JP4435818B2 - ミシンの上糸クランプ装置 - Google Patents

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本発明は、ミシンの上糸クランプ装置に係り、例えば糸切り装置付ミシンにおいて、糸切り後の縫製開始時に、上糸と下糸の交絡を確実に行えるようにして、安定して縫始めの縫目を結節できるようにしたミシンの上糸クランプ装置に関する。
従来より、糸切り装置付ミシンは、糸切り後に縫針から導出する上糸端をワイパーで捕捉して縫製布の下方から引き出し、ミシンの顎部近傍に設けられた保持機構に吸引させて、次の縫製開始時まで保持するようになっている。糸切り後、上糸端を保持機構で保持した状態で縫製を開始しないと、上糸の先端がばたついたり、先端がかたまった状態で縫製される、いわゆる鳥の巣が形成されて製品価値を低下させる虞れがあった。
ところで、従来のワイパーは、ワイパーシリンダのストロークを規制するために保持機構の吸引口に設けられたゴム製の係合部材に係合を繰り返すことにより、係合部材が劣化し、ワイパーの先端部の待機位置にズレが生じ易く、ワイパーの先端部の待機位置精度は必ずしも精度の高いものではなかった。従って、ワイパーの作動時に、ワイパーの先端部が保持機構の吸引口をオーバーランして通過してしまい、上糸端が保持機構によって保持されない場合があった。縫針から導出する上糸端が、保持機構で確実に保持されていないと、縫始めに、上糸端が縫針から抜けてしまい、以後の縫目形成が不可能となったり、また縫始めに、いわゆる鳥の巣が形成される問題点があった。
また、上糸の糸経路上には、第1糸調子および第2糸調子が配置され、上糸に張力を付与するようになっている。縫針から導出された上糸端が保持機構に吸引されて保持され、かつ、上糸の上流側が第1糸調子および第2糸調子によって張力が付与された状態、すなわち、上糸の上流側および下流側の両側が拘束された状態で縫製が開始されると、釜が上糸を繰り出す際、上糸に強い張力が作用して縫針が曲げられる現象が生じることがある。縫針が曲げられた状態で下降すると、針板に干渉して縫針が折れるという問題点があった。
また、上糸の引張り強度よりも強い張力が上糸に作用すると、上糸が切れてしまい、以後の縫製が出来なくなる欠点があった。更に、上糸が張っていると、釜が上糸を確実に補足できない等の問題も生じた。従って、縫製開始時の上糸には、常に適度の弛みを持たせ、上糸に過度の張力が作用するのを防止する必要がある。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、糸切り装置付ミシンにおいて、縫針から導出する上糸端を保持器により確実に保持し、また必要長さの上糸を繰り出して縫製を開始するようにして、針折れ、糸切れ等のない、安定した縫製を行うことができるミシンの上糸クランプ装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載したように、糸供給源から縫針にいたる糸経路上に配置され上糸に張力を付与する第1糸調子と、前記糸経路上に配置され前記上糸に所望の張力を付与する第2糸調子と、針棒上下動軌跡と交差可能な先端部を有し、前記先端部により糸切り後の縫針から導出する上糸端を捕捉可能なワイパーと、前記ワイパー作動時に前記ワイパーの前記先端部に対向する位置に吸引口を形成し、前記ワイパーにより捕捉された前記上糸端を吸引、保持する保持機構とを備えたミシンの上糸クランプ装置において、前記保持機構の前記吸引口の外周部には、前記ワイパーの先端部の移動軌跡内方、かつ、前記吸引口の略開口方向へ突設し、前記捕捉した上糸端を前記吸引口で吸引、保持できるように前記ワイパーが当接して係止される係止部が設けられた弾性体を備えたことを特徴としている。
ここで、糸供給源としては、例えば糸がコーン状に巻かれた糸巻等が例示できる。このように構成されたミシンの上糸クランプ装置においては、弾性体の係止部が、ワイパーの先端部の移動軌跡内方に位置するように配置したので、ワイパー作動時に、ワイパーの先端部は、弾性体の係止部に当接して係止される。これによって、ワイパーの先端部が、保持機構の吸引口を通過して作動するオーバーランが防止され、吸引口の近傍で確実に停止させることができる。従って、ワイパーの先端部に捕捉されて移動する上糸端は、確実に保持機構の吸引口に導かれ、吸引されて保持できることになる。
