JP2009265193A - 定着装置およびそれを備える画像形成装置、定着制御プログラム、ならびに記録媒体 - Google Patents

定着装置およびそれを備える画像形成装置、定着制御プログラム、ならびに記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 外部加熱装置を備える定着装置において、トナー塊で定着部材表面を擦ることによる定着部材表面の傷の発生を防止し、定着部材表面の傷に起因する定着不良を起こすことなく、良好な定着性を有する定着装置、前記定着装置を備えることで定着不良のない良好な画像を形成できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 定着ローラ50と外部加熱手段70と第2サーミスタ90とクリーニング装置80と制御部とを備える定着装置60において、クリーニング装置80は、定着ローラ50表面に圧接して、前記表面を清浄化し、クリーニングニップ部85に接しながら移動可能に構成されるウェブ81を含み、制御部は、定着ローラ50を移動させようとするとき、第2サーミスタ90で検出される定着ローラ50表面の温度が所定温度未満であれば、ウェブ81を移動させ、その移動後に定着ローラ50が移動するように制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置およびこの定着装置を備える画像形成装置、定着制御プログラム、ならびに記録媒体に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、高画質画像を再現性および操作性良くかつ安価に形成できることから、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの2種以上の機能を有する複合機などとして汎用される。
電子写真方式の画像形成装置は、たとえば、感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを含む。感光体はその表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される部材である。帯電手段は感光体表面を帯電させる。露光手段は帯電状態にある感光体表面に信号光を照射して感光体表面に静電潜像を形成する。現像手段は感光体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する。転写手段は感光体表面のトナー像を記録媒体に転写する。定着手段は記録媒体表面の未定着トナー像を記録媒体に定着させる。これらの手段によって、記録媒体に画像が形成される。
定着手段としては、たとえば定着ローラと加圧ローラとを含む定着装置が使用される。定着ローラはその内部に加熱手段を有し、記録媒体表面の未定着トナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録媒体に定着させる。加圧ローラは定着ローラに圧接するように設けられ、定着ローラによるトナーの加熱溶融の際に記録媒体を定着ローラに押圧することによってトナーの記録媒体への定着を促進する。定着ローラと加圧ローラとの圧接部は定着ニップ部と呼ばれる。未定着トナー像を担持した記録媒体は、未定着トナー像を担持したほうの面が定着ローラ表面に接触するようにして定着ニップ部に導入され、加熱加圧によって未定着トナー像が記録媒体に定着される。
このような画像形成装置において、カラー画像では、記録媒体表面の単位面積当たりに使用されるトナーの量は一般的な白黒画像のトナー量の2〜3倍程度となる。記録媒体表面の未定着トナー像に含まれるトナーを充分に溶融して良好なカラー定着画像を得るために、カラー画像用定着装置において、定着ローラの外径を大きくする、または定着ローラ表面に形成するゴム層を厚くするなどによって、定着ニップ部の幅を広くする対応がなされている。
しかし、前述の対応は、定着ローラの熱容量を大きくするので、このような熱容量の大きい定着ローラをその内部の加熱手段によってのみ加熱する場合には、立ち上げ時間の遅延、および連続出力時の定着ローラの温度追従性などの定着性能を低下させる。そのため、たとえば、定着ローラの外部にさらに加熱手段を配置して、定着ローラの内部および表面から加熱することで、熱容量の大きい定着ローラの昇温速度を速める定着装置がある。
定着ローラ表面を外部から加熱する外部加熱手段は、定着ローラの内部から加熱する内部加熱手段と異なり、その構成上、定着ローラの表面を局所的にしか加熱することができない。そこで、画像形成装置の電源をONにした後、またはスリープモードからの復帰時において、200℃程度の高温状態に保たれた外部加熱手段を用いて、外部加熱装置と定着ローラとで形成される外部加熱ニップ部で伝熱させながら定着ローラ表面を均一に加熱するためには、温度の低い状態から定着ローラを回転させながら加熱する必要がある。
ところで、前述のような定着装置において、定着ローラ表面に残留したオフセットトナーは、クリーニング装置によって除去される。クリーニング装置は、たとえば、クリーニングウェブ(以下単に「ウェブ」という)と、送出しローラと、圧接ローラと、巻取りローラとを含む。ウェブは定着ローラ表面に圧接してオフセットトナーを除去する。送出しローラはウェブを送り出す。圧接ローラはウェブを定着ローラ表面に圧接する。巻取りローラは駆動手段からの駆動力を受けて回転駆動してウェブを巻き取る。クリーニング装置によれば、巻取りローラを回転駆動させることによって、送出しローラからウェブを送り出し、定着ローラ表面のオフセットトナーを除去する。
特許文献1には、前述のようなクリーニング手段を備える定着装置が開示されている。特許文献1に開示の定着装置によれば、ウオーミングアップ時に内部加熱手段への通電を開始するとともに、定着ローラを回転させ、定着後、ウェブ送り装置は、定着ローラが動きを止めるまでの間にウェブに所定の送りを与えて定着ローラ表面を清浄化する。
特開2004−309661号公報
しかしながら、特許文献1に開示の定着装置において、ウェブが送られるのは定着ローラが回転している間のみであり、ウェブが定着ローラに圧接して形成されるクリーニングニップ部に接触しているウェブには、定着ローラから回収したトナーが付着したままの状態である。内部加熱手段への通電開始直後は、定着ローラ表面の温度は未定着トナー像に含まれるトナーの軟化温度より低いので、クリーニングニップ部に溶融していない状態のトナー塊が付着した状況で、定着ローラを回転させると、少なくとも数分間は、トナー塊が定着ローラ表面を擦ることになり、定着ローラ表面に傷を発生させるおそれがある。
本発明の目的は、外部加熱手段を備える定着装置において、トナー塊で定着ローラ表面を擦ることによる定着ローラ表面の傷の発生を防止し、定着ローラ表面の傷に起因する定着不良を起こすことなく、良好な定着性を有する定着装置、前記定着装置を備えることで定着不良のない良好な画像を形成できる画像形成装置、ならびに前記定着装置の動作を実施するための定着制御プログラムおよび記録媒体を提供することである。
本発明は、未定着トナー像を担持した記録媒体を加熱し、前記未定着トナー像に含まれるトナーを溶融させて前記未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着部材と、
定着部材に圧接し、定着部材との間に圧接部を形成するようにして設けられ、前記圧接部に搬送される未定着トナー像を担持した記録媒体を加圧する加圧部材と、
定着部材の外方からその周面に接するように設けられて、前記周面を加熱する外部加熱手段と、
定着部材の表面の温度を検出する定着部材温度検出手段と、
定着部材の表面を清浄化する定着部材クリーニング手段と、
制御手段とを備え、
定着部材クリーニング手段は、
定着部材表面に圧接して、前記表面を清浄化するクリーニング部材を含み、
クリーニング部材は、定着部材とクリーニング部材とが圧接されることによって形成されるクリーニングニップ部に接しながら移動可能に構成され、
制御手段は、
定着部材を移動させようとするとき、前記検出手段で検出される定着部材の表面の温度が所定温度未満であれば、クリーニング部材を移動させ、その移動後に定着部材が移動するように制御することを特徴とする定着装置である。
また本発明は、前記所定温度は、前記未定着トナー像に含まれるトナーの軟化温度であることを特徴とする。
また本発明は、クリーニングニップ部おいてトナーを検出するトナー検出手段を含み、
制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、前記定着部材温度検出手段で検出される定着部材表面の温度が所定温度未満であり、かつトナー検出手段によってトナーが検出される場合に、クリーニング部材を移動させ、その移動後に定着部材が移動するように制御することを特徴とする。
また本発明は、前記圧接部に搬送される未定着トナー像を担持した記録媒体の枚数を検出する累積枚数検出手段を含み、
制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、前記定着部材温度検出手段で検出される定着部材表面の温度が所定温度未満であり、かつ累積枚数検出手段によって検出される前回クリーニング部材が移動してから搬送された記録媒体の枚数が所定の枚数を超える場合に、クリーニング部材を移動させ、その移動後に定着部材が移動するように制御することを特徴とする。
また本発明は、定着部材の回転した回数を検出する回転回数検出手段を含み、
制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、前記定着部材温度検出手段で検出される定着部材表面の温度が所定温度未満であり、かつ回転回数検出手段によって検出される前回クリーニング部材が移動してから定着部材の回転した回数が所定の回数を超える場合に、クリーニング部材を移動させ、その移動後に定着部材が移動するように制御することを特徴とする。
また本発明は、前記のクリーニング部材の移動後に、定着部材を少なくとも1回転させた後、クリーニング部材を再度移動させることを特徴とする。
また本発明は、クリーニング部材は、定着部材の表面に接触して前記表面を清浄化するクリーニングウェブであり、
定着部材クリーニング手段は、クリーニングウェブと、クリーニングウェブを送り出す送出しローラと、回転駆動可能に支持されて、クリーニングウェブを定着部材に圧接させるウェブ圧接ローラと、クリーニングウェブを巻き取る巻取りローラとを含み、
巻取りローラでクリーニングウェブを巻き取る巻取り量は、少なくともクリーニングニップ部おける定着部材の周方向の幅以上であることを特徴とする。
また本発明は、定着部材クリーニング手段は、定着部材の回転方向において、外部加熱手段より上流側でクリーニングウェブが定着部材表面に接触するようにして設けられることを特徴とする。
また本発明は、外部加熱手段は、定着部材表面に圧接するようにして設けられるベルト部材を含むことを特徴とする。
