JP4674947B2 - 定電圧出力回路 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、定電圧出力回路に関するもので、特に低い電源電圧でも動作し、温度補償もされた定電圧出力回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度補償された定電圧出力回路として、図9に示すようなワイドラー型バンドギャップ基準電圧回路がよく知られている(「アナログ集積回路」グレイ/メイヤ共著、永田穣監訳、培風舘、1990年11月30日初版、第274 頁〜第275 頁)。図9に示す定電圧出力回路は、電流源I11及びバンドギャップ型定電圧源により構成され、バンドギャップ型定電圧源は、抵抗R11,トランジスタQ11,抵抗R12,トランジスタQ12,抵抗R13,及びトランジスタQ13が図9に示すよう接続されて構成されている。上記電流源I11はバンドギャップ型定電圧源の駆動電流源として動作し、バンドギャップ型定電圧源は、トランジスタQ11とトランジスタQ12の電流密度比(単位エミッタサイズでの電流比)をNに設定し、トランジスタQ11とQ12のベース・エミッタ間の差電圧ΔVBEが、抵抗R11の端子間に発生するようにされている。トランジスタの電流増幅率が大きいものとすると、抵抗R12の端子間に発生する電圧VR12 は、次式(1)で示される。
R12 =(R12/R11)×ΔVBE ・・・・・・・・(1)
ここで、R12及びR11は各抵抗R12,R11の抵抗値とする。
【0003】
また、トランジスタQ11のベース・エミッタ間の電圧VBEQ11 と、トランジスタQ12のベース・エミッタ間の電圧VBEQ12 は、ボルツマン定数K,トランジスタの飽和電流IS ,電子の電荷qを用いて、次式(2),(3)のように示される。
BEQ11 =(KT/q)×ln(IQ11 /IS ) ・・・・・・・・(2)
BEQ12 =(KT/q)×ln(IQ12 /IS ) ・・・・・・・・(3)
ここで、Tは絶対温度、IQ11 及びIQ12 はトランジスタQ11とQ12の電流とする。
【0004】
Q11 =IQ12 ×Nと置き、トランジスタQ11とQ12のベース・エミッタ間の差電圧ΔVBEを求めると、次式(4)で示される。
ΔVBE=VBEQ11 −VBEQ12 =(KT/q)×lnN=VT ×lnN
・・・・・・・・(4)
ここで、VT =(KT/q)とする。
【0005】
よって、バンドギャップ型定電圧源の出力電圧VOUT は、次式(5)で示される。
OUT =VBEQ13 +VR12 =VBEQ13 +(R12/R11)×VT ×lnN
・・・・・・・・(5)
ここで、VBEQ13 はトランジスタQ13のベース・エミッタ間電圧である。
【0006】
出力電圧VOUT を示す(5)式を温度補償に関し考察すると、(5)式の右辺第1項のVBEQ13 は、周知のようにシリコンP−N接合の順方向電圧降下と等価の約−2mV/℃という負の温度係数を有し、右辺第2項のVT は約+0.085 mV/℃という正の温度係数を有している。したがって、R11,R12の抵抗比とトランジスタQ11とQ12の電流比を適切な値に設定することによって、出力電圧VOUT の温度特性を零にすることができる。
【0007】
トランジスタのベース・エミッタ間電圧VBEを 0.7V程度とし、温度特性が零になるように各抵抗値を設定すると、出力電圧VOUT は、およそ1.25V程度となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年電子機器の小型化にともない、省電力化及び低電圧化の要求が高くなってきている。例えば、小型で出力電圧が1V以下の電池を使用して、温度補償された基準電圧を発生する定電圧回路が必要とされてきている。しかしながら、図9に示す従来の定電圧回路では、温度補償された出力電圧VOUT は上述したように1.25Vであるので、上記で要求されるような低電圧動作を満足させることができない。
【0009】
このような観点から本発明は、温度補償された定電圧回路における上記問題点を解消するためになされたもので、低電源電圧(電源電圧が1V以下)でも動作可能で、従来と同等に温度補償された定電圧出力回路を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に係る発明の定電圧出力回路は、所定の電圧を発生する電圧発生部と、前記所定の電圧を入力電圧とする差動増幅回路とを備え、当該定電圧出力回路の出力となる前記差動増幅回路の出力電圧は、前記入力電圧と前記差動増幅回路の増幅電圧の和であり、前記増幅電圧の温度係数は、前記入力電圧の温度係数と逆であり、前記差動増幅回路は、第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記入力電圧が入力される第1のトランジスタと、前記第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記出力電圧が出力される第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各コレクタに接続した第1のカレントミラー回路とを備え、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタは、エミッタサイズ比は異ならせて構成されており、前記電圧発生部は、第2の電流源と、該第2の電流源にエミッタを接続しベースを前記第1のトランジスタのベースに接続しコレクタを第1の基準電圧源に接続した第5のトランジスタと、該第5のトランジスタのエミッタ・ベース間に接続した第3の抵抗と、前記第1のトランジスタのベースと前記第1の基準電圧源との間に接続した第4の抵抗とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
このように構成した定電圧出力回路においては、前記差動増幅回路の出力電圧は、前記入力電圧と前記差動増幅回路の増幅電圧の和であり、前記増幅電圧の温度係数は、前記入力電圧の温度係数と逆であるように構成しているので、温度依存性のない定電圧出力電圧を得ることができ、また、前記電圧発生部は、第2の電流源と、該第2の電流源にエミッタを接続しベースを前記第1のトランジスタのベースに接続しコレクタを第1の基準電圧源に接続した第5のトランジスタと、該第5のトランジスタのエミッタ・ベース間に接続した第3の抵抗と、前記第1のトランジスタのベースと前記第1の基準電圧源との間に接続した第4の抵抗とを備えて構成しているので、電圧発生部を簡単な構成で、尚且つ差動増幅回路の電流源に影響を与えることなく、独立して入力電圧を設定することができる。なお、この請求項1に係る発明に関する実施の形態としては、図1〜図8に示す全ての実施の形態が関連するが、特に図7に示す実施の形態が対応している。
【0012】
請求項2に係る発明の定電圧出力回路は、所定の電圧を発生する電圧発生部と、前記所定の電圧を入力電圧とする差動増幅回路とを備え、当該定電圧出力回路の出力となる前記差動増幅回路の出力電圧は、前記入力電圧と前記差動増幅回路の増幅電圧の和であり、前記増幅電圧の温度係数は、前記入力電圧の温度係数と逆であり、前記差動増幅回路は、第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記入力電圧が入力される第1のトランジスタと、前記第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記出力電圧が出力される第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタのコレクタに接続した第3のトランジスタと、前記第2のトランジスタのコレクタに接続した第4のトランジスタを有する第1のカレントミラー回路とを備え、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタの電流比は異なるように設定されており、前記電圧発生部は、第2の電流源と、該第2の電流源にエミッタを接続しベースを前記第1のトランジスタのベースに接続しコレクタを第1の基準電圧源に接続した第5のトランジスタと、該第5のトランジスタのエミッタ・ベース間に接続した第3の抵抗と、前記第1のトランジスタのベースと前記第1の基準電圧源との間に接続した第4の抵抗とを備えることを特徴とするものである。
【0013】
このように構成した定電圧出力回路においては、請求項1に係る発明と同様に、前記差動増幅回路の出力電圧は、前記入力電圧と前記差動増幅回路の増幅電圧の和であり、前記増幅電圧の温度係数は、前記入力電圧の温度係数と逆であるように構成しているので、温度依存性のない定電圧出力電圧を得ることができ、また、前記電圧発生部は、第2の電流源と、該第2の電流源にエミッタを接続しベースを前記第1のトランジスタのベースに接続しコレクタを第1の基準電圧源に接続した第5のトランジスタと、該第5のトランジスタのエミッタ・ベース間に接続した第3の抵抗と、前記第1のトランジスタのベースと前記第1の基準電圧源との間に接続した第4の抵抗とを備えて構成しているので、電圧発生部を簡単な構成で、尚且つ差動増幅回路の電流源に影響を与えることなく、独立して入力電圧を設定することができる。また、この構成の定電圧出力回路においては、特に、請求項1に係る定電圧出力回路のように前記第1,第2のトランジスタのエミッタサイズ比を大きくすることなく、差動増幅回路で発生する電圧を大きく設定することができる。なお、この請求項2に係る発明に関する実施の形態としては、図4,5,6,7に示す実施の形態が関連するが、特に、図7に示す実施の形態が対応している。
【0014】
