JP4660383B2 - ハーネス余長吸収機構 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスを略半環状に湾曲させ、湾曲部を拡縮させてワイヤハーネスの余長を吸収する常時給電用のハーネス余長吸収機構に関するものである。
図20〜図21は、従来のハーネス余長吸収機構の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
このハーネス余長吸収機構71は、ケース72内にワイヤハーネス73をループ状に湾曲させてケース72の一方の開口74と他方の開口75から導出させ、ケース内でワイヤハーネス73のループ部73aを板ばね76で拡径方向に付勢して成るものである。
図22(a)〜(b)に示す如く、このハーネス余長吸収機構71は自動車のフロントドア77に装着され、図22(a)のドア77の閉じ時に、図20の如くケース内でワイヤハーネス73が拡径し、図22(b)のドア77の開き時に、図21の如くケース72からワイヤハーネス73が引き出されてケース内でループ部73aが縮径する。ワイヤハーネス73の一方は電源側に接続され、他方はドア内の補機に接続される。各図で符号78はワイヤハーネス73を車両ボディ79に固定するための係止クリップを示す。
このハーネス余長吸収機構71はドア77ではなく車両ボディ79に搭載することも可能となっている。また、板ばね76に代えてコイルばねをケース内のワイヤハーネス73に装着し、コイルばねの付勢力でワイヤハーネス73をケース内に引き込むことも可能となっている(特許文献2参照)。
上記以外のハーネス余長吸収機構としては、例えば特許文献3において、自動車のスライドドア用のハーネス余長吸収機構(図示せず)が提案されている。このハーネス余長吸収機構は、ケース内にワイヤハーネスを板ばねの付勢のもとで略半円状に屈曲させて収容し、ケースの前部開口からワイヤハーネスの一方をスライドドア側の補機に向けて導出させ、ケースの下部開口からワイヤハーネスの他方を車両ボディ側に向けて揺動自在に導出させたものである。
スライドドアの閉じ時にワイヤハーネスは車両ボディ側の固定部を支点に後方に引き出され、スライドドアを開けるに伴ってワイヤハーネスの余長が板ばねで吸収され、スライドドアの開き時にワイヤハーネスは固定部を支点に前向きに引き出される。
特開平10−181473号公報(図6〜図8) 特開平10−181476号公報(図5) 特開2001−354085号公報(図4)
しかしながら、上記従来の図20のハーネス余長吸収機構71にあっては、ケース内でワイヤハーネス73が交差するために、交差した部分でワイヤハーネス73が相互に擦れて摩耗しやすいという問題があった。また、ワイヤハーネス73をループ状に拡縮させるために、伸縮ストロークを大きく設定しようとすると、ワイヤハーネス73が小さく縮径されてワイヤハーネス73に大きな曲げ負荷がかかり、耐久性が低下したり、ケースが肥大化したりするするために、伸縮ストローク(余長吸収長さ)を大きく設定し難いという問題があった。また、ワイヤハーネス73をケース内にばね部材76で直接的に引き込むために、大きなばね部材76が必要で、機構が肥大化し、ばね部材76の形状も限定されてしまい、また、金属製のばね部材76がワイヤハーネス73に直接接触するために、ワイヤハーネス73の被覆が摩耗しやすいという問題があった。また、ばね部材76によって部品点数が増加し、機構が肥大化したり、解体時に合成樹脂製のケース72と分別するための工数を要したり、ばね部材としてコイルばねを用いた場合にワイヤハーネス73をコイルばねに通さなければならず、組付性が悪化するといった問題もあった。
本発明は、上記した点に鑑み、ワイヤハーネスが交差して擦れて摩耗したり、ワイヤハーネスが縮径した際に無理な曲げ負荷がかかったりすることがなく、余長吸収長さを増加させると共に、構造をコンパクト化することのできるハーネス余長吸収機構を提供することを目的とする。それに加えて、ハーネス付勢用のばね部材がワイヤハーネスに接触して摩耗等を生じたり、ばね部材の大きさや形状が限定されることがなく、しかも確実且つ迅速にワイヤハーネスを伸縮させることのできるハーネス余長吸収機構を提供することを目的とする。
請求項に係るハーネス余長吸収機構は、杆部と該杆部の先端側に設けられた湾曲状の頭部とで成るハーネスガイド部材が該杆部の先端側で回動自在になるように該杆部の基端側で軸支され、該ハーネスガイド部材が該頭部の突出反対方向に位置する該杆部の基端側で内向きに付勢手段で付勢され、ワイヤハーネスが該ハーネスガイド部材の該杆部から該頭部に沿って配索され、該ワイヤハーネスの一方が該ハーネスガイド部材の該杆部の基端側で固定側のハーネス部分に続き、該ワイヤハーネスの他方が該ハーネスガイド部材の該頭部を経て可動側のハーネス部分に続き、該ワイヤハーネスの引き出し力が解除されると、該ワイヤハーネスは該付勢手段の付勢力で引き込まれて余長が吸収されることを特徴とする。
上記構成により、例えばハーネス収容部内でハーネスガイド部材が付勢手段でハーネス引き込み方向に付勢され、ハーネスガイド部材と一体的にワイヤハーネスが回動しつつ例えばハーネス可動側の開口から収容部内に引き込まれて余長吸収される。また、ワイヤハーネスに引き出し方向の力が作用した際に、ハーネスガイド部材と一体的にワイヤハーネスが逆方向に回動して例えばハーネス可動側の開口から引き出される。
また、頭部に沿ってワイヤハーネスが大きな半径で湾曲状に屈曲され、小さな半径での屈曲が阻止される。頭部はハーネス屈曲規制部として作用する。ハーネスガイド部材が例えばハーネス収容部内に回動した際(余長吸収時)に、ワイヤハーネスは頭部から大きな屈曲半径で滑らかに折り返されてハーネス収容部内で大きな半径で屈曲する。
請求項に係るハーネス余長吸収機構は、請求項記載のハーネス余長吸収機構において、前記ワイヤハーネスが不完全環状の湾曲部を有し、前記ワイヤハーネスの一方が直交方向の真直部となって前記固定側のハーネス部分に続くことを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスを例えばハーネス収容部から引き出す際に、ハーネス収容部内でワイヤハーネスの湾曲部が真直部を支点としてハーネスガイド部材と一体的に揺動して引き出されつつ、真直部が周方向に捻回してワイヤハーネスの揺動を吸収する。また、ワイヤハーネスがハーネスガイド部材と一体的に例えばハーネス収容部内に引き込まれつつ真直部が逆方向に捻回して捻れを解消する。
請求項に係るハーネス余長吸収機構は、請求項又は記載のハーネス余長吸収機構において、前記ハーネスガイド部材にハーネス配索溝が形成されたことを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスが例えばハーネス収容部内でハーネスガイド部材のハーネス配索溝内に安定に位置決め支持されて、ワイヤハーネスの引き出し及び引き込み(余長吸収)が確実に行われる。
請求項に係るハーネス余長吸収機構は、請求項記載のハーネス余長吸収機構において、該ハーネス配索溝がハーネス収容部の内壁面で閉止されたことを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスがハーネス配索溝の内面とハーネス収容部の内壁面とで囲まれて外れ出しなく安定に保持され、且つハーネス配索溝内でハーネス収容部の内面との擦れ等なく安全に保護される。
