JP4690968B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

この発明は、蒸気を用いて食品の加熱調理を行う加熱調理器に関する。
蒸気を用いた調理器において、使用済みの蒸気あるいは蒸気の熱を回収して、蒸気の高温に使用者が曝されるのを防止すると共に、発生させた熱を有効利用するものがある。
例えば、特開平3‐231613号公報(特許文献1)に開示された調理器の蒸気回収装置においては、炊飯器による炊飯時に、内釜に発生した蒸気を、送風機によって、蒸気排出路を介して、炊飯器本体の外壁に取り付けられた熱交換装置内の水の中に吐出する。そして、水中に吐出された蒸気は上記水との熱交換を行って、一部は上記水に復水される。こうして、安全に且つ使用場所の近傍で結露することなく、蒸気を排出するようにしている。
また、特開平7‐243648号公報(特許文献2)に開示された蒸気調理装置においては、蒸気発生容器で発生された蒸気を、蒸気供給パイプおよび分岐パイプを介して蒸気噴出孔から調理ケース内に吹き出して加熱調理を行う。一方、貯水タンクの水が、吸水管および上記蒸気供給パイプを介して上記蒸気発生容器に供給される。その際に、上記吸水管のうち上記調理ケース内に在る部分でなる熱交換部で上記調理ケース内の蒸気と熱交換を行う。こうして、上記蒸気発生容器に供給される水を上記調理ケース内の使用済み蒸気で予め加熱し、蒸気の熱を有効に利用するようにしている。
また、特開2002‐272604号公報(特許文献3)に開示された過熱蒸気による加熱装置においては、タンク内の水を蓄熱槽内の蓄熱材によって加熱して得られた過熱蒸気を、噴出手段によって加熱箱内に噴出して被加熱物を加熱する。上記タンク内には廃熱回収手段(熱交換器)が設置されており、上記加熱箱から排出された過熱蒸気を上記廃熱回収手段に送って上記タンク内の水に放熱して凝縮し、水として排出するようにしている。
また、特開2003‐336846号公報(特許文献4)に開示された加熱調理装置においては、加熱室内の過熱蒸気を排出する排気流路中で蒸気を凝縮させ、発生した凝縮水を上記排気流路の側壁を伝って上記加熱室内に流下させて、再び過熱蒸気の生成源として再利用するようにしている。
ところで、上記過熱蒸気によって被加熱物を加熱する場合において、蒸し料理等の大量の水蒸気(非過熱蒸気)を使用する調理の場合には、調理後の蒸気に油が含まれることは殆ど無い。ところが、魚の塩焼き等の過熱蒸気よって被加熱物を加熱する調理の場合には、調理後の蒸気には魚の臭いや油が含まれてしまう。
その場合、上記特許文献2および特許文献3に開示された加熱調理器のごとく、加熱室内の使用済み蒸気の熱のみを回収して有効利用する場合には、特に問題はない。
しかしながら、上記特許文献4に開示された加熱調理器のごとく、加熱室内の使用済みの過熱蒸気を凝縮させて再び過熱蒸気の生成源として再利用する場合には、過熱蒸気の生成源の水に、魚の臭いや油が混じってしまうという問題がある。
特開平3‐231613号公報 特開平7‐243648号公報 特開2002‐272604号公報 特開2003‐336846号公報
そこで、この発明の課題は、加熱室内の過熱蒸気を新たな過熱蒸気の生成源として再利用する際に上記生成源の水に被加熱物の臭いや油が混入しない加熱調理器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の加熱調理器は、
水が供給されるポットと、上記ポット内の水を加熱する加熱手段とを含む蒸気発生装置と、
上記蒸気発生装置で発生された蒸気を用いて被加熱物を加熱するための加熱室と、
上記加熱室からの蒸気を放出する蒸気放出手段と、
を備え、
上記蒸気放出手段は、上記ポット内へ供給されるべき水中に上記加熱室からの蒸気を放出する第1放出通路と、上記ポット内へ供給されるべき水中に上記加熱室からの蒸気を放出しない第2放出通路とを含んでおり、
調理メニューに応じて、上記第1放出通路と上記第2放出通路とに切り替える放出通路切替手段と、
上記放出通路切替手段を制御する制御手段と
をさらに備えた加熱調理器において、
上記制御手段は、
上記加熱室から放出される蒸気中に蒸気とは異なる成分が含まれにくい調理メニューの場合には、上記第1放出通路に切り替える一方、
上記加熱室から放出される蒸気中に蒸気とは異なる成分が含まれやすい調理メニューの場合には、上記第2放出通路に切り替える
ように上記放出通路切替手段を制御する
ことを特徴としている。
上記構成によれば、蒸気とは異なる成分が含まれにくい調理メニュー(例えば、蒸し料理)の場合には、上記加熱室から放出される蒸気を上記ポット内の水に通すことによって上記蒸気を回収し、蒸気とは異なる成分が含まれやすい調理メニュー(例えば、焼き魚や唐揚げ)の場合には、上記加熱室から放出される蒸気を上記ポット内の水に通さずに回収しないようにすることができる。こうすることによって、蒸気発生装置に供給される水に、油等の成分が混入しにくくなり、上記蒸気発生装置への水の供給経路を清潔に保つことができる。ここで、「加熱室から放出される蒸気中に蒸気とは異なる成分が含まれる」状態とは、蒸気の粒子に水以外の成分が溶け込んでいる状態、あるいは、蒸気の粒子と油の粒子等が並存している状態を意味している
