JPH06503008A - 本縫いミシンにおいて縫製開始時に上糸端の長さを短縮させる方法及び装置 - Google Patents

本縫いミシンにおいて縫製開始時に上糸端の長さを短縮させる方法及び装置

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JPH06503008A
JPH06503008A JP4500027A JP50002791A JPH06503008A JP H06503008 A JPH06503008 A JP H06503008A JP 4500027 A JP4500027 A JP 4500027A JP 50002791 A JP50002791 A JP 50002791A JP H06503008 A JPH06503008 A JP H06503008A
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ブッツェン エトガル
デヌエル ギュンター
ヴァルター カール・ハインツ
イェーレ フリッツ
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ゲー エム パフ アクチエンゲゼルシャフト
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本縫いミシンにおいて縫製開始時に上糸端の長さを短縮させる方法及び装置 本発明は、請求項1及び6の前提概念に記載の方法及び装置に関するものである 。
多くの縫製作業の場合、特に衣服の製造の場合、縫目の外観を所望通りにするた めには、縫目の糸端は縫製物の下面または衣服の内側にあらねばならない。この 要求は、上糸と下糸を針板の下方で切断するように適宜に構成された糸切断装置 を使用することにより満足される。
このためには、縫製開始時に、緩んでいる上糸端を最初のステッチ形成サイクル の際に縫製物の下面へ引っ張る必要がある。この時、縫製過程開始時に上糸と下 糸とを確実に結合できるようにするためには、未切断過程において、形成された 縫目端部に十分な長さの上糸端が備蓄側に存在しなければならない。しかしなが ら、縫い付けに必要なこの憂い上糸端は、縫目始端部の縫製物下面において、美 観を損ねるいわゆる糸巣を形成させる原因になる。多くの縫製製品の場合、特に 高価な縫製製品の場合、このような糸巣は受容しがたいものであるので、場合に よっては別個の比較的手間のかかる作業でこの糸巣を追加的に除去しなければな らない。
この欠点を解消するため、ドイツ特許第289806号公報から知られているス テッチ群形成ミシンでは、糸切断装置に加えて、縫製開始時に上糸端の長さを短 縮させるための装置が設けられている。この付加的な装置は、捕捉フックで終わ っている糸捕捉アームを有している。
この糸捕捉アームは、糸切断装置の担持ホイールであって鉛直軸線のまわりに回 転可能で二つの切断カッターを担持している担持ホイールに固定されている。針 板の下面には、ばね荷重されている糸クランプが配置されている。糸クランプは 通常は開口しているが、糸捕捉アームに形成されるカム面により閉塞させること ができる。縫製過程の開始時に担持ホイールにたいして回転運動が付与され、こ の回転運動の方向は、未切断過程の開始時に行われる回転運動の方向とは逆であ る。この回転運動により、糸捕捉アームは、最初のステッチの際に針板の下へ引 っ張られる上糸端を、開口した糸クランプの中へ挿入させる。糸捕捉アームがさ らに移動すると、糸クランプはカム面を介して閉塞され、最後に、このカム面か ら突出している上糸端の一部が切断される。この場合捕捉フックは別個のカッタ ーと協働する。二つの縫いステッチを形成した後、糸捕捉アームはホームポジシ ョンへ戻され、その際糸クランプが開口する。
この公知のミシンは、糸切断装置の切断カッターを支持している担持ホイールが 、上糸端を捕捉するための糸捕捉アームを担持する働きをも兼ねているので、装 置を実施する際の技術的な労力は少ないが、上糸端の長さを短縮させるために、 糸を切断する場合よりも大きな角度範囲で共通の担持ホイールを移動させる必要 がある。その結果、これに応じて駆動機構も対応していなければならない。この ため、上糸端の長さを短縮させるためのこの公知の方法は、制御カム板を対応的 に構成することにより担持ホイールの特殊な駆動運動を比較的簡単に実現できる ようなステッチ群形成ミシンに適しているにすぎない。
本発明の課題は、縫製開始時に上糸端の長さを短縮させるたpの方法及び装置を 、技術的労力を少なくして実施することができるように構成することである。こ の課題は、請求項1及び請求項6,8.9により解決される。
上糸端の長さを短縮させるために、既存の糸切断装置の糸捕捉体を使用し、その 際糸捕捉体を、縫目終端部で行われる通常の未切断の場合と同じ運動軌道で移動 させ、本発明にしたがって上糸輪の縫製物側の脚部の代りに備蓄側の脚部、換言 すれば上糸端を捕捉してカッターに供給するという処置により、上糸端の長さの 短縮を比較的簡単に実現することができる。すなわち既存の糸切断装置を、著し い技術的労力なしに、縫製開始時の上糸端短縮のために使用でき、しかも新しい ミシンにも使用できるばかりか、既存のミシンにも追加的に使用することができ る。
請求項2によれば、糸捕捉体は上糸輪の備蓄側の脚部を、または既に上糸輪が解 消されている場合には上糸端を捕捉することができる。この場合、縫製開始時に 上糸端の長さを短縮させるため、糸捕捉体を縫目終端部における未切断の場合よ りも早い時期に捕捉位置へ移動させる必要がある。
請求項3によれば、上糸輪の備蓄側の脚部または上糸を捕捉するため、上糸端の 長さを短縮させるための糸捕捉体は、縫目終端部における未切断の場合と同じ時 点でルーパー位置にたいして移動する。従って、糸捕捉体の駆動をそれぞれ同じ 態様で制御することができる。
請求項2と3に記載の方法では、糸捕捉体は最初のステッチ形成サイクルの経過 時に捕捉位置へ移動せしめられ、その際上糸端の長さを短縮させるために、糸捕 捉体の運動が上糸端または上糸輪の瞬間的な位置に時間的に正確に適合するよう に構成され、即ち上糸端を捕捉位置に侵入させるための補助手段を全(必要とし ていないが、請求項4に記載の方法では、以下のような処置によって上糸端の非 常に確実な捕捉が達成される。即ち、付加的な捕捉要素を形成している繰り抜き 部を備えた糸捕捉体は、針が針板の穿刺穴を最初に貫通する前に、次のような位 置へもたらされ、即ち針が糸捕捉体の繰り抜き部に侵入して上糸端を強制的にこ の繰り抜き部の中へ侵入きせることにより付加的な捕捉要素に上糸端を提供する ような位置へもたらされる。
針が縫製物の送り運動に関与していないミシン、従って針板の穿刺穴が小さいよ うなミシンでは、長さを短縮された上糸端と下糸とを最初に結合させるために必 要な上糸端の保持は、次のようにして実現される。即ち上糸端の一部を切断した 後に縫製物を前進させることにより、押さえ足と針板との間にある上糸端の一部 を水平方向にU字状に引き出し、このようにして押さえ足と縫製物の上面との間 、及び針板と縫製物の下面の間で保持する。
この種の保持は、針送り式ミシンには好ましいものではない。針送り式ミシンの 場合には、穿刺穴は送り方向に延在する長穴であり、その長さは最大調整可能な ステッチ長さに適合しているので、クランプ効果はそれ以後の少なくとも1回の 送りステップ終了後に初めて発生し、調整可能なステッチ長さが短い場合には、 送りステップを数回実施してはじめてこのクランプ効果が発生する。
即ち縫製物の中にある上糸の一部が穿刺穴の端部を越えて前進し、その際針板と 押さえ足の間に達したときにりランプ効果が現われる。このため、針送り式ミシ ンの場合には、下糸との結合のために上糸端を糸クランプによって固持するのが 合目的である。
請求項5の記載の構成にしたがって、糸捕捉体の戻し運動を二つのステップに分 割することにより、糸捕捉体に付設される糸クランプを次のように構成または配 置することが可能になり、即ち上糸端を糸捕捉体の中間位置でのみ糸クランプに より保持し、糸捕捉体がさらに移動した後は、つまり糸捕捉体がホームポジショ ンへ戻ったときには上糸端を解放することが可能になる。従って、糸クランプに 開閉機構を付設する必要がなくなる。