すなわち、このミシンの上糸クランプ装置においては、上糸端を確実に保持して縫製を開始することができ、従来のような、縫始めに上糸端が縫針から抜けて縫目が形成されない、または縫始めに鳥の巣が形成され製品価値が低下するという問題を解消できることになる。
また、本発明は、請求項2に記載したように、請求項1に記載したミシンの上糸クランプ装置であって、前記弾性体の前記係止部は、少なくとも一部に下方に向かう突起部が形成されていることを特徴としている。
このように構成されたミシンの上糸クランプ装置においては、弾性体の係止部の一部に、下方に向かう突起部が形成されているので、ワイパー作動時、ワイパーの先端部は、弾性体の係止部に当接した後、突起部に係合してオーバーランを確実に防止できることになる。これによって、ワイパーの先端部に捕捉されて移動する上糸端も、係止部に確実に係止され、安定して保持機構に保持させることができることになる。従って、このミシンの上糸クランプ装置においては、上糸端が確実に保持機構に保持されているので、従来のような縫始めにおける上糸あばれ、縫針からの上糸端抜けによる縫目不形成、クモの巣の形成という問題を解消できることになる。
以上、説明したように、本発明によれば、請求項1に記載したように、弾性体の係止部が、ワイパーの先端部の移動軌跡内方に位置するように弾性体を配置したので、ワイパー作動時にワイパーの先端部は、弾性体の係止部に当接して係止される。これによって、ワイパーの先端部が、保持機構の吸引口を通過して作動する、オーバーランが防止され、吸引口の近傍で確実に停止させることができる。また、ワイパーの先端に捕捉されて移動する上糸端は、確実に吸引口に導かれ、保持機構に吸引されて保持させることができる。従って、このミシンの上糸クランプ装置においては、上糸端を確実に保持して縫製を開始することができ、従来のような縫始めに、上糸端が縫針から抜けてしまい、縫目が形成されなかったり、縫始めに鳥の巣が形成されて製品価値が低下するという問題が解消される。
また、本発明によれば、請求項2に記載したように、弾性体の係止部の一部に、下方に向かって突起部が形成されているので、ワイパー作動時にワイパーの先端部は、係止部に当接した後、突起部に係合してワイパーのオーバーランを確実に防止できる。これによって、ワイパーの先端部に捕捉されて移動する上糸端も、係止部に確実に係止され、安定して保持機構に保持される。従って、このミシンの上糸クランプ装置においては、上糸端が保持された状態から縫始めることができ、従来のような縫始めにおける上糸あばれ、上糸端が縫針から抜けることによる縫目不形成、鳥の巣の形成という問題を解消できる。
以下本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、本発明に係る実施形態であるミシンの上糸クランプ装置10は、第1糸調子11と、第2糸調子12と、保持機構13と、制御手段である電子制御装置14と、ワイパー15と、糸たぐり機構16とを備えている。
第1糸調子11は、上糸17に微弱な張力を付与するためのものであって、糸供給源である糸巻27から縫針18にいたる糸経路上に配置されている。第1糸調子11は、2枚の押圧体19が重ね合わされ、コイルばねによって、互いに密着するように押圧されている。コイルばねの付勢力は、比較的弱く設定されており、2枚の押圧体19で上糸17を挟持することにより微弱な張力を付与するようになっている。
図1に示すように、第2糸調子12は、上糸17に所望の張力を付与するためのロータリーテンションであって、第1糸調子11の下流側、糸切り装置付ミシン1のアーム顎部1aに配設されている。図2に示すように、第2糸調子21の穴付の押圧体20は、糸調子軸21に嵌合して配置され、回転可能とされている。糸調子軸21は、軸方向に貫通穴21aが形成された軸であって、一端は軸方向に割り溝21bが形成され、かつ、外周に雄ねじ21cが形成されている。なお、本実施形態では、第2糸調子12としてロータリーテンショナを例示したが、二枚の皿部材を同軸配置した通常の糸調子機構を採用してもよい。
押圧体20の両端面には、フェルト製の摩擦部材22が割り溝21bに嵌合して配設されている。雄ねじ21cに螺合する糸調子つまみ23と、一方の摩擦部材22との間には、コイルばね24が配設され、この摩擦部材22が押圧体20に向かって押圧されている。各摩擦部材22は、押圧体20を介してコイルばね24の付勢力により互いに密着する方向に押圧されている。糸調子軸21の貫通穴21aには、ピン25が摺動可能に嵌合し、一端25aは、摩擦部材22に当接している。ピン25の他の一端25bは、プッシュタイプの電磁ソレノイド26のプランジャ28に連結されている。
