JP4644932B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコホールなどの遊技場で利用される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、大当りが選択されると大当り遊技が開始されるパチンコ遊技機の一つとして、複数ある大当りの内のいくつかが特定大当りとされていて、選択された大当りが特定大当りである場合、次回に大当りが選択されるまで、または、大当りの選択が所定回数行われるまで、次に大当りの選択される確率が高い状態(以降、高確率状態とする)になるものが知られている。このようなパチンコ遊技機では、高確率状態で続けて特定大当りとなれば、高確率状態がさらに継続されることになるため、利用者は多くの賞球を獲得しやすい状態で遊技を楽しむことができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような遊技機においては、高確率状態が長時間継続する場合があるため、利用者に用事がある場合や遊技場の営業終了時間など遊技の終了時間が決まっている場合、利用者は高確率状態が継続しているのにも拘わらず遊技を終了しなければならないことがあるため、短時間では遊技を行いにくいものとなっていた。また、このように高確率状態が継続している状態で遊技を終了した利用者に無念感が残ることがあった。
【0004】
本発明は、短時間であっても遊技を楽しむことができる遊技機の提供を目的とし、さらに、遊技を終了した際に利用者に無念感を残しにくい遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記問題を解決するため請求項1に記載の遊技機は、
所定の第1条件が成立した場合に、大当り遊技に移行する遊技機であって、
遊技状態を大当り遊技への移行しやすさが異なる複数の遊技状態のいずれかに変更する遊技状態変更手段と、
遊技モードを切り替える切替時刻を設定可能な切替時刻設定手段と、
該切替時刻設定手段によって設定された前記切替時刻になった際に、遊技モードを通常モードから終了モードに切り替える遊技モード切替手段とを備え、
遊技モードが前記通常モードであるときは、所定の第2条件が成立した場合に、前記遊技状態変更手段が、遊技状態を通常の遊技状態である第1遊技状態から、該第1遊技状態よりも前記大当り遊技に移行しやすい第2遊技状態に変更し、遊技モードが前記終了モードであるときは、前記第2条件が成立した場合、または、遊技状態が前記第2遊技状態になっている場合に、前記遊技状態変更手段が、遊技状態を前記第2遊技状態よりも前記大当り遊技に移行しやすい第3遊技状態に変更する
ことを特徴とする。
【0006】
この遊技機における切替時刻設定手段は、切替時刻を設定することができるものであれば、具体的な構成は特に限定されない。例えば、時刻を入力可能な入力装置を遊技機の外側に設けて、この入力装置を使って利用者が任意に入力した時刻を各遊技機の備える記憶手段(例えば、RAM)が記憶することによって切替時刻が設定されるように構成すればよい。また、各遊技機の稼働状況を監視するホールコンピュータが切替時刻設定手段としての機能を実行できるように構成し、遊技場の従業員が営業終了時刻などに合わせて複数の遊技機における切替時刻を設定できるように構成してもよい。
【0007】
この遊技機において、遊技モードは、遊技の開始時は通常モードに設定されている。
通常モードでは、第2条件が成立した場合に、遊技状態変更手段が、遊技状態を第1遊技状態から、第1遊技状態より大当り遊技に移行しやすい第2遊技状態に変更する。
【0008】
また、切替時刻設定手段によって設定された切替時刻になった際には、遊技モード切替手段が、遊技モードを通常モードから、終了モードに切り替える。
終了モードでは、通常モードから切り替えられた際に、遊技状態が第2遊技状態となっている場合は、遊技状態変更手段が、遊技状態を第2状態よりも大当り遊技に移行いやすい第3遊技状態に変更する。また、通常モードの場合と同様の手順を経て第2条件が成立すると、遊技状態変更手段が、遊技状態を第3遊技状態に変更する。
【0009】
このように構成された遊技機によれば、切替時刻になると遊技モードが終了モードに切り替わり、遊技状態が、第1遊技状態や第2遊技状態よりも大当り遊技に移行しやすい第3遊技状態に変更され得るようになる。そのため、利用者が遊技の終了を希望する時間に合わせて、切替時刻を設定すれば、短時間であっても遊技を楽しむことができる。具体的な例として、利用者が遊技の終了を希望する時間の10分前を切替時間として設定すれば、切替時間以後の10分間を大当りの選択されやすい状態で遊技できるようになる。
