JP3527835B2 - 二重環縫いミシンの縫目ほつれ防止方法及びその装置 - Google Patents

二重環縫いミシンの縫目ほつれ防止方法及びその装置

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JP3527835B2 JP23503597A JP23503597A JP3527835B2 JP 3527835 B2 JP3527835 B2 JP 3527835B2 JP 23503597 A JP23503597 A JP 23503597A JP 23503597 A JP23503597 A JP 23503597A JP 3527835 B2 JP3527835 B2 JP 3527835B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、針糸とルーパ糸と
により二重環縫目を形成する二重環縫いミシンによる布
地の縫製において、縫目の縫い終わり端における縫い糸
のほつれを防止するための縫目ほつれ防止方法及びその
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】針糸を挿通して上下動する少なくとも1
本の針と該針を挟んだ前後位置間を進退揺動するルーパ
とを備えた二重環縫いミシンにより、例えばJIS L
120ステッチ形式406で示される二重環縫目を形成
する場合、その縫目の縫い終わり端側から下糸であるル
ーパ糸を引っ張ると、縫目が次々とほどけてしまう。こ
のような縫い糸のほつれを防止する方法として、従来、
縫い終わり直前の数針分の縫目ピッチを細かくする方法
や、特開平1−31745号公報及び特開平5−208
082号公報などに開示されているように、縫い終わり
部分の縫い糸の張力バランスを変化させてほつれ難くす
る方法、あるいは、特開平6−233877号公報に開
示されているように、ルーパの後方にルーパ糸を摺動自
在に保持するルーパ糸掛けを設けておき、縫い終わりの
直前にミシンを一旦停止して、そのルーパ糸掛けにルー
パ糸を保持させて1針分縫製し、針糸及びルーパ糸を切
断するとともに、ルーパ糸掛けにルーパ糸を保持させた
ままで布地をミシンから取り外すことによって、針糸及
びルーパ糸の絡み状態を変換してほつれが生じないよう
にする方法、が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のほつれ防止方法のうち、前二者の方法では、ほ
つれ防止の面で確実性に欠けるものであり、また、後者
の方法では、切断された糸端が布地に長く残って、縫製
品としての見栄えが悪くなり、見栄えを良くするために
は、長く残った糸端を再度、手作業により切り取らねば
ならないという難点があった。
【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、縫目の縫い終わり端からのほつれを確実に防止する
ことができると共に、糸端を短くして見栄えのよい縫製
品を得ることができる二重環縫いミシンの縫目ほつれ防
止方法及びその装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る二重環縫いミシンの縫
目ほつれ防止方法は、針糸を挿通して上下動する少なく
とも1本の針と、該針を挟んで前進位置と後退位置との
間を進退揺動し前記針糸と二重環縫目を形成するルーパ
糸を挿通するルーパとを備えた二重環縫いミシンによる
布地の縫製において、前記ルーパが前進位置に揺動した
状態において布地からルーパへ連なるルーパ糸ループと
前記ルーパに係合する針糸ループとで形成される糸の三
角形の中に係合手段が進入する第1ステップと、前記係
合手段が糸の三角形の中に進入した状態で、1針分ミシ
ンを駆動して再び前記ルーパを前進位置に揺動させ、前
記係合手段がルーパ糸に係合してルーパ糸ループを保持
する第2ステップと、前記係合手段に保持されているル
ーパ糸ループを切断するとともに、ルーパに係合する針
糸ループを切断する第3ステップとからなることを特徴
とする。
【0006】また、請求項2に記載の発明に係る二重環
縫いミシンの縫目ほつれ防止方法は、針糸を挿通して上
下動する少なくとも1本の針と、該針を挟んで前進位置
と後退位置との間を進退揺動し前記針糸と二重環縫目を
形成するルーパ糸を挿通するルーパとを備えた二重環縫
いミシンによる布地の縫製において、前記ルーパが前進
位置に揺動した状態において布地からルーパへ連なるル
ーパ糸ループと前記ルーパに係合する針糸ループとで形
成される糸の三角形の中に係合手段が進入する第1ステ
ップと、前記係合手段が糸の三角形の中に進入した状態
で、半針分ミシンを駆動して前記ルーパを後退位置に揺
動させ、前記係合手段がルーパ糸に係合してルーパ糸ル
ープを保持した後、該係合手段に保持されているルーパ
糸ループを切断する第2ステップと、前記ルーパの後退
位置から半針分ミシンを駆動して該ルーパを前進位置に
揺動させて、ルーパに係合する針糸ループを切断する第
3ステップとからなることを特徴とする。
【0007】さらに、請求項3に記載の発明に係る二重
環縫いミシンの縫目ほつれ防止装置は、針糸を挿通して
上下動する少なくとも1本の針と、該針を挟んで前進位
置と後退位置との間を進退揺動し前記針糸と二重環縫目
を形成するルーパ糸を挿通するルーパとを備えた二重環
縫いミシンにおいて、前記ルーパが前進位置に揺動した
状態において布地からルーパへ連なるルーパ糸ループと
前記ルーパに係合する針糸ループとで形成される糸の三
角形の中に進入した後のルーパの後退移動時に該糸三角
形のルーパ糸ループに係合してルーパ糸ループを保持す
るルーパ糸係合手段と、該ルーパ糸係合手段に保持され
たルーパ糸ループを切断するルーパ糸切断器と、ルーパ
糸ループがルーパ糸係合手段で保持された後でルーパが
後退位置を経て再び前進位置に揺動した状態において
記ルーパに係合する針糸ループを捕捉する針糸係合手段
と、該針糸係合手段に捕捉された針糸ループを切断する
針糸切断器とを具備していることを特徴とする。
【0008】さらにまた、請求項4に記載の発明に係る
二重環縫いミシンの縫目ほつれ防止装置は、針糸を挿通
して上下動する少なくとも1本の針と、該針を挟んで前
進位置と後退位置との間を進退揺動し前記針糸と二重環
縫目を形成するルーパ糸を挿通するルーパとを備えた二
重環縫いミシンにおいて、前記ルーパが前進位置に揺動
した状態において布地からルーパへ連なるルーパ糸ルー
プと前記ルーパに係合する針糸ループとで形成される糸
の三角形の中に進入した後のルーパの後退移動時に該糸
三角形のルーパ糸ループに係合してルーパ糸ループを保
持するルーパ糸係合手段と、ルーパが後退位置に揺動し
た状態において該ルーパ糸係合手段に保持されたルーパ
糸ループを切断するルーパ糸切断器と、ルーパ糸ループ
がルーパ糸切断器で切断された後でルーパが後退位置か
ら前進位置にした状態において前記ルーパに係合する針
糸ループを捕捉する針糸係合手段と、該針糸係合手段に
捕捉された針糸ループを切断する針糸切断器とを具備し
ていることを特徴とする。
【0009】上記したような各構成要件を有する請求項
1ないし請求項記載の発明によれば、針とルーパとの
協働により針糸とルーパ糸とで所定の二重環縫目が形成
されてゆき、その縫目の縫い終わりに近付いて針が上死
点にあり、ルーパが前進位置に揺動した状態にあると
き、ルーパ糸係合手段が布地からルーパへ連なるルーパ
糸ループとルーパに係合された針糸ループとで形成され
る糸の三角形の中に進入する。この状態で、1針分もし
くは半針分ミシンを駆動させることにより係合手段にル
ーパ糸ループが係合保持された後、その保持されたルー
パ糸ループが切断されるとともにルーパに係合されてい
る針糸ループが切断される。このように布地からルーパ
へ連なるルーパ糸ループとルーパに係合された針糸ルー
プとで形成される糸の三角形の中に係合手段を進入さ
せ、かつ、これに係合保持されたルーパ糸ループを切断
するとともに針糸ループを切断することによって、布地
からルーパへ連なるルーパ糸ループの傾斜角度が縫目ピ
ッチの変更等により変化したとしても、係合手段を前記
糸の三角形の中へ進入させてルーパ糸ループをミスなく
確実に係合保持させて布地側に連なる糸端の長さを短く
切断することが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は、本発明に適用される二
