JP4675841B2 - 蒸気発生装置 - Google Patents

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Description

この発明は、蒸気発生装置および加熱調理器に関する。
従来、加熱蒸気を用いて調理を行う加熱調理器としては、加熱室内の底部に給水受皿を配置し、その給水受皿の下側に加熱手段とその加熱手段の温度を検出する温度センサを設けたものがある。(例えば、特許第3753135号公報(特許文献1)参照)。この加熱調理器は、給水受皿を加熱手段により加熱して、給水受皿に給水された水を蒸発させる。そうして、給水受皿内の水が少なくなって、温度センサにより検出される加熱手段の温度が上限基準値を超えると、加熱手段をオフにし、それによって加熱手段の温度が徐々に下がって下限基準値になると、再び加熱手段をオンにし、給水受皿に給水された水を蒸発させて、加熱手段のオンオフが繰り返される。
しかしながら、上記加熱調理器では、給水受皿内にスケールが付着して、調理回数が増える毎にスケールの付着量も増大するため、温度センサにより検出される加熱手段の温度と給水受皿との間に誤差が生じて、蒸気発生制御が正確にできないという問題がある。
特許第3753135号公報
そこで、この発明の課題は、蒸発容器にスケールが生じて水溜部の温度が正確に検出できなくなっても、蒸気発生制御を確実に行うことができる蒸気発生装置およびそれを用いた加熱調理器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の蒸気発生装置は、
蒸発容器と、
上記蒸発容器内の水溜部に水を供給する水供給部と、
上記蒸発容器の上記水溜部を加熱して、上記水供給部から上記水溜部に供給された水を蒸発させるヒータ部と、
上記蒸発容器の上記水溜部の温度を検出する温度センサと、
上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度に基づいて、上記水供給部と上記ヒータ部を制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記ヒータ部により上記蒸発容器の上記水溜部を加熱しながら、上記水供給部から上記蒸発容器の上記水溜部に間欠的に水を供給することにより、上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度が下降と上昇とを繰り返す蒸気発生動作において、上記水溜部の温度が上記水溜部へのスケールの付着により変動する極小値から所定の温度上昇判定値以上高くなったときに上記水供給部により上記水溜部に水を供給させることを特徴とする。
上記構成の蒸気発生装置によれば、上記制御装置は、蒸気発生動作において、ヒータ部により蒸発容器の水溜部を加熱しながら、水供給部から蒸発容器の水溜部に間欠的に水を供給させることによって、温度センサにより検出された水溜部の温度が下降と上昇とを繰り返す。このとき、上記制御装置によって、水溜部の温度が上記水溜部へのスケールの付着により変動する極小値から所定の温度上昇判定値以上高くなったときに蒸発容器の水溜部の水が無くなったとして水供給部により水溜部に水を供給させるので、蒸発容器にスケールが生じて水溜部の温度が正確に検出できなくなっても、蒸気発生制御を確実に行うことができる。
また、一実施形態の蒸気発生装置では、
上記制御装置は、
上記蒸気発生動作において、上記水供給部から上記水溜部に水が供給された後に、上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度が下降したか否かを判定する温度下降判定部と、
上記温度下降判定部により上記水溜部の温度が下降したと判定した後に上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度が上昇したとき、上記水溜部の温度が下降してから上昇した期間における上記極小値を検出する極小値検出部と、
上記極小値検出部により上記極小値が検出された後、検出された上記極小値よりも上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度が上記温度上昇判定値以上高くなったか否かを判定する温度上昇判定部と
を有し、
上記温度上昇判定部が上記極小値よりも上記水溜部の温度が上記温度上昇判定値以上高くなったと判定すると、上記水供給部により上記水溜部に水を供給させる。
上記実施形態によれば、上記蒸気発生動作において、制御装置の温度下降判定部は、水供給部から上記水溜部に水が供給された後に、温度センサにより検出された上記水溜部の温度が下降したか否かを判定する。そうして、上記温度下降判定部により水溜部の温度が下降したと判定した後、制御装置の極小値検出部は、温度センサにより検出された水溜部の温度が上昇したとき、水溜部の温度が下降してから上昇した期間における極小値を検出する。そして、上記極小値検出部が極小値を検出した後、制御装置の温度上昇判定部が上記極小値よりも水溜部の温度が温度上昇判定値以上高くなったと判定すると、制御装置は、水供給部を制御して水溜部に水を供給させる。このように、蒸発容器にスケールが生じて水溜部の温度が正確に検出できなくなっても、正確な蒸気発生制御を容易に行うことができる。
また、一実施形態の蒸気発生装置では、
上記水供給部は、水タンクと、上記水タンク内の水を上記蒸発容器の上記水溜部に送り出すポンプとを有し、
上記制御装置は、上記水供給部から上記水溜部に水を供給する間隔が書知恵範囲内になるように、上記水溜部に供給する毎の上記ポンプの動作時間または送水能力を制御する。
上記実施形態によれば、上記制御装置によって、上記水供給部から水溜部に水を供給する時間間隔が所定範囲内になるように、水溜部に供給する毎の上記ポンプの動作時間(または送水能力)を制御することによって、給水経路に付着したスケールなどによる給水量のばらつきを補正して、略一定の水が毎回水溜部に供給されるようになる。
また、一実施形態の蒸気発生装置では、
上記水供給部は、水タンクと、上記水タンク内の水を上記蒸発容器の上記水溜部に送り出すポンプとを有し、
上記制御装置は、上記水供給部により上記水溜部に水を供給する時間間隔が下限時間以下になると、上記水溜部に供給する毎の上記ポンプの動作時間または送水能力を増やす一方、上記水供給部により上記水溜部に水を供給する時間間隔が上限時間以上になると、上記水溜部に供給する毎の上記ポンプの動作時間または送水能力を減らす。
上記実施形態によれば、上記制御装置によって、上記水供給部により上記水溜部に水を供給する時間間隔が下限時間以下になると、上記水溜部に供給する毎の上記ポンプの動作時間または送水能力を増やす一方、上記水供給部により上記水溜部に水を供給する時間間隔が上限時間以上になると、上記水溜部に供給する毎の上記ポンプの動作時間または送水能力を減らす。それによって、給水経路に付着したスケールなどによる給水量のばらつきを補正して、略一定量の水が毎回水溜部に供給されるようにできる。
以上より明らかなように、この発明の蒸気発生装置によれば、蒸発容器にスケールが生じて水溜部の温度が正確に検出できなくなっても、蒸気発生制御を確実に行うことができる蒸気発生装置を実現することができる。
