JP2003154806A - 空気入りタイヤおよびそれの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤおよびそれの製造方法

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JP2003154806A
JP2003154806A JP2001352702A JP2001352702A JP2003154806A JP 2003154806 A JP2003154806 A JP 2003154806A JP 2001352702 A JP2001352702 A JP 2001352702A JP 2001352702 A JP2001352702 A JP 2001352702A JP 2003154806 A JP2003154806 A JP 2003154806A
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rubber layer
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tire
liner rubber
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Sunao Shida
直 志田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビードコアの内側部分にすぐれたエア保持性
を付与する。 【解決手段】 ビード部1に配設したビードコア2の周
りに、一枚のカーカスプライ3からなるカーカス4を巻
き返すとともに、カーカス4の内面側にインナライナ5
を配設したものであり、インナライナ5を、ビードコア
2の中心とビードトウ先端Tとを結ぶ線分Lを越える位
置まで配置したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りタイヤ
およびそれの製造方法に関するものであり、とくに、チ
ューブレスタイヤのエア保持性を向上させる技術を提案
するものである。
【0002】
【従来の技術】チューブレスタイヤのエア保持機能を発
揮するインナライナの、生タイヤの成型に際する配設は
一般に、図6(a)に断面図で示すように、成型ドラ
ム、たとえば第1成型ドラム111の周面に、それの軸
線方向長さとほぼ一杯に、インナライナ素材112を巻
付け貼付することにより行っており、その後の成型工程
では、キャンバスチェーファ素材もしくはトウゴム素材
113および、カーカスプライ素材114のそれぞれを
所要の位置に順次に配設するとともに、ビードコア11
5その他をセットし、続いてサイドブラダ116を膨張
変形させてカーカスプライ素材114等をビードコア1
15の周りに折り返すことが行われている。
【0003】そしてこのような成型工程を経て成型され
た生タイヤは、それの加硫硬化後の製品タイヤとして、
図6(b)にタイヤの半部の略線横断面図で示すような
構造を有することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでここでは、イ
ンナライナ素材112を、成型ドラム111上でドラム
幅のほぼ一杯に配設しているも、現実には、インナライ
ナ素材112の端縁がビードコア115に対してドラム
軸線方向に大きな間隔をおいて位置することになるた
め、成型後の生タイヤを加硫硬化させるに当って、加硫
モールド内でのそのインナライナ素材112の幾分の流
動があったとしても、製品タイヤ117のインナライナ
118は、ビードコア115のタイヤ幅方向の内側部分
に極く薄く延在するにすぎないので、ビードコア内側部
分におけるエア保持性が低くなるという不都合があり、
また、極く薄いそのインナライナ延在部分は、タイヤ1
17のリム組みに際する、それとリムフランジとの接触
によって破損されるおそれが高いという問題があった。
【0005】このような問題に対し、成型時のインナラ
イナ素材112を広幅化して、その端縁を、製品タイヤ
のビードトウに対応する部分まで巻付け貼付すること
で、製品タイヤにあって、ビードコア115の内側部分
のインナライナ厚みを十分に確保する提案がなされてい
るが、これによれば、成型工程の、カーカスプライ素材
114の折り返し作業に当って、インナライナ素材11
2の端縁近傍にしわが発生し易く、そのしわ内に空気が
封じ込められるおそれが高いという製造上の問題があっ
た。
【0006】この一方で、インナライナ素材112のこ
のような広幅化に伴うしわの発生についての問題は、生
タイヤの成型工程で、広幅のインナライナ素材112の
