JP4671613B2 - 耐熱性非水電解質電池 - Google Patents

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Description

本発明は、耐熱性の向上を目的とした、非水電解質電池の電解質の改良に関する。
従来の非水電解質電池は、約85℃までの温度環境であれば使用可能であるが、タイヤ空気圧計や自動料金収受システムの車載器等の自動車の電装部品やファクトリーオートメーション機器などに組み込まれた電池は、しばしば100℃〜150℃を超える過酷な温度環境に晒される。
また、電子機器への電池の組み込みに際しては、生産効率を高めるために、リフローはんだ付け法が用いられるが、この方法によると短時間ではあるが、電池がはんだの融点以上に加熱される。はんだの融点はその種類によって異なるが、環境への影響を考えると鉛フリーのはんだを用いることが好ましい。しかしながら、鉛フリーのはんだの融点は、一般に鉛を含むはんだよりも融点が高く、リフローはんだ付けには260℃前後まで加熱する必要がある。したがって、このような過酷な温度条件の下でも電池がふくれたり、電池性能が劣化したりすることのない耐熱信頼性に優れた非水電解質電池が望まれる。
ところが、環状カーボネートや鎖状カーボネート、ラクトン等の従来用いられている非水溶媒を使用した電池では、非水溶媒が負極と反応して電極表面に抵抗の大きい被膜を形成する。この被膜形成反応は、高温条件において一層顕著になるので、電池を高温条件で使用した場合においては電池の内部抵抗が顕著に増大し電池性能が大幅に低下するという問題がある。
また、エーテル系化合物を非水溶媒として用いる技術も提案されているが、この化合物もまた、高温条件において負極と反応して被膜を形成し、内部抵抗が増大するという問題がある。
他方、負極と非水電解液の反応を防ぐ技術としては、例えば非水電解質にカルボン酸やカルボン酸エステル等を添加する技術が提案されている(特許文献1参照。)。
特開平8−321311号公報(第1−2頁)
上記特許文献1に記載の技術を用いた電池は、カルボン酸エステルと、非水電解液中の溶媒・溶質及び負極中のリチウムとが反応して、負極表面に被膜が形成され、負極と非水電解液との反応が起こりにくくなるので、保存特性が向上するとされる。
しかし、この電池は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートよりなる群から選ばれた少なくとも一種の高誘電率溶媒と、1,2−ジメトキシエタンとを体積比で3:7〜7:3の割合で混合した非水溶媒を用いており、上記高誘電率溶媒は高温条件において負極と反応し、負極表面に抵抗の大きい被膜を形成する。この被膜形成反応は、高温条件において顕著に現れるとともに、上記高誘電率溶媒の配合比が30体積%以上と高いので、被膜量が過大となり、電池内部抵抗が増大する。よって、この技術を適用した電池は、150℃前後の温度での長時間の使用や、短時間ではあるが200℃程度の高温に晒されるリフローはんだ付け用電池としては適さない。
本発明者らは、エーテル系化合物を一種のみを含む非水溶媒に、カルボン酸等を添加して用いることにより、過酷な高温環境においても、充分な安全性が確保でき、しかも放電特性を大幅に向上させることができることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、優れた耐熱安全性と優れた放電特性を有する非水電解質電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、正極と、負極と、前記正負極間に介在されたセパレータと、非水溶媒と電解質塩とを含む非水電解質と、を有する非水電解質電池において、前記非水溶媒が、下記一般式(1)で示されるの化合物を1種類のみ有し、前記非水溶媒に占める下記一般式(1)で示される化合物の体積割合が、23℃において90%以上100%以下であり、前記非水電解質は、添加剤として、前記非水溶媒100質量部に対して、カルボン酸、ギ酸エステル、無水カルボン酸よりなる群から選択された一種以上の化合物を、合計0.01〜10質量部含むことを特徴とする。
〔化1〕
X−(O−C24n−O−Y (1)
(式中のX、Yはそれぞれ独立して、アルキル基(炭素数1−4)で、nは1−5である。)
上記構成において、前記非水溶媒が、23℃において合計10体積%以下の環状炭酸エステル及び/又はラクトンを含む構成とすることができる。
上記構成において、前記添加剤が、ギ酸エステルである構成とすることができる。
