JP2001199211A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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- JP2001199211A JP2001199211A JP2000008044A JP2000008044A JP2001199211A JP 2001199211 A JP2001199211 A JP 2001199211A JP 2000008044 A JP2000008044 A JP 2000008044A JP 2000008044 A JP2000008044 A JP 2000008044A JP 2001199211 A JP2001199211 A JP 2001199211A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C15/00—Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
- B60C15/06—Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead
- B60C2015/0614—Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead characterised by features of the chafer or clinch portion, i.e. the part of the bead contacting the rim
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高荷重の使用条件下においてビード部に変位
が生じてもビード部に剥離を生ずることのない、高ビー
ド部耐久性を有する空気入りラジアルタイヤを提供す
る。 【解決手段】 一対のビード部6内のビードコア7で折
り返されトロイド状に連なる1枚のインナーカーカスプ
ライ2Aとアウターカーカスプライ2Bとからなるラジ
アルカーカス部2と、トレッド部4と、少なくとも1枚
のベルトプライからなるベルト部3と、一対のサイドウ
ォール部5とを具備する。リムフランジ高さHの0.3
〜3.5倍のビード部6領域のアウターカーカスプライ
2Bからサイドウォールゴムおよび/またはゴムチェー
ファー9までの領域に、タイヤの負荷転動時にリムフラ
ンジ側から受ける応力を緩和する応力緩和機構を有す
る。
が生じてもビード部に剥離を生ずることのない、高ビー
ド部耐久性を有する空気入りラジアルタイヤを提供す
る。 【解決手段】 一対のビード部6内のビードコア7で折
り返されトロイド状に連なる1枚のインナーカーカスプ
ライ2Aとアウターカーカスプライ2Bとからなるラジ
アルカーカス部2と、トレッド部4と、少なくとも1枚
のベルトプライからなるベルト部3と、一対のサイドウ
ォール部5とを具備する。リムフランジ高さHの0.3
〜3.5倍のビード部6領域のアウターカーカスプライ
2Bからサイドウォールゴムおよび/またはゴムチェー
ファー9までの領域に、タイヤの負荷転動時にリムフラ
ンジ側から受ける応力を緩和する応力緩和機構を有す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りラジアル
タイヤ、特にはタイヤビード部の耐久性を向上させた重
荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
タイヤ、特にはタイヤビード部の耐久性を向上させた重
荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、補強効果を高めるために2層テキ
スタイルカーカス構造を有する重荷重用空気入りラジア
ルタイヤとして、一対のビード部内のビードコアで折り
返されトロイド状に連なる1枚のインナーカーカスプラ
イとそのタイヤ半径方向外側に積層されたアウターカー
カスプライとからなるラジアルカーカス部を具備すもの
が一般に知られている。
スタイルカーカス構造を有する重荷重用空気入りラジア
ルタイヤとして、一対のビード部内のビードコアで折り
返されトロイド状に連なる1枚のインナーカーカスプラ
イとそのタイヤ半径方向外側に積層されたアウターカー
カスプライとからなるラジアルカーカス部を具備すもの
が一般に知られている。
【0003】かかる重荷重用空気入りタイヤにおいて
は、アウターカーカスプライのコード打ち込みがインナ
ーカーカスプライのコード打ち込み数と同等かまたは密
となって構成されている。また、アウターカーカスプラ
イに埋設されたカーカスコードからサイドウォールゴム
内側面あるいはゴムチェーファー内側面までの距離はタ
イヤサイドウォール全域でほぼ同一となって構成されて
いる。さらに、アウターカーカスプライのビード部打ち
込みは、サイド部に比して密となって構成されているの
が一般的である。
は、アウターカーカスプライのコード打ち込みがインナ
ーカーカスプライのコード打ち込み数と同等かまたは密
となって構成されている。また、アウターカーカスプラ
イに埋設されたカーカスコードからサイドウォールゴム
内側面あるいはゴムチェーファー内側面までの距離はタ
