図1は、本発明の別の実施形態である画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す画像形成装置1の要部(後述のトナー像形成手段2)の構成を拡大して示す断面図である。図3は、本発明の実施の第1形態である定着装置6の構成を模式的に示す断面図である。画像形成装置1は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナー像を順次重ね合わせて転写するタンデム構成の電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置1は、トナー像形成手段2と、中間転写手段3と、二次転写手段4と、記録媒体供給手段5と、定着装置6と、スキャナ部7とを含む。
トナー像形成手段2は、作像ユニット10y,10m,10c,10bを含む。作像ユニット10y,10m,10c,10bは、後述する中間転写ベルト21の回転駆動方向(副走査方向)すなわち矢符27の方向における上流側からこの順番で一列に配置され、デジタル信号などとして入力される各色の画像情報に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像に対応する色のトナーを供給し、現像して各色のトナー像を形成する。すなわち、作像ユニット10yはイエローの画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10mはマゼンタの画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10cはシアンの画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10bはブラックの画像情報に対応するトナー像を形成する。作像ユニット10yは、感光体ドラム11yと、帯電ローラ12yと、光走査ユニット13と、現像装置14yと、ドラムクリーナ15yとを含む。
感光体ドラム11yは、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、その表面に静電潜像ひいてはトナー像が形成される感光層を有するローラ状部材である。感光体ドラム11yとしては、たとえば、図示しない導電性基体と、導電性基体表面に形成される図示しない感光層とを含むものが挙げられる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状導電性基体が好ましい。感光層としては、有機感光層、無機感光層などが挙げられる。有機感光層としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光層としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む層が挙げられる。導電性基体と感光層との間には、下地層を介在させてもよく、感光層の表面には主に感光層を保護するための表面層(保護層)を設けてもよい。本実施の形態では、接地電位(GND)に接続されるアルミニウム素管(導電性基体)と、アルミニウム素管の表面に形成される厚さ20μmの有機感光層とを含む直径30mmの感光体ドラムを用いる。また、本実施の形態では、感光体ドラム11yは、時計周りの方向に周速度225mm/sで回転駆動する。
帯電ローラ12yは、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、感光体ドラム11yの表面を所定の極性および電位に帯電させるローラ状部材である。帯電ローラ12yには図示しない電源が接続され、該電源から電圧を印加されて放電することによって、感光体ドラム11y表面を帯電させる。本実施の形態では、帯電ローラ12yに−1200Vの電圧が印加され、感光体ドラム11y表面は−600Vに帯電する。本実施の形態では帯電ローラ12yを使用するが、帯電ローラ12yに代えて、ブラシ型帯電器、チャージャ型帯電器、スコロトロンといったコロナ帯電器などを使用できる。
光走査ユニット13は、帯電状態にある感光体ドラム11y表面にイエローの画像情報に対応するレーザ光13yを照射し、感光体ドラム11y表面にイエローの画像情報に対応する静電潜像を形成する。光走査ユニット13には、半導体レーザなどを使用できる。本実施の形態では、−600Vに帯電した感光体ドラム11y表面に、露光電位−70Vの静電潜像を形成する。