電磁ソレノイド26が作動してプランジャ28が伸張すると、ピン25は貫通穴21a内を図2において、右方向に移動し、コイルばね24の付勢力に抗して摩擦部材22を押圧体20から離間する方向に押圧するようになっている。これによって、押圧体20に対する各摩擦部材22の摩擦力が解除されるようになっている。上糸17は、押圧体20の周面に形成された断面略V字状の溝に沿って周回されており、糸調子つまみ23を回転させてコイルばね24の押圧力を調節することによって押圧体20の回転抵抗を調整でき、これにより上糸17に任意の張力を付与できるようになっている。
図1および図3に示すように、保持機構13は、糸切り後、縫針18から導出された上糸端17aを保持するためのものであって、クランプ部30と、クランプ部30に略Y字形に接合する吸引パイプ31とを有している。図3および図4に示すように、クランプ部30内には、内部空間30bが形成され、内部空間30bに連通して2つの開口部30c,30dが形成されている。開口部30dは、吸引パイプ31を介して負圧源32に接続されている。開口部30cは、吸引ノズル37に接続され、吸引ノズル37の先端に形成された吸引口37aに連通している。開口部30cと内部空間30bとの連結部は、円錐形状とされて座面30eが形成されている。内部空間30bには、座面30eに対向してボール33が配設されている。ボール33は、内部空間30bに負圧が発生すると、内部空間30b内で浮遊できるようになっている。内部空間30bには、クランプシリンダ34が配設され、クランプシリンダ34のピストンロッド35は、ボール33に対向して配置されている。
吸引ノズル37の吸引口37aは、アーム顎部1aに隣接し、後述するワイパー15が作動した時、ワイパー15の先端部15aに対向する位置に配置されている。図1および図6に示すように、吸引ノズル37の先端には、円環状の弾性体38が嵌合して固定されている。弾性体38には、円環部の一部が吸引口37aの略開口方向に突出した係止部38aが形成されている。係止部38aの先端は、下方に向かって曲げられて突起部38bが形成されている。係止部38aは、ワイパー15の先端部15aの移動軌跡内方に位置しており、ワイパー15が作動したとき、先端部15aが係止部38aに当接するようになっている。
図1に示すように、ワイパー15は、糸切り後、針板の下方に引き込まれている上糸17の上糸端17aを捕捉して針板の上方に引き出すためのものであって、縫針18の近傍に配置されている。このワイパー15は、ワイパーシリンダ36に連結され、該ワイパーシリンダ36の動作により所定の軌跡で動作するようになっている。ワイパー15の先端部15aは、待機時には前述した保持機構13近傍の待機位置にあり、作動時に縫針18の上下動軌跡を一旦迂回して針左方に回りこんだ後、上下動軌跡と交差して作動し、先端部15aで縫針18から導出する上糸端17aを捕捉して上方に糸払いできるようになっている。
図5に示すように、制御手段の一例である電子制御手段14は、糸切り装置付ミシン1に配設された各種装置を制御するためのものであって、各種計算および処理を行う中央演算処理装置40、制御プログラムや各種データが記憶されるROM41、および中央演算処理装置40によって計算されたデータ等が記憶されるRAM42から構成されている。
電子制御手段14には、入出力インターフェース43を介して入力装置としてのスタートスイッチ44、ペダルスイッチ45および角度検出器46が電気的に接続されている。また、電子制御手段14には、入出力インターフェース43を介して出力装置として、ミシンモータ48に接続されたモータドライバ49、負圧源32に接続された負圧源作動手段50、クランプシリンダ34に接続されたクランプシリンダ駆動電磁弁51、糸切りシリンダ52に接続された糸切りシリンダ駆動電磁弁53、糸たぐりシリンダ54に接続された糸たぐりシリンダ駆動電磁弁55、ワイパーシリンダ36に接続されたワイパーシリンダ駆動電磁弁56、押えシリンダ58に接続された押えシリンダ駆動電磁弁59及び第2糸調子12に連結された押しアクチュエータの一例である電磁ソレノイド26が夫々電気的に接続されている。このような電子制御手段14は、各入力装置からの入力信号に従って各出力装置に作動指令信号を出力して制御するようになっている。