請求項に係るハーネス余長吸収機構は、請求項の何れかに記載のハーネス余長吸収機構において、前記付勢手段が捩りコイルばねであることを特徴とする。
上記構成により、捩りコイルばねが例えばハーネスガイド部材の軸支側(基端側)に弾設され、捩りコイルばねの一端がハーネスガイド部材に、他端が例えばハーネス収容部の内面にそれぞれ弾接する。捩りコイルばねはハーネスガイド部材の内側の切欠空間に配置することが可能である。
請求項に係るハーネス余長吸収機構は、請求項の何れかに記載のハーネス余長吸収機構において、前記付勢手段が、ハーネス収容部の内壁面に円弧帯状に配設された傾斜部であり、該傾斜部が該ハーネス収容部の外側から内側に向かうにつれて漸次厚さを減少させたものであることを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスの引き込み時(余長吸収時)にハーネス収容部の傾斜部がハーネスガイド部材に弾性的に押接して、ハーネスガイド部材をハーネス引き込み方向に回動させる。傾斜部は例えばハーネス収容部の壁部の弾性で弾性力を付与される。ワイヤハーネスの引き出しは傾斜部の付勢に抗して行われる。ハーネスガイド部材は幅狭な円弧帯状の傾斜部に低摩擦でスムーズに摺接する。
請求項に係るハーネス余長吸収機構は、請求項記載のハーネス余長吸収機構において、前記傾斜部がスリットで前記内壁面から分離されたことを特徴とする。
上記構成により、傾斜部がスリットでハーネス収容部の壁部から分離されて片持ち又は両持ち支持された板ばねとなる。板ばね状の傾斜部によって弾性力が高められる。
請求項に係るハーネス余長吸収機構は、請求項の何れかに記載のハーネス余長吸収機構において、前記付勢手段が、前記ハーネスガイド部材の基端側に設けられた螺旋状の傾斜面と、前記ハーネス収容部に設けられ、該傾斜面に弾性的に押接する突部とで構成されたことを特徴とする。
上記構成により、突部が螺旋状の傾斜面を弾性的に押圧することで、ハーネスガイド部材が傾斜面の螺旋方向に回動してハーネス収容部内に引き込まれ、これによりワイヤハーネスの余長が吸収される。突部はハーネス収容部と一体の板ばねに一体成形することが好ましい。螺旋状の傾斜部はハーネスガイド部材の軸支部を中心として配置することが好ましい。
請求項記載の発明によれば、ワイヤハーネスをハーネスガイド部材と一体的に迅速に引き込むことができ、余長吸収性が高まると共に、ハーネスガイド部材と一体的にワイヤハーネスを回動させて迅速に且つ摩擦や擦れなく引き出すことができ、ワイヤハーネスの傷みが防止される。また、ハーネスガイド部材の付勢手段として種々の形態のばね部材や付勢機構を適宜用いることができるから、従来のばね部材によるハーネス収容部内のスペースの拡大が防止され、コンパクトなハーネス余長吸収機構を得ることができる。また、ワイヤハーネスをハーネスガイド部材で支持することで、付勢手段が直接ワイヤハーネスに接触することがないから、ワイヤハーネスの摩耗や傷付きの心配がない。
また、ハーネスガイド部材の頭部でワイヤハーネスの屈曲半径が大きく規制されるから、ワイヤハーネスの屈曲耐久性が向上する。また、頭部から導出されたワイヤハーネスが例えばハーネス収容部内で大きな半径で屈曲するから、ハーネス余長吸収ストロークが増大し、且つハーネス収容部内のデッドスペースが減少してハーネス収容部のコンパクト化が可能となる。
請求項記載の発明によれば、例えばハーネス収容部内でのワイヤハーネスの屈曲動作と真直部の捻回動作の組み合わせにより、ハーネス収容部内の空間が活用されて(デッドスペースが減少して)、ハーネス収容部のコンパクト化が可能となり、且つ大きな伸縮ストロークが得られて余長吸収長さが増大する。
請求項記載の発明によれば、例えばハーネス収容部内でワイヤハーネスがハーネスガイド部材のハーネス配索溝で安定に位置決め支持されて、余長吸収がスムーズ且つ確実に行われる。また、ワイヤハーネスとハーネス収容部の内面との摩擦が低減され、ワイヤハーネスの引き出しや引き込みが小さな力で且つ異音等なくスムーズに行われる。
請求項記載の発明によれば、ワイヤハーネスがハーネス配索溝内に外れ出しなく保持
されるから、ワイヤハーネスをハーネスガイド部材に固定する必要がなく、そのための工
数やテープやバンド等の部品が削減され、ハーネス余長吸収機構の組立作業性が向上する
と共にコストが低減される。また、ワイヤハーネスがハーネス配索溝内で安全に保護され
るから、常時給電の信頼性が高まる。また、メンテナンス時や廃棄時にワイヤハーネスを
ハーネス配索溝から簡単に取り出すことができるから、メンテナンス性や解体作業性が向
上する。
請求項記載の発明によれば、従来の長い板ばね等が不要で、短い捩りコイルばねでハーネスガイド部材を確実に付勢することができ、例えばハーネス収容部内の省スペース化
によりハーネス余長吸収機構のコンパクト化が可能となる。
請求項記載の発明によれば、付勢手段である傾斜部を例えばハーネス収容部の壁部に一体に樹脂成形することで、別体のばね部材が不要となり、部品点数及びコストが低減される。また、解体時に別体の金属製のばね部材を分離しなくてもよいから、解体作業性が向上する。
請求項記載の発明によれば、板ばね状の傾斜部によってハーネスガイド部材が一層確実にハーネス引き込み方向に付勢され、余長吸収が確実に行われる。
請求項記載の発明によれば、付勢手段を例えばハーネス収容部の壁部に一体に樹脂成形することで、別体のばね部材が不要となり、部品点数及びコストが低減される。また、解体時に別体の金属製のばね部材を分離しなくてもよいから、解体作業性が向上する。また、付勢手段の配置スペースが少なくて済み、ハーネス余長吸収機構がコンパクト化される。
図1は、本発明に係るハーネス余長吸収機構の第一の実施形態を示すものである。
このハーネス余長吸収機構(装置)1は、矩形箱状の薄型のケース(ハーネス収容部)2と、ケース内に略半環状(不完全な環状)に湾曲して収容されるワイヤハーネス3とを備えたものである。
ケース2は合成樹脂を材料として、上側のカバー4と下側のケース本体5とで構成されている。ケース本体5は前後左右の壁部と下側の壁部とで囲まれて内側にハーネス収容空間を有している。カバー4は前後左右の壁部と上側の壁部とで構成され、ケース本体5の外側に被着され、ケース本体5に係止枠片と係合突起、係止突起と係合孔等といった組み合わせの係止手段(図示せず)で係止される。なお、カバー4は板状の上壁のでみ構成されたものであってもよい。
ケース2の一側壁6の一端部にハーネス導出用の一方の開口7が設けられ、一側壁6の中央に隣接してカバー4の上壁8にハーネス導出用の他方の開口9が設けられている。なお、明細書中で上下前後左右の方向性は説明の便宜上のものであり、必ずしもハーネス余長吸収機構(装置)1の装着方向と一致するものではない。
一方の開口7からケース内に導入されたワイヤハーネス3はケース内で水平な底壁面10に沿って略半環状に湾曲して他方の開口9の真下まで達し(湾曲部を符号12で示す)、開口の真下で上向きに直交方向に屈曲して(屈曲部を符号14で示す)、他方の開口9に向けて底壁面10から垂直に立ち上げられて(立ち上げ部である真直部を符号11で示す)、開口9から外側に導出されている。図1におけるワイヤハーネス3の「略半環状」とは、環状に近い略円形で円周の一部にワイヤハーネスが存在しない、すなわちワイヤハーネス3が交差したりラップしたりしない不完全な環状状態を言う。