現像装置14yは、現像ローラ17yと、現像ブレード18yと、現像槽19yと、攪拌ローラ20y,30yとを含む。現像ローラ17yは、その表面にイエロートナー16yを担持し、現像ローラ17yと感光体ドラム11yとの最近接部(現像ニップ部)において、イエロートナー16yを感光体ドラム11y表面の静電潜像に供給する。現像ローラ17yは現像槽19yに支持され、現像槽19yの感光体ドラム11yを臨む面に形成される開口部からその一部が現像槽19yの外方に向けて突出し、その突出部分において感光体ドラム11y表面に近接するローラ状部材である。また、現像ローラ17yは図示しない固定磁極を内包しかつ軸線回りに回転駆動可能に設けられる。現像ローラ17yは、感光体ドラム11yと逆方向に回転駆動する。したがって、現像ニップ部においては、現像ローラ17yと感光体ドラム11yとは同じ方向に回転駆動する。本実施の形態では、現像ローラ17yは、感光体ドラム11yの周速度の1.5倍である338mm/sの周速度で回転する。また、現像ローラ17yには図示しない電源が接続され、該電源から直流電圧(現像電圧)が印加される。これによって、現像ローラ17y表面のイエロートナー16yが静電潜像に円滑に供給される。本実施の形態では、現像ローラ17yには−420Vの現像電圧が印加される。現像ローラ17y表面のイエロートナー層が現像ニップ部において感光体ドラム11yと接触し、静電潜像にイエロートナー16yが供給される。
現像ブレード18yは、短手方向の一端が現像槽19yによって支持され、他端が現像ローラ17y表面に対して間隙を有して離隔するように設けられる板状部材であり、現像ローラ17y表面に担持されるイエロートナー層を均一化(層規制)する。
現像槽19yは前記のように感光体ドラム11yを臨む面に開口部が形成され、内部空間を有する容器状部材である。現像槽19yは、その内部空間に現像ローラ17yと攪拌ローラ20y,30yとを回転自在に支持して収容し、かつイエロートナー16yを貯留する。現像槽19yには、イエロートナー16yの消費状況に応じて、図示しないトナーカートリッジから図示しないトナーホッパを介してイエロートナー16yが補給される。本実施の形態では、現像槽19y内には予め磁性キャリアが充填される。現像槽19yに補給されるイエロートナー16yはこの磁性キャリアと混合されてイエロー系2成分現像剤の形態で用いられるけれども、それに限定されず、イエロートナー16yのみを含む1成分現像剤の形態でも使用できる。
攪拌ローラ20y,30yは、現像槽19yの内部空間において軸線回りに回転駆動可能に支持されるスクリュー状部材である。攪拌ローラ20yは、現像ローラ17y表面に圧接するかまたは間隙を有して離隔するように設けられる。攪拌ローラ20y,30yは、それぞれの回転駆動によって、図示しないトナーホッパから現像槽19y内に補給されるイエロートナー16yを現像ローラ17yの表面周辺に送給する。現像装置14yによれば、現像槽19y内の磁性キャリアにイエロートナー16yが付着した形態の現像剤が攪拌ローラ20y,30yによって現像ローラ17y表面に供給され、該表面に現像剤層が形成される。この現像剤層は現像ブレード18yによって層厚を均一化された後、現像剤層から電位差などを利用して感光体ドラム11y表面の静電潜像にイエロートナー16yが選択的に供給され、イエローの画像情報に対応するイエロートナー像が形成される。
ドラムクリーナ15yは、後述のように、感光体ドラム11y表面のイエロートナー像が中間転写ベルト21に転写した後に、感光体ドラム11y表面に残存するイエロートナー16yを除去、回収する。
作像ユニット10yによれば、帯電ローラ12yによって帯電状態にある感光体ドラム11yの表面に、光走査ユニット13からイエローの画像情報に対応する信号光13yを照射して静電潜像を形成し、該静電潜像に現像装置14yからイエロートナー16yを供給して該静電潜像を現像し、イエロートナー像を形成する。このイエロートナー像は、後述のように、感光体ドラム11yの表面に圧接して矢符27の方向に回転駆動する中間転写ベルト21に転写される。感光体ドラム11y表面に残留するイエロートナー16yはドラムクリーナ15yによって除去され、回収される。このトナー像形成動作は繰返し実行される。作像ユニット10m,10c,10bは、イエロートナー16yに代えてマゼンタトナー16m、シアントナー16cまたはブラックトナー16bを使用する以外は、作像ユニット10yに対応する構造を有するので、同一の参照符号を付し、かつ各参照符号の末尾にマゼンタを示す「m」、シアンを示す「c」およびブラックを示す「b」を付し、説明を省略する。
トナー16y,16m,16c,16b(以後特に断らない限り「トナー16」と総称する)は、結着樹脂、着色剤、離型剤、電荷制御剤、前記以外の一般的なトナー添加剤などを含有する。結着樹脂としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリスチレン、スチレンの置換体の単独重合体、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。これらの結着樹脂の中でも、カラートナー用としては、保存性、耐久性などの点から、軟化点100〜150℃、ガラス転移点50〜80℃の結着樹脂が好ましく、前記の軟化点およびガラス転移点を有するポリエステルが特に好ましい。ポリエステルは軟化または溶融状態で高い透明度を示す。結着樹脂がポリエステルである場合、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が重ね合わされた多色トナー像を記録媒体8に定着させると、ポリエステル自体は透明化するので、減法混色によって充分な発色が得られる。
