JP4653892B2 - 電極チップのドレッシング異常検出方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接ガンに設けられた電極チップのドレッシング異常を検出するための電極チップのドレッシング異常検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ロボットに装着された溶接ガンを、ワークの複数の溶接打点部位に順次移動させて溶接作業を自動的かつ連続的に行う抵抗溶接機が、広く採用されている。この種の抵抗溶接機では、一対の電極チップでワークの各溶接打点部位を挟持して前記ワークに複数の溶接作業を行っている。その際、電極チップにより良好な溶接作業を遂行可能にするため、所定の溶接打点数毎に前記電極チップにドレッシング作業が施されている。
【0003】
そこで、通常、電極チップの限界損耗量(摩耗量)を予め設定しておき、各電極チップの損耗量を検出していずれかの電極チップが前記限界損耗量に達した時点で、前記電極チップを交換する作業が行われている。なお、電極チップの損耗量の検出は、前記電極チップに対してドレッシング作業が施された後に行われている。
【0004】
この損耗量検出は、電極チップが摩耗した長さに応じて前記電極チップ間の距離を補正し、前記電極チップの加圧到達距離を一定に維持して加圧時間を一定に確保すること、加圧時の一対の電極チップの面圧差を一定に保つために、固定側の電極チップの摩耗量分だけロボットを移動させること、および、前記電極チップの交換時期を検知させること、等を目的として行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、上記の損耗量検出は、電極チップのドレッシング作業が、常に、正確に行われていることを前提としている。ところが、一般的なドレッシング装置では、研削処理が継続されることにより、ドレッサー刃に刃詰まりや刃欠け等が惹起してドレッシング不足(ドレス不足)が発生したり、ドレッシング時間の長尺化やドレッシング位置不良等による過剰ドレッシング(過剰ドレス)が生じたりし易い。
【0006】
しかしながら、上記の損耗量検出では、この種のドレッシング不良を検出することができず、電極チップに対して好適なドレッシング作業が確実に行われないおそれがある。これにより、ドレッシング不良が惹起された電極チップが組み込まれた溶接ガンでは、溶接精度が著しく低下するという問題が指摘されている。
【0007】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な工程および構成で、電極チップのドレッシング不良を容易かつ確実に検出することができ、高精度な溶接作業が遂行可能な電極チップのドレッシング異常検出方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電極チップのドレッシング異常検出方法および装置では、電極チップにより溶接作業が所定の回数だけ行われると、前記電極チップにドレッシング作業が施された後、前記電極チップの摩耗量が検出される。次いで、前記検出された摩耗量が、ドレッシング作業前に検出された電極チップの摩耗量に基づいて設定される基準摩耗範囲内にあるか否かが判断される。そして、検出された摩耗量が、基準摩耗範囲外である際に、電極チップにドレッシング異常が発生したことが検出される。
【0009】
このように、ドレッシング作業の前後で電極チップの摩耗量を検出することにより、簡単な工程および構成で、前記電極チップのドレッシング不良を容易かつ確実に検出することができる。
【0010】
また、摩耗量に対する一方の電極チップと他方の電極チップの摩耗比率が予め設定され、前記電極チップ同士を空打ちして前記摩耗量が検出された後、前記摩耗比率に基づいて各電極チップそれぞれの摩耗限界およびドレッシング異常が検出される。これにより、各電極チップ毎に摩耗量を個別に検出する必要がなく、制御および構成が有効に簡素化されるとともに、各電極チップそれぞれの摩耗限界およびドレッシング異常を、精度よくかつ迅速に検出することが可能になる。
【0011】
さらに、ドレッシング作業後に検出された電極チップの摩耗量を記憶しておき、前回のドレッシング作業後に検出された前記電極チップの摩耗量と、今回のドレッシング作業後に検出された前記電極チップの摩耗量とに基づいて、前記電極チップにドレッシング異常が発生したか否かが検出される。従って、電極チップのドレッシング異常が、簡単かつ確実に検出される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る電極チップのドレッシング異常検出方法を実施するためのドレッシング異常検出装置を組み込む抵抗溶接システム10の概略構成説明図である。