請求項6に記載の装置では、糸切断装置の駆動機構は、ルーバーの二つの異なる 角度位置にたいして始動可能である。上糸輪の両脚部がルーバーの糸案内板から 滑り落ちて別々の方向で穿刺穴まで延在しているときに糸捕捉体を捕捉位置へ移 動させ、その結果縫製物側の上糸輪脚部だけを糸捕捉体が捕捉して縫製物におけ る上糸端の長さを短縮させることは、縫目終端部において糸を切断する上で合目 的である。一方、縫製開始時に上糸端の長さを短縮させるためには、糸捕捉体を 早期に捕捉位置へ移動させ、即ち両上糸脚部が、または既に上糸輪が解消されて いる場合には上糸端が、まだルーバーの糸案内板に接しているときに糸捕捉体を 捕捉位置へ移動させることが合目的である。このようにすると、糸捕捉体は備蓄 側の上糸輪脚部、即ち上糸端をも捕捉することができる。
請求項7に記載の構成にしたがって、糸切断装置の駆動機構として空気圧シリン ダを使用することにより、糸捕捉体を別々の時間に移動させることが特に簡単に 可能になる。
請求項8に記載の構成にしたがって、ルーバーの領域で終わっている圧縮空気管 から圧縮空気を流出させることにより、備蓄側の上糸輪脚部、即ち上糸端を、糸 捕捉体によって捕捉さ゛れるような位置へもたらすことができるばかりでなく、 切断された上糸端をルーバー領域から離隔させ、これによりこの切断された糸部 分をもう一部ルーバーによって把持させて縫目の一部を形成させることも可能に なる。
縫目終端部で切断される糸を捕捉するために用いられる糸捕捉体の捕捉要素の運 動軌道は、一般に穿刺穴にたいして大きな間隔をもっているので、請求項9によ れば、糸捕捉体に、繰り抜き部を形成する付加的な捕捉要素が設けられる。この 場合繰り抜き部は、場合によっては他の捕捉要素をも成すことができる。
糸捕捉体による上糸の確実な捕捉を保証するため、請求項10によれば、繰り抜 き部は穴として形成される。
穴は側方に閉じた境界壁をもっているので、最初のステッチ形成サイクルの間に 針板の下へ引っ張られ、次に糸クランプの中へ挿入されるか、或いは糸クランプ が設けられていない場合には下糸との最初の結合までに自由に制御されずに垂れ 下がる上糸端は、例えばスリット状の繰り抜き部の場合のように側方へ偏位する ことがない。
請求項11と12には、カッターと協働する刃先の構成または配置に関する二者 択一的な解決法が記載されている。
駆動機構として空気圧シリンダを使用する場合、請求項13によれば、縫目終端 部における未切断のための糸捕捉体の捕捉位置と、縫目始端部における上糸端の 長さの短縮のための糸捕捉体の捕捉位置とが同じであるように、繰り抜きまたは 穴の位置が遺定されている。
縫製過程の開始時に上糸を捕捉するための糸捕捉体は、縫製過程の終了時に上糸 と下糸とを捕捉する場合とは別の時間にルーバーの位置に関して捕捉位置へ移動 されねばならないので、糸切断装置の駆動機構が制御カムを有している場合には 、請求項14に記載の構成が提案される。即ち糸捕捉体に付加的な駆動機構が付 設され、糸切断装置の伝動部材の一つが弾性的に構成される。例えば請求項15 に記載の構成に従えば、入れ子式連結棒として構成される。これにより、付加的 な駆動機構を操作すると復帰力が発生する。伝動部材の一つを弾性的に構成する ことにより、制御カムは、形状拘束的に接触を受けるカム溝を有することができ る。この場合接触部材は、縫製開始前に糸捕捉体が捕捉位置へ移動する間、カム 溝にたいする相対接触位置に留まることができる。 −付加的な駆動機構によっ て糸捕捉体を捕捉位置へ前進させる際に、弾性的に構成される伝動部材に生じる 復帰力は、請求項16によれば付加的な駆動機構を空気圧シリンダとして構成す ることを可能にし、該空気圧シリンダを単に力拘束的に糸切断装置の伝動部材の 一つに係合させるようにしさえすればよいことを可能にする。この場合糸捕捉体 は、空気圧シリンダのピストン棒が戻った後に、前もって生じていた復帰力によ りホームポジションへ戻される。
請求項5に記載の方法を実施するため、糸捕捉体を中間位置で静止させる目的で 、請求項17に記載の構成によれば、糸捕捉体または糸切断装置の伝動装置の運 軌道内へ挿入可能であり、またこの軌道から元の位置へ復帰可能な制動部材が設 けられる。糸切断装置の駆動機構が空気圧シリンダである場合には、次のような 利点が得られる。糸捕捉体を制動部材の作用範囲内へもたらすことにより行われ る糸捕捉体の運動の中断は、制動部材が元の位置へ戻った後に引き続き空気圧シ リンダを付勢したときに終了し、しかも駆動機構を新たに制御したり、始動させ る必要なしに行なうことができる。
これにたいして、糸切断装置の駆動機構が、ミシンによって駆動可能な制御カム を有している場合には、制動部材の中間位置への出入によって糸捕捉体を保持さ せる必要があるケースにたいして、請求項18に従って伝動部材の一つを弾性的 に構成するのが合目的であり、例えば請求項19に従って入れ子犬連結棒として 構成するのが合目的である。伝動部材を弾性的に構成することにより、制動部材 が中間位置へ入ったときに制御カムとこれと協働する追従部材との駆動連結を解 除する必要がなく、制御カムから出ている糸捕捉体復帰用駆動力を、前記弾性的 に構成される伝動部材の弾性要素を緊張させることにより蓄積させ、制動部材が 中間位置から出たときに前記駆動力を解放させ、次に糸捕捉体をこの弾性要素を 用いてホームポジションへ戻すことが可能になる。
制御カムを備えている駆動機構を有している糸切断装置に上糸クランプを付設す る場合には、請求項20に記載の構成が提案される。即ち付加的な駆動機構は、 糸捕捉体を二つの作用位置へ移動させるように構成される。
この場合一方の作用位置は、縫製開始時に糸を捕捉する位置であり、他の作用位 置は糸をクランプする位置である。
請求項21によれば、二つの作用位置へ切り換え可能な駆動機構を二つの空気圧 シリンダとして構成する。これら二つの空気圧シリンダは、異なる有効ストロー クを実施する。例えばストローク長さが異なる二つの空気圧シリンダを使用する か、或いはストローク距離が異なる二つの空気圧シリンダを、中間に配置される レバーの二つの個所に、レバーの軸線にたいして半径方向に異なる間隔をもつよ うに係合させる。
次に、本発明のいくつかの実施例を添付の図面を用いて説明する。
第1図は 糸切断装置を備えたミシンの一部分の部分断面図であり、糸切断装置 の駆動機構が空気圧シリンダによって形成されている実施例を示す図、 第2図は ルーパー及び糸切断装置の拡大側面図、第3図は 第2図のA部分の 拡大図、 第4図は 糸切断装置の糸捕捉体の平面図、第5図は 糸切断装置を備えたミシ ンの一部分の部分断面図であり、糸切断装置の駆動機構が制御カムによって行わ れる実施例を示す図、 第6図は 糸切断装置の他の実施例を備えたミシンの一部分の部分断面図、 第7図は 第6図のルーパーと糸切断装置の拡大側面図、 第8図は 糸捕捉時に上糸輪の両脚部がまだルーパーの糸案内板に接していると きの糸の延在態様を説明するためのルーパーの側面図、 第9図は 第8図と同一の時点での糸の延在態様を説明するためのルーパーの平 面図、 第10図は 糸捕捉時に上糸輪の両脚部がルーパーの糸案内板から落下し、圧縮 空気流によって捕捉位置に保持されているときの糸の延在態様を説明するための ルーパーの側面図、 第11図は 第10図と同一の時点での糸の延在態様を説明するためのルーパー の平面図、 第12図は 糸クランプの拡大図、 第13図は 糸切断装置を備えたミシンの一部分の部分断面図であり、糸捕捉体 が上糸端用の付加的な捕捉要素を有し、糸切断装置の駆動が空気圧シリンダによ って行われる実施例を示す図、 第14図は 第13図のルーパーと糸切断装置の拡大側面図、 第15図は 第14図の一部拡大図であり、糸捕捉体が捕捉位置にあるときの図 、 第16図は 糸切断装置の糸捕捉体の平面図、第17図は 糸捕捉体の他の実施 例の平面図、第18図は 糸切断装置を備えたミシンの一部分の部分断面図であ り、糸捕捉体が上糸端用の付加的な捕捉要素を有し、糸切断装置の駆動が制御カ ムによって行われる実施例を示す図、 第19図は ミシンと第18図の糸切断装置との一部分の部分断面図であり、付 加的な駆動機構が糸捕捉体を位置へ移動させることができる実施例を示す図、 第20図は 最初のステッチ形成サイクルを実施する際の糸の延在態様を説明す るためのルーパーの側面図、 である。
!」」す1性 第1図には、ミシンのうちヘッド1と基板2とが図示されている。ヘッド1内に は、公知の態様で駆動される針棒3が配置されている。針棒3は、糸を案内する 針4を担持している。さらにヘッド1内には、同様に公知の態様で駆動される天 秤5と、押さえ足7を担持する押さえ棒6とが配置されている。ヘッド1の背面 には、公知の糸ワイパー8が配置されている。図面には、糸ワイパー8のうち、 ワイヤーから製造されるワイパーレバー9と、該ワイパーレバー9を駆動するた めに用いられる空気圧シリンダ10だけが図示されている。