着色剤としては、従来から電子写真方式の画像形成に用いられるトナー用顔料および染料を使用できる。顔料としては、たとえば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料などの有機系顔料、カーボンブラック、酸化チタン、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルーなどの無機系顔料、アルミニウム粉などの金属粉などが挙げられる。顔料は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
離型剤としては、たとえば、ワックスを使用できる。ワックスとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。トナー16は、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤、導電剤などの一般的なトナー用添加剤の1種または2種以上を含有できる。
電荷制御剤としては、たとえば、含金属アゾ染料(クロム・アゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルト・アゾ錯体染料など)、銅フタロシアニン染料、サリチル酸とそのアルキル誘導体の金属(クロム、亜鉛、アルミニウム、硼素など)錯体およびその塩、ナフトール酸とその誘導体の金属(クロム、亜鉛、アルミニウム、硼素など)錯体およびその塩、ベンジル酸とその誘導体の金属(クロム、亜鉛、アルミニウム、硼素など)錯体およびその塩、長鎖アルキルカルボン酸塩、長鎖アルキルスルホン酸塩などの負帯電性トナー用帯電制御剤、ニグロシン染料とその誘導体、ベンゾグアナミン、トリフェニルメタン誘導体、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、4級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩、含窒素官能基を有するモノマー〔N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類など〕のラジカル重合性共重合体などが挙げられる。帯電制御剤は1種または2種以上を使用できる。
トナー16は、着色剤、離型剤、電荷制御剤などを結着樹脂と溶融混練して粉砕する粉砕法、着色剤、離型剤、結着樹脂のモノマーなどを均一に分散した後、結着樹脂のモノマーを重合させる懸濁重合法、結着樹脂粒子、着色剤、離型剤などを凝集剤によって凝集させ、得られる凝集物の微粒子を加熱する乳化凝集法などの公知の方法に従って製造できる。トナー16の体積平均粒径は、特に制限されないけれども、好ましくは2〜7μmである。トナー16の体積平均粒径が2μm未満では、トナー16の流動性が低下し、現像動作の際に、トナー16の供給、撹拌および帯電が不充分になり、トナー量の不足、逆極トナーの増加などが起こり、高画質画像が得られないおそれがある。一方、体積平均粒径が7μmを超えると、中心部分まで軟化し難い大粒径のトナー粒子が多くなるので、画像の記録媒体8への定着性が低下するとともに、画像の発色が悪くなり、特にOHPフィルム(オーバーヘッドプロジェクタ用フィルム)への定着の場合には、画像が暗くなる。
本実施の形態では、トナー16は、顔料以外は次に示す同じ構成を有する。トナー16は、ガラス転移点60℃、軟化点120℃、体積平均粒径6μmの負帯電性の絶縁性非磁性トナーである。このトナーを用いて、光学濃度計(商品名:X−Rite310、X−Rite社製)による反射濃度測定値が1.4の画像濃度を得るには、5g/m2のトナー量が必要である。トナー16は、ガラス転移点60℃かつ軟化点120℃のポリエステル(結着樹脂)、ガラス転移点50℃かつ軟化点70℃の低分子ポリエチレンワックス(離型剤)および各色の顔料を含み、ワックス含有量がトナー全量の7重量%、顔料含有率がトナー全量の12重量%および残部が結着樹脂のポリエステルである。トナー16に含まれる低分子ポリエチレンワックスは、結着樹脂のポリエステルよりもガラス転移点および軟化点が低いワックスである。
中間転写手段3は、中間転写ベルト21と、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bと、支持ローラ23,24,25と、ベルトクリーナ26とを含む。中間転写ベルト21は、支持ローラ23,24,25の間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状のトナー像担持体であり、感光体ドラム11y,11m,11c,11bとほぼ同じ周速度で矢符27の方向に回転する。中間転写ベルト21には、たとえば、厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト21の材料はポリイミドのみに限定されず、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成樹脂、各種ゴムなどからなるフィルムを使用できる。