JP4657434B2 - 吊り下げ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吊り下げて設置する換気空調機器の吊り下げ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、換気空調機器はその普及に伴い施工性の向上やコスト低減が求められている。
【0003】
従来、この種の吊り下げ装置は、図6および図7に示すような構成が一般的であった。以下、その構成について図を参照しながら説明する。
【0004】
図に示すように、換気空調機器本体101の側板102の内側に補強板103を設け、側板102を挟んで吊り金具104と補強板103をねじ105にて固定するとともに、吊り金具104の中央には、外周部と切り欠き106で連通する長穴107を設け、外周部には折り返し108を設けている。
【0005】
上記構成において、長穴107にナット109を取り付けた吊りボルト110を矢印Xのように切り欠き106を介して挿入し、長穴107の部分においてナット109に掛け
ることにより換気空調機器本体101を吊り下げることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の吊り下げ装置では、吊り金具104を固定するために補強板103を設けて側板102を固定するか、側板102そのものの板厚を厚くする必要があり、材料費、加工費が増加するという問題があった。
【0007】
また、換気空調機器本体101の天地逆設置の場合は、ナット受け部端部の下側に折り返しがないため、吊り下げ時ナット109が外れやすくなり、吊り金具104の付け替えが必要であった。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するもので、吊り金具の本体取り付け部をL字形状にし、第1の本体側板に向かってねじ止めするとともに、第2の本体側板より吊り金具の曲げ部を強固にねじで固定する。また、ナット受け部の端部を上下に折り返しているため、換気空調機器本体の天地逆設置の吊り下げ工事でもナット外れがない。このことにより補強板等が不要でコスト低減とともに施工性改善が可能となる吊り下げ装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、他の目的は、右横端部用と左横端部用の2種類の吊り金具を必要としない、1種類の吊り金具ですむことにより、製造コストを低減することにある。
【0010】
また、他の目的は、換気空調機器本体のいずれの本体側板にも吊り金具が取り付け可能とし、施工性を改善することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、中央部に長穴を設け、この長穴と外周部とを吊りボルトの径より大なる寸法の切り欠きで連通し、前記吊りボルトに設けたナットで固定するナット受け部と、このナット受け部とL字形状を構成する本体取り付け部と、この本体取り付け部の片側に前記ナット受け部と反対側に垂直に折り曲げた曲げ部と、前記ナット受け部の前記切り欠き側の端部を略90°折り曲げ、さらに略180°折り返し、ナット受け面より反対側にその折り返しが突出した折り返し部とを有する吊り金具を、前記本体取り付け部から第1の本体側板に向かってねじ止めするとともに、前記第1の本体側板の横端部に設けた第1の角穴に前記曲げ部を挿入し、第2の本体側板からねじ止めするように構成したものである。
【0012】
これにより、天地逆設置の吊り下げ工事でもナットが外れず、補強板等が不要でコスト低減とともに施工性のよい吊り下げ装置が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、中央部に長穴を設け、この長穴と外周部とを吊りボルトの径より大なる寸法の切り欠きで連通し、前記吊りボルトに設けたナットで固定するナット受け部と、このナット受け部とL字形状を構成する本体取り付け部と、この本体取り付け部の片側に前記ナット受け部と反対側に垂直に折り曲げた曲げ部と、前記ナット受け部の前記切り欠き側の端部を略90°折り曲げ、さらに略180°折り返し、ナット受け面より反対側にその折り返しが突出した折り返し部とを有する吊り金具を、前記本体取り付け部から第1の本体側板に向かってねじ止めするとともに、前記第1の本体側板の横端部に設けた第1の角穴に前記曲げ部を挿入し、第2の本体側板からねじ止めしたものであり、ナット受け部の端部を上下に折り返しているため、本体を天地逆に吊り下げ設置してもナット外れがなく、施工性をよくするという作用を有する。
