JP4893332B2 - ワイヤハーネスの配索支持装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、スライドドアは開作動時に若干上昇しながら移動し、閉作動時は若干下降しながら移動するため、前記リンク部材を若干上下方向に回転可能としてスライドドアの上下方向に対する変化を吸収する機構が必要となるが、前記特許文献1では上下変化に対応する機構に関しては開示されていない。
前記ワイヤハーネスは、順次連結されるリンク部材の内部を挿通させて、左右方向に屈曲自在にガイドしていると共に、先端に連結された前記リンク部材を前記車体あるいは/およびスライドドアに固定した固定部材に連結して、前記ワイヤハーネスを該固定部材の内部に挿通させており、
前記固定部材は先端開口より前記リンク部材を内嵌する筒部を備え、該筒部の上下両側壁の内面から一対の挟持部を突設していると共に左右両側壁の内面から嵌合部を突設している一方、
前記固定部材の筒部に内嵌する前記リンク部材の上下枠を前記挟持部で挟持して上下方向に回転可能に挟持し、かつ、
前記リンク部材の左右枠に設けた凹部に、前記固定部材の嵌合部を前記リンク部材の上下回転を許容する隙間をあけて嵌合していることを特徴とするワイヤハーネスの配索支持装置を提供している。
また、リンク部材の左右枠に設けた凹部に固定部材の左右両側壁の内面に設けた嵌合部を隙間をあけて嵌合し、リンク部材が上下方向に所要角度回転すると、リンク部材の凹部と固定部材の嵌合部が干渉して、リンク部材がそれ以上上下方向に回転するのを規制している。これにより、スライドドアが全開位置と全閉位置の間の中間位置にあるときにリンク部材が垂れ下がって車体パネルと干渉するのを防止することができる。
前記挟持部は半球状あるいは三角形状としていることが好ましく、半球状の挟持部では円弧面で、三角形状の挟持部では頂点でリンク部材を回転自在に挟持している。
前記リンク部材の凹部は上下方向に細長い長方形状とし、該凹部の前後両側内面に前記三角形状の頂点が常時接触して前後方向から挟持し、先端側の前記上側の斜辺と前記凹部内面の隙間の角度αが前記リンク部材の上向き許容回転角度、先端側の前記下側の斜辺と前記凹部内面との隙間の角度βが前記リンク部材の下向き許容回転角度となる構成としていることが好ましい。
また、固定部材の嵌合部の斜辺の角度でリンク部材の上下方向の回転角度の許容角度を規定しているため、嵌合部の斜辺の角度を変更するだけで上下方向の回転角度が異なる車種にも本発明のワイヤハーネスの配索支持装置を適用することができる。
前記固定部材は左右一対の分割材で形成し、前記リンク部材を挟持してワイヤハーネスを挿通した状態で前記分割材をロック結合し、あるいは、前記分割材の一端側を薄肉ヒンジで連結し、前記リンク部材を挟持した状態で他端をロック結合していることが好ましい。
前記各リンク部材は、前記上下枠と前記左右枠に囲まれた空間をワイヤハーネス挿通空間とし、前記上下枠の一端からピン穴を設けた連結片を突設すると共に、隣接するリンク部材の前記連結片のピン穴に回転自在に嵌合するピンを前記上下枠から突設し、
前記リンク部材は、ワイヤハーネスの配線方向と直交する上下方向の前記ピンを支点として左右方向に回転可能な構成としている。
また、リンク部材の左右枠に設けた凹部に固定部材の左右両側内面に設けた嵌合部を隙間をあけて嵌合しており、リンク部材が上下方向に所要角度回転したときにリンク部材の凹部と固定部材の嵌合部を干渉させて、リンク部材の上下方向の回転角度を規制することができる。これにより、スライドドアが全開位置と全閉位置の間の中間位置にあるときにリンク部材が垂れ下がって車体パネルと干渉するのを防止することができる。
図1乃至図7は本発明の実施形態を示し、自動車用ワイヤハーネスの配索支持装置10(以下、配索支持装置10と称す)は、車体とスライドドアとの間に渡り配索されるワイヤハーネスW/Hを内部に挿通させて車体側で支持するものである。