【0010】
また、この遊技機の具体的な例として、請求項2に記載の遊技機は、
大当りかはずれかを選択する大当り選択手段と、該大当り選択手段により大当りが選択された場合に特定大当りか非特定大当りかを選択する特定大当り選択手段とを備え、
前記大当り選択手段によって大当りが選択されたことを前記第1条件とし、前記特定大当り選択手段によって特定大当りが選択されたことを前記第2条件とし、前記第1条件が成立した場合に、大当り遊技に移行する遊技機であって、
遊技モードが前記通常モードであるときは、前記第2条件が成立した場合に、前記遊技状態変更手段が、大当りの選択される確率を通常の確率である第1確率から、該第1確率より高い第2確率に変更し、
遊技モードが前記終了モードであるときは、前記第2条件が成立した場合、または、大当りの選択される確率が前記第2確率になっている場合に、前記遊技状態変更手段が、大当りの選択される確率を前記第2確率よりも高い第3確率に変更する
ことを特徴とする。
【0011】
この遊技機において通常モードでは、従来の遊技機同様、遊技球が所定の始動口に入賞または所定の始動ゲートを通過した後、大当り選択手段が、大当りかはずれかを選択する。大当りの選択される確率は、通常は第1確率(第1遊技状態)に設定されている。この遊技機では、大当り選択手段によって大当りが選択されたことを第1条件としており、第1条件が成立、つまり、大当り選択手段によって大当りが選択されると、特定大当り選択手段が、特定大当りか非特定大当りかを選択する。特定大当りの選択される確率は遊技機毎に任意に設定されている。この遊技機では、特定大当り選択手段によって大当りが選択されたことを第2条件としており、第2条件が成立、つまり、特定大当り選択手段によって特定大当りが選択されると、遊技状態変更手段が、大当り選択手段による次回以降の選択において大当りの選択される確率を、第1確率より高い第2確率(第2遊技状態)に変更する。
【0012】
また、切替時刻設定手段によって設定された切替時刻になった際には、遊技モード切替手段が、遊技モードを終了モードに切り替える。
終了モードでは、通常モードから切り替えられた際に、大当りの選択される確率が第2確率となっている場合は、遊技状態変更手段が大当りの選択される確率を第2確率よりも高い第3確率(第3遊技状態)に変更する。また、通常モードの場合と同様の手順を経て特定大当り選択手段が特定大当りを選択すると、遊技状態変更手段が、大当り選択手段による次回以降の選択において大当りの選択される確率を第3確率(第3遊技状態)に変更する。
【0013】
このように構成された遊技機によれば、切替時刻になると遊技モードが終了モードに切り替わり、大当りの選択される確率が、第1確率や第2確率よりも高い第3確率に変更され得るようになるため、通常より短時間で大当りを引き当てやすくなる。そのため、利用者が遊技の終了を希望する時間に合わせて、切替時刻を設定すれば、短時間であっても遊技を楽しむことができる。
【0014】
なお、この遊技機における第3確率は、その具体的な値は特に限定されないが、その値が高確率であるほど大当りが選択されるまでの時間が短時間となり、利用者は、より短時間での遊技を楽しむことができる。
また、通常モードにおいて大当りの選択される確率が第2確率となっている状態は、従来の遊技機と同様、次回以降の選択において特定大当り選択手段が非特定大当りを選択するまで、あるいは、大当り選択手段による選択が所定回数行われるまで継続されるように構成すればよい。また、第2確率となっている状態が終了した後は、遊技状態変更手段が、大当りの選択される確率を第1確率に変更する。
【0015】
一方、終了モードにおいて大当りの選択される確率が第3確率となっている状態についても、次回以降の選択において大当り選択手段が大当りを選択するまで、あるいは、大当り選択手段による選択が所定回数行われるまで継続されるように構成すればよい。第3確率となっている状態が終了した後は、遊技状態変更手段が、大当りの選択される確率を第1確率に変更するように構成すればよく、第2確率に変更するように構成してもよい。
【0016】
また、具体的な別の例として、請求項3に記載の遊技機は、
前記第1条件および前記第2条件が続けて成立する条件であって、前記第1条件が成立するまでまたは前記第2条件が成立するまでに要する必要時間が、遊技中に2通り以上に変化する遊技機であって、