以下、この発明の蒸気発生装置および加熱調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施の形態の蒸気発生装置を用いた加熱調理器の外観斜視図を示している。この加熱調理器1は、直方体形状の本体ケーシング10の正面に、下端側の辺を略中心に回動する扉12を設けている。扉12の右側に操作パネル11を設け、扉12の上部にハンドル13を設けると共に、扉12の略中央に耐熱ガラス製の窓14を設けている。
また、図2は加熱調理器1の扉12を開いた状態の外観斜視図を示しており、本体ケーシング10内に直方体形状の調理室20が設けられている。調理室20は、扉12に面する正面側に開口部20aを有し、調理室20の側面,底面および天面をステンレス鋼板で形成している。また、扉12は、調理室20に面する側をステンレス鋼板で形成している。調理室20の周囲および扉12の内側に断熱材(図示せず)を配置して、調理室20内と外部とを断熱している。
また、調理室20の底面に、ステンレス製の受皿21が置かれ、受皿21上に被加熱物を載置するためのステンレス鋼線製のラック22が置かれている。なお、扉12を開いた状態で、扉12の上面側は略水平となって、被加熱物を取り出すときに一旦扉12の上面に置くことができる。
さらに、本体ケーシング10の調理室20の右側に、水タンク30を収納するための水タンク用収納部37を設けている。水タンク30は、前面側から後面側に向かって水タンク用収納部37内に挿入される。
図3は、加熱調理器1の基本構成を示す概略構成図である。図3に示すように、この加熱調理器1は、調理室20と、蒸気用の水を貯める水タンク30と、水タンク30から供給された水を蒸発させて蒸気を発生させる蒸気発生装置40と、蒸気発生装置40からの蒸気を加熱する蒸気昇温装置50と、蒸気発生装置40や蒸気昇温装置50等の動作を制御する制御装置80とを備えている。調理室20内に設置された受皿21上には格子状のラック22が載置され、そのラック22の略中央に被加熱物90が置かれる。そうして、被加熱物90は、調理室20の底面から間隔をあけた状態で調理室20内に収容されている。
また、水タンク30の下側に設けられた接続部30aは、水位検知部31の一端に設けられた漏斗形状の受入口31aに接続可能になっている。そして、水位検知部31に第1給水パイプ32の一端が接続され、第1給水パイプ32の他端にポンプ33の吸込側が接続されている。また、そのポンプ33の吐出側に第2給水パイプ34の一端が接続され、第2給水パイプ34の他端が蒸気発生装置40に接続されている。さらに、水位検知部31には、水タンク用水位センサ36が配設されている。そして、第2給水パイプ34の他端を蒸気発生装置40に接続している。
上記水タンク用水位センサ36は、長さが同じ2本の第1,第2電極と、その第1,第2電極よりも短い第3電極と、その第3電極よりもさらに短い第4電極からなる。水タンク用水位センサ36の第1電極を共通電極として、長さの異なる第2〜第4電極により3つの水位を検出することができる。また、水タンク30と第1給水パイプ32とポンプ33と第2給水パイプ34で水供給部を構成している。
また、蒸気発生装置40は、第2給水パイプ34の他端が接続され、長手側の一方の側面に開口部41a(図7参照)が設けられたステンレス製の直方体形状の蒸発容器41と、蒸発容器41の下側に配置されたヒータ部の一例としての第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bと、蒸発容器41の下側かつ第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42B間に配置された温度センサ43と、蒸発容器41の一方の開口を蓋する蓋体44とを有している。温度センサ43を給水口71a(図8に示す)の近傍に配置している。この温度センサ43は、蒸気発生装置40の蒸発容器41の基部A(図9に示す)の温度を検出する。
また、調理室20の側面上部に設けられた吸込口25の外側には、ファンケーシング26を配置している。そして、ファンケーシング26に設置された送風ファン28によって、調理室20内の蒸気は、吸込口25から吸い込まれて、第2蒸気供給パイプ61を介して蒸気昇温装置50に供給される。また、蒸気発生装置40で発生した蒸気は、送風ファン28により第1蒸気供給パイプ35を介して吸い込まれて、調理室20内から吸い込まれた蒸気と合流し、第2蒸気供給パイプ61を介して蒸気昇温装置50に供給される。
なお、図3では、調理室20と蒸気発生装置40は離れて示しているが、後述するように加熱室20内の後面側側壁かつ加熱室20の外側に、蓋体44側が加熱室20内に面するように取り付けられている。
上記ファンケーシング26,第2蒸気供給パイプ61および蒸気昇温装置50で外部循環経路を形成している。また、調理室20の側面の下側に設けられた放出口27には放出通路64の一端が接続され、放出通路64の他端には第1排気口65を設けている。さらに、循環経路を形成する第2蒸気供給パイプ61には、排気通路62の一端が接続され、排気通路62の他端には第2排気口63を設けている。また、第2蒸気供給パイプ61と排気通路62との接続点に、排気通路62を開閉するダンパ68を配置している。
また、蒸気昇温装置50は、調理室20の天井側であって且つ略中央に、開口を下側にして配置された皿型ケース51と、この皿型ケース51内に配置された蒸気加熱ヒータ52とを有している。皿形ケース51の底面は、加熱室20の天井面に設けられた金属製の天井パネル54で形成されている。天井パネル54には、複数の天井蒸気吹出口55を形成している。
さらに、蒸気昇温装置50は、調理室20の左右両側に延びる蒸気供給通路23(図3では一方のみを示す)の一端が夫々接続されている。そして、蒸気供給通路23の他端は、調理室20の両側面に沿って下方に延び、調理室20の両側面かつ下側に設けられた側面蒸気吹出口24に接続されている。
次に、図4に示す加熱調理器1の制御ブロックについて説明する。
図4に示すように、制御装置80には、操作パネル11と、送風ファン28と、ポンプ33と、ダンパ68と、電源部83と、各種設定情報などを記憶する記憶部84と、検出部85と、ヒータ制御回路などを含む加熱部86が接続されている。
操作パネル11には、LCD(液晶ディスプレイ)91と、スタートSW92と、自動調理SW93と、手動調理SW94と、水タンク装着検出センサ95が接続されている。
また、検出部85には、温度センサ43と、水タンク用水位センサ36と、調理室20(図3に示す)内の温度を検出する調理室用温度センサ81と、調理室20内の湿度を検出する調理室用湿度センサ82が接続されている。この温度センサ43と、水タンク用水位センサ36と、調理室用温度センサ81と、調理室用湿度センサ82からの検出信号は、検出部85を介して制御装置80に入力される。また、水タンク装着検出センサ95の検出信号は、操作パネル11を介して制御装置80に入力される。
また、加熱部86には、蒸気加熱ヒータ52と、第1蒸気発生ヒータ42Aと、第2蒸気発生ヒータ42Bが接続されている。制御装置80は、加熱部86を介して蒸気加熱ヒータ52と、第1蒸気発生ヒータ42Aと、第2蒸気発生ヒータ42Bをオンオフする。