また本発明は、像担持体を含み、像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
未定着トナー像を記録媒体に定着させる前記定着装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
また本発明は、前記定着装置を動作させるためのプログラムであって、前記定着装置の制御手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする定着制御プログラムである。
また本発明は、前記定着制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、定着部材クリーニング手段は、定着部材表面に圧接して、前記表面を清浄化するクリーニング部材を含み、クリーニング部材は、定着部材とクリーニング部材とが圧接されることによって形成されるクリーニングニップ部に接しながら移動可能に構成される。制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、定着部材温度検出手段によって検出される定着部材表面の温度が所定の温度未満であれば、クリーニング部材を移動させ、クリーニングニップ部からトナーを除去し、クリーニング部材の移動後に定着部材が移動するように制御するので、溶融していない状態のトナーであるトナー塊がクリーニングニップ部に存在しない状況で定着部材を移動させることができる。これによって、定着部材の昇温速度を速めることができる外部加熱手段を備える定着装置において、クリーニングニップ部からトナー塊を除去できるので、トナー塊が定着部材を擦ることによる定着部材表面の傷の発生を抑えることができる。したがって、定着部材表面の傷に起因する定着不良を起こすことなく、良好な定着性を有する定着装置を実現することができる。
また本発明によれば、前記所定温度は前記未定着トナー像に含まれるトナーの軟化温度であり、定着部材温度検出手段で検出される定着部材表面の温度が前記未定着トナー像に含まれるトナーの軟化温度未満であれば、クリーニング部を移動させる。定着部材表面の温度が前記軟化温度未満であると定着部材表面のトナーはトナー塊の状態なので、前記所定温度が前記軟化温度であることによって、トナー塊をクリーニングニップ部から除去することができ、クリーニングニップ部に存在するトナーがトナー塊の状態で定着ローラを移動させ、トナー塊が定着部材を擦ることによる定着部材表面の傷の発生をより一層抑えることができる。
また本発明によれば、制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、定着部材温度検出手段によって検出される定着部材表面の温度が所定の温度未満であり、かつ、クリーニングニップ部において、トナー検出手段によってトナーが検出される場合にクリーニング部材を移動させ、クリーニングニップ部からトナーを除去し、クリーニング部材の移動後に定着部材が移動するように制御するので、クリーニングニップ部にトナーが存在しない場合には、クリーニング部材の移動を行わないようにすることができる。このようにクリーニングニップ部にトナーが存在する場合のみクリーニング部材を移動させることによって、クリーニング部材の浪費を抑えることができるので、定着部材クリーニング手段の寿命を向上させることができる。
また本発明によれば、制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、定着部材温度検出手段によって検出される定着部材表面の温度が所定の温度未満であり、かつ、累積枚数検出手段によって検出される前回クリーニング部材が移動してから定着ニップ部に搬送された記録媒体の枚数が所定の枚数を超える場合には、クリーニング部材を移動させてクリーニングニップ部からトナーを除去し、クリーニング部材の移動後に定着部材が移動するように制御するので、前記枚数が所定枚数以下である場合には、クリーニング部材の移動を行わないようにすることができる。このように、記録媒体の枚数が所定の枚数を超え、クリーニングニップ部にトナーが存在すると思われる状況に達した場合にのみクリーニング部材を移動させることによって、クリーニング部材の浪費を抑えることができるので、定着部材クリーニング手段の寿命を向上させることができる。
また本発明によれば、制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、定着部材温度検出手段によって検出される定着部材表面の温度が所定の温度未満であり、かつ、回転回数検出手段によって検出される前回クリーニング部材が移動してから定着部材の回転した回数が所定の回数を超える場合にクリーニング部材を移動させ、クリーニングニップ部からトナーを除去し、クリーニング部材の移動後に定着部材が移動するように制御するので、前記回数が所定の回数以下である場合には、クリーニング部材の移動を行わないようにすることができる。このように、定着部材の回転した回数が所定の回数を超え、クリーニングニップ部にトナーが存在すると思われる状況に達した場合にのみクリーニング部材を移動させることによって、クリーニング部材の浪費を抑えることができるので、定着部材クリーニング手段の寿命を向上させることができる。
また本発明によれば、クリーニング部材を移動させ、少なくとも定着部材を1回転させて、定着部材を回転させる前において定着部材表面のクリーニングニップ部以外の部分に付着していたトナーなどの異物をクリーニングニップ部でせき止め、その後、再度クリーニング部材の移動を行う。こうすることによって、定着部材の回転後に、クリーニングニップ部でせき止めたトナーなどの異物をクリーニングニップ部から除去することができるので、定着部材を回転させることでせき止めたトナー塊などの異物が定着部材表面を擦ることによる定着部材の表面の傷の発生を抑えることができる。したがって、定着部材表面の傷の発生を一層抑えることができる。
また本発明によれば、クリーニングウェブが送出しローラとウェブ圧接ローラと巻取りローラとで張架され、ウェブ圧接ローラによって定着部材表面に圧接される。巻取りローラでクリーニングウェブを巻き取る巻取り量は、少なくともクリーニングニップ部おける定着部材の周方向の幅以上である。これによって、クリーニングニップ部でクリーニングウェブに付着した全てのトナー塊などの異物をクリーニングニップ部から排出することができ、トナー塊などの異物のない新鮮なウェブを定着部材の表面に当接することができる。したがって、定着部材表面の傷の発生をより一層防止することができる。
また本発明によれば、定着部材クリーニング手段は、定着部材の回転方向において、外部加熱手段より上流側でクリーニングウェブが定着部材表面に接触するように設けられるので、外部加熱手段にトナーなどの異物が付着することを抑えることができ、たとえば、ウェブが定着部材と外部加熱手段とに圧接して定着部材だけでなく外部加熱手段も清浄化できる構成である場合に、先に外部加熱手段を清浄化し、外部加熱手段を清浄化したのと同じウェブの面を定着部材に接触させても、定着部材の清浄性能を損うことがない。
また本発明によれば、外部加熱手段は、定着部材表面に圧接するようにして設けられるベルト部材を含む。これによって、たとえば、ベルト部材を介して定着部材を加熱することができるので、ベルト部材を含まない外部加熱手段で定着部材を加熱する場合より外部加熱手段と定着部材との接触する面積を広くすることができ、外部加熱手段の加熱効率を向上させることができるので、連続出力時の定着部材の温度追従性などの定着性能を向上させることができる。
また本発明によれば、トナー像形成手段と、転写手段と、前述のような本発明の定着装置とを備えて画像形成装置が構成される。本発明の定着装置は定着部材表面に傷が発生することを防止できるので、画像形成装置が本発明の定着装置を備えて構成されることによって、定着部材表面の傷に起因する定着不良を防止し、定着不良のない良好な画像を安定して形成することができる。
また本発明によれば、本発明の定着装置の制御手段としてコンピュータを機能させるので、定着部材クリーニング手段の動作をソフトウェアで制御することができる。
また本発明によれば、記録媒体には本発明の定着制御プログラムが記録され、記録媒体から読み出される定着制御プログラムによって、定着部材クリーニング手段の動作をコンピュータで実施することができる。
1、定着装置
<第1の実施形態の定着装置>
本発明の第1の実施形態である定着装置は、定着部材と、加圧部材と、外部加熱手段と、定着部材温度検出手段と、定着部材クリーニング手段と、制御手段とを備える。定着部材は、未定着トナー像を担持した記録媒体を加熱し、前記未定着トナー像に含まれるトナーを溶融させて前記未定着トナー像を記録媒体に定着させる。加圧部材は、定着部材に圧接し、定着部材との間に圧接部を形成するようにして設けられ、前記圧接部に搬送される未定着トナー像を担持した記録媒体を加圧する。外部加熱手段は、定着部材の外方からその周面に接するように設けられて、前記周面を加熱する。定着部材温度検出手段は、定着部材の表面の温度を検出する。定着部材クリーニング手段は、定着部材クリーニング手段は、定着部材表面に圧接して、前記表面を清浄化するクリーニング部材を含み、クリーニング部材は、定着部材とクリーニング部材とが圧接されることによって形成されるクリーニングニップ部に接しながら移動可能に構成される。制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、前記検出手段で検出される定着部材の表面の温度が所定温度未満であれば、クリーニング部材を移動させ、その移動後に定着部材が移動するように制御する。
図1は、本発明の第1の実施形態である定着装置6の構成を概略的に示す断面図である。図1に示すように、定着装置6は、定着ローラ50と、加圧ローラ60と、外部加熱手段70と、定着部材クリーニング手段80と、第2サーミスタ90と、図示しない制御部を含む。
(1)定着ローラ
定着部材である定着ローラ50は、図示しない支持手段によって回転可能に支持され、かつ図示しない駆動手段によって矢符56の方向に所定の速度で回転するローラ状部材である。定着ローラ50は、その内部に定着部材加熱手段54を含み、記録媒体8に担持された未定着トナー像に含まれるトナーを加熱溶融させて未定着トナー像を記録媒体8に定着させる。
本実施の形態では、定着ローラ50として、芯金51と、弾性体層52と、表面層53とを含むローラ状部材を使用する。
芯金51を形成する金属には熱伝導率の高い金属を使用でき、たとえば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。芯金51の形状としては、円筒状、円柱状などが挙げられるけれども、芯金51からの放熱量が少ない円筒状の方が好ましい。
弾性体層52を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性に優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。