重環縫いミシンの全体斜視図である。該二重環縫いミシ
ンMのアーム部Aには、上下動する針棒1が備えられ、
ベッド部Bには、ネジで固定される針板2と、布地を矢
印F方向に送る送り歯(図示せず)と、布送り方向Fと
交差する方向に揺動するルーパ3とが備えられている。
前記針棒1の先端には、左針4と右針5が取付けられて
いる。各針4,5の先端部は、針棒1の上下運動によっ
て針板2を貫通する。ルーパ3は、針板2を貫通した左
右の針4,5の先端部を挟んで前進位置と後退位置との
間を進退揺動する。また、各針4,5の先端部には、針
糸6,7を挿通するための目孔4a,5aが設けられ、
ルーパ3の先端部には、ルーパ糸8を挿通するための目
孔3aが設けられている。針孔4a,5aに針糸6,7
を挿通した左右の針4,5と目孔3aにルーパ糸8を挿
通したルーパ3とが協働することによって、図7ないし
図11に示すように、二重環縫目Sが形成される。
【0011】図2〜図4は本発明に係る二重環縫いミシ
ンの縫目ほつれ防止装置の要部の平面図である。針板2
の左側、すなわち、ミシンベッド部Bの先端部には、ル
ーパ糸切断器9が配設されている。ルーパ糸切断器9
は、フック10を先端部に形成したフックメス11(ル
ーパ糸係合手段)と、フックメス11との協働によりル
ーパ糸8を切断する受けメス12と、フックメス11を
受けメス12の下面に押し付ける押えバネ13とからな
り、各部材11,12,13を移動させる回転式進退揺
動機構14(後述)を備えている。
【0012】図5及び図6は前記回転式進退揺動機構1
4及びこの機構14と各部材11,12,13との関係
を説明する分解斜視図およびその組立状態図である。ベ
ース板15は、ネジ16を介してミシンベッド部Bの先
端部に固定されている。このベース板15には、円状の
孔17とフックメス運動案内用の屈曲長孔18とが形成
されている。円状の孔17には、回転部材19が回転可
能に嵌合されている。回転部材19の上面部には、その
直径方向に延びる溝19aが形成され、この溝19a内
に略L字形状の揺動アーム20の中間部が摺動可能に嵌
合している。回転部材19の上端部側面は、メス支持台
21に形成された楕円孔21a内に嵌合され、回転部材
19の上端部に、ガイド板22がネジ23で固定されて
いる。これによって、揺動アーム20およびメス支持台
21とベース板15を回転部材19とガイド板22とで
挟み、回転部材19とガイド板22を円状孔17内で回
転可能にベース板15に保持するとともに、揺動アーム
20とメス支持台21が回転部材19によって摺動且つ
回転可能にガイドされている。
【0013】屈曲長孔18と略L字形状の揺動アーム2
0の一端に設けた円孔20aには滑動子26が嵌合され
ている。滑動子26はネジ25によってリンク24の一
端24aに取り付けられ、リンク24が揺動アーム20
の円孔20aを中心として回動可能に揺動アーム20に
連結される。揺動アーム20の他端20bには、フック
メス11の基端部がネジ27によって固定されている。
滑動子29は、リンク24の他端に設けた円孔24bと
屈曲長孔18に嵌合し、ネジ28によって作動片30の
上端30bに取り付けられている。作動片30は、ネジ
31によりエアシリンダ32のピストンロッド32aに
取り付けられている。エアシリンダ32には、案内片3
2bが固定され、作動片30の下端に設けた二股部30
aに案内片32bが嵌合して作動片30がピストンロッ
ド32aを中心に回転しないようになっている。受けメ
ス12、押えバネ13と糸掴みバネ33がネジ34とブ
ラケット35により挾まれ、メス支持台21の外周部に
位置調節可能に取り付けられている。フックメス11へ
の糸掴みバネ33の押付け力は、メス支持台21にネジ
36を介して取り付けられた押圧調節バネ37により調
節され、その調節はネジ36と押圧調節バネ37との締
め付けにより行う。
【0014】図2〜図4および図6に示すように、ミシ
ンベッド部Bには、規制部材38が配設されている。こ
の規制部材38には、メス支持台21用の規制部38a
と揺動アーム20用の規制部38bとを備えている。ま
た、ベース板15には、ネジ39,40によりねじりコ