遊技モードが前記通常モードであるときは、前記第2条件が成立した場合に、前記遊技状態変更手段が、前記必要時間を通常の時間である第1時間から、該第1時間より短い第2時間に変更し、
遊技モードが前記終了モードであるときは、前記第2条件が成立した場合、または、前記必要時間が前記第2時間になっている場合に、前記遊技状態変更手段が、前記必要時間を前記第2時間よりも短い第3時間に変更する
ことを特徴とする。
【0017】
この遊技機においては、第1条件は、大当り選択手段が大当りを選択することとすればよく、順次成立する複数の条件であってもよい。第2条件は、第1条件が成立した後に成立するものであればよい。例えば、第1条件が大当り選択手段が大当りを選択することである場合、第2条件として、その後に行われる特定大当り選択手段によって特定大当りが選択されることとすればよい。以降、より具体的な例として、遊技球が所定の始動口に入賞または所定の始動ゲートを通過して最終的に大当り選択手段によって大当りが選択されることを第1条件とし、大当り選択手段が大当りを選択した後に、特定大当り選択手段が特定大当りを選択することを第2条件として説明する。
【0018】
この遊技機において通常モードでは、従来の遊技機同様、遊技球が所定の始動口に入賞または所定の始動ゲートを通過した後、大当り選択手段による選択が行われる。この遊技機では、大当り選択手段によって大当りが選択されたことを第1条件としており、第1条件が成立、つまり、大当り選択手段によって大当りが選択されると、特定大当り選択手段が、特定大当りか非特定大当りかを選択する。特定大当りの選択される確率は遊技機毎に任意に設定されている。この遊技機では、特定大当り選択手段によって大当りが選択されたことを第2条件としており、特定大当り選択手段によって特定大当りが選択されると第2条件が成立する。これらの条件を成立させるまでに要する必要時間は、通常は第1時間(第1遊技状態)に設定されている。必要時間としては、例えば、大当り選択手段によって大当りが選択された後に大当り遊技に移行するまでの時間などである。そして、第2条件が成立すると、遊技状態変更手段が、必要時間を第1時間よりも短い第2時間(第2遊技状態)に変更する。必要時間を短くする方法としては、例えば、大当り選択手段によって大当りが選択された後に大当り遊技に移行するまでの時間を短くする制御を行うなどの方法でよい。
【0019】
また、切替時刻設定手段によって設定された切替時刻になった際には、遊技モード切替手段が、遊技モードを終了モードに切り替える。
終了モードでは、通常モードから切り替えられた際に、必要時間が第2時間に変更されている場合、遊技状態変更手段が必要時間を第2時間よりも短い第3時間(第3遊技状態)に変更する。また、通常モードの場合と同様の手順を経て特定大当り選択手段が特定大当りを選択すると、遊技状態変更手段が、必要時間を第2時間よりも短い第3時間(第3遊技状態)に変更する。
【0020】
このように構成された遊技機によれば、切替時刻になると遊技モードが終了モードに切り替わり、複数の条件を成立させるまでに要する必要時間が、第1時間や第2時間よりも短い第3時間に変更され得るようになるため、通常より短時間で大当りを引き当てやすくなる。そのため、利用者が遊技の終了を希望する時間に合わせて、切替時刻を設定すれば、短時間であっても遊技を楽しむことができる。
【0021】
なお、この遊技機における第3時間は、その具体的な時間数は特に限定されないが、その時間数が短時間であるほど、より短時間での遊技を楽しむことができる。
また、通常モードにおいて必要時間が第2時間となっている状態は、例えば、次回以降の選択において特定大当り選択手段が非特定大当りを選択するまで、あるいは、大当り選択手段による選択が所定回数行われるまで継続されるように構成すればよい。また、第2時間となっている状態が終了した後は、遊技状態変更手段が、必要時間を第1確率に変更する。
【0022】
一方、終了モードにおいて必要時間が第3時間となっている状態についても、次回以降の選択において大当り選択手段が大当りを選択するまで、あるいは、大当り選択手段による選択が所定回数行われるまで継続されるように構成すればよい。第3時間となっている状態が終了した後は、遊技状態変更手段が、必要時間を第1時間に変更するように構成すればよく、第2時間に変更するように構成してもよい。
【0023】
なお、本遊技機は、従来の遊技機と同様に、はずれ、非特定大当りまたは特定大当りが選択されると、遊技機の備える図柄表示装置に、それぞれに対応する図柄(はずれ図柄、非特定大当た図柄、特定大当り図柄)を表示するように構成されている。そして、利用者は、表示される図柄によって、遊技状態を確認することができる。