図1の円内に示す如く、ワイヤハーネス3の真直部11を中心(軸心)としてワイヤハーネス3の湾曲部(屈曲部)12がケース内を矢印Aの如く揺動するように縮径ないし拡径する。それと同時に真直部11が周方向に捩れ(捻回)動作を行う。真直部11は、他方の開口9側でカバー4の外側に突設した板部(固定部)13にバンドやテープ巻き等で固定される。固定部13の形態は板状に限らず、バンドを通して締結する孔部等であってもよい。
ワイヤハーネス3は一方(可動側)の開口7から引き出されてケース内で縮径し、且つ一方の開口7から押し込まれて又は引き込まれてケース内で拡径して、ハーネス余長を吸収する。引き込まれる場合はワイヤハーネス自体の剛性(ばね性)によって自ら引き込まれる。押し込まれる場合は可動体(図示せず)のハーネス押し込み方向の移動によって強制的に押し込まれる。可動体としては例えば自動車のフロントドアやバックドアやスライドドアやスライドシート等が挙げられる。
上記余長吸収機構(装置)1をスライドシートに適用する場合は、例えばケース2を垂直に立ててシート(図示せず)に配置し、固定側のハーネス部分3aをシート側の補機等にコネクタ接続し、可動側のハーネス部分3bをフロア側のワイヤハーネスにコネクタ接続する。ケース2の一側壁6’を大きくスリット状に開口させ、可動側のハーネス部分3bを90度方向に屈曲させてフロア側に接続し、シートスライドに伴って開口内で可動側のハーネス部分3bを前後に揺動させてもよい。この形態については後述の例で説明する。
図1において、ワイヤハーネス3は複数本の絶縁被覆電線をテープ巻き又は保護チューブで被覆して構成される。保護チューブは合成樹脂製のコルゲートチューブや網状チューブ等種々のものを使用可能である。特にテープ巻きしたものは剛性(ばね性)が高く、自らの弾性力で自らを拡径させることができる。
上記第一の実施形態によれば、ケース内でワイヤハーネス3を拡縮方向に屈曲させる動作と、ワイヤハーネス3の真直部11を周方向に捻回させる動作との組み合わせにより、ワイヤハーネス3を伸縮させることで、コンパクトなケース2で長い伸縮ストローク(余長吸収量)を確保することができる。また、ケース内でワイヤハーネス3が交差しないから、ワイヤハーネス相互の摩耗が起こらず、常時給電の信頼性が向上する。これらは後述の第二の実施形態においても同様である。
なお、図1の実施形態においては、矩形箱状のケースを用いたが、ケース2の形状をワイヤハーネス3の略半環状の湾曲部の形状に合わせて略円形状ないし略扇状とすることも可能である。
また、ケース2を廃除して、例えばスライドドアのドアインナパネルやドアトリムにハーネス収納用の凹部(ハーネス収容部)を設けたり、スライドシートの内装パネルにハーネス収納用の凹部(ハーネス収容部)を設けて、各凹部の内周壁をケース2の代用として用いることも可能である。この形態例については後述の図16の実施形態で説明する。また、凹部を形成することなく、スライドドア内の空間やスライドシート内の空間(ハーネス収容部)を利用してワイヤハーネス3を拡縮(伸縮)させることも可能である。このようにケース2を廃除することは、後述の各実施形態についても同様に行うことができる。
図2〜図3は、本発明に係るハーネス余長吸収機構(装置)の第二の実施形態を示すものである。
このハーネス余長吸収機構(装置)15は、図1のハーネス余長吸収機構(装置)1にぜんまい式の渦巻きばね(ばね部材又は付勢手段)16を付加したものであり、他の構成は図1のハーネス余長吸収機構(装置)1と同じである。図1と同様の構成部分には同じ符号を付して説明を省略する。図2〜図3はケース2のカバー4(図1)を開けてケース本体5を上側から見た状態を示している。
渦巻きばね16は金属製の板ばねを螺旋状に巻いたものであり、渦巻きばね16の外側端はケース内でワイヤハーネス3の真直部11の近傍に固定され、渦巻きばね16の内側端16aは図2の如く内向きに折り曲げられて、外側のばね部16bの内面スムーズに摺接自在な自由端となっている。外側端16cは例えばケース2の一側壁6の内面側の差し込み部(図示せず)に差し込み固定される。
渦巻きばね16は自由状態で拡径して、図3の如くワイヤハーネス3をケース内に引き込んで余長吸収させる。渦巻きばね16の外向きの付勢力はワイヤハーネス3の半環状(不完全環状)の湾曲部12に矢印Bの如く均一に作用してワイヤハーネス3の余長吸収を確実に且つ迅速に行わせる。渦巻きばね16の自由端16aは固定端16cに続くばね部16bの内面に接線方向に接して、図2の渦巻きばね16の縮径動作をスムーズに行わせる。
図3の状態からドア等の可動体(図示せず)が移動することで、図2の如くワイヤハーネス3がばね付勢に抗して直線的に引き出され、渦巻きばね16はケース内でワイヤハーネス3と共に縮径する。ワイヤハーネス3の湾曲部12は垂直な真直部11を支点に可動側の開口7にかけて半円状に縮径される。
例えばハーネス余長吸収機構(装置)15を自動車のフロントドア又は車両ボディに搭載し、ワイヤハーネス3の可動端17を車両ボディ又はフロントドアに配索して、車両ボディ側からフロントドア側に常時給電を行う場合、図2はフロントドアの開き時の状態、図3はフロントドアの閉じ時の状態となる(従来例の図18参照)。
また、ハーネス余長吸収機構(装置)15を自動車のスライドドア又は車両ボディに搭載し、ワイヤハーネス3の可動端17を車両ボディ又はスライドドアに配索して、車両ボディ側からスライドドア側に常時給電を行う場合、可動端(可動側のハーネス部分)17の位置にもよるが、図2はスライドドアの閉じ時の状態、図3はスライドドアの開き時の状態となる。これらは図1の実施形態においても同様である。余長吸収機構(装置)15はスライドシートにも適用できることは言うまでもない。これらにおいて、図1の形態例で説明したようにケース2を廃除してスライドドアやスライドシートの各凹部等(ハーネス収容部)で代用することも可能である。
なお、第二の実施形態において、渦巻きばね16に代えて湾曲状の板ばね等(図示せず)を用いることも可能である。板ばねを用いる場合は、板ばねの基端を渦巻きばね16の基端16cと同じ位置に固定し、板ばねの自由端が外部に突出しないように、自由端を図3のワイヤハーネス3の湾曲部12に沿って基端16cから180゜反対側ないしそれ以下の角度で位置させる。板ばねの自由端には樹脂製のキャップを装着することがワイヤハーネス3との摺動性を高める(摩耗を防ぐ)上で好ましい。但し、板ばねを用いた場合は、ワイヤハーネス3がケース内で図3のように大きく拡径せず、板ばねの自由端からワイヤハーネス3が直線的に開口7に向かう傾向となるから、渦巻きばね16を用いた場合よりもハーネス余長吸収長さが短いものとなる。また、渦巻きばね16の外側の端部16cをケース2に固定させずに自由端として、渦巻きばね16をワイヤハーネス3の湾曲部12の内面で保持させることも可能である。
上記第二の実施形態によれば、図3の如く渦巻きばね16でワイヤハーネス3をケース内に均一な力で大きく拡径させて確実且つ迅速に余長吸収することができる。渦巻きばね16が拡径して、ワイヤハーネス3の半環状(不完全環状)な湾曲部12がケース2の内面に達するまで大きく拡径されるから、ケース2のハーネス収容空間18を最大限に利用したワイヤハーネス3の引き込みすなわち余長吸収を行うことができる。また、図2の如くハーネス引き出し時に渦巻きばね16が小さく縮径され、且つ縮径された渦巻きばね1