【0013】
抵抗溶接システム10は、多間接型の溶接ロボット12と、本実施形態に係るドレッシング異常検出装置である制御装置14と、前記制御装置14からドレッシング異常を受信してこのドレッシング異常を表示するとともに、作業者がデータ入力等の各種作業を行う操作装置16と、前記溶接ロボット12に装着される電動式溶接ガン18を構成する電極チップ20a、20bのドレッシング作業を行うチップドレッサ22とを備える。
【0014】
溶接ロボット12の先端部にはスプリング24a、24bを有するイコライズ機構26が設けられており、前記イコライズ機構26を介して電動式溶接ガン18が取り付けられている。電動式溶接ガン18は、いわゆるC型溶接ガン構造に設定されており、内部のサーボモータ28を介して上下方向に駆動される可動型の電極チップ20aと、略C字状のアーム30に固着される固定型の電極チップ20bとを備え、この一対の電極チップ20a、20bによりワークPが把持可能である。
【0015】
サーボモータ28は、図2に示すように、モータハウジング32と、前記モータハウジング32の下部内側に環状に配置される複数の電磁石34と、前記電磁石34と対向した環状の永久磁石36が固着される中空状のロータ38と、ハウジングカバー40とを有している。ロータ38は、複数のベアリング42を介して回転自在に支持されている。
【0016】
ロータ38内にナット部材44が挿入されるとともに、前記ナット部材44に中空ロッド46の上端部が固着される。この中空ロッド46の下端部には、ホルダ48を介して電極チップ20aが装着される。中空ロッド46内には、ナット部材44と螺合する送りねじ50が挿入され、前記ナット部材44と前記送りねじ50とによって、ロータ38の回転を前記中空ロッド46の上下動に変換する送りねじ機構52が構成される。
【0017】
サーボモータ28の上部には、ロータ38の回転角度を検知するためのエンコーダ54が配置されており、このエンコーダ54を介して電極チップ20aのストローク量が検出される。
【0018】
図3に示すように、制御装置14はCPU60を備え、このCPU60にメモリ62が接続されている。CPU60には、エンコーダ54からエンコーダインターフェース64を介して電極チップ20aの位置データ66が入力される。位置データ66は、サーボモータ28を制御するためのチップ位置制御部68にも入力されるとともに、このチップ位置制御部68は、CPU60に接続されている。CPU60は、外部インターフェース70を介して操作装置16に異常信号を出力する。
【0019】
CPU60は、電極チップ20a、20bにドレッシング作業を施した後、前記電極チップ20a、20bの摩耗量を検出する摩耗量検出処理部(摩耗量検出手段)72と、前記検出された摩耗量が、前記ドレッシング作業前に検出された前記電極チップ20a、20bの摩耗量に基づいて設定される基準摩耗範囲内にあるか否かを判断し、前記基準摩耗範囲外である際に、前記電極チップ20a、20bにドレッシング異常が発生したことを検出する異常判定部(異常判定手段)74とを備える。
【0020】
メモリ62は、電極チップ20a、20bのドレッシング研削量を記憶するドレッシング研削量格納部78と、溶接作業前に未使用の電極チップ20a、20b同士を空打ちした際、エンコーダ54からの位置データ66に基づいて電極チップ20a、20bの初期位置状態を記憶するチップ位置初期状態格納部80と、ドレッシング作業後に検出された各電極チップ20a、20bの摩耗量を記憶するチップ位置前回状態格納部82と、摩耗量に対する一方の電極チップ20aと他方の電極チップ20bの摩耗比率を記憶する摩耗比率格納部84とを備える。
【0021】
このように構成される抵抗溶接システム10の動作について、本実施形態に係るドレッシング異常検出方法との関連で、図4および図5に示すフローチャートに沿って以下に説明する。
【0022】
まず、未使用の電極チップ20a、20bが溶接ガン18に装着されるとともに、この電極チップ20a、20bの摩耗限界および摩耗比率が予め設定される(ステップS1)。電極チップ20a、20bの摩耗比率は、例えば、可動側の電極チップ20a:固定側の電極チップ20bが6:4に設定されている。
【0023】
そこで、制御装置14からの指令により電動式溶接ガン18が駆動され、電極チップ20a、20bが溶接開始前に空打ちを行う(ステップS2)。具体的には、チップ位置制御部68からサーボモータ28に駆動信号が送られ、図2に示すように、複数の電磁石34に通電されて前記電磁石34と永久磁石36の作用下に磁界が発生する。このため、サーボモータ28のロータ38が回転し、送りねじ機構52を構成する送りねじ50が回転する。
【0024】