基板2内には、ルーパー駆動軸11が支持されている。
ルーパー駆動軸11は、伝動装置12を介して下軸13と駆動連結されている。
ルーパー駆動軸11の前端には。
針板14の下方に、二重に回転する本縫いルーパー15が固定されている。ルー パー15は、公知のようにルーパー尖端部17を備えた外釜16を有している。
外釜16の局面には、糸案内板18が固定されている。外釜16には、ボビンケ ース担持体19とボビンケース20とが挿着されている。
ルーパー15の上方には、ミシンの送り機構の布送り21が延在している。布送 り21は、公知の態様で(従って図示していない)下軸13と駆動連結されてお り、その結果四角形運動を行なう。
基板2の下方には、糸切断装置22が配置されている。
糸切断装置22は、ルーパー15に同軸に配置される糸捕捉体23を有する。第 2図では、この糸捕捉体23をそのホームポジションの位置で図示した。糸捕捉 体23は、スリーブ25のアーム24に固定されている。スリーブ25は、ルー パー駆動軸11の支持ブシュ26で回転可能に支持されている。アーム24には 連結棒27が枢着されている。連結棒27は、アングルレバ−29の長さ調整可 能なアーム28に連結されている。アングルレバ−29は、ケーシングに固定さ れた支持台3oで支持される。アングルレバ−29の他のアーム31は、連結棒 32を介して空気圧シリンダ34のピストン棒33に連結されている。空気圧シ リンダ34及びその制御回路の構成は、ドイツ特許第3244996号公報に開 示された糸切断装置の空気圧シリンダ及びその制御回路の構成に対応している。
糸捕捉体23は、自由端に形成される分離尖端部35(第4図)と、これとは逆 の方向へ向けられる糸把持用のフック36とを有している。フック36の底部に は、平らな溝37が形成されている。溝37は、連続する長穴38に通じている 。長大38の、分離尖端部35に隣接しているエツジ39は鋭く構成され、刃先 として用いる。40は、糸捕捉体23の、分離尖端部35とエツジ39との間の 部分である。基板2の継ぎ足し部41 (第2図)には、切断カッター42が固 定されている。切断カッター42の刃先43(第3図)は糸捕捉体23の上面上 にあり、エツジ39と協働する。
継ぎ足し部41には、切断カッター42の上方に板ばね44が固定されている。
板ばね44は、刃先43を越えて突出し、丸く構成された端部部材45で終わっ ている。端部部材45は、糸捕捉体23の運動軌道内に突出している。板ばね4 4は、糸捕捉体23の前記部分40とともに糸クランプ46を形成している(第 12図)。
連結棒27とアングルレバ−29のアーム28との間の枢着部47の下方には、 空気圧シリンダ48が配置されている。空気圧シリンダ4Bのピストン棒49は 、制動部材として用いる止め板50を担持している。
前記糸切断装置22が前記ドイツ特許第3244996号公報に開示されている 糸切断装置と異なるのは、後者の構成に加えて板ばね44と、止め板50を担持 する空気圧シリンダ48とを設けた点にすぎない。
1実施例の作用 縫製過程終了時の糸切断時における糸切断装置22の作用は、前記ドイツ特許第 3244996Jj−公報に開示されている糸切断装置の作用と同一である。従 ってここで詳細に説明する必要はない。ただ次の点は指摘しておかねばならない 。・即ち本発明においては、糸捕捉体23がそのホームポジションから糸捕捉位 置へ運動するのは、糸案内板18が既に上糸輪の両脚部NNとNVから離隔した 後、即ち脚部NNとNVが糸案内板18から落下した後という点である。従って この時点は重要である。なぜなら、水平軸線のまわりを二重に回転する本縫いル ーパーの場合、縫製物側の上糸輪脚部NNはボビンケース20の前面のそばを通 過し、一方備蓄側の上糸輪脚部NVはボビンケース担持体19の背面のそばを通 過し、よって両脚部NNとNVは、糸案内板18から落下した後針板14の穿刺 穴51にたいして異なる角度で延在するからである。このような糸の延在態様で は、糸捕捉体23の分離尖端部35は確実に上糸輪脚部NNとNVとの間を通過 することができ、その際縫製物側の上糸輪脚部NNはフック36によって把持さ れ、糸捕捉体23が後退するときに切断カッター42に供給され、備蓄側の上糸 輪脚部NVは切断カッター42から離隔せしめられる。縫製物側の上糸輪脚部N Nを切断することにより、縫製物の縫目端の領域に短い上糸端が得られ、他方、 次の縫製過程の開始にあたって上糸端を下糸と確実に結合させるために必要な程 度に長い上糸端が備蓄側に得られる。なお、図面では上糸端をNEで示した。要 するに上糸端NEとは、針4から上糸の端部Eまでの部分である。
低回転数で行なわれる縫製過程の開始時には、針4は緩くなっている上糸端NE  (上糸端NEが押さえ足7の下に侵入しないように糸ワイパー8は上糸端NE を固持するンの一部分を穿刺穴51を貫通させて下方へ引っ張る。次に上糸端N Eはルーパー尖端部17によって把持され、ボビンケース担持体19とボビンケ ース20によって形成される内釜のまわりを案内されることにより上糸輪を形成 する。この場合備蓄側の上糸輪脚部NVは、既に述べたようにボビンケース担持 体19の後方に延在しており、一方上糸の端部Eに通じている他の上糸輪脚部N Nはボビンケース20の前面側に延在している。この上糸輪脚部NNは、最初の ステッチ形成後に縫製物側の上糸輪脚部NNを形成する上糸輪脚部と比較可能で ある。このため、上糸の端部Eに通じる上糸輪脚部もNNと記すことにする。
ここで注意すべきことは、布が厚くて硬い場合、最初のステッチ形成サイクルの 際に縫製物内に挿入される上糸にある程度の摩擦力が作用することである。この 摩擦力のために、ルーパー尖端部17によって上糸輪が把持された後、端部Eに 通じる上糸輪脚部NNが固持され、一方針4が縫製物に穿刺された時点でルーパ ー15は、天秤5によって形成されるたるみから成る糸を針溝によって締めなお す。このようにしてルーパー15は、第8図から第11図までに図示するように 、既に最初のステッチ形成過程において完全な上糸輪を形成させることができる 。
これにたいして布が薄くて柔らかな場合には、上糸にたいして極めて小さな摩擦 力しかはたらかない。このため、ルーパー15は、天秤5によって形成されるた るみから成る糸を引っ張るだけでなく、同時に上糸の自由端Eをも下方へ引っ張 る。その結果小さな上糸輪だけが形成される。この小さな上糸輪は、第8図から 第11図までに図示したルーパーの位置では既に解消されている。
上糸輪が解消した後、上糸端NEは針板14の下方で自由にぶら下がり、その際 備蓄側の上糸輪脚部NVと同一の位置にある。即ちボビンケース担持体19の後 方にある。従って、自由にぶら下がっている上糸端NEを糸捕捉体23によって 捕捉する際は、備蓄側の上糸輪脚部NVを捕捉する場合と同様の状況にあるので 、以後の作用を説明するにあたっては、糸捕捉の時点でまだ存在している上糸輪 の場合のシチュエーシ田ンに関してのみ説明することにする。
ルーパー15が第8図に図示した回転位置にあるとき、即ち糸案内板18の端部 部分がまだ穿刺穴51の領域にあり、従って雨上糸輪脚部NNとNVとが互いに 横に並んで糸案内板18に接しているとき、空気圧シリンダ34が付勢されて糸 捕捉体23がそのホームポジションから第8図及び第9図に図示した糸捕捉位置 へ移動する。
この糸捕捉位置においては、フック36は雨上糸輪脚部NN、NVの前方にある 。糸捕捉体23がその糸捕捉位置に達した後、空気圧シリンダ48が付勢されて 、止め板50が上部位置に移動し、この位置で止め板50は枢着部47の回動範 囲内にある。
内釜のまわりに上糸輪がさらに巻きつけられると、上糸の端部Eは針板14の下 方へ引っ張られ、次に上糸輪が解消され、この時点で自由にぶら下がる上糸端N Eは、それ以前に備蓄側の上糸輪脚部NVを形成していた部分によって糸捕捉体 23に接触する。
この最初のステッチ形成サイクルの間に天秤5が上死点に達すると、ミシンが短 時間停止され、糸捕捉体23が空気圧シリンダ34によりそのホームポジション の方向へ後退せしめられる。その際糸捕捉体23は上糸端NEを連行し、板ばね 44の端部部材45の下方へ引っ張る。
