JP4665187B2 - 播種機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、不耕起圃場等において種籾、大豆などの種子を播種し、同時に覆土するための播種機に関する。
【0002】
【従来の技術】
不耕起圃場に種籾等の種子を播種し同時に覆土する装置に関する発明としては、本出願人の考案に係る実公昭50−37287号公報、特開平6−209613号公報、特開平6−209614号公報、特開平8−298813号公報等に記載された播種機が知られている。
【0003】
この播種機は、機体の進行方向とは逆方向に回転し地表に播種溝を刻設する溝切り用爪車と、該溝切り用爪車の上方に配置され、該溝切り用爪車によりはね上げられた土を後方に案内する土壌案内カバーと、該溝切り用爪車の後方で開口する種子落下筒を備えるもので、機体がトラクター等により牽引されるタイプと、自走式のタイプがある。いずれも、刻設した溝に種子落下筒から種子が一定間隔で落下し、そこに溝切り用爪車にはね上げられて後方に放出される土が落下して、種子を覆土するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の播種機では、溝切り用爪車によりはね上げられた土が土壌案内カバーに沿って後方に放出され、溝に落下して種子を覆土するが、大豆のような丸く大きい種子の場合、飛んできた土が溝の上の種子を直撃すると、種子が溝外に弾き飛ばされたり、溝内を転がったりする。その結果、欠株や株間の不均一がおき、収穫量に影響する。また、例えば大豆などの大きい種子では覆土の厚みも相応に大きくする必要があるが、後方に放出される土は拡散して溝内だけでなくその周囲にも広く落下するため、所定の覆土厚を得るのが難しいことがある。
本発明は、従来の播種機のこのような問題点に鑑み、後方に放出される土により種子が直撃されるのを防止すること、及び後方に放出される土を効果的に利用して所望の覆土厚が得られるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、機体の進行方向とは逆方向に回転し地表に播種溝を刻設する溝切り用爪車と、該溝切り用爪車の上方に配置され、該溝切り用爪車によりはね上げられた土を後方に案内する土壌案内カバーと、該溝切り用爪車の後方で開口する種子落下筒を備えた播種機において、種子落下筒の後方側に、機体の進行方向に沿い所定間隔を開けて対向する左右のガイド板を有し、その間に機体の進行方向に板面を向けた遮蔽板が配置された覆土装置が設置されていることを特徴とする。
遮蔽板は、望ましくは揺動自在に垂下するゴム板からなり、また、左右のガイド板は、その間隔が下方になるほど狭まっている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照して、本発明に係る播種機についてより具体的に説明する。なお、この例は、トラクター牽引タイプの播種機に関するもので、基本的な構造は前記特開平6−209613号公報又は特開平6−209614号公報のものとほぼ同じである。
【0007】
図1において、1は播種機本体を表し、機台2と、機台2の前端に回転自在に設置された左右の前輪3、機台2に軸支されたチェーンケース4とその後端に回転自在に設置された左右の後輪5、機台2の下部に設置され走行方向とは逆方向に回転する溝切り用爪車6と土壌案内カバー7、肥料を供給する施肥装置8、種子を供給する種子供給装置9、薬剤を供給する施薬装置10を主たる構成とし、前後輪3及び5に支持されて圃場に自立しかつ走行自在である。
【0008】
施肥装置8、種子供給装置9及び施薬装置10は、それぞれ、タンク11〜13、繰出装置14〜16及び散布管17〜19を備え、一方、チェーンケース4内には、後輪5の回転に連動してプーリー20を回転させるチェーン機構(図示せず)が収容され、プーリー20は連動する各チェーン及びプーリーを介して施肥装置8、種子供給装置9、施薬装置10の各繰出装置14〜16を作動させ、これにより、肥料や種子、薬剤が予め定められた割合で定量繰り出されるようになっている。なお、施薬装置10の散布管19と種子供給装置9の散布管18は、ともに溝切り用爪車6の後方に配置された種子落下筒21に連結している。
【0009】
播種機本体1の基台2はリフトアーム22によりギヤボックス23に連結し、このギヤボックス23に取り付けた連結具24、25がトラクターTの連結部材T、Tと連結している。また、トラクターTの出力軸Tがギヤボックス23から突出する連結軸26、及びユニバーサルジョイントを備えた伝動軸27を介して、溝切り用爪車15に対し播種機本体10の走行方向とは逆方向の回転駆動力を与える。なお、播種機本体1は、トラクターの走行に伴い、圃場の表面の起伏に沿って上下揺動、横揺れ、水平揺れ及び縦揺れが自在であるが、その動きを許容する機構は先に挙げた公報に記載されているので、詳細は省略する。
