JP2007159369A - ケーブルのガイド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブルの上下方向および左右方向の角度変位量の多少にかかわらず対応できると共に、ケーブルの斜め方向の変位にも対応できるケーブルのガイド装置を提供する。
【解決手段】車体と、該車体に可動自在に連結される可動部材との間に配索されるケーブルのガイド装置であって、第1リンク11aと第2リンク12の間に第3リンク13を介在させ、第1リンク11aと第3リンク13を左右方向に回転自在に軸着し、第2リンク12と第3リンク13を上下方向に回転自在に軸着して、ケーブル20の上下・左右・斜め方向の角度変化に第2リンク12を追従可能とし、かつ、第1リンク11aを備えた支持材11と第2リンク12に段差部11c、12cを設けて互いに接触させることで第2リンク12の追従可能な回転角度を規制する構成としている。
【選択図】図2

Description

本発明はケーブルのガイド装置に関し、詳しくは、車両のスライドドアと車体との間に架け渡されるケーブルがスライドドアの開閉作動に応じて上下方向・左右方向および斜め方向に角度変化が生じる際に、追従可能にケーブルをガイドするものである。
自動車のドアにはパワーウインドやドアロック等の電装品が搭載されており、これら電装品には常時給電するためのケーブル(ドアハーネス)が接続され、該ケーブルは車体側へと配索されて、車体側で電源側のケーブルと接続されている。
前記ドアがスライドドアの場合、スライドドアの開閉作動時にスライド方向と直交する上下方向および左右方向に移動するスライドドアがある。よって、該スライドドアと車体との間に配索されるケーブルも左右方向および上下方向の角度が変化されることとなる。
前記スライドドア側から車体側に架け渡される前記ケーブルは車体側で固定支持されるが、該支持部において前記ケーブルの上下方向、左右方向、斜め方向の角度変化に追従できる機構を設ける必要がある。
この種のガイド装置として、特開2004−40862号公報(特許文献1)では図12に示す装置が提案されている。該装置では、車体とスライドドアとの間に架け渡されるケーブルを複数のリンク部材1を連結したケーブルガイド2で外装し、該ケーブルガイド2の一端を車体に固定される支持部材3に連結し、ケーブルガイド2に挿通したケーブルを支持部材3の内部を挿通させて配索している。
前記支持部材3とケーブルガイド2の先端のリンク部材1aとは水平方向の連結ピンP1で軸着してリンク部材1を支持部材3に対して上下方向に首振り可能に連結し、ケーブルの上下方向の角度変化に追従させている。一方、ケーブルガイド2の隣接するリンク部材1同士は垂直方向の連結ピンP2により軸着して、左右方向に回転可能に連結し、ケーブルの左右方向の角度変化に追従できる構成とされている。
即ち、ケーブルガイド2のリンク部材1同士を連結するピンP2の軸着方向と、ケーブルガイド先端のリンク部材1と支持部材3とを連結するピンP1の軸着方向とを直交方向とすることで、ケーブルの上下方向と左右方向の角度変化に追従できる機構とされている。
自動車のスライドドアは閉鎖状態から開放状態へとスライドされるのに伴って上下方向に対して斜めに傾斜していくように構成されているが、この傾斜角度は車種によって異なる。更に、ケーブルのガイド装置の車両への取付位置や取付角度も相違する。
特許文献1では、ケーブル支持部材3にケーブルガイド2の先端のリンク部材1aを上下方向に首振り可能に連結し、該上下首振りするリンク部材1aに対して前後方向に順次連結していくリンク部材1を互いに左右首振り可能に連結している。即ち、先端のリンク部材1a内を通るケーブルは上下方向に首振りされるが左右方向に首振りが出来ず、左右方向の首振りはリンク部材1aに連結される次ぎのリンク部材1からとなる。
よって、ケーブル支持部材3に近接した位置では左右の首振りはできず、リンク部材内でケーブルにねじれが生じることとなる。また、上下方向の首振りと左右方向の首振りが異なる連結部でされているため斜め方向への動作が無く、ケーブルの斜め方向の動きになめらかに追従することができないと共に、車種毎にケーブルガイド装置の取付位置や取付角度の検討に時間がかかる。
特開2004−40862号公報