イヤサイドウォール全域でほぼ同一となって構成されて
いる。さらに、アウターカーカスプライのビード部打ち
込みは、サイド部に比して密となって構成されているの
が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来タイプの重
荷重用空気入りタイヤにおいて、高荷重の使用条件下に
おいてビード部に変位が生じた場合、リムフランジから
の反力により、アウターカーカスプライコードとサイド
ウォールゴムまたはゴムチェーファーとの間に発生した
歪みにより、当該間に剥離が発生する場合がある。かか
る剥離の発生はタイヤビード部の耐久性を低下させ、タ
イヤ寿命を短くする原因となる。
荷重用空気入りタイヤにおいて、高荷重の使用条件下に
おいてビード部に変位が生じた場合、リムフランジから
の反力により、アウターカーカスプライコードとサイド
ウォールゴムまたはゴムチェーファーとの間に発生した
歪みにより、当該間に剥離が発生する場合がある。かか
る剥離の発生はタイヤビード部の耐久性を低下させ、タ
イヤ寿命を短くする原因となる。
【0005】そこで本発明の目的は、上述の問題点を解
消し、高荷重の使用条件下においてビード部に変位が生
じてもビード部に剥離を生ずることのない高ビード部耐
久性を有する空気入りラジアルタイヤを提供することに
ある。
消し、高荷重の使用条件下においてビード部に変位が生
じてもビード部に剥離を生ずることのない高ビード部耐
久性を有する空気入りラジアルタイヤを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、所定のリムフランジ高
さのビード部領域の前記アウターカーカスプライからサ
イドウォールゴムあるいはゴムチェーファーまでの領域
に、タイヤの負荷転動時にリムフランジ側から受ける応
力を緩和する応力緩和機構を設けることにより前記課題
を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
を解決すべく鋭意検討した結果、所定のリムフランジ高
さのビード部領域の前記アウターカーカスプライからサ
イドウォールゴムあるいはゴムチェーファーまでの領域
に、タイヤの負荷転動時にリムフランジ側から受ける応
力を緩和する応力緩和機構を設けることにより前記課題
を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明の空気入りラジアルタイヤ
は、一対のビード部内のビードコアで折り返されトロイ
ド状に連なる1枚のインナーカーカスプライとそのタイ
ヤ半径方向外側に積層されたアウターカーカスプライと
からなるラジアルカーカス部と、該ラジアルカーカス部
のタイヤクラウン部に配置されたトレッド部と、該トレ
ッド部と該ラジアルカーカス部との間に配置された少な
くとも1枚のベルトプライからなるベルト部と、該トレ
ッド部の両端からタイヤ半径方向内側に配設された一対
のサイドウォール部とを具備する空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、リムフランジ高さHの0.3〜3.5倍の
前記ビード部領域の前記アウターカーカスプライからサ
イドウォールゴムおよび/またはゴムチェーファーまで
の領域に、タイヤの負荷転動時にリムフランジ側から受
ける応力を緩和する応力緩和機構を有することを特徴と
するものである。
は、一対のビード部内のビードコアで折り返されトロイ
ド状に連なる1枚のインナーカーカスプライとそのタイ
ヤ半径方向外側に積層されたアウターカーカスプライと
からなるラジアルカーカス部と、該ラジアルカーカス部
のタイヤクラウン部に配置されたトレッド部と、該トレ
ッド部と該ラジアルカーカス部との間に配置された少な
くとも1枚のベルトプライからなるベルト部と、該トレ
ッド部の両端からタイヤ半径方向内側に配設された一対
のサイドウォール部とを具備する空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、リムフランジ高さHの0.3〜3.5倍の
前記ビード部領域の前記アウターカーカスプライからサ
イドウォールゴムおよび/またはゴムチェーファーまで
の領域に、タイヤの負荷転動時にリムフランジ側から受
ける応力を緩和する応力緩和機構を有することを特徴と
するものである。
【0008】本発明の空気入りラジアルタイヤにおける
前記応力緩和機構として、前記ビード部領域における前
記インナーカーカスプライのコード打ち込み密度(m)
と前記アウターカーカスプライのコード打ち込み密度
(n)との比(n/m)を0.5〜0.9とした応力緩
和機構を好適に採用することができる。
前記応力緩和機構として、前記ビード部領域における前
記インナーカーカスプライのコード打ち込み密度(m)
と前記アウターカーカスプライのコード打ち込み密度
(n)との比(n/m)を0.5〜0.9とした応力緩
和機構を好適に採用することができる。
【0009】また、他の応力緩和機構として、前記応力
緩和機構として、前記ビード部領域における前記アウタ
ーカーカスプライのカーカスコードと前記サイドウォー
ルゴムの内側面および/またはゴムチェーファーの内側
面までの距離を前記ビード領域以外の領域における当該
距離よりも長くし、該カーカスコード径の1.0〜3.