配設に先だってキャンバスチェーファ素材もしくはトウ
ゴム素材113を配設し、カーカスプライ素材114の
折り返しに際して、インナライナ素材112の端縁およ
びその近傍部分をトウゴム素材等にて十分に押さえ込む
ことによって解決できるとの知見を得たが、この場合に
は、製品タイヤで、それの最も内側にキャンバスチェー
ファ等が位置することになるため、タイヤの負荷転動に
伴う歪の集中等に起因するクラック、割れ等が、キャン
バスチェーファ等の半径方向外端部分に発生し易いとい
う他の問題があった。
【0007】この発明は、従来技術が抱えるこのような
問題点を解決することを課題とするものであり、それの
第1の目的は、製品タイヤのビードコアの内側部分に十
分な厚みのインナライナを確保して、ビードコアの内側
部分にもまたすぐれたエア保持性を付与した空気入りタ
イヤを提供するにあり、第2の目的は、上記第1の目的
を達成してなお、キャンバスチェーファもしくはトウゴ
ムの半径方向外端部分へのクラック、割れ等の発生のお
それのない空気入りタイヤおよびそれの製造方法を提供
するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の空気入りタイ
ヤは、ビード部に配設したビードコアの周りに、一枚以
上のカーカスプライからなるカーカスを巻き返すととも
に、カーカスの内面側にインナライナを配設したもので
あり、そのインナライナを、ビードコア中心とビードト
ウ先端とを結ぶ線分を越える位置まで連続させて配設し
たものである。
【0009】このタイヤでは、そこへの充填空気と接触
するタイヤ内面の全体を、所要の厚みのインナライナに
よってカバーすることができ、これにより、タイヤのエ
ア保持性を有利に向上させることができる。
【0010】また、このインナライナは、タイヤビード
部の半径方向内端部分においても十分な厚みを有するこ
とから、タイヤのリム組みに当って、その半径方向内端
部分のインナライナがリムフランジに接触することがあ
っても、そのインナライナの破損を有効に防止して、イ
ンナライナにそれ本来の機能を十分に発揮させることが
できる。
【0011】かかるタイヤにおいて好ましくは、インナ
ライナを二層以上のインナライナゴム層により構成し、
少なくとも、ビードコアに最も近づけて配設した外側の
インナライナゴム層を、ビードコア中心とビードトウ先
端とを結ぶ線分を越える位置まで延在させるとともに、
少なくとも、ビードコアから最も遠ざけて配設した内側
のインナライナゴム層の半径方向内端を、ビードコア中
心の半径方向位置の近傍に配置し、また、ビード部の内
面側、すなわち、タイヤ幅方向の内側で、ビードコアの
周りに配設したキャンバスチェーファもしくはトウゴム
の半径方向外端部分を、それらのインナライナゴム層間
に挟み込んだものである。
【0012】この構造によれば、ビード部の内面側で、
キャンバスチェーファの半径方向外端部分が、内外側の
インナライナゴム層に挟まれて位置することになるの
で、タイヤの負荷転動に当っての、その半径方向外端部
分への歪の集中を有効に緩和して、そこへのクラック、
割れ等の発生を有利に防止することができる。
【0013】また、このような構造をもたらす生タイヤ
の成型に際しては、成型ドラム上で、外側のインナライ
ナゴム層を構成するゴム層素材の端縁が、ビードコアに
極く近接してまたは、ビードコアの内周側に入り込んで
位置することになるも、カーカスプライ素材の、サイド
ブラダ等による折り返しに当っては、成型ドラムに対
し、そのインナライナゴム層素材より半径方向内周側に
配設されたキャンバスチェーファ素材もしくはトウゴム
素材が、上記インナライナゴム層素材を十分に押さえ込
むことになるので、インナライナゴム層素材への先に述
べたようなしわの発生およびそこへの空気の封じ込め等
を有効に防止することができる。
【0014】また好ましくは、前記外側のインナライナ
ゴム層の半径方向外端を、リムに組付けたタイヤへの内
圧充填状態で、ビードトウ先端から30mm以上半径方
向外方に位置させるとともに、前記内側のインナライナ
ゴム層の半径方向内端を、同状態で、ビードトウ先端か
ら5〜20mm半径方向外方に位置させる。
【0015】これによれば、外側インナライナゴム層の
半径方向高さを30mm以上とすることで、タイヤビー
ド部にすぐれたエア保持性をもたらしてなお、それ以外
の部分での十分なインナライナ厚み、ひいては、エア保
持性を確保することができる。従って、この外側インナ
ライナゴム層は、30mmを越えて、タイヤクラウン域
の最大高さ位置まで連続させることもできる。
【0016】この一方で、半径方向高さを30mm未満