本発明は前記問題を解決せんとするもので、ケーブルの上下方向および左右方向の角度変位量の多少にかかわらず対応できると共に、ケーブルの斜め方向の角度変化にも対応でき、よって、車両への取付位置や取付角度が若干相違してもケーブルの角度変化に十分に対応できるケーブルのガイド装置を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、車体と、該車体に可動自在に連結される可動部材との間に配索されるケーブルのガイド装置であって、
前記ケーブルを挿通させる角度調整用の矩形筒状の第1リンク、第2リンク、該第1リンクと第2リンクの間に介在させる円環状の第3リンクを備え、該第3リンクに90度間隔をあけて嵌合部を設け、該嵌合部は対向する一対の嵌合部を第一嵌合部とすると共に、該第一嵌合部と直交方向の一対の嵌合部を第二嵌合部とする一方、
前記第1リンクに前記第3リンクの第一嵌合部と第一方向に回転自在に嵌合する一対の被嵌合部を設ける一方、第2リンクには前記第3リンクの第二嵌合部と第二方向に回転自在に嵌合する一対の被嵌合部を設け、
前記第1リンクと第2リンクとが第3リンクに対して直交方向に回転可能な構成としていることを特徴とするケーブルのガイド装置を提供している。
本発明は、前記したように、第1リンクおよび第3リンクと第2リンクおよび第3リンクを回転自在に軸着し、上下・左右方向の回転を同一円周上で行うことによって、上下・左右方向の回転を同時に行わせて、斜め方向のケーブルの移動にも追従可能としている。
よって、特許文献1で開示されているような支持部材と先端のリンク部材との間でのみ上下方向に所定角度範囲内で変換すると共にリンク部材同士の連結で左右方向に所定角度範囲内で変換できる支持装置と比較して、斜め方向へも回転可能となり、傾斜角度が異なる車種にも適用でき、汎用性の点で優れたものとなる。
また、特許文献1では、支持部材と先端のリンク部材との間で上下方向の角度変化のみを行い、左右方向への角度変化がなされないため、この部分でケーブルの捻じれが発生してケーブルに過負荷が掛かるおそれがあるが、本発明のガイド装置では、上下方向と左右方向、さらには上下および左右方向に同時に回転することにより斜め方向への角度変化も同時に行えるので、ケーブルに捩れを発生させず、ケーブルの保護を図ることができる。
さらに、本発明のガイド装置では、上下方向、左右方向、斜め方向の角度変化のいずれにも広範囲に対応できるため、該ガイド装置を車体等へ取り付ける場合には車体等への取付位置や取付角度に詳細な検討を行う必要がなく、製造時における組付性を高めることができる。
前記第1リンクおよび第2リンクの前記被嵌合部を設けた対向辺は円弧状突片として突出させると共に直交辺に円弧状窪みを設け、前記第1リンクの円弧状突片は第2リンクの円弧状窪みと隙間をあけて対向させると共に、前記第2リンクの円弧状突辺は第1リンクの円弧状窪みと隙間をあけて対向させ、これら第1リンクと第2リンクの円弧状突片で囲まれた内部に前記第3リンクを配置し、
前記第1リンクと第2リンクの対向する4隅に角度規制用の段差部を設け、これら段差部が接触すると第1リンク、第2リンクの回転が規制される構成としてもよい。
前記構成とすると、第1リンクの円弧状突片と第2リンクの円弧状窪みあるいは第1リンクの円弧状窪みと第2リンクの円弧状突片の外周が円弧形状となっているため、上下および左右方向に回転した際に例え接触したとしても、円弧状突片と円弧状窪みが摺接しながら回転し、滑らかにケーブルに追従することがきる。
なお、円弧状の窪みとせずに貫通穴としても良いが、その場合には塵埃が侵入し易くなるため、外面が閉鎖した窪みとすることが好ましい。
また、第1リンクに対する第2リンクの左右・上下方向の回転は、第1リンクと第2リンクの段差部を接触させることで規制しているため、段差部同士の隙間を調整することで、上下、左右方向の回転角度を制御することができる。
例えば、隙間を大きくすることで角度変位量を広範囲に設定でき、角度変位量が変位する方向において相違する異なる車種にも適用できる。一方、隙間を設定値小さくすることで回転角度を所定角度範囲に規制することもでき、ケーブルが過剰な屈曲や捻れによって損傷するのを防止することができる。