配索支持装置10は、車体パネル(図示せず)に固定される固定部材11と、該固定部材11に組み付けられるリンク部材12により形成している。
図2に示すように、分割材11AはL形状の左右両側壁11eを備え、左右両側壁11eの水平部分の上下両側に上下両側壁11fを立設すると共に、左右両側壁11eの垂直部分の前後両側に前後両側壁11gを立設し、これら上下両側壁11fと前後両側壁11gを連続させている。
前記上下両側壁11fの内面には、図5に示すように、保持リブ11iと11jの間で、かつ、挟持部11hを設けていない部分に、該挟持部11hの突出量と同厚のゴムからなる弾性片13を取り付けている。
また、分割材11Aの前後両側壁11gの接合面の所要箇所に位置決め突起11oを突設する一方、分割材11Bの前後両側壁には位置決め突起11oが挿入される貫通孔(図示せず)を設けている。
さらに、分割材11Aの上下両側壁11fと前後両側壁11gの外面に係止枠11pを設ける一方、分割材11Bに該係止枠11pに係止される係止爪(図示せず)を設けている。
前記各リンク部材12は、上下枠12aと左右枠12bに囲まれた空間をワイヤハーネス挿通空間とし、上下枠12aの一端からピン穴12dを設けた連結片12cを突設すると共に、他端から上下方向のピン12fを設けた連結片12eを突設し、リンク部材12のピン12fを隣接するリンク部材12のピン穴12dに回転自在に嵌合して連結している。これにより、リンク部材12は、ワイヤハーネスの配線方向と直交する上下方向のピン12fを支点として左右方向に回転可能な構成としている。
また、リンク部材12の左右枠12bの外面には、上端から下端にかけて延在する細長い長方形状の凹部12gを設けている。該凹部12gの前後両側内面12g−1、12g−2はワイヤハーネス配索方向と直交する上下方向に延在し、前後両側内面12g−1、12g−2の前後方向の間隔を固定部材11の嵌合部11kの頂点11k−3間の間隔と一致させている。
なお、スライドドアの開閉に伴うリンク部材12の左右方向の回転作動は、従来例の図9で示した作動と略同様であるため説明を省略する。
また、リンク部材12Aの左右枠に設けた凹部12gに固定部材11の嵌合部11kを嵌合しており、凹部12gの前後両側内面12g−1、12g−2に嵌合部11kの頂点11k−3が常時接触し、リンク部材12Aの前後方向の位置ズレを防止している。
さらに、リンク部材12の上下枠12aに、固定部材11の上下両側壁11fの内面に配置した弾性片13が当接しており、リンク部材12に上下方向の負荷がかからない状態では、該弾性片13によりリンク部材12が固定部材11から水平方向に引き出されるようにしている。
前記リンク部材12を上向き許容回転角度であるα度上方に向けて回転させると、図6に示すように、リンク部材12の凹部12gの前後両側内面12g−1、12g−2と固定部材11の嵌合部11kの斜辺11k−2a、11k−2bがそれぞれ当接し、リンク部材12の上向きへの回転が規制される。このとき、リンク部材12Aの上枠部12aが固定部材11の先端上側の保持リブ11iの先端面11i−1に当接すると共に、リンク部材12Aの下側のピン12fが固定部材11の奥側で下側の保持リブ11jと当接する。即ち、固定部材11とリンク部材12Aを複数箇所で当接させることにより固定部材11にかかる負荷を分散させて、リンク部材12Aの回転角度を確実に規制している。
このように、リンク部材12を上下方向に許容回転角度だけ回転させたときに、固定部材11とリンク部材12Aを複数箇所で当接させることにより固定部材11にかかる負荷を分散させて、リンク部材12Aの回転角度を確実に規制している。
また、リンク部材12の左右枠12bに設けた凹部12gに固定部材11の左右両側壁11eの内面に設けた嵌合部11kを隙間をあけて嵌合し、リンク部材12Aが上下方向に所要角度回転すると、リンク部材12の凹部12gと固定部材11の嵌合部11kが干渉して、リンク部材12Aがそれ以上上下方向に回転するのを規制することができる。
