JP5318712B2 - アーム給電構造 - Google Patents

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Description

本発明は、プロテクタ内でワイヤハーネスを支持して回動するアームを備えたアーム給電構造に関するものである。
図7〜図9は、従来のアーム給電構造の一形態を示すものである。
この構造は、図7の如く、合成樹脂製のプロテクタベース71とプロテクタカバー72とで成るプロテクタ70と、プロテクタ内に回動自在に軸支された合成樹脂製のメインアーム73と、メインアーム73の先端に回動自在に設けられた合成樹脂製のサブアーム74と、サブアーム74に設けられた合成樹脂製のハーネス固定部75と、メインアーム73を上向きに付勢する金属製のばね部材76(図8)とで構成された給電装置81において、図8の如く、メインアーム73に中実な軸部76を一体に設け、プロテクタベース71に、軸部77の外側で軸部77を回動自在に係合させる筒状の軸受部78を一体に設けたものである。
図7において、プロテクタ70は三つの孔部82〜84にボルト(図示せず)を挿通して自動車のスライドドア(図示せず)のインナパネルにねじ締め固定される。孔部82〜84はプロテクタ70の前端側の上下の各一つと後端上部に一つ配設され、締付中心である前端上部の孔部82はメインアーム73の軸部77やプロテクタベース71の軸受部78よりも前方に位置している。
図8のばね部76は捩り巻きばねで、捩り巻きばね76の巻き部(符号76で代用)が軸受部78の径方向外側に位置し、巻き部76から接線方向に突出した二本の杆部が図7のプロテクタベース71の前端上部の突部79とメインアーム73の突部80とに弾性的に引っ掛けられて固定される。
図8の例で、メインアーム73の軸部77はプロテクタベース71の筒状の軸受部78を貫通して、軸受部78の内側の爪部78aに外周の溝部77aを係合させて回動自在に支持され、軸受部78の外周面にメインアーム73の小径な筒状部85が同心に係合している。軸受部78の径方向外側においてプロテクタベース71に大径な筒状部86が同心に設けられ、筒状部86の外側に捩り巻きばね76の巻き部が配置されている。
図9の如く、メインアーム73は軸部側(基端)が肉厚で、軸部側から先端にかけて漸次テーパ状に薄肉に形成され、板厚方向の高い剛性を有している。メインアーム73の表面はプロテクタカバー72の裏面に近接し、メインアーム73の裏面はプロテクタベース71の表面との間にサブアーム74を挿通させるための隙間87を存している。
図7において、実線のメインアーム73はスライドドアの全開時、鎖線のメインアーム73はスライドドアの全閉時の位置をそれぞれ示している。
上記以外のアーム給電構造(図示せず)としては、例えば特許文献1に、プロテクタベースにリンクアームを回動自在に軸支し、リンクアームにハーネスホルダを回動自在に軸支させ、ハーネスホルダにワイヤハーネスのコルゲートチューブを固定し、ワイヤハーネスの電線部分をリンクアームの裏面側を通してプロテクタベースに沿って外部に導出させたことが記載されている。
特開2009−65814号公報(図1)
しかしながら、上記従来の図7,図8の構造にあっては、メインアーム73の軸部77の前側においてプロテクタ70の前端上部にスライドドアへのプロテクタ70の締付中心である孔部82を配設しなければならないために、メインアーム73の回動スペースを確保するべく、プロテクタ70が図7の特に鎖線88の部位において横長に肥大化してしまうという問題があった。
また、図9の矢印Aの如く、プロテクタカバー72に向けてメインアーム(アーム)73に板厚方向の過大な力が作用した場合に、メインアーム73の軸部77にその力がテコの作用で拡大されて伝わることで、軸部77や軸受部78が破損し兼ねないという懸念があった。