5倍とした応力緩和機構としてもよく、この場合、前記
ビード部領域における前記アウターカーカスプライのカ
ーカスコードと前記サイドウォールゴムの内側面および
/またはゴムチェーファーの内側面までの距離を前記ビ
ード部領域以外の領域における当該距離よりも3〜11
倍長くすることが好ましい。
緩和機構として、前記ビード部領域における前記アウタ
ーカーカスプライのカーカスコードと前記サイドウォー
ルゴムの内側面および/またはゴムチェーファーの内側
面までの距離を前記ビード領域以外の領域における当該
距離よりも長くし、該カーカスコード径の1.0〜3.
5倍とした応力緩和機構としてもよく、この場合、前記
ビード部領域における前記アウターカーカスプライのカ
ーカスコードと前記サイドウォールゴムの内側面および
/またはゴムチェーファーの内側面までの距離を前記ビ
ード部領域以外の領域における当該距離よりも3〜11
倍長くすることが好ましい。
【0010】更に他の応力緩和機構として、前記アウタ
ーカーカスプライのコード打ち込み密度(n)におい
て、前記ビード部領域を該ビード部領域以外の領域より
も粗にして形成してもよく、この場合、前記アウターカ
ーカスプライのコード打ち込み密度(n)において、前
記ビード部領域(n1)と該ビード部領域以外の領域
(n2)との比(n1/n2)を0.5〜0.9とする
ことが好ましい。
ーカーカスプライのコード打ち込み密度(n)におい
て、前記ビード部領域を該ビード部領域以外の領域より
も粗にして形成してもよく、この場合、前記アウターカ
ーカスプライのコード打ち込み密度(n)において、前
記ビード部領域(n1)と該ビード部領域以外の領域
(n2)との比(n1/n2)を0.5〜0.9とする
ことが好ましい。
【0011】アウターカーカスプライとサイドウォール
ゴムまたはゴムチェーファー(以下「サイドゴム」と略
記する)との間の剥離はリムフランジ上部辺りから発生
し、クラウン部方向およびビード部下部方向に進展す
る。かかる剥離は、リムフランジからの反力によりアウ
ターカーカスプライとサイドゴムとの間に発生する剪断
歪により発生するものであり、この剥離を抑制するため
には、歪が発生してもアウターカーカスプライとサイド
ゴムとが剥離しないようにすることと、歪そのものを抑
制することの2点がある。本発明は、かかる観点からな
されたもので、上述の応力緩和機構としてアウターカー
カスプライの打ち込みを粗にすることによりアウターカ
ーカスプライとゴムとの剥離を抑制するものと、アウタ
ーカーカスプライとサイドゴムとの間に発生する剪断歪
を両者間の距離を長くすることにより、即ち両者間のゲ
ージを厚くすることにより緩和するものとに大別され
る。
ゴムまたはゴムチェーファー(以下「サイドゴム」と略
記する)との間の剥離はリムフランジ上部辺りから発生
し、クラウン部方向およびビード部下部方向に進展す
る。かかる剥離は、リムフランジからの反力によりアウ
ターカーカスプライとサイドゴムとの間に発生する剪断
歪により発生するものであり、この剥離を抑制するため
には、歪が発生してもアウターカーカスプライとサイド
ゴムとが剥離しないようにすることと、歪そのものを抑
制することの2点がある。本発明は、かかる観点からな
されたもので、上述の応力緩和機構としてアウターカー
カスプライの打ち込みを粗にすることによりアウターカ
ーカスプライとゴムとの剥離を抑制するものと、アウタ
ーカーカスプライとサイドゴムとの間に発生する剪断歪
を両者間の距離を長くすることにより、即ち両者間のゲ
ージを厚くすることにより緩和するものとに大別され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態につき
説明する。図1に、本発明の一実施の形態に係る第1好
適例の空気入りラジアルタイヤ幅方向右半分の断面を示
す。図1に示す空気入りラジアルタイヤ1は、一対のビ
ード部6内のビードコア7で折り返されトロイド状に連
なる1枚のインナーカーカスプライ2Aとそのタイヤ半