前記第1リンクと第2リンクのいずれか一方の角度調整用リンクを車体あるいは/および前記可動部材に取り付けられる支持材と一体化し、該支持材の内部を前記角度調節用リンクを挿通するケーブルを挿通して外部に引き出している一方、
対向する二辺部に夫々係止部と被係止部を設けたリンクを複数備え、隣接配置する一方のリンクの係止部に他方のリンクの被係止部を回転自在に係止して、複数のリンクを前記第一方向に回転可能に順次連結している連鎖材を設け、
該連鎖材の先端のリンクと前記第1リンクと第2リンクのいずれか他方とを前記第一方向に回転自在に連結するのが好ましい。
即ち、ケーブルを貫通させた状態で車体あるいは/および可動部材に取り付けられる支持材のケーブル挿入口に前記角度調整用リングを取り付けて、ケーブルの屈曲・変位に角度調整用リングを追従させることで、支持材の内部でケーブルに捩れ等を発生させないようにしている。
該構成とすると、車体と可動部材との間に架け渡されるケーブルの外装材として、リンク部材を連鎖状に連結した連鎖材を用いた場合、第1リンクと第2リンクの相対回転により、連鎖材では変位させることができない方向への角度変化を行うことができる。
即ち、連鎖材のリンク部材同士が左右方向にのみ回転可能とした場合に、第1リンクと第2リンクで上下方向の回転および斜め方向の回転も可能となる。
前記支持材は筒形状で、その一側面に設けたケーブル挿入口となる第一開口に前記角度調整用リンクを突設していると共に、該第一開口と直交する上面にケーブル引出口となる第二開口を備え、該支持材を車体あるいは/および可動部材に固定されるブラケットに、上下軸線を中心として回転可能に取り付けてもよい。
前記構成とすると、ブラケットに対して支持材が上下軸線を中心として左右方向に回転可能となるため、連鎖材同士あるいは第1リンクと第2リンクの相対回転では回転できない方向への角度変化が可能となり、角度変位量をさらに広範囲に設定することができる。
前記のように支持材に角度調整用リングを取り付ける代わりに、車体と可動部材の間に配索されるケーブルの外装材に、角度調整用リングを介在させて、ケーブルの屈曲や変位に追従させてもよい。
即ち、対向する二辺部に夫々係止部と被係止部を設けたリンクを複数備え、隣接配置する一方のリンクの係止部に他方のリンクの被係止部を回転自在に係止して、複数のリンクを前記第一方向に回転可能に順次連結した連鎖材を備え、
前記連鎖材の隣接配置するリンクの一部に前記角度調節用の第1リンク、第2リンクおよび第3リンクを介在させ、前記第1リンクと第2リンクに前記連鎖材のリンクと前記第一方向に回転可能に連結する係止部あるいは被係止部を設けてもよい。
前記のように、車体と可動部材との間に配索するケーブルを外装する連鎖材自体に上下、左右、斜め方向のガイド機能を付与すると、任意の中間位置でケーブルの上下、左右、斜め方向の角度変化に第1リンク、第2リンクおよび第3リンクの回転により追従することができ、車体および可動部材側に取り付けるケーブル支持装置にケーブルの屈曲に追従する機能を持たせる必要がなくなる。
前記連鎖材の間に角度調整用リンクを介在させる外装材は、車体とスライドドアとの間に配索されてスライドドアの開閉作動に応じて角度変化するケーブルに外装し、ケーブルの角度変化に前記連鎖材を構成するリンクおよび角度調節リンクが回転して追従させる場合に好適に用いられる。
前記ケーブルは導電材を平行配置して絶縁樹脂シートでラミネートしたフラットケーブルでも良いし、被覆丸電線でもよい。
前述したように、本発明によれば、第1リンクと第3リンク、第2リンクと第3リンクをそれぞれ回転自在に軸着し、上下・左右方向の回転を同一円周上で行うことによって、上下・左右方向の回転を同時に行うことができるので、斜め方向のケーブルの移動にも追従可能としている。
また、上下方向、左右方向、斜め方向の角度変化のいずれにも広範囲に対応できるため、該ガイド装置を車体等へ取り付ける場合には車体等への取付位置や取付角度に詳細な検討を行う必要がなく、製造時における組付性を高めることができる。