合成樹脂または各種ゴムからなるフィルム中には、中間転写ベルト21としての電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、グラファイトカーボンなどの導電材が配合される。中間転写ベルト21のトナー像担持面21aは、中間転写ベルト21の回転駆動方向における上流側から、感光体ドラム11y,11m,11c,11bにこの順番で圧接する。中間転写ベルト21の感光体ドラム11y,11m,11c,11bに圧接する位置が、各色トナー像の中間転写位置である。中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向する位置に、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bが配置される。
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bは、それぞれ、中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向し、かつ中間転写ベルト21におけるトナー像担持面21aの反対面に圧接し、かつ図示しない駆動手段によりその軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。中間転写ローラ22y,22m,22c,22bには、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。軸体の直径は特に制限されないけれども、好ましくは8〜10mmである。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。導電性層によって、中間転写ベルト21に高電圧が均一に印加される。中間転写ローラ22y,22m,22c,22bには、感光体ドラム11y,11m,11c,11bの表面に形成されるトナー像を中間転写ベルト21上に転写するために、トナーの帯電極性とは逆極性の中間転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに形成されるイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト21のトナー像担持面21aに順次重ね合わさって転写され、多色トナー像が形成される。ただし、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの一部のみの画像情報が入力される場合には、作像ユニット10y,10m,10c,10bのうち、入力される画像情報の色に対応する作像ユニットのみにおいてトナー像が形成される。
支持ローラ23,24,25は、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動可能に設けられ、中間転写ベルト21を張架して矢符27の方向に回転駆動させる。支持ローラ23,24,25には、たとえば、直径30mmおよび肉厚1mmのアルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を介して後述する2次転写ローラ28に圧接して2次転写ニップ部を形成し、かつ電気的に接地される。支持ローラ24は中間転写ベルト21を張架する機能と共に、中間転写ベルト21上のトナー像を記録媒体8に2次転写させる機能をも有する。
ベルトクリーナ26は、中間転写ベルト21のトナー像担持面21a上のトナー像を後述の2次転写定着手段4において記録媒体8に転写した後に、トナー像担持面21a上に残存するトナーを除去する部材であり、中間転写ベルト21を介して支持ローラ25に対向するように設けられる。ベルトクリーナ26は、クリーニングブレード26aと、トナー貯留容器26bとを含む。クリーニングブレード26aは、図示しない加圧手段により、中間転写ベルト21のトナー像担持面21aに圧接し、トナー像担持面21a上の残存トナーなどを掻き取る板状部材である。クリーニングブレード26aには、たとえば、弾性を有するゴム材料(たとえば、ウレタンゴム)などからなるブレードを使用できる。トナー貯留容器26bは、クリーニングブレード26aに掻き取られるトナーなどを一時的に貯留する。
中間転写手段3によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成されるトナー像が、中間転写ベルト21のトナー像担持面21aの所定位置に重ね合わされて転写され、トナー像が形成される。このトナー像は、後述するように、2次転写ニップ部において記録媒体8に2次転写される。2次転写後に中間転写ベルト21のトナー像担持面21aに残留するトナー、オフセットトナー、紙粉などがベルトクリーナ26により除去され、トナー像担持面21aには再度トナー像が転写される。