上記制御装置80は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなり、水タンク用水位センサ36,温度センサ43,調理室用温度センサ81および調理室用湿度センサ82からの検出信号や操作パネル11からの信号に基づいて、送風ファン28,蒸気加熱ヒータ52,ダンパ68,第1蒸気発生ヒータ42A,第2蒸気発生ヒータ42B,操作パネル11およびポンプ33を所定のプログラムに従って制御する。また、制御装置80は、温度下降判定部80aと、極小値検出部80bと、温度上昇判定部80cとを有する。この温度下降判定部80aは、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bにより蒸発容器41の基部A(図9に示す)を加熱することにより蒸発容器41内に供給された水を蒸発させる蒸気発生動作において、蒸発容器41に水が供給された後に、温度センサ43により検出された基部Aの温度が下降したか否かを判定する。また、極小値検出部80bは、温度下降判定部80aにより蒸発容器41の基部Aの温度が下降したと判定した後に温度センサ43により検出された基部Aの温度が上昇したとき、基部Aの温度が下降してから上昇した期間における極小値を検出する。また、温度上昇判定部80cは、極小値検出部80bにより検出された極小値よりも温度センサ43により検出された基部Aの温度が所定温度以上高くなったか否かを判定する。
なお、この実施形態における基部Aの温度の極小値とは、基部Aの温度が下降してから上昇した期間における最も低い温度値(厳密な最低温度値を検出するのは困難であるので、その近傍温度であってもよい)のことをさすが、その他にも、基部Aの温度が下降してから上昇した期間内にて、基部Aの温度が下降し、一定温度を保った後、再び上昇するような場合(図21Aに示すような船形のイメージが近い)においては、この一定温度の温度が極小値であるとする。また、図21Bに示すように一度下がった後、少し上昇して一定温度を保った後、再び上昇するような場合においては、この一定温度の温度が極小値であるとする。
図5は上記加熱調理器1の扉のない状態の正面図を示しており、図5に示すように、本体ケーシング10の水タンク用収納部37に、前面側から後面側に向かって水タンク30を挿入している。また、本体ケーシング10の調理室20内の後面側の壁面には、右上側コーナー部の近傍に吸込口25が設けられ、左下側コーナー部の近傍に放出口27が設けられている。そして、調理室20内の後面側壁面の中央部やや左側かつ調理室20の外側に、蓋体44により蓋された開口部41a側が調理室20側に面するように蒸気発生装置40を配置している。なお、蒸気発生装置の取り付け位置はこれに限らず、調理室内の左右の側壁面のいずれか一方かつ調理室の外側に、開口部側が調理室側に面するように蒸気発生装置を配置してもよいし、開口部側が本体ケーシングの外側に面するように、本体ケーシング内かつ調理室の外側に蒸気発生装置を配置してもよい。
また、図6は上記加熱調理器1の本体ケーシング10のない状態の裏面図を示している。なお、図6では、図を見やすくするため、水位検知部31,第1給水パイプ32,ポンプ33,第2給水パイプ34,水タンク用水位センサ36および制御装置80などを省略している。
図6に示すように、調理室20(図5に示す)の後面側に蒸気発生装置40を配置し、吸込口25(図5に示す)の裏面側に、送風ファン28が収納されたファンケーシング26を配置している。このファンケーシング26と蒸気発生装置40とを第1蒸気供給パイプ35を介して接続している。また、図5に示す放出口27に放出通路64の一端を接続し、上側の第1排気口65(図3に示す)に放出通路64の他端を接続している。
また、調理室20の上側に配置された蒸気昇温装置50からの蒸気供給通路23,23を、調理室20の左右両側に設けている。
また、図7は加熱調理器1の蒸気発生装置40の上面図を示し、図8は蒸気発生装置40の正面図を示し、図9は蒸気発生装置40の下面図を示している。
図7〜図9に示すように、この蒸気発生装置40は、長手側の一方の側面(正面側)に開口部41aが設けられた直方体形状の蒸発容器41を備えている。この蒸発容器41は、底部となる略長方形状の基部Aと、その基部Aの裏面側の長辺から立設する壁部Bと、その基部Aの左右両側の短辺から立設する壁部C,Dと、壁部B,C,Dの上端側かつ基部Aに対向するように設けられた上板部Eとを有している。また、蒸発容器41の裏面側の壁部Bの略中央に、第2給水パイプ34(図3に示す)が接続される接続部71を設けると共に、蒸発容器41の上板部Eの略中央に、第1蒸気供給パイプ35(図3に示す)が接続される接続部72を設けている。蒸発容器41の正面側の開口部41aの縁にフランジ部74を設け、そのフランジ部74に外縁部が当接するように、蒸発容器41の開口部41aに開閉自在な蓋体44を取り付けている。
また、図8に示すように、蓋体44の中央に、略長方形状の耐熱ガラス製の窓45を設けている。
また、図9に示すように、両端に接続端子を有する棒状のシーズヒータである第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bを、蒸発容器41の基部Aの下面側にヒータ取付板73を介して蒸発容器41の長手方向に沿って略平行に所定の間隔をあけて取り付けている。ヒータ取付板73は、蒸発容器41の基部Aに溶接またははんだ付けにより接着されと共に、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bは、ヒータ取付板73にはんだ付けにより接着されている。これにより、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bを蒸発容器41の基部Aにヒータ取付板73を介して密着させて、熱伝導性を向上している。また、ヒータ取付板73の略中央かつ第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42B間に温度センサ43を取り付けている。なお、第1蒸気発生ヒータ42Aには800Wのシーズヒータが用いられ、第2蒸気発生ヒータ42Bには500Wのシーズヒータが用いられており、第1蒸気発生ヒータ42Aの方が給水側(接続部71側)に配置されている。
また、図10Aは上記蒸気発生装置40の側面図を示しており、図10Bは図8のXB−XB線から見た断面図を示している。図10A,図10Bにおいて、図7〜図9に示す同一構成部には同一参照番号を付している。
図10A,図10Bに示すように、蒸発容器41の基部Aには、畝状の凸部46を設けている。この実施の形態では、蒸発容器41の基部Aの基準面に対する凸部46の高さを約2mmにしている。また、図10Bに示すように、畝状の凸部46と裏面側の壁部Bに囲まれた所定の領域の水溜部Sに、接続部71,給水口71aを介して供給された水が溜まる。そして、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bにより基部Aが加熱され、水溜部Sに溜まった水が蒸発して蒸気が発生し、発生した蒸気は、供給口72a,接続部72を介して蒸気昇温装置50に供給される。