請求項3に係る発明の定電圧出力回路は、所定の電圧を発生する電圧発生部と、前記所定の電圧を入力電圧とする差動増幅回路とを備え、当該定電圧出力回路の出力となる前記差動増幅回路の出力電圧は、前記入力電圧と前記差動増幅回路の増幅電圧の和であり、前記増幅電圧の温度係数は、前記入力電圧の温度係数と逆であり、前記差動増幅回路は、第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記入力電圧が入力される第1のトランジスタと、前記第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記出力電圧が出力される第2のトランジスタと、第1の端子を前記第1のトランジスタのコレクタに接続し、第2の端子を基準電圧源に接続した第5の抵抗と、第1の端子を前記第2のトランジスタのコレクタに接続し、第2の端子を前記基準電圧源に接続した第6の抵抗と、エミッタを前記第5の抵抗の第1の端子に接続し、コレクタを第2のカレントミラー回路に接続した第6のトランジスタと、エミッタを前記第6の抵抗の第1の端子に接続し、コレクタを前記第2のカレントミラー回路に接続した第7のトランジスタと、前記第6のトランジスタのベース及び前記第7のトランジスタのベースにバイアス電圧を供給するバイアス回路とを備え、前記第1,第2のトランジスタのエミッタサイズ、及び前記第5,第6の抵抗の抵抗値、及び前記第6,第7のトランジスタのエミッタサイズを、それぞれ又はそれらのいずれかを互いに異なるように設定して構成していることを特徴とするものである。
【0015】
このように構成した定電圧出力回路においては、請求項1に係る発明と同様に、前記差動増幅回路の出力電圧は、前記入力電圧と前記差動増幅回路の増幅電圧の和であり、前記増幅電圧の温度係数は、前記入力電圧の温度係数と逆であるように構成しているので、温度依存性のない定電圧出力電圧を得ることができ、また、前記差動増幅回路を上記のように構成することにより、第1及び第2のトランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧を十分に確保でき、それにより電圧発生部で発生する入力電圧を数mVから設定可能となり、定電圧出力電圧を約数mVから電源電圧まで、出力させることが可能となる。。なお、この請求項3に係る発明に関する実施の形態としては、図8に示す実施の形態が対応している。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、実施の形態について説明する。図1は、本発明に係わる定電圧出力回路の第1の実施の形態を示す回路構成図である。図1において、Q1,Q2はPNPトランジスタで、該PNPトランジスタQ1,Q2の各エミッタには共通にバイアス電流源I1を接続し、トランジスタQ1,Q2の各コレクタにはカレントミラー回路(第1のカレントミラー回路)を構成するNPNトランジスタQ3,Q4をそれぞれ接続し、トランジスタQ1のコレクタに出力段トランジスタQ5のベースを接続することにより差動増幅回路が構成されている。そして、該差動増幅回路の入力端子(トランジスタQ1のベース)に、負の温度係数を有する電圧V1 を発生する電圧発生部V1を、基準電圧源(第1の基準電圧源)VREF1との間に接続して、定電圧出力回路を構成している。なお、図1においてI2は出力段トランジスタQ5のバイアス電流源、VREF2は電源電圧源(第2の基準電圧源)を示しており、定電圧出力回路の出力端子VOUT は、トランジスタQ2のベースと電流源I2とトランジスタQ5のコレクタの接続点より取り出されている。
【0017】
このように構成した定電圧出力回路において、差動増幅回路を構成しているトランジスタQ1及びQ2のエミッタサイズの比をNとすると、NPNトランジスタQ3とQ4より構成されるカレントミラー回路により、トランジスタQ1とQ2の電流は、等しくなるように動作する。そのため、トランジスタQ1とQ2のベース・エミッタ間電圧の電圧差ΔVBEは、次式(6)で示される。
BEQ1=VT ×ln(I1 /2/IS
BEQ2=VT ×ln{I1 /2/(N×IS )}
ΔVBE=VBEQ1−VBEQ2=VT ×lnN ・・・・・・・・・・・・(6)
【0018】
出力電圧VOUT は、次式(7)で示される。
OUT =V1 +VT ×lnN ・・・・・・・・・・・(7)
【0019】
よって、出力電圧VOUT は、上式右辺1項の負の温度係数を持つ電圧V1 と、右辺2項の正の温度係数を持つ電圧VT ×lnNを加算した電圧であるので、トランジスタQ1,Q2のエミッタサイズ比N(電流密度比)を適切な値に設定すれば、出力電圧VOUT の温度係数を零とすることができる。
【0020】
また、本実施の形態の回路構成においては、トランジスタのコレクタ・エミッタ間飽和電圧VCESAT を 0.1V,トランジスタのベース・エミッタ間電圧VBEを 0.7Vとすると、出力電圧VOUT を約 0.1V〜 0.2Vに設定すれば、電源電圧VREF2が1Vで回路動作することが可能となる。
