JP4664400B2 - 画像形成装置、中断制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置、中断制御プログラムおよび記録媒体に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、高画質画像を再現性および操作性良くかつ安価に形成できることから、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの2種以上の機能を有する複合機などとして汎用される。電子写真方式の画像形成装置は、たとえば、感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを含む。感光体はその表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される部材である。帯電手段は感光体表面を帯電させる。露光手段は帯電状態にある感光体表面に信号光を照射して静電潜像を形成する。現像手段は感光体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する。転写手段は感光体表面のトナー像を記録媒体に転写する。定着手段は記録媒体上のトナー像を記録媒体に定着させて画像を形成する。
定着手段には、たとえば定着ローラと加圧ローラとを含む定着装置が使用される。定着ローラはその内部に加熱手段を有し、記録媒体上の未定着トナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録媒体に定着させる。加圧ローラは定着ローラに圧接するように設けられ、定着ローラによるトナーの加熱溶融の際に記録媒体を定着ローラに押圧することによってトナーの記録媒体への定着を促進する。定着ローラと加圧ローラとの圧接部は定着ニップ部と呼ばれる。未定着トナー像を担持する記録媒体は、記録媒体のトナー像担持面が定着ローラ表面に接触するようにして定着ニップ部に導入され、加熱加圧によって未定着トナー像が定着される。
ところで、カラー画像では、記録媒体上の単位面積当たりに使用されるトナーの量が一般的な白黒画像と比較して、2〜3倍程度となる。そこで充分にトナーを溶融して良好なカラー定着画像を得るために、カラー用定着装置としては、定着ローラの外径を大きくする、または定着ローラ表面に形成されるゴム層を厚くするなどによって、定着ニップの幅を広くする対応がなされている。
しかしながらこのような対応は、定着ローラの熱容量を大きくする方向であり、このような熱容量の大きい定着ローラをその内部に有する加熱源によってのみ加熱する場合は、立ち上げ時間の遅延、連続出力時の定着ローラの温度追従性の低下による定着性能の低下等の問題が発生する。そこでこれらの課題を解決するために、定着ローラの外部に加熱源を配置して、定着ローラの表面から加熱することで、定着ローラの昇温速度を速める構成が提案されている。このような構成の定着装置では、立ち上げ動作時に、定着ローラを回転させ、外部加熱ベルトを用いて定着ローラをその外部から加熱することで定着ローラの表面温度をすばやく立ち上げ、立ち上げ時間の短縮を図っている。
外部加熱装置を用いて定着ローラを外部から加熱する構成においては、内部熱源によって内部から定着ローラを加熱する構成と異なり、その構成上、定着ローラの表面を局所的に加熱することしかできない。一般的には、200℃程度の高温状態に保たれた外部加熱ローラやベルト熱源、定着ローラと外部熱源で形成されるニップ部で伝熱しながら定着ローラ表面を均一に加熱するには定着ローラを回転させながら加熱する必要がある。具体的には、画像形成装置の電源をオンして立ち上げるとき、およびスリープモードからの復帰時、外部加熱装置を用いて定着ローラ表面を均一に加熱するときには、室温のような低温状態から定着ローラを回転させる必要がある。スリープモードとは、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)などには通電しているが、定着装置のヒータなどには通電していない消費電力をおさえたモードである。なお、待機中は、定着ローラを停止し、定着ローラ内部に設けたハロゲンランプ等によってその内部から均一に加熱することで、定着ローラの温度を一定温度に保持している。
立ち上げ直後の定着ローラの温度はその表面が最も高く、定着ローラ内部(芯金側)に向かって低くなる傾向があり、逆に待機状態では、定着ローラ内部が最も温度が高く、定着ローラ表面に向かって温度が低くなる傾向がある。このように立ち上げ直後と待機状態とで、定着ローラの内部から表面への温度分布は全く逆の傾向にあるので、立ち上げ直後に連続出力を行うと、紙によって定着ローラ表面の熱が急激に奪われ、外部加熱装置からの熱供給だけでは定着温度を維持するのに不充分で、定着性が低下するおそれがある。
特許文献1には、定着性を確保するために、定着ローラの温度が基準温度(以下「ジョブ中断基準温度」とも記載する)に低下したときにジョブを一旦停止し、定着ローラの温度が基準温度に回復すると再度ジョブを開始することで、定着性を確保する画像形成装置が開示されている。
特開2005−202359号公報
しかしながら、特許文献1に開示の画像形成装置は、立ち上げ直後、待機状態中の区別なくジョブ中断基準温度を一律に決定しているので、ジョブ効率の低下や立ち上げ直後の定着性に問題があり、立ち上げ直後のジョブの印刷の際に定着不良の発生、またはジョブ効率の低下が発生する。
本発明の目的は、外部加熱装置によって定着ローラをその表面から加熱する定着装置において、特に立ち上げ直後の定着性を改善し、かつジョブ効率の低下を抑制できる画像形成装置、中断制御プログラムおよび記録媒体を提供することである。
本発明は、像担持体を含み、像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
内部に加熱手段が設けられ、未定着トナー像を担持する記録媒体を加熱し、該未定着トナー像を構成するトナーを溶融させて記録媒体に定着させる定着部材と、定着部材に圧接して定着部材との間に圧接部を形成するように設けられて前記圧接部に搬送される未定着トナー像を担持する記録媒体を加圧する加圧部材と、定着部材の外方からその周面に接するように設けられて該周面を加熱する外部加熱手段と、定着部材の表面温度を検出する定着部材温度検出手段とを含み、未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着手段と、
前記定着部材温度検出手段によって検出されるジョブの印刷中の定着部材の表面温度が、第1基準温度と、第1基準温度より低い第2基準温度とを含むジョブ中断基準温度まで低下するとジョブの印刷を中断する中断制御を行う中断制御手段とを備える画像形成装置において、
電源オンから立ち上げる場合およびスリープモードから復帰させる場合に、前記定着部材の内部に設けられる前記加熱手段が動作しない状態で、前記外部加熱手段が、前記定着部材の表面温度が定着温度になるまで前記定着部材の周面を加熱するように構成され、
前記中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後の少なくともいずれか一方のジョブに対しては第1基準温度を選択し、当該ジョブ以外のジョブに対しては第2基準温度を選択し、その選択したジョブ中断基準温度を用いて前記中断制御を行うことを特徴とする画像形成装置である。
また本発明は、電源オンから立ち上げてジョブの印刷を開始する場合およびスリープモードから復帰させてジョブの印刷を開始する場合の少なくともいずれか一方の場合に、
前記中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ開始時またはスリープモードから復帰開始時に、前記定着部材温度検出手段によって検出される定着部材の表面温度が所定温度以上であり、かつジョブ中断基準温度が第1基準温度であれば、ジョブ中断基準温度を第1基準温度から第2基準温度に変更して前記中断制御を行い、前記定着部材温度検出手段によって検出される定着部材の表面温度が所定温度未満であればジョブ中断基準温度を第1基準温度のまま維持して前記中断制御を行うことを特徴とする。
また本発明は、電源オンから立ち上げてジョブの印刷を開始する場合およびスリープモードから復帰させてジョブの印刷を開始する場合の少なくともいずれか一方の場合に、ジョブ中断基準温度が第1基準温度であるとき、
前記中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ完了時またはスリープモードからの復帰完了時から所定時間経過するとジョブ中断基準温度を第2基準温度に変更して前記中断制御を行うことを特徴とする。
また本発明は、前記中断制御を制御するためのプログラムであって、前記中断制御の中断制御手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする中断制御プログラムである。
また本発明は、前記中断制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、画像形成装置は、トナー像形成手段と、転写手段と、定着手段と、中断制御手段とを備える。定着手段に含まれる外部加熱手段が定着部材の外方からその周面に接するように設けられ、該周面を加熱する。内部に加熱手段が設けられる定着部材と加圧部材とが圧接する部分に、トナー像が形成された記録媒体が供給されるとき、定着部材によって未定着トナー像を担持する記録媒体表面のトナーが加熱され、定着ローラと加圧部材との圧力によって、該未定着トナー像が記録媒体に定着される。定着部材温度検出手段は、定着部材の表面温度を検出する。中断制御手段は、前記定着部材温度検出手段によって検出されるジョブの印刷中の定着部材の表面温度が、第1基準温度と、第1基準温度より低い第2基準温度とを含むジョブ中断基準温度まで低下するとジョブの印刷を中断する中断制御を行う。