図11は図8のXI−XI線から見た断面図を示しており、図11に示すように、蒸発容器41の基部Aの凸部46は、蒸発容器41の開口部41aの縁に沿って略平行にかつ基部Aの前面側に設けられた直線部分46aと、その直線部分46aの両端から裏面側に向かって屈曲して延びるように設けられた屈曲部分46b,46cとを有する。ポンプ33により水タンク30から供給された水は、凸部46によりコの字状に囲まれた所定の領域の水溜部S(裏面側の壁部Bで一部が囲まれる)に溜まる。この実施の形態では、1回の給水量は15g〜20gの一定量としたが、給水量はこれに限らず、蒸気発生装置の形態などに応じて適宜設定してよい。例えば、この発明の蒸気発生装置の水供給部は、間欠的に給水する1回の水の量を供給毎に代えてもよいし、連続的に水を供給してもよく、それらを組み合わせて水の供給を制御してもよい。また、この実施の形態では、所定の領域をコの字状に囲むように畝状の凸部46を基部Aに設けたが、畝状の凸部の形状はこれに限らず、上記所定の領域の少なくとも一部を囲むものであればよい。
また、図12(a)は上記蓋体44の上面図を示し、図12(b)は蓋体44の側面図を示し、図12(c)は蓋体44の側面図を示している。この蓋体44は、図12に示すように、中央に窓45が配置された耐熱樹脂製の本体部44aと、その本体部44aの前面側かつ外縁側に設けられたフランジ部44bと、本体部44aの外周に形成された環状の溝75に嵌め込まれた耐熱性のシール部材73とを有する。この蓋体44の本体部44aを蒸発容器41(図7〜図11に示す)の開口部41aに嵌め込むことにより、蒸発容器41の内周面と蓋体44とをシール部材73によりシールすると共に、蓋体44が蒸発容器41に固定されて蓋体44の脱落を防止する。
上記構成の加熱調理器1において、図1に示す操作パネル11中の電源スイッチ(図示せず)が押されて電源がオンし、操作パネル11の操作により加熱調理の運転を開始する。そうすると、まず、図3に示す制御装置80は、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bを通電し、ダンパ68により排気通路62を閉じた状態でポンプ33の運転を開始する。ポンプ33により水タンク30から第1,第2給水パイプ32,33を介して蒸気発生装置40の蒸発容器41内に給水される。
そして、蒸発容器41内に溜まった所定量の水を第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bにより加熱する。
次に、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bの通電と同時に、送風ファン28をオンすると共に、蒸気昇温装置50の蒸気加熱ヒータ52を通電する。そうすると、送風ファン28は、調理室20内の空気(蒸気を含む)を吸込口25から吸い込み、第2蒸気供給パイプ61に空気(蒸気を含む)を送り出す。この送風ファン28に遠心ファンを用いることによって、プロペラファンに比べて高圧を発生させることができる。さらに、送風ファン28に用いる遠心ファンを直流モータで高速回転させることによって、循環気流の流速を極めて速くすることができる。
次に、蒸気発生装置40の蒸発容器41内の水が沸騰すると、飽和蒸気が発生し、発生した飽和蒸気は、第1蒸気供給パイプ35を介して送風ファン28により吸い込まれて、第2蒸気供給パイプ61を通る循環気流に合流する。循環気流に合流した蒸気は、第2蒸気供給パイプ61を介して高速で蒸気昇温装置50に流入する。
そして、蒸気昇温装置50に流入した蒸気は、蒸気加熱ヒータ52により加熱されて略300℃(調理内容により異なる)の過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の天井パネル54に設けられた複数の天井蒸気吹出口55から加熱室20内の下方に向かって噴出する。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気昇温装置50の左右両側に設けられた蒸気供給通路23を介して加熱室20の両側面の側面蒸気吹出口24から噴出する。
ここで、加熱室20内において対流する蒸気は、順次吸込口25に吸い込まれて、循環経路を通って再び加熱室20内に戻るという循環を繰り返す。
なお、調理中、制御装置80は、温度センサ43により検出された蒸気発生装置40の蒸発容器41の基部Aの温度が、例えば110℃〜120℃では基部A上に水があると判断する。一方、温度センサ43により検出された基部Aの温度が、例えば140℃以上になると基部A上の水が無くなったと判断して、ポンプ33を運転して、水タンク30から第1,第2給水パイプ32,33を介して蒸気発生装置40の蒸発容器41内に所定量の水を供給する。そうして、蒸発容器41の基部Aの温度変化に基づいて、制御装置80が蒸気発生装置40の蒸発容器41内に所定量の水を間欠的に供給することによって、ほぼ連続して蒸気が発生する。
このようにして加熱室20内で過熱蒸気の対流を形成することにより、加熱室20内の温度,湿度分布を均一に維持しつつ、蒸気昇温装置50からの過熱蒸気を天井蒸気吹出口55と側面蒸気吹出口24から噴出して、ラック22上に載置された被加熱物90に効率よく衝突させることが可能となる。そうして、過熱蒸気の衝突により被加熱物90を加熱する。このとき、被加熱物90の表面に接触した過熱蒸気は、被加熱物90の表面で結露するときに潜熱を放出することによっても被加熱物90を加熱する。これにより、過熱蒸気の大量の熱を確実にかつ速やかに被加熱物90全面に均等に与えることができる。したがって、むらがなく仕上がりよい加熱調理を実現することができる。また、過熱蒸気が充満した加熱室20内は、約1%程度の低酸素濃度状態になるので、被加熱物90の酸化を抑え、ビタミンC等が損なわれることがない。
また、上記加熱調理の運転において、時間が経過すると、調理室20内の蒸気量が増加し、量的に余剰となった分の蒸気は、放出口27から放出通路64を介して第1排気口65から外部に放出される。
調理終了後、制御装置80により操作パネル11に調理終了のメッセージを表示し、さらに操作パネル11に設けられたブザー(図示せず)により合図の音を鳴らす。それにより、調理終了を知った使用者が扉12を開けると、制御装置80は、扉12が開いたことをセンサ(図示せず)により検知して、排気通路62のダンパ68を瞬時に開く。それにより、循環経路の第2蒸気供給パイプ61が排気通路62を介して第2排気口63に連通し、調理室20内の蒸気は、送風ファン28により吸込口25,第2蒸気供給パイプ61および排気通路62を介して第2排気口63から排出される。このダンパ動作は、調理中に使用者が扉12を開いても同様である。これにより、使用者は、蒸気にさらされることなく、安全に被加熱物90を調理室20内から取り出すことができる。
図13は上記制御装置80の蒸気を用いた調理時の動作を説明するフローチャートを示している。
まず、電源が投入されると、ステップS1に進み、図14に示すタンク処理が行われる。
次に、ステップS2に進み、加熱スタートであると判定すると、ステップS3に進む一方、加熱スタートでないと判定するとステップS6に進む。
そして、ステップS3で図15に示す加熱処理を行う。
次に、ステップS4に進み、加熱終了であると判定すると、ステップS5に進む一方、加熱終了でないと判定すると、ステップS3に戻る。
