JP3358301B2 - 定電圧発生回路 - Google Patents

定電圧発生回路

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JP3358301B2 JP15737794A JP15737794A JP3358301B2 JP 3358301 B2 JP3358301 B2 JP 3358301B2 JP 15737794 A JP15737794 A JP 15737794A JP 15737794 A JP15737794 A JP 15737794A JP 3358301 B2 JP3358301 B2 JP 3358301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来のように、温度依
存性の小さな出力電圧を得ようとしたとき、約1.2V
の整数倍だけでなく、任意の電圧を出力することを可能
にするトランジスタを利用した、温度依存性の小さい定
電圧発生回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子回路においては、多くの場合、回路
内部に温度依存性の小さな定電圧発生回路を持つことが
多い。その中でも、多く用いられている回路に、バンド
・ギャップ回路と呼ばれているものがあるが、これは、
温度依存性を小さくしようとしたとき、約1.2Vの整
数倍の出力電圧しか得られないため、それ以外の電圧を
得ようとしたときには、増幅器を用いるなどの手段を講
じている。
【0003】図4は従来の定電圧発生回路(バンド・ギ
ャップ回路)の一例の構成を示す図である。図4におい
て、NPNトランジスタQ13のコレクタ電流IC13は、
次式で表される。
【0004】IC13=(VBE14ーVBE13)/R13 =VT×N/R13 よって、出力電圧VOUTは、 VOUT=VBE12+R11×IC13 =VBE12+R11(VT×N/R13) となる。ここで、VTは絶対温度Tに比例する定数、N
=LN(IE14/IE13)であり(Nはほぼ定数)、VBE
は温度に対して負の特性を持つ。
【0005】VTは温度に対して正の特性を持っている
ので、抵抗の値を適切に選ぶと、温度依存性の極めて小
さな出力電圧VOUTが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来例によ
れば、トランジスタの特性から、温度依存性を小さくし
ようとしたとき、約1.2Vの整数倍の出力電圧しか得
られないため、それ以外の電圧を得ようとしたときに
は、増幅器を用いるなどの手段を講じなければならない
という欠点を有する。
【0007】本発明は、増幅器を用いるなどの手段を講
じなくても、温度依存性を損なうことなく、従来のよう
に、約1.2Vの整数倍だけでなく、任意の電圧を出力
することを可能にする定電圧発生回路を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の問題点を解決する
ために、本発明に係る第1の発明の定電圧発生回路は、
コレクタ・ベースを共通に接続したエミッタ接地の第1
のトランジスタと、前記第1のトランジスタのベースと
出力端子との間に接続された第1の抵抗と、コレクタ・
ベースの共通接続点を前記第1のトランジスタのベース
と接続し、一端を接地した第2の抵抗の他端にエミッタ
を接続した第2のトランジスタと、ベースを前記第1の
トランジスタのベースと共通に接続し、一端を接地した
第3の抵抗の他端にエミッタを接続し、かつコレクタと
前記出力端子との間に第4の抵抗を接続した第3のトラ
ンジスタと、前記第3のトランジスタのコレクタにベー
スを接続し、一端を電源端子に接続した電流源の他端に
コレクタを接続したエミッタ接地の第4のトランジスタ
と、前記電流源の他端にベースを接続し、コレクタを前
記電源端子に接続し、かつエミッタを前記出力端子に接
続した第5のトランジスタとを備えた構成である。
【0009】また第2の発明の定電圧発生回路は、コレ
クタ・ベースを共通に接続したエミッタ接地の第1のト
ランジスタと、前記第1のトランジスタのベースと出力
端子との間に接続された第1の抵抗と、コレクタ・ベー
スの共通接続点を前記第1のトランジスタのベースと接
続し、一端を接地した第2の抵抗の他端にエミッタを接
続した第2のトランジスタと、ベースを前記第1のトラ
ンジスタのベースと共通に接続し、一端を接地した第3
の抵抗の他端にエミッタを接続した第3のトランジスタ
と、前記第3のトランジスタのコレクタ電流をミラー反