このような画像形成装置において、電源オンから立ち上げる場合およびスリープモードから復帰させる場合、前記定着部材の内部に設けられる前記加熱手段が動作しない状態で、前記外部加熱手段が、前記定着部材の表面温度が定着温度になるまで前記定着部材の周面を加熱するように構成される。
定着部材の表面温度が室温ぐらい低い状態から前述のようにして立ち上げた直後または定着部材の表面温度が室温ぐらい低い状態から前述のようにして復帰させた直後にジョブの印刷を開始する場合は、定着部材の表面温度が高い状態からジョブの印刷を開始する場合より、ジョブの印刷の開始直後における定着部材の表面温度の低下の速度が大きい。そのため、ジョブ中断基準温度が1種類のみでそのジョブ中断基準温度を定着下限温度に設定した場合、定着部材の表面温度が低い状態からの立ち上げ直後または定着部材の表面温度が低い状態からの復帰直後にジョブの印刷を開始すると、定着部材の表面温度が急激に低下するので、定着部材の表面温度がジョブ中断基準温度まで低下した時点で中断制御を行っても、定着部材の表面温度がジョブ中断基準温度を下回り、定着不良が発生するおそれがある。
このような問題を解決するため、ジョブ中断基準温度を、定着部材の表面温度が低い状態からの立ち上げ直後または定着部材の表面温度が低い状態からの復帰直後にジョブの印刷を開始しても定着部材の表面温度が定着下限温度を下回らないくらい高い温度に設定すると、立ち上げ直後または復帰直後のジョブ以外のジョブの印刷を開始した場合に、定着下限温度を下回らないにもかかわらず定着部材の表面温度がジョブ中断基準温度以下まで低下するとジョブの印刷が中断されるので、ジョブ効率が低下する。
ョブ中断基準温度、第1基準温度と、第1基準温度より低い第2基準温度とを含み、中断制御手段、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後(以下「立ち上げ直後および復帰直後」と記載する)の少なくともいずれか一方のジョブに対しては第1基準温度を選択し、当該ジョブ以外のジョブに対しては第2基準温度を選択して用いることによって、印刷開始直後の定着部材の表面温度の低下速度が比較的大きい場合にはジョブ中断基準温度を比較的高めの第1基準温度に設定でき、印刷開始直後の定着部材の表面温度の低下速度が比較的小さい場合にはジョブ中断基準温度を比較的低めの第2基準温度に設定できる。したがって、立ち上げ直後または復帰直後のジョブを印刷する際に定着不良を防止でき、それ以外のジョブを印刷する際にジョブ効率の低下を抑制することができる。したがって、定着性を確保すると同時にジョブ効率の低下を抑制することができる。
また本発明によれば、電源オンから立ち上げてジョブの印刷を開始する場合およびスリープモードから復帰させてジョブの印刷を開始する場合の少なくともいずれか一方の場合に、前記中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ開始時またはスリープモードから復帰開始時に、前記定着部材温度検出手段によって検出される定着部材の表面温度が所定温度以上であり、かつジョブ中断基準温度が第1基準温度であれば、ジョブ中断基準温度を第1基準温度から第2基準温度に変更して中断制御を行い、定着部材温度検出手段によって検出される定着部材の表面温度が所定温度未満であればジョブ中断基準温度を第1基準温度のまま維持して中断制御を行う。たとえば電源をオフにしてすぐにオンにし、その直後に立ち上げる場合には、定着部材の表面温度はほとんど低下しておらす、高いままである。このように立ち上げ開始時に定着部材の表面温度が高い場合にジョブ中断基準温度を第1基準温度から第2基準温度に変更して中断制御を行っても、立ち上げ直後のジョブの印刷の際、定着部材の表面温度の低下速度が小さいので定着不良は発生しない。また定着部材の表面温度が第1基準温度まで低下してもジョブの印刷は中断せずに継続されるので、ジョブ中断基準温度が第1基準温度のまま維持されて中断制御が行われる場合よりジョブ効率を向上させることができる。したがって、定着性を確保すると同時にジョブ効率の低下を一層抑制することができる。
また本発明によれば、電源オンから立ち上げてジョブの印刷を開始する場合およびスリープモードから復帰させてジョブの印刷を開始する場合の少なくともいずれか一方の場合に、ジョブ中断基準温度が第1基準温度であるとき、中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ完了時またはスリープモードからの復帰完了時から所定時間経過するとジョブ中断基準温度を第2基準温度に変更して中断制御を行う。電源オンからの立ち上げ完了時およびスリープモードからの復帰完了時から所定時間経過すると、定着部材の内部まで充分に温まり、ジョブの印刷に伴う定着部材の表面温度の低下速度が小さくなるので、ジョブ中断基準温度を比較的低い第2基準温度に変更しても定着不良が発生しない。またジョブ中断基準温度を変更したことで、定着部材の表面温度が比較的高い第1基準温度まで低下してもジョブの印刷は中断せずに継続されるので、ジョブ中断基準温度が第1基準温度で中断制御が行われる場合よりジョブ効率を向上させることができる。したがって、定着性を確保すると同時にジョブ効率の低下をより一層抑制することができる。
また本発明によれば、本発明の定着装置の制御手段としてコンピュータを機能させるので、ジョブ中断基準温度の判定をソフトウェアで制御することができる。
また本発明によれば、記録媒体には本発明のジョブ中断基準温度制御プログラムが記録され、記録媒体から読み出されるジョブ中断基準温度制御プログラムによって、定着部材の動作をコンピュータで実施することができる。
1、画像形成装置
本発明の第1の実施形態である画像形成装置は、トナー像形成手段と、転写手段と、定着手段と、中断制御手段とを備える。トナー像形成手段は、像担持体を含み、像担持体表面にトナー像を形成する。転写手段は、像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写する。定着手段は、未定着トナー像を担持する記録媒体を加熱し、該未定着トナー像を構成するトナーを溶融させて記録媒体に定着させる定着部材と、定着部材に圧接して定着部材との間に圧接部を形成するように設けられて前記圧接部に搬送される未定着トナー像を担持する記録媒体を加圧する加圧部材と、定着部材の外方からその周面に接するように設けられて該周面を加熱する外部加熱手段と、定着部材の表面温度を検出する定着部材温度検出手段とを含み、未定着トナー像を記録媒体に定着させる。中断制御手段は、前記定着部材温度検出手段によって検出されるジョブの印刷中の定着部材の表面温度がジョブ中断基準温度まで低下するとジョブの印刷を中断する中断制御を行う。
前記ジョブ中断基準温度は2種類以上あり、前記ジョブ中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後の少なくともいずれか一方のジョブと、当該ジョブ以外のジョブとに対して、前記2種類以上のジョブ中断基準温度のうち用いるジョブ中断基準温度を個別に選択し、その選択したジョブ中断基準温度を用いて前記中断制御を行う。
図1は、本実施形態の画像形成装置1の構成を概略的に示す断面図である。画像形成装置1は、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)およびブラック(b)の4色のトナー像を順次重ね合わせて転写して多色トナー像を形成し、該多色トナー像を記録媒体に定着させて画像を形成するタンデム構成の電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置1は、トナー像形成手段2と、中間転写手段3と、二次転写手段4と、記録媒体供給手段5と、定着装置6と、スキャナ部7とを含む。
(1)トナー像形成手段
トナー像形成手段2は、作像ユニット10y,10m,10c,10bを含む。作像ユニット10y,10m,10c,10bは、後述する中間転写ベルト21の回転駆動方向(副走査方向)すなわち矢符27の方向における上流側からこの順番で一列に配置され、デジタル信号などとして入力される各色の画像情報に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像に対応する色のトナーを供給し、現像して各色のトナー像を形成する。作像ユニット10yはイエローの画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10mはマゼンタの画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10cはシアンの画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10bはブラックの画像情報に対応するトナー像を形成する。
図2は、図1に示すトナー像形成手段2の作像ユニット10yの構成を拡大して示す断面図である。図2に示すように、作像ユニット10yは、感光体ドラム11yと、帯電ローラ12yと、光走査ユニット13yと、現像装置14yと、ドラムクリーナ15yとを含む。
感光体ドラム11yは、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、その表面に静電潜像ひいてはトナー像が形成される感光層を有するローラ状部材である。感光体ドラム11yには、たとえば、図示しない導電性基体と、導電性基体表面に形成される図示しない感光層とを含むものを使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状導電性基体が好ましい。感光層としては、有機感光層、無機感光層などが挙げられる。有機感光層としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光層としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む層が挙げられる。