2次転写手段4は、支持ローラ24と、2次転写ローラ28とを含む。2次転写ローラ28は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ24に圧接し、かつ軸線方向に回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。2次転写ローラ28は、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含む。金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。2次転写ローラ28には図示しない電源が接続され、トナー16の帯電極性とは逆の極性を有する高電圧が均一に印加される。支持ローラ24と中間転写ベルト21と2次転写ローラ28との圧接部が2次転写ニップ部である。
2次転写手段4によれば、中間転写ベルト21上のトナー像が2次転写ニップ部に搬送され、それに同期して後述の記録媒体供給手段5から送給される記録媒体8が2次転写ニップ部に搬送され、2次転写ニップ部においてトナー像と記録媒体8とが重ね合わされ、トナー像が記録媒体8に2次転写される。このようにして、記録媒体8上に未定着トナー像が担持される。未定着トナー像を担持する記録媒体8は、定着装置6に搬送される。
記録媒体供給手段5は、記録媒体カセット42と、ピックアップローラ43と、レジストローラ44a,44bとを含む。記録媒体カセット42は記録媒体8を貯留する。記録媒体8には、たとえば、普通紙、コート紙、カラーコピー専用用紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用フィルム、葉書などがある。サイズとしては、A4、A3、B5、B4、葉書サイズなどである。ピックアップローラ43は、記録媒体8を搬送路Pに1枚ずつ送給する。レジストローラ44a,44bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、中間転写ベルト21上の多色トナー像が転写定着ニップ部に搬送されるのに同期して、転写定着ニップ部に記録媒体8を送給する。記録媒体供給手段6によれば、記録媒体カセット42内に貯留される記録媒体8が、ピックアップローラ43によって1枚ずつ搬送路Pに送給され、さらに、レジストローラ44a,44bによって転写定着ニップ部に送給される。
定着装置6は、定着ローラ50と、加圧ローラ60と、クリーニング手段70とを含む。定着ローラ50は、図示しない支持手段によって回転自在に支持され、かつ図示しない駆動手段によって矢符56の方向に回転駆動可能に設けられるローラ状の定着部材である。定着ローラ50は、記録媒体8に担持されるトナー像を構成するトナー16を加熱溶融させて記録媒体8に定着させる。本実施の形態では、定着ローラ50として、芯金51と、弾性体層52と、表面層53とを含むローラ状部材を使用する。芯金51を形成する金属には熱伝導率の高い金属を使用でき、たとえば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。芯金51の形状としては、円筒状、円柱状などが挙げられるが、芯金51からの放熱量が少ない円筒状の方が好ましい。弾性体層52を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないが、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。表面層53を構成する材料は耐熱性および耐久性に優れ、トナー16との付着力が弱いものであれば特に制限されず、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴムなどが挙げられる。本実施の形態では、表面層53は厚さ約30μmのPFA層である。定着ローラ50の内部には、2個の加熱手段54が設けられる。これは、画像形成装置1の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することに起因する定着ローラ50の表面温度の低下などを防止するためである。本実施の形態では、加熱手段54にはハロゲンランプが用いられる。
加圧ローラ60は、定着ローラ50の鉛直方向最下点よりも定着ローラ50の回転方向下流側において、図示しない加圧機構により定着ローラ50に圧接された状態で回転自在に設けられるローラ状の加圧部材である。加圧ローラ60は定着ローラ50の回転に従動回転する。定着ローラ50と加圧ローラ60との圧接部が定着ニップ部55である。加圧ローラ60は、定着ローラ50によるトナー像の記録媒体8への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナー16を記録媒体8に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体8への定着を促進する。本実施の形態では、加圧ローラ60として、芯金61と、弾性体層62と、表面層63とを含む径50mmのローラ状部材を使用する。芯金61、弾性体層62および表面層63を形成する材料としては、それぞれ、定着ローラ50の芯金51、弾性体層52および表面層53を形成する金属または材料と同じものを使用できる。また、芯金61の形状も定着ローラ50と同様である。加圧ローラ60の内部には、加熱手段64が設けられる。これは、画像形成装置1の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することに起因する加圧ローラ60の表面温度の急激な低下などを防止するためである。本実施の形態では、加熱手段64にはハロゲンランプが用いられるが、それに限定されず、たとえば、赤外線ヒータなども使用できる。