本発明は、上記した点に鑑み、請求項1〜3において、プロテクタの締付中心位置に伴うプロテクタの肥大化を防いでプロテクタをコンパクト化することができ、それに加えて、請求項4〜7において、アームに作用する過度の力による軸部の破損等を防止することのできるアーム給電構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るアーム給電構造は、プロテクタベースとプロテクタカバーとで成るプロテクタ内に回動自在に軸支されたアームを備え、該アームの先端側にワイヤハーネスが固定されるアーム給電構造において、前記アームの基端側に筒状の軸部が設けられ、前記プロテクタベースに、該軸部の内側に係合する筒状の軸受部が設けられ、該軸受部の内側で該プロテクタベースに固定用ボルト挿通用の孔部が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、筒状の軸部の内側空間がボルト頭部とボルト締付具(レンチ等)の収容空間を兼ね(として作用し)、軸部の中心と、軸部に連通したプロテクタベースのボルト挿通用の孔部の中心とが一致し(若干ずれていてもボルトの締付が可能であればよい)、従来、軸部の近傍にボルト挿通用の孔部を設けていた場合に較べて、従来の軸部と孔部との間の距離だけプロテクタベースすなわちプロテクタが短縮されてコンパクト化される。プロテクタベースのみをボルトでスライドドア等の構造体に固定してもよく(プロテクタカバーはプロテクタベースに係止手段で固定される)、あるいはプロテクタベースとプロテクタカバーとをボルトで構造体に同時に共締めしてもよい。
請求項2に係るアーム給電構造は、請求項1記載のアーム給電構造において、前記軸部の一端が前記プロテクタベースの環状の溝部内に摺接自在に係合し、該軸部の他端が前記プロテクタカバーに摺接自在に当接したことを特徴とする。
上記構成により、軸部の一端がプロテクタベースの溝部に係合して径方向に位置決めされることで、軸部と軸受部との片当たりが防止され、軸部の摺動摩耗が低減される。また、軸部の他端がプロテクタカバーに当接して、軸部の軸方向のガタ付きが防止され、プロテクタ内のアームが板厚方向の位置ずれなく、プロテクタカバーとの干渉なくスムーズに回動される。
請求項3に係るアーム給電構造は、請求項1又は2記載のアーム給電構造において、前記プロテクタカバーに、ボルト挿通用の孔部を底部側に有する突出壁が設けられ、前記軸受部の内側に該突出壁が係合してボルトで共締めされることを特徴とする。
上記構成により、プロテクタベースの軸受部内にプロテクタカバーの突出壁が係合して一本のボルトで同時にスライドドア等の構造体に共締めされ、プロテクタベースとプロテクタカバーとが共通のボルトで強固に固定される。突出壁の内側空間はボルト頭部やボルト締付具の収容空間として作用する。軸受部に突出壁が重なることで、軸受部の強度(剛性)が高まる。
請求項4に係るアーム給電構造は、請求項1〜3の何れかに記載のアーム給電構造において、前記アームが板厚方向の可撓性を有し、該アームに板厚方向の力が作用した際に、該アームが撓んで前記軸部への負荷を軽減させることを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネス等に作用する過大な力に対応して、アームが板厚方向に撓んで力を吸収し、軸部への力の伝播が弱まって、あるいはなくなって、軸部の破損や変形等や、軸部と軸受部とのこじりの発生による軸部等の摩耗が防止される。
請求項5に係るアーム給電構造は、請求項4記載のアーム給電構造において、前記アームが前記プロテクタカバーに近接して配置され、該アームに該プロテクタカバー方向の前記力が作用した際に、該アームが板厚方向に撓みつつ該プロテクタカバーに当接することを特徴とする。
上記構成により、アームが撓んで過大な力を吸収すると共に、アームがプロテクタカバーに当接してそれ以上の撓みが阻止され、軸部にかかる負荷が一層軽減される。アームがプロテクタカバーの裾部から露出した場合、裾部を支点にアームの先端側がさらに撓んで力を吸収し、プロテクタカバーにかかる負荷を軽減する。