導電性基体と感光層との間には、下地層を介在させてもよく、感光層の表面には主に感光層を保護するための表面層(保護層)を設けてもよい。本実施の形態では、接地電位(GND)に接続されるアルミニウム素管(導電性基体)と、アルミニウム素管の表面に形成される厚さ20μmの有機感光層とを含む直径30mmの感光体ドラムを用いる。また、本実施の形態では、感光体ドラム11yは、時計周りの方向に周速度355mm/sで回転駆動する。
帯電ローラ12yは、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、感光体ドラム11yの表面を所定の極性および電位に帯電させるローラ状部材である。帯電ローラ12yには図示しない電源が接続され、該電源から電圧を印加されて放電することによって、感光体ドラム11y表面を帯電させる。本実施の形態では、帯電ローラ12yに−1200Vの電圧が印加され、感光体ドラム11y表面は−600Vに帯電する。帯電ローラ12yに代えて、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、スコロトロンといったコロナ帯電器などを使用できる。光走査ユニット13は、帯電状態にある感光体ドラム11y表面にイエローの画像情報に対応するレーザ光13yを照射し、感光体ドラム11y表面にイエローの画像情報に対応する静電潜像を形成する。光走査ユニット13には、半導体レーザなどを使用できる。本実施の形態では、−600Vに帯電した感光体ドラム11y表面に、露光電位−70Vの静電潜像を形成する。
現像装置14yは、現像ローラ17yと、現像ブレード18yと、現像槽19yと、攪拌ローラ20y,30yとを含む。現像ローラ17yは、その表面にイエロー現像剤16yを担持し、現像ローラ17yと感光体ドラム11yとの近接部(現像ニップ部)において、イエロー現像剤16yを感光体ドラム11y表面の静電潜像に供給する。現像ローラ17yは現像槽19yによって軸線回りに回転可能に支持され、現像槽19yの感光体ドラム11yを臨む面に形成される開口部からその一部が外方に向けて突出して感光体ドラム11y表面に近接するように設けられ、図示しない固定磁極を内包するローラ状部材である。現像ローラ17yは、感光体ドラム11yと逆方向に回転駆動する。したがって、現像ニップ部においては、現像ローラ17yと感光体ドラム11yとは同じ方向に回転駆動する。また、現像ローラ17yには図示しない電源が接続され、該電源から直流電圧(現像電圧)が印加される。これによって、現像ローラ17y表面のイエロー現像剤16yが静電潜像に円滑に供給される。
本実施の形態では、現像ローラ17yには−420Vの現像電圧が印加される。現像ローラ17y表面のイエロートナー層が現像ニップ部において感光体ドラム11yと接触し、静電潜像にイエロー現像剤16yが供給される。
現像ブレード18yは、一端が現像槽19yによって支持され、他端が現像ローラ17y表面に対して間隙を有して離隔するように設けられる板状部材であり、現像ローラ17y表面に担持されるイエロートナー層を均一化(層規制)する。
現像槽19yは前記のように感光体ドラム11yを臨む面に開口部が形成され、内部空間を有する容器状部材である。現像槽19yは、その内部空間に現像ローラ17yと攪拌ローラ20y,30yとを内蔵し、かつイエロー現像剤16yを貯留する。現像槽19yには、イエロー現像剤16yの消費状況に応じて、図示しないトナーカートリッジからイエロー現像剤16yが補給される。本実施の形態では、現像槽19y内には予め磁性キャリアが充填される。現像槽19yに補給されるイエロートナーはこの磁性キャリアと混合されてイエロー現像剤(イエロー2成分現像剤)16yの形態で用いられるけれども、それに限定されず、イエロートナーのみを含む1成分現像剤の形態でも使用できる。
攪拌ローラ20y,30yは、現像槽19yの内部空間において軸線回りに回転駆動可能に支持されるスクリュー状部材である。攪拌ローラ20yは、現像ローラ17y表面に圧接するように設けられる。攪拌ローラ20y,30yは、それぞれの回転駆動によって、図示しないトナーカートリッジから現像槽19y内に補給されるイエロー現像剤16yを現像ローラ17yの表面周辺に送給する。現像装置14yによれば、現像槽19y内の磁性キャリアにイエロートナーが付着した形態のイエロー現像剤16yが攪拌ローラ20y,30yによって現像ローラ17y表面に供給され、該表面に現像剤層が形成される。この現像剤層は現像ブレード18yによって層厚を均一化された後、現像剤層から電位差などを利用して感光体ドラム11y表面の静電潜像にイエロー現像剤16yが選択的に供給され、イエローの画像情報に対応するイエロートナー像が形成される。
ドラムクリーナ15yは、後述のように、感光体ドラム11y表面のイエロートナー像を中間転写ベルト21に転写した後に、感光体ドラム11y表面に残存するイエロー現像剤16yを除去、回収する。
作像ユニット10yによれば、帯電ローラ12yによって帯電状態にある感光体ドラム11yの表面に、光走査ユニット13からイエローの画像情報に対応する信号光13yを照射して静電潜像を形成し、該静電潜像に現像装置14yからイエロー現像剤16yを供給して該静電潜像を現像し、イエロートナー像を形成する。このイエロートナー像は、後述のように、感光体ドラム11yの表面に圧接して矢符29の方向に回転駆動する中間転写ベルト21に転写される。感光体ドラム11y表面に残留するイエロー現像剤16yはドラムクリーナ15yによって除去され、回収される。この画像(トナー像)形成動作は繰返し実行される。
作像ユニット10m,10c,10bは、イエロートナーに代えてマゼンタトナー、シアントナーまたはブラックトナーを使用する以外は、作像ユニット10yに対応する構造を有するので、同一の参照符号を付し、かつ各参照符号の末尾にマゼンタを示す「m」、シアンを示す「c」およびブラックを示す「b」を付し、説明を省略する。
(2)転写手段
図1に戻って、中間転写手段3は、中間転写ベルト21と、一次転写ローラ22y,22m,22c,22bと、支持ローラ23,24,25と、ベルトクリーナ26とを含む。中間転写ベルト21は、支持ローラ23,24,25の間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状のトナー像担持体であり、感光体ドラム11y,11m,11c,11bとほぼ同じ周速度で矢符27の方向に回転する。中間転写ベルト21には、たとえば、厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト21の材料はポリイミドのみに限定されず、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成樹脂、各種ゴムなどからなるフィルムを使用できる。合成樹脂または各種ゴムからなるフィルム中には、中間転写ベルト21としての電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、グラファイトカーボンなどの導電材が配合される。中間転写ベルト21のトナー像担持面21aは、中間転写ベルト21の回転駆動方向における上流側から、感光体ドラム11y,11m,11c,11bにこの順番で圧接する。中間転写ベルト21の感光体ドラム11y,11m,11c,11bに圧接する位置が、各色トナー像の中間転写位置である。中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向する位置に、一次転写ローラ22y,22m,22c,22bが配置される。
一次転写ローラ22y,22m,22c,22bは、それぞれ、中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向し、かつ中間転写ベルト21におけるトナー像担持面21aの反対面に圧接し、かつ図示しない駆動手段によりその軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。一次転写ローラ22y,22m,22c,22bには、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。軸体の直径は特に制限されないけれども、好ましくは8〜10mmである。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。導電性層によって、中間転写ベルト21に高電圧が均一に印加される。
一次転写ローラ22y,22m,22c,22bには、感光体ドラム11y,11m,11c,11bの表面に形成されるトナー像を中間転写ベルト21上に転写するために、トナーの帯電極性とは逆極性の中間転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに形成されるイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト21のトナー像担持面21aに順次重ね合わさって転写され、多色トナー像が形成される。ただし、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの一部のみの画像情報が入力される場合には、作像ユニット10y,10m,10c,10bのうち、入力される画像情報の色に対応する作像ユニットのみにおいてトナー像が形成される。
支持ローラ23,24,25は、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動可能に設けられ、中間転写ベルト21を張架して矢符27の方向に回転駆動させる。支持ローラ23,24,25には、たとえば、直径30mmおよび肉厚1mmのアルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を介して後述する2次転写ローラ28に圧接して2次転写ニップ部を形成し、かつ電気的に接地される。支持ローラ24は中間転写ベルト21を張架する機能と共に、中間転写ベルト21上のトナー像を記録媒体8に2次転写させる機能をも有する。