【0014】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
【0015】
(実施例1)
図1に示すように、換気空調機器本体30の第1の本体側板10に設けた吊り金具9は、中央部に長穴1を設け、この長穴1と外周部とを吊りボルト2の径より大なる寸法の切り欠き3で連通し、吊りボルト2に設けたナット4で固定するナット受け部5を有している。このナット受け部5と換気空調機器本体30の第1の本体側板10側に設けた本体取り付け部7とでL字形状を構成している。本体取り付け部7の片側にナット受け部5とは反対側に垂直に曲げ部6を設けている。さらに、折り返し部8を設けており、折り返し部8はナット受け部5の端部に設けた略90°折り曲げ、さらにナット受け面より下側に略180°折り返したものである。
【0016】
本体側板10の横端部には第1の角穴11を設けている。
【0017】
そして、吊り金具9の曲げ部6を第1の角穴11に挿入し、ねじ12により本体取り付け部7から第1の本体側板10に向かって締め付けるとともに、第2の本体側板13の外側より吊り金具9の曲げ部6に向かって締め付けている。
【0018】
上記構成により、ナット4を設けた吊りボルト2を矢印Yのように吊り金具9の切り欠き3に入れ、ナット4の上にナット受け部5を乗せることにより換気空調機器本体30を吊り下げることが可能となる。
【0019】
このように本発明の第1実施例の吊り下げ装置によれば、吊り金具9にかかる換気空調機器本体30の重量は、そのほとんどが折り曲げにより強度が上がった第2の本体側板13の外側より吊り金具9の曲げ部6に向かって締め付けたねじ12で支えることができるため、本体取り付け部7から第1の本体側板10に向かって締め付けたねじ12の締め付け強度は弱くても吊り金具9を強固に取り付けることが可能となり、換気空調機器本体30を安定して吊り下げることができる。
【0020】
また、ナット受け部5の端部に設けた略90°折り曲げさらにナット受け部5より下側に略180°折り返した折り返し部8を設けたため、ナット受け部の上下に折り返しがあり、換気空調機器本体30を天地逆設置にしても吊り下げ時のナット外れがなく、吊り金具を付け替える必要がない。
【0021】
(参考例1)
次に第1の参考例について図1および図2を参照しながら説明する。
【0022】
図に示すように、第1の本体側板10の両横端部に第1の角穴11と上下方向の位置を変えた第2の角穴14を設け、吊り金具9の上下方向の位置を変え(ひっくり返す)てもナット受け部5の高さ位置がA=Bとなるように構成している。
【0023】
上記構成により、1種類の吊り金具9を第1の本体側板10両端部に吊り金具9の一方をひっくり返して設けることとなる。
【0024】
このように本発明の第2実施例の吊り下げ装置によれば、第1の本体側板10の両横端部に1種類の吊り金具9を一方はひっくり返して、ナット受け部5が同高さになるよう(A=B)に取り付けるため、1種類の吊り金具9でよく、右横端部用と左横端部用の2種類の吊り金具を必要としない。また、ナット受け部5の端部に設けた略90°折り曲げさらにナット受け部5より下側に略180°折り返した折り返し部8を設けたため、ナット受け部5の上下に折り返しがあり、換気空調機器本体30を天地逆設置にしても吊り下げ
時のナット外れがなく、吊り金具を付け替える必要がない。
【0025】
(参考例2)
次に第2の参考例について、図1および図3を参照しながら説明する。
【0026】
図に示すように、吊り金具B17は、吊り金具9とは反対側の本体取り付け部7の片側に曲げ部6Aを設けたものである。
【0027】
そして、第1の角穴11を設けた第1の本体側板10と同陵の第2の本体側板13の横端部に第3Aの角穴15を設けたため、吊り金具B17を第2の本体側板13に取り付け可能となる。
【0028】
(参考例3)
次に第3の参考例について、図3および図4を参照しながら説明する。
【0029】
図に示すように、第1の角穴11と上下方向の位置を変え、第1の角穴11の上辺を下辺とし、かつ第1の角穴11と同陵に第3Bの角穴16を設ける。
【0030】
そして、この第3Bの角穴16に曲げ部6を挿入する時は、吊り金具の天地を逆にする(ひっくり返す)ことによりナット受け部5の位置をB=Cとしたものである。
【0031】