止め板50が枢着部47の回動範囲内にあるので、この時点で糸捕捉体23は完 全にそのホームポジションへ後退することはできず、第12図に図示した位置に 留まっている。この位置で前部部分40は端部部材45の下方にあり、この端部 部材45とともに糸クランプ46を形成し、エツジ39はまだ切断カッター42 の刃先43の前方に間隔をもって位置している。また糸捕捉体23がこの位置に ある時には、穿刺穴51から来ている上糸端NEは、糸捕捉体23の前部部分4 0と端部部材45との間にあり、且つこれらによってクランプされている。
次にこのクランプ位置から上糸端NEは刃先43の下方を通過し、長穴38を越 え、溝37を通過し、フック36の底部から自由にぶら下がる。
アングルレバ−29が空気圧シリンダ34のピストン棒33と形状拘束的に連結 されているので、空気圧シリ−ンダ34の図示していないピストンも、止め板5 oにより、その終端位置への移動を阻止されている。
上糸端NEが糸クランプ46に挿入された後、ミシンは第2回目のステッチ形成 サイクルを実施する。このステッチ形成サイクルの間空気圧シリンダ34は付勢 されたままであり、従って枢着部47は止め板5o及び糸捕捉体23に当接して 糸クランプ位置に保持される。この第2回目のステッチ形成サイクルの間上糸端 NEは固持されるので、ルーパーは上糸輪全体を引き出して内釜のまわりに巻き つけ、その際下糸Gの自由端を把持する。
続いて天秤5が上昇することにより、上糸輪が引っ張り戻され、縫製物内での上 糸と下糸との最初の連結部が引き締められる。
第2回目のステッチ形成過程のときに天秤5が上死点に達すると、ミシンが新た に短時間停止せしめられ、空気圧シリンダ48が切り換え制御される。その結果 空気圧シリンダ48は、止め板50を枢着部47の回動範囲から引っ張りだす。
その結果、相変わらず付勢されている空気圧シリンダ34のピストン(図示せず )はその終端位置へ戻され、糸捕捉体23は第2図と第3図に図示したホームポ ジションへ戻し回動せしめられる。この場合上糸端NEの一部が刃先43とエツ ジ39の協働により切断される。糸切新漬短縮された、縫目始端部にある上糸端 は、縫目終端部で行なわれる糸切新漬に縫製物に残っている糸端と同じ長さを有 している。縫製開始時に上糸端を短縮することにより、縫目始端部におけるいわ ゆる糸巣(Fidennes+er)が確実に回避される。
実施例2 第5図に図示した第2実施例では、ミシンの構成はルーパーを含めて第1実施例 のそれと同一であり、よって同一の部材には同一の符号を付すことにする。同様 に60の符号を付した糸切断装置も第1実施例とローであり、即ちその構成は糸 捕捉体23からアングルレバ−29にいたるまで糸切断装置22のそれと同一で ある。
さらに糸切断装置60は、同様に切断カッター42の上方に配置される板ばね4 4を有している。板ばね44は、一定の位置にある糸捕捉体23とともに糸クラ ンプを形成している。最後に、第1実施例の場合と同様に、アングルレバ−29 の枢着部47には、止め板50を担持する空気圧シリンダ48が付設されている 。
糸捕捉体23の駆動は、ドイツ特許第3819135号公報の場合と同様に、下 軸13に固定されている制御カム61によって行なわれる。制御カム61は、制 御溝62と制御セグメント63とを有している。下軸13に平行に、軸方向に移 動可能な軸64が設けられている。
軸64には、ローラービン65を備えた制御レバー66と、作動レバー67とが 固定されている。軸64の支持ブシュ68には、制動爪69が回転自在に支持さ れている。軸64に巻回されているばね7oは、一端を制御レバー66に、他端 を制動爪69に支持され、制動爪69を制御セグメント63の方向へ回動させる とともに、ローラービン65を回動させて制御溝62から抜は出させる。同時に ばね70は圧縮ばねとして用いられ、軸64を第5図に図示した右側の終端位置 へ移動させる。この位置でローラービン65は、ミシンが針路し位置に達したと きに制御溝62に対向する。
作動レバー67には、ばね付勢される始動レバー(図示せず)が付設されている 。始動レバーは、同様に図示していない電磁石によって操作可能である。始動レ バーの配置と構成は、ドイツ特許第3819135号公報に開示されている糸切 断装置の始動レバーに対応している。
右側の終端位置にある制御レバー66の側方には、制動部材71が固定されてい る。制動部材71は、制動レバー66が制御カム61から離隔した静止位置にあ るときにのみ制御レバー66にたいして、軸方向に作用する運動制動部を形成し 、これにたいして制御レバー66が作動位置に回動したときには該制御レバー6 6がその下を通過するように配置され、構成されている。
軸64のルーバー15側の端部には、連行体72が回転可能に、しかし軸方向に は位置固定されて支持されている。連行体72は、入れ子犬連結棒73を介して アングルレバ−29のアーム31に連結されている。入れ子犬連結棒73は、一 端をアングルレバ−29に枢着されている棒74を有している。棒74の他端は ねじ山を備え、対応的に構成されたスリーブ75にねじ止めされている。スリー ブ75内には、ピストン状の止め部材76が収納されている。止め部材76は、 スリーブ75の底部を貫通している棒77の一端に固定されている。棒77の他 端は、連行体72に枢着されている。止め部材76には、横に突出するビン78 が設けられている。ビン78は、スリーブ75に設けた長穴79を貫通している 。
スリーブ75に設けられた圧縮ばね80は、止め部材76を第5図に図示したホ ームポジションに保持し、この位置でビン78は長穴79の左側の端部に接する 。
基板2の下方には、圧縮空気管81が敷設されている。
圧縮空気管81は、ルーパー15の上方にあり開口している端部部材82を有し ている。圧縮空気管81の、端部部材82の前方にある部分は、ルーパーの回転 軸線にほぼ平行であり、従って端部部材82から排出される圧縮空気も同様にル ーパーの回転軸線にほぼ平行に向けられ、その際第5図によればルーパー15の 背面から左側へ前面の方向へ排出される。
2実施例の作用 第5図に図示した第2実施例の場合、制御カム61が下軸13にたいして固定し て付設されているので、糸捕捉体23は、二つの異なる切断過程の際に、即ち縫 目の終端部における糸切断の際と、縫製開始時の上糸端短縮の際に、ルーパー1 5が同じ相対回転位置にあるときにのみ、その糸捕捉位置へ移動することができ る。
縫目終端部において糸を切断するときには、糸捕捉体23が上糸輪の縫製物が脚 部だけを捕捉することが必要なので、既に第1実施例において述べたように、糸 捕捉体23がそのホームポジションから糸捕捉位置へ移動せしめられるのは、糸 案内板18が既に上糸輪の両脚部NNとNVから離隔し、これら両脚部が穿刺穴 51にたいして異なる角度を成して延びている場合である。この場合、縫製物側 の上糸輪脚部NNはボビンケース20の前面側に延在し、備蓄側の上糸輪脚部N Vはボビンケース担持体19の背面側に延在している。
これにたいして、縫製開始時に上糸端を短縮させるためには、備蓄側の上糸輪脚 部NVが捕捉されて切断カッター42へ供給される必要があるので、本第2実施 例の場合には、備蓄側の上糸輪脚部NVは、糸案内板】8から落下するにもかか わらず、捕捉に適正な位置にあらねばならない。このため、最初のステッチ形成 サイクルの開始とともに圧縮空気管81に圧縮空気が供給される。
この時点で端部部材82から流出する圧縮空気流は、備蓄側の上糸輪脚部NVを 、糸案内板18から落下後ルーパー15の前面方向へ押す。この場合の圧縮空気 流の強さは次のように選定されており、即ち備蓄側の上糸輪脚部NVが、糸捕捉 体23の運動軌道領域において、雨上糸輪脚部NNとNVがまだ糸案内板18に 接しているときとほぼ同一の長さを有するように選定されている。
縫製開始時に上糸端を短縮させるため、ミシンは最初のステッチ形成過程の際に 針路し位置で短時間停止せしめられる。ミシンがこの位置にあるとき、制御カム 61の制御溝62は次のような位置を占めており、即ち制御レバー66の簡単な 回動によりローラービン65が制御溝62の中へ侵入できるような位置を占めて いる。
ミシンの踏板を後方へ踏むときのスイッチ操作により、糸切断装置60に付設さ れる電磁石が短時間、且つその直後にミシンの駆動モータを新たに通電させる。
前記電磁石により、図示していない始動レバーと作動レバー67により制御レバ ー66が回動せしめられ、ローラービン65が制御溝62の中へ侵入する。同時 にばね70が制動爪69を回動させ、該制動爪69は、作動位置に回動せしぬら れている制御レバー66の位置を固定する。