ベルトクリーナ26は、中間転写ベルト21のトナー像担持面21a上のトナー像を記録媒体8に転写した後に、トナー像担持面21a上に残存するトナーを除去する部材であり、中間転写ベルト21を介して支持ローラ25に対向するように設けられる。ベルトクリーナ26は、クリーニングブレードと、トナー貯留容器(何れも図示してない)とを含む。クリーニングブレード26aは、図示しない加圧手段により、中間転写ベルト21のトナー像担持面21aに圧接し、トナー像担持面21a上の残存トナーなどを掻き取る板状部材である。クリーニングブレード26aには、たとえば、弾性を有するゴム材料(たとえば、ウレタンゴム)などからなるブレードを使用できる。トナー貯留容器26bは、クリーニングブレード26aに掻き取られるトナーなどを一時的に貯留する。
中間転写手段3によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成されるトナー像が、中間転写ベルト21のトナー像担持面21aの所定位置に重ね合わされて転写され、トナー像が形成される。このトナー像は、後述するように、2次転写ニップ部において記録媒体8に2次転写される。2次転写後に中間転写ベルト21のトナー像担持面21aに残留するトナー、オフセットトナー、紙粉などがベルトクリーナ26により除去され、トナー像担持面21aには再度トナー像が転写される。
2次転写手段4は、支持ローラ24と、2次転写ローラ28とを含む。2次転写ローラ28は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ24に圧接し、かつ軸線方向に回転駆動可能に設けられ、図示しない駆動手段によって回転駆動するローラ状部材である。2次転写ローラ28は、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含む。金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。
2次転写ローラ28には図示しない電源が接続され、トナーの帯電極性とは逆の極性を有する高電圧が均一に印加される。支持ローラ24と中間転写ベルト21と2次転写ローラ28との圧接部が2次転写ニップ部である。2次転写手段4によれば、中間転写ベルト21上のトナー像が2次転写ニップ部に搬送され、それに同期して後述の記録媒体供給手段5から送給される記録媒体8が2次転写ニップ部に搬送され、2次転写ニップ部においてトナー像と記録媒体8とが重ね合わされ、トナー像が記録媒体8に2次転写される。このようにして、記録媒体8上に未定着トナー像が担持される。未定着トナー像を担持する記録媒体8は、定着装置6に搬送される。
(3)定着手段
定着装置6は、未定着のトナー像が形成された記録媒体に対し熱および圧力を加えることによって、未定着のトナー像を記録媒体に定着させる。未定着のトナー像は、非磁性トナーからなる非磁性1成分現像剤、非磁性トナーおよびキャリアからなる非磁性2成分現像剤、または磁性トナーからなる磁性現像剤などの現像剤(以下では、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある。)に含まれるトナーで形成される。
図3は、本発明の第1の実施形態である定着装置6の構成を概略的に示す断面図である。定着装置6は、図3に示すように、定着ローラ50と、加圧ローラ60と、外部加熱手段70とを含む。
(定着ローラ)
定着部材である定着ローラ50は、図示しない支持手段によって回転自在に支持され、かつ図示しない駆動手段によって矢符56の方向に所定の速度で回転するローラ状部材である。定着ローラ50は、記録媒体8に担持されるトナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録媒体8に定着させる。
本実施の形態では、定着ローラ50として、芯金51と、弾性体層52と、表面層53とを含むローラ状部材を使用する。芯金51を形成する金属には熱伝導率の高い金属を使用でき、たとえば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。芯金51の形状としては、円筒状、円柱状などが挙げられるけれども、芯金51からの放熱量が少ない円筒状の方が好ましい。
弾性体層52を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性に優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。
表面層53を構成する材料は、耐熱性および耐久性に優れ、トナーとの付着力が弱いものであれば特に制限されず、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴムなどが挙げられる。表面層53は厚さ約30から50μmのPFA層である。
定着ローラ50の内部には、定着ローラ加熱手段54が設けられる。これは、待機中に定着ローラを均一に加熱し、またトナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することに起因する定着ローラ50の表面温度の低下などを防止する。本実施の形態では、定着ローラ加熱手段54にはハロゲンランプが用いられる。
定着ローラとしては、外径35mm、肉厚2mmのアルミニウム製芯金上に、シリコーンゴム層を2.5mm形成し更に40μmのPFAチューブ層を設けた外径40mmのローラを使用した。
(加圧ローラ)
加圧部材である加圧ローラ60は、定着ローラ50の鉛直方向最下点よりも下方向に設けられ、図示しない加圧機構により定着ローラ50に圧接された状態で回転自在に設けられるローラ状部材である。定着ローラ50と加圧ローラ60との圧接部が定着ニップ部55である。加圧ローラ60は定着ローラ50の回転に従動回転する。加圧ローラ60は、定着ローラ50によるトナー像の記録媒体8への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録媒体8に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体8への定着を促進する。
本実施の形態では、加圧ローラ60として、芯金61と、弾性体層62と、表面層63とを含むローラ状部材を使用する。芯金61、弾性体層62および表面層63を形成する材料としては、それぞれ、定着ローラ50の芯金51、弾性体層52および表面層53を形成する金属または材料と同じものを使用できる。また、芯金61の形状も定着ローラ50と同様である。加圧ローラ60の内部には、加圧ローラ加熱手段64が設けられる。これは、画像形成装置1の電源オンから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することに起因する加圧ローラ60の表面温度の急激な低下などを防止する。
本実施の形態では、加圧ローラ加熱手段64にはハロゲンランプが用いられる。加圧ローラとしては、外径35mm、肉厚2mmのアルミニウム製芯金上に、シリコーンゴム層を2.5mm形成し更に40μmのPFAチューブ層を設けた外径40mmのローラを使用した。
(外部加熱手段)
外部加熱手段70は、加熱ベルト71と、第1圧接ローラ72と、第2圧接ローラ73と、サーミスタ76と、サーモスタット77とを含む。加熱ベルト71は、第1圧接ローラ72と第2圧接ローラ73との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。また、加熱ベルト71は、第1圧接ローラ72と定着ローラ50との圧接点から第2圧接ローラ73と定着ローラ50との圧接点の間において、定着ローラ50の外周方向に長さを持ちかつ定着ローラ50の長手方向に亘る帯状の領域で定着ローラ50に接触するように設けられる。また、加熱ベルト71は定着ローラ50の矢符56の方向の回転駆動によって矢符78の方向に従動回転する。
加熱ベルト71には、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されないけれども、たとえば、ポリイミド製ベルト、ニッケル電鋳ベルトなどが挙げられる。加熱ベルト71の表面には、PFA、PTFEなどのフッ素樹脂層を形成してもよい。本実施の形態では、直径31mmの円筒形状に形成される厚さ90μmのポリイミド基材上に、PTFE層を約20μmコートした無端ベルトを使用する。
第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73は、回転自在に支持されかつ図示しない加圧手段によって加熱ベルト71を介して定着ローラ50表面に圧接するように設けられるローラ状部材である。第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73は加熱ベルト71の矢符78の方向の回転に従動回転する。
第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73には、アルミニウム、鉄などの熱伝導率の高い金属からなる金属製ローラを使用できる。金属製ローラは必要に応じてその表面にフッ素樹脂層が形成されてもよい。本実施の形態では、肉厚2mmで外径16mmのアルミニウム製のローラを使用した。
第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73は、その内部に第1および第2加熱手段74,75を有する。これによって、加熱ベルト71ひいては定着ローラ50が加熱される。第1および第2加熱手段74,75には図示しない電源が接続され、第1および第2加熱手段74,75を発熱させるための電力が供給される。第1および第2加熱手段74,75には一般的な加熱手段を使用できる。本実施の形態では第1および第2加熱手段74,75にはハロゲンランプを使用する。なお、第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73は定着ローラ50上において互いの軸線が平行になり、かつ間隙を有して離隔するように設けられる。