以上より明らかなように、この発明の加熱調理器は、制御手段によって、上記加熱室から放出される蒸気中に蒸気とは異なる成分が含まれにくい調理メニューの場合には、上記ポット内へ供給されるべき水中に加熱室からの蒸気を放出する第1放出経路に切り替える一方上記加熱室から放出される蒸気中に蒸気とは異なる成分が含まれやすい調理メニューの場合には、上記ポット内へ供給されるべき水中に上記加熱室からの蒸気を放出しない第2放出経路に切り替えるように放出通路切替手段を制御するので、調理メニューに応じて、上記加熱室から放出される蒸気を水に通すことによって回収する場合と、回収しない場合とに場合分けすることができる。すなわち、この発明によれば、被加熱物からの臭いや油を取り込み易い調理メニューの場合には、上記加熱室からの蒸気を回収せず、被加熱物からの臭いや油を取り込み難い調理メニューの場合には、上記加熱室からの蒸気を蒸気発生用の水として回収することができる。したがって、上記蒸気発生用の水に被加熱物からの臭いや油が混入するのを防止することができるのである
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の加熱調理器における外観斜視図である。本加熱調理器1は、直方体形状のキャビネット10の正面の上部に操作パネル11を設け、キャビネット10の正面における操作パネル11の下側には、下端側の辺を中心に回動する扉12を設けて概略構成されている。そして、扉12の上部にはハンドル13が設けられ、扉12には耐熱ガラス製の窓14が嵌め込まれている。
図2は、上記加熱調理器1の扉12を開いた状態の外観斜視図である。キャビネット10内に、直方体形状の加熱室20が設けられている。加熱室20は、扉12に面する正面側に開口部20aを有し、加熱室20の側面,底面および天面がステンレス鋼板で形成されている。また、扉12は、加熱室20に面する側がステンレス鋼板で形成されている。加熱室20の周囲および扉12の内側に断熱材(図示せず)が載置されており、加熱室20内と外部とが断熱されている。
また、上記加熱室20の底面には、ステンレス製の受皿21が設置され、受皿21上には、被加熱物を載置するためのステンレス鋼線製のラック24(図3参照)が設置される。さらに、加熱室20の両側面下部には、略水平に延在する略長方形の側面蒸気吹出口22(図2では一方のみが見えている)が設けられている。
図3は、上記加熱調理器1の基本構成を示す概略構成図である。図3に示すように、本加熱調理器1は、加熱室20と、蒸気用の水を貯める水タンク30と、水タンク30から供給された水を蒸発させて蒸気を発生させる蒸気発生装置40と、蒸気発生装置40からの蒸気を加熱する蒸気昇温室50と、蒸気発生装置40や蒸気昇温室50等の動作を制御する上記制御手段としての制御装置80とを備えている。
上記加熱室20内に設置された受皿21上には格子状のラック24が載置され、そのラック24の略中央に被加熱物90が置かれる。
また、上記水タンク30の下側に設けられた接続部30aは、第1給水パイプ31の一端に設けられた漏斗形状の受入口31aに接続可能になっている。そして、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる第2給水パイプ32の端部にはポンプ35の吸込側が接続され、そのポンプ35の吐出側には第3給水パイプ33の一端が接続されている。さらに、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる水位センサ用パイプ38の上端には、水タンク用水位センサ36が配設されている。さらに、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる大気開放用パイプ37の上端には、後述する排気ダクト65に接続されている。
そして、上記第3給水パイプ33は、垂直に配置された部分から略水平に屈曲するL字形状をしており、第3給水パイプ33の他端には水位検出タンク39が接続されている。さらに、水位検出タンク39の下端には第4給水パイプ34の一端が接続され、その第4給水パイプ34の他端には蒸気発生装置40の下端が接続されている。また、蒸気発生装置40における第4給水パイプ34の接続点よりも下側には、排水バルブ70の一端が接続されている。そして、排水バルブ70の他端には排水パイプ71の一端が接続され、排水パイプ71の他端には排水タンク72が接続されている。尚、水位検出タンク39の上部は、大気開放用パイプ37と排気ダクト65を介して大気に連通されている。また、水位検出タンク39内には水位センサ43が取り付けられている。
上記水タンク30が第1給水パイプ31の受入口31aに接続されると、水タンク30内の水は、水タンク30と同水位になるまで大気開放用パイプ37内に上昇する。その際に、水タンク用水位センサ36につながる水位センサ用パイプ38は先端が密閉されているため水位は上がらないが、水タンク30の水位に応じて水位センサ用パイプ38の密閉された空間の圧力は大気圧から上昇する。この圧力変化を、水タンク用水位センサ36内の圧力検出素子(図示せず)で検出することによって、水タンク30内の水位が検出されるようになっている。ポンプ35が静止中である際の水位測定では、大気開放用パイプ37は不要であるが、ポンプ35の吸引圧力が直接上記圧力検出素子に働いて水タンク30の水位検出の精度が低下するのを防止するために、開放端を有する大気開放用パイプ37を設けている。