【0021】
次に、第2の実施の形態について説明する。この実施の形態は、図2に示すように、図1に示した第1の実施の形態の出力端子VOUT とトランジスタQ2のベース間に抵抗RAを接続し、トランジスタQ2のベースと基準電圧源VREF1との間に抵抗RBを接続して構成したものである。
【0022】
このように、出力端子VOUT とトランジスタQ2のベース間に抵抗RAを接続し、トランジスタQ2のベースと基準電圧源VREF1との間に抵抗RBを接続することで、差動増幅回路に電圧利得を持たせることによって、出力端子VOUT は約 0.1V〜約電源電圧VREF2まで設定することが可能となる。
【0023】
図3は、本発明に係る定電圧出力回路の第3の実施の形態を示す回路構成図である。この実施の形態は、上述した第1の実施の形態におけるトランジスタの極性をPNP→NPN,NPN→PNPに変えて構成したものである。なお、極性を変えた各トランジスタは対応する符号にダッシュを付して示している。このように構成した定電圧出力回路は、電源電圧VREF2を基準とする定電圧回路を作ることができる。
【0024】
図4は、本発明に係る定電圧出力回路の第4の実施の形態を示す回路構成図である。この実施の形態は、第1の実施の形態におけるカレントミラー回路を構成するトランジスタQ3,Q4の電流比を異なるようにするため、トランジスタQ3,Q4のエミッタサイズの比をMとすることにより、差動増幅回路を構成しているトランジスタQ1及びQ2の電流比を異なるようにしたものである。これにより、トランジスタQ1とQ2のベース・エミッタ間電圧の電圧差ΔVBEは、次式(8)で示されるようになる。
BEQ1=VT ×ln{I1 ×M/(M+1)/IS
BEQ2=VT ×ln{I1 /(M+1)/(N×IS )}
ΔVBE=VBEQ1−VBEQ2=VT ×ln(M×N) ・・・・・・・・(8)
【0025】
出力電圧VOUT は、次式(9)で示される。
OUT =V1 +VT ×ln(M×N) ・・・・・・・・・・・・・(9)
【0026】
この構成においては、特に第1の実施の形態で説明したトランジスタQ1,Q2のエミッタサイズの比を大きくすることなく、定電圧出力電圧VOUT を大きく設定することができる。
【0027】
図5は、本発明に係る定電圧出力回路の第5の実施の形態を示す回路構成図である。この実施の形態は、第4の実施の形態におけるカレントミラー回路を構成するトランジスタQ3,Q4の電流比を異なるものとするため、トランジスタQ3,Q4の各エミッタと基準電圧源VREF1との間に抵抗R1,R2(=R1×L)を、図示のように設けることにより、差動増幅回路を構成しているトランジスタQ1及びQ2の電流比を異なるようにしたものである。作用効果は、図4に示した第4の実施の形態と同様である。
【0028】
図6は、本発明に係る定電圧出力回路の第6の実施の形態を示す回路構成図である。この実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態における電圧発生部V1を、差動増幅回路を構成するトランジスタQ1のエミッタ・ベース間に抵抗R3を接続し、トランジスタQ1のベースと基準電圧源VREF1との間に抵抗R4を接続して、構成したものである。
【0029】
このように構成した電圧発生部を備えた定電圧出力回路において、差動増幅回路のトランジスタQ1のベース電圧VBQ1 は、トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧をVBEQ1とすると、次式(10)で示される。
BQ1 =(R4 /R3 )×VBEQ1 ・・・・・・・・(10)
ここで、R4 ,R3 は各抵抗R4,R3の抵抗値である。
【0030】
上記(10)式に示すように、前記負の温度係数を持つ電圧発生部を、抵抗2つで容易に設定することができる。なお、この第6の実施の形態における電圧発生部V1の構成は、図2〜図5に示した第2〜第5の各実施の形態における電圧発生部にも適用することができる。
【0031】
図7は、本発明に係わる定電圧出力回路の第7の実施の形態を示す回路構成図である。この実施の形態は、電流源I3と、該電流源I3にエミッタを接続したPNPトランジスタQ6とを備え、トランジスタQ1のベースとトランジスタQ6のベースを接続し、トランジスタQ6のエミッタ・ベース間に抵抗R5を接続し、トランジスタQ1のベースと基準電源VREF1との間に抵抗R6を接続して、電圧発生部V1を構成するものである。
【0032】
このように構成した定電圧出力回路においては、負の温度係数を持つ電圧発生部を、電流源I3とトランジスタQ5と抵抗R5,R6とからなる簡単な構成で、尚且つ電流源I1に影響を与えることなく(すなわち差動増幅回路において発生させる電圧に影響しない)、独立して設定することができるという効果が得られる。