としたときは、ビード部でのエア保持性が不測するおそ
れがある。また、内側インナライナゴム層の半径方向内
端を、ビードトウ先端から5〜20mmの範囲に位置さ
せることで、内側インナライナゴム層素材幅がたとえば
第1成型ドラムの幅とほぼ同じとなるため、ビードコア
のセット直前のその第1成型ドラムの拡径時の、そのイ
ンナライナゴム層素材へのしわの発生を十分に防止する
ことができる。従って、それが5mm未満では、タイヤ
の成型に当って、内側インナライナゴム層素材の端縁近
傍へのしわの発生、空気の封じ込め等の発生のおそれが
高くなり、一方、20mmを越えると、内側インナライ
ナゴム層とキャンバスチェーファとのオーバーラップ量
が不足してインナライナゲージが薄くなり、外側のイン
ナライナゴム層のみのエアー保持となるため、エアー保
持性が低下する。
【0017】この発明に係る空気入りタイヤの製造方法
は、成型ドラム上で生タイヤを成型するに当り、少なく
とも、最内層のインナライナゴム層素材を、成型ドラム
の幅に対し、それのほぼ一杯に配設し、少なくとも最外
側のインナライナゴム層素材を、キャンバスチェーファ
素材もしくはトウゴム素材を介在させて、成型ドラムの
幅を越えて配設してインナライナ層を形成するものであ
る。
【0018】これによれば、タイヤ成型工程でのカーカ
スプライ素材の折り返しに当り、最内側のインナライナ
ゴム層素材の端縁はその折り返し位置から十分離れて存
在することになり、また、端縁がビードコアに近接する
最外側のインナライナゴム層素材は、その折り返し時
に、キャンバスチェーファ素材またはトウゴム素材によ
って包み込まれるかのような拘束を受けることになるの
で、それらのいずれのゴム層素材に対しても、端縁近傍
へのしわの発生を十分に防止することができ、この結果
として、先に述べたような製品タイヤ、すなわち、イン
ナライナが、ビードコアの中心とビードトウ先端とを結
ぶ線分を越える位置まで連続して延びる所期した通りの
タイヤをもたらすことができる。
【0019】しかもここでは、最外側のインナライナゴ
ム層素材の厚みを選択することで、製品タイヤの、ビー
ドコアの内側部分に配設されるインナライナ厚みを適宜
に調整することができる。そしてさらに、この方法で
は、製品タイヤの、ビードコアの内側部分にインナライ
ナが確実に存在することで、従来は不安定であったビー
ドトウ部分のゴム体積を十分安定させて、ビード幅寸
法、ビード部耐張力等をほぼ均一にすることができる。
【0020】またこの方法において、少なくとも最内側
のインナライナゴム層素材を成型ドラム上に直接的に貼
着配置し、この一方で、少なくとも最外側のインナライ
ナゴム層素材を、カーカスプライ素材の所要位置でその
内面に予め貼着させた状態で配置する場合には、インナ
ライナ層の成形に当り、最内側のゴム層素材はもちろ
ん、最外側のゴム層素材へのしわ、折れ曲がり等の発生
を有効に防止することができる。
【0021】さらにこの方法では、厚みを0.4〜1.
9mmの範囲とした最内側インナライナゴム層素材と、
厚みを0.4〜0.8mmの範囲とした最外側インナラ
イナゴム層素材との二枚を順次に配設することで、先に
述べたように、製品タイヤのビードコアの内側部分での
インナライナ厚みを適正なものとし、この一方で、イン
ナライナ層の厚みが過剰になるのを防止して、製品タイ
ヤのビードトウ先端からのインナライナのはみ出しを防
ぐことができる。
【0022】なおここで、最内側ゴム層素材の厚みが
0.4mm未満では、ビード部周りのゴム体積が不足
し、トウ先へのゴムの流れ込みによって、ビードコアの
内側でのゴム厚みが薄くなり、その部分に環状凹部が発
生する、いわゆる「カラスロ」断面形状となる。一方、
それが1.9mmを越えると、逆にゴム体積が過大とな
り、トウ先からのゴムはみ出しが多くなり、製造不良の
発生のおそれが高くなる。
【0023】また、最外側ゴム層素材が0.4mm未満
では、ビードコアの内側部分に十分な厚みのインナライ
ナを確保することができず、0.8mmを越えると、ゴ
ム体積が過大となることによる上述したような製造不良
が発生するおそれが高い。
【0024】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図1はこの発明に
係るタイヤの実施形態を、乗用車用タイヤのビード部に
ついて、タイヤを規定のリムに組付けて、それに規定の
内圧を充填した姿勢で示す横断面図である。
【0025】ここで規定のリムとは、JATMA YE
AR BOOK、ETRTO STANDAD MAN
UAL、TRA(THE TIRE and RIM