定着ローラ50と加圧ローラ60とを含む定着機構は、画像形成装置1の全動作を制御する図示しない制御手段によって制御される。制御手段は、画像形成指示の入力を受けると、定着ローラ50および加圧ローラ60の内部に設けられる加熱手段54,64に電力を供給する図示しない電源に制御信号を送る。画像形成指示は、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられる図示しない操作パネルまたは画像形成装置1に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される。制御信号を受けた電源は定着ローラ50および加圧ローラ60に電力を供給し、加熱手段54,64を起動させる。加熱手段54,64は、定着ローラ50および加圧ローラ60表面がそれぞれの設定温度になるように加熱する。定着ローラ50および加圧ローラ60の近傍に設けられる図示しない温度検知センサが設定温度に到達したことを検知し、その検知結果が制御手段に入力されると、制御手段は定着ローラ50を回転駆動させる図示しない駆動手段に制御信号を送り、定着ローラ50を矢符56の方向に回転駆動させる。それに伴って加圧ローラ60が従動回転する。この状態で、未定着トナー像を担持する記録媒体8が2次転写手段4から定着ニップ部に搬送され、該記録媒体8が定着ニップ部を通過する際にトナー像が記録媒体8に定着される。
クリーニング手段70は、クリーニングウェブ71(以下「ウェブ71」とする)と、第1の圧接部材72と、第2の圧接部材73と、送出ローラ74と、中継ローラ75と、巻取りローラ76とを含む。
ウェブ71は、送出ローラ74から矢符81の方向に送り出されて巻取りローラ76によって巻き取られるまでの間に、第1の圧接部材72、第2の圧接部材73および中継ローラ75によって、定着ローラ50表面の2箇所において定着ローラ50表面に圧接するように設けられる。第1の圧接部材72によって形成されるウェブ71と定着ローラ50表面との圧接部が、第1のクリーニングニップ部77である。また、第2の圧接部材73によって形成されるウェブ71と定着ローラ50表面との圧接部が第2のクリーニングニップ部78である。ウェブ71には、たとえば、耐熱性不織布を使用できる。耐熱性不織布としては特に制限されないが、たとえば、芳香族ポリアミド繊維と高温で軟化するポリエステル繊維とを含み、適度の柔軟性と機械的強度とを併せ持つ不織布などが挙げられる。このような耐熱性不織布は市販されており、たとえば、ノーメックス(商標名)、ヒメロン(商品名)などが挙げられる。また、ウェブ71の厚さも特に制限されないが、好ましくは30〜100μmである。本実施の形態では、厚さ40μmのウェブ71を使用する。また、ウェブ71にはオイルを含浸させ得る。オイルとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどのシリコーンオイルが挙げられる。本実施の形態では、ウェブ71に、0.01m2/s(10000センチストークス、25℃)程度の粘度を持つシリコーンオイルを含浸させる。
第1の圧接部材72は、定着ローラ50の回転駆動方向(矢符56の方向)における定着ニップ部55よりも下流側において、図示しない押圧手段によってウェブ71を介して定着ローラ50に圧接するように設けられるローラ状部材である。また、第1の圧接部材72は、長手方向の両端が図示しない軸受けなどの支持部材によって従動回転可能に軸支され、巻取りローラ76によってウェブ71が矢符81の方向に巻き取られる際に従動回転する。第1の圧接部材72には、たとえば、図示しない金属製芯金と、金属製芯金表面に設けられる弾性層79とを含むローラ状部材が用いられる。金属製芯金としては、たとえば、鉄、ステンレス鋼などからなる芯金を使用できる。弾性層79はたとえば弾性材料を含む。弾性材料としては、シリコーンゴムなどの耐熱性ゴム、その発泡体などが挙げられる。弾性層79の表面硬度は特に制限されないけれども、好ましくは20°〜30°(Asker−c、アスカーC硬度)である。この弾性層79は、後述する第2の圧接部材73の表面に形成される被覆層80よりもオイル含浸率が相対的に高い層である。したがって、第1のクリーニングニップ部77においてはウェブ71に含浸されるオイルが一時的に前記弾性層79に移行する。このため、ウェブ71は、第1のクリーニングニップ部77において主に定着ローラ50表面から該表面に付着するオフセットトナー、それ以外のトナー、紙粉などを吸着して除去する。