下軸13のこれに続く回転の閏、制御カム62の、斜めに延びている部分は、制 御レバー66を介して軸64を第5図のホームポジションから左側へ移動させる 。この移動は、入れ子式連結棒73を介してアングルレバ−29へ伝えられ、そ の結果糸捕捉体23はそのホームポジションの位置から第10図と第11図に図 示した糸捕捉位置へ移動せしめられる。既に述べたように、糸捕捉体23の移動 が行なわれるのは、糸案内板18が既に雨上糸輪脚部NNとNVから離隔してい るときである。しかしながら、端部部材から流出する圧縮空気流により、糸捕捉 体23の、フック36が存在している側に、雨上糸輪脚部NNとNVがあるよう に保証されている。糸捕捉体23がその糸捕捉位置に達した後、空気圧シリンダ 48が付勢されて止め板50は上部位置へ移動し、この位置で止め板50は枢着 部47の回動範囲に位置する。
内釜のまわりに上糸輪がさらに巻きつけられと、上糸端Eは針板14の下方へ引 っ張られる。次に上糸輪が解消され、上糸端NEは、それ以前に備蓄側の上糸輪 脚部NVを形成していた部分によって糸捕捉体23と接触する。
制御溝62は、天秤5が上死点にある時に糸捕捉体23をそのホームポジション の方向へ戻すように構成されている。糸捕捉体23が逆方向へ移動することによ り、上糸端NEはフック36によって連行されて板ばね44の下方へ引っ張られ る。
止め板50が枢着部47の回動範囲内にあるので、この時点で糸捕捉体23は完 全にそのホームポジションへ戻ることができず、第1実施例の場合同様に、第1 2図に図示した位置に停止したままであり、上糸端NEをクランプ保持している 。
ローラービン65が制御溝62に係合している量制御レバー66は制御カム61 と形状拘束的に結合しているので、制御レバー66は止め板50が枢着部47の 回動範囲にあるにもかかわらずホームポジションへ戻される。
この場合棒77は止め部材76とともに、固持されているスリーブ75にたいし て相対移動し、これによって圧縮ばね80が緊張せしめられる。
制御レバー66の戻り運動が終了するころ、制#セグメント63は制動爪69を 回動させ、これにより、図示していない始動レバーが自由になり、そのホームポ ジションへ戻される。これによりばね70は制御レバー66を制御カム61から 押し離し、その結果ローラービン65は制御溝62から抜は出す。制御レバー6 6がこの位置にあるとき、緊張せしめられている圧縮ばね80は制御レバー66 を制動部材71に側方から接触させる。
上糸端NEが糸クランプ46に挿入された後、ミシンは第2回目のステッチ形成 サイクルを実施する。この場合、緊張せしめられている圧縮ばね80により、枢 着部47が止め板50に接触保持されるとともに、糸捕捉体23が糸クランプ位 置に保持される。第2回目のステッチ形成サイクルの間上糸端NEが固持される ので、ルーパー15は完全な上糸輪を引き出して内釜のまわりに巻きつけ、その 際下糸Gの自由端を把持する。続いて天秤5が上方へ移動することにより、上糸 輪は引っ張り戻され、縫製物内の上糸と下糸との最初の糸結合部が引き締められ る。
この第2回目のステッチ形成サイクルの間に天秤5が上死点に達すると、ミシン は新たに短時間停止せしめられ、次に空気圧シリンダ48が切り換えられる。そ の結果空気圧シリンダ48は、止め板50を枢着部47の回動範囲から引き出す 。その結果圧縮ばね80はスリーブ75を第5図に図示した終端位置へ戻し、そ の際糸捕捉体23をホームポジションから回動させる。この場合、第1実施例の 場合と同様に、上糸端NEの一部が切断される。切断された部分は、端部部材8 2から流出する空気流によってルーパー15から離隔せしめられ、その結果、次 のステッチ形成過程のときに、この切断された糸の一部分が誤って一緒に縫われ ることが確実に回避される。この付加的な機能を満足させるため、上糸端を短縮 させた後の一定時間(調整可能)経過した後に初めて圧縮空気の供給が止められ る。
さらに圧縮空気流は別の利点をもっており、即ち糸捕捉体が捕捉位置へ回動する ときに、下糸の緩んでいる端部をフック36の捕捉領域から遠ざけておくという 利点をもっている。圧縮空気流がこのような付加的な利点をもっているため、第 1実施例の場合にも、圧縮空気管81に相当する圧縮空気管を設けることが合目 的である場合がある。
見立X車重 第6図と第7図に図示した第3実施例は、ルーパーを含めてミシンの構成が第1 実施例のそれと同一であるので、同一の部材には同一の符号を付すことにする。
糸切断装置90は、糸捕捉体の配置及び糸捕捉体を駆動するための駆動装置の構 成に関して糸切断装置22と同一であるので、糸切断装置90の同一の部材にた いしては糸切断装置22で使用した符号を付すことにする。
糸切断装置90が糸切断装置22と異なるのは、糸クランプと、アングルレバ− 29の枢着部47の運動軌道に挿入可能な制動部材とが設けられていないことで ある。
さらに、基板2の継ぎ足し部に固定される切断カッターの代りに、針板4に固定 される切断カッター91が設けられる。切断カッター91の刃先92は、第1実 施例における刃先43に比べて、穿刺穴51にたいしてより短い距離を保ってい る。このように穿刺穴51にたいして糸切断装置90の刃先の位置が短い間隔に なっていることにより、これに対応して糸捕捉体23が長く構成される。この場 合糸捕捉体23の前部領域、即ちフックから分離尖端部までの領域は、第1実施 例の糸捕捉体23の場合と同様に構成することができる。
3実施例の作用 第3実施例の場合も、糸捕捉体23を駆動するために任意の時点で付勢可能な空 気圧シリンダ34が使用されているので、糸捕捉体23は、縫製開始時に上糸端 を短縮させるため、次のような時点でその糸捕捉位置に回動せしめられ、即ち糸 案内板18の端部部分がまだ穿刺穴51の領域にあり、従って上糸輪の両脚部N NとNVが第8図と第9図に示すように互いに横に並んで糸案内板18に接して いるときに糸捕捉体23は糸捕捉位置へ回動せしめられる。この限りでは、本第 3実施例の作用は第1実施例の作用と同一である。
最初のステッチ形成サイクルがさらに進行すると、ルーパー15は第1実施例の 場合同様に上糸端を針板14の下方へ引っ張る。次に上糸輪が解消され、そして 上糸の、それ以前に備蓄側の上糸輪脚部NVを形成していた部分だけが、糸捕捉 体23に接触する。
この第1回目のステッチ形成サイクルの間に天秤5が上死点に達すると、ミシン が短時間停止せしめられ、空気圧シリンダ34が切り換えられる。これによって 糸捕捉体23がそのホームポジションに戻される。その際糸捕捉体23は上糸端 NEを連行する。本第3実施例では、第1実施例とは異なり、糸捕捉体23は中 断なく完全にホームポジションへ戻され、その際上糸端NEの一部が切断される 。刃先92と穿刺穴51との間隔が特に狭いので、縫製物には非常に短い上糸端 が得られる。
最初のステッチ形成過程が終了した後、縫製物はミシンの布送り21によって移 動されて、上糸の縫製物中にある部分が押さえ足7の下へ達し、該押さえ足7と 針板14の間で摩擦により保持される。この場合の、上糸端にたいする有効な保 持力は、次のステッチ形成サイクルにおいて上糸輪を形成させて内釜のまわりに 完全に巻きつけるために十分な保持力である。従って、上糸と下糸との申し分の ない結合が得られる。
見土叉亙里 第13図に図示したミシンは、第1実施例のミシンとほぼ同一に構成され、よっ て同一の部材にたいしては同一の符号を使用することにする。
基板2の下方には、糸切断装置100が配置されている。糸切断装置100の構 成は、大体において第1実施例の糸切断装置22の構成に対応している。従って 、糸切断装置100の構成要素のうち第1実施例の糸切断装置22の構成要素と 同一の部材にたいしては、同一の符号を付すことにする。糸切断装置100は、 ルーパー15に同軸に配置されている糸捕捉体101を有している。糸捕捉体1 01は、第14図に図示した位置ではホームポジションに′ある。糸捕捉体10 1は、スリーブ25のアーム24に固定されている。スリーブ25は、ルーパー 駆動軸11の支持ブシュ26に回転可能に支持されている。アーム24には、連 結棒27が枢着されている。連結棒27は、アングルレバ−29の長さ調整可能 ナアーム28に連結されている。アングルレバ−29は、ケーシングに固定され る支持台30によって担持される。アングルレバ−29の他のアーム31は、連 結棒−32を介して空気圧シリンダ34のピストン棒33に連結されている。空 気圧シリンダ34とその制御回路の構成は、ドイツ特許第3244996号公報 に開示されている糸切断装置の空気圧シリンダ及びその制御回路に対応している 。