6でワイヤハーネス3が支持されてそれ以上の引き出しが阻止されるから、ケース内で渦巻きばね16が無駄なスペースをとらず、ケース2のコンパクト化が可能となる。
図4〜図5は、本発明に係るハーネス余長吸収機構(装置)の第三の実施形態を示すものである。
このハーネス余長吸収機構(装置)21は、ケース(ハーネス収容部)22にガイドアーム(ハーネスガイド部材)23を回動自在に設け、ガイドアーム23を捩りコイルばね(ばね部材又は付勢手段24でケース内に向けて付勢し、ワイヤハーネス3をガイドアーム23に沿って配索したものである。
ガイドアーム23は、ケース22と同様に合成樹脂を材料として、真直な杆部25と、杆部25の先端に一体に形成された半円状の頭部26とで構成されている。頭部26は杆部25の先端に対して側方に偏心して配置され、杆部25の一側面25aは頭部26の円弧状の外周面26aに接線方向に滑らかに続いている。ガイドアーム23には、杆部25の一側面25aから頭部26の外周面26aに沿ってハーネス配索溝27が形成されている。ハーネス配索溝27をなくしてガイドアーム23の側面25a,26aでワイヤハーネス3を支持することも可能である。ハーネス配索溝27はガイドアーム23の側面に限らず、後述の図9の例のようにガイドアーム23の上面に設けてもよい。
ガイドアーム23の基端部はケース22の隅部において軸部28でケース22に回動自在に支持されている。軸部28はガイドアーム23又はケース22の底壁29に設けられ、ケース22又はガイドアーム23の孔部に回動自在に係合している。軸部28に捩りコイルばね24の中心のコイル部30が係合支持されていることが好ましい。
ガイドアーム23の杆部25の基端側半部に捩りコイルばね24が装着され、捩りコイルばね24の一方の脚部31はガイドアーム23の杆部25のばね収容部33の内壁面に弾接し、他方の脚部32はケース本体34の側壁35の内面に弾接している。ばね収容部33はガイドアーム23の杆部25にスリット状ないし長方形の開口状に切欠形成されている。捩りコイルばね24は一対の脚部31,32を開く方向のばね力を有している。
ガイドアーム23の基端部(軸部28)の近傍に、ワイヤハーネス3の垂直な真直部11が配置され、真直部11は図1の例と同様に上側のカバー(図示せず)の開口9から上方に導出されている。ワイヤハーネス3は真直部11から直交方向に水平に屈曲してガイドアーム23の杆部25と頭部26とに沿ってケース22の他方の開口36から外部に導出されている。ワイヤハーネス3の可動端には電気接続用のコネクタ37が設けられている。
ケース22は図1の例と同様に矩形箱状のケース本体34とカバー(図示せず)とで構成され、ケース本体34は薄いハーネス収容室を有し、収容室内にワイヤハーネス3とガイドアーム23を一体的に収容可能である。ケース本体34の一側壁35にガイドアーム23の頭部26をワイヤハーネス3と共に外部に突出させる広めの開口36が設けられている。
図4の如く、ワイヤハーネス3が捩りコイルばね24の付勢に抗してケース22の外側に引き出された状態で、ガイドアーム23は軸部28を中心に回動してケース22の一側壁35の内面に沿って位置し、ガイドアーム23の頭部26がワイヤハーネス3と共に開口36から導出される。ワイヤハーネス3はケース22の隅部の真直部11からガイドアーム23の杆部25に沿って真直にケース22の側壁35と平行に位置し、ガイドアーム23の頭部26に沿って比較的大きな半径で滑らかに湾曲して外部に導出されている
。頭部26はワイヤハーネス3の屈曲半径を小さくならないように規制する屈曲規制部として作用する。
図5の如く、ワイヤハーネス3の引き出し力が解除されると、ガイドアーム23が捩りコイルばね24の付勢力でケース内側に向けて回動し、ワイヤハーネス3がガイドアーム23と一体的にケース内に引き込まれて余長吸収される。ワイヤハーネス3はケース内で半環状(不完全環状)の湾曲部(屈曲部)40を形成する。ワイヤハーネス3の垂直な真直部11は周方向に捻回する。
ガイドアーム23の杆部25はケース22の一側壁35とは直交する隣接の壁部38に沿って位置し、ワイヤハーネス3は隣接の壁部38の内面に沿って真直に位置し、他側壁39の近傍で頭部26の外周面26aに沿って円弧状に湾曲しつつケース22の開口36に向けて略1/4円弧状に配索され、開口36から一側壁35に沿って滑らかに屈曲されつつ導出される。
ワイヤハーネス3の可動端にコネクタ37を設けた場合、例えばコネクタ37は図示しない車両ボディ等といった固定体のコネクタに接続され、ケース22がスライドドアやスライドレール等といった可動体に搭載され、可動体の移動に伴って相対的に矢印Cのように進退する。ケース22を固定体に搭載し、コネクタ37を可動体側に接続させることも可能である。コネクタ37をなくしてワイヤハーネス3を固定体側に直接配索することも可能である。
なお、図4〜図5の実施形態において、ばね部材として捩りコイルばね24に代えて板ばねや圧縮コイルばね等を用いることも可能である。板ばねや圧縮コイルばねはガイドアーム23の杆部25の内面とケース22の一側壁35との間に弾設される。また、ケース22の形状を矩形状ではなくワイヤハーネス3の屈曲形状に合わせて略扇状とすることも可能である。また、ワイヤハーネス3の真直部11を垂直に立ち上げる代わりに水平方向に90°ないしそれ以下の角度で(大きな屈曲半径で)なだらかに屈曲させてケース22の前壁38側の開口(図示せず)から外部に導出させることも可能である。また、図4でガイドアーム23の頭部26が開口36から外部に突出(露出)しないように、ケース22を頭部26の突出方向に延長(拡幅)することも可能である。また、ガイドアーム23の形状は上記形態に限らず、例えば半円状ではなく円形の頭部を有するものや、頭部26の突出先端と杆部25の軸支側の基端を直線的に結ぶ部分を有することも可能である。これらは、後述の各実施形態においても適用可能である。また、ケース22を廃除してスライドドアやスライドシート等の凹部等(ハーネス収容部)をケース22の代わりに用いることも可能である。
上記第三の実施形態によれば、ガイドアーム23でワイヤハーネス3をケース内に瞬時に引き込むことができ、余長吸収が速やかに行われるから、可動体との間でのハーネス余長部の挟み込みや噛み込み等が確実に防止される。また、ばね部材24がワイヤハーネス3ではなくガイドアーム23に弾接し、ワイヤハーネス3に直接接触しないから、ワイヤハーネス3の摩耗や傷みの心配がない。また、ばね部材24の長さをガイドアーム23の半分ないしそれ以下に抑えることができるから、ばね部材24の配置スペースが少なくて済み、ばね部材24のコストも低減される。特にガイドアーム23の内側空間にばね部材24を収容することで、ケース内の省スペース化が図られる。また、ケース内でワイヤハーネス3が交差しないから、ワイヤハーネス相互の摩耗が防止される。
図6〜図8は、本発明に係るハーネス余長吸収機構(装置)の第四の実施形態を示すものである。このハーネス余長吸収機構(装置)41は前例(図4〜図5)のハーネス余長吸収機構(装置)21に類似したものであり、前例と同様の作用構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図6の如く、ハーネス余長吸収機構(装置)41は、合成樹脂製のケース22と、ケース内に回動自在に装着された合成樹脂製のガイドアーム(ハーネスガイド部材)23とを備えている。ガイドアーム23は前例と同様に捩りコイルばね等のばね部材24(図4)でケース内に向けて付勢されている。