転して前記出力端子に電流を供給するカレントミラー回
路と、前記第3のトランジスタのコレクタにベースを接
続し、一端を接地した第4の抵抗の他端にエミッタを接
続し、かつコレクタを電源端子に接続した第4のトラン
ジスタとを備えた構成である。
【0010】また第3の発明の定電圧発生回路は、コレ
クタ・ベースを共通に接続したエミッタ接地の第1のト
ランジスタと、前記第1のトランジスタのベースと出力
端子との間に接続された第1の抵抗と、コレクタ・ベー
スの共通接続点を前記第1のトランジスタのベースと接
続し、一端を接地した第2の抵抗の他端にエミッタを接
続した第2のトランジスタと、ベースを前記第1のトラ
ンジスタのベースと共通に接続し、一端を接地した第3
の抵抗の他端にエミッタを接続した第3のトランジスタ
と、前記第3のトランジスタのコレクタ電流をミラー反
転して前記出力端子に電流を供給するカレントミラー回
路と、前記第3のトランジスタのコレクタにベースを接
続し、一端を接地した第4の抵抗の他端にエミッタを接
続し、かつコレクタを電源端子に接続した第4のトラン
ジスタとを備えた構成である。
【0011】
【作用】以上の構成により、第1の発明の定電圧発生回
路は、図4の従来の定電圧発生回路(バンド・ギャップ
回路)にNPNトランジスタQ5と抵抗R4を追加した構
成になり、NPNトランジスタQ3のコレクタ電流IC3
は、次式で表される。
【0012】IC3=(VBE4ーVBE3)/R3 =VT×NT1/R3 よって、出力電圧VOUTは、 VOUT=VBE2+R1×IC3 =VBE2+R1(VT×NT1/R3) となる。ここで、VTは絶対温度Tに比例する定数であ
り、VBEは温度に対して負の特性を持つ。また、 NT1=LN(IE4/IE3) IE4={(VOUT−VBE4)/R2}−IE5E5=(VBE4ーVBE5)/R4 =VT×NT2/R4 であり、従来例のNはほぼ定数であったのが、NT1
4の値により任意に温度特性を設定できるようにな
る。
【0013】そのため、出力電圧VOUTは、従来例のよ
うに温度依存性を小さくしようとしたとき、約1.2V
の整数倍の出力電圧しか得られないということがなくな
り、任意の電圧で、温度依存性の小さい出力電圧を得る
ことができる。
【0014】第2の発明の定電圧発生回路は、第1の発
明の定電圧発生回路とほぼ同じ動作であるが、PNPト
ランジスタのカレントミラー回路を用いているところが
異なっている。
【0015】NPNトランジスタQ23のコレクタ電流I
C23は、 IC23=(VBE24ーVBE23)/R23 =VT×NT21/R23 となり、よって、出力電圧VOUTは、 VOUT=VBE24+R21×IC22 =VBE24+R21×IC23 =VBE24+R21(VT×NT21/R23) となる。ここで、VTは絶対温度Tに比例する定数であ
り、VBEは温度に対して負の特性を持つ。また、 NT21=LN(IE24/IE23) IE24={(VOUT−VBE24)/R21}−IE25E25=(VBE24ーVBE25)/R24 =VT×NT22/R24 であり、従来例のNはほぼ定数であったのが、NT21
24の値により任意に温度特性を設定できるようにな
る。
【0016】そのため、出力電圧VOUTは、従来例のよ
うに温度依存性を小さくしようとしたとき、約1.2V
の整数倍の出力電圧しか得られないということがなくな
り、任意の電圧で、温度依存性の小さい出力電圧を得る
ことができる。
【0017】第3の発明の定電圧発生回路は、第1の発
明の定電圧発生回路とほぼ同じ動作であるが、アンプを
用いているところが異なっている。
【0018】NPNトランジスタQ31のコレクタ電流I
C31は、 IC31=(VBE32−VBE31)/R33 =VT×NT31/R33 となり、よって、出力電圧VOUTは、 VOUT=VBE32+R32×IC32 =VBE32+R32×IC31(R32/R31) =VBE32+R32(VT×NT31/R33)(R32/R31) となる。ここで、VTは絶対温度Tに比例する定数であ
り、VBEは温度に対して負の特性を持つ。また、 NT31=LN(IE32/IE31) IE32={(VOUT−VBE32)/R32}−IE33E33=(VBE32ーVBE33)/R34 =VT×NT32/R34 であり、従来例のNはほぼ定数であったのが、NT31
34の値により任意に温度特性を設定できるようにな
る。
【0019】そのため、出力電圧VOUTは、従来例のよ
うに温度依存性を小さくしようとしたとき、約1.2V
の整数倍の出力電圧しか得られないということがなくな