表面層53を構成する材料は、耐熱性および耐久性に優れ、トナーとの付着力が弱いものであれば特に制限されず、たとえば、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体であるPFAおよびPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂、ならびにフッ素ゴムなどが挙げられる。本実施の形態では、表面層53は、厚さ約30μmのPFA層である。
定着ローラ50の内部には、2個の定着部材加熱手段54が設けられる。定着部材加熱手段54は、後述する画像形成装置1の電源をONにしてから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間を短縮し、待機中に定着ローラ50を均一に加熱し、トナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することによる定着ローラ50表面の温度の低下を防止する。本実施の形態では、定着部材加熱手段54にはハロゲンランプが用いられる。
(2)加圧ローラ
加圧部材である加圧ローラ60は、定着ローラ50の鉛直方向最下点よりも定着ローラ50の回転方向下流側において、図示しない加圧機構によって定着ローラ50に圧接された状態で回転可能に設けられるローラ状部材である。加圧ローラ60は、定着ローラ50の回転に従動回転する。加圧ローラ60は、定着ローラ50によるトナー像の記録媒体8への定着に際し、定着ローラ50と加圧ローラ60とが圧接する定着ニップ部55において、溶融状態にあるトナーを記録媒体8に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体8への定着を促進する。
本実施の形態では、加圧ローラ60として、芯金61と、弾性体層62と、表面層63とを含む外径50mmのローラ状部材を使用する。芯金61、弾性体層62および表面層63を形成する材料としては、それぞれ、前述の定着ローラ50の芯金51、弾性体層52および表面層53を形成する金属または材料と同じものを使用できる。また、芯金61の形状も定着ローラ50と同様である。
加圧ローラ60の内部には、加圧部材加熱手段64が設けられる。加圧部材加熱手段64は、後述する画像形成装置1の電源をONにしてから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間を短縮し、トナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することによる加圧ローラ60の表面温度の急激な低下などを防止する。本実施の形態では、加圧部材加熱手段64にはハロゲンランプが用いられる。
(3)定着部材温度検出手段
定着部材温度検出手段である第2サーミスタ90は、定着ローラ50に近接するように設けられ、定着ローラ50表面の温度を検知する。第2サーミスタ90による検知結果はCPUに入力される。CPUは、第2サーミスタ90の検知結果から、第2サーミスタ90の温度が設定範囲内にあるか否かを判定する。定着ローラ50表面の温度が設定範囲の下限値よりも低い場合には、定着部材加熱手段54に接続される電源に制御信号を送り、定着部材加熱手段54に電力を供給して発熱を促す。定着ローラ50表面の温度が設定範囲の上限値よりも高い場合には、定着部材加熱手段54への給電力の有無を確認する。電力供給が継続されない場合は、電力供給を停止する制御信号を送る。CPUは第2サーモスタット91の検知結果に応じて定着部材加熱手段54に接続される電源からの給電を停止する。
(4)外部加熱手段
外部加熱手段70は、外部加熱ベルト71と、第1圧接ローラ72と、第2圧接ローラ73と、第1サーミスタ76と、第1サーモスタット77と、外部加熱源74,75とを含む。
(外部加熱ベルト)
ベルト部材である外部加熱ベルト71は、第1圧接ローラ72と第2圧接ローラ73との間に巻き掛けられてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。外部加熱ベルト71は、第1圧接ローラ72と定着ローラ50との圧接点から第2圧接ローラ73と定着ローラ50との圧接点までの間において、定着ローラ50の外周方向に長さを持ちかつ定着ローラ50の長手方向に亘る帯状の領域で定着ローラ50に接触するように設けられる。このように外部加熱手段70が定着ローラ50表面に圧接するようにして設けられる外部加熱ベルト71を含むことによって、外部加熱ベルト71を介して定着ローラ50を加熱することができるので、外部加熱ベルト71を含まない外部加熱手段70で定着ローラ50を加熱する場合より外部加熱手段70と定着ローラ50との接触する面積を広くすることができ、外部加熱手段の加熱効率を向上させることができるので、連続出力時の定着ローラ50の温度追従性などの定着性能を向上させることができる。外部加熱ベルト71は、定着ローラ50の回転駆動によって、矢符78の方向に従動回転する。
外部加熱ベルト71には、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されないけれども、たとえば、ポリイミド製ベルト、ニッケル電鋳ベルトなどが挙げられる。外部加熱ベルト71の表面には、PFA、PTFEなどのフッ素樹脂層を形成してもよい。本実施の形態では、直径31mmの円筒形状に形成される厚さ100μmの無端ベルトを使用する。
(第1,第2圧接ローラ)
第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73は、回転自在に支持されかつ図示しない加圧手段によって外部加熱ベルト71を介して定着ローラ50表面に圧接するように設けられるローラ状部材である。第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73は外部加熱ベルト71の矢符78方向の回転に従動回転する。
第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73には、アルミニウム、鉄などの熱伝導率の高い金属からなる金属製ローラを使用できる。金属製ローラは必要に応じてその表面にフッ素樹脂層が形成されてもよい。
第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73は、その内部に外部加熱源74,75を有する。これによって、外部加熱ベルト71ひいては定着ローラ50が加熱される。外部加熱源74,75には図示しない電源が接続され、外部加熱源74,75を発熱させるための電力が供給される。外部加熱源74,75には一般的な加熱手段を使用できる。本実施の形態では外部加熱源74,75にはハロゲンランプを使用する。なお、第1圧接ローラ72および第2圧接ローラ73は定着ローラ50上において互いの軸線が平行になり、かつ間隙を有して離隔するように設けられる。
(第1サーミスタ)
第1サーミスタ76は、外部加熱ベルト71を介して第2圧接ローラ73に対向する位置において外部加熱ベルト71に近接するように設けられ、外部加熱ベルト71の温度を検知する。第1サーミスタ76による検知結果はCPUに入力される。CPUは、第1サーミスタ76の検知結果から、第1サーミスタ76の温度が設定範囲内にあるか否かを判定する。外部加熱ベルト71の温度が設定範囲よりも低い場合には、外部加熱源74,75に接続される電源に制御信号を送り、外部加熱源74,75に電力を供給して発熱を促す。加熱ベルと71の温度が設定範囲よりも高い場合には、外部加熱源74,75への給電力の有無を確認する。電力供給が継続されない場合は、電力供給を停止する制御信号を送る。
(第1サーモスタット)
第1サーモスタット77は、外部加熱ベルト71を介して第2圧接ローラ73に対向しかつ第1サーミスタ76よりも外部加熱ベルト71の回転方向下流側の位置において、外部加熱ベルト71に近接するように設けられ、外部加熱ベルト71の異常昇温を検知する。
第1サーモスタット77による検知結果はCPUに入力される。CPUは第1サーモスタット77の検知結果に応じて外部加熱源74,75に接続される電源からの給電を停止する。
(5)クリーニング装置
定着部材クリーニング手段であるクリーニング装置80は、クリーニングウェブ81と、送出しローラ82と、ウェブ圧接ローラ83と、巻取りローラ84とを含み、定着ローラ50表面に付着するオフセットトナーなどを除去する。
(クリーニングウェブ)
クリーニング部材であるクリーニングウェブ(以下単に「ウェブ」ともいう)81は、送出しローラ82からウェブ圧接ローラ83に向けて矢符87の方向に送り出され、ウェブ圧接ローラ83に巻回されて定着ローラ50表面に圧接した後、巻取りローラ84によって巻き取られるように設けられる。ウェブ81と定着ローラ50表面との圧接部は、クリーニングニップ部85である。
ウェブ81には、その製法上の問題から、毛羽立ちがなく緻密で清浄化性能、すなわちトナー除去性能の高い表面と、毛羽立ちが多くて目が粗く清浄化性能の低い裏面とがある。したがって、本実施の形態では、ウェブ81の表面が、クリーニングニップ部において定着ローラ50に圧接するように構成する。すなわち、ウェブ81の同じ面が定着ローラ50に圧接する。このように構成すれば、ウェブ81の清浄化性能に優れる表面のみで定着ローラ50の清浄化することが可能になり、ウェブ81裏面を用いる必要がない。しかも、ウェブ81の懸架機構が簡素化され、定着装置6の大型化防止に有効である。
ウェブ81には、たとえば、耐熱性不織布を使用できる。耐熱性不織布としては特に制限されないけれども、たとえば、芳香族ポリアミド繊維と高温で軟化するポリエステル繊維とを含み、適度な柔軟性と機械的強度とを併せ持つ不織布などが挙げられる。このような耐熱性不織布は市販されており、たとえば、ノーメックス(商標名)、ヒメロン(商品名)などが挙げられる。
また、ウェブ81には離型効果などを有するオイルを含浸させ得る。オイルとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイルおよびフッ素変性シリコーンオイルなどのシリコーンオイルが挙げられる。本実施の形態では、ウェブ81に、0.01m/s(10000センチストークス、25℃)程度の粘度を持つシリコーンオイルを含浸させる。
ウェブ81の厚さは特に制限されないけれども、好ましくは30μm以上100μm以下である。本実施の形態ではウェブ81として厚さ40μmのものを使用する。
(送出しローラ)
送出しローラ82は軸線回りに従動回転可能に支持され、その表面にウェブ81を巻回して保持する。本実施の形態では、送出しローラ82は、外部加熱手段70の略鉛直方向上方において、外部加熱手段70に対して離隔するように設けられる。また、本実施の形態では、送出しローラ82は、巻取りローラ84によるウェブ81の巻取り動作に反時計回りの方向へ従動回転してウェブ81を送り出すように構成される。
(ウェブ圧接ローラ)