イルばね41,42が取り付けられている。ねじりコイ
ルばね41は、一端が楕円孔21aの長軸線上に位置す
るメス支持台21の窪部21bに当接され、他端がベー
ス板15の側部15aに当接されている。ねじりコイル
ばね42は、一端がメス支持台21にネジ43により取
り付けられたストッパー44に当接され、他端がベース
板15の側部15bに当接されている。メス支持台21
は、ねじりコイルばね41,42により回転部材19の
回りに回動及び進出するよう付勢され、ストッパー44
の案内面44aが揺動アーム20の先端部に当接するよ
うになっている
【0015】上記構成の回転式進退揺動機構14では、
図2のように、滑動子26が屈曲長孔18の18a端に
係合している状態を原点位置としている。この状態から
前記エアシリンダ32を一方向に駆動すると、その駆動
力が作動片30を介してリンク24に伝達されて滑動子
26が屈曲長孔18に沿って移動する。この移動に伴い
揺動アーム20が回転部材19の溝19a内を摺動しな
がら回転部材19の回転中心周りに揺動する。この揺動
によって、ねじりコイルばね41,42によりメス支持
台21が規制部材38の規制部38aに当接するまで移
動する。すなわち、前記ルーパ糸切断器9を構成するフ
ックメス11、受けメス12および押えバネ13は、図
3の位置まで一体的に移動する。更にエアシリンダ32
を続けて一方向に駆動すると、滑動子26が屈曲長孔1
8の18bに沿って移動する。この移動によって、揺動
アーム20のみが規制部材38の規制部38bに当接す
るまで移動し、図4に示すように、前記フックメス11
が矢印b方向に移動する。また、前記エアシリンダ32
を他方向に駆動させると、フックメス11のみが図4の
状態から図3のように受けメス12及び押えバネ13の
待機位置まで移動する。更にエアシリンダ32を続けて
他方向に駆動すると、前記フックメス11、受けメス1
2および押えバネ13とが図2の原点位置まで一体的に
移動する。
【0016】図1における針板2の右側、すなわち、ミ
シンベッド部Bの基端部には、図7〜図13に示すよう
に針糸切断器45が配設されている。この針糸切断器4
5は、特公平5−68280号公報に記載された糸切断
装置のように、ルーパ3の移動路に近接する作用位置と
ルーパ3の移動路より離間する待機位置に切換可能とな
っている。フックメス46は、前記作用位置においてル
ーパ3のブレード部3bの上方に沿って前進位置と後退
位置との間を往復進退運動する。このフックメス46の
先端部には、ルーパ糸8を係合するフック47と針糸に
係合するフック48(針糸係合手段)が並設されてい
る。フックメス46の往復進退運動路上には、受けメス
49と、フックメス46を受けメス49に圧接する押え
バネ50とが配置されている。
【0017】次に、上記のような構成の二重環縫いミシ
ンの縫目ほつれ防止装置を用いて二重環縫目Sの縫い終
わり部の縫い糸ほつれ防止方法について、図7〜図12
を参照しながら説明する。この二重環縫いミシンにおい
ては、布地Wが図示省略した送り歯によって矢印F方向
に送られ、左右の針4,5に挿通された針糸6,7及び
ルーパ3に挿通されたルーパ糸8とによりステッチ形式
406の二重環縫目Sが形成される。そして、その縫目
Sの縫い終わりに近付いて図7に示すように、針4,5
が上死点にあり、ルーパ3が前進位置に揺動した状態に
あるときに、前記回転式進退揺動機構14におけるエア
シリンダ32を一方向に駆動させてルーパ糸切断器9全
体を図2の原点位置から図4の位置まで移動させると、
そのフックメス11の先端フック10が図8に示すよう
に、布地Wからルーパ3へ連なるルーパ糸ループ8Lと
ルーパ3に係合された針糸ループ6L,7Lのうち左側
の針糸ループ6Lとで形成される糸の三角形Pの中に進
入する(第1ステップ)。
【0018】この状態、すなわち、フックメス11の先
端フック10が糸の三角形Pの中に進入した状態で、1
針分ミシンを駆動させると、針4,5がルーパ糸ループ
8Lと針糸ループ6L,7Lで形成される糸の三角形P
内に上方より落ち込み、ルーパ3が針4,5の手前側を
通って後退移動し、ルーパ糸8が針4の手前位置でフッ
ク10に係合されてルーパ糸ループ8Lが係合保持され
