JP4678961B2 - ミシンの上糸クランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はミシンの上糸クランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイパーを備えた工業用ミシンにおいては、縫製終了後上下糸が縫製布下方で切断され、上糸はワイパーで縫製布上方へ引き上げられる。この状態で次の縫製を開始する場合、上糸の先端はミシン針近くに位置しているので、この上糸の先端を保持して縫製を開始しないと上糸の先端がばたついたり、その先端が何重にも縫われて、いわゆる鳥の巣が形成され、見栄えが悪くなる。このため、上糸の先端を保持する上糸クランプ装置が種々考案されている。
【0003】
このような上糸クランプ装置の一例を図15〜図17に基づいて説明する。図15においてミシン1の下部に取付けられたミシン針2の近辺に上糸クランプ装置10が配置される。この上糸クランプ装置10は全体が保持台11を介してミシンのベース1aに取り付けられており、ベースに対して水平に延びるパイプ12が設けられている。このパイプ12の一端は負圧源4に連通しており、他方の端部にはクランプ部13が取り付けられている。
【0004】
このクランプ部は拡大して図示した図16から明らかなように、内部空間13aが形成され、2つの開口部13b、13cが形成されている。開口部13bはパイプ12を介して負圧源4に接続されおり、又開口部13cは吸引ノズル14に連通している。また、クランプ部13の上方にはシリンダロッド15aを有するシリンダ15が設けられており、又クランプ部13の内部空間13aにはボール16が収納されている。このボール16は内部空間13aに負圧が発生すると内部空間13aにおいて浮遊できるようになっており、ボール16の球面に合せて内部空間にはボール16が着座することができる円錐状の座面13dが形成されている。クランプ部13は水平に延びるパイプ12に対して斜角して取り付けられており、その先端に取り付けられた吸引ノズル14の吸引口14aはミシン針2の下方位置の近辺に配置される。
【0005】
次に、このように構成されたミシン上糸クランプ装置10の動作を図18を参照して説明する。
まず図18(A)に図示したように、縫製終了後針糸3は切断されワイパー(図示せず)により縫製布の上面に引き上げられており、針糸の先端3aはミシン針2の近辺に位置している。この状態で負圧源4を作動させ、パイプ12を介しノズル14内に負圧を発生し、針糸3の先端3aをノズルの吸引口14aを介して吸入する。この時シリンダ15はまだ作動されず、ボール16はクランプ部の内部空間13a内に浮遊している。針糸が充分クランプ部13に吸引されると、糸の先端3aはボール16と座面13d間の空間を通過してパイプ12内に吸引される。
【0006】
このような状態になったとき図18(B)に図示したようにシリンダ15を作動させ、シリンダロッド15aをボール16に押し当てボール16を座面13dの方向に押圧させる。ボール16は座面13dに習いながら、座面13dに押し付けられ、それにより針糸3はボール16と座面13d間で保持される。この状態が図18(C)で図示されている。
【0007】
このように糸が確実に保持された状態になったとき縫製が開始される。送り動作によって始めの結接点B点とノズル吸引口14aのA点間の糸はしだいに緊張する(図18(D)を参照)。
【0008】
図19に図示したようにノズルの吸引口14aにはメス20が固定されており、縫製の送り動作によりB点が図17に図示したようにB′点に移動すると針糸はノズル吸引口14aに対し相対的に移動することにより、メス20のエッジの上を斜めに引かれることになり、針糸3は切断される。この切断された糸端3aは次の縫製のときに負圧源4を介して外部に排出させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来例による上糸クランプ装置10は、糸切断の後にミシン針2の針穴から伸びる上糸残り長さが短いと上糸を吸引することができずクランプ不良を起こすことがある。特に、千鳥縫いミシンの場合、針が左右に移動するため、最終の針位置が左右いずれの位置かによって糸切断後の上糸長さが異なるので、クランプ不良となる可能性が高くなる。
【0010】