ウェブ圧接ローラ83は、長手方向の両端が図示しない軸受けによって従動回転可能に軸支されるローラ状部材である。ウェブ圧接ローラ83は、図示しない押圧手段によってウェブ81を介して定着ローラ50表面に圧接するように設けられる。ウェブ圧接ローラ83は、巻取りローラ84によるウェブ81の巻取り動作時に従動回転する。
ウェブ圧接ローラ83には、たとえば、金属製芯金と、金属製芯金の表面に形成される弾性層とを含むローラ状部材が用いられる。弾性層を構成する弾性材料としては、たとえば、シリコーンゴムなどの耐熱性ゴム、その発泡体などが挙げられる。弾性層の表面硬度は特に制限されないけれども、好ましくは20°〜30°(Asker−c、アスカーC硬度)である。
定着ローラ50への押圧力は、好ましくは3793.6Pa(0.039kgf/cm)以上18967.9Pa(0.19kgf/cm)以下である。3793.6Pa未満では、オフセットトナーが画像形成装置1の内部に漏出するおそれがある。18967.9Paを超えると、定着ローラ50の表面層が損傷し易くなり、画像の定着不良などが発生するおそれがある。押圧手段には、たとえば、ばね部材などが用いられる。
ウェブ圧接ローラ83の長手方向の幅は、画像形成装置1において形成しようとする画像形成領域の最大幅よりも大きくすればよい。
ウェブ圧接ローラ83がウェブ81を介して定着ローラ50表面に圧接することで形成されるクリーニングニップ部85の幅(以下「クリーニングニップ幅」という)はクリーニング装置80のクリーニング性能に大きな影響を及ぼすので、適切な範囲に設計するのが好ましい。クリーニングニップ幅は、主に、ウェブ圧接ローラ83の定着ローラ50に対する押圧力、ウェブ圧接ローラ83のローラ径などによって決定される。本実施の形態では、ウェブ圧接ローラ83の長手方向の幅を画像形成領域よりも長い310mm、ローラ径を20mmとする。
(巻取りローラ)
巻取りローラ84は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、定着ローラ50と接触した後のウェブ81を巻き取る。本実施の形態では、巻取りローラ84は、ウェブ圧接ローラ83の略鉛直方向上方において、送出しローラ82および外部加熱手段70から離隔するように設けられる。これによって、定着装置6の大型化を防止できる。巻取りローラ84の回転駆動によって、ウェブ81が送出しローラ82から矢符87の方向に送り出され、クリーニング動作が開始される。
定着部材クリーニング装置70の動作は、図示しないCPUによって制御される。CPUは、所定の枚数の記録媒体8が定着ニップ部55を通過したことをセンサまたは定着ローラ50の回転回数などによって検知した後、巻取りローラ84を回転させる図示しない駆動手段(ここでは画像形成装置1の本体内部に設けられるモータ)に制御信号を送る。制御信号を受けた駆動手段は、巻取りローラ84を回転させてウェブ81を一定量巻き取る。この巻取りによってウェブ81が送出しローラ82から矢符87の方向に送り出される。なお、巻取りローラ84によって間欠的に巻取りを行う動作例を示したけれども、それに限定されず、記録媒体8が定着ニップ部55を通過するタイミングに合わせて連続的に巻取りを行ってもよい。
本実施形態において、定着部材クリーニング手段は、定着部材の回転方向において、外部加熱手段より上流側でクリーニングウェブが定着部材表面に接触するように設けられる。これによって、外部加熱手段にトナーなどの異物が付着することを抑えることができ、たとえば、ウェブが定着部材と外部加熱手段とに圧接して定着部材だけでなく外部加熱手段も清浄化できる構成である場合に、先に外部加熱手段を清浄化し、外部加熱手段を清浄化したのと同じウェブの面を定着部材に接触させても、定着部材の清浄性能を損うことがない。
(6)制御手段
本実施形態の定着装置6の定着機構は、後述する画像形成装置1の全動作を制御する図示しない制御手段によって制御される。図2は、本実施形態において、制御手段による定着動作開始時の定着装置の処理手順を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートを用いて、定着動作開始時における定着ローラ50および定着部材クリーニング手段80などの動作について説明する。以下、S1、S2、…は、処理手順(ステップ)の番号を表す。
(ステップS1)
画像形成装置1の電源をONにする、または画像形成指示を入力してスリープモードから復帰させる。画像形成指示は、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられる図示しない操作パネルまたは画像形成装置1に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される。
(ステップS2)
定着ローラ50表面の温度を第2サーミスタ90で検出する。
(ステップS3)
第2サーミスタ90で定着ローラ50表面の温度を検出した結果、定着ローラ50表面の温度が所定温度未満であれば、ステップS4に進み、所定温度以上であれば、ステップS6に進む。定着ローラ50表面の温度が所定温度以上であれば、ステップS13に進む。
本実施形態において、所定温度は記録媒体に担持された未定着トナー像に含まれるトナーの軟化温度であり、具体的には120℃である。定着ローラ50表面の温度が前記軟化温度未満であると、定着ローラ50表面のトナーは、溶融しておらず、トナー塊の状態である。
(ステップS4)
巻取りローラ84を回転駆動させて、クリーニングウェブ81の巻き取り動作を開始する。
(ステップS5)
巻取りローラ84の回転を停止させて、クリーニングウェブ81の巻き取り動作を終了する。この巻取り動作の目的は、クリーニングニップ部85に滞留したトナー塊をクリーニングニップ部85から除去することであり、所定量のウェブ81の巻き取りを行う。ここで、巻取りローラ84でクリーニングウェブ81を巻き取る所定の巻取り量は、少なくともクリーニングニップ部85おける定着ローラ50の周方向の幅以上である。
(ステップS6)
制御手段に含まれる制御部は、定着ローラ50および加圧ローラ60の内部にそれぞれ設けられる加熱手段54,64、ならびに第1,第2圧接ローラ72,73の内部にそれぞれ設けられる外部加熱源74,75に電力を供給する図示しない電源に制御信号を送る。これによって、外部加熱手段70に含まれる外部加熱源74,75、定着ローラ50内の定着部材加熱手段54および加圧ローラ61内の加圧部材加熱手段64に通電が開始される。この通電の開始とともに、外部加熱ベルト71表面、定着ローラ50表面および加圧ローラ60表面の温度が上昇する。
(ステップS7)
加熱手段54,64および外部加熱源74,75が、定着ローラ50、加圧ローラ60および加熱ベルト71を加熱して、所定の条件になれば、第1サーミスタ76、第2サーミスタ90および加圧ローラ60の近傍に設けられる図示しない温度検知センサが設定温度に到達したことを検知し、その検知結果がCPUに入力される。すると制御手段に含まれる制御部は定着ローラ50を回転駆動させる図示しない駆動手段に制御信号を送り、矢符56の方向に定着ローラ50を回転駆動させる。定着ローラ50の回転駆動に伴って加圧ローラ60および外部加熱ベルト71が従動回転する。
定着ローラ50の回転動作を開始する所定の条件としては、たとえば、外部加熱手段70に設けた第1サーミスタ76の検出温度が一定温度以上となった場合とすることができる。定着ローラ50と比較して、外部加熱ベルト71の熱容量は極端に小さく、外部加熱ベルト71の昇温速度は定着ローラ50よりもずっと速いので、外部加熱ベルト71と定着ローラ50とで形成される外部加熱ニップ部100にトナー塊が入り込んだとしても、外部加熱ベルト71からの熱でトナーが軟化し、定着ローラ50表面に傷を付けることはない。
前述のような理由から、本実施形態において、定着ローラ50は、少なくとも外部加熱ベルト71の温度が所定の温度になったことを検出してから回転させる。外部加熱ベルト71に係る所定の温度は、好ましくは未定着トナー像に含まれるトナーの軟化温度以上であり、より好ましくは、150℃程度である。前述のように外部加熱ベルト71は、2本の圧接ローラ72,73に懸架され、その中央部の一方が定着ローラ50表面に当接する構成であるが、このように定着ローラ50表面に当接した状態で保持されると、外部加熱ベルト71に前記の状態で型がつくことがあり、外部加熱ベルト71の回転が不安定になるおそれがある。したがって、外部加熱ベルト71をその温度が150℃程度になるまで加熱した後、定着ローラ50の回転を開始させることによって、外部加熱ベルト71の回転が不安定になることを防ぐことができる。
ステップS2〜S5で述べたように、制御手段は、定着ローラ50を回転させようとするとき、第2サーミスタ90によって検出される定着ローラ50表面の温度が120℃未満であれば、巻取りローラ84でクリーニングウェブ81を巻き取り、定着ローラ50とクリーニングウェブ81とが圧接するクリーニングニップ部85からトナーを除去し、クリーニングウェブ81の巻き取り動作の終了後に定着ローラ50が回転するよう制御するので、クリーニングニップ部85にトナー塊が存在しない状況で定着ローラ50を回転させることができる。これによって、定着ローラ50の昇温速度を速める外部加熱手段70を備える定着装置6において、定着ローラ50表面の温度が120℃未満であり、クリーニングニップ部85にトナー塊が存在する状態で定着ローラ50を回転させ、トナー塊が定着ローラ50表面を擦ることによる定着ローラ50表面の傷の発生を抑えることができるので、定着ローラ50表面の傷に起因する定着不良を起こすことなく、良好な定着性を有する定着装置6を実現することができる。
ステップS5で述べたように、巻取り量は、少なくともクリーニングニップ部85おける定着ローラ50の周方向の幅以上であるが、これによって、クリーニングニップ部85でクリーニングウェブ81に付着した全てのトナー塊などの異物をクリーニングニップ部85から排出することができ、トナー塊などの異物のない新鮮なウェブ81を定着ローラ50表面に当接することができる。したがって、定着ローラ50表面の傷の発生をより一層防止することができる。
(ステップS8)
定着ローラ50を少なくとも1回転以上させてから定着ローラ50を一旦停止させる。本実施形態では、1回転後に定着ローラ50を一旦停止させる。これは1回転以上させてから停止させるより好ましい。
(ステップS9)
再度クリーニングウェブ81の巻き取り動作を行う。こうすることによって、定着ローラ50の回転によってクリーニングニップ部85でせき止められたトナーなどの異物をクリーニングニップ部85から除去することができる。
(ステップS10)
クリーニングウェブ81の巻き取り動作を終了する。定着ローラを1回転させた後一旦停止させ、再度クリーニングウェブ81の巻き取り動作を行うことによって、定着ローラ50を回転させる前において定着ローラ50表面のクリーニングニップ部85以外の部分に付着していたトナーなどの異物を、定着ローラ50を回転させることでクリーニングニップ部85にせき止め、そのせき止めたトナー塊などの異物が定着ローラ50表面を擦ることによる定着ローラ50の表面の傷の発生を抑えることができる。したがって、定着ローラ50表面の傷の発生を一層抑えることができる。