図1に示すように、糸たぐり機構16は、上下動することによって上糸17の引上げまたは下降するものであって、回転可能なワイヤ取付台16aと、一端がワイヤ取付台16aに固定された糸繰出ワイヤ16bとを有している。糸繰出ワイヤ16bの他端は、上糸17と係止可能であり、ワイヤ取付台16aの回動によって糸繰出ワイヤ16bの他端が上下動して上糸17の引上げまたは下降を行う。即ち、糸繰出ワイヤ16bの他端が上昇すると上糸17を緊張させ、下降すると上糸17の張力を減少させるようになっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。図5に示すように、ペダルスイッチ45を踏返し操作して糸切りを電子制御手段14に指令すると、作動指令信号が電子制御手段14から糸切りシリンダ駆動電磁弁53に出力される。糸切りシリンダ52が作動し、図示しない糸切機構によって上糸および下糸が切断される。
次いで、図6および図7に示すように、ワイパーシリンダ駆動電磁弁56に作動指令信号が出力され、ワイパーシリンダ36が作動する。ワイパー15は、図6に示すように、先端部15aが吸引ノズル37の吸引口37aに対向する待機位置から、縫針18の上下道軌跡を迂回して、縫針の反対側(図中、針の左側)へ移動する。
そして、図7に示すように、ワイパー15の先端部15aは、縫針18から導出する上糸端17aを捕捉して矢印A方向に上昇して糸払いする。図8に示すように、ワイパー15の先端部15aは、弾性体38の係止部38aに当接して停止する。このとき、先端部15aによって捕捉された上糸端17aは、係止部38aに係止され、吸引口37aに対向する位置にある。係止部38aからは、下方に向かって突起部38bが形成されているので、ワイパー15の先端部は、突起部38bに阻止され係止部38aから外れることはなく、従って、オーバーランすることはない。これによって、先端部15aおよび上糸端17aは、吸引口37aの近傍に確実に位置する。
電子制御手段14からの指令によって負圧源作動手段50が作動すると、負圧源32の負圧は、吸引口37aに供給され、吸引口37a周囲の空気を吸引ノズル37内に吸引する。従って、吸引口37aの前方にある上糸端17aは、吸引口37aから空気と共に吸引ノズル37内に吸引され、ボール33と座面30eの間を通過して吸引パイプ31内に吸引される。
図3および図4に示すように、電子制御手段14からクランプシリンダ駆動電磁弁51に作動指令信号が出力されると、クランプシリンダ34のピストンロッド35は、伸張してボール33を押圧する。これにより、上糸端17aは、ボール33と座面30eとの間に挟持されて保持される。
図2および図5に示すように、第1実施形態の糸切装置付ミシン1において、縫製を開始するために作業者がスタートスイッチ44を操作すると、作動指令信号が電子制御手段14から出力され、入出力インターフェース43を介してモータドライバ49に伝達されてミシンモータ48が回転を開始する。
これと略同時に、電磁ソレノイド26にも作動指令信号が所定の期間だけ伝達され、電磁ソレノイド26が作動して、電磁ソレノイド26のプランジャ28が伸張する。摩擦部材22は、ピン25により押圧されて移動し、押圧体20を介して各摩擦部材22に付与されていたコイルばね24の力が除去され、押圧体20の回転抵抗が解除される。これにより、上糸17は、縫針18の下降に伴なって抵抗なく第2糸調子12側から繰り出されて供給され、上糸17に過度な張力が作用することなく、一針目の縫目が形成される。
次に、図9のフローチャートに基づいて本実施形態の動作を説明する。図中S1,S2,・・・は処理順(ステップ)の番号を示す。先ず、S1で作業者による縫製開始要求があるか否かが判別される。即ち、図5のスタートスイッチ44が操作されたか否かが電子制御手段14によって判別される。縫製開始要求があれば、S2に進み、クランプシリンダ34をオフにして保持機構13による上糸端17aの保持を解除する。
次いでS3に進み、電磁ソレノイド26を作動させて2枚の押圧体20による上糸端17aの挟持を解放し、第2糸調子12による張力付与を解除する。次いでS4でミシンモータ48を回転させて縫製を実行し、S5でミシンが所定の位相まで回転したか否かが判別される。