るとともに、前記ルーパ3の再度の前進位置への揺動に
伴い前記針4,5により形成された新たな針糸ループ6
L1,7L1がルーパ3により掬われて図9に示す状態
となる(第2ステップ)。
【0019】続いて、前記回転式進退揺動機構14にお
けるエアシリンダ32を他方向に駆動させて、前記ルー
パ糸切断器9のフックメス11を図4の状態から図3の
ように受けメス12及び押えバネ13の待機位置まで移
動させると、前記フック10に係合保持されているルー
パ糸ループ8Lが受けメス12により切断され、布地W
に連なるルーパ糸端部8eは短くなっているとともに、
切り離された糸端部8fはフックメス11と押えバネ1
3とによって挟み保持されている。引き続いて、図示省
略したエアシリンダやソレノイドによって針糸切断器4
5におけるフックメス46、受けメス49及び押えバネ
50が待機位置より作用位置に切換えられるとともに、
ルーパ3のブレード部3bの上方に沿ってフックメス4
6が左方に前進駆動されて、該フックメス46が前記の
針糸ループ6L1,7L1のループ内を通過し先端フッ
ク47,48が針落ち位置の左側へ移動する(図1
0)。
【0020】しかる後、前記回転式進退揺動機構14に
おけるエアシリンダ32が他方向に更に駆動されて、前
記ルーパ糸切断器9のフックメス11と受けメス12及
び押えバネ13が図3の待機位置から図2の原点位置に
復帰すると同時に、前記針糸切断器45におけるフック
メス46がルーパ3のブレード部3bの上方に沿って右
方に後退駆動される。このとき、図11に示すように、
ルーパ糸8は先端フック47に係合されているととも
に、前記針糸ループ6L1,7L1は他のフック48に
係合捕捉されている。この状態で前記フックメス46が
更に右方へ後退してフック48に係合されている針糸ル
ープ6L1,7L1が受けメス49により切断される一
方、先端フック47に係合されているルーパ糸8は縫い
終わりの針糸ループ6L2,7L2から徐々に引き抜か
れる。そして、フックメス46、受けメス49及び押え
バネ50は作用位置から待機位置へ切換えられる。前記
の切り離された糸端部8fは図12に示すように、押え
バネ50とフックメス46とにより挟み保持され次の縫
製を待機する(第3ステップ)。
【0021】以上のように、二重環縫目Sの縫い終わり
部において、布地Wからルーパ3へ連なるルーパ糸ルー
プ8Lとルーパ3に係合された針糸ループ6Lとで形成
される糸の三角形Pの中にフックメス11の先端フック
10を進入させ、かつ、これに係合保持されたルーパ糸
ループ8Lを切断するとともに、針糸ループ6L1,7
L1を切断することによって、布地W側に連なる糸端8
eの長さを短くすることが可能である。また、針糸ルー
プ6L1,7L1の切断動作時に切り離しされた側の糸
端8fのみを縫い終わりの針糸ループ6L2,7L2か
ら引き抜くことにより、縫い終わりの縫目からのほつれ
を防止することが可能である。
【0022】なお、上記実施の形態では、前記フックメ
ス11の先端フック10が糸の三角形Pの中に進入した
状態で、1針分ミシンを駆動してルーパ3を再び前進位
置に揺動させることにより、前記先端フック10がルー
パ糸8に係合してルーパ糸ループ8Lを保持するように
動作させるものについて説明したが、前記フックメス1
1の先端フック10が糸の三角形Pの中に進入した状態
で(図8参照)、半針分ミシンを駆動してルーパ3を図
13に示すように、後退位置に揺動させて前記先端フッ
ク10にルーパ糸ループ8Lを係合保持させ、この状態
から前記回転式進退揺動機構14におけるエアシリンダ
32を他方向に駆動させて、前記ルーパ糸切断器9のフ
ックメス11を図4の状態から図3のように受けメス1
2及び押えバネ13の待機位置まで移動させることによ
り、前記フック10に係合保持されているルーパ糸ルー
プ8Lを受けメス12により切断し、その後、前記ルー
パ3の後退位置から半針分ミシンを駆動して該ルーパ3
を図10に示すように、前進位置に揺動させてルーパ3
により掬われた新たな針糸ループ6L1,7L1を切断
するように動作させても、上記実施の形態と同様に、布
地W側に連なる糸端8eの長さを短く切断することが可