請求項6に係るアーム給電構造は、請求項4又は5記載のアーム給電構造において、前記アームが、メインアームと、該メインアームに回動自在に軸支され、前記ワイヤハーネスを固定するサブアームとで成り、該サブアームが前記プロテクタベースに近接して配置され、該メインアームに該プロテクタベース方向の前記力が作用した際に、該メインアームが板厚方向に撓みつつ該サブアームが該プロテクタベースに当接することを特徴とする。
上記構成により、メインアームが撓んで過大な力を吸収すると共に、サブアームがプロテクタベースに当接してそれ以上のメインアームの撓みが阻止され、メインアームの軸部とサブアームの軸部とにかかる負荷が同時に軽減される。サブアームは可撓性でなくてもよい。
請求項7に係るアーム給電構造は、請求項4〜6の何れかに記載のアーム給電構造において、前記アームに板幅方向のリブが設けられ、該リブで該アームの回動方向の剛性が高められたことを特徴とする。
上記構成により、アーム(メインアーム)のリブがアームの板幅方向の剛性を高めることで、アームに回動方向の過大な力が作用した際に、アームが捩れ等を生じることなく、力を回動力に変えて板幅方向にスムーズに回動する。
請求項1記載の発明によれば、アームの軸部とボルト挿通用の孔部との中心を一致させたことで、従来の軸部と孔部との間の距離だけプロテクタを短縮してコンパクト化することができ、それにより、自動車のスライドドアの狭いスペースにプロテクタを容易に組み付けることができると共に、スライドドア内の他の部品等のレイアウトの自由度を高めることができる。
請求項2記載の発明によれば、軸部の一端を溝部に係合させ、軸部の他端をプロテクタカバーに当接させて、プロテクタ内で軸部を径方向と軸方向に正確に位置決めすることで、アームの回動をプロテクタカバーとの干渉等なくスムーズに行わせることができる。
請求項3記載の発明によれば、プロテクタカバーの突出壁をプロテクタベースの軸受部内に重ねて配置することで、軸受部の強度を高めることができ、これにより、軸受部に係合するアームの軸部をしっかりと支えることができ、アームの回動をスムーズに行わせることができる。
請求項4記載の発明によれば、ワイヤハーネスの引張等に起因するアーム板厚方向の過大な力をアームが板厚方向に撓むことで吸収して、軸部への負担を軽減し、軸部の破損や軸受部との強い擦れを防いで、アームを常にスムーズに回動させて、給電の信頼性を高めることができる。
請求項5記載の発明によれば、アームの一定以上の撓みをプロテクタカバーで阻止することで、アームへの負荷を軽減しつつ、軸部への負荷を小さく抑えることができ、軸部の破損等を確実に防ぐことができる。
請求項6記載の発明によれば、メインアームの一定以上の撓みをプロテクタベースで阻止することで、メインアームへの負荷を軽減しつつ、メインアームの軸部とサブアームの軸部への負荷を同時に小さく抑えることができ、各軸部の破損等を確実に防ぐことができる。
請求項7記載の発明によれば、アームに板幅方向の過大な力が作用した際に、アームがリブで板幅方向に補強されているから、アームの捩り等を抑え、且つ過大な力をアームの回転力として吸収して、アームや軸部の破損等を防止することができる。
本発明に係るアーム給電構造の一実施形態を示す正面図である。 アーム給電構造の要部を示す斜視図である。 同じくアーム給電構造の要部を示すプロテクタカバーを閉めた状態の斜視図である。 アーム給電構造のプロテクタカバーを閉めた状態の正面図である。 同じくアーム給電構造の動作を示す正面図である。 同じくアーム給電構造を示す縦断面図である。 従来のアーム給電構造の一形態を示す正面図である。 同じく従来のアーム給電構造の要部を示す斜視図である。 同じく従来のアーム給電構造を示す縦断面図である。
図1〜図6は、本発明に係るアーム給電構造の一実施形態を示すものである。
この構造は、図1の如く、合成樹脂製のプロテクタベース3とプロテクタカバー4(図3)とで成るプロテクタ2と、プロテクタ2内に回動自在に軸支された合成樹脂製のメインアーム(アーム)5と、メインアーム5の先端部に回動自在に軸支された合成樹脂製のサブアーム6と、サブアーム6に設けられた合成樹脂製のハーネス固定部7と、メインアーム5を上向きに付勢する金属製のばね部材8(図2)とで構成された給電装置1に関するものである。