また、クランプ装置の吸引口と針穴間の距離は上糸残り長さよりも近くなければならないので、上糸残り長さが短いとクランプ装置の吸引口を針穴に近い位置に配せざるを得ず、作業者が縫製布の操作を行う手元の領域が狭くなる。
【0011】
従って本発明の目的は、切断後の上糸残り長さを長くすることにより確実に上糸端を保持可能な上糸クランプ装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、切断後の上糸残り長さを長くすることによりクランプ装置の吸引口を針穴から離れた位置に配して、作業者が縫製布の操作を行う手元の領域を広くすることが可能な上糸クランプ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によれば、糸供給源から縫針に至る糸経路上に配置され上糸に所定の張力を付与する糸調子と、前記糸経路上に配置され、往復動することにより糸の引き上げ又は下降を行う糸たぐりと、針棒上下動軌跡と交差可能な先端部を有しその先端部により切断後の上糸端を捕捉可能なワイパーと、針穴よりも斜め上方であって針穴から所定量離間した位置に配置されると共に、ワイパーにより捕捉された上糸端を保持する保持機構と、を備えるミシンの上糸クランプ装置において、糸切り動作前に前記糸たぐりを往動させて上糸の緊張状態を維持すると共に、糸切り動作終了時以後に前記糸たぐりを復動させて上糸の緊張状態を緩和するよう制御する制御手段とを備えることを特徴とするミシンの上糸クランプ装置が提供される。
【0014】
前記制御手段は、前記糸たぐりを復動させた後、所定時間後に前記ワイパーを作動させるように制御することが好ましい。
【0015】
前記保持機構は、ワイパー作動時にワイパーの先端部に対向するように先端側吸引口が配置されていることが好ましい。
【0016】
また、前記保持機構の吸引口外周部には、ワイパー移動軌跡の外側に、上糸端を係止する突起部が設けられていることが好ましい。
更に、前記保持機構の前記突起部は吸引口中心より上方に位置することが好ましい。
前記制御手段は、ワイパーの作動の後、再度糸たぐりを往復動させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明によるミシンの上糸クランプ装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。先ず図1を参照して、概略構成を説明する。なお、本発明は針が左右に移動する千鳥縫いミシンに好適であるが、針が左右に移動しない通常のミシンに適用することもできる。
【0018】
ミシン30の下部には縫製物をベッド面に押圧するための押え31及び上下動可能な針棒34が取り付けられている。針棒34には上糸33を通す針32が取付けられ、針32の近辺に上糸保持装置40のパイプ42の一端側に設けられた吸引口44が配置される。パイプ42の他端側には負圧源46(図8)が接続されている。
この上糸保持装置40の作動原理は従来例による上糸クランプ装置10と同じである。
【0019】
図示しない糸供給源から針32に至る糸経路上にはプリテンション(第1糸調子)50と、ロータリーテンション(第2糸調子)52が配置され、上糸に所定の張力を付与している。この糸経路上には更に糸たぐり装置54が配置されている。この糸たぐり装置54は回動可能なワイヤー取付台54aと一端をワイヤー取付台54aに固定された糸繰り出しワイヤー54bを有する。糸繰り出しワイヤー54bの他端は上糸と係止可能であり、ワイヤー取付台54aの回動により、このワイヤー取付台54aの他端が上下動することにより糸の引き上げまたは下降を行う。より詳しくは、ワイヤー取付台54aの他端が上昇すると上糸33に張力を与えて緊張させ、該他端が下降すると上糸33の張力を減じる。
【0020】
ワイパー60は、その先端部が針棒34の上下動軌跡35と交差するように移動可能で、該先端部は、針棒34の上下動軌跡35と交差した位置で切断後の上糸33端を捕捉した後、上糸保持装置40の吸引口44の方向へ上昇・移動する。吸引口44は、上糸端を吸引するため、上昇したワイパー60の先端部に対抗するように配置されている。また、吸引口44の外周部には、ワイパー移動軌跡の外側に、上糸端を係止する突起部44aが設けられている。この突起部44aは吸引口44の中心より上方に位置する。
【0021】