送りねじ50には、ナット部材44が螺合しており、前記ナット部材44に固着された中空ロッド46は、前記送りねじ50の軸方向に沿って矢印A方向に移動する。従って、中空ロッド46の先端部に固着されたホルダ48に保持されている電極チップ20aが電極チップ20bに当接し、前記電極チップ20a、20bの空打ちが行われる。
【0025】
その際、サーボモータ28の上部に配置されているエンコーダ54は、このサーボモータ28を構成するロータ38の回転角度を検知し、電極チップ20aのストローク量を検出する。このエンコーダ54からのパルス信号は、エンコーダインターフェース64で位置データ66に変換され、この位置データ66がCPU60およびチップ位置制御部68に送られる。CPU60では、入力された位置データ66を電極チップ20a、20bの初期位置状態としてチップ位置初期状態格納部80に記憶する(ステップS3)。
【0026】
次いで、溶接ロボット12が動作され、電動式溶接ガン18がワークPの所定の溶接部位に移動される。そして、電動式溶接ガン18に装着されている電極チップ20aが、サーボモータ28の作用下にワークPに対して進退することにより、電極チップ20a、20bを介して前記ワークPに溶接作業が開始される(ステップS4)。
【0027】
電極チップ20a、20bを介してワークPに所定の回数だけ溶接作業が行われると(ステップS5中、YES)、溶接ガン12がチップドレッサ22側に移動し、前記電極チップ20a、20bにドレッシング作業が施される(ステップS6)。この電極チップ20a、20bの先端部は、チップドレッサ22を介して同時または個別にドレッシングされる。
【0028】
ドレッシング作業終了後に、上記と同様に、電極チップ20a、20bが空打ちされ(ステップS7)、エンコーダ54からのパルス信号に基づいて、前記電極チップ20a、20bの摩耗量の演算が行われる(ステップS8)。ここで、CPU60の摩耗量検出処理部72で演算される摩耗量は、電極チップ20a、20b全体の摩耗量である。
【0029】
このため、予めステップS1で設定された摩耗比率に基づいて、電極チップ20a、20bそれぞれの摩耗量が演算される。具体的には、検出された全体の摩耗量が10mmである場合、電極チップ20a、20bの摩耗比率が6:4に設定されているため、前記電極チップ20aの摩耗量が6mmとして認識され、かつ前記電極チップ20bの摩耗量が4mmとして認識される。
【0030】
次に、一方の電極チップ20aが、摩耗限界であるか否かが判断される(ステップS9)。図6に示すように、溶接作業が所定の回数(W1〜W4)だけ行われた後、電極チップ20aにドレッシング作業(D1)が施されると、この電極チップ20aの摩耗量T1が、予め設定されている摩耗限界T0を超えているか否かが判断される。電極チップ20aの摩耗量T1が、摩耗限界T0以下である際に(ステップS9中、NO)、ステップS10に進んで、前記電極チップ20aに摩耗異常が発生しているか否かが判断される。
【0031】
すなわち、図6において、ドレッシング作業(D1)後に摩耗量検出(K1)で検出された電極チップ20aの摩耗量T1と、ドレッシング作業前に摩耗量検出(Ka)(または、初期状態検出(K0))で検出された前記電極チップ20aの摩耗量T2との差が、予め設定された基準摩耗範囲内にあるか否かが判断される。
【0032】
具体的には、ドレッシング作業後の摩耗量T1が、ドレッシング作業前の摩耗量T2に基づいて設定される摩耗量T3〜摩耗量T4の範囲内にあれば、電極チップ20aのドレッシングが正常に行われていると判断する(図7A参照)。一方、前記摩耗量T1が摩耗量T3以下あるいは摩耗量T4以上である際には、前記電極チップ20aにドレッシング異常が発生したと判断する。
【0033】
ドレッシング作業後の摩耗量T1が摩耗量T3以下である際には、チップドレッサ22の刃欠け等によるドレス不足が惹起される(図7B参照)。一方、前記ドレッシング作業後の摩耗量T1が摩耗量T4以上である際には、ドレッシング時間が長くなったりドレッシング位置に不良が発生しており、ドレッシング異常(過剰ドレス)であることが検出される(図7C参照)。
【0034】
そこで、電極チップ20aに摩耗異常が発生していると、ステップS11に進んで、CPU60が外部インターフェース70を介して操作装置16にドレッシング異常を送信し、この操作装置16にドレッシング異常を表示して作業者に通知する。一方、電極チップ20aに摩耗限界および摩耗異常が発生していない際には、ステップS12に進んで、他方の電極チップ20bに摩耗限界が発生しているか否かが判断される。
【0035】