り、任意の電圧で、温度依存性の小さい出力電圧を得る
ことができる。
【0020】
【実施例】第1の発明の一実施例の定電圧発生回路につ
いて、図1を参照しながら詳しく説明する。
【0021】NPNトランジスタQ1のコレクタを電源
に接続し、Q1のエミッタを出力に接続し、Q1のベース
を一端を電源に接続した電流源とNPNトランジスタQ
2のコレクタに接続し、そのQ2のエミッタを接地し、Q
2のベースを一端を出力に接続した抵抗R1とNPNト
ランジスタQ3のコレクタに接続し、そのQ3のエミッ
タを一端を接地した抵抗R3に接続し、Q3のベースを一
端を出力に接続した抵抗R2とNPNトランジスタQ4
コレクタ・ベースとNPNトランジスタQ5のコレクタ
・ベースに接続し、Q4のエミッタを接地し、Q5のエミ
ッタを一端を接地した抵抗R4に接続する構成である。
【0022】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。図1の回路において、Q3のコ
レクタ電流IC3は、 IC3=(VBE4ーVBE3)/R3 =VT×NT1/R3 となり、よって、出力電圧VOUTは、 VOUT=VBE2+R1×IC3 =VBE2+R1(VT×NT1/R3) となる。ここで、VTは絶対温度Tに比例する定数であ
り、VBEは温度に対して負の特性を持つ。また、 NT1=LN(IE4/IE3) IE4={(VOUT−VBE4)/R2}−IE5E5=(VBE4−VBE5)/R4 =VT×NT2/R4 であり、NT1はR4の値により任意に温度特性を設定で
きるようになる。
【0023】そのため、出力電圧VOUTは、温度依存性
を小さくしようとしたとき、任意の電圧で、出力電圧を
得ることができる。
【0024】第2の発明の一実施例の定電圧発生回路に
ついて、図2を参照しながら詳しく説明する。
【0025】PNPトランジスタQ21のエミッタを電源
に接続し、Q21のコレクタ・ベースをPNPトランジス
タQ22のベースとNPNトランジスタQ26のベースとN
PNトランジスタQ23のコレクタに接続し、Q22のエミ
ッタを電源に接続し、Q22のコレクタを出力に接続し、
26のコレクタを電源に接続し、Q26のエミッタを一端
を接地した抵抗R22に接続しNPNトランジスタQ23
エミッタを一端を接地した抵抗R23に接続し、Q23のベ
ースを一端を出力に接続した抵抗R21とNPNトランジ
スタQ24のコレクタ・ベースとNPNトランジスタQ25
のコレクタ・ベースに接続し、Q24のエミッタを接地
し、Q25のエミッタを一端を接地した抵抗R24に接続す
る構成である。
【0026】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。図2の回路において、Q23のコ
レクタ電流IC23は、 IC23=(VBE24ーVBE23)/R23 =VT×NT21/R23 であり、よって、出力電圧VOUTは、 VOUT=VBE24+R21×IC22 =VBE24+R21×IC23 =VBE24+R21(VT×NT21/R23) となる。ここで、VTは絶対温度Tに比例する定数であ
り、VBEは温度に対して負の特性を持つ。
【0027】NT21=LN(IE24/IE23) IE24={(VOUT−VBE24)/R21}−IE25E25=(VBE24ーVBE25)/R24 =VT×NT22/R24 であり、NT21はR24の値により任意に温度特性を設定
できるようになる。
【0028】そのため、出力電圧VOUTは、温度依存性
を小さくしようとしたとき、任意の電圧で、出力電圧を
得ることができる。
【0029】第3の発明の一実施例の定電圧発生回路に
ついて、図3を参照しながら詳しく説明する。
【0030】NPNトランジスタQ31のコレクタを一端
を出力に接続した抵抗R31とアンプの反転入力端子接続
し、Q31のエミッタを一端を接地した抵抗R33に接続
し、Q 31のベースを一端を出力に接続した抵抗R31とN
PNトランジスタQ32のコレクタ・ベースとNPNトラ
ンジスタQ33のコレクタ・ベースとアンプの非転入力端
子に接続し、Q32のエミッタを接地し、Q33のエミッタ
を一端を接地した抵抗R 34に接続し、アンプの出力を出
力に接続する構成である。
【0031】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。図3の回路で、NPNトランジ