能であるとともに、縫い終わりの縫目からのほつれを防
止することが可能である。
【0023】また、上記実施の形態では、糸切断動作に
ついて、ルーパ糸切断器9を針糸切断器45よりも先に
作動させるようにしたが、これを同時、または順序を逆
にしてもよい。この場合、フック47を受けメス49ま
で到達させてフック47に係合しているルーパ糸8を切
断しておく方が望ましい。また、1針分あるいは半針分
のミシンの駆動及び各切断器9,45の起動制御等につ
いて詳細に述べなかったが、これらは公知のミシンのモ
ータの回転制御機構やミシン主軸に設けた回転検出器の
信号に基づく制御等の公知の手段を利用することが可能
である。
【0024】また、ルーパ糸切断器のフックメスとルー
パ糸係合手段とを兼用化させた場合には、ルーパ糸切断
器及びルーパ糸係合手段の進退駆動機構が機構的にシン
プルな回転式駆動機構であることとあいまって、装置全
体を構造簡単かつコンパクトに構成しやすくなる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、請求項1ないし請求項
に記載の発明によれば、二重環縫いミシンにより布地に
所定の縫目を形成する際、その縫目の縫い終わり付近に
達したとき、布地からルーパへ連なるルーパ糸ループと
ルーパに係合された針糸ループとで形成される糸の三角
形の中に係合手段を進入させた後、これに係合保持され
たルーパ糸ループを切断するとともに、針糸ループを切
断することによって、布地側に連なる糸端の長さを短く
切断して、手作業による糸端の切り取り作業を要するこ
となく、見栄えのよい縫製品を得ることができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用される二重環縫いミシンの全体斜
視図である。
【図2】本発明に係る二重環縫いミシンの縫目ほつれ防
止装置の要部であるルーパ糸切断器が非作動状態にある
ときの平面図である。
【図3】同上ルーパ糸切断器が作動状態にあるときの平
面図である。
【図4】同上ルーパ糸切断器が作動状態にあるときの平
面図である。
【図5】同上ルーパ糸切断器の駆動用回転式進退駆動機
構の詳細を説明する分解斜視図である。
【図6】同上回転式進退駆動機構の詳細を説明する組立
状態の斜視図である。
【図7】本発明に係る縫目ほつれ防止方法の実施の形態
による二重環縫目の縫い終わり時の第1動作を示す斜視
図である。
【図8】同上二重環縫目の縫い終わり時の第2動作を示
す斜視図である。
【図9】同上二重環縫目の縫い終わり時の第3動作を示
す斜視図である。
【図10】同上二重環縫目の縫い終わり時の第4動作を
示す斜視図である。
【図11】同上二重環縫目の縫い終わり時の第5動作を
示す斜視図である。
【図12】同上二重環縫目の縫い終わり時の第6動作を
示す斜視図である。
【図13】本発明に係る縫目ほつれ防止方法の他の実施
の形態による二重環縫目の縫い終わり時の第3動作を示
す斜視図である。
【符号の説明】
3 ルーパ 4,5 針 6,7 針糸 6L,7L,6L1,7L1 針糸ループ 8 ルーパ糸 8L ルーパ糸ループ 9 ルーパ糸切断器 11 フックメス(ルーパ糸係合手段) 12,49 受けメス 13,50 押えバネ 14 回転式進退駆動機構 45 針糸切断器 46 フックメス 48 フック(針糸係合手段) W 布地 P 糸の三角形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−233877(JP,A) 特開 昭52−152356(JP,A) 特開 平1−317475(JP,A) 実開 平6−62985(JP,U) 特公 昭45−15708(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 1/00 - 97/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針糸を挿通して上下動する少なくとも1
    本の針と、該針を挟んで前進位置と後退位置との間を進
    退揺動し前記針糸と二重環縫目を形成するルーパ糸を挿
    通するルーパとを備えた二重環縫いミシンによる布地の