上記給電装置1において、図2の如く、メインアーム5の基端(前端)側に円筒状の中空の軸部9を設け、軸部9の内側においてプロテクタベース3に軸部9よりもやや小径な円筒状の軸受部10を摺接自在に設け、軸受部10の内側(底部側)でプロテクタベース3に固定用の孔部11を設けて、図3の如く、孔部11にボルト12を挿通してプロテクタ2をスライドドア(図示せず)のドアインナパネルに固定させることを第一の特徴としている。
このように、メインアーム5の軸部9の中心と、プロテクタ2の締付中心すなわちスライドドアへのプロテクタ2の締付固定位置とを同軸に配置し、軸部9の径Dを孔部11の径dよりも大きくしたことで、図1のプロテクタベース3の鎖線で示す前端部分13が、従来の図7のプロテクタの鎖線で示す前端部分よりも前後方向(長手方向)に短縮されて、プロテクタベース3すなわちプロテクタ2が前後方向(長手方向)にコンパクト化されている。図1ではプロテクタカバー4の図示を省略しているが、図4の如くプロテクタカバー4はプロテクタベース3に沿う形状をしている。
図1の如く、プロテクタベース3は、水平な上端壁14と、上端壁14から後下がりに傾斜した後部傾斜壁15と、上端壁14の湾曲状の前端から垂下した前壁16と、前壁16から後方に湾曲状に続く湾曲壁17と、前壁16の前側に平行に位置する垂直な前端壁18の上半部分と、上半部分にやや前下がりに傾斜して続く前端壁18の後半部分と、これら周壁14〜18に直交して、前端壁18と後部傾斜壁15よりも下方に突出し、前下がりに傾斜した後半の下端19aと水平な前半の下端19bとを有する基板部19とを備えている。
湾曲壁17は図2の軸部9の外側に位置し、軸部9と湾曲壁17との間に、ばね部材である捩り巻きばね8に対する収容空間38が形成されている。図1で前壁16と前端壁18との間にハーネス挿通路21が形成され、ワイヤハーネス(図示せず)の電線部分がバンド等でハーネス挿通路21の上端側のハーネス固定部22に固定される。メインアーム5の軸部9の中心とプロテクタ2の締付中心とが一致したことで、前端壁18が従来の図7のプロテクタの前端壁よりも後退し、それによってプロテクタ2の前後方向のコンパクト化が達成されている。
上端壁14と後部傾斜壁15と前端壁18とでプロテクタベース3の主な周壁が構成され、周壁の要所に、プロテクタカバー4の外周の爪部(図示せず)を係合させる係止枠片23が係止手段として設けられている。プロテクタベース3の垂直な基板部20に図2のボルト挿通用の孔部11が設けられると共に、基板部20に軸受部10や湾曲壁17が立設されている。図1の基板部20の前端下部にプロテクタ固定用の第二の孔部24が設けられ、後部傾斜壁15の外側に第三の孔部25を有するブラケット26が設けられている。
図2の捩り巻きばね8の巻き部(符号8で代用)から接線方向に突出した一対の杆部(図示せず)が、メインアーム5の基端側のフック状の突部26とプロテクタベース3の基板部20の突部27とに係止される。突部27は従来の図7の突部よりも後方に配置されている。
図2の如く、円筒状(環状)の軸部9の内周面が円筒状(環状)の軸受部10の外周面に隙間なく摺接自在に係合している。軸部9はメインアーム5の裏面5aからプロテクタベース3の基板部20に向けて長く突出され、軸部9の先端(一端)9aが、基板部20に設けられた環状の溝部39に摺接自在に係合し、軸受部10の外周面と溝部39の大径側の内周面とで軸部9が安定に位置決め支持されている。
軸部9はメインアーム5の表面5b側にも短く突出し、軸受部10は軸部9の全長に渡って基板部20から突出している。軸受部10の基端(付け根)は基板部20に直交し、軸受部10の内側空間10aがボルト収容部となり、内側空間10aに連通してボルト挿通用の孔部11が軸受部10の中心において基板部20に設けられている。孔部11と軸受部10との間に図3のボルト12の頭部12a側を受ける環状の受け壁(底壁)28が形成されている。