スタQ31のコレクタ電流IC31は、 IC31=(VBE32−VBE31)/R33 =VT×NT31/R33 よって、出力電圧VOUTは、 VOUT=VBE32+R32×IC32 =VBE32+R32×IC31(R32/R31) =VBE32+R32(VT×NT31/R33)(R32/R31) ここで、VTは絶対温度Tに比例する定数であり、VBE
は温度に対して負の特性を持つ。また、 NT31=LN(IE32/IE31) IE32={(VOUT−VBE32)/R32}−IE33E33=(VBE32ーVBE33)/R34 =VT×NT32/R34 であり、NT31はR34の値により任意に温度特性を設定
できるようになる。
【0032】そのため、出力電圧VOUTは、温度依存性
を小さくしようとしたとき、任意の電圧で、出力電圧を
得ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の定電圧
発生回路は、抵抗の値を適切に選ぶことにより、任意の
電圧で、温度依存性の小さい出力電圧を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の定電圧発生回路における一実施例
の回路図
【図2】第2の発明の定電圧発生回路における一実施例
の回路図
【図3】第3の発明の定電圧発生回路における一実施例
の回路図
【図4】従来例の回路図
【符号の説明】 I1,I11 電流源 30 アンプ Q1〜Q5,Q11〜Q14,Q23〜Q26,Q31〜Q33 NP
Nトランジスタ Q21,Q22, PNPトランジスタ R1〜R4,R11〜R13,R21〜R24,R31〜R34 抵抗

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレクタ・ベースを共通に接続したエミ
    ッタ接地の第1のトランジスタと、 前記第1のトランジスタのベースと出力端子との間に接
    続された第1の抵抗と、 コレクタ・ベースの共通接続点を前記第1のトランジス
    タのベースと接続し、一端を接地した第2の抵抗の他端
    にエミッタを接続した第2のトランジスタと、ベースを
    前記第1のトランジスタのベースと共通に接続し、一端
    を接地した第3の抵抗の他端にエミッタを接続し、かつ
    コレクタと前記出力端子との間に第4の抵抗を接続した
    第3のトランジスタと、 前記第3のトランジスタのコレクタにベースを接続し、
    一端を電源端子に接続した電流源の他端にコレクタを接
    続したエミッタ接地の第4のトランジスタと、 前記電流源の他端にベースを接続し、コレクタを前記電
    源端子に接続し、かつエミッタを前記出力端子に接続し
    た第5のトランジスタとを備えた 定電圧発生回路。
  2. 【請求項2】 コレクタ・ベースを共通に接続したエミ
    ッタ接地の第1のトランジスタと、 前記第1のトランジスタのベースと出力端子との間に接
    続された第1の抵抗と、 コレクタ・ベースの共通接続点を前記第1のトランジス
    タのベースと接続し、一端を接地した第2の抵抗の他端
    にエミッタを接続した第2のトランジスタと、 ベースを前記第1のトランジスタのベースと共通に接続
    し、一端を接地した第3の抵抗の他端にエミッタを接続
    した第3のトランジスタと、 前記第3のトランジスタのコレクタ電流をミラー反転し
    て前記出力端子に電流を供給するカレントミラー回路
    と、 前記第3のトランジスタのコレクタにベースを接続し、
    一端を接地した第4の抵抗の他端にエミッタを接続し、
    かつコレクタを電源端子に接続した第4のトランジスタ
    とを備えた 定電圧発生回路。
  3. 【請求項3】 コレクタ・ベースを共通に接続したエミ
    ッタ接地の第1のトラ ンジスタと、 前記第1のトランジスタのベースと出力端子との間に接
    続された第1の抵抗と、 コレクタ・ベースの共通接続点を前記第1のトランジス
    タのベースと接続し、一端を接地した第2の抵抗の他端
    にエミッタを接続した第2のトランジスタと、 ベースを前記第1のトランジスタのベースと共通に接続
    し、一端を接地した第3の抵抗の他端にエミッタを接続
    し、かつコレクタと前記出力端子との間に第4の抵抗を
    接続した第3のトランジスタと、 前記第1のトランジスタのコレクタ・ベースの接続点に
    非反転入力端子を接続し、反転入力端子に前記第3のト
    ランジスタのコレクタを接続し、かつ出力端を前記出力
    端子に接続したアンプとを備えた 定電圧発生回路。
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