上記構成により、吊り金具9の一方をひっくり返してもナット受け部5の位置がB=Cで、1種類の吊り金具で換気空調機器本体30の4面の側板に吊り金具9の取り付けが可能となる。
【0032】
(参考例4)
次に第4の参考例について図5を参照しながら説明する。
【0033】
図に示すように、吊り金具C25は、中央部に吊りボルト2の径より大なる丸穴20を設け、この丸穴20と外周部とを丸穴20の径と同じ幅の切り欠き21で連通し、切り欠き21の両脇の外周部を折り返しL字形にして爪部22をつくり、吊りボルト2に設けたナット4で固定するナット受け部23と、このナット受け部23の換気空調機器本体30側に設け、ナット受け部23と同形状の本体取り付け部24とを有している。
【0034】
そして、吊り金具C25を、本体取り付け部24から第1の本体側板10に向かってねじ止めするとともに、第1の本体側板10に設けた第1の角穴11に爪部22を挿入し、第2の本体側板13からねじ止めしている。
【0035】
また、吊り金具C25を第2の本体側板13に設けた第3の角穴15にも取り付けられる。
【0036】
上記構成により、ナット4を設けた吊りボルト2を矢印Zのように吊り金具25の切り欠き21に入れ、ナット4の上にナット受け部23を乗せることにより換気空調機器本体30を吊り下げることが可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、吊り金具の本体取り付け部をL字形状にし、第1の本体側板に向かってねじ止めするとともに、第2の本体側板より吊り金具の曲げ部を強固にねじで固定する。また、ナット受け部の端部を上下に折り返しているため、換気空調機器本体を天地逆設置の吊り下げ工事でもナット外れがない。このことに
より補強板等を不要としてコスト低減とともに施工性改善が可能となる。
【0038】
また、第1の本体側板の両横端部に1種類の吊り金具を一方はひっくり返して、ナット受け部5が同高さになるよう(A=B)に取り付けるため、1種類の吊り金具でよく、右横端部用と左横端部用の2種類の吊り金具を必要としない。また、ナット受け部の端部に設けた略90°折り曲げさらにナット受け面より下側に略180°折り返した折り返し部を設けたため、ナット受け面の上下に折り返しがあり、換気空調機器本体を天地逆設置にしても吊り下げ時のナット外れがなく、吊り金具を付け替える必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1および参考例の吊り下げ装置の本体と吊り金具の取り付け方法を示す斜視図
【図2】 参考例1の吊り下げ装置の本体と吊り金具の設置状態を示す斜視図
【図3】 (a)参考例2の吊り下げ装置の第1の本体側板と吊り金具の設置状態を示す斜視図
(b)同第2の本体側板と吊り金具Bの設置状態を示す斜視図
【図4】 参考例3の吊り下げ装置の本体と吊り金具の設置状態を示す斜視図
【図5】 (a)参考例4の吊り下げ装置の第1の本体側板と吊り金具Cの設置状態を示す斜視図
(b)同第2の本体側板と吊り金具Cの設置状態を示す斜視図
【図6】 従来の吊り下げ装置の本体との設置状態を示す斜視図
【図7】 同断面図
【符号の説明】
1 長穴
2 吊りボルト
3 切り欠き
4 ナット
5 ナット受け部
6 曲げ部
7 本体取り付け部
8 折り返し部
9 吊り金具
10 第1の本体側板
11 第1の角穴
12 ねじ
13 第2の本体側板
14 第2の角穴
15 第3Aの角穴
16 第3Bの角穴
17 吊り金具B
20 丸穴
21 切り欠き
22 爪部
23 ナット受け部
24 本体取り付け部
25 吊り金具C
30 換気空調機器本体
Claims (1)
- 中央部に長穴を設け、この長穴と外周部とを吊りボルトの径より大なる寸法の切り欠きで連通し、前記吊りボルトに設けたナットで固定するナット受け部と、
このナット受け部とL字形状を構成する本体取り付け部と、
この本体取り付け部の片側に前記ナット受け部と反対側に垂直に折り曲げた曲げ部と、
前記ナット受け部の前記切り欠き側の端部を略90°折り曲げ、さらに略180°折り返し、ナット受け面より反対側にその折り返しが突出した折り返し部とを有する吊り金具を、
前記本体取り付け部から第1の本体側板に向かってねじ止めするとともに、
前記第1の本体側板の横端部に設けた第1の角穴に前記曲げ部を挿入し、
第2の本体側板からねじ止めしてなる吊り下げ装置。
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