また、上記蒸気発生装置40は、下側に第4給水パイプ34の他端が接続されたポット41と、ポット41内の底面近傍に配置された蒸気発生ヒータ42と、ポット41の上側に取り付けられた蒸気吸引エジェクタ44とを有している。また、加熱室20の側面上部に設けられた吸込口25の外側には、ファンケーシング26を配置している。そして、ファンケーシング26に設置された送風ファン28によって、加熱室20内の蒸気は、吸込口25から吸い込まれて、第1パイプ61および第2パイプ62を介して蒸気発生装置40の蒸気吸引エジェクタ44の入口側に送り込まれる。第1パイプ61は、略水平に配置されており、一端がファンケーシング26に接続されている。また、第2パイプ62は、略垂直に配置されており、一端が第1パイプ61の他端に接続される一方、他端が蒸気吸引エジェクタ44のインナーノズル45の入口側に接続されている。
上記蒸気吸引エジェクタ44は、インナーノズル45の外側を包み込むアウターノズル46を備えており、インナーノズル45の吐出側がポット41の内部空間と連通するようになっている。そして、蒸気吸引エジェクタ44のアウターノズル46の吐出側には第3パイプ63の一端が接続され、その第3パイプ63の他端には蒸気昇温室50が接続されている。
上記ファンケーシング26,第1パイプ61,第2パイプ62,蒸気吸引エジェクタ44,第3パイプ63および蒸気昇温室50で外部循環路60を形成している。また、加熱室20の側面の下側に設けられた放出口27には蒸気放出通路64(以下、単に放出通路64という場合もある)の一端が接続され、放出通路64の他端は、水位検出タンク39の天面を貫通して水位検出タンク39内に挿入されている。こうして、放出通路64から加熱室20内に水位検出タンク39内の水が逆流しないようにしている。尚、その場合、放出通路64は、加熱室20内に水位検出タンク39内の水が逆流しないような位置で水位検出タンク39を貫通していればよく、例えば、水位検出タンク39の側面であり、且つ、水位検出タンク39内の水面よりも常時高い位置で、貫通していても差し支えない。
また、上記排気ダクト65の他端には排気口66が設けられている。そして、外部循環路60を形成する第1パイプ61,第2パイプ62との接続部には、排気通路67を介して排気ダクト65が接続されている。さらに、排気通路67における第1,第2パイプ61,62の接続側には、排気通路67を開閉するダンパ68が配置されている。
また、上記蒸気昇温室50は、加熱室20の天井側であって且つ略中央に、開口を下側にして配置された皿型ケース51と、この皿型ケース51内に配置された蒸気加熱ヒータ52を有している。皿型ケース51の底面は、加熱室20の天井面に設けられた金属製の天井パネル54で形成されている。天井パネル54には、上記第1蒸気吹出口としての複数の天井蒸気吹出口55が形成されている。ここで、天井パネル54は、上下両面が塗装等によって暗色に仕上げられている。尚、使用を重ねることにより暗色に変色する金属素材や暗色のセラミック成型品によって、天井パネル54を形成してもよい。
さらに、上記蒸気昇温室50には、加熱室20の上部に左右両側に向かって延在する蒸気供給通路23(図3においては一方のみが見えている)の一端が夫々接続されている。そして、蒸気供給通路23は加熱室20の両側面に沿って下方向かって延在しており、その他端には、上記加熱室20の両側面下側に設けられた側面蒸気吹出口22に接続されている。
次に、本加熱調理器1の制御系について説明する。
制御装置80は、マイクロコンピュータおよび入出力回路等から構成され、図4に示すように、送風ファン28と、蒸気加熱ヒータ52と、ダンパ68と、排水バルブ70と、蒸気発生ヒータ42と、操作パネル11と、水タンク用水位センサ36と、水位センサ43と、加熱室20(図3に示す)内の温度を検出する温度センサ81と、水位検出タンク39内の水温を検出する温度センサ69と、加熱室20内の湿度を検出する湿度センサ82と、ポンプ35とが、接続されている。そして、水タンク用水位センサ36,水位センサ43,温度センサ69,81および湿度センサ82からの検出信号に基づいて、送風ファン28,蒸気加熱ヒータ52,ダンパ68,排水バルブ70,蒸気発生ヒータ42,操作パネル11およびポンプ35を所定のプログラムに従って制御する。
以下、上記構成を有する加熱調理器1の基本動作について、図3および図4に従って説明する。操作パネル11の電源スイッチ(図示せず)が押圧されると電源がオンし、操作パネル11の操作によって加熱調理の運転が開始される。そうすると、先ず、制御装置80は、排水バルブ70を閉鎖し、ダンパ68によって排気通路67を閉じた状態でポンプ35の運転を開始する。そして、ポンプ35によって、水タンク30から蒸気発生装置40のポット41内に第1〜第4給水パイプ31〜34を介して給水される。その場合、水位検出タンク39の底部は第4給水パイプ34を介してポット41の底部に連通しているため、水位検出タンク39の水位はポット41の水位と同じになる。その後、ポット41内の水位が所定水位に達したことを水位センサ43が検出すると、ポンプ35を停止して給水を止める。