ASSOCIATION INC.)YEAR BOO
K等で規格が定められたリムをいい、JATMA YE
AR BOOKで代表すれば、規格リムは、一般情報に
記載された適用リムを意味する。また規定の内圧とは、
同じく、JATMAYEAR BOOK、ETRTO
STANDARD MANUAL、TRAYEAR B
OOK等に規定され、負荷能力に応じて特定される空気
圧をいうものとする。
【0026】図中1はビード部を、Rはそこに組付けた
リムをそれぞれ示す。ここでは、ビード部1に配設した
ビードコア2の周りに、一枚のカーカスプライ3からな
るラジアルカーカス4を半径方向外方へ高く巻き上げて
固定するとともに、このラジアルカーカス4の本体部分
のタイヤの内面側に設けたインナライナ5を、カーカス
本体部分、ひいては、ビードコア2に近づけて配置した
外側インナライナゴム層6と、そのビードコア2から遠
ざけて配置されて、タイヤの最も内面側に位置する内側
インナライナゴム層7との二層にて構成し、これらのう
ち外側インナライナゴム層6を、ビードコア2の中心と
ビードトウ8の先端とを結ぶ線分Lを越えて、ビードト
ウ側からビードヒール側へ連続させて延在させる。な
お、この外側インナライナゴム層6の半径方向外端は、
図示のビード部姿勢で、ビードトウ先端Tから30mm
以上半径方向外方に位置させることが好ましく、従っ
て、タイヤクラウン域の最大高さ位置まで連続させて延
在させることもできる。
【0027】これに対し、内側インナライナゴム層7の
半径方向内端は、ビードコア中心の半径方向位置の近傍
に配置し、より好ましくは、これも図示のビード部姿勢
で、ビードトウ先端Tから5〜20mm半径方向外方に
位置させる。
【0028】そしてこの場合、好ましくは、ビード部1
のタイヤ内面側で、ビードコア2の周りに配設したキャ
ンバスチェーファ9もしくはトウゴム10、ここではキ
ャンバスチェーファ9の半径方向外端部分を、内外のイ
ンナライナゴム層間に挟み込む。
【0029】ところで、図中11は、ビードコア2の外
周側で、カーカス本体部分と、それの巻返し部分との間
に配設されて、ビード部剛性の増加に寄与するビードフ
ィラを示し、12は、ビード部1のタイヤ外面側に配設
されて、ビード部1のリム擦れ防止等に寄与するゴムチ
エーファを示す。
【0030】このように構成してなるタイヤでは、イン
ナライナ5が、所要の厚みをもってビードコア2の内側
部分まで延びるので、ビード部1のエア保持性を十分に
高めることができる。この一方で、キャンバスチェーフ
ァ9の、ビード部内面側の半径方向外端は、内外のイン
ナライナゴム層間に挟まれて、タイヤの負荷転動に際す
るそこへの歪の集中を緩和されるので、その外端部分へ
のクラック、割れ等の発生を有効に防止することができ
る。
【0031】以上のような構造を有するタイヤの成型に
当っては、たとえば図2に示すように、第1成型ドラム
21上に内側のインナライナゴム層素材22を、そのド
ラム幅のほぼ一杯に巻付けて配置するとともに、そのド
ラム21の側部からサイドブラダ23に跨がって、たと
えばキャンバスフェーファ素材24を配設し、また、外
側インナライナゴム層素材25を、カーカスプライ素材
26の内面の所定の領域に予め貼着させた状態でさらに
巻付け配置して、このインナライナゴム層素材25を成
型ドラム21の幅を越えて延在させ、しかる後、そのカ
ーカスプライ素材26の側部部分上にビードコア2を配
設する。
【0032】それぞれの素材のこのような配設の後は、
サイドブラダ23の膨張に基づいて、カーカスプライ素
材26の側部部分をビードコア2の周りに折り返すとと
もに、全体的なシェーピングを行い、併せて、図示しな
いベルト・トレッドバンド等のさらなる貼着を行うこと
で、図3に模式的に示すような生タイヤ27が成型さ
れ、内外のインナライナゴム層素材22,25からなる
インナライナ層28は、ビードコア2の内面側を所期し
た通りにカバーすることができる。
【0033】なおここでは、外側のインナライナゴム層
素材25は、一方のビードトウ対応部分から他方のビー
ドトウ対応部分まで連続してトロイダルに延在すること
になり、また、キャンバスチェーファ素材24の、ビー
ド部内面側の半径方向外端部分は、内外の両インナライ
ナゴム層素材22,25間に挟み込まれることになる。
【0034】またここでは、サイドブラダ23の膨張変
形に基づくカーカスプライ素材26の折返しに際し、よ
り広幅の外側インナライナゴム層素材25の側部部分は
そこを包み込むキャンバスフェーファ素材24によって
拘束されて変形を有利に規制されるので、その側部部分
へのしわの発生、そのしわ内への空気の封じ込め等のお