糸捕捉体101は、自由端に形成される分離尖端部102(第16図)と、これ とは逆の方向へ向けられる糸捕捉用のフック103とを有している。フック10 3は切欠き104によって形成され、第1の捕捉要素を形成している。フック1 03の底部には、平らな溝105が形成されている。溝105は、連続している 長穴106に通じている。長大106の、分離尖端部102に隣接しているエツ ジ107は、鋭く構成されていて刃先を形成している。
糸捕捉体101には、切欠き104にたいして側方に間隔をもって貫通穴108 が設けられている。貫通穴108の境界面109は第2の捕捉要素を形成してい る。
貫通穴108は、平らな溝110を介して長穴106に連結されている。糸捕捉 体101の、分離尖端部102とエツジ107の間の前部分を111で示す。
針板14の下面には、切断カッター112が固定されている。切断カッター11 2の刃先113は、針板14の穿刺穴51にたいして比較的狭い間隔をもってい る。
4実施例の作用 縫製過程の終了時に光切断を行なう際の糸切断装置100の作用は、ドイツ特許 第3244996号公報に記載の糸切断装置の場合と同一である。よってこれに 関しては詳細に説明しない。ただ指摘しておかねばならないことは、本実施例の 場合糸捕捉体101そのホームポジションから糸捕捉位置へ移動せしめられるの は、糸案内板18が既に上糸輪の両脚部NNとNVから離隔した場合、または両 脚部NNとNVが糸案内板18から落下した場合であるという点である。従って この時点は重要である。なぜなら、水平軸線のまわりに二重に回転する本縫いル ーパーの場合には、縫製物側の上糸輪脚部NNがボビンケース20の前面のそば を通過し、備蓄側の上糸輪脚部NVがボビンケース担持体19の背面のそばを通 過し、従って両脚部NNとNVは糸案内板18から落下後針板14の穿刺穴51 にたいして異なる角度で延在するからである。このように糸が延在すると、糸捕 捉体101はその分離尖端部102によって確実に上糸輪脚部NNとNVの間を 通過することができ、その際縫製物側の上糸輪脚部NNがフック103によって 捕捉されて、糸捕捉体101が戻るときに切断カッター113に供給され、備蓄 側の上糸輪脚部NVは切断カッター113から離隔保持される。縫製物側の上糸 輪脚部NNを切断することによって所望の短い上糸端が縫製物の縫目端領域で得 られ、一方備蓄側の上糸に関しては、次の縫製過程の開始時に上糸端と下糸とを 確実に結合させるために十分なほど長い、備蓄側の上糸端が得られる。なお図面 では、上糸端をNEで示したが、この上糸端NEは、針4から上糸の本来の端部 Eまで達する糸部分である。
最初のステッチ形成サイクルを開始する前に、空気圧シリンダ34が付勢され、 その結果糸捕捉体101は第13図と第14図に図示したホームポジションから 第15図と第20図に図示した糸捕捉位置へ移動する。この糸捕捉位置で針4の 運動軌道Nは貫通穴108の中心を貫通する。
次に低回転数で最初のステッチ形成サイクルを開始するにあたって、針4が緩く なっている上糸端NE(上糸端NEが押さえ足7の下方へ達しないようにするた めに糸ワイパー8が作用する)の一部分を、穿刺穴51と糸捕捉体101の貫通 穴108を貫通するように下方へ引っ張る。次に上糸端NEがルーバー尖端部1 7によって捕捉されて、上糸輪として、ボビンケース担持体19とボビンケース 20とによって形成される内釜のまわりに巻きつけられる。この場合、既に述べ たように、備蓄側の上糸輪脚部NVはボビンケース担持体19の後方に延在し、 一方上糸の端部Eに通じる他の上糸輪脚部は、ボビンケース20の前面側に延在 する。この上糸輪脚部は、最初のステッチ形成後に縫製物側の上糸輪脚部NNを 形成する上糸輪脚部に対応している。このため、本来の端部Eに通じる上糸輪脚 部も同様にNNで表すことにする。
内釜の周囲に上糸輪が巻き付けられる過程が進行する間、上糸の端部Eは針板1 4の下方へ引っ張られ、次Iこ上糸輪が解消され、上糸端NEは糸捕捉体101 の貫通穴108から自由にぶら下がる。しかしこの場合、上糸端NEが常に貫通 穴108を貫通して延在し、従って糸捕捉体101によって捕捉され、しかも上 糸端NEの残りの部分がどのように、且つどこに延在しているかに全く関係なく 捕捉されることが保証されている。
この第1回目のステッチ形成サイクルの間に天秤5が上死点に達すると、ミシン が短時間停止せしめられ、空気圧シリンダ34が切り換えられる。これによって 糸捕捉体101がそのホームポジションに戻される。その際糸捕捉体101は上 糸端NEを連行する。本第4実施例では、第1実施例とは異なり、糸捕捉体10 1は中断なく完全にホームポジションへ戻され、その際上糸端NEの一部が切断 される。刃先114と穿刺穴51との間隔が特に狭いので、縫製物には非常に短 い上糸端が得られる。
最初のステッチ形成過程が終了した後、縫製物はミシンの布送り21によって移 動されて、上糸の縫製物中にある部分が押さえ足7の下へ達し、該押さえ足7と 針板14の間で摩擦により保持される。この場合の、上糸端にたいする有効な保 持力は、次のステッチ形成サイクルにおいて上糸輪を形成させて内釜のまわりに 完全に巻きつけるために十分な保持力である。従って、上糸と下糸との申し分の ない結合が得られる。
本第4実施例では、第16図に図示した糸捕捉体101の代りに、第17図に図 示した糸捕捉体121が使用される。糸捕捉体121は、はぼ糸捕捉体101の 構成に等しい。糸捕捉体121も同様に分離尖端部122と、フック123とを 有している。フック123は切欠き124によって形成され、第1の捕捉要素を 形成している。さらにフック123の底部には平らな溝125が形成されている 。溝125は、貫通する長穴126に通じている。長大126の、分離尖端部1 22に隣接するエツジ127は、鋭く構成されていて刃先として用いられる。
糸捕捉体121には、切欠き124にたいして側方に間隔をもって貫通穴128 が設けられている。貫通穴128の境界面129は第2の捕捉要素を形成してい る。
貫通穴128の分離尖端部129側の縁領域140であって、糸捕捉体121の 上面に位置している縁領域140は、鋭く形成されていて刃先として用いられる 。
141は、糸捕捉体121の、分離尖端部122とエツジ127との間の前部部 分である。糸捕捉体121には、糸捕捉体101と同様に切断カッター113が 付設されている。しかしこの場合切断過程は、糸捕捉体121のエツジを鋭くし た縁領域と切断カッター113の刃先114との協働により行なわれる。糸捕捉 体121を使用する際の他の作用経過は糸捕捉体101の場合と同様であり、よ ってその詳細な説明は省略する。
見立叉亙亘 第18図に図示した第5実施例でのミシンの構成は、ルーパーの構成をも含めて 第4実施例のそれと同一であり、従って同一の部材にたいしては同一の符号を付 す。
140で示した糸切断装置の構成に関しても同様であり、即ち糸切断装置140 の構成は、糸捕捉体101からアングルレバ−29にいたるまで糸捕捉装置10 0の構成と同一である。
糸捕捉体101の駆動は、第5図に図示した第2実施例の場合と同様に、下軸1 3に固定された制御カム61によって行なわれる。制御カム61は、制御溝62 と制御セグメント63とを有している。下軸13に平行に、軸方向に移動可能な 軸64が配置されている。軸64上には、ローラービン65を備えている制御レ バー66と、作動レバー67とが固定されている。軸64の支持ブシュ68には 、制動爪69が回転自在に支持されている。
軸64に巻回されているばね70は、一端を制御レバー66に、他端を制動爪6 9に支持され、制動爪69を制御セグメント63の方向へ回動させるとともに、 ローラービン65を回動させて制御溝62から抜は出させる。
同時にばね70は圧縮ばねとして用いられ、軸64を第18図に図示した右側の 終端位置へ移動させる。この位置でローラービン65は、ミシンが針路し位置に 達したときに制御溝62に対向する。作動レバー67には、ばね付勢される始動 レバー(図示せず)が付設されている。
始動レバーは、同様に図示していない電磁石によって操作可能である。
右側の終端位置にある制御レバー66の側方には、制動部材71が固定されてい る。制動部材71は、制動レバー66が制御カム61から離隔した静止位置にあ るときにのみ制御レバー66にたいして、軸方向に作用する運動制動部を形成し 、これにたいして制御レバー66が作動位置に回動したときには該制御レバー6 6がその下を通過するように配置され、構成されている。