本例のガイドアーム23は、図9に示す如く、杆部25及び頭部26の各側面ではなく側面と直交する上面すなわちカバー42と接する面にハーネス配索溝27を有している。ハーネス配索溝27の底面はワイヤハーネス3の断面形状に沿って円弧状に形成されている。ハーネス配索溝27は杆部25の真直な溝部27aと頭部26の略円弧状の溝部27bとで構成されている。略円弧状の溝部27bは、真直な溝部27aに接線方向に続く円弧状部27b1と、円弧状部27b1から頭部26の突出先端へ向かう直線気味の部分27b2とで構成されている。頭部26における略円弧状の溝部27bは、ワイヤハーネス3の屈曲半径をそれ以上小さくならないように規制する部分(屈曲半径規制部)として作用する。この屈曲半径規制部によってワイヤハーネス3に過大な曲げ力が負荷されることが防止され、ワイヤハーネス3の屈曲耐久性が高まる。杆部25の基半側には捩りコイルばね等を収容するためのスリット状ないし長方形状のばね収容部33が切欠して設けられる。
図7の如く、ケース(ハーネス収容部)22は矩形箱状のケース本体34と、ケース本体34に覆設される矩形箱状のカバー42とで構成されている。ケース本体34及びカバー42は水平な底壁29又は上壁43と直交して前後両側と他側方とに垂直な壁部を有し、前後の壁部38,44に係止手段である係止突起45又は係合孔46を有している。係止手段の形態はこれらに限られるものではない。
ケース本体34とカバー42との各一側部はガイドアーム23の一側面を露出させるように開口され、この開口47からガイドアーム23の頭部26が突出する。カバー42にガイドアーム23の側面を当接させる停止壁48が設けられている。図4の例のようにケース本体34の側壁35でガイドアーム23を当接停止させることも可能である。
カバー42の上壁43にはハーネス導出用の開口9とそれに隣接してハーネス固定板(固定部)49が設けられている。固定板49は図7のように水平に突出させてもよく、あるいは図1の例のように上向きに垂直に突出させてもよい。開口9はカバー42の一側方に開放され、開口9の真下にガイドアーム23のハーネス配索溝27の基端部が位置し、ハーネス配索溝27の基端部からワイヤハーネス3の真直部11が上向きに開口9に導出される。真直部11はハーネス配索溝内のワイヤハーネス3の水平な真直部50から屈曲部14を経て直交方向に立ち上げ形成されている。真直部11は開口9から出た部分で水平なハーネス固定板49に沿ってクランク状に屈曲される。
ガイドアーム23はその基端部を軸部28(図4)でケース本体34の底壁29に回動自在に支持され、捩りコイルばね24(図4)で内向きに付勢され、捩りコイルばね24の一端は底壁29に固定される。ばね部材に捩りコイルばね24ではなく板ばねや圧縮コイルばねを用いる場合は図4の例のようにケース本体34に開口36をなす一側壁35を設ける。
ガイドアーム23のハーネス配索溝27は上向きに設けられ、カバー42の上壁43の内壁面43aでハーネス配索溝27の上部開口が閉塞されることで、ハーネス配索溝27からのワイヤハーネス3の飛び出しが防止される。ワイヤハーネス3をハーネス配索溝27にバンド等で固定する必要がなく、ワイヤハーネス3をハーネス配索溝27に挿通させるだけの簡単な作業で済み、組立作業性が良好である。
図6,図7のワイヤハーネス3の引き出し時にガイドアーム23がばね付勢に抗して外向きに回動し、カバー42の停止壁48に当接して停止する。ワイヤハーネス3はガイドアーム23と一体的に回動して迅速に引き出される。ワイヤハーネス3の真直部11は周方向に捻回してガイドアーム23の回動を吸収する。ワイヤハーネス3の可動端にはコネクタ37が設けられ、コネクタ37は例えばスライドドアやスライドシートやフロントドア等といった可動体の移動に伴って矢印Cの如く相対的に移動する。
図8の如くワイヤハーネス3の引き出し力を解除することで、ガイドアーム23がケース内に旋回してワイヤハーネス3を一体的にケース内に引き込んで余長吸収させる。ワイヤハーネス3はケース内で半環状(不完全環状)の湾曲部40を形成する。ワイヤハーネス3の真直部11は図7のハーネス引き出し時とは逆方向に捻回してガイドアーム23の揺動を吸収する。図8の引き込み状態よりも図7の引き出し状態にあることが時間的に長い場合は、図7においてワイヤハーネス3の真直部11を初期状態(周方向の捩りのない状態)とすることで、真直部11の捩りを最小限に抑えることができる。
ワイヤハーネス3はガイドアーム23の杆部25に沿ってワイヤハーネス3の引き出し方向とは反対方向に真直に位置し、ガイドアーム23の頭部26の湾曲形状に沿って大きな半径でケース内を屈曲しつつ、ケース22の一側方の横長の開口47の一端側で前向きに屈曲して開口47の他端側に向けて位置し、可動端側のコネクタ37はケース22の前側の壁部38の近傍に位置し、可動体の移動に対応して図8から図7の如く平行移動する。固定体へのコネクタ37の取付や可動体へのケース22の搭載等は図4の例で説明したのと同様であるので省略する。
上記第四の実施形態によれば、ワイヤハーネス3がガイドアーム23のハーネス配索溝27内に保持された状態で、ケース22の底壁29やカバー42の上壁43に摺接することなくガイドアーム23と一体に回動するから、ワイヤハーネス3の摩耗が防止される。また、ガイドアーム23にワイヤハーネス3を固定する必要がないから、組立作業性が向上する。ワイヤハーネス3はアーム付勢用のばね部材24に接触しないことは言うまでもない。ケース内でワイヤハーネス3が交差しないのでワイヤハーネス相互の摩耗が防止されることは勿論である。第四の実施形態においても、ケース22を廃除してスライドドアやスライドシート等の凹部等(ハーネス収容部)で代用することが可能である。
図10〜図12は、本発明に係るハーネス余長吸収機構(装置)の第五の実施形態を示すものである。
このハーネス余長吸収機構(装置)51は、前例(図6)のハーネス余長吸収機構(装置)41において、図10の如くケース(ハーネス収容部)22のカバー42の内面に円弧状に傾斜部(ばね部材又は付勢手段)52を設け、図11の如く傾斜部52をガイドアーム(ハーネスガイド部材)23の杆部25の上部外端の交差部25aに弾接させて、図12の如くばね部材24(図4)を用いずにガイドアーム23を内向きに引き込むようにしたものである。図6の実施形態と同様の部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図10の如く傾斜部52はガイドアーム23の杆部25の頭部寄りの部分に押接するべく矩形状のカバー42の一側端の開口47から直交方向の前壁44にかけて1/4円弧の帯状に形成されている。図10で円弧状の傾斜部52の一側端を符号52a、他側端を符号52b、先端を符号52c、基端を符号52dで示す。図11(図10のD−D断面図)の如く、傾斜部52の肉厚は基端52dから先端52cに向かうにつれて、すなわちカバー42の前壁44から開口47に向かうにつれて漸次厚くなるように設定されている。傾斜部52のカバー前壁側の最も薄い基端部52dの肉厚がカバー42の上壁43の肉厚にほぼ等しくなっている。