次に図2〜図7を参照してワイパー60の動作を説明する。図2はワイパー60が待機位置にある状態を示し、この状態ではワイパー60の先端部60aは吸引口44に対抗する位置にある。図3はワイパー60の先端部60aが上糸保持装置40の吸引口44から離れ、針棒34の上下動軌跡35を越えた位置まで移動した状態を示す。なお、ワイパー60が移動を開始する直前に上糸33は図示しない糸切り装置により切断されている。その後ワイパー60は吸引口44に向けて復帰運動を行う。図4はワイパー60の先端部60aが針棒34の上下動軌跡35と交差することにより上糸33を捕捉し、更に上方へ持ち上げようとしている状態を示す。
【0022】
引き続きワイパー60の先端部60aは、図5に示すように吸引口44に接近し続けた後、図6に示すように吸引口44に対抗する位置まで移動する。このように吸引口44に対抗した状態に至る直前の、ワイパー60の先端部60aの移動方向A(図5)は上糸保持装置40による吸引方向B(図6)とほぼ同じ方向となるように構成されている。図6に示す状態となった時、上糸33は吸引口44の突起部44aに当り、該突起部44aに係止される。その後、上糸保持装置40により上糸保持動作が行われる。なお、上糸保持装置40による糸保持動作の原理は従来例の上糸クランプ装置10と同様であり、図15〜18のシリンダ15、ボール16等と同様の部品を用いて行われる。その結果、図7に示すように上糸33は上糸保持装置40により保持される。
【0023】
図7から明らかなようにクランプ装置40により上糸33を保持するためには、吸引口44と針32の針穴32a間の距離Lは針穴32aから伸びる上糸33の残り長さよりも短くなければならない。従って、前述のように上糸残り長さが短いとクランプ装置40の吸引口44を針穴32aに近い位置に配せざるを得ず、作業者が縫製布の操作を行う手元の領域が狭くなるのである。
【0024】
次に図8の制御ブロック図を参照して本発明の制御系を説明する。制御装置70は、ミシンを制御するためのプログラムや縫製に必要なデータが記憶されるROM71、各種計算及び処理を行うCPU72、CPU72によって計算されたデータ等が記憶されるRAM73を備えている。CPU72には入出力インターフェース74を介してスタートスイッチ76及びペダルスイッチ77が接続されている。
【0025】
ミシンの図示しない主軸はミシンモータ80により回転可能とされ、モータドライバ82及び入出力インターフェース74を介してCPU72に接続されている。ミシンモータ80の回転軸は入出力インターフェース74を介してCPU72に接続された角度検出器84によりその回転角を検出されている。針棒34の上下動位置はミシンモータ80の回転軸の回転角に応じて一義的に決定される。本実施の形態との関連においては、角度検出器84は針棒34の上位置及び下位置の検出に用いられる。
【0026】
上糸保持装置40の負圧源46は負圧源作動手段86及び入出力インターフェース74を介してCPU72に接続されている。また、上糸保持装置40による糸保持動作を行うクランプシリンダ88はクランプシリンダ駆動電磁弁100及び入出力インターフェース74を介してCPU72へ接続されている。
【0027】
また、糸切り装置(図示せず)は糸切りシリンダ90により作動され、糸たぐり装置54のワイヤー取付台54aは糸たぐりシリンダ92により回動され、ワイパー60はワイパーシリンダ94により回動され、押え31は押えシリンダ96により上下動されるが、これらの各シリンダ90〜96はそれぞれのシリンダ駆動電磁弁102〜108及び入出力インターフェース74を介してCPU72へ接続されている。
【0028】
次に図9に基づいて、制御装置70により制御される各装置の動作のタイミングチャートを説明する。図中において、「上位置」及び「下位置」とは、角度検出器84により検出されて変化する信号で、それぞれ針棒34の上位置及び下位置が検出されるとオフとなる。「糸切り」とは糸切りシリンダ90の動作信号で、作動時にはオンとなる。実際に糸が切断されるのは糸切りシリンダ90の動作終了時すなわち図示の動作信号がオンからオフに変化する直前である。
【0029】
「糸たぐり」とは糸たぐりシリンダ92の動作信号で、作動時にオンとなる。オンとなることにより、糸繰り出しワイヤー54bの先端が上昇して上糸に張力を与え、オフとなることにより該先端が下降して上糸の張力を緩和する。「ワイパー」とはワイパーシリンダ94の動作信号で、作動時にオンとなりワイパー60の移動が開始される。「押え上げ」とは押えシリンダ96の動作信号で、作動時にオンとなって押え31が上昇する。「吸い込み」とは負圧源46を作動させるための信号で、作動時にオンとなる。「保持」とはクランプシリンダ88の動作信号で、作動時にオンとなる。