(ステップS11)
外部加熱ベルト71の温度が所定の温度になるなどの所定の条件を満足する状態にする。所定の温度は、たとえば150℃である。外部加熱ベルト71は定着ローラ50の回転に従動して回転するので、外部加熱ベルト71の温度を150℃程度の温度まで加熱して、外部加熱ベルト71に柔軟性を持たせた上で定着ローラ50を回転させることによって、外部加熱ベルト71の回転不良を防止できる。
(ステップS12)
定着ローラ50表面を昇温させるべく、定着ローラ50を回転させる。ステップS11〜S12で述べたように所定の条件を満足する状態で定着ローラ50表面をすることで、より一層定着ローラへの傷を抑制できる。
ステップS12の処理後、定着ローラ50の温度を定着に必要な温度まで上昇させて、未定着トナー像の記録媒体への定着を行う。
(ステップS13)
ステップS3において、定着ローラ50表面の温度が所定温度以上であれば、ステップS13を行う。制御手段に含まれる制御部は、定着ローラ50および加圧ローラ60の内部にそれぞれ設けられる加熱手段54,64、ならびに第1,第2圧接ローラ72,73の内部にそれぞれ設けられる外部加熱源74,75に電力を供給する図示しない電源に制御信号を送る。これによって、外部加熱手段70に含まれる外部加熱源74,75、定着ローラ50内の定着部材加熱手段54および加圧ローラ61内の加圧部材加熱手段64に通電が開始される。この通電の開始とともに、外部加熱ベルト71表面、定着ローラ50表面および加圧ローラ60表面の温度が上昇する。
(ステップS14)
制御手段に含まれる制御部が定着ローラ50を回転駆動させる図示しない駆動手段に制御信号を送り、矢符56の方向に定着ローラ50を回転駆動させる。定着ローラ50の回転駆動に伴って加圧ローラ60および外部加熱ベルト71が従動回転する。
ステップS14の処理後、定着ローラ50の温度を定着に必要な温度まで上昇させて、未定着トナー像の記録媒体への定着を行う。
<第2の実施形態の定着装置>
本発明の第2の実施形態である定着装置は、第1の実施形態に加えて、トナー検出手段、累積枚数検出手段および回転回数検出手段のうち少なくともいずれか1つを含む。トナー検出手段は、クリーニングニップ部85においてトナーを検出する。累積枚数検出手段は、定着ニップ部55に搬送される未定着トナー像を担持した記録媒体の枚数を検出する。回転回数検出手段は、定着ローラ50の回転した回数を検出する。
図3は、本実施形態において、制御手段による定着動作開始時の定着装置の処理手順を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートを用いて、定着動作開始時における定着ローラ50および定着部材クリーニング手段80などの動作について説明する。本実施形態において、定着動作開始時における定着ローラ50および定着部材クリーニング手段80などの動作は、第1の実施形態における定着動作開始時における定着ローラ50および定着部材クリーニング手段80などの動作においてウェブ81の巻取り動作を行うための巻取り条件が加わる。巻き取り条件が加わること以外は第1の実施形態と同様なので、図3に示すステップS1〜S3およびステップS4〜S12については説明を省略する。以下、巻取り条件に関するステップs3aについて説明する。ステップs3aへは、ステップS3において第2サーミスタ90で定着ローラ50表面の温度を検出した結果、定着ローラ50表面の温度が所定温度未満である場合に進む。
(ステップS3a)
ステップS3aでは、トナー検出手段、累積枚数検出手段および回転回数検出手段のうちの少なくともいずれか1つを用いて巻取り条件を満たすかどうかを判断する。ステップS3aにおいて、巻取り条件を満たせば、ステップS4に進む。前記巻取り条件を満たさないのであれば、ステップS13に進む。以下、ステップS3aでトナー検出手段、累積枚数検出手段および回転回数検出手段を用いる場合についてそれぞれ記載する。
〔1〕トナー検出手段を用いる場合
トナー検出手段としては、たとえば光学センサを用いる。光学センサは、クリーニングニップ部85において定着ローラ50に対向するように、クリーニングウェブ81の裏面側に設けられ、光学センサの検知情報に基づき、クリーニングニップ部85におけるトナーの有無の判断を行う。
本実施形態において、制御手段は、定着ローラ50を移動させようとするとき、第2サーミスタ90によって検出される定着ローラ50表面の温度が所定の温度未満であり、かつ、クリーニングニップ部85において、トナー検出手段によってトナーが検出される場合にウェブ81を巻き取り、クリーニングニップ部85からトナーを除去し、ウェブ81の巻き取り後に定着ローラ50が移動するように制御するので、クリーニングニップ部85にトナーが存在しない場合には、ウェブ81の巻き取りを行わないようにすることができる。このようにクリーニングニップ部85にトナーが存在する場合のみウェブ81を巻き取ることによって、ウェブ81の浪費を抑えることができるので、クリーニング装置80の寿命を向上させることができる。
〔2〕累積枚数検出手段を用いる場合
累積枚数検出手段としては、たとえば枚数カウンターを用いる。画像形成装置に備わる枚数カウンターを用いて定着ニップ部55を通過する記録媒体の累積枚数を検出し、前記累積枚数が所定の枚数以上であれば、ウェブ81の巻き取りを行う。また、枚数カウンターによって検出される記録媒体の累積枚数が所定の枚数以上であれば、ウェブ81の巻き取りを行うかどうかを累積枚数制御手段によって判断してから、ウェブ81の巻き取りを行ってもよい。枚数カウンターによって検出される記録媒体の累積枚数のカウンター値は、ウェブ81の巻き取り動作を行うたびクリアにする。
本実施形態において、制御手段は、定着ローラ50を移動させようとするとき、第2サーミスタ90によって検出される定着ローラ50表面の温度が所定の温度未満であり、かつ、累積枚数検出手段によって検出される前回ウェブ81が巻き取られてからの定着ニップ部に搬送された記録媒体の枚数が所定の枚数を超える場合には、ウェブ81の巻き取りを行ってクリーニングニップ部85からトナーを除去し、ウェブ81の巻き取り後に定着ローラ50が移動するように制御するので、前記記録媒体の枚数が所定枚数以下である場合には、ウェブ81の巻き取りを行わないようにすることができる。このように、記録媒体の枚数が所定の枚数を超え、クリーニングニップ部85にトナーが存在すると思われる状況に達した場合にのみウェブ81を巻き取ることによって、ウェブ81の浪費を抑えることができるので、クリーニング装置80の寿命を向上させることができる。
〔3〕回転回数検出手段を用いる場合
回転回数検出手段としては、たとえば光学センサを用いる。定着ローラ50のジャーナル部にマーキングを行い、マーキングを行ったマーキング部を光学センサで検知することで前回の巻き取り動作を終えてからの定着ローラ50の回転回数をカウントし、定着ローラ50が所定の回転回数を超えれば、ウェブ81の巻き取りを行う。また、光学センサで検知することによって前回の巻き取り動作を終えてからの定着ローラ50の回転回数をカウントし、定着ローラ50の回転回数が所定の回転回数を超えれば、ウェブ81を巻き取るかどうかを回転回数制御手段によって判断してからウェブ81を巻き取ってもよい。定着性の確保などの意味合いから厚紙通紙時には定着ローラ50の回転速度を低下させることがあるが、定着ローラ50の回転回数は、定着ローラ50の回転時間を計測し、そのときの定着ローラ50の回転速度を考慮して算出してもよい。
本実施形態において、制御手段は、定着ローラ50を移動させようとするとき、第2サーミスタ90によって検出される定着ローラ50表面の温度が所定の温度未満であり、かつ、回転回数検出手段によって検出される前回ウェブ81が巻き取られてからの定着ローラ50の回転した回数が所定の回転回数を超える場合にウェブ81を巻き取り、クリーニングニップ部85からトナーを除去し、ウェブ81の巻き取り後に定着ローラ50が移動するように制御するので、前記回数が所定の回数以下である場合には、ウェブ81の巻き取りを行わないようにすることができる。このように、定着ローラ50の回転した回数が所定の回数を超え、クリーニングニップ部85にトナーが存在すると思われる状況に達した場合にのみウェブ81を巻き取ることによって、ウェブ81の浪費を抑えることができるので、クリーニング装置80の寿命を向上させることができる。
2、画像形成装置
図4は、本発明の第3の実施形態である画像形成装置1の構成を模式的に示す概略断面図である。本実施形態の画像形成装置1は、本発明の第1の実施形態である定着装置6を含む。図5は、図4に示す画像形成装置1のトナー像形成手段2の構成を拡大して示す断面図である。
画像形成装置1は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナー像を順次重ね合わせて転写して多色トナー像を形成し、該多色トナー像を記録媒体に定着させて画像を形成するタンデム構成の電子写真方式の画像形成装置である。図4に示すように、画像形成装置1は、トナー像形成手段2と、中間転写手段3と、二次転写手段4と、記録媒体供給手段5と、定着装置6と、スキャナ部7とを含む。
トナー像形成手段2は、作像ユニット10y,10m,10c,10bを含む。作像ユニット10y,10m,10c,10bは、後述する中間転写ベルト21の回転駆動方向(副走査方向)すなわち矢符27の方向における上流側からこの順番で一列に配置され、デジタル信号などとして入力される各色の画像情報に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像に対応する色のトナーを供給し、現像して各色のトナー像を形成する。
図5に示すように、作像ユニット10yはイエローの画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10mはマゼンタの画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10cはシアンの画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10bはブラックの画像情報に対応するトナー像を形成する。
作像ユニット10yは、感光体ドラム11yと、帯電ローラ12yと、光走査ユニット13yと、現像装置14yと、ドラムクリーナ15yとを含む。感光体ドラム11yは、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、その表面に静電潜像ひいてはトナー像が形成される感光層を有するローラ状部材である。