ステップS5では、加熱延長であると判定すると、ステップS3に戻る一方、加熱延長でないと判定すると、ステップS6に進む。
次に、ステップS6で電源を切る条件を満たしたと判定すると、電源をオフにする。
一方、ステップS6で電源を切る条件を満たしていないと判定すると、ステップS1に戻る。
図14は図13に示すステップS1のタンク処理を説明するフローチャートを示している。
このタンク処理がスタートすると、ステップS11で水が必要なメニューを選択したか否かを判定して、水が必要なメニューを選択したと判定すると、ステップS12に進む。一方、ステップS11で水が必要なメニューを選択していないと判定すると、この処理を終了する。
ステップS12では、水タンク装着検出センサ95により水タンク30がないと判定すると、ステップS13に進み、水タンク30の挿入要求を行う。
一方、ステップS12で水タンク30があると判定すると、この処理を終了する。
図15は図13に示すステップS3の加熱処理を説明するフローチャートを示している。
まず、ステップS21でヒータをオンする。ここで、ヒータとは、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bである。
次に、ステップS22に進み、図16に示す初期給水処理を行う。
次に、ステップS23に進み、図17に示す給水処理を行う。
次に、ステップS24に進み、図19に示す蒸気発生制御処理を行う。
そして、ステップS25に進み、加熱終了でないと判定すると、ステップS23に戻る一方、加熱終了であると判定すると、この処理を終了する。
図16は初期給水処理を説明するフローチャートを示している。
初期給水処理のステップS31では、温度センサ43により蒸気発生装置40の蒸発容器41の基部Aの温度(図16では基部温度)を検出する。ここで、蒸発容器41の基部Aの温度は、蒸発容器41の水溜部Sの温度に相当する。
次に、ステップS32に進み、ステップS31で検出された基部温度が110℃未満であると判定すると、ステップS33に進む一方、基部温度が110℃以上であると判定すると、ステップS36に進む。
そして、ステップS33では、温度センサ43により基部温度を検出する。
次に、ステップS34に進み、ステップS33で検出された基部温度が110℃を越えると判定すると、ステップS35に進む一方、基部温度が110℃以下であると判定すると、ステップS33に戻り、ステップS33,S34を繰り返す。
ステップS35では、ポンプ33を7秒間動作させて、蒸発容器41の水溜部Sに給水を行う。
そして、ステップS36では、再び温度センサ43により基部温度を検出する。
次に、ステップS37に進み、ステップS33で検出された基部温度が、所定の初期給水温度の一例としての150℃を越えると判定すると、ステップS38に進む一方、基部温度が150℃以下であると判定すると、ステップS36に戻り、ステップS36,S37を繰り返す。
そして、ステップS38でポンプ33を7秒間動作させて、蒸発容器41の水溜部Sに給水を行う。
図17は給水処理を説明するフローチャートを示している。
この給水処理のステップS41では、温度センサ43により蒸気発生装置40の蒸発容器41の基部Aの温度(図17では基部温度)を検出する。
次に、ステップS42で温度下降判定部80aにより所定時間内に温度下降があると判定すると、ステップS43に進む一方、所定時間内に温度下降がないと判定すると、この処理を終了する。ここで、温度下降判定部80aは、所定時間内に所定温度下がったときに温度下降があったものと判定する。
次に、ステップS43で温度センサ43により基部温度を検出する。
次に、ステップS44に進み、極小値検出部80bにより検出された極小値から第1所定温度(例えば3℃)上昇したと判定すると、ステップS45に進む一方、極小値から第1所定温度上昇していないと判定すると、ステップS43に戻り、ステップS43,S44を繰り返す。ここで、極小値検出部80bは、基部Aの温度下降時に最小値を更新して極小値を検出する。
次に、ステップS45で温度センサ43により基部温度を検出する。
次に、ステップS46に進み、温度上昇判定部80cにより極小値から温度上昇判定値の一例としての第2所定温度(例えば20℃)上昇したと判定すると、ステップS47に進む一方、極小値から第2所定温度上昇していないと判定すると、ステップS45に戻り、ステップS45,S46を繰り返す。
そして、ステップS47で図18Aに示すポンプ動作処理を行って、この処理を終了する。
次に、図18Aはポンプ動作処理を説明するフローチャートを示している。
このポンプ動作処理のステップS51では、給水間隔を算出する。すなわち、前回の給水からこのポンプ動作処理が開始されるまでの時間を算出するのである。
次に、ステップS52に進み、給水回数が2以下であると判定すると、ステップS56に進む一方、給水回数が2を越えると判定すると、ステップS53に進む。
次に、ステップS53に進み、給水間隔が所定範囲内であると判定すると、ステップS55に進む一方、給水間隔が所定範囲内でないと判定すると、ステップS54に進む。ここで、所定範囲とは、50秒(下限時間)を越えかつ90秒(上限時間)未満とする。
次に、ステップS54でポンプ動作時間を補正する。
そして、ステップS55に進み、ポンプ33を7秒間(またはステップS54により補正されたポンプ動作時間)動作させて、この処理を終了する。
以下に、上記ステップS54におけるポンプ動作時間の補正について例を示して詳細を説明する。給水経路にスケールが付着することによるポンプ33の給水量のばらつきや、水タンク30内の水量によってポンプ33の給水量が変動するので、給水間隔が所定範囲内になるようにポンプ動作時間を補正する。
この実施の形態の加熱調理器を用いた実験では、第2蒸気発生ヒータ42B(500W)のみで加熱した場合の蒸気量は12g/1分間となり、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42B(1300W)で加熱した場合の蒸気量は27g/1分間となった。
まず、上記実験により求めた蒸気量と、直前の給水間隔[秒]に基づいて、60[秒]を基準にして、
予測給水量[g] = 蒸気量[g]×給水間隔[秒]/60[秒]
により予測給水量を算出する。
次に、求めた予測給水量と、蒸発容器41に供給される基準水量(この実施形態では15gとする)と、直前の給水時のポンプ動作時間に基づいて、
最適ポンプ動作時間[秒] = 基準水量[g]×ポンプ動作時間[秒]/予測給水量[g]
により最適ポンプ動作時間を算出する。
図18Bは第2蒸気発生ヒータ42B(500W)のみにより蒸気量12g/1分間を用いてポンプ動作時間を補正した場合について、初期給水の1回目から11回目までの給水間隔[秒]と、ポンプ動作時間[秒]と、算出した予測給水量[g]と、算出した最適ポンプ動作時間[秒]の値を示している。
図18Bに示すように、例えば3回目の給水間隔が50秒であると、上記所定範囲内でないとして、
予測給水量[g] = 12[g]×50[秒]/60[秒]
= 10[g]
により予測供給量10gを算出し、その予測供給量10gに基づいて、
最適ポンプ動作時間[秒] = 15[g]×7[秒]/10[g]
= 10.5[秒]