【0030】
先ず角度検出器84により下位置が検出されると同時に糸切りシリンダ駆動電磁弁102及び糸たぐりシリンダ駆動電磁弁104により糸切りシリンダ90及び糸たぐりシリンダ92がオンとなると共に負圧源作動手段86により負圧源46が作動され、更にクランプシリンダ駆動電磁弁100によりクランプシリンダ88がオフとなる。
【0031】
次いで角度検出器84により針棒34の上位置が検出された時点からEms経過後に糸切りシリンダ駆動電磁弁102及び糸たぐりシリンダ駆動電磁弁104により糸切りシリンダ90及び糸たぐりシリンダ92がオフとなり、糸切りが終了すると共に糸繰り出しワイヤー54bの先端が下降する。糸切り終了後Fms経過するとワイパーシリンダ駆動電磁弁106によりワイパーシリンダ94がオンとなる。このワイパーシリンダ94はGmsだけオン状態を維持した後、オフとなる。
【0032】
一般的には糸切り終了と同時にワイパー60を作動させるのであるが、本実施の形態においては糸切り終了後Fms経過した時点でワイパー60を作動させている。また一般的には糸切り終了後一定時間経過後に糸たぐりがオフとなるのであるが、本実施の形態においては糸たぐりオフのタイミングを糸切り終了のタイミングと同時とし、その後Fmsの間隔をおいてワイパー60を作動させている。この糸切り、糸たぐり及びワイパの各動作のタイミングにより、上糸残り長さを長くすることが可能となった。すなわち、糸切り動作前に糸たぐり装置54の糸繰り出しワイヤー54bを上昇して上糸33の緊張状態を維持すると共に、糸切り終了と同時に糸繰り出しワイヤー54bを下降させて上糸33の緊張状態を緩和した後、ワイパー60を作動するので、上糸33の残り長さLが長くなる。従って、上糸33の残り長さが短い場合に比べ、保持装置40の吸引口44を針穴から遠い位置に配置させることが出来、作業者が縫製布の操作を行う手元の領域が広くなる。
【0033】
ワイパーシリンダ94がオフとなった後、Hms経過後、押えシリンダ駆動電磁弁108により押えシリンダ96がオンとなる、
【0034】
更に上位置が検出された時点からJms経過後、クランプシリンダ駆動電磁弁100によりクランプシリンダ88がオンとなる。そして上位置が検出された時点からIms経過後、負圧源作動手段86による負圧源46の作動が停止される。
【0035】
次に図10、図11のフローチャートに基づいて制御装置70によって実行される本実施の形態の動作を説明する。図中のS1,S2,・・・は処理順(ステップ)の番号を示す。先ずS1で、作業者による縫製開始要求があるか否かが判断される。すなわち図8のスタートスイッチ76が押されたか否かが制御装置70によって判断される。縫製開始要求があればS2に進んで、クランプシリンダ88をオフにして上糸保持装置40による上糸端の保持を解除する。次いでS3でミシンモータ80を回転させて縫製工程を実行する。
【0036】
次にS4で作業者がペダルスイッチ77を足踏み操作することにより糸切りを要求しているか否かを判断する。要求がなければS3に戻って縫製工程を続け、要求があればS5に進み、角度検出器84により下位置が検出されたか否かが判断され、検出されないとS3に戻り、検出されるとS6に進む。
【0037】
S6では糸切り装置、糸たぐり装置54を駆動すると共に、上糸端の吸い込みを開始する。その後S7に進み、針棒34が上位置に達したか否かが判断される。上位置に達しているとS8に進んでミシンモータ80の回転を停止してS9に進む。
【0038】
S9では針棒34が上位置に到達してからEms経過したか否かが判断され、経過した時点で図11のS10に進んで糸切り装置及び糸たぐり装置の駆動を停止し、S11へ進む。
【0039】
S11においては、S10の駆動停止動作の後Fms経過したか否かが判断され、経過した時点でS12に進み、ワイパー60をGms駆動することにより、前述のようにワイパー60の先端部60aで上糸端を捕捉して上糸保持装置40の吸引口44に対抗する位置へ移動した後S13へ進む。S13では、針棒34が上位置に到達してからJms経過したか否かが判断され、経過した時点でS14に進んでクランプシリンダ88を駆動して上糸保持装置40により上糸端を保持した後、S15に進む。S15では針棒34が上位置に到達してからIms経過したか否かが判断され、経過した時点でS16に進み、負圧源46の作動を停止して上糸端の吸い込みを停止する。