【0033】
なお、この実施の形態は、図4に示した第4の実施の形態における電圧発生部に対して適用したものを示したが、この実施の形態における電圧発生部V1の構成は、図1〜図3,図5に示した第1〜第3及び第5の実施の形態における電圧発生部にも適用することができる。
【0034】
図8は、本発明に係わる定電圧出力回路の第8の実施の形態を示す回路構成図である。この実施の形態は、図6に示した第6の実施の形態における差動増幅回路が、電流源I1に共通エミッタ接続するトランジスタQ1及びトランジスタQ2と、該トランジスタQ1,Q2の各コレクタに各々接続する抵抗R7と抵抗R8と、ベースを共通に接続しエミッタを抵抗R7とR8にそれぞれ接続し、コレクタをPNPトランジスタQ9,Q10からなるカレントミラー回路に接続したNPNトランジスタQ7とトランジスタQ8とで構成され、トランジスタQ1,Q2の各エミッタ面積、及び抵抗R7,R8の各抵抗値、及びトランジスタQ7,Q8の各エミッタサイズをそれぞれ異ならせるか、又はそれらのいずれかを異ならせるように構成したものである。なお、この実施の形態においては、更にトランジスタQ7,Q8のベースに、ベースとコレクタを接続したNPNトランジスタQ11が設けられており、該トランジスタQ11のベースとコレクタには一端を電源電圧源VREF2に接続した電流源I4の他端を接続し、同じくトランジスタQ11のエミッタには一端を基準電源VREF1に接続した抵抗R9の他端を接続している。またトランジスタQ9のコレクタとトランジスタQ7のコレクタにベースを接続し、エミッタを電源電圧源VREF2に接続し、コレクタを出力端子VOUT とトランジスタQ2のベースと一端を基準電源VREF1に接続した電流源I5の他端とに接続した、PNPトランジスタQ12を備えている。
【0035】
このように構成した定電圧出力回路においては、トランジスタQ1,Q2のコレクタ電圧(抵抗R7,R8の電圧降下)を約 0.6V以下に設定することによって、トランジスタQ1,Q2のコレクタ・エミッタ間電圧VCESAT を充分確保でき、そのため電圧発生部V1による電圧V1 を数mVから設定可能となるため、定電圧出力電圧VOUT を約数mVから電源電圧VREF2まで出力させることが可能になる。
【0036】
なお、この実施の形態において、トランジスタQ9及びQ10は、トランジスタQ7及びQ8のコレクタ電流を折り返す働きをするカレントミラー回路を構成している。またトランジスタQ11は、トランジスタQ7,Q8のベース電圧を生成するバイアス回路の一部であり、トランジスタQ7,Q8のベース電圧VBQ7,Q8は、電流源I4の電流をI4 ,抵抗R9の抵抗値をR9 ,トランジスタQ11のベース・エミッタ間電圧をVBEQ11 とすると、次式(11)で表される。
BQ7,Q8=I4 ×R9 +VBEQ11 ・・・・・・・・(11)
また、トランジスタQ12は、トランジスタQ1,Q2等からなる差動増幅回路の反転入力端子(トランジスタQ2のベース)に負帰還させる働きと、出力VOUT の出力電流能力を上げる働きをする出力段トランジスタである。
【0037】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、本発明に係る定電圧出力回路によれば、出力電圧の温度依存性がほとんどなく、従来のようなバンドギャップ定電圧(約1.25V)より小さい出力電圧を発生させることができ、したがって、電源電圧が1V以下の低電源電圧で動作をする高精度な定電圧出力回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る定電圧出力回路の第1の実施の形態を示す回路構成図である。
【図2】 本発明に係る定電圧出力回路の第2の実施の形態を示す回路構成図である。
【図3】 本発明に係る定電圧出力回路の第3の実施の形態を示す回路構成図である。
【図4】 本発明に係る定電圧出力回路の第4の実施の形態を示す回路構成図である。
【図5】 本発明に係る定電圧出力回路の第5の実施の形態を示す回路構成図である。
【図6】 本発明に係る定電圧出力回路の第6の実施の形態を示す回路構成図である。
【図7】 本発明に係る定電圧出力回路の第7の実施の形態を示す回路構成図である。
【図8】 本発明に係る定電圧出力回路の第8の実施の形態を示す回路構成図である。
【図9】 従来の定電圧出力回路の構成例を示す回路構成図である。
【符号の説明】
V1 電圧発生部
Q1,Q2,Q6,Q9,Q10,Q12 PNPトランジスタ
Q3,Q4,Q5,Q7,Q8,Q11 NPNトランジスタ
I1,I2,I3,I4,I5 電流源
R1,R2,R3,R4,R5,R6 抵抗
R7,R8,R9,RA,RB 抵抗
VREF1 基準電圧源
VREF2 電源電圧源
VOUT 出力端子

Claims (3)

  1. 所定の電圧を発生する電圧発生部と、