さらに、第1リンクに対する第2リンクの左右・上下方向の回転は、第1リンクと第2リンクの段差部を接触させることで規制しているため、段差部同士の隙間を調整することで、上下、左右方向の回転角度を制御することができる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7は、本発明の第一実施形態を示し、第1リンク11aを有する支持材11と、第2リンク12と、支持材11の第1リンク11aと第2リンク12の間に介在する第3リンク13とを備えるケーブルのガイド装置10(以下、ガイド装置10と称す)は、自動車の車体(図示せず)に固定されるブラケット14に付設し、車体に対してスライド自在に連結されたスライドドア(図示せず)との間に架け渡して配索されるケーブル20を外装する連鎖材15の先端に連結している。
前記ガイド装置10では上下・左右・斜め方向の回転を可能とし、連鎖材15では左右方向の回転を可能として、前記ケーブル20の屈曲作動に追従できるようにしている。
前記車体に固定するブラケット14は第一ブラケット16と第二ブラケット17とからなり、前記支持材11を前記第一、第二ブラケット16、17により垂直軸回りに回転可能に支持している。
ガイド装置10の支持材11は、図2(A)(B)に示すように、断面矩形の筒形状とし、一端に第一開口11bを設け、該第一開口11bの周縁から角度調整用リンクとなる矩形筒状の第1リンク11aを段差を設けて突設している。
第1リンク11aの上下壁の先端には左右両側に角度規制用の段差部11cを設けて一対の円弧状突片11dを突設し、該円弧状突片11dの略中央に真円形状の貫通孔からなる被嵌合部11eを穿設しており、該被嵌合部11eに後述する第3リンク13を回転自在に軸着している。一方、第1リンク11aの左右側壁の先端には半円形状の凹部からなる一対の円弧状窪み11fを切り欠いて設けている。
支持材11の他端は前記車体に固定するブラケット14への取り付け側となり、このブラケット14への取り付け側の他端面は水平断面で円弧面の閉鎖面とし、第一開口11bと直交する上面に真円形状のケーブル引出口となる第二開口11gを設けている。該第二開口11gは前記第一開口11bと中空部S1を介して連通し、第一開口11bから挿入されるケーブル20を90度屈曲させて第二開口11gより外部に引き出すようにしている。
前記第二開口11gの周縁には回転軸となる円環形状のリブ11hを上方に向けて突設し、第二開口11gと対向する下面側には回転軸となる水平断面真円形状の軸部11iを下方に向けて突設している。
第2リンク12は断面矩形の筒形状とし、対向する両側面に中空部S2に連通する第一開口12aと第二開口12bを設けている。後述する第3リンク13との連結側となる第二開口12b側の左右側壁先端には上下両側に段差部12cを設けて一対の円弧状突片12dを突設し、該円弧状突片12dの中央に真円形状の貫通孔からなる被嵌合部12eを穿設している。一方、第二開口12b側の上下壁先端には半円状の凹部からなる円弧状窪み12fを切り欠いて設けている。
また、第2リンク12の上下壁の第一開口12a側先端に連結片12gを突設し、該連結片12gに真円形状の貫通孔からなる被係止部12hを穿設し、該被係止部12hに連鎖材15の先端リンク部材18Aを回転自在に軸着している。
前記支持材11と第2リンク12とを後述する第3リンク13で連結した状態では、図2(A)に示すように、第1リンク11aの円弧状突片11dと第2リンク12の円弧状窪み12fが隙間をあけて対向されると共に、第1リンク11aの円弧状窪み11fと第2リンク12の円弧状突片12dが隙間をあけて対向される。これにより、支持材11の第1リンク11aと第二リンク12との境界位置には、円弧状突片11d、12dで囲まれた中空部S3が形成される。
支持材11の第1リンク11aと第2リンク12の円弧状突片11d、12dで囲まれた中空部S3には中空部S6を有する円環状の第3リンク13を配置している。第3リンク13の外周面には90度間隔をあけて断面真円形状のピン状突起からなる嵌合部を設けており、対向する上下一対の嵌合部を第一嵌合部13aとする一方、該第一嵌合部13aと直交方向の左右一対の嵌合部を第二嵌合部13bとしている。
図3(A)に示すように、第3リンク13の第一嵌合部13aは第1リンク11aの一対の被嵌合部11eと左右方向(第一方向)に回転自在に軸着する一方、図3(B)に示すように、前記第3リンク13の第二嵌合部13bは第2リンク12の被嵌合部12eと上下方向(第二方向)に回転自在に嵌合している。即ち、第3リンク13は第1リンク11aおよび第2リンク12の被嵌合部11e、12eに保持されると同時に、第1リンク11aと第2リンク12が第3リンク13に対して直交方向に回転可能な構成としている。