径方向外側に積層されたアウターカーカスプライ2Bと
からなるラジアルカーカス部2を有する。ビードコア7
上の、インナーカーカスプライ2Aとそのプライ巻き上
げ端部との間には、硬質ゴムのビードフィラー8が先細
りに埋設されている。
説明する。図1に、本発明の一実施の形態に係る第1好
適例の空気入りラジアルタイヤ幅方向右半分の断面を示
す。図1に示す空気入りラジアルタイヤ1は、一対のビ
ード部6内のビードコア7で折り返されトロイド状に連
なる1枚のインナーカーカスプライ2Aとそのタイヤ半
径方向外側に積層されたアウターカーカスプライ2Bと
からなるラジアルカーカス部2を有する。ビードコア7
上の、インナーカーカスプライ2Aとそのプライ巻き上
げ端部との間には、硬質ゴムのビードフィラー8が先細
りに埋設されている。
【0013】このラジアルカーカス部2のタイヤクラウ
ン部にはトレッド部4が配置され、このトレッド部4と
ラジアルカーカス部2との間には2枚ベルトプライから
なるベルト部3が配置されている。このベルト部3は、
好適にはスチールコードの交差ベルト層とする。トレッ
ド部4の両端からはタイヤ半径方向内側に一対のサイド
ウォール部5がビード部6まで配設されている。
ン部にはトレッド部4が配置され、このトレッド部4と
ラジアルカーカス部2との間には2枚ベルトプライから
なるベルト部3が配置されている。このベルト部3は、
好適にはスチールコードの交差ベルト層とする。トレッ
ド部4の両端からはタイヤ半径方向内側に一対のサイド
ウォール部5がビード部6まで配設されている。
【0014】ここで、アウターカーカスプライ2Bのコ
ード打ち込みが密すぎると、カーカスコード間のゴム量
が少なくなり、アウターカーカスプライ2Bとサイドウ
ォール部5のゴム内側面またはゴムチェーファー9のゴ
ム内側面との間の耐剥離性に対して不利となる。そこ
で、図1に示す本発明の好適例においては、リムフラン
ジ高さHの0.3〜3.5倍のビード部6の領域のアウ
ターカーカスプライ2Bからサイドウォール部5および
/またはゴムチェーファー9までの領域に、タイヤの負
荷転動時にリムフランジ側から受ける応力を緩和する応
力緩和機構として、アウターカーカスプライ2Bの打ち
込みを粗にすることによりアウターカーカスプライ2B
とゴムとの剥離を抑制する。
ード打ち込みが密すぎると、カーカスコード間のゴム量
が少なくなり、アウターカーカスプライ2Bとサイドウ
ォール部5のゴム内側面またはゴムチェーファー9のゴ
ム内側面との間の耐剥離性に対して不利となる。そこ
で、図1に示す本発明の好適例においては、リムフラン
ジ高さHの0.3〜3.5倍のビード部6の領域のアウ
ターカーカスプライ2Bからサイドウォール部5および
/またはゴムチェーファー9までの領域に、タイヤの負
荷転動時にリムフランジ側から受ける応力を緩和する応
力緩和機構として、アウターカーカスプライ2Bの打ち
込みを粗にすることによりアウターカーカスプライ2B
とゴムとの剥離を抑制する。
【0015】好適には、前記ビード部6の領域における
インナーカーカスプライ2Aのコード打ち込み密度
(m)とアウターカーカスプライ2Bのコード打ち込み
密度(n)との比(n/m)を0.5〜0.9とする。
この比が0.5未満であると、ビード部の剛性が低下
し、荷重負荷時にビード部の変形が大になり、アウター
カーカスプライ2Bとサイドウォール部5のゴム内側面
またはゴムチェーファー9のゴム内側面との間の耐剥離
性に対して不利となる。一方、0.9を超えると、当該
剥離抑制効果が不十分となる。なお、ビード部6の領域
をリムフランジ高さHの0.3〜3.5倍の範囲内と規
定するのは、この範囲内において上述の剥離が問題とな
るためである。
インナーカーカスプライ2Aのコード打ち込み密度
(m)とアウターカーカスプライ2Bのコード打ち込み
密度(n)との比(n/m)を0.5〜0.9とする。
この比が0.5未満であると、ビード部の剛性が低下
し、荷重負荷時にビード部の変形が大になり、アウター
カーカスプライ2Bとサイドウォール部5のゴム内側面