第2の圧接部材73は、定着ローラ50の回転駆動方向(矢符56の方向)における第1のクリーニングニップ部77よりも下流側において、図示しない押圧手段によってウェブ71を介して定着ローラ50に圧接するように設けられるローラ状部材である。また、第2の圧接部材73は、長手方向の両端が図示しない軸受けなどの支持部材によって従動回転可能に軸支され、巻取りローラ76によってウェブ71が矢符81の方向に巻き取られる際に従動回転する。第2の圧接部材73には、たとえば、図示しない金属製芯金と、金属製芯金の表面に設けられる弾性層79と、弾性層79の表面に設けられる被覆層80とを含む。金属製芯金および弾性層79としては、第1の圧接部材72と同様のものを使用できる。被覆層80は、弾性層79に含まれる材料よりもオイル浸透率の低い材料を含む。さらに耐熱性に優れる材料が好ましい。このような材料としては、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴム、ポリイミドなどが挙げられる。第2の圧接部材73の最表層に設けられる被覆層80は、第1の圧接部材72の最表層に設けられる弾性層79よりもオイル含浸率が低い層である。したがって、第2のクリーニングニップ部78においてはウェブ71に含浸されるオイルが被覆層80に移行する量よりも、定着ローラ50表面に押出されるオイル量の方が多くなる。このため、ウェブ71は、第2のクリーニングニップ部78において主に定着ローラ50表面にオイルを塗布する。
第1の圧接部材72および第2の圧接部材73の定着ローラ50に対する圧接力は、好ましくは3793.6Pa(0.039kgf/cm2)〜18967.9Pa(0.19kgf/cm2)である。3793.6Pa未満では、オフセットトナーが定着ローラ50表面から画像形成装置1の内部に落下するおそれがある。18967.9Paを超えると、定着ローラ50の表面が損傷し易くなり、画像の定着不良などが発生するおそれがある。押圧手段には、たとえば、ばね部材などが用いられる。また、第1の圧接部材72および第2の圧接部材73の長手方向寸法は、画像形成装置1において形成しようとする画像形成領域の最大幅よりも大きくすればよい。また、第1のクリーニングニップ部77および第2のクリーニングニップ79の幅(クリーニングニップ幅)は、クリーニング手段70のクリーニング性能に大きな影響を及ぼすので、適切な範囲に設計するのが好ましい。クリーニングニップ幅は、主に、第1の圧接部材72または第2の圧接部材73の定着ローラ50に対する圧接力、第1の圧接部材72のローラ径などによって決定される。本実施の形態では、ウェブ71の短手方向の幅を画像形成領域よりも長い305mm、第1の圧接部材72および第2の圧接部材73のローラ径を18mm、クリーニングニップ幅を3mm、定着ニップ幅を8mmとする。
本実施の形態では、定着ローラ50の回転駆動方向(矢符56の方向)において、最表層にオイル含浸率の相対的に低い被覆層80を有する第2の圧接部材73を、最表層にオイル含浸率が相対的に高い弾性層79を有する第1の圧接部材72よりも下流側に配置するが、これに限定されず、上流から第2の圧接部材73、第1の圧接部材72および第2の圧接部材73を順次配置する構成としても良い。また本実施の形態では、クリーニング手段70を定着ローラ50表面に配置する構成を採るが、これに限定されず、定着ローラ50と加圧ローラ60との両方にクリーニング手段70を配置してもよく、加圧ローラ60のみにクリーニング手段70を配置してもよい。
第1の圧接部材72および第2の圧接部材73の効果を確認するため、図4および図5に示す定着装置70a,70bを用いた。図4は、定着装置70aの構成を模式的に示す断面図である。定着装置70aは、ウェブ71を定着ローラ50に圧接させるための圧接部材として、第2の圧接部材73のみを用いることを特徴とする。図5は、定着装置70bの構成を模式的に示す断面図である。定着装置70bは、ウェブ71を定着ローラ50に圧接させるための圧接部材として、第1の圧接部材72のみを用いることを特徴とする。定着ローラ50の表面温度を180℃、加圧ローラ60の表面温度を140℃に設定して2分間空転させた後、定着ニップ部に1枚/秒の速度でA4用紙を通紙させた場合のオイル量を測定した。オイル量は、A4用紙サイズのオイルの吸収に優れるシートが定着ニップ部55を通過した後に重量を測定し、定着ニップ部55通過前のシート重量との差(mg)として求めた。ウェブ71には、10000センチストークス(25℃)の粘度を有するシリコーンオイルを10g/m2の割合で含浸させた。結果を表1に示す。
表1から、第2の圧接部材73は、第1の圧接部材72よりもオイル塗布性能が高いことが明らかである。このため、ウェブ71に含浸させるオイル量を低減化させることが可能になる。