尚、上記水位検出タンク39とポット41とは、必ずしも底部で連通している必要はなく、蒸気発生部であるポット41の水位を測れる位置で連通していればよい。例えば、水位検出タンク39の底部近傍の側面とポット41の底部近傍の側面とが、連通していても差し支えない。このように、好ましくは、水位検出タンク39とポット41とは、互いの下部で連通している構成がよい。その理由は、こうすることによって、ポット41の水位を、低位置まで測定することができるからである。
次に、上記蒸気発生ヒータ42に通電し、ポット41内に溜まった所定量の水を蒸気発生ヒータ42によって加熱する。
そして、上記蒸気発生ヒータ42の通電と同時に、または、ポット41内の水の温度が所定温度に達すると、送風ファン28をオンすると共に、蒸気昇温室50の蒸気加熱ヒータ52に通電する。そうすると、送風ファン28は、加熱室20内の気体(蒸気を含む)を吸込口25から吸い込み、外部循環路60に気体(蒸気を含む)を送り出す。その際に、送風ファン28に遠心ファンを用いているので、プロペラファンを用いる場合に比べて高圧を発生させることができる。さらに、送風ファン28に用いる遠心ファンを直流モータで高速回転させることによって、循環気流の流速を極めて速くすることができる。
次に、上記蒸気発生装置40のポット41内の水が沸騰すると飽和蒸気が発生し、発生した飽和蒸気は、蒸気吸引エジェクタ44の箇所で外部循環路60を通る循環気流に合流する。そして、蒸気吸引エジェクタ44から出た蒸気は、第3パイプ63を介して高速で蒸気昇温室50に流入する。
そして、上記蒸気昇温室50に流入した蒸気は、蒸気加熱ヒータ52によって加熱されて、略300℃(調理内容により異なる)の過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の天井パネル54に設けられた複数の天井蒸気吹出口55から加熱室20内の下方に向かって噴出される。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気昇温室50の左右両側に設けられた蒸気供給通路23を介して、加熱室20の両側面の側面蒸気吹出口22から噴出される。
こうして、上記加熱室20の天井側から噴出した過熱蒸気が中央の被加熱物90側に向かって勢いよく供給されると共に、加熱室20の左右の側面側から噴出した過熱蒸気は、受皿21に衝突した後、被加熱物90の下方から被加熱物90を包むように上昇しながら供給される。その結果、加熱室20内において、中央部では吹き下ろし、その外側では上昇するという形の対流が生じる。そして、対流する蒸気は、順次吸込口25に吸い込まれて、外部循環路60を通って再び加熱室20内に戻るという循環を繰り返す。
このようにして、上記加熱室20内で過熱蒸気の対流を形成することによって、加熱室20内の温度・湿度分布を均一に維持しつつ、蒸気昇温室50からの過熱蒸気を天井蒸気吹出口55と側面吹出口22とから噴出して、ラック24上に載置された被加熱物90に効率よく衝突させることが可能になり、過熱蒸気の衝突によって被加熱物90が加熱される。その場合、被加熱物90の表面に接触した過熱蒸気は、被加熱物90の表面で結露する際に潜熱を放出することによっても被加熱物90を加熱する。これにより、過熱蒸気の大量の熱を確実に且つ速やかに被加熱物90全面に均等に与えることができる。したがって、斑がなくて仕上がりのよい加熱調理を実現することができるのである。
また、上記加熱調理運転時において、時間が経過すると、加熱室20内の蒸気量が増加し、量的に余剰となった分の蒸気や、加熱室20内の圧力が上がり過ぎないように排気される蒸気など(以下、余剰蒸気と言う場合もある)は、放出口27から放出通路64を通って水位検出タンク39内に供給される。そして、水位検出タンク39内に供給された蒸気は、水位検出タンク39内の水と熱交換を行って一部が凝縮し、凝縮水となって水位検出タンク39内に止まり、残りは低温の蒸気となって排気ダクト65を介して排気口66から外部に放出される。その際に、水位検出タンク39内を通過する蒸気は冷却されることにより、外部に蒸気がそのまま放出されるのを防止している。尚、放出通路64内で結露した水の一部は、放出通路64内を流れ落ちて受皿21に導かれ、調理によって発生した水と共に調理終了後に処理される。
調理終了後、上記制御装置80によって操作パネル11に調理終了のメッセージが表示され、さらに操作パネル11に設けられたブザー(図示せず)によって合図の音を鳴らす。これらのメッセージやブザーによって調理終了を知った使用者が扉12を開けると、制御装置80は、センサ(図示せず)によって扉12が開いたことを検知して、排気通路67のダンパ68を瞬時に開く。そうすると、外部循環路60の第1パイプ61が排気通路67を介して排気ダクト65に連通し、加熱室20内の蒸気は、送風ファン28によって、吸込口25,第1パイプ61,排気通路67および排気ダクト65を介して排気口66から排出される。このダンパ動作は、調理中に使用者が扉12を開いても同様に機能する。したがって、使用者は、蒸気にさらされることなく、安全に被加熱物90を加熱室20内から取り出すことができるのである。