またはゴムチェーファー9のゴム内側面との間の耐剥離
性に対して不利となる。一方、0.9を超えると、当該
剥離抑制効果が不十分となる。なお、ビード部6の領域
をリムフランジ高さHの0.3〜3.5倍の範囲内と規
定するのは、この範囲内において上述の剥離が問題とな
るためである。
【0016】図2に、本発明の他の実施の形態に係る第
2好適例の空気入りラジアルタイヤ幅方向右半分の断面
を示す。この空気入りラジアルタイヤ1においては、リ
ムフランジ高さHの0.3〜3.5倍のビード部6の領
域のアウターカーカスプライ2Bからサイドウォール部
5および/またはゴムチェーファー9までの領域に、タ
イヤの負荷転動時にリムフランジ側から受ける応力を緩
和する応力緩和機構として、ビード部6の領域における
アウターカーカスプライ2Bのカーカスコードとサイド
ウォールゴムの内側面および/またはゴムチェーファー
の内側面までの距離をビード部6の領域以外の領域にお
ける当該距離よりも長くし、即ち、コーティングゴム2
bのゲージを厚くし、このカーカスコード径の1.0〜
3.5倍とする。このようにすることで、アウターカー
カスプライ2Bとサイドウォールゴムまたはゴムチェー
ファーとの間に発生する剪断歪を緩和する。この倍率が
1.0倍未満であると、かかる緩和効果が少なく、一
方、3.5倍を超えると隣接部とのゲージ段差が大とな
り、エア入り等の製造不良の原因となる。
2好適例の空気入りラジアルタイヤ幅方向右半分の断面
を示す。この空気入りラジアルタイヤ1においては、リ
ムフランジ高さHの0.3〜3.5倍のビード部6の領
域のアウターカーカスプライ2Bからサイドウォール部
5および/またはゴムチェーファー9までの領域に、タ
イヤの負荷転動時にリムフランジ側から受ける応力を緩
和する応力緩和機構として、ビード部6の領域における
アウターカーカスプライ2Bのカーカスコードとサイド
ウォールゴムの内側面および/またはゴムチェーファー
の内側面までの距離をビード部6の領域以外の領域にお
ける当該距離よりも長くし、即ち、コーティングゴム2
bのゲージを厚くし、このカーカスコード径の1.0〜
3.5倍とする。このようにすることで、アウターカー
カスプライ2Bとサイドウォールゴムまたはゴムチェー
ファーとの間に発生する剪断歪を緩和する。この倍率が
1.0倍未満であると、かかる緩和効果が少なく、一
方、3.5倍を超えると隣接部とのゲージ段差が大とな
り、エア入り等の製造不良の原因となる。
【0017】ビード部領域におけるアウターカーカスプ
ライ2Bのカーカスコードとサイドウォールゴムの内側
面および/またはゴムチェーファーの内側面までの距離
は、ビード部6の領域以外の領域における当該距離より
も3〜11倍長くすることが好ましい。
ライ2Bのカーカスコードとサイドウォールゴムの内側
面および/またはゴムチェーファーの内側面までの距離
は、ビード部6の領域以外の領域における当該距離より
も3〜11倍長くすることが好ましい。
【0018】図3に、本発明の更に他の実施の形態に係
る第3好適例の空気入りラジアルタイヤ幅方向右半分の
断面を示す。この空気入りラジアルタイヤ1において
は、上述の応力緩和機構として、アウターカーカスプラ
イ2Bのコード打ち込み密度(n)において、前記ビー
ド部6の領域をこのビード部6の領域以外の領域よりも
粗にして形成する。この具体的な一製法として、両端部
をコード打ち込み数の異なる帯状のプライ12で継ぎは
ぎする手法を採ることができる。この継ぎはぎ部の打ち
込みコードに角度を付けて継ぎはぎプライ12を形成す
ると、サイド部の周方向および径方向の剛性の両立に効
果的となる。アウターカーカスプライ2Bのコード打ち
込み密度(n)において、ビード部6の領域(n1)と
このビード部6の領域以外の領域(n2)との比(n1
/n2)は0.5〜0.9とすることが好ましい。この
比が0.5未満であると、ビード部の剛性が低下し、荷
重負荷時にビード部の変形が大になり、アウターカーカ
スプライ2Bとサイドウォールゴムの内側面またはゴム