軸部9はメインアーム5の基端側の板幅の略半分程度の直径で、従来の図8の軸部よりも概略三倍程度に大径に形成されている。図2の如く、軸部9の外周面に沿ってメインアーム5の裏面側に捩り巻きばね8の巻き部が配置され、巻き部(8)の外側に湾曲壁17が位置し、メインアーム5は湾曲壁17の突出先端の上を通過して基板部20と平行に後方に真直に延びている。
図3の如く、プロテクタベース3にプロテクタカバー4を組み付けた状態で、プロテクタカバー4の基板部29の裏面(内面)に設けられた円筒状(環状)で有底の突出壁30が、プロテクタベース3の軸受部10の内側に進入係合している。突出壁30の底壁部30aはボルト挿通用の孔部31を有し、本例の孔部31は、底壁部30aに直交する短い環状壁30bの内側に形成され、環状壁30bが基板部20の孔部11に係合し、突出壁30の底壁部30aが軸受部11内の底壁28すなわち基板部20にボルト12で共締めされる。ボルト12はスライドドアパネル(図示せず)の孔部を貫通してパネル裏面のナット(図示せず)に螺合される。
図2のメインアーム5の表面5b側に突出した軸部9の短い環状の基端部(他端)9bは、図3のプロテクタカバー4の基板部29の裏面29aに摺接自在に接し、基端部9bの長さの隙間32がメインアーム5とプロテクタカバー4との間に形成されることで、メインアーム5がプロテクタカバー4に擦れることなくスムーズに回動自在となっている。図2の軸受部10の先端部10bも同様にメインアーム5の表面5b側に突出して図3のプロテクタカバー4の基板部29の裏面29aに当接する。プロテクタカバー4はプロテクタベース3と同様に基板部29の前後及び上端に周壁を有し、周壁に、枠壁23に係合する爪部(図示せず)を有する。
図1の如く、メインアーム5は基端側(軸部9側)が幅広で、先端側が幅狭(先細)に形成され、且つ後述の図6で示す如く、全長に渡って同じ板厚で薄板状に形成されて、板厚方向の可撓性を有している。
これにより、メインアーム5に例えばプロテクタカバー4に向けて板厚方向の過大な力が作用した場合でも、メインアーム5が板厚方向に撓んでその力を吸収し、軸部9への負荷(過大なこじりないし曲げ方向の応力)をかけず、軸部9の破損を防止している。この点が本発明におけるアーム給電構造の第二の特徴である。
図4の如く、プロテクタベース3に裾の短いプロテクタカバー4(鎖線で示す)が組み付けられ、プロテクタベース3とプロテクタカバー4との間にハーネス等の収容空間が形成され、プロテクタベース3とプロテクタカバー4の裾部との間にハーネス等の導出用の略円弧状の開口33が形成され、収容空間内をメインアーム5が軸部9を支点に前後方向に回動する。プロテクタ2はスライドドアに固定され、図4はスライドドアの全閉状態、図5及び図6はスライドドアの全開状態をそれぞれ示している。
ワイヤハーネス34の長手方向中間部がサブアーム6のハーネス固定部7に固定され、ワイヤハーネス34の一方がハーネス固定部7からメインアーム5の裏面側を横断し、プロテクタベース3の基板部20に沿って略S字状に屈曲して前端の挿通路21からスライドドア側に配索され、ワイヤハーネス34の他方がサブアーム6のハーネス固定部7から車両ボディ側のハーネス固定部(図示せず)に向けて前後方向揺動自在に導出される。ハーネス固定部7は、ワイヤハーネス34の合成樹脂製のコルゲートチューブ(符号34で代用)の周方向の凹溝(図示せず)に係合する突条(図示せず)を内周面に有する。サブアーム6へのワイヤハーネス34の固定手段は適宜設定可能である。
図5,図6のスライドの全開状態で、メインアーム5の先端側5cがプロテクタカバー4から露出し、この状態で、ワイヤハーネス34が車室側に向けて強く引っ張られる等して、図6の矢印Aの如く、プロテクタカバー4に向けてメインアーム5に板厚方向の過大な力が作用した場合に、メインアーム5が全長に渡って均一な比較的薄板状で且つ先細形状であり、全長に渡って可撓性を有しているから、メインアーム全体がメインアーム5の表面とプロテクタカバー4の裏面との間の隙間内で板厚方向に弾性的に撓んで、プロテクタカバー4に当接しつつ、プロテクタカバー4の下端4aを支点にメインアーム5の先端側部分5cがさらに大きく外向きに弾性的に撓んで、過大な力を吸収することで、メインアーム5の軸部9に作用する力(応力)が軽減され、軸部9の破損が防止される。