図4(A)(B)に示すように、第2リンク12が第3リンク13を介して第1リンク11aに対して上下・左右方向に回転すると、第2リンク12の段差部12cが対向する第1リンク11aの段差部11cに接触することで、第2リンク12の上下・左右方向の回転角度を規制している。
図1および図5に示すように、前記ケーブル20を内部に挿通する連鎖材15は、多数のリンク部材18を順次軸着した構成とし、この連鎖材15の先端リンク部材18Aに第2リンク12を重ね合わせて軸着して連結している。これにより、第2リンク12に対して連鎖材15を左右方向(第一方向)に角度変化可能(左右方向に首振り可能)に連結している。
連鎖材15を構成する各リンク部材18は中空部S4を有する断面矩形の筒形状とし、対向する上下壁の前後方向の一方に円状の被係止部18aを設けると共に、他方に係止部18bを設け、一のリンク部材18の係止部18bを隣接するリンク部材18の被係止部18aに嵌合させて、複数のリンク部材18を互いに左右方向に回転自在に連結している。
ケーブル20に外装した連鎖材15のうち先端リンク部材18Aの係止部18bを第2リンク12に設けた連結片12gの被係止部12hに嵌合させて回転自在に軸着している。このように連結することで、連鎖材15は左右方向(第一方向)へ屈曲可能としている。なお、リンク部材18同士および先端リンク部材18Aと第2リンク12とは別体のピンを用いて回転自在に軸着してもよい。
前記支持材11を付設する車体に取り付けたブラケット14は、前記したように、第一ブラケット16と第二ブラケット17とからなる。図6に示すように、第一ブラケット16は支持材11を回転自在に挟持して支持する上下枠状の支持枠16aと、上下の支持枠16aを連結すると共に、該支持枠16aの左右両側から側方に突出する板状の車体固定部16bとを備えている。第一ブラケット16の中央には上下の支持枠16aと左右両側の車体固定部16bとで囲まれた略矩形状の開口部16cを設けている。支持枠16aの左右方向の中央には支持材11のリブ11hと軸部11iの外面に沿う円弧状の凹部16dを切り欠いて設け、該凹部16dの左右両側には、第二ブラケット17との連結用の係止孔16eを設けている。また、第一ブラケット16の車体固定部16bにボルト穴16fを設けている。
支持材11を挟持する他方の第二ブラケット17は、支持材11を回転自在に挟持して支持する厚肉板状の支持部17aと、該支持部17aの左右両側から側方に突出する薄肉板状の車体固定部17bと、支持部17aの上側から上方に突出する筒部17cとを備えている。支持部17aの中央に支持材11の第二開口11g側の円弧状の端部に沿う凹部17dを設け、該凹部17dの上下に凹部17dよりも小径で支持材11のリブ11hと軸部11iの外面に沿う円弧状の凹部17eを設けている。凹部17dの上部に設けた凹部17eは上方の筒部17cの中空部S5と連通させている。また、中央の凹部17dの左右両側は第一ブラケット16側にいくに従って左右に広がる傾斜面17iとすると共に、上下の凹部17eの左右両側には、第一ブラケット17の係止孔17eに挿入係止される係止片17fを設けている。また、車体固定部17bにはボルト穴17gを設けている。さらに、支持部17aから上方に突出する筒部17cの上端には中空部S3に挿通させたケーブル20をテープ巻き固定する固定片17hを突設している。
支持材11を第一ブラケット16の開口部16cに通して支持材11のリブ11hと軸部11iを第一ブラケット16の凹部16dに嵌合させた状態で、第二ブラケット17の係止片17fを第一ブラケット16の係止孔16eに挿入係止して、第一ブラケット16と第二ブラケット17とを連結している。このとき、支持材11のリブ11hと軸部11iが第一ブラケット16の凹部16dと第二ブラケット17の凹部17eによって左右方向に回転自在に狭持されている。
この状態で、図5に示すように、第二ブラケット17の筒部17cの中空部S5、支持材11の中空部S1、第1リンク11aと第2リンク12の円弧状突片11d、12dで囲まれた中空部S3、第2リンク12の中空部S2、連鎖材15の中空部S4を連通させている。