上記一般式(1)で示される化合物は、通常の使用形態では負極とほとんど反応しないが、150℃以上の過酷な温度条件においては、負極と反応して抵抗の高い被膜を形成して、電池の内部抵抗が大幅に上昇する。しかし、上記構成によると、添加剤として用いられるカルボン酸、ギ酸エステル、無水カルボン酸よりなる群から選択された一種以上の化合物(以下、カルボン酸等と称することもある)は、負極に含まれるリチウムと反応して、カルボン酸リチウムからなる高導電性の薄い被膜(導電性被膜)を形成する。この導電性被膜によって、上記一般式(1)で示される化合物(エーテル系化合物)と負極との反応が抑制されるため、高温条件に晒されても内部抵抗がほとんど上昇しなくなる。これにより、過酷な温度条件での放電特性に優れた電池が得られる。
なお、本明細書中の体積混合比は全て23℃、1気圧条件下においての値である。
前記非水溶媒が、23℃において合計10体積%以下の環状炭酸エステル及び/又はラクトンを含む構成であると、前記環状カーボネート等は高温条件における安定性が高いとともに、上記式(1)で示される化合物よりも比誘電率が高く、サイクル特性を向上させるように作用する。したがって、高温環境における電池の安全性と放電特性とに優れ、且つ高いサイクル特性を有する電池を実現できる。
しかし、これらの化合物は、上記一般式(1)で示される化合物よりも負極との反応性が高く、抵抗の大きい被膜を形成する。この反応もまた、上記カルボン酸等の添加により抑制することができるが、その体積混合比が合計10%よりも大きいと、負極と反応して形成される被膜が過大となるので、好ましくない。よって、非水溶媒中の体積混合比が合計10体積%以下とすることが好ましい。
また、理由は定かではないが、添加剤としてギ酸エステルを用いると、リフロー炉内に投入した後の内部抵抗が低くなり、その結果放電特性が向上する。したがって、好ましくは添加剤としてはギ酸エステルを用い、さらに好ましくはギ酸n−ブチルを用いる。
本発明を実施するための最良の形態を、コイン型のリチウム二次電池を例として、説明する。図1は、この電池の全体構成を示す断面図である。
(実施の形態)
図1に示すように、電池外装缶(正極缶)1内には、スピネル型マンガン酸リチウムを活物質とする正極2と、リチウム−アルミニウム合金を活物質とする負極3と、両極を離間するセパレータ4とから構成される電極体5が収容されている。そして、このセパレータ4には、下記一般式(1)で示されるの化合物を1種類のみ有し、その合計体積割合が、90%以上100%以下である非水溶媒に、リチウム塩が溶解された電解液が含浸されている。この電池は、正極缶2の開口部と電池封口缶(負極キャップ)7とが、リング形状の絶縁ガスケット6を介して、かしめ固定され封止されている。
〔化2〕
X−(O−C−O−Y (1)
(式中のX、Yはそれぞれ独立して、アルキル基(炭素数1−4)で、nは1−5である。)
次に、本発明に係るリチウム二次電池の製造方法を説明する。
《正極の作製》
正極活物質としてのスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)と、導電剤としてのカーボンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、質量比94:5:1で混合した。この混合物を加圧成形し、直径2mm、厚み0.5mmの円板状の正極ペレットを得た。この正極ペレットを真空乾燥(250℃で2時間)してペレット中の水分を除き、正極を作製した。
《負極の作製》
ステンレス板とアルミニウム板とを貼り合わせ、内面がアルミニウム板になるようにしたクラッド材製の負極キャップを用いた。この負極キャップ内面のアルミニウム板の表面に直径2mmで厚み0.2mmの円板状の金属リチウム板を圧着して、負極を作製した。アルミニウム板表面に圧着した金属リチウム板は、電池封口後に行われる充放電により合金化反応が起こるため、この負極の活物質はリチウム−アルミニウム合金となる。
《電解液の作製》
ジエチレングリコールジメチルエーテル(DDE)からなる非水溶媒に、電解質塩としてのLiN(CFSOを0.8M(モル/リットル)の割合で溶解し、電解液を作製した。
《電池の作製》
前記負極上に、ポリフェニレンスルフィド(PPS)製の不織布からなるセパレータを載置させ、このセパレータに前記電解液を注液した。その後、セパレータ上に前記正極を載置させ、さらにその上にステンレス製の正極缶を被せた。この正極缶と前記負極キャップとを、ポリエーテルエーテルケトン製の絶縁ガスケットを介してかしめ封口し、電池径(直径)4mmで厚み1.4mmのリチウム二次電池を作製した。なお、PPSおよびポリエーテルエーテルケトンは耐熱性の高い樹脂である(融点:PPS、約280℃;ポリエーテルエーテルケトン、約340℃)。