それを十分に除去することができる。
【0035】図4は、第1成型ドラム上での他の成型態
様を例示する図であり、これはとくに、カーカスプライ
素材26の内面に貼着させた外側インナライナゴム層素
材25の、ドラム上への配設域をビードコア2の近傍部
分だけとし、図2に示す場合に比し、カーカスプライ素
材26の幅方向中央部分の大部分からその外側ゴム層素
材25を省いたものである。
【0036】このような成型に基づいて形成される生タ
イヤは、図5に模式的に示す横断面構造を有することに
なり、ここではとくに、外側インナライナゴム層素材2
5の半径方向外端がその生タイヤのクラウン域より内方
側に位置することになる。しかるに、その半径方向外端
は、先にも述べたように、製品タイヤの図1に示すよう
なリム組み、内圧充填姿勢において、ビードトウの先端
から30mm以上半径方向外方となるよう選択すること
が好ましい。
【0037】この一方で、内側インナライナゴム層素材
22の半径方向内端は、図2および3に示す場合も含め
て、製品タイヤの同様の姿勢で、ビードトウ先端から5
〜20mm半径方向外方に位置するように選択すること
が好ましい。そしてこの成型態様をもってしても、特に
は外側インナライナゴム層素材25の存在下で、先の場
合と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0038】
【実施例】実施例1 サイズが185/70R14のタイヤを、図6に示す従
来方法によって製造した場合、および図4および5に示
す発明方法に従って製造した場合のエア保持特性および
耐久性はそれぞれ表1に示す通りとなった。ここで従来
方法では、インナライナ素材112を1.0mm厚さと
し、発明方法では、内外のインナライナゴム層素材2
2,25の厚さをともに0.5mmとした。
【0039】また、従来方法によって製造したタイヤで
のインナライナの半径方向内端は、図1に示す姿勢の下
で、ビードトウ先端から18mmの位置に配置した。そ
して、発明方法によるタイヤでは、同様の姿勢の下で、
内側インイナライナゴム層7の半径方向内端を18m
m、また、外側インイナライナゴム層6の半径方向外端
を30mmとした。
【0040】ところで、表中のエア保持性は、 〔(1ケ月後のタイヤ内圧)/(初期設定タイヤ内圧
(規定の内圧))〕×100(%) をもって評価し、また耐久性は、タイヤへの適用リムを
5J×14、タイヤ内圧を300kPaとするととも
に、11.2kNの荷重の作用下で、60km/hの速
度で、20000km走行後のキャンバスチェーファ端
の故障有無を調べることにより評価した。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 先に述べた従来タイヤの成型において、エア保持率の向
上を目的として、インナライナ素材112の幅を、発明
タイヤにおける内外のインナライナゴム層素材22,2
5のトータル幅と同一にして成型した比較タイヤと、発
明タイヤとのそれぞれにつき、ビードトウのトウ先への
ベアおよびエア入りの発生率に関する製品不良率を調べ
たところ表2に示す通りとなった。
【0043】
【表2】
【0044】これらの実施例1,2によれば発明タイヤ
では、従来タイヤもしくは比較タイヤに比し、エア保持
率および製品不良率をともに大きく改善し得ることが明
らかであり、また、発明タイヤでは、キャンバスチェー
ファ端へのクラック等の故障の発生を有効に防止し得る
ことも解る。
【0045】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、この発明に係るタイヤによれば、インナライナによ
ってビード部の内面側部分を十分にカバーすることで、
従来タイヤに比してタイヤのエア保持性を大きく向上さ
せることができ、キャンバスチェーファもしくはトウゴ
ムの半径方向外端部分でのクラックもしくは割れ等の発
生を十分に防止することができる。またこの発明に係る
方法によれば、インナライナゴム層素材のトータル幅を
十分広幅としてなお、タイヤの成型に当って、そのゴム
層素材の側縁近傍へのしわの発生、空気の封じ込め等の
成型不良の発生を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るタイヤの実施形態を示す横断
面図である。
【図2】 この発明に係る方法の実施形態を示す略線横
断面図である。
【図3】 図2に示す方法によって成型されたタイヤの
要部を模式的に示す横断面図である。
【図4】 この発明に係る他の方法の実施形態を示す略
線横断面図である。
【図5】 図4に示す方法によって成型されたタイヤを