送出ローラ74は、軸線回りに従動回転可能に支持され、その表面にウェブ71を巻回して保持する。送出ローラ74は、巻取りローラ76によるウェブ71の巻取り動作によって、ウェブ71が矢符81の方向に搬送されるのに伴って従動回転する。中継ローラ75は軸線回りに従動回転可能に支持され、巻取りローラ76によるウェブ71の巻取り動作によって、ウェブ71が矢符81の方向に搬送されるのに伴って従動回転する。中継ローラ75は、送出ローラ74から送り出されるウェブ71に張力を付与するとともに、第1の圧接部材72および第2の圧接部材73と協働して第1のクリーニングニップ部77および第2のクリーニングニップ部78を形成する。巻取りローラ76は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられ、定着ローラ50と接触した後のウェブ71を巻き取る。
クリーニング手段70によれば、ウェブ71は、巻取りローラ76による巻取り動作によって、送出ローラ74から矢符81の方向に送り出され、第2の圧接ローラ73に至る。次に、ウェブ71は第2の圧接ローラ73に巻き回されて第2のクリーニングニップ部78を通過し、さらに反転して中継ローラ75に至る。次に、ウェブ71は中継ローラ75に巻き回されて反転して第1の圧接ローラ72に至り、第1の圧接ローラ72に巻き回されて第1のクリーニングニップ部77を通過し、さらに反転して巻取りローラ76に至り、巻取りローラ76に巻き取られる。ウェブ71の動作は、図示しない制御手段によって制御される。制御手段は、所定の枚数の記録媒体8が定着ニップ部55を通過したことをセンサ、定着ローラ50の回転回数などによって検知した後、巻取りローラ76を回転させる図示しない駆動手段(ここでは画像形成装置1の本体内部に設けられるモータ)に制御信号を送る。制御信号を受けた駆動手段は、巻取りローラ76を回転させてウェブ71を矢符81の方向に一定量巻き取る。この巻取りによって送出ローラ74から矢符81の方向に送り出され、第2のクリーニングニップ部78(定着ローラ50とウェブ71との圧接部)に到達するウェブ71は、定着ローラ50表面にオイルを供給する。そして、中継ローラ75を経由して、第1のクリーニングニップ部77(定着ローラ50とウェブ71との圧接部)に到達するウェブ71は、定着ローラ50表面に付着するオフセットトナーを取り込む。なお、本実施例では、巻取りローラ76によって間欠的に巻取りを行う動作例を示したけれども、それに限定されず、記録媒体8が定着ニップ部55を通過するタイミングに合わせて連続的に巻取りを行ってもよい。
スキャナ部7は、図示しない原稿台と、図示しない光源と、CCDセンサ9とを含む。原稿台の上面には、複写すべき原稿が載置される。原稿台には透明ガラスなどの透明性材料からなる板状部材が用いられる。光源は、原稿台に載置される原稿を照明する。CCDセンサ9は、光源によって照明される原稿からの反射光を光電変換することで、反射光を画像情報(画像信号)に変換する。CCDセンサ9は変換部と転送部と出力部とを含み、変換部では反射光である光信号を電気信号に変換し、転送部ではクロックパルスに同期して電気信号を順次出力部へ転送し、出力部では電気信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。このようにして得られたアナログ信号を周知の画像処理を行ってデジタル信号に変換する。スキャナ部7により読み取られる原稿の画像情報は、画像形成装置の全動作を制御する図示しないCPUに送られ、各種画像処理が施された後、メモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリ内の画像を読出して光走査ユニット13に転送して記録媒体8である記録紙上に画像を形成させる。
画像形成装置1には、図示しない制御手段が設けられる。制御手段は、たとえば、画像形成装置1の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。記憶部には、画像形成装置1の動作を制御するための各種情報が書き込まれる。このような情報には、たとえば、画像形成装置1の上面に配置される図示しない表示手段を介して設定される各種設定値、画像形成装置1の各部材の動作を制御するための設定値、画像形成装置1内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの印刷指令に含まれる画像情報、各部材の動作を制御するためのプログラムなどがある。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。演算部は、記憶部に入力される各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部における判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は、たとえば、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。制御手段は、記憶部、演算部および制御部とともに主電源を含む。