軸64のルーパー15側の端部には、連行体72が回転可能に、しかし軸方向に 配置固定されて支持されている。連行体72は、入れ子式連結棒73を介してア ングルレバ−29のアーム31に連結されている。入れ子式連結棒73は、一端 をアングルレバ−29に枢着されている棒74を有している。棒74の他端はね じ山を備え、対応的に構成されたスリーブ75にねじ止めされている。
スリーブ75内には、ピストン状の止め部材76が収納されている。止め部材7 6は、スリーブ75の底部を貫通している棒77の一端に固定されている。棒7 7の他端は、連行体72に枢着されている。止め部材76には、横に突出するビ ン78が設けられている。ビン78は、スリーブ75に設けた長穴79aを貫通 している。長穴79aは、第5図に図示した第2実施例での対応する長穴79よ りもかなりの程度長く構成されている。スリーブ75に設けられた圧縮はね80 は、止め部材76を第18図に図示したホームポジションに保持し、この位置で ビン78は長穴79の左側の端部に接する。
糸切断装置140には、付加的な駆動機構が定置の空気圧シリンダ141として 付設されている。空気圧シリンダ141のピストン棒142は止め板143を担 持している。空気圧シリンダ141を付勢すると、止め板143はアングルレバ −29の枢着部47に接し、糸捕捉体101を第15図と第20図に図示した捕 捉位置へ回動させる。
5実施例の 用 第18図に図示した本第5実施例の場合、縫製開始時に上糸端を短縮させるため には、縫目端での糸切断とは別の位置にルーパーがある時に糸捕捉体101を移 動させねばならず、−力制御カムロ1が下軸13にたいして固定して付設されて いるので、糸捕捉体101を制御カム61によって必要な態様で駆動することが できないので、最初のステッチ形成サイクルを開始する前に糸捕捉体101を空 気圧シリンダ141により捕捉位置へ移動せしめ、この位置で針4の運動軌道N が貫通穴108の中心を通るようにする。
糸捕捉体101が捕捉位置へ前進する間に制御し/<−66は、制御カム61か ら離隔した静止位置にあり、この静止位置で制動部材71が制御レバー66及び これを担持している軸64にたいして、軸方向に作用する運動制動部を形成して いるので、アングルレバ−29によって駆動されるスリーブ74と該スリーブ7 4内に収容されている止め部材76との間で相対運動が行なわれ、その際圧縮ば ね80が圧縮される。
次に低回転数で最初のステッチ形成サイクルを開始するにあたって、針4が緩く なっている上糸端NEの一部分を、穿刺穴51と糸捕捉体101の貫通穴108 を貫通するように下方へ引っ張る。次に上糸端NEがルーツ(−尖端部17によ って捕捉され、完全に針板4の下へ引っ張られる。この場合、この時点で自由に ぶら下がっている上糸端NEは、貫通穴108を貫通している。
この最初のステッチ形成サイクルの間に天秤5が上死点に達すると、ミシンが短 時間停止せしめられ、空気圧シリンダ141が切り換えられる。次に、弛緩して しする圧縮ばね80がスリーブ74とアングルレノく−29とを介して糸捕捉体 101を第18図に図示したホームポジションへ引っ張る。この場合、糸捕捉体 101のエツジ107と切断カッター113の刃先114との協働により、上糸 端NEの一部が切断される。
この最初のステッチ形成過程が終了した後、縫製物はミシンの布送り21によっ て移動されて、上糸の縫製物中にある部分が押さえ足7の下へ達し、該押さえ足 7と針板14の閏で摩擦により保持される。これにより、次のステッチ形成サイ クルの際に完全な上糸輪が形成され、従って上糸と下糸との申し分のない結合が 得られるように保証されている。
に[3」1倒− 第19図に図示した第6実施例の場合、ミシンの構成はルーパーをも含めて第1 8図に図示した第5実施例のそれと同一であり、従って同一の部材にたいしては 同一の符号を付す。150で示した糸切断装置の構成に関しても同様であり、即 ち糸捕捉体101は、第5実施例の場合と同一の駆動機構に連結されている。対 応する部材は同一構成なので、第19図にはアングルレバ−29のアーム28だ けを図示し、駆動機構の他の部分は省略した。
糸捕捉体101には、第19図において一点鎖線で示した切断カッター151が 付設されている。切断カッター151は、第2図に図示した第1実施例の切断カ ッター42と同様に構成され、配置されている。切断カッター151の上方には 、同様に一点鎖線で示した板ばね152が固定されている。板ばね152は、糸 捕捉体101の部分111とともに糸クランプ153を形成する。
アングルレバ−29の下方には、位置固定して支持されているピン154上に設 けられた単腕のし/<−155が設けられている。レバー155には第1の空気 圧シリンダ156が付設されている。空気圧シリンダ156は、ピストン棒]5 7に固定される止め板158を有してl/Xる。自由端が止め板158に載置さ れているレバー155は、ピストン棒157が引き戻されたときほぼ水平に延在 する。空気圧シリンダ156は、大体においてアングルレバ−29の枢着部47 の下方に配置されている。
第1の空気圧シリンダ156から側方に間隔をもって、同じ大きさの第2の空気 圧シリンダ159が位置固定して配置されている。そのピストン棒160は、止 め板161を担持している。止め板161とし/<−155との接触個所は、ピ ン154と、レバー155と止め板158の接触個所との間にある。雨空気圧シ リンダ156と159は、糸切断装置150のための共通の付加的な駆動機構を 形成している。
6実施例の 用 最初のステッチ形成サイクルを開始する前、糸捕捉体101は空気圧シリンダ1 59と枢着部47に係合しているレバー155とにより捕捉位置へ移動され、こ の位置では針4の運動軌道Nは貫通穴108の中心を貫通する。糸捕捉体101 が捕捉位置へ前進すると、第5実施例の場合同様に入れ子穴連結棒73の圧縮ば ね80が圧縮される。
次に低回転数で最初のステッチ形成サイクルを開始するにあたって、針4が緩く なっている上糸端NEの一部分を、穿刺穴51と糸捕捉体101の貫通穴108 を貫通するように下方へ引っ張る。次に上糸端NEがルーツく−尖端部17によ って捕捉され、完全に針板4の下へ引っ張られる。この場合、この時点で自由に ぶら下がっている上糸端NEは、貫通穴108を貫通している。
糸捕捉体101がその捕捉位置へ達した後、空気圧シリンダ156が付勢されて 止め板158は上部位置へ移動する。しかしこの位置で止め板158は、他の空 気圧シリンダ159によって上方へ回動されたれノ(−155の自由端にたいし て相変わらず間隔をもっている。
この最初のステッチ形成サイクルの間に天秤5が上死点に達すると、ミシンが短 時間停止せしめられ、空気圧シリンダ159が切り換えられる。次に、弛緩して いる圧縮ばね80が糸捕捉体101をそのホームポジションの方向へ引っ張り戻 す。この場合糸捕捉体101は、貫通穴108を貫通している上糸端NEを連行 し、第1実施例の場合と同様に板ばね152の下へ引っ張る。
空気圧シリンダ156の、持ち上げられた位置にある止め板158により、糸捕 捉体101はこの時点でまだ完全にはそのホームポジションへ戻ることができず 、第12図に図示した位置に留まっており、この位置でその前部部分111は板 ばね152の終端部材の下方にある。
前部部分11は板ばね152とともに糸クランプ153を形成し、エツジ107 は切断カッター151の刃先にたいしてまだ間隔をもっている。糸捕捉体101 がこの位置にあるとき、穿刺穴51から来ている上糸端NEは板ばね151の端 部と糸捕捉体101の前部部分111との間にあり、且つこれらの間で締め付け られている。
次に、この締め付は位置から上糸端NEは切断カッター151の刃先の下方を通 って、長穴106を越え、溝110と貫通穴108を通り、貫通穴108から自 由にぶら下がる。
上糸端NEが糸クランプ153に挿入された後、ミシンは第2のステッチ形成サ イクルを実施する。この場合上糸端NEが固持されるので、ルーパー15は内釜 のまわりに完全な上糸輪を巻き付け、その際下糸Gを把持する。続いて天秤5が 上昇運動することにより、上糸輪が引き戻され、上糸と下糸との最初の結合部が 縫製物中で引き締められる。
この第2のステッチ形成サイクルの間に天秤5が上死点に達すると、ミシンが新 たに短時間停止せしめられ、空気圧シリンダ156が切り換えられ、止め板15 8がその下部位置へ戻される。次に、弛緩している圧縮ばね80が糸捕捉体10 1をそのホームポジションの方向へ戻す。この場合、上糸端NEの一部が切断さ れる。