前記のように、第1リンク11aを備えた支持材11と、第2リンク12と、第1リンク11aと第2リンク12との間に介在する第3リンク13とからなるガイド装置10の一端側を、第一、第二ブラケット16、17からなる車体側のブラケット14に付設すると共に、他端側を連鎖材15に連結して組み立て、連鎖材15、ガイド装置10、ブラケット14の内部に、スライドドアと車体との間に配索する電線を複数本結束したケーブル20を挿通させている。
即ち、連鎖材15、第2リンク12、第3リンク13、支持材11で形成された連通する中空部S4、S2、S6、S1に挿入したケーブル20を90度屈曲させて支持材11の第二開口11gから第二ブラケット17の筒部17cの中空部S5へと通し、筒部17cの上端から引き出したケーブル20を固定片17hにテープT巻き固定している。
さらに、車両への取り付け時には、連通させた第一、第二ブラケット16、17のボルト穴16f、17gに図示しないボルト(止め具)を通してブラケット14を車体パネルに固定している。
ブラケット14の第二ブラケット17の筒部17cから引き出した側のケーブル20は車体側に配索されてフロアハーネス(図示せず)とコネクタ接続される一方、連鎖材15で外装した側のケーブル20は、車体とスライドドア間に架け渡すように配索されてドアハーネス(図示せず)とコネクタ接続している。これにより、ケーブル20を介してフロアハーネスとドアハーネスとを電気的に接続している。
前記構造とすると、第2リンク12と連結している連鎖材15は左右方向にのみ屈曲するが、第2リンク12が第3リンク13に対して上下方向に回転自在に連結していると共に、第3リンク13が第1リンク11aに対して左右方向に回転自在に連結しているので、第3リンク13を介して第1リンク11aと第2リンク12とが上下および左右方向に回転自在となっており、上下方向と左右方向に同時に回転させることで、斜め方向のケーブル20の移動にも対応可能となっている。
例えば、スライドドアが左右方向に変化し、ケーブル20も左右方向に変位する場合には、第3リンク13の第一嵌合部13aが第1リンク11aの被嵌合部11e内で回転することにより、連鎖材15のみによる左右方向への角度変位と比較して大きな範囲で左右方向の角度が変化して、ケーブル20の左右方向の変化に追従する。
また、第2リンク12の段差部12cと支持材11の段差部11cが干渉して第2リンク12の角度を規制している。これによりケーブル20が大きく屈曲して損傷するのを防止している。
なお、ケーブル20が左右方向に変位する場合には、支持材11もブラケット14に対して左右方向に回転してケーブル20に追従する。該支持材11の左右方向の回転角度は支持材11が第二ブラケット17に設けた傾斜面17iと干渉することにより所要角度に規制される。
また、スライドドアが上下方向に変化し、ケーブル20も上下方向に変位する場合には、第2リンク12が第3リンク13の第二嵌合部13bを軸として上下に回転することにより前記連鎖材15では不可能であった上下方向の角度変化が生じてケーブル20の上下変位に追従する。このときも同様に、第2リンク12の段差部12cと支持材11の段差部11cが干渉して第2リンク12の回転角度を規制している。
さらに、スライドドアがスライド時に傾斜して、ケーブル20も傾斜角度が変位する場合には、第2リンク12が上下方向に回転すると同時に第3リンク13が左右に回転することにより、連鎖材15の角度が変わり、ケーブル20の斜め方向への角度変位に追従する。
このように、本発明のガイド装置10を用いることで、ケーブル20の上下、左右、斜め方向の角度変化に第2リンク12および第3リンク13の回転で追従出来ると共に、その変位量も大きいため、他車種にも用いることができる。
なお、本実施形態では、ガイド装置10を車体に固定するブラケット14に付設しているが、車種によってはスライドドア側に設けることもでき、さらにまた、車体とスライドドアの両方に設けてもよく、車体とスライドドアの両方に設けるとさらにケーブルの可動範囲を広くすることができる。
図8乃至図11は、本発明の第二実施形態を示す。