以下、この実施の形態の特徴である上記加熱室20内の余剰蒸気を例として、蒸気の回収方法について詳細に説明する。尚、上記余剰蒸気以外にも、加熱室20内から蒸気放出通路64を通る蒸気であれば、回収可能であることは言うまでもない。
図5は、上記水タンク30から水位検出タンク39に至る給水経路と、加熱室20から水位検出タンク39に至る排気経路とを示す概略図である。尚、図5では、第1給水パイプ31を省略している。本実施の形態においては、放出通路64の他端が水位検出タンク39内の水面よりもやや高い位置になるようにしている。この水位は、後に詳述するように上下するようになっており、水面が上昇して放出通路64の上記他端が水中に没した場合に、水位検出タンク39を熱交換器として用いることによって、加熱室20からの余剰蒸気の回収と上記余剰蒸気の熱の回収とを行うのである。また、水位検出タンク39内における底部には、水位検出タンク39内水温を検出する温度センサ69を設置している。
図5において、上記制御装置80による制御の下に、ポンプ35によって、水タンク30から、第1〜第3給水パイプ31〜33を介して水位検出タンク39に給水される。さらに、水位検出タンク39から、第4給水パイプ34を介してポット41に給水される。一方、加熱室20からの余剰蒸気は、放出通路64を介して水位検出タンク39内に供給される。そして、水位検出タンク39内に供給された蒸気は、後に説明するようにして、水位検出タンク39内の水中に放出されて気泡となり、水と熱交換を行って冷却される。そして、一部が凝縮し、凝縮水となって水位検出タンク39内に回収される。こうして回収された凝縮水は、蒸気発生用の水の一部となるのである。その際に発生する凝縮熱によって、水位検出タンク39内の水が加熱され、水位検出タンク39内の水、延いてはポット41内の水が予熱される。こうして、加熱室20からの余剰蒸気(以下、簡単に排気という場合もある)の熱が回収されるのである。
この場合、上記水位検出タンク39を熱交換器として用いる代わりに、蒸気発生装置40のポット41あるいは水タンク30を熱交換器として用いることも考えられる。しかしながら、ポット41を熱交換器として用いる場合には、ポット41内の水温は100℃であり、蒸気発生ヒータ42が存在することもあって、放出通路64から放出された排気が十分に凝縮しない可能性があり、好ましくない。また、逆に、蒸気発生ヒータ42によって加熱されて加熱室20内への逆流してしまう懸念があり、好ましくない。同様に、放出通路64が水面から出てしまった場合には、放出通路64を通って加熱室20内に逆流してしまう可能性がある。さらに、ポット41内の熱湯に熱い排気を潜らせる場合には、排気の熱量を効率よく回収することができない。
一方、着脱可能である上記水タンク30を熱交換器として用いる場合には、上記排気から回収された熱によって水タンク30内の水温度が上昇して水タンク30そのものが熱くなり、調理終了後に使用者が水タンク30を取り外す際に不快に感じてしまう可能性があり、好ましくない。また、水タンク30内の水位は調理の進行に伴って下降するため放出通路64が水面から出てしまう場合が生ずる。その場合には、上記排気を凝縮することができなくなり、好ましくない。また、放出通路64が水面から出てしまった場合には、高温の排気が水タンク30内の空間を介してキャビネット10外に漏れ出してしまう可能性があり、好ましくない。さらに、水タンク30は、使用者によって着脱可能になっているため、放出通路64の先端部を水中に浸す構造が複雑になり、生産上工数が増えるので好ましくない。尚、水タンクが着脱可能でない場合(例えば、固定されている場合や、水道管から水タンクに直接給水するタイプの場合等)には、使用者が水タンクを取り出す際に不快に感じる可能性も低く、構造も複雑でなくなるため、使用を妨げる要因が減少するため、実施可能性がでてくる。
これに対して、上記水位検出タンク39を熱交換器として用いる場合には、水位検出タンク39は蒸気発生装置40のポット41の近傍に設置されており、その容積は水タンク30に比してかなり小さい。したがって、同じ量の上記排気から同じ熱量を回収する場合には、容積の小さい水位検出タンク39を用いる方が内部にある水の温度を速やかに高くすることができ、ポット41で沸騰させる際に必要とする熱量を節約できるという利点がある。尚、水位検出タンク39の底部は第4給水パイプ34を介してポット41の底部に連通しているため、水位検出タンク39の水温は高められる。しかしながら、ポット41から水位検出タンク39に流れ出てくる水は蒸気発生ヒータ42よりも下側の水であり、然も水位検出タンク39に水タンク30から冷水が供給されるため、水位検出タンク39内の水温はポット41内に比して十分低い。したがって、水位検出タンク39を熱交換器として用いる場合には、上述したようなポット41を熱交換器として用いる場合に生ずる問題は、発生しないのである。
ところで、上述したように、上記放出通路64の上記他端の位置は、水位検出タンク39内の水面よりもやや高い位置になるようにしている。通常、水位検出タンク39内の水位は水位センサ43の水位検出箇所になるように制御されている。したがって、図5に示すように、放出通路64の上記他端の位置を、水位センサ43の水位検出箇所よりも高い位置になるように放出通路64を設置すればよいことになる。