【0024】
通常モードにおいては、例えば、大当りが選択され、図柄表示手段に特定大当り図柄が表示された場合は、以降の遊技状態が第2遊技状態となったことが確認でき、また、大当りが選択され、図柄表示手段に非特定大当り図柄が表示された場合は、以降の遊技状態が第1遊技状態となったことが確認できる。
【0025】
終了モードにおいては、遊技状態が第3遊技状態である場合に大当り選択手段によって大当りが選択されると、以降の遊技状態が第1遊技状態に変更されるように構成されているため、遊技状態と図柄表示手段が表示する図柄の対応を合わせるために、終了モードにおいては、特定大当り選択手段が非特定大当りしか選択しなくなるように構成するとよい。このように構成すれば、通常モードと同様に、例えば、大当りが選択され、図柄表示手段に第3遊技状態となることを示す図柄が表示された場合は、以降の遊技状態が第3遊技状態となったことが確認でき、また、大当りが選択され、図柄表示手段に非特定大当り図柄が表示された場合は、以降の遊技状態が第1遊技状態となったことが確認できる。なお、第3遊技状態となることを示す図柄は、特定大当り図柄と同じものであってもよい。
【0026】
また、遊技状態と図柄表示手段が表示する図柄の対応を合わせる別の構成として、請求項4に記載の遊技機のように、
はずれ図柄、非特定大当り図柄または特定大当り図柄のうち、いずれかを表示するように構成された図柄表示手段を備え、
該図柄表示手段が、
前記通常モードにおいて、前記大当り選択手段によってはずれが選択された場合には前記はずれ図柄を表示し、前記大当り選択手段によって大当りが選択されて前記特定大当り選択手段によって非特定大当りが選択された場合に前記非特定大当り図柄を表示し、前記大当り選択手段によって大当りが選択されて前記特定大当り選択手段によって特定大当りが選択された場合に前記特定大当り図柄を表示し、
前記終了モードにおいて、前記大当り選択手段によってはずれが選択された場合には前記はずれ図柄を表示し、前記大当り選択手段によって大当りが選択された場合には前記特定大当り選択手段の選択結果に拘わらず前記非特定大当り図柄を表示するとよい。
【0027】
このように構成された遊技機によれば、終了モードにおいて、大当りが選択された際、図柄表示手段は、特定大当り選択手段の選択結果に拘わらず非特定大当り選択手段を表示することになる。
ところで、このような構成の遊技機は、遊技状態が第2遊技状態よりも利用者にとって有利な状態となるため、同一の利用者に、終了モードでの遊技が長時間にわたって継続的に行われると、不当に多くの賞球が獲得されてしまう恐れがある。このような問題に対しては、例えば、店内のルールとして、終了モードとなってからの大当り遊技の回数を1回まで等と規制し、そのルールを守って遊技が行われるように従業員が利用者の指導を行ってもよい。しかし、このような方法では利用者に遊技の終了を促す必要が生じるなど従業員の負担が大きくなる。
【0028】
そこで、請求項5に記載の遊技機のように、
前記終了モードにおいて、遊技状態が前記第3遊技状態になっている状態で前記第2条件が成立した場合、前記遊技状態変更手段が、遊技状態を前記第1遊技状態に変更するとよい。
【0029】
このように構成された遊技機によれば、第3遊技状態となっている状態で第2条件が成立した場合、その後遊技状態が、第1遊技状態に変更されるため、利用者にとって有利な状態が継続することはなく、利用者に多くの賞球を不当に獲得される恐れがない。また、第2条件が成立したら、次回以降に遊技状態が、第1遊技状態となるため、利用者にとって有利な状態が継続しているのにも拘わらず遊技を終了しなければならないといったことがなく、利用者に無念感が残りにくい。
【0030】
さらに、請求項6に記載の遊技機のように、
前記終了モードにおいて、遊技状態が前記第3遊技状態になっている状態で前記第2条件が成立した場合、前記遊技状態変更手段が、遊技状態を前記第1遊技状態に変更した後、遊技状態を変更しなくなるとよい。
【0031】
このように構成された遊技機によれば、終了モードにおいて最初に第2条件が成立した後、遊技状態が通常の第1遊技状態より有利な状態となることがないため、利用者は無念感を残すことなく遊技を終了することができる。
また、請求項7に記載の遊技機は、
遊技の終了予定時刻を利用者が任意に入力可能な終了時刻入力手段を備え、