ここで、所定の位相とは、少なくとも上糸17のループが釜(図示せず)を通過する以降の位相であり、例えば縫針18が上位置となる位相である。位相は、角度検出器46によってミシンモータ48の回転を検出し、電子制御手段14に伝達することにより認識可能である。
所定の位相に達していないと、S4に戻り、縫製を続ける。所定の位相に達すると、S6に進み、電磁ソレノイド26がオフとなって、コイルばね24の付勢力が、押圧体20に作用し、上糸17に適度の張力を付与する。以後の縫製は、第2糸調子12によって適度な張力が付与された上糸17が下糸と交絡し、糸締めされて縫目が形成される。
また、図1および図5に示すように、第2実施形態の糸切装置付ミシン1において、作業者がスタートスイッチ44を操作すると、作動指令信号が電子制御手段14からモータドライバ49に伝達され、ミシンモータ48が回転を開始する。
これと略同時に、入出力インターフェース43を介して糸たぐりシリンダ駆動電磁弁55にも作動指令信号が伝達され、糸たぐりシリンダ54が作動する。これによってワイヤ取付台16aが回動し、糸繰出ワイヤ16bの他端が上下動するので、上糸17は糸巻き27から繰り出される。これにより、上糸17は過度な張力が作用することなく、一針目の縫目が形成される。
前述した実施形態の糸切装置付ミシンによれば、縫製開始と略同時に第2糸調子12による上糸17への張力付与を解除し、あるいは糸たぐり機構16を作動させて上糸17を繰り出し、上糸17の張力を緩和させるので、縫始めに過度の張力が上糸17に作用することが防止され、針折れ、糸切れ等の問題を解消することができる。
なお、本発明のミシンの上糸クランプ装置は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
その他、前述した実施形態において例示した糸供給源、上糸、第1糸調子、第2糸調子、縫針、保持機構、上糸クランプ装置、制御手段、糸たぐり機構、ワイパー、弾性体等の材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ミシンの上糸クランプ装置の外観構成を示す斜視図である。 第2糸調子の構成を示す縦断面図である。 上糸の保持機構の正面図である。 図3のクランプ部の内部を示す拡大断面図である。 制御系の構成を示すブロック図である。 ワイパーの先端部が縫針と平行な位置まで移動した状態を示す斜視図である。 ワイパーの先端部が上糸を捕捉して上昇する状態を示す斜視図である。 ワイパーの先端部が吸引口に対向する位置まで移動した状態を示す斜視図である。 制御手段によって実行される動作順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 ミシンの上糸クランプ装置
11 第1糸調子
12 第2糸調子
13 保持機構
14 電子制御装置(制御手段)
15 ワイパー
15a ワイパーの先端部
16 糸たぐり機構
17 上糸
17a 上糸端
18 縫針
27 糸巻き(糸供給源)
37a 吸引口
38 弾性体
38a 係止部
38b 突起部

Claims (2)

  1. 糸供給源から縫針にいたる糸経路上に配置され上糸に張力を付与する第1糸調子と、
    前記糸経路上に配置され前記上糸に所望の張力を付与する第2糸調子と、
    針棒上下動軌跡と交差可能な先端部を有し、前記先端部により糸切り後の縫針から導出する上糸端を捕捉可能なワイパーと、
    前記ワイパー作動時に前記ワイパーの前記先端部に対向する位置に吸引口を形成し、前記ワイパーにより捕捉された前記上糸端を吸引、保持する保持機構とを備えたミシンの上糸クランプ装置において、
    前記保持機構の前記吸引口の外周部には、前記ワイパーの先端部の移動軌跡内方、かつ、前記吸引口の略開口方向へ突設し、前記捕捉した上糸端を前記吸引口で吸引、保持できるように前記ワイパーが当接して係止される係止部が設けられた弾性体を備えたことを特徴とするミシンの上糸クランプ装置。
  2. 前記弾性体の前記係止部は、少なくとも一部に下方に向かう突起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載したミシンの上糸クランプ装置。
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