上述したような上記水位検出タンク39およびポット41の構成において、例えば、魚を焼く等の過熱蒸気を使用して調理を行う場合は、過熱蒸気は、1分間のうち20%(12秒間)程度の時間だけ発生されて加熱室20に供給されている。そのために、加熱室内の蒸気圧には調理前と大きな変化が見られない。したがって、天井蒸気吹出口55,蒸気昇温室50およびアウターノズル46を介して加熱室20内に連通しているポット41内の水位も、図5に示すように調理開始時と殆ど変化がなく、水位検出タンク39の水位センサ43の検出結果に基づいて正常に制御されている水位となる。つまり、ポット41内の水位と水位検出タンク39の水位とは同じとなり、放出通路64の上記他端の位置よりもやや低い位置となる。
その結果、上記放出通路64の上記他端から放出される加熱室20からの蒸気は、水位検出タンク39内で水中に放出されることがなく、水位検出タンク39内の水と熱交換を行うことなく、排気ダクト65を介して排気口66から大気に排気されることになる。したがって、その場合には、水位検出タンク39内の水に、加熱室20からの蒸気に含まれている被加熱物90の臭いや油が取り込まれることはないのである。
これに対して、蒸し料理のように大量の蒸気(非過熱蒸気)を使用して調理を行う場合には、蒸気は、1分間のうち100%(1分間)の時間だけ発生されて加熱室20に供給されている。そのために、大量の蒸気によって、加熱室20内の圧力が、上述した魚を焼く等の過熱蒸気を使用した通常の調理を行う場合に比して大幅に上昇する。したがって、天井蒸気吹出口55,蒸気昇温室50およびアウターノズル46を介して加熱室20内に連通しているポット41内の水位が、図6に示すように上記通常の調理の場合よりも押し下げられる。その結果、ポット41に連通している水位検出タンク39の水位は上記通常の調理の場合よりも押し上げられることになる。したがって、水位検出タンク39の水位は放出通路64の上記他端の位置よりも高い位置となり、放出通路64の上記他端は水中に没する。
そのために、上記放出通路64を通って水位検出タンク39に供給される加熱室20からの蒸気は、放出通路64の上記他端から水中に放出される。そして、水位検出タンク39内の水との熱交換によって発生した凝縮水は水位検出タンク39内に回収される。さらに、発生した凝縮熱によって水位検出タンク39内の水が加熱され、水位検出タンク39内の水、延いてはポット41内の水が予熱される。こうして、加熱室20からの蒸気が蒸気発生用の水として回収され、加熱室20からの蒸気の熱が蒸気発生用の水の温度上昇として回収されるのである。
その場合、上記回収される蒸気は100℃よりも低い非過熱蒸気であり、調理の際に被加熱物90からの油や臭いが吸収され難い。したがって、上記回収された水、延いてはポット41内の水に、魚の臭いや油が混じってしまうことがないのである。
すなわち、上記放出通路64の上記他端の位置は、水位センサ43の検出結果に基づいて正常に制御されている場合の水位検出タンク39の水位、つまり水位センサ43の水位検出箇所の位置から、蒸気昇温室50からの過熱蒸気による通常の調理時における水位検出タンク39内の水位までの高さよりも高く、且つ、蒸気発生装置40からの非過熱蒸気による調理時における水位検出タンク39内の水位までの高さよりも低く設定すればよいのである。その際に、上記過熱蒸気による通常の調理時における水位検出タンク39内の水位までの高さに調理メニューによってバラツキがある場合には、このバラツキの中で最も高い水位までの高さを用いればよい。同様に、上記非過熱蒸気による調理時における水位検出タンク39内の水位までの高さに調理メニューによってバラツキがある場合には、このバラツキの中で最も低い水位までの高さを用いればよい。
また、上記水位検出タンク39内における底部には温度センサ69を設置している。そして、この温度センサ69によって水位検出タンク39内水温を検出し、この検出結果に応じて制御装置80によって、ポット41内の蒸気発生ヒータ42の温度を変更するようにしている。すなわち、水位検出タンク39内の水との熱交換によって発生した凝縮熱によって水位検出タンク39内の水が加熱されて水温が所定温度よりも高くなっている場合には、蒸気発生ヒータ42の温度を低下させるのである。その結果、蒸気量を調整して無駄な蒸気量を抑えることができる。尚、蒸気発生ヒータ42の温度変更手段としては、具体的には蒸気発生ヒータ42に通電する電力のデューティー比を変化させることが考えられる。
以上のごとく、本実施の形態においては、魚を焼く等の過熱蒸気を使用する通常の調理の場合と蒸し料理のように大量の非過熱蒸気を使用する調理の場合とで、加熱室20内の圧力の違いによってポット41内の水位が変化し、それに連動して水位検出タンク39の水位が蒸し料理の場合には上記通常の調理の場合に比して上昇することを利用して、一端が加熱室20の放出口27に接続されている放出通路64の他端の位置を、上記通常の調理の場合における水位検出タンク39の制御水位(つまり、水位センサ43の水位検出箇所)よりも上位であり、且つ、蒸し料理の場合における水位検出タンク39の水位よりも下位に設定している。