(実施例1〜3、参考例4、実施例5〜22、比較例1〜7)
下記表1に示すように、非水溶媒の種類、配合比、添加剤の種類、添加量を変化させたこと以外は、上記実施の形態と同様にして電池を作製した。
〈耐リフロー試験〉
電池の表面温度が、150℃以上の状態が230秒、200℃以上の状態が90秒、250℃以上の状態が40秒(最大260℃)となるように設定したリフロー炉内に各電池を投入した後、各電池について、電池全高の変化を調べた。
なお、このリフロー試験は、プリント基板の一方の面に電池をマウントし、リフローはんだ付けが行われた後、再度他方の面に他の電子部材等をマウントし、リフローはんだ付けが行われることがあることを考慮して、二回リフロー炉内に投入した。
〈内部抵抗の測定〉
耐リフロー試験後の各電池の、1kHzの交流内部抵抗値を測定した。
〈放電容量の測定〉 耐リフロー試験後の各電池を、3.0Vの定電圧で30時間充電した後、500kΩの固定抵抗放電を行い、電池電圧が2.0Vになるまでの放電容量を測定した。
Figure 0004671613
上記表1において、略称されている化合物名は以下の通りである。
DDE :ジエチレングリコールジメチルエーテル
TeGM:テトラエチレングリコールジメチルエーテル
PC :プロピレンカーボネート
上記表1から、添加剤を1質量部添加した実施例1〜3、参考例4、実施例5〜14は、内部抵抗(IR)が443〜68Ω、放電容量が0.811〜0.870mAhと、添加剤を添加していない比較例1の1427Ω、0.683mAhよりもはるかに優れていることがわかった。
このことは、次のように考えられる。添加剤として用いたカルボン酸、カルボン酸エステル、無水カルボン酸(カルボン酸等)は、負極のリチウムと反応してカルボン酸リチウムからなる高導電性の薄い被膜を形成する。この被膜は、主溶媒であるエーテル系化合物と負極との反応を抑制するように作用して、内部抵抗の上昇を抑制する。
また、添加剤としてギ酸エステルを用いた実施例7〜14は、内部抵抗(IR)が443〜591Ω、放電容量が0.828〜0.870mAhと、その他のものを用いた実施例1〜3、参考例4、実施例5、6の604〜68Ω、放電容量が0.811〜0.828mAhよりも優れていることがわかった。中でも、ギ酸n−ブチルを用いた実施例12が最も優れていることがわかった。しかし、この理由については未だ明らかとはなっていない。
また、添加剤(ギ酸n−ブチル)の添加量を変化させた実施例12、実施例15〜18、比較例2、3の比較から、添加剤の添加量が0.01〜10質量部である実施例12、実施例15〜18は、内部抵抗(IR)が443〜893Ω、放電容量が0.769〜0.870mAhと、添加剤の添加量が0.005質量部である比較例2の1013Ω、0.697mAh、添加剤の添加量が15質量部である比較例3の2021Ω、0.607mAhよりもはるかに優れていることがわかった。また、添加剤の添加量が増加するのに伴い、電池のふくれが大きくなる傾向がわかった。
このことは、次のように考えられる。上述したように、添加剤(ギ酸n−ブチル)は、負極のリチウムと反応してカルボン酸リチウムからなる高導電性の薄い被膜を形成するが、その添加量が電解液100質量部に対して0.01質量部未満である比較例2では、形成される被膜が粗であり、十分にエーテル系化合物と負極との反応を抑制できない。これにより内部抵抗の増大を十分に抑制できず、放電容量が小さくなる。
また、添加剤は、リフローによって正極に含まれるマンガン化合物と反応、分解してガスを発生させるので、電池内部圧力が高まり、電池をふくれさせる。このため、添加量が15質量部以上と過大である比較例3は、リフローによって電池がふくれ、活物質と正極缶や負極キャップとの密着性が低下する。これにより内部抵抗が増大して、放電容量が小さくなる。
また、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DDE)を用いた実施例12、比較例1と、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TeGM)を用いた実施例21、比較例6との比較から、DDEを用いた電池の方が内部抵抗が低く、且つ放電容量が大きく、他方TeGMを用いた電池の方が電池のふくれが小さいことがわかった。