なお、本実施形態では、固定部材11を車体に取り付けているが、スライドドア側に取り付けてもよいし、車体とスライドドアの両方に取り付けてもよい。
本変形例では、固定部材11の分割材11Aと11Bを別体とせず、分割材11A、11Bの一端側を薄肉ヒンジ11qで連結し、前記リンク部材を挟持した状態で他端を係止枠11pと係止爪11rでロック結合している。
なお、他の構成及び作用効果は実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
11 固定部材
11A、11B 分割材
11a 下部水平筒部
11b 垂直部
11c 先端開口
11d 嵌合筒部
11h 挟持部
11k 嵌合部
11k−2 前後両側面
11k−3 頂点
11m フランジ部
12 リンク部材
12a 上下枠
12b 左右枠
12c 連結片
12d ピン穴
12e 連結片
12f ピン
12g 凹部
13 弾性片
Claims (4)
- 自動車の車体とスライドドアとの間に配索するワイヤハーネスの配索支持装置であって、前記ワイヤハーネスは、順次連結されるリンク部材の内部を挿通させて、左右方向に屈曲自在にガイドしていると共に、先端に連結された前記リンク部材を前記車体あるいは/およびスライドドアに固定した固定部材に連結して、前記ワイヤハーネスを該固定部材の内部に挿通させており、
前記固定部材は先端開口より前記リンク部材を内嵌する筒部を備え、該筒部の上下両側壁の内面から一対の挟持部を突設していると共に左右両側壁の内面から嵌合部を突設している一方、
前記固定部材の筒部に内嵌する前記リンク部材の上下枠を前記挟持部で挟持して上下方向に回転可能に挟持し、かつ、
前記リンク部材の左右枠に設けた凹部に、前記固定部材の嵌合部を前記リンク部材の上下回転を許容する隙間をあけて嵌合していることを特徴とするワイヤハーネスの配索支持装置。 - 前記固定部材の筒部の左右両側内面に突設する前記嵌合部は、その上下両面を前記挟持部との間に隙間をあけて対向して設け、該嵌合部の上下両面と連続する前後両側面は長さ方向中央部に頂点を有する三角形状に傾斜させている一方、
前記リンク部材の凹部は上下方向に細長い長方形状とし、該凹部の前後両側内面に前記三角形状の頂点が常時接触して前後方向から挟持し、先端側の前記上側の斜辺と前記凹部内面の隙間の角度αが前記リンク部材の上向き許容回転角度、先端側の前記下側の斜辺と前記凹部内面との隙間の角度βが前記リンク部材の下向き許容回転角度となる請求項1に記載のワイヤハーネスの配索支持装置。 - 前記固定部材の筒部の上下両側壁の内面には、前記挟持部を囲む部分に、該挟持部の突出量と同厚の弾性片を取り付け、前記リンク部材の上下面の一部が前記挟持部と接触すると共に他の部分は前記弾性片と接触させている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネスの配索支持装置。
- 前記固定部材は全体形状がL形状の筒部からなり、前記先端のリンク部材と連結する筒部は下部水平筒部であり、該下部水平筒部の奥端から垂直筒部が立設し、該垂直筒部の上端に前記車体あるいはスライドドアのパネルに設けた取付穴に嵌合する嵌合筒部を設けると共に、該嵌合筒部の下部に固定用のフランジ部を突設し、かつ、
前記固定部材は左右一対の分割材で形成し、前記リンク部材を挟持してワイヤハーネスを挿通した状態で前記分割材をロック結合し、あるいは、前記分割材の一端側を薄肉ヒンジで連結し、前記リンク部材を挟持した状態で他端をロック結合している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの配索支持装置。
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