電極チップ20bに摩耗限界が発生していなければ(ステップS12中、NO)、ステップS13に進んで、この電極チップ12bに摩耗異常が発生しているか否かの判断が行われる。そして、摩耗異常が発生していれば、ステップS11に進んで、摩耗異常警報がなされる一方、摩耗異常が発生していなければ、ステップS14に進んで、電極チップ20a、20bの摩耗状態が前回状態として格納される。さらに、ステップS5に戻り、電極チップ20a、20bによるワークPの溶接作業が所定の回数(W5〜W8)行われた後、チップドレッサ22を介して前記電極チップ20a、20bのドレッシング作業(D2)が行われる。
【0036】
次いで、電極チップ20a、20bに摩耗異常が発生しているか否かの判断(K2)は、チップ位置前回状態格納部82に格納されている前回状態、すなわち、摩耗量T1と、今回の摩耗量T5とに基づいて行われる(図6参照)。この摩耗量T5が摩耗量T6〜T7の間に存在していれば、前記電極チップ20a、20bに摩耗異常が発生していないことが検出される。
【0037】
同様にして、電極チップ20a、20bの溶接作業とドレッシング作業が行われた後、前記電極チップ20a(あるいは電極20b)に摩耗限界(T0)が発生すると(ステップS9中、YES、または、ステップS12中、YES)、ステップS15に進んで、限界警報が発せられる。このため、作業者は、電極チップ20aまたは20bを、新たな電極チップ20aまたは20bと交換する作業を行う(ステップS16)。
【0038】
この場合、本実施形態では、電動式溶接ガン18を構成する電極チップ20a、20bによる溶接作業が所定の回数だけ行われ、この電極チップ20a、20bにチップドレッサ22を介してドレッシング作業が施された後、前記電極チップ20a、20bの摩耗量が検出される。そして、検出された摩耗量が、ドレッシング作業前に検出された電極チップ20a、20bの摩耗量に基づいて設定される基準摩耗範囲内にあるか否かが判断され、前記電極チップ20a、20bにドレッシング異常が発生した否かの検出が行われている。
【0039】
このように、電極チップ20a、20bの摩耗限界(T0)の他、ドレッシング異常の有無が検出されるため、チップドレッサ22の刃詰まりや刃欠け等が惹起してドレス不足(図7B参照)が発生したり、ドレッシング時間の長尺化やドレッシング位置不良による過剰ドレス(図7C参照)が発生したりしても、この種のドレッシング不良を容易かつ確実に検出することができる。
【0040】
これにより、ドレッシング不良が惹起している電極チップ20a、20bを用いてワークPの溶接作業が行われることがなく、電動式溶接ガン18による溶接精度を、常時、高く維持することが可能になるという効果が得られる。しかも、電極チップ20a、20bのドレッシング作業前後における摩耗量を検出し、各摩耗量を比較するだけでよく、制御および構成が有効に簡素化するとともに、ドレッシング異常が迅速に検出され、高精度かつ効率的な溶接作業が遂行可能になる。
【0041】
さらに、電極チップ20a、20bの摩耗比率を予め設定しておき、エンコーダ54から得られるパルス信号に基づいて、前記電極チップ20a、20b全体の摩耗量を検出するだけで、各電極チップ20a、20bそれぞれの摩耗量が容易かつ確実に検出される。これにより、各電極チップ20a、20bの摩耗限界(T0)および摩耗異常(ドレッシング異常)を、簡単かつ迅速に検出することができるという利点がある。
【0042】
なお、本実施形態では、図6に示すように、ドレッシング作業(D2)の後に行われる摩耗量検出(K2)で検出された摩耗量T5は、前回摩耗量である摩耗量検出(K1)で検出された摩耗量T1と比較されているが、これに代替し、前回摩耗量としてドレッシング作業(D2)の直前における摩耗量検出(Kb)で検出される摩耗量を使用してもよい。
【0043】
また、本実施形態では、図5のフローチャートに示すように、摩耗限界(T0)の有無を検出した後、摩耗異常(ドレッシング異常)の有無を検出しているが、これとは逆に、摩耗異常を検出後に摩耗限界の検出を行ってもよい。
【0044】
さらに、本実施形態では、電極チップ20a、20bの摩耗量をエンコーダ54からのパルス信号に基づいて検出しているが、これに限定されるものではなく、外部に取り付けた、例えば、光電管やタッチセンサ等の検出手段を用いることができる。さらにまた、溶接ガンとしてC型溶接ガン構造に設定される電動式溶接ガン18を用いて説明したが、加圧シリンダの作用下に開閉可能な一対のガンアームにそれぞれ電極チップが取り付けられたX型溶接ガン構造等を用いてもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係る電極チップのドレッシング異常検出方法および装置では、電極チップにドレッシング作業が施された後、この電極チップの摩耗量が検出されて前記検出された摩耗量が基準摩耗範囲内にあるか否かが判断され、この基準摩耗範囲内である際に、前記電極チップにドレッシング異常が発生したことが検出される。