カバー42は図7の実施形態と同様に上壁43の一側端を除く三方が垂直な壁部で囲まれたもので、カバー42の上壁43に傾斜部52が設けられており、カバー42の三方の壁部を箱状のケース本体34に係止手段で係止させることで、上壁43がしっかりと固定され、且つ一側端の横長の開口47によってある程度撓み可能となっており、その上壁43に傾斜部52を設けたことで、傾斜部52が弾性的にガイドアーム23の杆部25に接して、前例のばね部材24(図4)の作用をする。ケース22はケース本体34とカバー42とで構成されている。
図10,図11の状態でワイヤハーネス3が外部に引き出され、ガイドアーム23はケース22の一側端の開口47に沿って平行に位置し、ガイドアーム23の頭部26が開口47からワイヤハーネス3と共に外部に突出し、この状態で図11の如くガイドアーム23の杆部25の上部外端の直交するエッジ部25aにカバー42の上壁43の傾斜部52の一番肉厚の厚い部分が矢印Eの下向きと矢印Fの傾斜部長手方向(ガイドアーム回動方向)との付勢力で弾性的に強く当接し、これによってガイドアーム23にケース内に押し込まれる方向の力が作用する。
図10,図11の状態からワイヤハーネス3の引き出し力が解除されると、図12の如くガイドアーム23が傾斜部52の付勢力でケース内に押し込まれつつ基端側の軸部28(図4)を支点に回動して、図10の開口47とは直交するケース前壁44に移動する。ワイヤハーネス3はガイドアーム23と一体的にケース内に引き込まれて余長吸収される。
なお、ケース22の底壁29を車両ボディやドア等といった組付側に接触させないで搭載する場合(ケース22を縦置きにして例えばケース22の前壁44を搭載側に載置する場合)はカバー2ではなくケース本体34の底壁29に付勢部である傾斜部52を設けることも可能である。また、傾斜部52をカバー42の上壁43とケース本体34の底壁29との両方に対向して設けることも可能である。「前後上下」の方向性は説明の便宜上のもであることは言うまでもない。また、傾斜部52を有するカバー42を弾性のある金属材で形成したり、傾斜部52のみを弾性の高い別の樹脂材料で二色成形することも可能である。第五の実施形態においても、ケース22を廃除してスライドドアやスライドシート等の凹部等(ハーネス収容部)で代用することが可能であり、この場合、カバー42として例えばスライドドアやスライドシート等のパネルを使用することができる。
上記第五の実施形態によれば、別部材の金属製のばね部材24(図4)が不要となり、部品点数及びコストが削減される。また、ガイドアーム23が常にカバー42の傾斜部52で下向きに押さえられているから、ガイドアーム23のガタ付きが防止される。ワイヤハーネス3がケース内で交差しない効果や別体の金属製のばね部材24に接触しない効果等は前例同様である。
図13〜図14は、本発明に係るハーネス余長吸収機構(装置)の第六の実施形態を示すものである。
このハーネス余長吸収機構(装置)55は、図10のハーネス余長吸収機構(装置)51におけるカバー42の付勢部である傾斜部(ばね部材又は付勢手段)52を内側と外側の前後一対のスリット56でカバー42の上壁43から分離させたものである。他の構成は図6や図10の実施形態と同様である。同じ作用構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
一対のスリット56の間に傾斜部52が位置している。傾斜部52の一側端を符号52a、他側端を符号52bで示す。各スリット56の一端56aはケース(ハーネス収容部)22のカバー42の一側端の開口47に連通し、傾斜部52の最も厚肉の先端部が自由端52cとなっており、各スリット56の他端56bはカバー42の一側端の開口47とは直交する前端壁44の少し手前で終端し、スリット56の終端56bから前端壁44までの間に鎖線の如く回動したガイドアーム(ハーネスガイド部材)23が位置する。傾斜部52は円弧状の板ばねとなっている。傾斜部52の肉厚は図11の例と同様に、自由端52c側が最も厚く、自由端52cから固定端52dに向かうにつれて漸次薄くなっている。傾斜部52の固定端52dの肉厚がカバー42の上壁43の肉厚にほぼ等しい。
図13,図14で実線で示すガイドアーム23はワイヤハーネス3が引き出された状態におけるもので、ガイドアーム23は図11の例と同様にカバー42の傾斜部52で下向き及び内向き(矢印F方向)に弾性的に付勢されている。この状態からワイヤハーネス3の引き出し力が解除されると同時に、ガイドアーム23が傾斜部52の付勢力でケース内に押し込まれ、ワイヤハーネス3がガイドアーム23と一体的にケース内に引き込まれる。
ワイヤハーネス3は前例同様にケース22のカバー42の上壁43の開口9から導入されてガイドアーム23に沿って配索され、ガイドアーム23の頭部26で屈曲半径を一定に規制されてケース内を大きな屈曲半径で屈曲しつつ一側端の幅広の開口47から外部に導出されてハーネス可動端に続く。ガイドアーム23の進退(回動)時にワイヤハーネス3の垂直な真直部11は開口9内で捻回してガイドアーム23の揺動を吸収する。
なお、傾斜部52をカバー42ではなくケース本体34の底壁に設けたり、カバー42とケース本体34との両方に対向して設けたりすることも可能である。また、カバー42と傾斜部52を弾性の金属材で形成したり、あるいは傾斜部52のみを弾性の金属板で形成することも可能である。また、スリット56の終端56bをカバー42の前壁44まで延長し、図10の例のように傾斜部52(傾斜面のある部分)を前壁44まで延長させることも可能である。逆に、図10の例において傾斜部52を図13の例のように前壁44の少し手前で終端させることも可能である。また、スリット56を一側端の開口47の手前と前壁44の手前とで終端させ、傾斜部52を片持ち支持ではなく両持ち支持させることも可能である。また、ケース22を廃除してスライドドアやスライドシート等の凹部等(ハーネス収容部)で代用することが可能であり、この場合、カバー42として例えばスライドドアやスライドシート等のパネルを使用することができる。
上記第六の実施形態によれば、カバー42の傾斜部52がカバー42とはスリット56で分離されたことで、傾斜部52の撓み性が高まり、傾斜部52がガイドアーム23を一層直接的に強い弾性力で押圧することができるから、ガイドアーム23の押し込み動作すなわちワイヤハーネス3の余長吸収が一層確実に行われる。他の効果は前記各実施形態におけると同様である。
図15は、本発明に係るハーネス余長吸収機構(装置)の第七の実施形態を示すものである。
このハーネス余長吸収機構(装置)58は、図6や図10や図13の実施形態のハーネス余長吸収機構(装置)41,51,55において、ガイドアーム(ハーネスガイド部材)23の基端部に垂直な軸部28を設けると共に、軸部28の周囲に螺旋状の傾斜面60(付勢手段)を有する壁部(ボス部)59を設け、ガイドアーム23を収容するケース本体34の底壁29に、軸部28を回動自在に係合させる孔部61と、孔部61の近傍で螺旋状の傾斜面60を押圧する突部(付勢手段)62を有する板ばね(ばね部材又は付勢手段)63を設けたものである。図4の例の金属製のばね部材24は設けられていない。その他の構成は図6や図10や図13の実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