【0010】
さて、播種機本体1の溝切り用爪車6の後方位置に、本発明に係る覆土装置28が設置されている。覆土装置28は、図2及び図3に示すように、ほぼ水平な上面板29と、その左右に固定され、機体の進行方向に沿い所定間隔を開けて対向する左右のガイド板30、31と、該ガイド板30、31の間に配置され上端が上面板29に固定されて揺動自在に鉛直に垂下する遮蔽板(ゴム板)32と、その後方側において同じく上面板29に固定された規制板33からなり、上面板29に固定されたブラケット34等を介して土壌案内カバー7に取り付けられている。左右のガイド板30、31の間隔は下方になるほど狭まり、それに伴って遮蔽板32の幅も狭くなっている。また、ガイド板30、31と遮蔽板32の間には隙間がaが形成されている。なお、規制板33は板バネ状のもので、遮蔽板32の後方への揺れ又はめくれを規制する。
【0011】
この播種機本体1が走行し、かつ溝切り用爪車6が走行方向とは逆方向に回転すると、図2に示すように、溝切り用爪車6が土をはね上げて溝Gを形成し、その溝Gに種子落下筒21から種子Sが一定のタイミングで落下する。一方、溝切り用爪車6によりはね上げられた土は、土壌案内カバー7に沿って後方に案内され、土壌案内カバー7を出て覆土装置28の左右のガイド板30、31の間に入り、遮蔽板32に当たって下方に落下し、種子S及び溝Gを覆う。
土壌案内カバー7を出た土は土壌ガイド板30、31の間に入るため、従来のように後方に広く拡散せず、また土壌ガイド板30、31は下方になるほど狭くなっているので、溝Gの上に集中的に落とすことができ、はね上げられた土を覆土として効果的に利用することができる。
【0012】
また、種子S及び溝Gを覆う土は遮蔽板32に当たって落下する土であり、これは水平方向に大きい運動量をもたないので、種子Sを弾き飛ばしたり、転がしたりすることもほとんどない。この例では、特に遮蔽板32がゴム板からなり、かつ上方が上面板29に取り付けられ垂下していることから、これに土が当たると後方に揺れてその運動量を効果的に吸収し、当たった土が勢いよく弾き返されずに済む。さらに、大きい塊が当たると、遮蔽板32は後方にめくれるように大きく揺れ(図2の仮想線参照)、その塊を後方に逃がすことができる。そして、ガイド板30、31と遮蔽板32の間に隙間aがあることで、ここから土が後方に逃げ、コーナー部(ガイド板30、31と遮蔽板32のなすコーナー部)に土が堆積するのが防止される。遮蔽板32が揺動するゴム板であることも土の堆積を防止するのに役立つ。
なお、この例では、覆土装置28をトラクター牽引タイプの播種機に適用したが、実公昭50−37287号公報に記載されたような自走式のタイプの播種機にも同様に適用することもできる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、後方に放出される土により種子が直撃されないようにして、種子が弾き飛ばされたり構内を転がったりするのを防止することができる。また、後方に放出される土を効果的に利用して所望の覆土厚を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクターに連結した播種機の側面図である。
【図2】播種機の要部側面断面図である。
【図3】覆土装置の平面図(a)、左側面図(b)及び右側面図(c)である。
【符号の説明】
1 播種機本体
6 溝切り用爪車
7 土壌案内カバー
28 覆土装置
29 上面板
30、31 ガイド板
32 遮蔽板
33 規制板

Claims (3)

  1. 機体の進行方向とは逆方向に回転し地表に播種溝を刻設する溝切り用爪車と、該溝切り用爪車の上方に配置され、該溝切り用爪車によりはね上げられた土を後方に案内する土壌案内カバーと、該溝切り用爪車の後方で開口する種子落下筒を備えた播種機において、種子落下筒の後方側に、機体の進行方向に沿い所定間隔を開けて対向する左右のガイド板を有し、その間に機体の進行方向に板面を向けた遮蔽板が配置された覆土装置が設置されていることを特徴とする播種機。
  2. 遮蔽板が、揺動自在に垂下するゴム板からなることを特徴とする請求項1に記載された播種機。
  3. 左右のガイド板は、その間隔が下方になるほど狭まっていることを特徴とする請求項1又は2に記載された播種機。
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