし、
    前記カーカスは、前記ビードコアで折り返されることなく終端している1枚のカーカスプライで構成され、
    前記ビードコアは、前記カーカスプライのタイヤ半径方向内側の内端部のタイヤ軸方向の内外から挟持する内側コア及び外側コアによって構成され、
    前記正規リムのリム径位置からタイヤ半径方向外側に、タイヤ断面高さの20%の距離を隔てた位置に配される第4点を含み、
    タイヤは、さらに、外側ビード補強ゴムを含み、
    前記外側ビード補強ゴムは、外側エイペックスゴムとクリンチゴムとを含み、
    前記外側エイペックスゴムは、前記外側コア及び前記カーカスプライのタイヤ軸方向外側に配置され、
    前記クリンチゴムは、前記外側エイペックスゴムのタイヤ軸方向外側に配されており、
    前記第4点を通る前記カーカスの法線上で、前記外側エイペックスゴムの厚さは、前記外側ビード補強ゴムの厚さの50%~70%である、
    ランフラットタイヤ。
    0.64≦L1/L3≦0.88…(1)
    0.84≦L2/L3≦1.08…(2)
  2. 前記ビード部は、前記カーカスのタイヤ軸方向の外側に配された外側ビード補強ゴムを具え、
    前記外側ビード補強ゴムは、前記タイヤ子午線断面において、前記正規リムのリム径位置からタイヤ半径方向外側に、タイヤ断面高さの20%の距離を隔てたタイヤ外面上の位置を通る前記カーカスの法線上で4.5mm以上の厚さを有する、請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記ビードコアは、前記カーカスのタイヤ半径方向の内端部のタイヤ軸方向の内側及び外側に配された内側コア及び外側コアを含む、請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記カーカスは、アラミド繊維からなるカーカスコードを含み、
    下記式(3)で定義される前記カーカスコードの上撚り角θが40~53度である、請求項1乃至3のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
    θ=tan-1(A×B×π/100)…(3)
    A:前記カーカスコードの直径(mm)
    B:前記カーカスコード100mm当りの上撚り数
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