により最適ポンプ動作時間10.5秒が求まる。これにより、3回目のポンプ動作時間を7秒から変更して最適ポンプ動作時間である10.5秒とする。また、次の4回目のポンプ動作時間を10.5秒とする。なお、4回目以降のポンプ動作処理において、再びS54の「ポンプ動作時間補正」が行われるまでは、10.5秒がポンプ動作時間となる。
一方、第7回目の給水間隔が100秒であると、上記所定範囲内でないとして、
予測給水量[g] = 12[g]×100[秒]/60[秒]
= 20[g]
により予測供給量20gを算出し、その予測供給量20gに基づいて、
最適ポンプ動作時間[秒] = 15[g]×10.5[秒]/20[g]
≒ 7.88[秒]
により最適ポンプ動作時間7.88[秒] が求まる。これにより、7回目のポンプ動作時間を10.5秒から変更して最適ポンプ動作時間である7.88秒とする。また、次の8回目のポンプ動作時間を7.88秒とする。なお、8回目以降のポンプ動作処理において、再びS54の「ポンプ動作時間補正」が行われるまでは、7.88秒がポンプ動作時間となる。
このようにして、給水間隔ができるだけ上記所定範囲(50秒〜90秒)内になるようにポンプ動作時間を補正する。なお、補正後のポンプ動作時間が初期値の7秒以下になる場合、および、調理が終了した場合、このポンプ動作時間は初期値の7秒にリセットされる。
図19A,図19Bは蒸気発生制御処理を説明するフローチャートを示している。
この蒸気発生制御処理では、図19Aに示すステップS61で温度センサ43により蒸気発生装置40の蒸発容器41の基部Aの温度(図17では基部温度)を検出する。
次に、ステップS62に進み、基部温度が第2上限温度を越えると判定すると、調理を強制終了する一方、基部温度が第2上限温度以下であると判定すると、ステップS63に進む。
次に、ステップS63で基部温度が第1上限温度を越えると判定すると、ステップS64に進む一方、基部温度が第1上限温度以下であると判定すると、図19Bに示すステップS71に進む。
そして、ステップS64でヒータ(第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42B)をオフする。
次に、ステップS65でポンプ33を7秒間動作させる。
次に、ステップS66に進み、ヒータ出力値の時間積分が開始されていると判定すると、ステップS68に進む一方、ヒータ出力値の時間積分が開始されていないと判定するとステップS67に進み、ヒータ出力値の時間積分を開始して、ステップS69に進む。なお、ヒータ出力値の時間積分を行うことにより電力量(Wh)を求め、この積分した電力量から一定時間(例えば、5分間)のヒータ出力平均値を算出する。
次に、ステップS68で一定時間のヒータ出力平均値が所定値以下であると判定すると、水タンク30が空であるとする一方、一定時間のヒータ出力平均値が所定値を越えると判定すると、ステップS69に進む。
そして、ステップS69で基部温度が所定温度未満であると判定すると、ステップS70に進む一方、基部温度が所定温度以上であると判定すると、このステップS69を繰り返す。
そして、ステップS70でヒータ(第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42B)をオンして、この処理を終了する。この後、図15に示す処理に戻り、再び給水処理が行われる。
また、図19Bに示すステップS71では、調理終了1分前であると判定すると、ステップS72に進む一方、調理終了1分前でないと判定すると、この処理を終了する。この後、図15に示す処理に戻り、再び給水処理が行われる。
次に、ステップS72では、第1蒸気発生ヒータ42Aをオフする。
次に、ステップS73に進み、基部温度を検出する。
次に、ステップS74に進み、基部温度が所定温度以上であると判定すると、ステップS75に進み、第2蒸気発生ヒータ42Bをオフして、ステップS77に進む。
一方、ステップS74で基部温度が所定温度未満であると判定すると、ステップS76に進み、第2蒸気発生ヒータ42Bをオンして、ステップS77に進む。
次に、ステップS77で調理終了でないと判定すると、ステップS73に戻り、ステップS73〜S77を繰り返す。一方、ステップS77で調理終了であると判定すると、この処理を終了する。この後、図15に示す処理に戻り、加熱処理を終了する。
図19に示すステップS64〜S68の水タンク30が空か否かの判定は、水タンク30内の水量を検出する水位検知部31がない場合や、水タンク30内の水量を検出するために水タンク30の重量を重量センサがない場合に行う。なお、このステップS64〜S68の水タンク30が空か否かの判定は、水位検知部31などの他の検知手段と併用してもよい。
図13〜図19に示すフローチャートに従って制御装置80が動作して、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bにより蒸発容器41の基部Aを加熱することにより蒸発容器41に供給された水を蒸発させる蒸気発生動作が行われる。
図20は基部温度の変化の一例を示している。なお、図20では、横軸が時間を表し、縦軸が基部温度を表すと共に、黒丸が第1回目の初期給水を表し、白丸が2回目以降の給水を表している。図20に示すように、蒸発容器41の基部温度が変化し、第1回目の初期給水から第2回目の給水までの給水間隔t1、第2回目の給水から第3回目の給水までの給水間隔t2、第3回目の給水から第4回目の給水までの給水間隔t3、さらにt4,t5と続く。そうして、下降と上昇を繰り返す基部温度の極小値は、蒸発容器41内のスケールの付着量が増えると共に高くなっている。これに伴って、基部温度の極大値も必然的に高くなる。そして、基部温度が第1上限温度(例えば300℃)を越えた場合は、過熱防止のために第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bをオフにし、蒸発容器41等を冷却するためにポンプ33を7秒間動作させる(図19のステップS64,S65)。また、基部温度が第2上限温度(例えば350℃)を越えた場合は、調理を強制終了させる(図19のステップS62)。
上記構成の蒸気発生装置40によれば、制御装置80によって、蒸気発生動作において、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bにより蒸発容器41の基部Aを加熱しながら、水供給部(30,32,33,34)から蒸発容器41の水溜部Sに間欠的に水を供給して、温度センサ43により検出された基部Aの温度が下降と上昇とを繰り返す。このとき、制御装置80によって、基部Aの温度が極小値から所定の温度上昇判定値以上高くなったときに水溜部Sに水を供給することによって、蒸発容器41内にスケールが生じて水溜部Sの温度が正確に検出できなくなっても、蒸気発生制御を確実に行うことができる。