チェーファー内側面との間の耐剥離性に対して不利とな
る。一方、0.9を超えると、当該剥離抑制効果が不十
分となる。
る第3好適例の空気入りラジアルタイヤ幅方向右半分の
断面を示す。この空気入りラジアルタイヤ1において
は、上述の応力緩和機構として、アウターカーカスプラ
イ2Bのコード打ち込み密度(n)において、前記ビー
ド部6の領域をこのビード部6の領域以外の領域よりも
粗にして形成する。この具体的な一製法として、両端部
をコード打ち込み数の異なる帯状のプライ12で継ぎは
ぎする手法を採ることができる。この継ぎはぎ部の打ち
込みコードに角度を付けて継ぎはぎプライ12を形成す
ると、サイド部の周方向および径方向の剛性の両立に効
果的となる。アウターカーカスプライ2Bのコード打ち
込み密度(n)において、ビード部6の領域(n1)と
このビード部6の領域以外の領域(n2)との比(n1
/n2)は0.5〜0.9とすることが好ましい。この
比が0.5未満であると、ビード部の剛性が低下し、荷
重負荷時にビード部の変形が大になり、アウターカーカ
スプライ2Bとサイドウォールゴムの内側面またはゴム
チェーファー内側面との間の耐剥離性に対して不利とな
る。一方、0.9を超えると、当該剥離抑制効果が不十
分となる。
【0019】継ぎはぎプライを形成する手法の他の好適
例としては、図4に示す第4好適例が挙げられる。この
好適例においては、インナーカーカスプライ2Aとアウ
ターカーカスプライ2Bの双方が一対のビード部6内の
ビードコア7で折り返されトロイド状に連なっており、
インナーカーカスプライ2Aの折り返し端に継ぎはぎプ
ライ13が形成されている。この場合においても、ビー
ド部6の領域をこのビード部6の領域以外の領域よりも
粗にして形成することで応力緩和が図られ、アウターカ
ーカスプライ2Bとゴムとの剥離を抑制することができ
る。
例としては、図4に示す第4好適例が挙げられる。この
好適例においては、インナーカーカスプライ2Aとアウ
ターカーカスプライ2Bの双方が一対のビード部6内の
ビードコア7で折り返されトロイド状に連なっており、
インナーカーカスプライ2Aの折り返し端に継ぎはぎプ
ライ13が形成されている。この場合においても、ビー
ド部6の領域をこのビード部6の領域以外の領域よりも
粗にして形成することで応力緩和が図られ、アウターカ
ーカスプライ2Bとゴムとの剥離を抑制することができ
る。
【0020】本発明の空気入りラジアルタイヤは、上述
のようにビード部6の領域のアウターカーカスプライ2
Bからサイドウォールゴムおよび/またはゴムチェーフ
ァーまでの領域に、タイヤの負荷転動時にリムフランジ
側から受ける応力を緩和する応力緩和機構を設ける以外
は慣用に従い製造することができ、その他の構造、材質
等は特に制限されるべきものではない。
のようにビード部6の領域のアウターカーカスプライ2
Bからサイドウォールゴムおよび/またはゴムチェーフ
ァーまでの領域に、タイヤの負荷転動時にリムフランジ
側から受ける応力を緩和する応力緩和機構を設ける以外
は慣用に従い製造することができ、その他の構造、材質
等は特に制限されるべきものではない。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。タ
イヤサイズ195R14 LT 8PRの小型トラック
用ラジアルタイヤを下記の表1に示す条件で製造した。
実施例1は上述の第1好適例に、実施例2は第2好適例
に、実施例3は第3好適例に、夫々基本的には対応す
る。また、従来例は、カーカスコードの打ち込み密度比
を1.1とした以外は実施例1のタイヤと同様にして製
造した。これらタイヤについて、ドラム促進耐久テスト
を実施した。ドラム走行条件は下記の通りである。 結果は、2万km走行後のビード部における剥離長さを
従来例を100として指数にて表示した。数値が小さい
程結果が良好である。
イヤサイズ195R14 LT 8PRの小型トラック
用ラジアルタイヤを下記の表1に示す条件で製造した。
実施例1は上述の第1好適例に、実施例2は第2好適例