本実施形態では、図8に示すように、第1リンク31と、第2リンク12と、第1リンク31と第2リンク12の間に介在する第3リンク13とからなるガイド装置30を、車体やスライドドアに固定するブラケットに付設するのではなく、車体とスライドドアに架け渡すケーブル(図示せず)に外装する連鎖材15’の中間位置に設けている。
図9(A)(B)に示すように、第1リンク31は中空部を有する断面矩形の筒形状とし、対向する上下壁の前後方向の一方に左右両側に段差部31aを設けて一対の円弧状突片31bを突設すると共に、他方に一対の連結片31cを突設している。円弧状突片31bに円状の貫通孔からなる被嵌合部31dを穿設し、連結片31cには断面真円形状のピン状突起からなる係止部31eを設けている。また、第1リンク31の左右側壁には、円弧状突片31bを設けた端部側に円弧状窪み31fを切り欠いて設けている。
第1リンク31の連結片31cに設けた係止部31eを隣接する先端リンク部材18Aの被係止部18aに嵌合させ、互いに左右方向に回転自在に連結している。
なお、リンク部材18は第1実施形態と同様であり、第1リンク31から連続しているリンク部材18の係止部18bを隣接するリンク部材18の被係止部18aに嵌合させて、複数のリンク部材18を互いに左右方向に回転自在に連結している。
また、第2リンク12および第3リンク13は第1実施形態と同様の構成としている。第3リンク13は、第1リンク31と第2リンク12の円弧状突片31b、12dで囲まれた中空部S3’に配置され、第3リンク13の第一嵌合部13aと第1リンク31の被嵌合部31dとが左右方向に回転自在に軸着していると共に、第2リンク12の被嵌合部12eと第3リンク13の第二嵌合部13bとが上下方向に回転自在に軸着している。さらに、第2リンク12の被係止部12hは、先端リンク部材18Bの係止部18bと回転自在に軸着している。
第1リンク31の中空部と第2リンク12の中空部は第1リンク31と第2リンク12の円弧状突片31b、12dで囲まれた中空部S3’を介して連通しており、該連通空間にケーブルを挿通させている。
前記構成によれば、車体とスライドドアとの間に架け渡すケーブルの中間位置に上下・左右・斜め方向に回転自在に連結された第1リンク31、第2リンク12および第3リンク13を設けているため、架け渡したケーブルの任意の中間位置でケーブルの上下、左右、斜め方向の角度変化に第1リンク31、第2リンク12および第3リンク13の回転により追従させることができる。
なお、他の構成及び作用効果は第一実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
本発明の第一実施形態のケーブルのガイド装置の斜視図である。 (A)は支持材、第2リンクおよび第3リンクを連結した状態を示す斜視図、(B)は支持材、第2リンクおよび第3リンクの分解斜視図である。 ケーブルのガイド装置を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。 (A)は第2リンクを第1リンクに対して左右方向に回転させた要部平面図であり、(B)は第2リンクを第1リンクに対して上下方向に回転させた要部側面図である。 図3のA−A線断面図である。 ケーブルのガイド装置とブラケットの分解斜視図である。 第2リンクを第1リンクに対して斜め方向に回転させた状態を示す斜視図である。 第2実施形態のガイド装置を示し、(A)は斜視図、(B)は側面図、(C)は平面図である。 (A)は第2実施形態に係る第1リンク、第2リンクおよび第3リンクを連結した状態を示す斜視図、(B)は分解した状態を示す斜視図である。 第2実施形態に係る第1リンク、第2リンクおよび第3リンクを連結した状態を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は背面図、(D)は底面図である。 第2実施形態に係る第1リンク、第2リンクおよび第3リンクを分解した状態を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は背面図、(D)は底面図である。 (A)(B)は従来例を示す図面である。
符号の説明
10 ガイド装置
11 支持材
11a 第1リンク
11c 段差部
11d 円弧状突片
11e 被嵌合部
11f 円弧状窪み