軸部28は短円柱形状のものであり、軸部28の外周面に一体に螺旋状の壁部59が樹脂成形され、軸部28は螺旋状の壁部59よりも下向きに長く突出している。螺旋状の壁部59はガイドアーム23の底面25bにほぼ同一面で続く低端部60aから螺旋状に肉厚を漸次増して軸部28の周囲を一周し、低端部60aに段差59aを介して隣接して高端部(頂部)60bを有している。ガイドアーム23にはハーネス配索溝27が設けられているが、ハーネス配索溝27は図4の実施形態のようであってもよく、ハーネス配索溝27を形成しないことも可能である。
ケース本体34の底壁29において板ばね63はスリット64で底壁29から分離されて自由状態で底壁29と同一面に位置する。板ばね63の先端に短円柱状の突部62が一体樹脂成形され、突部62は螺旋状の傾斜面60の幅以下の大きさ、すなわち螺旋状の壁部59の外径の半分程度の外径で形成されている。図15のガイドアーム23の引き出し状態で突部62は螺旋状の傾斜面60の頂部60bに当接する位置に設けられている。突部62の先端面は例えば半球面や、螺旋状の傾斜面60に沿う形状の傾斜面や、傾斜面60を横断する方向に線接触するエッジを有するもの等であることが好ましい。
図15においてガイドアーム23の軸部28をケース本体34の孔部61に係合させると同時に板ばね63の突部62が螺旋状の傾斜面60の頂部60bに弾性的に当接しつつ、板ばね63が下方に撓んでケース本体34の外側に突出する。ガイドアーム23の上面はカバー42(図7)の上壁43の内面に低摩擦で摺動自在に接触する。この状態でワイヤハーネス3によるガイドアーム23の引き出し力が解除されると、突部62が板ばね63の力で螺旋状の傾斜面60の頂部60bを強く押圧していることで、ガイドアーム23にケース内側への回動力が作用し、ガイドアーム23が軸部28を中心にケース内に回動し、ワイヤハーネス3がガイドアーム23と一体的にケース内に引き込まれて余長吸収される。
突部62の先端が螺旋状の傾斜面60に弾性的に強く当接することで、突部62に螺旋状の傾斜面60の頂部60bから低部60aに向けて移動する力が作用し、それによって螺旋状の壁部59が図15でガイドアーム23をケース内に引き込む方向に回動する。これは図11〜図12の傾斜部52を用いたばね付勢と同じ原理によるものである。
なお、ケース本体34と一体の板ばね63に代えて別体の金属製の板ばねを用いたり、圧縮コイルばねを用いたりすることも可能である。これらばね部材の先端には突部62を設けておく。また、ケース本体34の底壁29に代えてカバー42(図7)の上壁43に孔部61や板ばね63等のばね部材を設けることも可能である。
また、軸部28を螺旋状の壁部59とは別体にケース本体34の底壁29又はカバー42(図7)の上壁43に設けることも可能であり、この場合、孔部61はガイドアーム23に設ける。また、軸部28の中心と螺旋状の壁部59の中心とは一致させることが好ましいが、両者28,59の中心を一致させずに少しずらして配置することも可能である。
また、ばね部材63による付勢を図4の実施形態のばね部材24の補助として用いることも可能である。ばね部材63による付勢を図11や図13の傾斜部52によるばね付勢の補助として用いることも可能である。また、ケース22を廃除してスライドドアやスライドシート等の凹部等(ハーネス収容部)で代用することが可能であり、この場合、ケース本体34として例えばスライドドアやスライドシート等のパネルを使用することができる。
上記第七の実施形態によれば、ガイドアーム23のばね付勢を省スペースで行うことができると共に、別体のばね部材が不要で、部品点数及びコストが削減される。その他の効果は前例と同様である。
図16〜図19は、本発明に係るハーネス余長吸収機構(装置)の第八の実施形態を示すものである。
このハーネス余長吸収機構(装置)80は、自動車のスライド式のシート81(図19)の内装パネル82をケースの代用とし、ワイヤハーネス3を内装パネル82の内部空間83で拡縮(伸縮)させて、シート81のスライドストロークを吸収するようにしたものである。
内装パネル82はシート用アウタシールドとも呼称され、シート81(図19)の座部84の一側面に垂直(縦置き)に配置され、図16の如く、前後方向に長い空間83を有し、前端側の内壁面85はワイヤハーネス3の略半環状の湾曲部(屈曲部)12に沿う形状の滑らかな湾曲面となっており、最大拡径時の湾曲部12をスムーズに接触させる。前側の湾曲面85は水平な長い上壁86の内面に接線方向に滑らかに続き、内装パネル82の後端側はシート81(図19)の座部84と背もたれとの交差部を覆う湾曲形状部87となっている。
内装パネル82の下端は前端側の湾曲面85に続いて前後方向にスリット状に長く開口し、この長形の開口88からワイヤハーネス3の略水平な可動側のハーネス部分3bの可動端17が下向きに(90度方向に)屈曲して、図16の鎖線及び矢印Gで示す如く前後方向進退自在に導出され、フロア側のワイヤハーネス89にコネクタ接続されている。
内装パネル82の前端内側の湾曲面85の屈曲中心ないしその近傍で、ワイヤハーネス3の湾曲部12に続く固定側のハーネス部分3a(図18)が水平な真直部11(図17)として固定部90を経てシート81の座部84内に導入されている。本例でワイヤハーネス3の湾曲部12は水平な真直部11から上下方向に半時計回りに屈曲して略水平な可動側のハーネス部分3bに続き、可動側のハーネス部分3bはフロア面とほぼ平行に後方に配索されてフロア側ワイヤハーネス89とのコネクタ接続部37に続いている。
シート81のスライド動作に伴って、図17の如くワイヤハーネス3の湾曲部12が垂直方向に拡縮しつつ水平な真直部11が周方向に捩れて(捻回して)湾曲部12の拡縮動作を吸収する。真直部11は固定部90(図16)でシート81に固定されている。ワイヤハーネス3の湾曲動作と捩り動作の組み合わせでコンパクトな内装パネル82内の少ないスペースで長い伸縮ストロークが得られる。
図18(a)(b)の如く、シート側の固定部90は分割式の外側クランプ(軸受)で構成され、外側クランプ90の水平な孔部92に外観略L字状の内側クランプ91の水平で中空な軸部93が周方向回動自在に挿通され、内側クランプ91の軸部93にワイヤハーネス3の真直部11が挿通され、軸部93に直交する内側クランプ91の中空のガイド部94に、真直部11に直交して続くワイヤハーネス3の湾曲部12の始端(基端)側の部分が挿通支持される。外側と内側のクランプ90,91で回転式のクランプ99が構成される。
両クランプ90,91は好ましくは合成樹脂で形成される。外側クランプ90の上下一対の分割クランプ90a,90bは薄肉の外側ヒンジ95で開閉自在に連結され、接合して円孔92となる断面半円形の溝部を有している。内側クランプ91は断面半環状の軸部93と、軸部93に直交して続く樋状のガイド部94とを有し、軸部93の先端には鍔96が設けられ、鍔96とガイド部94の開口端94aとの間で軸部93が外側クランプ90に矢印Hの如く周方向回動自在に保持される。ガイド部94も軸部93と同様にハーネス組込用の開口93aを有している。
外側クランプ90がシート81(図19)の座部84の側面に固定され、シート81のスライド動作に伴って内側クランプ91が軸部93を中心にワイヤハーネス3の湾曲部12と共に垂直方向に回動しつつ、ワイヤハーネス3の真直部11が軸部93と共に周方向に捩られる(捻回する)。