前記切替時刻設定手段が、前記終了時刻入力手段によって入力された前記終了予定時刻から、あらかじめ定められた時間だけ前の時刻を、前記切替時刻として設定するように構成されている
ことを特徴とする。
【0032】
この遊技機における、終了時刻入力手段は、終了予定時刻を入力可能であれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、入力ボタン、ダイヤルなどによって時刻を入力できるように構成すればよい。
切替時刻設定手段は、終了時刻入力手段によって入力された時刻を基に、あらかじめ定められた時間だけ前の時刻を切替時刻として設定する。あらかじめ定められた時間は、切替時刻となって後に終了モードで遊技が行われる時間であって、具体的な時間数は特に限定されない。例えば、遊技機毎に固有の時間数としてもよく、各遊技機における大当りが選択されるまでの平均時間間隔としてもよい。また、遊技機の稼働状況(例えば、大当り選択手段による選択回数など)に応じて時間数を算出してもよい。具体的な算出方法として、各遊技機において、遊技球が単位時間当り始動口に入賞または始動ゲートを通過した回数(以降、単位始動数とする)が多いほど、大当り選択手段による選択回数が多くなる。同じ時間内であれば大当り選択手段による選択回数が多いほど大当りが選択されるまでの時間も短くなる。よって、単位始動数が多い遊技機ほど時間数が少なくなるように算出すればよい。
【0033】
また、終了予定時刻が経過した後は、遊技モード切替手段が、遊技モードを直ちに終了モードから通常モードに変更するように構成すればよく、終了予定時刻経過後の最初に選択された大当りの後に、遊技モード切替手段が、遊技モードを通常モードに変更するように構成してもよい。また、終了予定時刻が経過した後は、遊技球の発射装置を停止して遊技球を発射できなくなるように構成してもよい。また、遊技球の貸機が遊技機に備えられていれば、終了予定時刻以降に遊技球を借りられなくなるように構成してもよい。
【0034】
このように構成された遊技機によれば、利用者が遊技の終了を希望する時刻が到来する前に必ず一定時間は終了モードでの遊技を楽しむことができる。また特に、切替時刻から終了予定時刻までの時間が、大当りが選択されるまでの平均時間間隔である場合、大当りが選択されるまでに充分な時間であるため、終了予定時刻までに大当りを引き当てることが期待できる。また、切替時刻から終了予定時刻までの時間が、遊技機の稼働状況によって算出された場合、終了モードの時間数を各遊技機に対して公平に設定することができる。
【0035】
なお、この遊技機においては、第3遊技状態が、終了予定時刻となるまでに、時間経過と共に大当り遊技に移行しやすくなるように構成してもよい。例えば、遊技状態変更手段によって終了予定時刻に近づくほど大当りの選択される確率が高確率に変更されるように構成すればよい。また、遊技状態変更手段によって終了予定時刻に近づくほど必要時間が短時間に変更されるように構成すればよい。このように構成すれば、より終了予定時刻までに大当り遊技に移行しやすくなる。
【0036】
また、請求項8に記載の遊技機は、
前記終了予定時刻までの時間経過または前記終了予定時刻となったことのいずれか一方または両方を利用者に報知可能な第1報知手段を備えている
ことを特徴とする。
【0037】
この遊技機における第1報知手段は、終了予定時刻までの時間経過または終了予定時刻となったことのいずれか一方または両方を利用者に報知することができれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、終了予定時刻までの時間経過を表示可能な表示装置で構成したり、終了予定時刻となった際に、ランプが点灯するように構成したり、スピーカーから音声を出力するように構成して、利用者に報知すればよい。
【0038】
このように構成された遊技機によれば、利用者は、終了予定時刻となったことを確認できるため、終了予定時刻となるまでは安心して遊技を行うことができる。また特に、終了予定時刻までの時間経過を報知するように構成されている場合には、利用者は、終了予定時刻までの時間経過を随時確認しながら遊技を行うことができる。
【0039】
また、請求項9に記載の遊技機は、
前記大当り遊技によって遊技を行うことができると考えられる予想大当り遊技時間があらかじめ設定されている遊技機であって、
前記終了予定時刻までの残り時間が、前記予想大当り遊技時間よりも短くなったことを利用者に報知可能な第2報知手段を備えている
ことを特徴とする。
【0040】