に、実施例3は第3好適例に、夫々基本的には対応す
る。また、従来例は、カーカスコードの打ち込み密度比
を1.1とした以外は実施例1のタイヤと同様にして製
造した。これらタイヤについて、ドラム促進耐久テスト
を実施した。ドラム走行条件は下記の通りである。 結果は、2万km走行後のビード部における剥離長さを
従来例を100として指数にて表示した。数値が小さい
程結果が良好である。
【0022】
【表1】 1)タイヤ幅方向に対する側角度である。
【0023】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の空気
入りラジアルタイヤにおいては、ビード部領域のアウタ
ーカーカスプライからサイドウォールゴムまでの領域
に、タイヤの負荷転動時にリムフランジ側から受ける応
力を緩和する応力緩和機構を設けたことにより、高荷重
の使用条件下においてビード部に変位が生じてもビード
部に剥離を生ずることがなく、高いビード部耐久性を示
す。
入りラジアルタイヤにおいては、ビード部領域のアウタ
ーカーカスプライからサイドウォールゴムまでの領域
に、タイヤの負荷転動時にリムフランジ側から受ける応
力を緩和する応力緩和機構を設けたことにより、高荷重
の使用条件下においてビード部に変位が生じてもビード
部に剥離を生ずることがなく、高いビード部耐久性を示
す。
【図1】本発明の一実施の形態に係る空気入りラジアル
タイヤ幅方向右半分の断面図である。
タイヤ幅方向右半分の断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る空気入りラジア
ルタイヤ幅方向右半分の断面図である。
ルタイヤ幅方向右半分の断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施の形態に係る空気入りラ
ジアルタイヤ幅方向右半分の断面図である。
ジアルタイヤ幅方向右半分の断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施の形態に係る空気入りラ
ジアルタイヤ幅方向右半分の断面図である。
ジアルタイヤ幅方向右半分の断面図である。
1 空気入りラジアルタイヤ 2A インナーカーカスプライ 2B アウターカーカスプライ 3 ベルト部 4 トレッド部 5 サイドウォール部 6 ビード部 7 ビードコア 8 ビードフィラー 9 ゴムチェーファー 12,13 継ぎはぎプライ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60C 15/06 B60C 15/06 G
Claims (6)
- 【請求項1】 一対のビード部内のビードコアで折り返
されトロイド状に連なる1枚のインナーカーカスプライ
とそのタイヤ半径方向外側に積層されたアウターカーカ
スプライとからなるラジアルカーカス部と、該ラジアル
カーカス部のタイヤクラウン部に配置されたトレッド部
と、該トレッド部と該ラジアルカーカス部との間に配置
された少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト部
と、該トレッド部の両端からタイヤ半径方向内側に配設
された一対のサイドウォール部とを具備する空気入りラ
ジアルタイヤにおいて、 リムフランジ高さHの0.3〜3.5倍の前記ビード部
領域の前記アウターカーカスプライからサイドウォール
ゴムおよび/またはゴムチェーファーまでの領域に、タ
イヤの負荷転動時にリムフランジ側から受ける応力を緩
和する応力緩和機構を有することを特徴とする空気入り
ラジアルタイヤ。 - 【請求項2】 前記応力緩和機構として、前記ビード部
領域における前記インナーカーカスプライのコード打ち
込み密度(m)と前記アウターカーカスプライのコード
打ち込み密度(n)との比(n/m)を0.5〜0.9
とした請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項3】 前記応力緩和機構として、前記ビード部