電源オンして立ち上げる場合、画像形成指示が入力されると、まず、第1圧接ローラおよび第2圧接ローラの内部に設けられたハロゲンランプによって加熱ベルト71が第1の所定温度まで加熱される。加熱ベルト71の温度が第1の所定温度まで到達した時点で、定着ローラ50をたとえば225mm/secの速度で回転させ始める。定着ローラ50を回転させながら、引き続き加熱ベルト71を第2の所定温度(ここでは約220℃程度)まで昇温させ、加熱ベルト71からの熱で定着ローラ50の表面を加熱し、定着ローラ50の表面を定着温度まで上昇させ、立ち上げ完了となる。立ち上げ完了温度は定着ローラ50の表面温度のみで判断される。加熱ベルト71の温度が第2の所定温度に到達すると、第1圧接ローラおよび第2圧接ローラの内部に設けられたハロゲンランプは消灯する。
このような立ち上げ動作において、定着ローラ50内部のハロゲンランプが点灯する条件は、加熱ベルト71の温度が第2の所定温度に到達して、第1圧接ローラおよび第2圧接ローラ内部のハロゲンランプが消灯する条件のときのみであり、立ち上げ動作においてはほとんど点灯しない。したがって、立ち上げ完了時の定着ローラの温度分布は定着ローラの表面が最も高く、その内部つまり芯金方向に向かって、徐々に温度が低下する傾向にある。
(温度検出手段)
第2サーミスタ76は、加熱ベルト71を介して第2圧接ローラ73に対向する位置において加熱ベルト71に近接するように設けられ、加熱ベルト71の温度を検出する。第2サーミスタ76による検出結果はCPUに入力される。CPUは、第2サーミスタ76の検出結果から、第2サーミスタ76の温度が設定範囲内にあるか否かを判定する。加熱ベルト71の温度が設定範囲よりも低い場合には、第1および第2加熱手段74,75に接続される電源に制御信号を送り、第1および第2加熱手段74,75に電力を供給して発熱を促す。加熱ベルト71の温度が設定範囲よりも高い場合には、第1および第2加熱手段74,75への給電力の有無を確認する。電力供給が継続される場合は、第1および第2加熱手段74,75への電力供給を停止する制御信号を送る。
第2サーモスタット77は、加熱ベルト71を介して第2圧接ローラ73に対向しかつ第2サーミスタ76よりも加熱ベルト71の回転方向下流側の位置において、加熱ベルト71に近接するように設けられ、加熱ベルト71の異常昇温を検出する。第2サーモスタット77による検出結果はCPUに入力される。CPUは第2サーモスタット77の検出結果に応じて第1および第2加熱手段74,75に接続される電源からの給電を停止する。
定着部材温度検出手段である第1サーミスタ90は、定着ローラ50に近接するように設けられ、定着ローラ50の表面温度を検出する。第1サーミスタ90による検出結果はCPUに入力される。CPUは、第1サーミスタ90の検出結果から、第1サーミスタ90の温度が設定範囲内にあるか否かを判定する。定着ローラ50の表面温度が設定範囲よりも低い場合には、定着ローラ加熱手段54に接続される電源に制御信号を送り、定着ローラ加熱手段54に電力を供給して発熱を促す。定着ローラ50の表面温度が設定範囲よりも高い場合には、定着ローラ加熱手段54への給電力の有無を確認する。電力供給されている場合には、電力供給を停止する制御信号を送り、定着ローラ加熱手段54に接続される電源からの給電を停止する。後述の中断制御において、第1サーミスタ90の検出結果に応じてジョブの印刷が一旦中断されたり、ジョブ中断基準温度が変更されたりする。
(制御部)
定着ローラ50と加圧ローラ60と外部加熱手段70とを含む定着機構は、画像形成装置1の全動作を制御する図示しない制御部によって制御される。制御部は、画像形成指示の入力を受けると、定着ローラ50、加圧ローラ60および第1,第2圧接ローラ72,73の内部に設けられる加熱手段54,64,74,75に電力を供給する図示しない電源に制御信号を送る。画像形成指示は、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられる図示しない操作パネルまたは画像形成装置1に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される。制御信号を受けた電源は電力を供給して加熱手段54,64,74,75を起動させる。定着ローラ加熱手段54,64,74,75は、定着ローラ50、加圧ローラ60および加熱ベルト71表面がそれぞれの設定温度になるように加熱する。定着ローラ50および外部加熱手段70の近傍に設けられる第1サーミスタ90などの温度検出センサが設定温度に到達したことを検出し、その検出結果がCPUに入力されると、制御手段は定着ローラ50を回転駆動させる図示しない駆動手段に制御信号を送り、定着ローラ50を矢符56の方向に回転駆動させる。それに伴って加圧ローラ60および加熱ベルト71が従動回転する。この状態で、未定着トナー像を担持する記録媒体8が2次転写手段4から定着ニップ部55に搬送される。この記録媒体8が定着ニップ部55を通過する際に、トナー像を構成するトナーが加熱加圧され、記録媒体8に定着され、画像が形成される。
(4)記録媒体供給手段
記録媒体供給手段5は、記録媒体カセット42と、ピックアップローラ43と、レジストローラ44a,44bとを含む。記録媒体カセット42は記録媒体8を貯留する。記録媒体8には、たとえば、普通紙、コート紙、カラーコピー専用用紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用フィルム、葉書などがある。サイズとしては、A4、A3、B5、B4、葉書サイズなどである。ピックアップローラ43は、記録媒体8を搬送路Pに1枚ずつ送給する。レジストローラ44a,44bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、中間転写ベルト21上の多色トナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、2次転写ニップ部に記録媒体8を送給する。記録媒体供給手段5によれば、記録媒体カセット42内に貯留される記録媒体8が、ピックアップローラ43によって1枚ずつ搬送路Pに送給され、さらに、レジストローラ44a,44bによって2次転写ニップ部に送給される。
(5)スキャナ部
スキャナ部7は、原稿台と、光源と、CCDセンサ9とを含む。原稿台の上面には、複写すべき原稿が載置される。原稿台には透明ガラスなどの透明性材料からなる板状部材が用いられる。光源は、原稿台に載置される原稿を照明する。CCDセンサ9は、光源によって照明される原稿からの反射光を光電変換することで、反射光を画像情報(画像信号)に変換する。CCDセンサ9は変換部と転送部と出力部とを含み、変換部では反射光である光信号を電気信号に変換し、転送部ではクロックパルスに同期して電気信号を順次出力部へ転送し、出力部では電気信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。このようにして得られたアナログ信号を周知の画像処理を行ってデジタル信号に変換する。スキャナ部7により読み取られる原稿の画像情報は、画像形成装置の全動作を制御する図示しないCPUに送られ、各種画像処理が施された後、メモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリ内の画像を読出して光走査ユニット13に転送して記録媒体8である記録紙上に画像を形成させる。
(6)制御手段
画像形成装置1には、図示しない制御手段が設けられる。制御手段は、たとえば、画像形成装置1の内部空間における上部に設けられ、図示しない、記憶部と、演算部と、制御部とを含む。記憶部には、画像形成装置1の上面に配置される図示しない操作パネルを介する印刷指令、画像形成装置1内部の各所に配置される図示しない各種センサなどからの検出結果、外部機器から入力される画像情報、画像形成装置1内部の各装置の動作を制御するための各種設定値およびデータテーブル、各種制御を実行するためのプログラムなどが書き込まれる。
記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置に電気的に接続可能な電気および電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラなどが挙げられる。演算部は、記憶部に入力される各種データ(印刷指令、検出結果、画像情報など)および各種制御を実施するためのプログラムを取り出し、各種検出および/または判定を行う。制御部は、演算部における各種判定結果、演算結果などに応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は、たとえば、中央処理装置(CPU)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。制御手段は、記憶部、演算部および制御部とともに主電源を含む。主電源は、制御手段だけでなく、画像形成装置1内部における各装置にも電力を供給する。また、制御手段は、後述の中断制御手段をも含む。
(中断制御)
本実施の形態では、ジョブの印刷に伴って定着ローラの表面温度が低下することによる定着不良を防ぐためにジョブ中断基準温度を設定し、中断制御手段によって中断制御を行う。これによって、第1サーミスタ90で検出されるジョブの印刷中の定着ローラの表面温度がジョブ中断基準温度まで低下するとジョブの印刷を一旦ストップし定着ローラの表面温度が所定の温度に復帰するのを待って再度ジョブの印刷が再開されるので、定着ローラの表面温度が定着下限温度より低い温度まで低下して定着不良が発生することを防止できる。