この遊技機における第2報知手段は、終了予定時刻までに大当り遊技が終了しないことを利用者に報知することができれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、大当り遊技時間が平均で3分間と想定されている遊技機の場合、大当り遊技時間をあらかじめ3分間と定めておき、終了予定時刻までの残り時間が3分より短くなった際に、文字表示装置がメッセージを表示するように構成したり、ランプが点灯するように構成したり、スピーカーから音声が出力されるように構成すればよい。
【0041】
このように構成された遊技機によれば、大当り遊技が終了予定時刻を超えることをあらかじめ知ることができるため、利用者は報知されるまでは終了予定時刻を気にすることなく安心して遊技を楽しむことができる。
また、請求項10に記載の遊技機は、
前記遊技モード切替手段が遊技モードを前記通常モードから前記終了モードに切り替えたことを、利用者に報知可能な第3報知手段を備えている
ことを特徴とする。
【0042】
この遊技機における第3報知手段は、遊技モードが終了モードに切り替えられたことを利用者に報知することができれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、遊技モードが終了モードに切り替えられた際に、ランプが点灯するように構成したり、スピーカーから音声が出力されるように構成すればよい。また、遊技モードが終了モードに切り替えられたら、図柄表示手段が、終了モードに切り替えられたことを示す図柄等の表示物を表示するように構成してもよい。
【0043】
このように構成された遊技機によれば、利用者は、遊技モードが終了モードに切り替えられたことを確認することができるため、遊技状態の変化を確認しながら遊技を楽しむことができる。
また、請求項11に記載の遊技機は、
前記大当り遊技中に行われる大当り遊技制御として、前記通常モードにおいては通常大当り遊技制御を行い、前記終了モードにおいては前記通常大当り遊技制御より短時間で大当り遊技を終了させることが可能な終了大当り遊技制御を行う大当り遊技制御手段を備えている
ことを特徴とする。
【0044】
また、通常大当り遊技制御は、従来の大当り遊技の際に実行される制御と同様に、大当り選択手段により大当りが選択されたら入賞口を開いて、入賞口に所定の個数の遊技球が入賞することにより入賞口を閉じるといった処理をあらかじめ定められた回数繰り返して処理を終了する。一方、終了大当り遊技制御では、通常大当り制御による大当り遊技よりも短時間で終了させることが可能であれば、その具体的な制御方法は特に限定されない。例えば、入賞口に所定の個数の遊技球が入賞して入賞口を閉じた後、再度入賞口を開くまでの時間を通常大当り制御よりも短くする制御を行えばよい。
【0045】
このように構成された遊技機によれば、通常大当り遊技制御よりも終了大当り遊技制御による大当り遊技の方が、短時間で終了するため、大当り遊技が終了予定時刻を超えてしまうような場合でも通常大当り遊技制御による大当り遊技よりも短時間で大当り遊技を終了して遊技を終了することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について一例を挙げて説明する。
[全体構成]
遊技機1は、図1に示すように、タブレット10、始動ゲート30、特別図柄表示装置50、普通図柄表示装置60、大入賞装置70および可変入賞装置80などを備え、これらが遊技盤90上に配設されている。なお、遊技盤90には、周知の通り、多数の遊技釘や風車等も配設されている。
【0047】
また、この遊技機1は、図2に示すように、遊技機全体の動作を制御するマイクロコンピュータ40(以降、マイコン40とする)が内蔵されている。
タブレット10は、遊技機1の下側に備えられたものであって、その構成は、図3に示すように、終了予定時刻の入力を開始するための終了予定入力ボタン12、入力した時刻を終了予定時刻として設定するための設定実行ボタン14、時刻を入力するための数字ボタン16と、取消ボタン18と、現在時間表示装置20と、入力された終了予定時刻を表示する終了予定時刻表示装置22と、終了予定時刻を設定した状態で遊技を行っていることを利用者に報知する終了予定時刻設定遊技ランプ24と、CPU26と、RAM28とを備えている。
【0048】
始動ゲート30は、遊技盤90上に2つ配設されており、それぞれに遊技球の通過を検出する始動センサ32が組み込まれている。