感光体ドラム11yには、たとえば、図示しない導電性基体と、導電性基体表面に形成される図示しない感光層とを含むものを使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状導電性基体が好ましい。感光層としては、有機感光層、無機感光層などが挙げられる。有機感光層としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光層としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む層が挙げられる。導電性基体と感光層との間には、下地層を介在させてもよく、感光層の表面には主に感光層を保護するための表面層(保護層)を設けてもよい。本実施の形態では、接地電位(GND)に接続されるアルミニウム素管(導電性基体)と、アルミニウム素管の表面に形成される厚さ20μmの有機感光層とを含む直径30mmの感光体ドラムを用いる。また、本実施の形態では、感光体ドラム11yは、時計周りの方向に周速度355mm/sで回転駆動する。
帯電ローラ12yは、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、感光体ドラム11yの表面を所定の極性および電位に帯電させるローラ状部材である。
帯電ローラ12yには図示しない電源が接続され、該電源から電圧を印加されて放電することによって、感光体ドラム11y表面を帯電させる。本実施の形態では、帯電ローラ12yに−1200Vの電圧が印加され、感光体ドラム11y表面は−600Vに帯電する。帯電ローラ12yに代えて、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、スコロトロンといったコロナ帯電器などを使用できる。
光走査ユニット13yは、帯電状態にある感光体ドラム11y表面にイエローの画像情報に対応するレーザ光13yを照射し、感光体ドラム11y表面にイエローの画像情報に対応する静電潜像を形成する。光走査ユニット13には、半導体レーザなどを使用できる。本実施の形態では、−600Vに帯電した感光体ドラム11y表面に、露光電位−70Vの静電潜像を形成する。
現像装置14yは、現像ローラ17yと、現像ブレード18yと、現像槽19yと、攪拌ローラ20y,30yとを含む。現像ローラ17yは、その表面にイエロー現像剤16yを担持し、現像ローラ17yと感光体ドラム11yとの近接部(現像ニップ部)において、イエロー現像剤16yを感光体ドラム11y表面の静電潜像に供給する。現像ローラ17yは現像槽19yによって軸線回りに回転可能に支持され、現像槽19yの感光体ドラム11yを臨む面に形成される開口部からその一部が外方に向けて突出して感光体ドラム11y表面に近接するように設けられ、図示しない固定磁極を内包するローラ状部材である。現像ローラ17yは、感光体ドラム11yと逆方向に回転駆動する。したがって、現像ニップ部においては、現像ローラ17yと感光体ドラム11yとは同じ方向に回転駆動する。
現像ローラ17yには図示しない電源が接続され、該電源から直流電圧(現像電圧)が印加される。これによって、現像ローラ17y表面のイエロー現像剤16yが静電潜像に円滑に供給される。本実施の形態では、現像ローラ17yには−420Vの現像電圧が印加される。現像ローラ17y表面のイエロートナー層が現像ニップ部において感光体ドラム11yと接触し、静電潜像にイエロー現像剤16yが供給される。
現像ブレード18yは、一端が現像槽19yによって支持され、他端が現像ローラ17y表面に対して間隙を有して離隔するように設けられる板状部材であり、現像ローラ17y表面に担持されるイエロートナー層を均一化(層規制)する。
現像槽19yは前記のように感光体ドラム11yを臨む面に開口部が形成され、内部空間を有する容器状部材である。現像槽19yは、その内部空間に現像ローラ17yと攪拌ローラ20y,30yとを内蔵し、かつイエロー現像剤16yを貯留する。現像槽19yには、イエロー現像剤16yの消費状況に応じて、図示しないトナーカートリッジからイエロー現像剤16yが補給される。本実施の形態では、現像槽19y内には予め磁性キャリアが充填される。現像槽19yに補給されるイエロートナーはこの磁性キャリアと混合されてイエロー現像剤(イエロー2成分現像剤)16yの形態で用いられるけれども、それに限定されず、イエロートナーのみを含む1成分現像剤の形態でも使用できる。
攪拌ローラ20y,30yは、現像槽19yの内部空間において軸線回りに回転駆動可能に支持されるスクリュー状部材である。攪拌ローラ20yは、現像ローラ17y表面に圧接するように設けられる。攪拌ローラ20y,30yは、それぞれの回転駆動によって、図示しないトナーカートリッジから現像槽19y内に補給されるイエロー現像剤16yを現像ローラ17yの表面周辺に送給する。
現像装置14yによれば、現像槽19y内の磁性キャリアにイエロートナーが付着した形態のイエロー現像剤16yが攪拌ローラ20y,30yによって現像ローラ17y表面に供給され、該表面に現像剤層が形成される。この現像剤層は現像ブレード18yによって層厚を均一化された後、現像剤層から電位差などを利用して感光体ドラム11y表面の静電潜像にイエロー現像剤16yが選択的に供給され、イエローの画像情報に対応するイエロートナー像が形成される。
ドラムクリーナ15yは、後述のように、感光体ドラム11y表面のイエロートナー像を中間転写ベルト21に転写した後に、感光体ドラム11y表面に残存するイエロー現像剤16yを除去、回収する。
作像ユニット10yによれば、帯電ローラ12yによって帯電状態にある感光体ドラム11yの表面に、光走査ユニット13からイエローの画像情報に対応する信号光13yを照射して静電潜像を形成し、該静電潜像に現像装置14yからイエロー現像剤16yを供給して該静電潜像を現像し、イエロートナー像を形成する。このイエロートナー像は、後述のように、感光体ドラム11yの表面に圧接して矢符27の方向に回転駆動する中間転写ベルト21に転写される。感光体ドラム11y表面に残留するイエロー現像剤16yはドラムクリーナ15yによって除去され、回収される。この画像(トナー像)形成動作は繰返し実行される。
作像ユニット10m,10c,10bは、イエロートナーに代えてマゼンタトナー、シアントナーまたはブラックトナーを使用する以外は、作像ユニット10yに対応する構造を有するので、同一の参照符号を付し、かつ各参照符号の末尾にマゼンタを示す「m」、シアンを示す「c」およびブラックを示す「b」を付し、説明を省略する。
図4に戻って、中間転写手段3は、中間転写ベルト21と、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bと、支持ローラ23,24,25と、ベルトクリーナ26とを含む。中間転写ベルト21は、支持ローラ23,24,25の間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状のトナー像担持体であり、感光体ドラム11y,11m,11c,11bとほぼ同じ周速度で矢符27の方向に回転する。
中間転写ベルト21には、たとえば、厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト21の材料はポリイミドのみに限定されず、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成樹脂、各種ゴムなどからなるフィルムを使用できる。合成樹脂または各種ゴムからなるフィルム中には、中間転写ベルト21としての電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、グラファイトカーボンなどの導電材が配合される。
中間転写ベルト21のトナー像担持面は、中間転写ベルト21の回転駆動方向における上流側から、感光体ドラム11y,11m,11c,11bにこの順番で圧接する。中間転写ベルト21の感光体ドラム11y,11m,11c,11bに圧接する位置が、各色トナー像の中間転写位置である。中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向する位置に、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bが配置される。
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bは、それぞれ、中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向し、かつ中間転写ベルト21におけるトナー像担持面の反対面に圧接し、かつ図示しない駆動手段によりその軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bには、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属性軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属によって形成される。金属性軸体の直径は特に制限されないけれども、好ましくは8〜10mmである。
導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。導電性層によって、中間転写ベルト21に高電圧が均一に印加される。
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bには、感光体ドラム11y,11m,11c,11bの表面に形成されるトナー像を中間転写ベルト21上に転写するために、トナーの帯電極性とは逆極性の中間転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに形成されるイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト21のトナー像担持面に順次重ね合わさって転写され、多色トナー像が形成される。ただし、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの一部のみの画像情報が入力される場合には、作像ユニット10y,10m,10c,10bのうち、入力される画像情報の色に対応する作像ユニットのみにおいてトナー像が形成される。
支持ローラ23,24,25は、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動可能に設けられ、中間転写ベルト21を張架して矢符27の方向に回転駆動させる。支持ローラ23,24,25には、たとえば、直径30mmおよび肉厚1mmのアルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を介して後述する2次転写ローラ28に圧接して2次転写ニップ部を形成し、かつ電気的に接地される。支持ローラ24は中間転写ベルト21を張架する機能と共に、中間転写ベルト21上のトナー像を記録媒体8に2次転写させる機能をも有する。