このため、ドレッシング作業の前後における電極チップの摩耗量を検出するだけで、前記電極チップのドレッシング不良を容易かつ確実に検出することができ、溶接不良の発生を可及的に阻止して高精度かつ効率的な溶接作業が遂行可能になる。しかも、電極チップの摩耗量を検出するだけでよく、工程および構成が有効に簡素化され、経済的なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電極チップのドレッシング異常検出方法を実施するためのドレッシング異常検出装置を組み込む抵抗溶接システムの概略構成説明図である。
【図2】前記抵抗溶接システムを構成する電動式溶接ガンの一部断面説明図である。
【図3】前記ドレッシング異常検出装置の概略構成図である。
【図4】前記ドレッシング異常検出方法を説明するフローチャート(その1)である。
【図5】前記ドレッシング異常検出方法を説明するフローチャート(その2)である。
【図6】前記ドレッシング異常検出方法の説明図である。
【図7】図7Aは、正常なドレッシング処理が行われた電極チップの説明図であり、図7Bは、ドレス不足の電極チップの説明図であり、図7Cは、過剰ドレスされた電極チップの説明図である。
【符号の説明】
10…抵抗溶接システム 12…溶接ロボット
14…制御装置 16…操作装置
18…電動式溶接ガン 20a、20b…電極チップ
22…チップドレッサ 26…イコライズ機構
28…サーボモータ 38…ロータ
52…送りねじ機構 54…エンコーダ
60…CPU 66…位置データ
68…チップ位置制御部 72…摩耗量検出処理部
74…異常判定部 78…ドレッシング研削量格納部
80…チップ位置初期状態格納部 82…チップ位置前回状態格納部
84…摩耗比率格納部
Claims (5)
- 溶接ガンに設けられた電極チップのドレッシング異常を検出するための電極チップのドレッシング異常検出方法であって、
前記電極チップにより溶接作業を所定の回数だけ行った後、前記電極チップの摩耗量を検出し、検出された前記電極チップの摩耗量に基づいて基準摩耗範囲を設定する工程と、
該電極チップにドレッシング作業を施す工程と、
前記ドレッシング作業後に、前記電極チップの摩耗量を検出する工程と、
前記検出された摩耗量が、前記基準摩耗範囲内にあるか否かを判断する工程と、
前記検出された摩耗量が、前記基準摩耗範囲外である際に、前記電極チップにドレッシング異常が発生したことを検出する工程と、
を有することを特徴とする電極チップのドレッシング異常検出方法。 - 請求項1記載のドレッシング異常検出方法において、前記摩耗量に対する一方の電極チップと他方の電極チップの摩耗比率を設定する工程と、
前記電極チップ同士を空打ちして前記摩耗量を検出した後、前記摩耗比率に基づいて各電極チップそれぞれの摩耗限界およびドレッシング異常を検出する工程と、
を有することを特徴とする電極チップのドレッシング異常検出方法。 - 請求項1または2記載のドレッシング異常検出方法において、ドレッシング作業後に検出された前記電極チップの摩耗量を記憶する工程と、
前回のドレッシング作業後に検出された前記電極チップの摩耗量と、今回のドレッシング作業後に検出された前記電極チップの摩耗量とに基づいて、前記電極チップにドレッシング異常が発生したか否かを検出する工程と、
を有することを特徴とする電極チップのドレッシング異常検出方法。 - 溶接ガンに設けられた電極チップのドレッシング異常を検出するための電極チップのドレッシング異常検出装置であって、
前記電極チップにドレッシング作業前、および前記ドレッシング作業を施した後、該電極チップの摩耗量をそれぞれ検出する摩耗量検出手段と、
前記ドレッシング作業前に検出された前記電極チップの摩耗量に基づいて基準摩耗範囲を設定するとともに、前記検出された摩耗量が、前記基準摩耗範囲内にあるか否かを判断し、前記検出された摩耗量が、前記基準摩耗範囲外である際に、前記電極チップにドレッシング異常が発生したことを検出する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする電極チップのドレッシング異常検出装置。 - 請求項4記載のドレッシング異常検出装置において、前記摩耗量に対する一方の電極チップと他方の電極チップの摩耗比率を記憶するとともに、ドレッシング作業後に検出された各電極チップの摩耗量を記憶するメモリを備えることを特徴とする電極チップのドレッシング異常検出装置。
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