このことは、次のように考えられる。ジエチレングリコールジメチルエーテル(DDE)は、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TeGM)よりも粘性が低いので、リチウムイオンの導電性が高い。このため、内部抵抗が小さくなり、放電容量が大きくなる。他方、TeGMの沸点は275℃であり、最高260℃に達するリフローによっても電池がふくれることはないが、DDEの沸点は185℃であり、最高260℃に達するリフローによって僅かながらも電池がふくれることとなる。したがって、エーテル系化合物は、実装される基板等に求められる電池特性を考慮して、適宜選択して使用することが好ましい。
また、非水溶媒が環状カーボネート(PC)を含む実施例19、20、22、比較例4、5、7は、PCを含まない実施例12、21、比較例1、6よりも僅かに内部抵抗が高くなり、放電容量が低下する傾向があることがわかる。
このことは、次のように考えられる。非水溶媒が環状カーボネートを含む場合、環状カーボネートはエーテル系化合物よりも負極との反応性が高く、内部抵抗が大きくなる。
しかし、環状カーボネートはエーテル系化合物よりも比誘電率が高く、サイクル特性を向上させる効果がある。そして、環状カーボネートの体積配合比が10%以下であると、内部抵抗の増大や放電容量の低下を最低限に抑え、且つサイクル特性を向上させることができる。
〔その他の事項〕
(1)カルボン酸等としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マイレン酸、安息香酸、フタル酸、メタフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸n−プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸n−ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル等のギ酸エステル、無水酢酸、無水フタル酸等の無水カルボン酸を用いても同様の効果が得られる。
ただし、電解液に添加するカルボン酸等の添加量が多いと、リフロー等の高温条件に晒すと、カルボン酸等と正極に含まれるマンガン化合物とが反応してガスが発生し、電池をふくれさせる可能性がある。このため、前記カルボン酸等の添加量は、電解液100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
また、カルボン酸等の効果を十分に得るためには、低沸点溶媒の配合比率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。
(2)また、上記実施例では副成分として、プロピレンカーボネートを用いたが、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の他の環状カーボネートや、γ−ブチロラクトン等のラクトン類を用いることもできる。また、これらの混合物を添加してもよい。
(3)また、本発明は非水電解質電池であれば適用可能であるため、その適応対象は、上記実施例に記されるリチウム二次電池に限らず、リチウム一次電池においても同様の優れた効果が得られる。
(4)また、本発明をリチウム二次電池に適応する場合は、正極活物質として、安価でかつ熱安定性が高い点において、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)を用いることが好ましい。しかしながら、リチウム含有コバルト酸化物(LiCoO)やリチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO)、リチウム含有鉄酸化物(LiFeO)等の他のリチウム含有遷移金属酸化物を用いてもよく、これらの混合物であってもよい。また、結晶格子中に他の金属元素を有するリチウム含有遷移金属酸化物であってもよい。
また、負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、リチウムと合金化する金属等を用いることが好ましい。
(5)また、負極にリチウム金属やリチウム合金を用いた場合は、正極活物質として、リチウムを含まず、リチウムイオンを吸蔵放出する二酸化マンガン、五酸化二ニオブ等の金属酸化物を、単独で、または酸化ホウ素を含有させて用いることができる。
(6)また、本発明をリチウム一次電池に適応する場合は、正極活物質として、二酸化マンガン、フッ化黒鉛、二硫化鉄、硫化鉄等を用いることができるが、熱安定性の点から二酸化マンガンの使用が好ましい。