メインアーム5に作用する力が上記よりも小さな場合は、メインアーム全体がメインアーム5の表面とプロテクタカバー4の裏面との間の隙間内で板厚方向に湾曲状に弾性的に撓むことで、(メインアーム5の先端側部分5cがさらに大きく外向きに撓まなくとも)力を吸収して、軸部9の破損が防止される。
図4の鎖線の如くメインアーム5にアーム幅方向の延びるリブ35をアーム長手方向に複数並列に配設することも有効である。アーム幅方向のリブ35はメインアーム5の幅方向の剛性を高めて、メインアーム5をよじれ等なくスムーズ且つ確実に回動させる。アーム長手方向に延びるリブ(図示せず)はメインアーム5の板厚方向の撓みを阻害するので好ましくない。
図6の矢印Bの如くメインアーム5にプロテクタベース3に向かう板厚方向の過大な力が作用した場合は、メインアーム5の裏面側に配置された厚肉な又はリブ(図示せず)で厚肉化されたサブアーム6とプロテクタベース3との間の隙間の範囲内でメインアーム5が板厚方向に撓みつつ、サブアーム6がプロテクタベース3に当接して力を受け止め、それ以上のメインアーム4の撓みを阻止し、メインアーム5を撓みなく支持して、メインアーム5の軸部9やサブアーム6の軸部36(図5)への力の伝播を阻止することで、各軸部9,36の破損が防止される。
また、図4,図5の矢印Cの前後方向の過大な力に対しては、メインアーム5の幅が板厚に較べて略十倍ないしそれ以上に大きく、メインアーム5が幅方向に高い剛性を有しているので、メインアーム5が幅方向に力を受けてメインアーム5の回転力に変換することで、軸部9への力の伝播を阻止して軸部9の破損を防止する。
メインアーム5の例えば裏面5aに幅方向に延びる前記リブ35(図4)を設けてメインアーム5の幅方向の剛性を高めることも有効である。リブ35の数は一ないしそれ以上で、複数の場合は平行に配置することが好ましい。リブ35をメインアーム5の表面5bに設けて、リブ35とプロテクタカバー4の裏面との低摩擦摺動でメインアーム5の回動性を高めることも可能である。
なお、上記実施形態においては、メインアーム5にサブアーム6を連結したが、サブアーム6を排除してメインアーム(アーム)5にハーネス固定部7を一体又は別体に設けた場合においても、上記アーム給電構造である軸部9の構造やメインアーム5の可撓構造を適用することができる。
この場合、図6においてサブアーム6に代えてハーネス固定部7をメインアーム5の裏面側に設け、矢印B方向の力でハーネス固定部7をプロテクタベース3に当接させることも可能である。サブアーム6を用いない場合はメインアーム5の形状をストレート(真直)ではなく下向き湾曲形状や「へ」の字屈曲形状とすることも可能である。特許請求の範囲においてアームとは、メインアーム5とサブアーム6との集合体(組立体)あるいは単体のアーム(図示せず)を指す。また、メインアーム5の材料として合成樹脂以外にばね鋼等の薄板状の弾性の金属材を用いることも可能である。
また、上記実施形態においては、図2の如くばね部材(弾性部材)として捩り巻きばね8を用いたが、捩り巻きばね8に代えて板ばね等(図示せず)を使用することも可能である。また、ばね部材8を排除して、ワイヤハーネス34の剛性で(特にコルゲートチューブを用いた場合に剛性が高まる)メインアーム5を上向き(ワイヤハーネス34の余長吸収方向)に付勢させることも可能である。
また、上記実施形態においては、図6の如くメインアーム5をプロテクタカバー4に平行に近接して配置したが、例えばメインアーム5をプロテクタカバー4とプロテクタベース3との中間に配置することも可能であり、この場合はメインアーム5の弾性撓みのみで矢印A,B方向の過大な力を吸収し、メインアーム5がプロテクタカバー4やプロテクタベース3に当接しない場合もある。