本実施形態では、ジョブ中断基準温度は2種類以上あり、中断制御手段が、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後のジョブと、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後のジョブ以外のジョブとに対して、前記2種類以上のジョブ中断基準温度のうち用いるジョブ中断基準温度を個別に選択し、その選択したジョブ中断基準温度を用いてジョブの印刷を行う。ジョブ中断基準温度が2種類以上あることによって、条件に合ったジョブ中断基準温度を選択することができる。本実施形態では、ジョブ中断基準温度は第1基準温度と、第2基準温度とを含み、第2基準温度は、第1基準温度より低い温度である。また、ジョブ中断基準温度は、立ち上げ開始時の定着ローラの表面温度や立ち上げ完了時点からの経過時間などの条件によってジョブ中断基準温度が最初の温度から変更される場合もある。
どのような条件の場合に、どのようなジョブ中断基準温度を選択するか図4を用いて説明する。図4は、ジョブ中断基準温度を決定するためのフローチャートである。図4のフローチャートを用いて、ジョブ中断基準温度の決定条件とともに、中断制御およびその効果について具体的に説明する。以下、S1、S2、…は、処理手順(ステップ)の番号を表す。なお、本実施形態において、立ち上げとは、具体的には、電源オン状態からの立ち上げ動作、つまり定着器に通電されていない状態からの立ち上げ状態とする。
(ステップS1)
入力された画像形成指示が、画像形成装置1の電源をオンにしてからの最初の画像形成指示またはスリープモードから復帰させるための画像形成指示であれば、ステップS3に進む。前記の画像形成指示以外の指示、たとえば待機状態からの指示であればステップS2に進む。画像形成指示は、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられる図示しない操作パネルまたは画像形成装置1に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される。
(ステップS2)
ステップS2では、ジョブ中断基準温度として第2基準温度を選択する。中断制御手段は、第2基準温度を用いて中断制御を行う。本ステップに進むような条件としては、たとえば入力された画像形成指示が、待機状態で入力された指示である場合が挙げられる。図5は、待機状態からジョブの印刷を開始する場合における画像形成指示前後の定着ローラの表面温度の推移を示すグラフである。図5に示すように、待機状態では定着ローラの表面温度は定着温度であるβ℃に維持されており、t1秒の画像形成指示の入力と同時にジョブの印刷が開始され、その直後から定着ローラの表面温度が低下し始める。しかしながら、待機中は、定着ローラは定着ローラ加熱手段54のハロゲンランプによって内部から充分に加熱されているので、ジョブの印刷によって表面の熱が奪われても定着ローラの表面温度の速度低下は緩やかである。
定着ローラの表面温度がジョブ中断基準温度まで低下したことを検知した後も数枚程度はジョブの印刷が実施されることがあるが、表面温度の速度低下は緩やかなので、実際にジョブの印刷が中断された時点の定着ローラの表面温度は中断基準温度からほとんど低下しない。そのため、たとえば第2基準温度を定着下限温度に設定した場合でも定着不良は発生せず、問題はない。本実施形態では、定着温度を175℃とし、第2基準温度を定着温度より20℃低い温度の155℃とする。以後、第1基準温度をT1℃、第2基準温度をT2℃と記載することもある。
仮にこのステップでのジョブ中断基準温度を第1基準温度に設定した場合は、定着ローラの表面温度がT1℃まで低下するとジョブの印刷が一旦停止されることになる。ジョブ中断基準温度を第1基準温度とした場合でも第2基準温度とした場合でも定着不良は発生しないが、第1基準温度は第2基準温度より高いので、第2基準温度にした場合より印刷が中断されやすくなり、ジョブ効率が低下する。
(ステップS3)
電源オンからの立ち上げ直後またはスリープモードからの復帰直後のジョブであれば第1基準温度を選択する。本実施形態では、第1基準温度を定着温度より5℃低い温度の170℃とする。定着ローラの表面温度がジョブ中断基準温度まで低下したことを検知した後も数枚程度はジョブの印刷が実施されることがあるが、電源オンからの立ち上げ開始時およびスリープモードからの復帰開始時には定着ローラが冷えきって、室温まで温度が低下していることがあり、このような場合には立ち上げ直後および復帰直後の印刷による定着ローラの表面温度の低下速度は大きいので、定着不良が発生しやすくなる。第1基準温度を170℃に設定し、第2基準温度より15℃も高い温度としているのは、このような場合の定着ローラの急激な温度低下に対応させ、定着不良が起こらないようにするためである。中断制御手段は、ジョブ中断基準温度をT1℃に設定して、中断制御を行う。
(外部加熱手段)で記載したように、立ち上げ開始時または復帰開始時の定着ローラの表面温度が常温くらい低い温度の場合、立ち上げ完了時の定着ローラの温度分布は定着ローラの表面が最も高く、その内部つまり芯金方向に向かって、徐々に温度が低下する傾向にある。また、立ち上げ直後および復帰直後では、芯金を通じて定着ローラ軸の端部方向への熱の逃げも大きく、定着ローラ端部の温度は定着ローラの中央部の温度に比較して低下する傾向がある。そのため、仮にジョブ中断基準温度が1種類のみでそのジョブ中断基準温度をT2℃に設定し、連続通紙を行うと、図8に示す曲線(b)のように定着ローラの表面温度が急激に低下するので、定着不良が発生するおそれがある。
ステップS1〜S3で述べたように、本実施形態において、中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後のジョブに対しては第1基準温度を選択し、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後のジョブ以外のジョブに対しては第2基準温度を選択し、中断制御を行うので、印刷開始直後の定着ローラの表面温度の低下速度が比較的大きい場合にはジョブ中断基準温度を比較的高めの第1基準温度に設定でき、印刷開始直後の定着ローラの表面温度の低下速度が比較的小さい場合にはジョブ中断基準温度を比較的低めの第2基準温度に設定できる。したがって、定着性を確保すると同時にジョブ効率の低下を抑制することができる。
(ステップS4)
画像形成指示直後の定着ローラの表面温度を第1サーミスタ90で検出する。
(ステップS5)
定着ローラの表面温度を検出した結果、定着ローラの表面温度が基準温度未満であればステップS7に進む。基準温度以上であればステップS6に進む。以後、基準温度をα℃とも記載する。本実施形態では、基準温度は70℃である。
(ステップS6)
定着ローラの表面温度がα℃以上であればジョブ中断基準温度を第1基準温度から第2基準温度に変更する。図6は、定着ローラの表面温度がα℃以上の場合において、画像形成指示が入力された時点からジョブの印刷を開始した後の定着ローラの表面温度の推移を示すグラフである。図6に示すようにt2秒に画像形成指示が入力されると、定着ローラの表面温度がβ℃まで上昇する。t3秒の立ち上がりと同時にジョブの印刷が開始され、ジョブの印刷開始直後から定着ローラの表面温度が低下し始める。しかしながら、定着ローラの内部およびローラの端部もある程度暖まっているので、定着ローラの表面温度の速度低下は緩やかである。そのため、定着ローラの表面温度がα度以上の状態からの立ち上げ直後のジョブでは、ステップS2の場合と同様に、定着ローラの急激な温度低下は殆どないことからジョブ中断基準温度を定着温度より20℃程度低い温度(T2℃)に設定しても定着性に対して大きな問題はない。
仮にこのステップでのジョブ中断基準温度を第2基準温度に変更せず、第1基準温度のまま維持した場合は、定着ローラの表面温度がT1℃まで低下するとジョブの印刷が一旦停止されることになる。ジョブ中断基準温度を第1基準温度とした場合でも第2基準温度とした場合でも定着不良は発生しないが、第1基準温度は第2基準温度より高いので、第2基準温度にした場合より印刷が中断されやすくなり、ジョブ効率が低下する。
(ステップS7)
定着ローラの表面温度がα℃未満であればジョブ中断基準温度を第1基準温度のまま維持する。定着ローラの表面温度がα℃未満であれば、定着ローラが冷えきって、室温まで温度が低下していると判断される。これによって、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後のジョブの印刷において、定着不良を抑制することができる。
ステップS5〜S7で述べたように、本実施形態において、電源オンから立ち上げてジョブの印刷を開始する場合およびスリープモードから復帰させてジョブの印刷を開始する場合、中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ開始時およびスリープモードからの復帰開始時に、定着部材温度検出手段によって検出される定着ローラの表面温度が所定温度以上であればジョブ中断基準温度を第1基準温度から第2基準温度に変更して中断制御を行い、定着部材温度検出手段によって検出される定着ローラの表面温度が所定温度未満であればジョブ中断基準温度を第1基準温度のまま維持して中断制御を行う。たとえば電源をオフにしてすぐにオンにし、その直後に立ち上げる場合には、定着ローラの表面温度はほとんど低下しておらす、高いままである。このように立ち上げ開始時に定着ローラの表面温度が高い場合にジョブ中断基準温度を第1基準温度から第2基準温度に変更して中断制御を行っても、立ち上げ直後のジョブの印刷の際、定着ローラの表面温度の低下速度が小さいので定着不良は発生しない。また定着ローラの表面温度が第1基準温度まで低下してもジョブの印刷は中断せずに継続されるので、ジョブ中断基準温度が第1基準温度のまま維持されて中断制御が行われる場合よりジョブ効率を向上させることができる。したがって、定着性を確保すると同時にジョブ効率の低下を一層抑制することができる。