【0040】
次に図12に基づいて、制御装置70により制御される各装置の動作のタイミングチャートの他の例を説明する。このチャートが図9のタイミングチャートと異なるのは、ワイパーシリンダ94によりワイパー60を作動した後、再度糸たぐりシリンダ92を作動することにより、糸繰り出しワイヤー54bを上昇、下降させることにあり、他は同じである。このように再度糸たぐり装置54を駆動して、図示しない糸供給源から上糸を繰り出すことにより上糸張力を緩和するので針折れを防止することができる。
【0041】
次に図13及び図14に基づいて上糸保持装置40の吸引口44の他の例を説明する。図13に示す吸引口144の外周部には、ワイパー移動軌跡の外側に、上糸端を係止する突起部144aが設けられている。この突起部144aは吸引口144の端面144bとほぼ平行な頂部144cを備える。図14に示す吸引口244の外周部には、ワイパー移動軌跡の外側に、上糸端を係止する突起部244aが設けられている。この突起部244aは吸引口244の端面244bとほぼ平行な頂部244cを備えるがこの頂部244cは図13の吸引口144の頂部144cよりも大きい。これらの吸引口144,244は頂部144c,244cによって上糸33を確実に係止することができるので、図1の吸引口44よりも更に確実に上糸33を保持することができる。
また、この発明は上記実施形態に限定されることなく種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、糸切り動作前に糸たぐりを上昇(往動)させて、上糸経路を長くして上糸を緊張させ、糸切り動作終了時以降、糸たぐりを下降(復動)させて上糸の緊張状態を緩和した。この糸切り動作を挟んだ糸の緊張・緩和により、必要量の上糸残り長さを確保することができた。
これに代えて、糸切り動作前に糸たぐりを下降(往動)させて、上糸経路を長くして上糸を緊張させ、糸切り動作終了時以降、糸たぐりを上昇(復動)させて上糸の緊張状態を緩和することも容易に考えられる。
また、糸切り動作を挟んで、糸経路に対して斜め方向に往復動させることにより、糸を緊張・緩和させて必要量の上糸残り長さを確保することも容易に考えられる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、糸供給源から縫針に至る糸経路上に配置され上糸に所定の張力を付与する糸調子と、糸経路上に配置され、往復動することにより糸の引き上げ又は下降を行う糸たぐりと、針棒上下動軌跡と交差可能な先端部を有しその先端部により切断後の上糸端を捕捉可能なワイパーと、ワイパーにより捕捉された上糸端を保持する保持機構と、を備えるミシンの上糸クランプ装置において、糸切り動作前に糸たぐりを往動させて上糸の緊張状態を維持すると共に、糸切り動作終了時以後に糸たぐりを復動させて上糸の緊張状態を緩和するよう制御する制御手段とを備えたので、糸切断後の上糸の残り長さが長くなり、確実に上糸端を保持することができると共に、保持機構を針穴から離れた場所に設置できるので布操作を行う手元が広くなり、縫製作業が楽になる。。
【0043】
制御手段は、糸たぐりを復動させた後、所定時間後にワイパーを作動させるように制御する構成とした場合には、糸切断後の上糸の残り長さが更に長くなり、より確実に上糸端を保持することができる。
【0044】
ワイパー作動時にワイパーの先端部に対向するように保持機構の先端側吸引口が配置されている構成とした場合には、上糸端を確実に吸引・捕捉するので、一針目の結節が確実となる。
【0045】
また、保持機構の吸引口外周部には、ワイパー移動軌跡の外側に、上糸端を係止する突起部が設けられている構成とした場合には、ワイパー上昇時の上糸端の糸暴れを防止し、確実に糸端を保持することができる。
【0046】
更に、保持機構の突起部が吸引口中心より上方に位置する構成とした場合には、布操作を行う手元が広くなるので、縫製作業が楽になる。
【0047】