したがって、300℃に近い高温のために被加熱物90から多量の臭いや油を取り込み易い上記過熱蒸気を使用する通常の調理の場合には、加熱室20からの蒸気は水位検出タンク39内で水中に放出されることなく大気に放出される。これに対して、100℃以下の低い温度であるために被加熱物90から放出される臭いや油を取り込み難い上記非過熱蒸気を使用する蒸し料理の場合は、加熱室20からの蒸気は水位検出タンク39内で水中に放出されて、水位検出タンク39内に凝縮水として回収される。さらに、発生した凝縮熱によって水位検出タンク39内の水が加熱されるのである。その結果、この回収された水、延いてはポット41内の水に、被加熱物90からの臭いや油が混入することを防止できるのである。
また、上記加熱室20からの蒸気の回収および非回収は、調理の種類に伴う加熱室20内の圧力によって自動的に切り換えられる。したがって、蒸気の回収および非回収の切換手段を設ける必要はない。
また、上記蒸し料理の場合には大量の非過熱蒸気が使用される。したがって、上記通常の調理の場合に蒸気の回収を行わないとしても、水蒸気の回収効率の低下を少なく抑えることができるのである。
尚、上記第1実施の形態においては、上記水位検出タンク39において蒸気から水を回収する場合を例に説明を行っている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、水位検出タンク39に代えて補助タンクを設け、この補助タンク内において、加熱室20から放出通路64通って放出される蒸気から水を回収するようにしてもよい。この場合、上記補助タンクは、水位検出手段が設けられていない点を除いては、水位検出タンク39と同じ構造にしておけばよい。この場合には、ポット41内の水位は、ポット41内に水位検出手段を設けること等によって対応すればよい。
・第2実施の形態
図7は、本実施の形態の加熱調理器における制御ブロック図である。尚、本制御ブロックは、図4に示す上記第1実施の形態における制御ブロックに上記放出通路切替手段としての三方弁83を追加したものである。したがって、同じ部材には同じ番号を付して説明は省略する。また、図8は、本実施の形態における水タンクからの給水経路と加熱室からの排気経路との概略を示す図である。尚、本給水経路および本排気経路は、図6に示す上記第1実施の形態における給水経路および排気経路における放出通路64を途中で第1放出通路64aと第2放出通路64bとに分岐させ、第1放出通路64aと第2放出通路64bとの分岐位置に三方弁83を配置したものである。したがって、同じ部材には同じ番号を付して説明は省略する。
上記第1放出通路64aは、その先端が、水位検出タンク39内に貯水されている水の水面下になるように配設されている。また、第2放出通路64bは、その先端が、排気ダクト65に連結されている。そして、第1放出通路64aを通る蒸気は、水位検出タンク39内の水中に放出され、水位検出タンク39内の水中で凝縮して、再度蒸気発生装置40で蒸気を発生させるための水として再利用するために回収される。回収し切れなかった蒸気は、排気ダクト65を通って、排気口66から加熱調理器1の外部に排出される。一方、第2放出通路64bを通る蒸気は、排気ダクト65を通って排気口66から加熱調理器1の外部に排出される。
使用者が操作パネル11を操作して調理メニューが選択され、加熱調理の運転が開始される。このとき、制御装置80は、選択された調理メニューに基づいて、三方弁83を切り替える。例えば、野菜の蒸し物や茶碗蒸し等の蒸し料理が選択されると、制御装置80は、放出通路64と第1放出通路64aとが連通されるように三方弁83を切り替える。この場合には、調理が進んで加熱室20内に蒸気が満たされてくると、加熱室20からの蒸気放出が始まる。そして、加熱室20から放出される蒸気は、放出通路64,三方弁83および第1放出通路64aを通って水位検出タンク39内の水の中に放出される。水中に放出された蒸気は、少なくともその一部が凝縮して水位検出タンク39の水として回収され、再び、蒸気発生装置40によって蒸気を発生させるための水として再利用されるのである。
尚、凝縮されなかった蒸気は、上記排気ダクト65を通り、排気口66から加熱調理器1の外部に排出される。蒸し料理等では油が使用されることは殆どない。そのために、排気口66から排出される蒸気に油分が混入することは殆どない。また、加熱室20から放出される蒸気を、蒸気発生装置40によって蒸気を発生させるための水として再び回収しても、その水に油分が混入することがない。そのため、蒸気発生装置40に供給される水を汚すことはない。
一方、例えば、焼き魚や唐揚げ等が選択されると、制御装置80は、放出通路64と第2放出通路64bとが連通されるように三方弁83を切り替える。この場合には、調理が進んで加熱室20内に蒸気が満たされてくると、加熱室20からの蒸気放出が始まる。そして、加熱室20から放出される蒸気は、放出通路64,三方弁83,第2放出通路64bおよび排気ダクト65を通って、排気口66から加熱調理器1の外部に排出されるのである。