領域における前記アウターカーカスプライのカーカスコ
ードと前記サイドウォールゴムの内側面および/または
ゴムチェーファーの内側面までの距離を前記ビード領域
以外の領域における当該距離よりも長くし、該カーカス
コード径の1.0〜3.5倍とした請求項1記載の空気
入りラジアルタイヤ。 - 【請求項4】 前記ビード部領域における前記アウター
カーカスプライのカーカスコードと前記サイドウォール
ゴムの内側面および/またはゴムチェーファーの内側面
までの距離を前記ビード部領域以外の領域における当該
距離よりも3〜11倍長くした請求項3記載の空気入り
ラジアルタイヤ。 - 【請求項5】 前記応力緩和機構として、前記アウター
カーカスプライのコード打ち込み密度(n)において、
前記ビード部領域を該ビード部領域以外の領域よりも粗
にして形成してなる請求項1記載の空気入りラジアルタ
イヤ。 - 【請求項6】 前記アウターカーカスプライのコード打
ち込み密度(n)において、前記ビード部領域(n1)
と該ビード部領域以外の領域(n2)との比(n1/n
2)を0.5〜0.9とした請求項5記載の空気入りラ
ジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000008044A JP2001199211A (ja) | 2000-01-17 | 2000-01-17 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000008044A JP2001199211A (ja) | 2000-01-17 | 2000-01-17 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001199211A true JP2001199211A (ja) | 2001-07-24 |
Family
ID=18536381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000008044A Pending JP2001199211A (ja) | 2000-01-17 | 2000-01-17 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001199211A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003054226A (ja) * | 2001-08-09 | 2003-02-26 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
JP2010202000A (ja) * | 2009-03-02 | 2010-09-16 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 小型トラック用空気入りラジアルタイヤ |
-
2000
- 2000-01-17 JP JP2000008044A patent/JP2001199211A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003054226A (ja) * | 2001-08-09 | 2003-02-26 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
JP4679001B2 (ja) * | 2001-08-09 | 2011-04-27 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
JP2010202000A (ja) * | 2009-03-02 | 2010-09-16 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 小型トラック用空気入りラジアルタイヤ |
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