また、上記実施形態においては、プロテクタ2をスライドドアに縦置き(垂直)に配置した例で説明したが、例えばプロテクタ2をスライドドアに代えて車両ボディに横置き(水平)に配置し、プロテクタ2からワイヤハーネス34をスライドドアに前後方向揺動自在に配索する場合においても、上記アーム給電構造を適用することができる。
また、自動車のスライドドア以外に自動車以外の車両のスライドドアや、車両以外の工作機械や試験装置等のスライドドア等に上記アーム給電構造を適用することも可能である。例えばスライドドアはスライド構造体、車両ボディは固定構造体と総称される。
また、上記実施形態においては、図1〜図3のアーム5の軸部9の中心とプロテクタ2の締付中心とを一致させたものにおいて、図4〜図6のアーム5の可撓性で軸部9の破損を防止したとして説明したが、例えば図1〜図3の構成と図4〜図6の構成とを独立して用いることも可能である。この場合、図4〜図6の構成は、「プロテクタベース3とプロテクタカバー4とで成るプロテクタ2内に回動自在に軸支されたアーム5を備え、アーム5の基端側に軸部9が設けられ、プロテクタベース4に、軸部9に係合する軸受部10が設けられ、アーム5の先端側にワイヤハーネス34が固定されるアーム給電構造において、アーム5が板厚方向の可撓性を有し、アーム5に板厚方向の力が作用した際に、アーム5が撓んで軸部9への負荷を軽減させることを特徴とするアーム給電構造。」となる。
本発明に係るアーム給電構造は、例えば自動車のスライドドアにコンパクトなプロテクタの給電装置を搭載したり、ワイヤハーネス支持用の回動アームの軸部の耐久性を高めたりするために利用することができる。
2 プロテクタ
3 プロテクタベース
4 プロテクタカバー
5 メインアーム(アーム)
6 サブアーム
9 軸部
10 軸受部
11 孔部
12 ボルト
30 突出壁
31 孔部
34 ワイヤハーネス
35 リブ
39 溝部

Claims (7)

  1. プロテクタベースとプロテクタカバーとで成るプロテクタ内に回動自在に軸支されたアームを備え、該アームの先端側にワイヤハーネスが固定されるアーム給電構造において、前記アームの基端側に筒状の軸部が設けられ、前記プロテクタベースに、該軸部の内側に係合する筒状の軸受部が設けられ、該軸受部の内側で該プロテクタベースに固定用ボルト挿通用の孔部が設けられたことを特徴とするアーム給電構造。
  2. 前記軸部の一端が前記プロテクタベースの環状の溝部内に摺接自在に係合し、該軸部の他端が前記プロテクタカバーに摺接自在に当接したことを特徴とする請求項1記載のアーム給電構造。
  3. 前記プロテクタカバーに、ボルト挿通用の孔部を底部側に有する突出壁が設けられ、前記軸受部の内側に該突出壁が係合してボルトで共締めされることを特徴とする請求項1又は2記載のアーム給電構造。
  4. 前記アームが板厚方向の可撓性を有し、該アームに板厚方向の力が作用した際に、該アームが撓んで前記軸部への負荷を軽減させることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアーム給電構造。
  5. 前記アームが前記プロテクタカバーに近接して配置され、該アームに該プロテクタカバー方向の前記力が作用した際に、該アームが板厚方向に撓みつつ該プロテクタカバーに当接することを特徴とする請求項4記載のアーム給電構造。
  6. 前記アームが、メインアームと、該メインアームに回動自在に軸支され、前記ワイヤハーネスを固定するサブアームとで成り、該サブアームが前記プロテクタベースに近接して配置され、該メインアームに該プロテクタベース方向の前記力が作用した際に、該メインアームが板厚方向に撓みつつ該サブアームが該プロテクタベースに当接することを特徴とする請求項4又は5記載のアーム給電構造。
  7. 前記アームに板幅方向のリブが設けられ、該リブで該アームの回動方向の剛性が高められたことを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のアーム給電構造。
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