焼き魚や唐揚げ等では、被加熱物90から油が溶け出すなどして、排出される蒸気に油分や臭いが混入することがある。したがって、加熱室20から放出される蒸気を、蒸気発生装置40によって蒸気を発生させるための水として回収すると、その回収された水に油分や臭いが混入してしまい、蒸気発生装置40に供給される水を汚してしまう。そうすると、蒸気発生装置40に供給される水が接触する接水部分(例えば、水位検出タンク39やポット41)にも油分や臭いがついてしまう。したがって、次に、蒸し料理が行われた場合には、被加熱物90に油分や臭い(例えば、直前に調理された焼き魚の臭い)が付着してしまう懸念がある。あるいは、油分を栄養として、細菌やカビ等が発生してしまう可能性もある。
しかしながら、本実施の形態のように、調理メニュー応じて、加熱室20から放出される蒸気を回収する場合と回収しない場合とを切り換えることによって、上述したような、被加熱物90に油分や臭いが付着したり、接水部分への油分や臭いの付着を防止することができるのである。
尚、本実施の形態においては、上記第1放出通路64aと第2放出通路64bとの何れを放出通路64に連通させるかを三方弁83によって選択している。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、三方弁83に代えてダンパを用いてもよい。
あるいは、上記放出通路64を廃止して、第1放出通路64aと第2放出通路64bとの夫々の端を直接加熱室20に連通させ、第1放出通路64aと第2放出通路64bとに電磁弁あるいはダンパを介設する。そして、この電磁弁あるいはダンパによって、蒸し料理等の場合には第1放出通路64aを開放する一方第2放出通路を閉鎖し、焼き魚等の場合には第1放出通路64aを閉鎖する一方第2放出通路64bを開放するようにしても差し支えない。
尚、上記第2実施の形態においては、上記水位検出タンク39において蒸気から水を回収する場合を例に説明を行っている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、水位検出タンク39に代えて補助タンクを設け、この補助タンク内において、加熱室20から第1放出通路64a通って放出される蒸気から水を回収するようにしてもよい。この場合、上記補助タンクは、水位検出手段が設けられていない点を除いては、水位検出タンク39と同じ構造にしておけばよい。この場合には、ポット41内の水位は、ポット41内に水位検出手段を設けること等によって対応すればよい。
あるいは、上記水タンク30とポット41との間に形成される水回路中に補助タンクを設けてもよい。ここで、上記水回路とは、水タンク30,第1〜第4給水パイプ31〜34,水位検出タンク39(または補助タンク)およびポット41から成る構成を指すものとする。
あるいは、上記水回路における水タンク30内または第1〜第4給水パイプ31〜34内の水の中に、加熱室20から第1放出通路64a通って放出される蒸気を通過させて、蒸気から水や熱を回収するようにしても構わない。要は、ポット41へ供給されるべき水中に加熱室20からの蒸気を放出して、蒸気から水や熱を回収すればよいのである。
この発明の加熱調理器における外観斜視図である。 図1に示す加熱調理器の扉を開いた状態の外観斜視図である。 図1に示す加熱調理器の概略構成図である。 図1に示す加熱調理器の制御ブロック図である。 水タンクからの給水経路と加熱室からの排気経路との概略を示す図である。 図5とは異なる状態での上記給水経路と上記排気経路との概略を示す図である。 図4とは異なる制御ブロック図である。 図5および図6とは異なる水タンクからの給水経路と加熱室からの排気経路との概略を示す図である。
1…加熱調理器、
20…加熱室、
28…送風ファン、
30…水タンク、
33,34…給水パイプ、
35…ポンプ、
39…水位検出タンク、
40…蒸気発生装置、
41…ポット、
42…蒸気発生ヒータ(加熱手段)、
43…水位センサ、
44…蒸気吸引エジェクタ、
50…蒸気昇温室、
52…蒸気加熱ヒータ、
60…外部循環路、
64…蒸気放出通路(放出通路)、
69…温度センサ、
80…制御装置、
83…三方弁。

Claims (1)

  1. 水が供給されるポットと、上記ポット内の水を加熱する加熱手段とを含む蒸気発生装置と、
    上記蒸気発生装置で発生された蒸気を用いて被加熱物を加熱するための加熱室と、
    上記加熱室からの蒸気を放出する蒸気放出手段と、
    を備え、
    上記蒸気放出手段は、上記ポット内へ供給されるべき水中に上記加熱室からの蒸気を放出する第1放出通路と、上記ポット内へ供給されるべき水中に上記加熱室からの蒸気を放出しない第2放出通路とを含んでおり、
    調理メニューに応じて、上記第1放出通路と上記第2放出通路とに切り替える放出通路切替手段と、
    上記放出通路切替手段を制御する制御手段と
    をさらに備えた加熱調理器において、
    上記制御手段は、
    上記加熱室から放出される蒸気中に蒸気とは異なる成分が含まれにくい調理メニューの場合には、上記第1放出通路に切り替える一方、
    上記加熱室から放出される蒸気中に蒸気とは異なる成分が含まれやすい調理メニューの場合には、上記第2放出通路に切り替える
    ように上記放出通路切替手段を制御する
    ことを特徴とする加熱調理器。
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