また、上記第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bにより蒸発容器41の基部Aを加熱することにより蒸発容器41の水溜部Sに供給された水を蒸発させる蒸気発生動作において、制御装置80の温度下降判定部80aは、蒸発容器41の水溜部Sに水が供給された後に、温度センサ43により検出された基部Aの温度が下降したか否かを判定する。そうして、温度下降判定部80aにより基部Aの温度が下降したと判定した後、制御装置80の極小値検出部80bは、温度センサ43により検出された基部Aの温度が上昇したとき、基部Aの温度が下降してから上昇した期間における極小値を検出する。そして、制御装置80の温度上昇判定部80cが上記極小値よりも基部Aの温度が温度上昇判定値以上高くなったと判定すると、ポンプ33を動作させて水溜部Sに水を供給する。このように、温度下降判定部80aと極小値検出部80bと温度上昇判定部80cによって、水供給部からの給水経路や蒸発容器41内にスケールが付着して水溜部Sの温度が正確に検出できなくなっても、正確な蒸気発生制御を容易に行うことができる。
また、蒸気発生動作の開始時は、蒸発容器41の基部Aが低温であるために上記極小値を得るのが困難であるため、温度センサ43により検出された基部Aの温度が所定の初期給水温度以上になると、蒸発容器41の水溜部Sに水を供給することによって、以降の極小値を用いた蒸気発生動作をスムーズに開始することができる。
また、上記制御装置80によって、水溜部Sに水を供給する時間間隔が下限時間以下になると、水溜部Sに供給する毎のポンプ33の動作時間を増やす一方、水溜部Sに水を供給する間隔が上限時間以上になると、水溜部Sに供給する毎のポンプ33の動作時間を減らす。それによって、給水経路に付着したスケールなどによる給水量のばらつきを補正して、所定範囲内の量の水が毎回水溜部Sに供給されるようにできる。なお、この実施の形態では、水を供給する毎のポンプ33の動作時間を制御したが、ポンプの送水能力を制御してもよい。
また、上記構成の加熱調理器によれば、蒸発容器41内にスケールが生じて水溜部Sの温度が正確に検出できなくなっても、蒸気発生制御を確実に行うことができる蒸気発生装置40を用いることによって、性能のよい加熱調理器を実現することができる。
また、調理終了の所定時間前から調理終了までの間、制御装置80によって、蒸発容器41の水溜部Sへの水の供給をせずに、温度センサ43により検出された基部Aの温度が水溜部Sの水が蒸発する温度以上(より好ましくは、調理が終了するまでに水溜部の水が蒸発して無くなる温度)になるように第2蒸気発生ヒータ42Bにより蒸発容器41の基部Aを加熱することによって、調理終了時に蒸発容器41の水溜部Sに水が残らず、排水する必要がなくなる。したがって、排水バルブや排水用パイプなどを用いる必要がなくなると共に、蒸発容器41の水溜部Sに残った水にカビが発生したり、菌が繁殖するなど衛生状態が悪くなることもないので、低コストでかつ衛生的な加熱調理器を実現することができる。
また、上記加熱調理器1によれば、簡単な構成で蒸気発生の立ち上がりを早くできると共に、ヒータ部(42A,42B)の取り付けが容易にでき、さらに掃除が簡単に行える蒸気発生装置40を実現することができる。また、調理終了時に蒸気発生装置40の蒸発容器41内に水が残らないように、水供給部(30,32,33,34)からの水の供給やヒータ部(42A,42B)の通電を制御することによって、蒸発容器41の排水を行う必要がなく、衛生面が向上すると共に、排水バルブや排水経路などが不要となり、構成を簡略化して小型化と低コスト化を図ることができる。さらに、上記水供給部から基部A上の所定の領域内に少量の水を間欠的に供給して蒸気発生を繰り返すことができ、ポット内にヒータ部を配置したものに比べて基部Aを大幅に小さくすることが可能になり、この蒸気発生装置40の小型化が図れる。
また、上記蒸気発生装置40の基部Aが略長方形の底部となる略直方体形状の蒸発容器41を、長手方向が略水平になるように配置して、その蒸発容器41の基部Aの一方の長辺側の側面に設けられた開口部41aに、開閉自在な蓋体44を取り付けることによって、使用者が蓋体44を取り外して容易に蒸発容器41内を掃除することができる。なお、蓋体の開閉構造はこれに限らず、他の構造の開閉自在な蓋体を用いたものにこの発明を適用してもよい。例えば、調理室20の壁面側に蓋体の開閉構造を設けてもよい。
また、上記基部Aの下側にヒータ取付板73を介してヒータ部(42A,42B)を取り付けることによって、ヒータ部(42A,42B)からの熱がヒータ取付板73により均一に分散されて、基部Aの下側をムラなく加熱でき、熱損失を低減して、効率を向上できる。
また、上記ヒータ部(42A,42B)に用いられた2本のシーズヒータのうちの給水側のシーズヒータ(42A)の発熱量を他のシーズヒータ(42B)よりも大きくして、基部A上でも最も水が存在する給水側の領域に、他の領域よりもできるだけ熱を集中させることによって、蒸気発生の効率を向上できる。この実施の形態では、ヒータ部(42A,42B)に2本のシーズヒータを用いたが、3本以上のシーズヒータを用いてもよいし、他の加熱手段(例えば、面状ヒータ、電熱線、IH加熱、ガスなどの燃焼による加熱など)を用いてもよい。
また、上記水供給部から基部A上に水を供給するための給水口71aの近傍に温度センサ43を配置することによって、その温度センサ43により基部Aの温度変化を正確に測定することができる。
また、この発明の加熱調理器によれば、低コストで性能のよい加熱調理器を実現することができる。
また、上記蒸気発生装置40によれば、蓋体44により蒸発容器41の開口部41aを閉じた状態でヒータ部(42A,42B)により蒸発容器41を加熱することによって、給水口71aから給水された水溜部Sの水を蒸発させて、蒸発容器41内から供給口72aを介して外部に蒸気を供給することが可能となる。そして、上記蓋体44を開いて蒸発容器41の側面に設けられた開口部41aを介して蒸発容器41の内部をあらわにすることによって、蒸発容器41内に手が入れやすくなる。したがって、蒸発容器41内の清掃が容易にできる衛生的な蒸気発生装置40を実現することができる。
また、上記蒸発容器41の開口部41aが設けられた側面に開閉可能に蓋体44を設けることによって、蒸発容器41の開口部41aと蓋体44との嵌め合わせが確実にでき、蒸発容器41の開口部41aのシール性を向上できる。
また、上記蒸発容器41の開口部41aに対向する開口を調理室20の内壁面に設けることによって、調理室20内側から見て蓋体44を開いた蒸発容器41の内部は開口部41aを介してあらわになり、調理室20から蒸発容器41内に手が入れやすくなって、蒸発容器41内の清掃が容易にできる。なお、上記蒸発容器41の開口部41aに対向する開口を本体ケーシング10の外壁面に設けてもよく、この場合、本体ケーシングの外側から見て蒸発容器の内部が開口部を介してあらわになり、外側から蒸発容器内に手が入れやすくなって、蒸発容器内の清掃が容易にできる。
なお、上記実施の形態では、蒸気発生装置40側に蓋体44を設けたが、蓋体を調理室の内壁面に設けてもよい。この場合、蒸発容器の蓋体が調理室の内壁面の一部を兼ねるので、蓋体44のための余分なスペースを本体ケーシング10に確保する必要がなく、加熱調理器の小型化が図れると共に、調理室20の内壁面のスペースに余裕があるので、蒸発容器41側よりも蓋体44を開閉する開閉機構を容易に設けることができる。また、上記開口部を開閉可能にする蓋体を本体ケーシングの外壁面に設けてもよく、この場合も、蒸発容器の蓋体が本体ケーシングの外壁面の一部を兼ねるので、蓋体44のための余分なスペースを本体ケーシング10に確保する必要がなく、加熱調理器の小型化が図れると共に、本体ケーシングの外壁面のスペースに余裕があるので、蒸発容器側よりも蓋体を開閉する開閉機構を容易に設けることができる。