    縫製において、 前記ルーパが前進位置に揺動した状態において布地から
    ルーパへ連なるルーパ糸ループと前記ルーパに係合する
    針糸ループとで形成される糸の三角形の中に係合手段が
    進入する第1ステップと、 前記係合手段が糸の三角形の中に進入した状態で、1針
    分ミシンを駆動して再び前記ルーパを前進位置に揺動さ
    せ、前記係合手段がルーパ糸に係合してルーパ糸ループ
    を保持する第2ステップと、 前記係合手段に保持されているルーパ糸ループを切断す
    るとともに、ルーパに係合する針糸ループを切断する第
    3ステップと、 からなることを特徴とする二重環縫いミシンの縫目ほつ
    れ防止方法。
  2. 【請求項2】 針糸を挿通して上下動する少なくとも1
    本の針と、該針を挟んで前進位置と後退位置との間を進
    退揺動し前記針糸と二重環縫目を形成するルーパ糸を挿
    通するルーパとを備えた二重環縫いミシンによる布地の
    縫製において、 前記ルーパが前進位置に揺動した状態において布地から
    ルーパへ連なるルーパ糸ループと前記ルーパに係合する
    針糸ループとで形成される糸の三角形の中に係合手段が
    進入する第1ステップと、 前記係合手段が糸の三角形の中に進入した状態で、半針
    分ミシンを駆動して前記ルーパを後退位置に揺動させ、
    前記係合手段がルーパ糸に係合してルーパ糸ループを保
    持した後、該係合手段に保持されているルーパ糸ループ
    を切断する第2ステップと、 前記ルーパの後退位置から半針分ミシンを駆動して該ル
    ーパを前進位置に揺動させて、ルーパに係合する針糸ル
    ープを切断する第3ステップと、 からなることを特徴とする二重環縫いミシンの縫目ほつ
    れ防止方法。
  3. 【請求項3】 針糸を挿通して上下動する少なくとも1
    本の針と、該針を挟んで前進位置と後退位置との間を進
    退揺動し前記針糸と二重環縫目を形成するルーパ糸を挿
    通するルーパとを備えた二重環縫いミシンにおいて、 前記ルーパが前進位置に揺動した状態において布地から
    ルーパへ連なるルーパ糸ループと前記ルーパに係合する
    針糸ループとで形成される糸の三角形の中に進入した後
    のルーパの後退移動時に該糸三角形のルーパ糸ループに
    係合してルーパ糸ループを保持するルーパ糸係合手段
    と、 該ルーパ糸係合手段に保持されたルーパ糸ループを切断
    するルーパ糸切断器と、ルーパ糸ループがルーパ糸係合手段で保持された後でル
    ーパが後退位置を経て再び前進位置に揺動した状態にお
    いて 前記ルーパに係合する針糸ループを捕捉する針糸係
    合手段と、 該針糸係合手段に捕捉された針糸ループを切断する針糸
    切断器と、 を具備していることを特徴とする二重環縫いミシンの縫
    目ほつれ防止装置。
  4. 【請求項4】 針糸を挿通して上下動する少なくとも1
    本の針と、該針を挟んで前進位置と後退位置との間を進
    退揺動し前記針糸と二重環縫目を形成するルーパ糸を挿
    通するルーパとを備えた二重環縫いミシンにおいて、 前記ルーパが前進位置に揺動した状態において布地から
    ルーパへ連なるルーパ糸ループと前記ルーパに係合する
    針糸ループとで形成される糸の三角形の中に進入した後
    のルーパの後退移動時に該糸三角形のルーパ糸ループに
    係合してルーパ糸ループを保持するルーパ糸係合手段
    と、 ルーパが後退位置に揺動した状態において該ルーパ糸係
    合手段に保持されたルーパ糸ループを切断するルーパ糸
    切断器と、 ルーパ糸ループがルーパ糸切断器で切断された後でルー
    パが後退位置から前進位置に揺 動した状態において前記
    ルーパに係合する針糸ループを捕捉する針糸係合手段
    と、 該針糸係合手段に捕捉された針糸ループを切断する針糸
    切断器と、 を具備していることを特徴とする 二重環縫いミシンの縫
    目ほつれ防止装置。
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