(ステップS8)
定着ローラの表面温度が定着温度まで上昇し、立ち上げが完了すると同時にジョブの印刷を開始する。立ち上げ完了は定着ローラの表面温度のみで決定する。立ち上げ完了温度は175℃である。
(ステップS9)
立ち上げ完了時または復帰完了時から所定時間経過していれば、ステップS10に進む。所定時間経過していないのであればステップS11に進む。以後、所定時間をt秒と記載する場合もある。第2基準温度を170℃に設定している本実施形態では、所定時間を30秒とする。なお、この場合の立ち上げ完了時とは、定着ローラの表面温度が定着温度に到達した時点とする。
(ステップS10)
立ち上げ完了時または復帰完了時から所定時間経過していれば、ジョブ中断基準温度をT1℃からT2℃に変更する。図7は、画像形成指示が入力された時点から立ち上げ完了時のt秒経過後までの定着ローラの表面温度の推移を示すグラフである。図7に示すようにt4秒に画像形成指示が入力され、定着ローラの表面温度が定着温度まで上昇する。t5秒の立ち上がり完了と同時にジョブの印刷が開始され、ジョブの印刷開始直後から定着ローラの表面温度が急激に低下するが、ジョブ中断基準温度をT1℃に設定しているので、定着性を確保できる。立ち上がり完了時点からt秒経過すると、定着ローラの表面温度の速度低下は図5および図6のように緩やかになる。これは、立ち上げ完了時および復帰完了時からt秒経過すると、少なくとも定着ローラの芯金温度が表面温度と同程度の温度になるので、連続通紙して定着ローラ表面の熱が奪われても、すぐに熱が供給され、急激な低下が抑えられるからである。したがって、第2基準温度に変更しても、定着不良は発生せず問題はない。
仮にこのステップでのジョブ中断基準温度を第2基準温度に変更せず、第1基準温度のまま維持した場合は、t秒経過した後も定着ローラの表面温度がT1℃まで低下するとジョブの印刷が一旦停止されることになる。t秒経過した後もジョブ中断基準温度を第1基準温度のまま維持した場合でも第2基準温度に変更した場合でも定着不良は発生しないが、第1基準温度は第2基準温度より高いので、第2基準温度にした場合より印刷が中断されやすくなり、ジョブ効率が低下する。
(ステップS11)
立ち上げ開始時または復帰開始時の定着ローラの表面温度がα℃未満であり、かつ立ち上げ完了時または復帰完了時からの経過時間がt秒以内においては、ジョブ中断基準温度をT1℃のまま維持する。図8は、立ち上げ開始時の定着ローラの表面温度がα℃未満であり、画像形成指示入力時から立ち上げ完了時点のt秒経過するまでの定着ローラの表面温度の推移を示すグラフである。曲線(a)は、本ステップのようにジョブ中断基準温度がT1℃である場合のグラフであり、曲線(b)は、ジョブ中断基準温度がT2℃である場合のグラフである。図8に示すように、t4秒に画像形成指示が入力されると、定着ローラの表面温度がβ℃まで上昇し、t7秒に立ち上げ完了となる。立ち上げ完了と同時にジョブの印刷を行うと、ジョブ中断基準温度がT1℃であれば、曲線(a)のように定着ローラの表面温度が急激に低下しないので定着性を確保できる。ジョブ中断基準温度がT2℃であれば、曲線(b)のように、定着ローラの表面温度が急激に低下する。
仮にジョブ中断基準温度がT2℃のみで、その温度を定着下限温度に設定した場合、立ち上げ直後のジョブの印刷では、定着ローラの表面温度の低下速度が著しいので、実際に印刷が中断する際の定着ローラの表面温度はジョブ中断基準温度をはるかに下回り、それによって定着不良が発生する。
ステップS9〜S11で述べたように、本実施形態において、電源オンから立ち上げてジョブの印刷を開始する場合およびスリープモードから復帰させてジョブの印刷を開始する場合に、ジョブ中断基準温度が第1基準温度であるとき、中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ完了時およびスリープモードからの復帰完了時から所定時間経過するとジョブ中断基準温度を第2基準温度に変更して中断制御を行う。電源オンからの立ち上げ完了時およびスリープモードからの復帰完了時から所定時間経過すると、定着ローラの内部まで充分に温まり、ジョブの印刷に伴う定着ローラの表面温度の低下速度が小さくなるので、ジョブ中断基準温度を比較的低い第2基準温度に変更しても定着不良が発生しない。またジョブ中断基準温度を変更したことで、定着ローラの表面温度が比較的高い第1基準温度まで低下してもジョブの印刷は中断せずに継続されるので、ジョブ中断基準温度が第1基準温度で中断制御が行われる場合よりジョブ効率を向上させることができる。したがって、定着性を確保すると同時にジョブ効率の低下をより一層抑制することができる。
本実施形態では、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後のジョブと、当該ジョブ以外のジョブとに対して、2種類以上のジョブ中断基準温度のうち用いるジョブ中断基準温度を個別に選択したが、他の実施形態では電源オンからの立ち上げ直後のジョブと、それ以外のジョブとに対して、2種類以上のジョブ中断基準温度のうち用いるジョブ中断基準温度を個別に選択してもよく、またはスリープモードからの復帰直後のジョブと、それ以外のジョブとに対して、2種類以上のジョブ中断基準温度のうち用いるジョブ中断基準温度を個別に選択してもよい。
(参考例)
以下、本発明の効果を示すための参考例を記載する。参考例1では、ジョブ中断基準温度を155℃に設定し、定着ローラの表面温度25℃から立ち上げた直後にジョブの印刷を行い、定着性を評価した。参考例2では、ジョブ中断基準温度を155℃から170℃に変更したこと以外は参考例1と同様にしてジョブの印刷を行い、定着性を評価した。
(参考例1)
定着ローラには、外径35mm、肉厚2mmのアルミ製芯金上に、シリコーンゴム層を2.5mm形成し、さらに40μmのPFAチューブ層を設けた外径約40.0mmのローラを用い、加圧ローラには、外径35mm、肉厚2mmのアルミ製芯金上に、シリコーンゴム層を2.5mm形成し更に40μmのPFAチューブ層を設けた外径約40.0mmのローラを用い、加熱ベルトは直径31mmの円筒形状に形成される厚さ90μmのポリイミド基材上に、PTFE層を約20μmコートした無端ベルトを用いた。
第1圧接ローラおよび第2圧接ローラは肉厚2mmで外径16mmのアルミニウム製のローラを使用した。また、定着ローラ内部には700W、第1圧接ローラおよび第2圧接ローラの内部にはそれぞれ500W、加圧ローラ内部には300Wのハロゲンランプを設けた。プリント条件をプロセス速度225mm/sec、通紙速度40枚/分とし、カラー画像をプリントする条件とした。定着温度は175℃とした。定着性を評価するためのチャートは、用紙後端部に約5cm幅の黒べた画像を形成したものを使用した。本チャートを用いて、単位面積あたりの記録媒体の重さである坪量が80g/mの用紙に対して、イエロー、マゼンタ、シアンの各トナーを重ね合わせ、最終的に用紙上のトナー付着量が1.3mg/cmとなるように現像、転写等の条件を決定した。
(参考例2)
ジョブ中断基準温度を155℃から170℃に変更したこと以外は参考例1と同様にしてジョブの印刷を行った。
定着後の画像(前記チャートでの黒べた画像に対応する部分)を一定荷重条件のもと折り曲げて、その後一定荷重条件下で擦り、擦ることで画像が剥離した部分の幅(以下「剥離幅」とも記載する)と、限度サンプルの剥離幅とを比較するという折り曲げ試験によって参考例1および参考例2の定着性を評価した。一定荷重を与えるためには、円筒状の1kgの真鍮製の錘を使用した。この試験において、定着性が良好なほど剥離幅は狭くなり、定着性が悪化するほど剥離幅は広くなるので、限定サンプルの剥離幅より狭ければ限定サンプルより定着性が優れ、広ければ限定サンプルより定着性が劣ることになる。限定サンプルは、定着温度などの条件を調整し、上記のように定着後の画像を一定荷重条件のもと折り曲げ、擦ることで剥離幅が約200〜300μmとなるように作製したもので、あらゆる定着性の評価に定常的に用いられる。
定着性の評価基準としては、コールドオフセットの発生がなく、前記限度サンプル以上の定着性を有す場合を○とし、コールドオフセットの発生がなく、折り曲げ試験結果が限度サンプルより劣る場合を△とし、コールドオフセットが発生した場合を×とした。
参考例1,2の評価結果を表1に示す。定着性は、前記プリントサンプルの定着ローラの端部で定着された部分と中央部で定着された部分とに分けて評価結果を示した。
Figure 0004664400
表1に示すように、ジョブ中断基準温度を155℃に設定した参考例1は、定着不良が発生した。定着ローラの表面温度25℃から立ち上げた直後の定着ローラはフレーム等が暖まっていないので、定着ローラの芯金を通じてそれらの周辺部材に熱が逃げやすい。つまり定着ローラ軸方向へ熱の逃げが発生するので定着ローラ軸方向端部の温度が低下しやすく、定着不良が発生しやすい。そのため、定着ローラの表面温度25℃から立ち上げる場合に定着ローラ軸方法全般にわたって定着性を確保するためには、ジョブ中断基準温度を高めに設定して、定着ローラ温度を高めに維持する必要があることが参考例1で示された。
ジョブ中断基準温度を170℃に設定した参考例2は、定着不良は発生せず、良好な定着画像が得られた。参考例1,2の結果から、立ち上げ開始時の定着ローラの表面温度によってジョブ中断基準温度を選択することで、定着性を確保すると同時にジョブ効率の低下を抑制できることが示された。
2、プログラムおよび記録媒体
本発明の第1の実施形態である画像形成装置1の中断制御は、ソフトウェアによって実現してもよい。すなわち、各機能を実現する中断制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only
memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備え、これらにより中断制御装置を構成している。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである中断制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記中断制御装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM、MO、MD、DVD、CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)、光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、中断制御装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、たとえば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、本実施形態では外部ベルトを用いた定着器において説明したが、外部ベルト方式に限定されるのもではなく、外部加熱ローラ方式にも適用可能である。
3、トナー
以下、本発明の画像形成装置で画像を形成する際に用いられるトナーについて記載する。
本発明の画像形成装置で画像を形成する際に用いられるトナーは、たとえば結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する。結着樹脂としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリスチレン、スチレンの置換体の単独重合体、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。これらの結着樹脂の中でも、カラートナー用としては、保存性、耐久性などの点から、軟化点100〜150℃、ガラス転移点50〜80℃の結着樹脂が好ましく、前記の軟化点およびガラス転移点を有するポリエステルが特に好ましい。ポリエステルは軟化状態で高い透明度を示す。結着樹脂がポリエステルである場合、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が重ね合わされた多色トナー像を記録媒体8に定着させると、ポリエステル自体は透明化するので、減法混色によって充分な発色が得られる。
着色剤としては、従来から電子写真方式の画像形成技術に用いられるトナー用顔料および染料を使用できる。顔料としては、たとえば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料などの有機系顔料、カーボンブラック、酸化チタン、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルーなどの無機系顔料、アルミニウム粉などの金属粉などが挙げられる。顔料は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
離型剤としては、たとえば、ワックスを使用できる。ワックスとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤、導電剤などの一般的なトナー用添加剤の1種または2種以上を含有できる。
トナーの体積平均粒径は、特に制限されないけれども、好ましくは2〜7μmである。トナーの体積平均粒径が2μm未満では、トナーの流動性が低下し、現像動作の際に、トナーの供給、撹拌および帯電が不充分になり、トナー量の不足、逆極トナーの増加などが起こり、高画質画像が得られないおそれがある。トナーの体積平均粒径が7μmを超えると、中心部分まで軟化し難い大粒径のトナー粒子が多くなるので、画像の記録媒体8への定着性が低下するとともに、画像の発色が悪くなり、特にOHPへの定着の場合には、画像が暗くなる。
本実施の形態では、トナーは、顔料以外は次に示す同じ構成を有するものを用いる。トナーは、ガラス転移点60℃、軟化点120℃、体積平均粒径6μmの負帯電性の絶縁性非磁性トナーである。このトナーを用いて、X−Rite社製310による反射濃度測定値が1.4の画像濃度を得るには、5g/mのトナー量が必要である。トナーは、ガラス転移点60℃かつ軟化点120℃のポリエステル樹脂(結着樹脂)、ガラス転移点50℃かつ軟化点70℃の低分子ポリエチレンワックス(離型剤)および各色の顔料を含み、ワックス含有量がトナー全量の7重量%、顔料含有率がトナー全量の12重量%および残部が結着樹脂のポリエステルである。トナーに含まれる低分子ポリエチレンワックスは、結着樹脂のポリエステルよりもガラス転移点および軟化点が低いワックスである。
このようなトナーは、着色剤、離型剤などを結着樹脂と溶融混練して粉砕する粉砕法、着色剤、離型剤、結着樹脂のモノマーなどを均一に分散した後、結着樹脂のモノマーを重合させる懸濁重合法、結着樹脂粒子、着色剤、離型剤などを凝集剤によって凝集させ、得られる凝集物の微粒子を加熱する乳化凝集法などの公知の方法に従って製造できる。
本発明の第1の実施形態である画像形成装置1の構成を概略的に示す断面図である。 図1に示すトナー像形成手段2の作像ユニット10yの構成を拡大して示す断面図である。 定着装置6の構成を概略的に示す断面図である。 ジョブ中断基準温度を決定するためのフローチャートである。 待機状態からジョブの印刷を開始する場合における画像形成指示前後の定着ローラの表面温度の推移を示すグラフである。 定着ローラの表面温度がα℃以上の場合において、画像形成指示が入力された時点からジョブの印刷を開始した後の定着ローラの表面温度の推移を示すグラフである。 画像形成指示が入力された時点から立ち上げ完了時のt秒経過後までの定着ローラの表面温度の推移を示すグラフである。 立ち上げ開始時の定着ローラの表面温度がα℃未満であり、画像形成指示入力時から立ち上げ完了時点のt秒経過するまでの定着ローラの表面温度の推移を示すグラフである。
符号の説明
1 画像形成装置
2 トナー像形成手段
3 中間転写手段
4 二次転写手段
5 記録媒体供給手段
6 定着装置
7 スキャナ部
50 定着ローラ
54 定着ローラ加熱手段
60 加圧ローラ
70 外部加熱手段
76 第2サーミスタ
90 第1サーミスタ

Claims (5)

  1. 像担持体を含み、像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    内部に加熱手段が設けられ、未定着トナー像を担持する記録媒体を加熱し、該未定着トナー像を構成するトナーを溶融させて記録媒体に定着させる定着部材と、定着部材に圧接して定着部材との間に圧接部を形成するように設けられて前記圧接部に搬送される未定着トナー像を担持する記録媒体を加圧する加圧部材と、定着部材の外方からその周面に接するように設けられて該周面を加熱する外部加熱手段と、定着部材の表面温度を検出する定着部材温度検出手段とを含み、未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着手段と、
    前記定着部材温度検出手段によって検出されるジョブの印刷中の定着部材の表面温度が、第1基準温度と、第1基準温度より低い第2基準温度とを含むジョブ中断基準温度まで低下するとジョブの印刷を中断する中断制御を行う中断制御手段とを備える画像形成装置において、
    電源オンから立ち上げる場合およびスリープモードから復帰させる場合に、前記定着部材の内部に設けられる前記加熱手段が動作しない状態で、前記外部加熱手段が、前記定着部材の表面温度が定着温度になるまで前記定着部材の周面を加熱するように構成され、
    前記中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ直後およびスリープモードからの復帰直後の少なくともいずれか一方のジョブに対しては第1基準温度を選択し、当該ジョブ以外のジョブに対しては第2基準温度を選択し、その選択したジョブ中断基準温度を用いて前記中断制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 電源オンから立ち上げてジョブの印刷を開始する場合およびスリープモードから復帰させてジョブの印刷を開始する場合の少なくともいずれか一方の場合に、
    前記中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ開始時またはスリープモードから復帰開始時に、前記定着部材温度検出手段によって検出される定着部材の表面温度が所定温度以上であり、かつジョブ中断基準温度が第1基準温度であれば、ジョブ中断基準温度を第1基準温度から第2基準温度に変更して前記中断制御を行い、前記定着部材温度検出手段によって検出される定着部材の表面温度が所定温度未満であればジョブ中断基準温度を第1基準温度のまま維持して前記中断制御を行うことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 電源オンから立ち上げてジョブの印刷を開始する場合およびスリープモードから復帰させてジョブの印刷を開始する場合の少なくともいずれか一方の場合に、ジョブ中断基準温度が第1基準温度であるとき、
    前記中断制御手段は、電源オンからの立ち上げ完了時またはスリープモードからの復帰完了時から所定時間経過するとジョブ中断基準温度を第2基準温度に変更して前記中断制御を行うことを特徴とする請求項またはに記載の画像形成装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1つに記載の中断制御を制御するためのプログラムであって、前記中断制御の中断制御手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする中断制御プログラム。
  5. 請求項に記載の中断制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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