また、この実施の形態では、蒸気発生装置40の蒸発容器41の開口部41aに対向する開口を調理室20の後面側の内壁面に設けられた開口に、蒸発容器41の開口部41aが対向するように蒸気発生装置40を本体ケーシング10内に配置したが、調理室内に蒸気発生装置を配置してもよい。この場合、蓋体を開いた蒸発容器の内部は開口部を介してあらわになり、調理室の蒸発容器内に手が入れやすくなって、蒸発容器内の清掃が容易にできる。
また、上記実施の形態では、長手側の一方の側面に開口部41aが設けられたステンレス製の直方体形状の蒸発容器41を備えた蒸気発生装置40について説明したが、蒸気発生装置の蒸発容器の形状はこれに限らず、全体が略平板状の基部を有するものであればよい。
また、上記実施の形態では、蒸気発生装置40を用いた加熱調理器1について説明したが、加熱調理器に限らず、蒸気を用いる他の装置にこの発明の蒸気発生装置を適用してもよい。
また、水タンク30の少なくとも一部の重量を検出する重量センサを用いることによって、水タンク30内の水量を検出してもよい。
図1はこの発明の一実施の形態の蒸気発生装置を用いた加熱調理器の外観斜視図である。 図2は図1に示す加熱調理器の扉を開いた状態の外観斜視図である。 図3は図1に示す加熱調理器の概略構成図である。 図4は図1に示す加熱調理器の制御ブロック図である。 図5は上記加熱調理器の扉のない状態の正面図である。 図6は上記加熱調理器の本体ケーシングのない状態の裏面図である。 図7は上記加熱調理器の蒸気発生装置の上面図である。 図8は上記蒸気発生装置の正面図である。 図9は上記蒸気発生装置の下面図である。 図10Aは上記蒸気発生装置の側面図である。 図10Bは図8のXB−XB線から見た断面図である。 図11は図8のXI−XI線から見た断面図である。 図12は上記蒸気発生装置の蓋体の上面図と正面図と側面図である。 図13は上記制御装置の蒸気を用いた調理時の動作を説明するフローチャートである。 図14はタンク処理を説明するフローチャートである。 図15は加熱処理を説明するフローチャートである。 図16は初期給水処理を説明するフローチャートである。 図17は給水処理を説明するフローチャートである。 図18Aはポンプ動作処理を説明するフローチャートである。 図18Bは上記ポンプ動作処理におけるポンプ動作時間の補正について説明するための図である。 図19Aは蒸気発生制御処理を説明するフローチャートである。 図19Bは図19Aに続くフローチャートである。 図20は基部温度の変化を示す図である。 図21Aは極小値を説明するための模式図である。 図21Bは極小値を説明するための模式図である。
1…加熱調理器
10…本体ケーシング
11…操作パネル
12…扉
13…ハンドル
14…窓
20…調理室
21…受皿
22…ラック
25…吸込口
26…ファンケーシング
27…放出口
28…送風ファン
30…水タンク
31…水位検知部
32…第1給水パイプ
34…第2給水パイプ
33…ポンプ
35…第1蒸気供給パイプ
36…水タンク用水位センサ
37…水タンク用収納部
40…蒸気発生装置
41…蒸発容器
41a…開口部
42A…第1蒸気発生ヒータ
42B…第2蒸気発生ヒータ
43…温度センサ
46…凸部
48…温度センサ
50…蒸気昇温装置
51…皿形ケース
52…蒸気加熱ヒータ
61…第2蒸気供給パイプ
62…排気通路
63…第2排気口
64…放出通路
65…第1排気口
68…ダンパ
71,72…接続部
71a…給水口
72a…供給口
80…制御装置
80a…温度下降判定部
80b…極小値検出部80b
80c…温度上昇判定部
81…調理室用温度センサ
82…調理室用湿度センサ
83…電源部
84…記憶部
85…検出部
86…加熱部
90…被加熱物
95…水タンク装着検出センサ
S…水溜部

Claims (4)

  1. 蒸発容器と、
    上記蒸発容器内の水溜部に水を供給する水供給部と、
    上記蒸発容器の上記水溜部を加熱して、上記水供給部から上記水溜部に供給された水を蒸発させるヒータ部と、
    上記蒸発容器の上記水溜部の温度を検出する温度センサと、
    上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度に基づいて、上記水供給部と上記ヒータ部を制御する制御装置と
    を備え、
    上記制御装置は、
    上記ヒータ部により上記蒸発容器の上記水溜部を加熱しながら、上記水供給部から上記蒸発容器の上記水溜部に間欠的に水を供給することにより、上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度が下降と上昇とを繰り返す蒸気発生動作において、上記水溜部の温度が上記水溜部へのスケールの付着により変動する極小値から所定の温度上昇判定値以上高くなったときに上記水供給部により上記水溜部に水を供給させることを特徴とする蒸気発生装置。
  2. 請求項1に記載の蒸気発生装置において、
    上記制御装置は、
    上記蒸気発生動作において、上記水供給部から上記水溜部に水が供給された後に、上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度が下降したか否かを判定する温度下降判定部と、
    上記温度下降判定部により上記水溜部の温度が下降したと判定した後に上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度が上昇したとき、上記水溜部の温度が下降してから上昇した期間における上記極小値を検出する極小値検出部と、
    上記極小値検出部により上記極小値が検出された後、検出された上記極小値よりも上記温度センサにより検出された上記水溜部の温度が上記温度上昇判定値以上高くなったか否かを判定する温度上昇判定部と
    を有し、
    上記温度上昇判定部が上記極小値よりも上記水溜部の温度が上記温度上昇判定値以上高くなったと判定すると、上記水供給部により上記水溜部に水を供給させることを特徴とする蒸気発生装置。
  3. 請求項1または2に記載の蒸気発生装置において、
    上記水供給部は、水タンクと、上記水タンク内の水を上記蒸発容器の上記水溜部に送り出すポンプとを有し、
    上記制御装置は、上記水供給部から上記水溜部に水を供給する間隔が所定範囲内になるように、上記水溜部に供給する毎の上記ポンプの動作時間または送水能力を制御することを特徴とする蒸気発生装置。
  4. 請求項1または2に記載の蒸気発生装置において、
    上記水供給部は、水タンクと、上記水タンク内の水を上記蒸発容器の上記水溜部に送り出すポンプとを有し、
    上記制御装置は、上記水供給部により上記水溜部に水を供給する時間間隔が下限時間以下になると、上記水溜部に供給する毎の上記ポンプの動作時間または送水能力を増やす一方、上記水供給部により上記水溜部に水を供給する時間間隔が上限時間以上になると、上記水溜部に供給する毎の上記ポンプの動作時間または送水能力を減らすことを特徴とする蒸気発生装置。
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