図19(a)の如く、シート81を最も前進させたスライド最前端位置において、シート81の座部84の一側面に外側クランプ90がボルトや係止クリップ等で固定され、内側クランプ91から下向きにワイヤハーネス3の最小径な半円状の湾曲部12が導出され、湾曲部12から水平に可動側のハーネス部分3bが続き、可動側のハーネス部分3bの端末側が下向きにほぼ直角に屈曲してコネクタ37に続き、コネクタ37でフロア側のワイヤハーネス89に接続される。
次いで図19(b)の如く、ワイヤハーネス89の外側に内装パネルであるアウタシールド(ハーネス収容部)82が取り付けられる。図16に示した如く、アウタシールド82は上側と前後両側が周壁(符号86で代用)で覆われ、一側方が垂直な壁部97で覆われて、下側が長形に開口し、下側の開口98から可動側のハーネス部分3bの端末とコネクタ部分37がフロア側に導出されている。
図19(c)の如く、シート81を矢印Jの如く後方にスライドさせることで、アウタシールド82の前側部分の内側でワイヤハーネス3の湾曲部12が拡径しつつ、湾曲部12に交差して続く水平な短い真直部11が周方向(図で時計回り)に捩れて(捻回して)、ハーネス余長がスムーズ且つ確実に吸収される。
図19(c)のシート後退位置からシート81を前進させれば、図19(b)のようにアウタシールド82内でワイヤハーネス3の湾曲部12が縮径しつつ、真直部11が周方向(図で半時計回り)に捩れて、可動側のハーネス部分3bが水平に伸長される。
上記第八の実施形態によれば、シート81のスライド操作に伴うワイヤハーネス3の余長を少ないスペースでスムーズ且つ確実に吸収することができる。また、ワイヤハーネス3の湾曲部12と真直部11との交差部分(湾曲部12の基端側部分と真直部11の先端側部分とを含む部分)を回転式のクランプ99で支持したことで、シート81のスライド動作に伴う湾曲部12の拡縮動作と真直部11の捩り動作がスムーズ且つ確実に行われる。
なお、アウタシールド82を用いずに、ワイヤハーネス3をシート81の内側空間を利用して配索することも可能である。この場合、外側クランプ90は図19(a)とは対称にシート81の座部84の内側面に固定される。
また、回転式のクランプ99として、例えば外側クランプ90を排除し、内側クランプ91を二分割式としてワイヤハーネス3を挟むように保持し、内側クランプ(91)の中空環状の軸部(93)をシート81の側面等の取付側の部分に回動自在に直接支持させることも可能である。要はワイヤハーネス3の湾曲部12と真直部11との交差部分を保持する形態のものであれば回転式のクランプ90として機能する。
また、図16〜図19の実施形態に図2のばね部材16を適用したり、図4〜図15のガイドアーム23や付勢手段52等を適用することも可能である。
本発明に係るハーネス余長吸収機構の第一の実施形態を示す斜視図(円内は要部拡大図)である。 ハーネス余長吸収機構の第二の実施形態を示す平面図である。 同じくハーネス余長吸収機構を示す余長吸収時の平面図である。 ハーネス余長吸収機構の第三の実施形態を示す平面図である。 同じくハーネス余長吸収機構を示す余長吸収時の平面図である。 ハーネス余長吸収機構の第四の実施形態を示す斜視図である。 同じくハーネス余長吸収機構を示す分解斜視図である。 同じくハーネス余長吸収機構を示す余長吸収時の分解斜視図である。 ハーネス余長吸収機構で用いるガイドアームの一形態を示す斜視図である。 ハーネス余長吸収機構の第五の実施形態を示す平面図である。 同じくハーネス余長吸収機構の要部を示す図10のD−D断面図である。 同じく余長吸収途中の状態を示す断面図である。 ハーネス余長吸収機構の第六の実施形態を示す平面図である。 同じくハーネス余長吸収機構を示す斜視図である。 ハーネス余長吸収機構の第七の実施形態を示す要部分解斜視図である。 ハーネス余長吸収機構の第八の実施形態を示す縦断面図である。 同じくワイヤハーネスの動作を示す要部斜視図である。 (a)はワイヤハーネスを支持する回転式のクランプを示す分解斜視図、(b)は同じくクランプの組付状態を示す斜視図である。 (a)はシートにワイヤハーネスを組み付けた状態を示す斜視図、(b)はシート用の内装パネルを組み付けた状態を示す斜視図、(c)はシートをスライドさせた状態を示す斜視図である。 従来のハーネス余長吸収機構の一形態を示す余長吸収時の斜視図である。 同じくハーネス余長吸収機構のハーネス引き出し時の斜視図である。 従来のハーネス余長吸収機構の取付形態の一例を示し、(a)は余長吸収時の平面図、(b)はハーネス引き出し時の平面図である。
符号の説明
1,15,21,41,51,55,58,80 ハーネス余長吸収機構(装置)
2,22 ケース(ハーネス収容部)
3 ワイヤハーネス
3a 固定側のハーネス部分
3b 可動側のハーネス部分
7,9,36 開口
11 真直部
12,40 湾曲部
16 渦巻きばね(ばね部材)
23 ガイドアーム(ハーネスガイド部材)
24 捩りコイルばね(付勢手段)
26 頭部
27 ハーネス配索溝
43a 内壁面
52 傾斜部(付勢手段)
56 スリット
60 螺旋状の傾斜面(付勢手段)
62 突部(付勢手段)
99 回転式のクランプ

Claims (8)

  1. 杆部と該杆部の先端側に設けられた湾曲状の頭部とで成るハーネスガイド部材が該杆部の先端側で回動自在になるように該杆部の基端側で軸支され、該ハーネスガイド部材が該頭部の突出反対方向に位置する該杆部の基端側で内向きに付勢手段で付勢され、ワイヤハーネスが該ハーネスガイド部材の該杆部から該頭部に沿って配索され、該ワイヤハーネスの一方が該ハーネスガイド部材の該杆部の基端側で固定側のハーネス部分に続き、該ワイヤハーネスの他方が該ハーネスガイド部材の該頭部を経て可動側のハーネス部分に続き、該ワイヤハーネスの引き出し力が解除されると、該ワイヤハーネスは該付勢手段の付勢力で引き込まれて余長が吸収されることを特徴とするハーネス余長吸収機構。
  2. 前記ワイヤハーネスが不完全環状の湾曲部を有し、前記ワイヤハーネスの一方が直交方向の真直部となって前記固定側のハーネス部分に続くことを特徴とする請求項記載のハーネス余長吸収機構。
  3. 前記ハーネスガイド部材にハーネス配索溝が形成されたことを特徴とする請求項又は記載のハーネス余長吸収機構。
  4. 前記ハーネス配索溝がハーネス収容部の内壁面で閉止されたことを特徴とする請求項記載のハーネス余長吸収機構。
  5. 前記付勢手段が捩りコイルばねであることを特徴とする請求項の何れかに記載のハーネス余長吸収機構。
  6. 前記付勢手段が、ハーネス収容部の内壁面に円弧帯状に配設された傾斜部であり、該傾斜部が該ハーネス収容部の外側から内側に向かうにつれて漸次厚さを減少させたものであることを特徴とする請求項の何れかに記載のハーネス余長吸収機構。
  7. 前記傾斜部がスリットで前記内壁面から分離されたことを特徴とする請求項記載のハーネス余長吸収機構。
  8. 前記付勢手段が、前記ハーネスガイド部材の基端側に設けられた螺旋状の傾斜面と、前記ハーネス収容部に設けられ、該傾斜面に弾性的に押接する突部とで構成されたことを特徴とする請求項の何れかに記載のハーネス余長吸収機構。
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