12 第2リンク
12c 段差部
12d 円弧状突片
12e 被嵌合部
12f 円弧状窪み
12g 連結片
12h 被係止部
31 第1リンク
31a 段差部
31b 円弧状突片
31c 連結片
31d 被嵌合部
31e 係止部
31f 円弧状窪み
13 第3リンク
13a 第一嵌合部
13b 第二嵌合部
14 ブラケット
15 連鎖材
16 第一ブラケット
17 第二ブラケット
20 ケーブル
S1 支持材の中空部
S2 第2リンクの中空部
S3 支持材と第2リンクの円弧状突片で囲まれた中空部
S4 連鎖材の中空部
S5 第二ブラケットの筒部の中空部

Claims (6)

  1. 車体と、該車体に可動自在に連結される可動部材との間に配索されるケーブルのガイド装置であって、
    前記ケーブルを挿通させる角度調整用の矩形筒状の第1リンク、第2リンク、該第1リンクと第2リンクの間に介在させる円環状の第3リンクを備え、該第3リンクに90度間隔をあけて嵌合部を設け、該嵌合部は対向する一対の嵌合部を第一嵌合部とすると共に、該第一嵌合部と直交方向の一対の嵌合部を第二嵌合部とする一方、
    前記第1リンクに前記第3リンクの第一嵌合部と第一方向に回転自在に嵌合する一対の被嵌合部を設ける一方、第2リンクには前記第3リンクの第二嵌合部と第二方向に回転自在に嵌合する一対の被嵌合部を設け、
    前記第1リンクと第2リンクとが第3リンクに対して直交方向に回転可能な構成としていることを特徴とするケーブルのガイド装置。
  2. 前記第1リンクおよび第2リンクの前記被嵌合部を設けた対向辺は円弧状突片として突出させると共に直交辺に円弧状窪みを設け、前記第1リンクの円弧状突片は第2リンクの円弧状窪みと隙間をあけて対向させると共に、前記第2リンクの円弧状突辺は第1リンクの円弧状窪みと隙間をあけて対向させ、これら第1リンクと第2リンクの円弧状突片で囲まれた内部に前記第3リンクを配置し、
    前記第1リンクと第2リンクの対向する4隅に角度規制用の段差部を設け、これら段差部が接触すると第1リンク、第2リンクの回転が規制される構成としている請求項1に記載のケーブルのガイド装置。
  3. 前記第1リンクと第2リンクのいずれか一方の角度調整用リンクを車体あるいは/および前記可動部材に取り付けられる支持材と一体化し、該支持材の内部を前記角度調節用リンクを挿通するケーブルを挿通して外部に引き出している一方、
    対向する二辺部に夫々係止部と被係止部を設けたリンクを複数備え、隣接配置する一方のリンクの係止部に他方のリンクの被係止部を回転自在に係止して、複数のリンクを前記第一方向に回転可能に順次連結している連鎖材を設け、
    該連鎖材の先端のリンクと前記第1リンクと第2リンクのいずれか他方とを前記第一方向に回転自在に連結している請求項1または請求項2に記載のケーブルのガイド装置。
  4. 前記支持材は筒形状で、その一側面に設けた第一開口に前記角度調整用リンクを突設していると共に、該第一開口と直交する上面にケーブル引出口となる第二開口を備え、該支持材を車体あるいは/および可動部材に固定されるブラケットに、上下軸線を中心として回転可能に取り付けている請求項3に記載のケーブルのガイド装置。
  5. 対向する二辺部に夫々係止部と被係止部を設けたリンクを複数備え、隣接配置する一方のリンクの係止部に他方のリンクの被係止部を回転自在に係止して、複数のリンクを前記第一方向に回転可能に順次連結した連鎖材を備え、
    前記連鎖材の隣接配置するリンクの一部に前記角度調節用の第1リンク、第2リンクおよび第3リンクを介在させ、前記第1リンクと第2リンクに前記連鎖材のリンクと前記第一方向に回転可能に連結する係止部あるいは被係止部を設けている請求項1または請求項2に記載のケーブルのガイド装置。
  6. 前記ケーブルは車体とスライドドアとの間に配索されるもので、スライドドアの開閉作動に応じる前記ケーブルの角度変化に前記連鎖材を構成するリンクおよび角度調節リンクが回転して追従する構成としている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のケーブルのガイド装置。
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