制御手段は、ワイパーの作動の後、再度糸たぐりを往復動させる構成とした場合は、糸を繰り出して針折れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるミシンの上糸クランプ装置の実施の形態の主要部の外観構成を示す斜視図である。
【図2】 本実施の形態による装置のワイパーが待機位置にある状態を示す斜視図である。
【図3】 本実施の形態による装置のワイパーの先端部が上糸クランプ装置の吸引口から離れ、針の位置を越えた位置まで移動した状態を示す斜視図である。
【図4】 本実施の形態による装置のワイパーの先端部が針棒の上下動軌跡と交差することにより上糸を捕捉し、更に上方へ持ち上げようとしている状態を示す斜視図である。
【図5】 図4の状態から更にワイパーの先端部が図4の状態から更に上昇した状態を示す斜視図である。
【図6】 図5の状態を経て、ワイパーの先端部が、吸引口に対抗する位置まで移動した状態を示す斜視図である。
【図7】 上糸が本実施の形態の上糸クランプ装置により保持された状態を示す斜視図である。
【図8】 本実施の形態による装置の制御系を説明するブロック図である。
【図9】 本実施の形態による装置の制御装置により制御される各装置の動作のタイミングチャートである。
【図10】 本実施の形態による装置の制御装置によって実行される動作を説明するフローチャートである。
【図11】 本実施の形態による装置の制御装置によって実行される動作を説明するフローチャートである。
【図12】 本実施の形態による装置の制御装置により制御される各装置の動作の他の例を説明するタイミングチャートである。
【図13】 本発明による上糸クランプ装置の吸引口の他の例の斜視図である。
【図14】 本発明による上糸クランプ装置の吸引口の更に他の例の斜視図である。
【図15】 従来例による装置の構成を示す側面図である。
【図16】 図15のクランプ部の内部状態を示した拡大断面図である。
【図17】 従来例による装置の上面図である。
【図18】 従来例による装置の動作を(A)から(D)により説明する断面図である。
【図19】 従来例による装置のカッタの取り付け状態を示した説明図である。
【符号の説明】
32 針
33 上糸
34 針棒
35 針棒の上下動軌跡
40 上糸保持装置
44 吸引口
44a 突起部
50 プリテンション(第1糸調子)
52 ロータリーテンション(第2糸調子)
54 糸たぐり装置
54b 糸繰り出しワイヤー
60 ワイパー
60a ワイパーの先端部
70 制御装置
Claims (6)
- 糸供給源から縫針に至る糸経路上に配置され上糸に所定の張力を付与する糸調子と、
前記糸経路上に配置され、往復動することにより糸の引き上げ又は下降を行う糸たぐりと、
針棒上下動軌跡と交差可能な先端部を有しその先端部により切断後の上糸端を捕捉可能なワイパーと、
針穴よりも斜め上方であって針穴から所定量離間した位置に配置されると共に、ワイパーにより捕捉された上糸端を保持する保持機構と、を備えるミシンの上糸クランプ装置において、
糸切り動作前に前記糸たぐりを往動させて上糸の緊張状態を維持すると共に、糸切り動作終了時以後に前記糸たぐりを復動させて上糸の緊張状態を緩和するよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするミシンの上糸クランプ装置。 - 請求項1記載のミシンの上糸クランプ装置において、
前記制御手段は、前記糸たぐりを復動させた後、所定時間後に前記ワイパーを作動させるように制御することを特徴とするミシンの上糸クランプ装置。 - 請求項1、2記載のミシンの上糸クランプ装置において、
前記保持機構は、ワイパー作動時にワイパーの先端部に対向するように先端側吸引口が配置されていることを特徴とするミシンの上糸クランプ装置。 - 請求項3記載のミシンの上糸クランプ装置において、
前記保持機構の吸引口外周部には、ワイパー移動軌跡の外側に、上糸端を係止する突起部が設けられていることを特徴とするミシンの上糸クランプ装置。 - 請求項4記載のミシンの上糸クランプ装置において、
前記保持機構の前記突起部は吸引口中心より上方に位置することを特徴とするミシンの上糸クランプ装置。 - 請求項2記載のミシンの上糸クランプ装置において、
前記制御手段は、ワイパーの作動の後、再度糸たぐりを往復動させることを特徴とするミシンの上糸クランプ装置。
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