    前記所定の電圧を入力電圧とする差動増幅回路とを備え、
    当該定電圧出力回路の出力となる前記差動増幅回路の出力電圧は、前記入力電圧と前記差動増幅回路の増幅電圧の和であり、前記増幅電圧の温度係数は、前記入力電圧の温度係数と逆であり、
    前記差動増幅回路は、
    第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記入力電圧が入力される第1のトランジスタと、
    前記第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記出力電圧が出力される第2のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各コレクタに接続した第1のカレントミラー回路とを備え、
    前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタは、エミッタサイズ比は異ならせて構成されており、
    前記電圧発生部は、
    第2の電流源と、
    該第2の電流源にエミッタを接続しベースを前記第1のトランジスタのベースに接続しコレクタを第1の基準電圧源に接続した第5のトランジスタと、
    該第5のトランジスタのエミッタ・ベース間に接続した第3の抵抗と、
    前記第1のトランジスタのベースと前記第1の基準電圧源との間に接続した第4の抵抗とを備えることを特徴とする定電圧出力回路。
  2. 所定の電圧を発生する電圧発生部と、
    前記所定の電圧を入力電圧とする差動増幅回路とを備え、
    当該定電圧出力回路の出力となる前記差動増幅回路の出力電圧は、前記入力電圧と前記差動増幅回路の増幅電圧の和であり、前記増幅電圧の温度係数は、前記入力電圧の温度係数と逆であり、
    前記差動増幅回路は、
    第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記入力電圧が入力される第1のトランジスタと、
    前記第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記出力電圧が出力される第2のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタのコレクタに接続した第3のトランジスタと、前記第2のトランジスタのコレクタに接続した第4のトランジスタを有する第1のカレントミラー回路とを備え、
    前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタの電流比は異なるように設定されており、
    前記電圧発生部は、
    第2の電流源と、
    該第2の電流源にエミッタを接続しベースを前記第1のトランジスタのベースに接続しコレクタを第1の基準電圧源に接続した第5のトランジスタと、
    該第5のトランジスタのエミッタ・ベース間に接続した第3の抵抗と、
    前記第1のトランジスタのベースと前記第1の基準電圧源との間に接続した第4の抵抗とを備えることを特徴とする定電圧出力回路。
  3. 所定の電圧を発生する電圧発生部と、
    前記所定の電圧を入力電圧とする差動増幅回路とを備え、
    当該定電圧出力回路の出力となる前記差動増幅回路の出力電圧は、前記入力電圧と前記差動増幅回路の増幅電圧の和であり、前記増幅電圧の温度係数は、前記入力電圧の温度係数と逆であり、
    前記差動増幅回路は、
    第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記入力電圧が入力される第1のトランジスタと、
    前記第1の電流源にエミッタを接続し、ベースに前記出力電圧が出力される第2のトランジスタと、
    第1の端子を前記第1のトランジスタのコレクタに接続し、第2の端子を基準電圧源に接続した第5の抵抗と、
    第1の端子を前記第2のトランジスタのコレクタに接続し、第2の端子を前記基準電圧源に接続した第6の抵抗と、
    エミッタを前記第5の抵抗の第1の端子に接続し、コレクタを第2のカレントミラー回路に接続した第6のトランジスタと、
    エミッタを前記第6の抵抗の第1の端子に接続し、コレクタを前記第2のカレントミラー回路に接続した第7のトランジスタと、
    前記第6のトランジスタのベース及び前記第7のトランジスタのベースにバイアス電圧を供給するバイアス回路とを備え、
    前記第1,第2のトランジスタのエミッタサイズ、及び前記第5,第6の抵抗の抵抗値、及び前記第6,第7のトランジスタのエミッタサイズを、それぞれ又はそれらのいずれかを互いに異なるように設定して構成していることを特徴とする定電圧出力回路。
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