ベルトクリーナ26は、中間転写ベルト21のトナー像担持面上のトナー像を記録媒体8に転写した後に、トナー像担持面上に残存するトナーを除去する部材であり、中間転写ベルト21を介して支持ローラ25に対向するように設けられる。ベルトクリーナ26は、クリーニングブレードと、トナー貯留容器(何れも図示してない)とを含む。クリーニングブレード26aは、図示しない加圧手段により、中間転写ベルト21のトナー像担持面に圧接し、トナー像担持面上の残存トナーなどを掻き取る板状部材である。クリーニングブレード26aには、たとえば、弾性を有するゴム材料(たとえば、ウレタンゴム)などからなるブレードを使用できる。トナー貯留容器26bは、クリーニングブレード26aに掻き取られるトナーなどを一時的に貯留する。
中間転写手段3によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成されるトナー像が、中間転写ベルト21のトナー像担持面の所定位置に重ね合わされて転写され、トナー像が形成される。このトナー像は、後述するように、2次転写ニップ部において記録媒体8に2次転写される。2次転写後に中間転写ベルト21のトナー像担持面に残留するトナー、オフセットトナー、紙粉などがベルトクリーナ26により除去され、トナー像担持面には再度トナー像が転写される。
2次転写手段4は、支持ローラ24と、2次転写ローラ28とを含む。2次転写ローラ28は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ24に圧接し、かつ軸線方向に回転駆動可能に設けられ、図示しない駆動手段によって回転駆動するローラ状部材である。
2次転写ローラ28は、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含む。金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。
2次転写ローラ28には図示しない電源が接続され、トナーの帯電極性とは逆の極性を有する高電圧が均一に印加される。支持ローラ24と中間転写ベルト21と2次転写ローラ28との圧接部が2次転写ニップ部である。2次転写手段4によれば、中間転写ベルト21上のトナー像が2次転写ニップ部に搬送され、それに同期して後述の記録媒体供給手段5から送給される記録媒体8が2次転写ニップ部に搬送され、2次転写ニップ部においてトナー像と記録媒体8とが重ね合わされ、トナー像が記録媒体8に2次転写される。このようにして、記録媒体8上に未定着トナー像が担持される。未定着トナー像を担持した記録媒体8は、本発明の第1の実施形態である定着装置6に搬送され、未定着トナー像が記録媒体8に定着される。
記録媒体供給手段5は、記録媒体カセット42と、ピックアップローラ43と、レジストローラ44a,44bとを含む。記録媒体カセット42は記録媒体8を貯留する。記録媒体8には、たとえば、普通紙、コート紙、カラーコピー専用用紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用フィルム、葉書などがある。サイズとしては、A4、A3、B5、B4、葉書サイズなどである。ピックアップローラ43は、記録媒体8を搬送路Pに1枚ずつ送給する。レジストローラ44a,44bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、中間転写ベルト21上の多色トナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、2次転写ニップ部に記録媒体8を送給する。記録媒体供給手段5によれば、記録媒体カセット42内に貯留される記録媒体8が、ピックアップローラ43によって1枚ずつ搬送路Pに送給され、さらに、レジストローラ44a,44bによって2次転写ニップ部に送給される。
スキャナ部7は、図示しない原稿台と、図示しない光源と、CCDセンサ9とを含む。原稿台の上面には、複写すべき原稿が載置される。原稿台には透明ガラスなどの透明性材料からなる板状部材が用いられる。光源は、原稿台に載置される原稿を照明する。CCDセンサ9は、光源によって照明される原稿からの反射光を光電変換することで、反射光を画像情報(画像信号)に変換する。CCDセンサ9は変換部と転送部と出力部とを含み、変換部では反射光である光信号を電気信号に変換し、転送部ではクロックパルスに同期して電気信号を順次出力部へ転送し、出力部では電気信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。このようにして得られたアナログ信号を周知の画像処理を行ってデジタル信号に変換する。スキャナ部7により読み取られる原稿の画像情報は、画像形成装置の全動作を制御する図示しないCPUに送られ、各種画像処理が施された後、メモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリ内の画像を読出して光走査ユニット13に転送して記録媒体8である記録紙上に画像を形成させる。
画像形成装置1には、図示しない制御手段が設けられる。制御手段は、たとえば、画像形成装置1の内部空間における上部に設けられ、図示しない、記憶部と、演算部と、制御部とを含む。
記憶部には、画像形成装置1の上面に配置される図示しない操作パネルを介する印刷指令、画像形成装置1内部の各所に配置される図示しない各種センサなどからの検知結果、外部機器から入力される画像情報、画像形成装置1内部の各装置の動作を制御するための各種設定値およびデータテーブル、各種制御を実行するためのプログラムなどが書き込まれる。
記憶部としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器としては、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラなどが挙げられる。
演算部は、記憶部に入力される各種データ(印刷指令、検知結果、画像情報など)および各種制御を実施するためのプログラムを取り出し、各種検知および/または判定を行う。
制御部は、演算部における各種判定結果、演算結果などに応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。
制御部および演算部は、たとえば、中央処理装置(CPU、Central Processing
Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。制御手段は、記憶部、演算部および制御部とともに主電源を含む。主電源は、制御手段だけでなく、画像形成装置1内部における各装置にも電力を供給する。
このようにトナー像形成手段2と、転写手段3,4と、本発明の第1の実施形態である定着装置6とを備えて画像形成装置1が構成される。本発明の第1の実施形態である定着装置6は定着ローラ50表面に傷が発生することを防止できるので、画像形成装置1が本発明の第1の実施形態である定着装置6を備えて構成されることによって、定着ローラ50表面の傷に起因する定着不良を防止し、定着不良のない良好な画像を安定して形成することができる。
(トナー)
以下、本実施形態の画像形成装置1で用いられるトナーについて記載する。トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する。結着樹脂としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリスチレン、スチレンの置換体の単独重合体、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。これらの結着樹脂の中でも、カラー用トナーとしては、保存性、耐久性などの点から、軟化点100〜150℃、ガラス転移点50〜80℃の結着樹脂が好ましく、前記の軟化点およびガラス転移点を有するポリエステルが特に好ましい。ポリエステルは軟化状態で高い透明度を示す。結着樹脂がポリエステルである場合、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が重ね合わされた多色トナー像を記録媒体8に定着させると、ポリエステル自体は透明化するので、減法混色によって充分な発色が得られる。
着色剤としては、従来から電子写真方式の画像形成技術に用いられるトナー用顔料および染料を使用できる。顔料としては、たとえば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料などの有機系顔料、カーボンブラック、酸化チタン、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルーなどの無機系顔料、アルミニウム粉などの金属粉などが挙げられる。顔料は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤、導電剤などの一般的なトナー用添加剤の1種または2種以上を含有できる。
離型剤としては、たとえば、ワックスを使用できる。ワックスとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。
トナーの体積平均粒径は、特に制限されないけれども、好ましくは2〜7μmである。トナーの体積平均粒径が2μm未満では、トナーの流動性が低下し、現像動作の際に、トナーの供給、撹拌および帯電が不充分になり、トナー量の不足、逆極トナーの増加などが起こり、高画質画像が得られないおそれがある。体積平均粒径が7μmを超えると、中心部分まで軟化し難い大粒径のトナー粒子が多くなるので、未定着トナー像の記録媒体8への定着性が低下するとともに、形成された画像の発色が悪くなり、特にOHPへの定着の場合には、画像が暗くなる。
前述のようなトナーは、公知の製造方法で製造できるけれども、たとえば、着色剤、離型剤などを結着樹脂と溶融混練して粉砕する粉砕法、着色剤、離型剤、結着樹脂のモノマーなどを均一に分散した後、結着樹脂のモノマーを重合させる懸濁重合法、結着樹脂粒子、着色剤、離型剤などを凝集剤によって凝集させ、得られる凝集物の微粒子を加熱する乳化凝集法などが挙げられる。
本実施の形態において、トナーは、顔料以外は次に示す同じ構成を有する。トナーは、ガラス転移点が60℃であり、軟化温度が120℃であり、体積平均粒子径が6μmである負帯電性の絶縁性非磁性トナーである。このトナーを用いて、X−Rite社製310による反射濃度測定値が1.4の画像濃度を得るには、5g/mのトナー量が必要である。トナーは、結着樹脂としてガラス転移点が60℃でありかつ軟化温度が120℃であるポリエステル、離型剤としてガラス転移点が50℃であり、かつ軟化温度が70℃である低分子ポリエチレンワックスおよび各色の顔料を含む。低分子ポリエチレンワックスは、結着樹脂であるポリエステルよりもガラス転移点および軟化温度の低いワックスである。ワックスの含有率はトナー全量の7重量%であり、顔料の含有率はトナー全量の12重量%であり、残部が結着樹脂であるポリエステルの含有率である。
3、プログラムおよび記録媒体