国際調査報告 フロントページの続き (72)発明者 デヌエル ギュンタードイツ連邦共和国 デー・6750 カ イザースラウテルン トリップシュタラター シュトラーセ 50 (72)発明者 ヴアルター カール・ハインツドイツ連邦共和国 デー・67 51 ヴアイラーバッハ フリートホーフシュトラーセ(72)発明者 イエー レ フリッツ ドイツ連邦共和国 デー・6753 エンケンバッハ・アルゼンポルン 2 ト ーマスシュトラーセ 5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.糸を案内する針を備えた針棒と、針と協働して縫いステッチを形成し、針板 の下方に配置されているルーパーと、押さえ足と、送り機構と、捕捉要素を備え た糸捕捉体とカッターとを有している糸切断装置とを備えた本縫いミシンにより 形成される縫目の始端部において上糸の端部の長さを短縮させる方法において、 最初のステッチ形成サイクルの前または間に糸捕捉体を捕捉位置へ移動させるこ と、 この場合、少なくとも、上糸輪または上糸端の備蓄側脚部の、糸捕捉体の運動軌 道面に交差している部分が、糸捕捉体の捕捉領域にあること、糸捕捉体が糸切断 位置へさらに移動するとき、または戻り運動を行なうときに、上糸端の一部を切 断すること、 を特徴とする方法。 2.水平軸線のまわりに二重に回転し板案内板を有しているルーパーを備えてい る本縫いミシンにおける請求項1に記載の方法において、上糸輪の両脚部が、ま たは上糸輪が既に解消されているときには上糸端が、ルーパーの糸案内板にまだ 接しているときに、糸捕捉体を捕捉位置の方向へ移動させることを特徴とする方 法。 3.請求項2の前提概念に記載の方法において、ルーパーの糸案内板が既に上糸 輪の脚部から離隔したとき、または既に上糸輪が解消されているときには上糸端 から離隔したときに、糸捕捉体の捕捉位置方向への運動を、縫目端で行なう糸切 断の場合と同様に行なうこと、上糸輪の備蓄側の脚部または上糸端を、補助手段 により、糸捕捉体によって捕捉されるような位置へもたらし保持することを特徴 とする方法。 4.糸捕捉体が、付加的な捕捉要素を形成するための繰り抜き部を有している、 請求項1に記載の方法において、遅くとも、針が針板を通過する前までに、糸捕 捉体を、針の運動軌道が前記繰り抜き部を通過するような位置へもたらすことを 特徴とする方法。 5.糸捕捉体が、捕捉位置の方向へ前進する運動と、ホームポジションのほうへ 戻る運動とを実施し、ホームポジションに達したときに糸捕捉体がカッターと協 働して糸を切断し、糸捕捉体に、該糸捕捉体の運動軌道にたいし接線方向に位置 する定置の上糸クランプが付設されている、請求項1から4までのいずれか1つ に記載の方法において、糸捕捉体のホームポジションヘの運動を二つのステップ に分割し、その際第1のステップを最初のステッチ形成サイクルの間に行なって 、上糸端を糸クランプに挿入し、糸の切断を生じさせる第2のステップを、2回 目のステップ形成サイクルの終了後に行なうことを特徴とする方法。 6.請求項1または2に記載の方法を実施するための装置であって、ミシンが、 水平軸線のまわりに二重に回転するルーパーを備え、糸切断装置が、ミシンの作 動経過に依存して始動可能な駆動機構を有している前記装置において、 糸切断装置(22;90)の駆動機構(34)が、縫目終端で糸切断過程を行な うため、且つ縫目始端で上糸の端部の長さを短縮させるため、ルーパー(15) の異なる角度位置にたいして始動可能であることを特徴とする装置。 7.駆動機構が、空気圧シリンダ(34)によって形成されていることを特徴と する、請求項6に記載の装置。 8.請求項1または3に記載の方法を実施するための装置であって、ミシンが、 水平軸線のまわりに二重に回転するルーパーと、糸切断装置を有している装置に おいて、 針板(14)の下方にしてルーパー(15)の領域に、圧縮空気管(81)の開 口した端部部材(82)が配置され、次のように方向づけられていること、即ち 端部部材(82)から流出する圧縮空気流が、ルーパー(15)の上方において 該ルーパー(15)の背面側から前面側の方向ヘルーパー回転軸線に平行に流出 するように方向づけられていることを特徴とする装置。 9.請求項1または4に記載の方法を実施するための装置において、 繰り抜き部(108;128)により、二つの捕獲要素(103;123,10 9;129)または少なくとも付加的な捕捉要素(109;129)が形成され ており、付加的な捕捉要素(109;129)に、カッター(113)と協働す る刃先(107;130)が付設されていることを特徴とする装置。 10.繰り抜き部が穴(108;128)によって形成されていることを特徴と する、請求項9に記載の装置。 11.繰り抜き部(128)の、糸捕捉体上面に位置しカッター(113)とは 逆の方向に向けられる縁領域(130)が、刃先として形成されていることを特 徴とする、請求項9または10に記載の装置。 12.糸捕捉体が、上面に形成されカッターと協働する刃先を有し、繰り抜き部 (108)が、糸受容溝(110)を介して刃先(107)と連結されているこ とを特徴とする、請求項9または10に記載の装置。 13.糸切断装置の駆動機構が空気圧シリンダであり、該空気圧シリンダにより 糸捕捉体を二つの異なる位置へ回動可能であり、糸捕捉体(101;121)の 、縫目終端部における糸切断のための捕捉位置である位置が、同時に、針(4) の運動軌道(N)が繰り抜き部(108;128)を通過するような位置でもあ ることを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1つに記載の装置。 14.糸切断装置の駆動機構が、ミシンによって駆動可能な制御カムを有し、糸 捕捉体(101,121)を移動させるため、針(4)の運動軌道(N)が繰り 抜き部(108;128)を通過するような位置に付加的な駆動機構(141) が設けられ、糸切断装置(140)の伝動部材の一つ(73)が、付加的な駆動 機構(141)の運動の際に復帰力を作用させるように弾性的に形成されている ことを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1つに記載の装置。 15.弾性的な伝動部材が、入れ子式連結棒(73)によって形成されているこ とを特徴とする、請求項14に記載の装置。 16.付加的な駆動機構が空気圧シリンダ(141)によって形成され、該空気 圧シリンダ(141)は、押圧部材(143)により、糸切断装置(140)の 伝動部材の一つ(47)に力拘束的に係合することを特徴とする、請求項14ま たは15に記載の装置。 17.請求項5に記載の方法を実施するための装置であって、糸切断装置の駆動 機構が空気圧シリンダである装置において、 糸捕捉体(23)または糸切断装置(22)の伝動部材(47)の運動軌道の中 へ挿入可能で且つこの運動軌道から後退可能な制動部材(50)が設けられ、該 制動部材(50)の作用位置が糸捕捉体(23)の糸クランプ位置を決定するこ とを特徴とする装置。 18.請求項5に記載の方法を実施するための装置であって、糸切断装置の駆動 機構が、ミシンによって駆動可能な制御カムを有している装置において、糸捕捉 体(23)または糸切断装置(60)の伝動部材(47)の運動軌道の中へ挿入 可能で且つこの運動軌道から後退可能な制動部材(50)が設けられ、該制動部 材(50)の作用位置が糸捕捉体(23)の糸クランプ位置を決定すること、制 動部材(50)が作用位置にあるときにばね(80)の緊張力を増大させて補償 運動を行なわせるように糸切断装置(60)の伝動部材の一つ(73)が弾性的 に構成されていることを特徴とする装置。 19.弾性的な伝動部材が、入れ子式連結棒(73)によって形成されているこ とを特徴とする、請求項18に記載の装置。 20.糸捕捉体(101)が繰り抜き部を備え、且つ付加的な駆動機構(155 ,156,159)により、最初のステッチ形成サイクルの前に捕捉位置へ移動 され、付加的な駆動機構(155,156,159)が、糸捕捉体(101)の 第2の捕捉位置において、糸捕捉体(101)を、糸クランプ(153)と連動 するクランプ位置に保持することを特徴とする、請求項18または19に記載の 装置。 21.二つの作用位置へ切り換え可能な付加的な駆動機構が、異なる有効ストロ ークを実施する二つの空気圧シリンダ(156,159)によって形成されてい ることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
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