示す図3と同様の図である。
【図6】 従来方法および、それによって成型された生
タイヤを加硫してなる製品タイヤの部分を模式的に示す
横断面図である。 1 ビード部 2 ビードコア 3 カーカスプライ 4 ラジアルカーカス 5 インナライナ 6 外側インナライナゴム層 7 内側インナライナゴム層 8 ビードトウ 9 キャンバスチェーファ 10 トウゴム 21 第1成型ドラム 22 内側のインナライナゴム層素材 23 サイドブラダ 24 キャンバスチェーファ素材 25 外側のインナライナゴム層素材 26 カーカスプライ素材 27 生タイヤ 28 インナライナ層 R リム L 線分 T ビードトウ先端

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビード部に配設したビードコアの周り
    に、一枚以上のカーカスプライからなるカーカスを巻き
    返すとともに、カーカスの内面側にインナライナを配設
    してなる空気入りタイヤであって、 前記インナライナを、ビードコアの中心とビードトウ先
    端とを結ぶ線分を越える位置まで連続させて配設してな
    る空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 インナライナを二層以上のインナライナ
    ゴム層にて構成し、少なくとも、ビードコアに最も近づ
    けて配設した外側のインナライナゴム層を、ビードコア
    中心とビードトウ先端とを結ぶ線分を越える位置まで延
    在させるとともに、少なくとも、ビードコアから最も遠
    ざけて配設した内側のインナライナゴム層の半径方向内
    端を、ビードコア中心の半径方向位置の近傍に配置し、
    ビード部の内面側で、ビードコアの周りに配設したキャ
    ンバスチェーファもしくはトウゴムの半径方向の外端部
    分を、それらのインナライナゴム層間に挟み込んでなる
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記外側のインナライナゴム層の半径方
    向外端を、リムに組付けたタイヤへの内圧の充填状態
    で、ビードトウ先端から30mm以上半径方向外方に位
    置させるとともに、前記内側のインナライナゴム層の半
    径方向内端を、上記の状態で、ビードトウ先端から5〜
    20mm半径方向外方に位置させてなる請求項2に記載
    の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 成型ドラム上で生タイヤを成型するに当
    り、少なくとも最内側のインナライナゴム層素材を、成
    型ドラムの幅のほぼ一杯に配設し、少なくとも最外側の
    インナライナゴム層素材を、キャンバスチェーファ素材
    もしくはトウゴム素材を介在させて、成型ドラムの幅を
    越えて配設してインナライナ層を形成する空気入りタイ
    ヤの製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも最内側のインナライナゴム層
    素材を成型ドラム上に貼着配置し、少なくとも最外側の
    インナライナゴム層素材を、カーカスプライ素材の内面
    に予め貼着させた状態で配設する請求項4に記載の空気
    入りタイヤの製造方法。
  6. 【請求項6】 厚みを0.4〜1.9mmの範囲とした
    最内側インナライナゴム層素材と、厚みを0.4〜0.
    8mmの範囲とした最外側インナライナゴム層素材との
    二枚を順次配設する請求項4もしくは5に記載の空気入
    りタイヤの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7793693B2 (en) 2003-12-12 2010-09-14 Bridgestone Corporation Pneumatic tire with specified toe rubber
JP2011194944A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Bridgestone Corp 空気入りタイヤおよび、空気入りタイヤの製造方法
JPWO2013001927A1 (ja) * 2011-06-29 2015-02-23 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

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