本発明の第1の実施形態である定着装置6の制御手段は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
CPUを用いてソフトウェアによって前記制御手段を実現する場合、制御手段は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(
random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリなどの記憶装置(記録媒体)などを備える。
上述した機能を実現するソフトウェアである定着装置の定着制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記定着装置の制御部に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって、定着ローラ表面の傷の発生を防止できる定着装置を実現することが可能である。
前記記録媒体としては、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、画像形成装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。通信ネットワークとしては、特に限定されず、たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、たとえば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
以下に実施例および比較例を挙げる。実施例1および比較例1では、芯金として厚さ3mmのアルミニウムに厚さ2mmのシリコーンゴム層を設け、更に30μmのPFAチューブを被覆した外径が50mmの定着ローラと、芯金として厚さ3mmのアルミニウムに厚さ2mmのシリコーンゴム層を設けて、更に厚さ30μmのPFAチューブを被覆した外径が50mmの加圧ローラと、厚さ2mmのアルミニウム製で外径が16mmの圧接ローラおよびポリイミド製で厚さ90μmの基材上にPTFEを約20μmの厚さでコートした外部加熱ベルトを含む外部加熱手段とを含む定着装置を用いた。クリーニングニップ幅は約3mmであり、クリーニングウェブの巻取り量は3mmであった。
〔実施例1〕
クリーニングニップ部85にトナー塊を噛みこませた状態で、検出された外部加熱ベルト71の温度が150℃に到達した時点で定着ローラ50の回転を開始し、定着ローラ50表面の温度が190℃に到達した時点をウォームアップの完了とする条件において、定着ローラ50の回転に先立ち、クリーニングウェブ81の巻き取りを行った。
〔比較例1〕
前述の条件において、定着ローラの回転に先立ち、クリーニングウェブの巻き取りを行わなかった。
(評価)
実施例1および比較例1で用いた定着ローラ表面の傷の有無を確認することで実施例1および比較例1を評価した。定着ローラの傷を確認する方法としては、単位面積あたりの記録媒体の重さである坪量が64g/mの紙と坪量が250g/mの比較的表面が平滑な紙とに、トナー付着量が1.0mg/cmとなるようなイエロー、マゼンタ、シアンの3層からなるべた画像を印字して、定着ローラ表面の傷(定着ローラ表面を被覆している離型層(PFAチューブ)に対して定着ローラ周方向に入った傷)に起因する傷が印字された画像にあるかどうかを目視で確認した。画像の傷は、画像が形成された部分において、傷の周囲との表面性の違いによって光沢ムラとなって現れる。この傷は、表面性の良好な光沢紙および定着の際の圧力が高くなる厚紙を用いて出力した際、特に顕著に確認される。
評価基準は以下のとおりである。
○:良好。印字された画像に傷が確認されない。
△:やや不良。印字された画像に傷がわずかに確認される。
×:不良。印字された画像に傷が顕著に確認される。
評価結果を表1に示す。
Figure 2009265193
表1によれば、クリーニングウェブの巻き取りを行った実施例1は、何れの紙においても画像上に傷が発生することはなかった。巻き取りを行わなかった比較例1は、64g/mの紙では、傷が僅かに確認され、250g/mの紙では顕著な傷が確認された。単位面積あたりの重さが重い紙、すなわち厚紙の方が顕著な傷ができる理由としては、用いた厚紙の表面平滑性が良好だったこと、厚紙を出力する際には、定着の圧力が高くなること、厚紙に対して充分にトナーを定着するために、定着温度を高めに設定し、かつ通紙の速度を64g/mの紙と比べて半減させたので、画像上において、厚紙には顕著な傷(光沢ムラ)が確認されたと思われる。このことから、本発明の定着装置で画像を形成すると、定着ローラ表面の傷に起因する定着不良を起こすことなく良好な画像を形成できることがわかる。
本発明の第1の実施形態である定着装置6の構成を概略的に示す断面図である。 本実施形態において、制御手段による定着動作開始時の定着装置の処理手順を示すフローチャートである。 本実施形態において、制御手段による定着動作開始時の定着装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態である画像形成装置1の構成を模式的に示す概略断面図である。 図4に示す画像形成装置1のトナー像形成手段2の構成を拡大して示す断面図である。
符号の説明
6 定着装置
50 定着ローラ
60 加圧ローラ
76 第1サーミスタ
90 第2サーミスタ
70 外部加熱手段
54 定着部材加熱手段
80 クリーニング装置
81 クリーニングウェブ
82 送出しローラ
83 ウェブ圧接ローラ
84 巻取りローラ

Claims (12)

  1. 未定着トナー像を担持した記録媒体を加熱し、前記未定着トナー像に含まれるトナーを溶融させて前記未定着トナー像を記録媒体に定着させる定着部材と、
    定着部材に圧接し、定着部材との間に圧接部を形成するようにして設けられ、前記圧接部に搬送される未定着トナー像を担持した記録媒体を加圧する加圧部材と、
    定着部材の外方からその周面に接するように設けられて、前記周面を加熱する外部加熱手段と、
    定着部材の表面の温度を検出する定着部材温度検出手段と、
    定着部材の表面を清浄化する定着部材クリーニング手段と、
    制御手段とを備え、
    定着部材クリーニング手段は、
    定着部材表面に圧接して、前記表面を清浄化するクリーニング部材を含み、
    クリーニング部材は、定着部材とクリーニング部材とが圧接されることによって形成されるクリーニングニップ部に接しながら移動可能に構成され、
    制御手段は、
    定着部材を移動させようとするとき、前記検出手段で検出される定着部材の表面の温度が所定温度未満であれば、クリーニング部材を移動させ、その移動後に定着部材が移動するように制御することを特徴とする定着装置。
  2. 前記所定温度は、前記未定着トナー像に含まれるトナーの軟化温度であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. クリーニングニップ部おいてトナーを検出するトナー検出手段を含み、
    制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、前記定着部材温度検出手段で検出される定着部材表面の温度が所定温度未満であり、かつトナー検出手段によってトナーが検出される場合に、クリーニング部材を移動させ、その移動後に定着部材が移動するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記圧接部に搬送される未定着トナー像を担持した記録媒体の枚数を検出する累積枚数検出手段を含み、
    制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、前記定着部材温度検出手段で検出される定着部材表面の温度が所定温度未満であり、かつ累積枚数検出手段によって検出される前回クリーニング部材が移動してから搬送された記録媒体の枚数が所定の枚数を超える場合に、クリーニング部材を移動させ、その移動後に定着部材が移動するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  5. 定着部材の回転した回数を検出する回転回数検出手段を含み、
    制御手段は、定着部材を移動させようとするとき、前記定着部材温度検出手段で検出される定着部材表面の温度が所定温度未満であり、かつ回転回数検出手段によって検出される前回クリーニング部材が移動してから定着部材の回転した回数が所定の回数を超える場合に、クリーニング部材を移動させ、その移動後に定着部材が移動するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  6. 前記のクリーニング部材の移動後に、定着部材を少なくとも1回転させた後、クリーニング部材を再度移動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着装置。
  7. クリーニング部材は、定着部材の表面に接触して前記表面を清浄化するクリーニングウェブであり、
    定着部材クリーニング手段は、クリーニングウェブと、クリーニングウェブを送り出す送出しローラと、回転駆動可能に支持されて、クリーニングウェブを定着部材に圧接させるウェブ圧接ローラと、クリーニングウェブを巻き取る巻取りローラとを含み、
    巻取りローラでクリーニングウェブを巻き取る巻取り量は、少なくともクリーニングニップ部おける定着部材の周方向の幅以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の定着装置。
  8. 定着部材クリーニング手段は、定着部材の回転方向において、外部加熱手段より上流側でクリーニングウェブが定着部材表面に接触するようにして設けられることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 外部加熱手段は、定着部材表面に圧接するようにして設けられるベルト部材を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の定着装置。
  10. 像担持体を含み、像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    未定着トナー像を記録媒体に定着させる請求項1〜9のいずれか1つに記載の定着装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の定着装置を動作させるためのプログラムであって、前記定着装置の制御手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする定着制御プログラム。
  12. 請求項11に記載の定着制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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