また、負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金等を用いることが好ましい。
(7)また、電解質塩としては、熱安定性の面からイミド系のリチウム塩(LiN(CFSOやLiN(CSO)を用いることが好ましいが、これ以外のリチウム塩を少量含んでいてもよい。
(8)また、本発明電池は150℃近くの過酷な高温環境における長期使用にも対応するため、セパレータの材質としては、その耐熱温度(融点・分解温度)が、150℃を超えて高いことが好ましく、リフローはんだの溶解温度(185℃)を超えて高いことがより好ましく、リフロー時の最低温度(200℃)を超えて高いことがさらに好ましく、リフロー時の最高温度(260℃)を超えて高いことが最も好ましい。
前記材質を有するセパレータ材料としては、上記ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン以外にも、ポリエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、セルロース等の耐熱性樹脂、または、樹脂素材にガラス繊維等のフィラーを添加してさらに耐熱温度を向上させた樹脂等があげられる。
(9)また、上記実施例では、電池外装缶の開口部を封止するためにガスケットを用いたカシメ封止方法を用いたが、この代わりに、レーザー照射による封止方法、耐熱性樹脂からなる封止部材を熱溶着する方法等を用いてもよい。
ガスケットや耐熱性樹脂を用いて電池を封止する場合は、電池の耐熱信頼性(漏液等の防止)の点から、その材質が上記セパレータの材質における耐熱温度条件と同じ条件を満たすことが望ましい。
(10)また、前記一般式(1)で表される化合物のうち、最も沸点が低い化合物は、nが最も小さく、且つX、Yの炭素数が最も小さい化合物、すなわち1,2−ジメトキシエタン(DME)である。DMEは、150℃での連続使用に対する耐熱性には問題がないが、臨界温度が258℃であるため、最高温度が260℃に達するリフローはんだ付けを行うと、DMEの揮発により電池内圧が大幅に上昇して電池が大きくふくれ、または電池が破裂に至る危険性がある。したがって、本発明においては、非水溶媒にDMEを用いる場合、リフロー用電池として用いるのは好ましくなく、100〜150℃という過酷な温度条件での連続使用という用途に用いることが好ましい。
以上説明したように、本発明によると、100℃〜150℃程度の高温環境下で長期にわたって安全に使用でき、しかもこのような高温環境下においても放電性能の劣化の少ない非水電解質電池を実現することができる。このような本発明電池は、耐熱安全性、放電特性に優れるので、その実装に際して100秒程度の極短時間ではあるが200℃〜260℃程度の高温となるリフローはんだ付け法を適用することができ、この場合においてもリフロー熱によって電池が大きくふくれたり、電池性能が劣化したりすることがない。
本発明に係るコイン型リチウム二次電池を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 電池外装缶(正極缶)
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 電極体
6 絶縁ガスケット
7 電池封口缶(負極キャップ)

Claims (3)

  1. 正極と、負極と、前記正負極間に介在されたセパレータと、非水溶媒と電解質塩とを含む非水電解質と、を有する非水電解質電池において、
    前記非水溶媒が、下記一般式(1)で示される化合物を1種類のみ有し、
    前記非水溶媒に占める下記一般式(1)で示される化合物の体積割合が、23℃において90%以上100%以下であり、
    前記非水電解質は、添加剤として、前記非水溶媒100質量部に対して、カルボン酸、ギ酸エステル、無水カルボン酸よりなる群から選択された一種以上の化合物を、合計0.01〜10質量部含む、
    ことを特徴とする非水電解質電池。
    X−(O−C24n−O−Y (1)
    (式中のX、Yはそれぞれ独立して、アルキル基(炭素数1−4)で、nは1−5である。)
  2. 請求項1に記載の非水電解質電池において、
    前記非水溶媒が、23℃において合計10体積%以下の環状炭酸エステル及び/又はラクトンを含む、
    ことを特徴とする非水電解質電池。
  3. 請求項1または2に記載の非水電解質電池において、
    前記添加剤が、ギ酸エステルである、
    ことを特徴とする非水電解質電池。
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