普通図柄表示装置60は、遊技球が始動ゲート30を通過する毎に作動して、複数ある普通図柄の内のいずれかを択一的に表示する装置で、本実施形態において、普通図柄表示装置60は、7セグメントLEDを備えた数字表示器によって構成されている。この普通図柄表示装置60が表示する普通図柄には、当り図柄とはずれ図柄とがあり、本実施形態においては、当り図柄として「7」を表示し、はずれ図柄として「7」以外の数字を表示するようになっている。
【0049】
可変入賞装置80は、電動式のチューリップ型入賞装置で、左右対称に開閉動作する一対の可動片82と、この可動片を駆動して開閉動作させるソレノイド84と、遊技球が可変入賞装置80に入賞したことを検出可能な入賞センサ86とを備えている。この可変入賞装置80の可動片82は、常時は閉じた状態とされていて、この状態では、可変入賞装置80の近傍にある遊技釘が障害となるため、遊技球は実質的に可変入賞装置80に入賞不能である。一方、普通図柄表示装置60に当り図柄(本実施形態では「7」)が表示された場合、可変入賞装置80の可動片82は開いた状態にされ、これに伴って、遊技球は可変入賞装置80に入賞可能な状態となる。開いた状態になった可動片82は、遊技球が可変入賞装置80に入賞するか所定時間が経過すると再び閉じられる。
【0050】
特別図柄表示装置50は、マイコン40から出力されてきた制御信号によって作動し、複数ある図柄の内のいずれかを表示する。特別図柄表示装置50が表示する図柄として、大当り図柄は、(111)、(222)、(333)、...、(777)、(888)、(999)、(○○○)、(△△△)、(◎◎◎)、(☆☆☆)の13図柄である。この内(333)、(777)、(☆☆☆)の3図柄が特定大当り図柄であり、残りの10図柄が非特定大当り図柄である。また、はずれ図柄は、2種類以上の数字、記号で構成された図柄(例えば、(112)、(12○)など)である。この特別図柄表示装置50は、マイコン40から送られてきた制御信号が、特定大当り図柄を表示する内容の制御信号であれば特定大当り図柄を表示し、非特定大当り図柄を表示する内容の制御信号であれば非特定大当り図柄を表示し、はずれ図柄を表示する内容の制御信号であればはずれ図柄を表示する。
【0051】
大入賞装置70は、通称アタッカーと呼ばれる装置であり、遊技盤90の盤面に対して前後方向に開閉動作する可動部材72と、この可動部材72を駆動して開閉動作させるソレノイド74と、遊技球が大入賞装置70の内部に設けられた特定領域(通称Vゾーンと呼ばれる領域)を通過したことを検出可能な特定領域センサ76と、大入賞装置70に入賞した遊技球の数をカウントするカウントセンサ78とを備えている。この大入賞装置70の可動部材72は、常時は直立した状態となって大入賞口を閉鎖しており、マイコン40からの制御信号によって、大入賞装置70の可動部材72は前傾した状態となって大入賞口を開放する。この開放状態では、上方から落下してくる遊技球が可動部材72に載って大入賞口内へと案内される。前傾した状態になった可動部材72は、所定個数の遊技球が大入賞装置70に入賞するか所定時間が経過すると再び閉じられる。なお、大入賞装置70に入賞した遊技球が特定領域を通過した場合には、大入賞口の開放動作が複数回(本実施形態においては計8回まで)繰り返される。このように大入賞口の開閉を伴う遊技を、以降大当り遊技とする。
【0052】
マイコン40は、各種演算処理や制御を行うCPU42と、CPU42が実行するプログラムを記憶しているROM44と、CPU42の処理結果等を一時的に記憶するRAM46と、入出力インターフェース48とを備えている。ROM44には、遊技球が始動口に入賞した後に行われる遊技処理の手順として、通常モードによる処理手順と、終了モードによる処理手順が記憶されている。CPU42は、この2つの処理手順のいずれかに基づいて遊技処理を実行する。また、ROM44には、CPU42が大当りかはずれのうち大当りを選択する確率として、1/350(以降、第1確率とする)、1/60(以降、第2確率とする)、1/50(以降、第3確率とする)の3つの値が記憶されている。なお、CPU42は入出力インターフェース48を介して、遊技機全体の動作を制御している。具体的には、始動ゲート30の始動センサ32、大入賞装置70の特定領域センサ76およびカウントセンサ78、可変入賞装置80の入賞センサ86といったセンサ類からの検出信号を入力し、この検出信号に基づいて各種制御信号を特別図柄表示装置50、普通図柄表示装置60、大入賞装置70のソレノイド74、可変入賞装置80のソレノイド84などに出力する。なお、マイコン40には、図示したもの以外にも、各種センサ類(例えば、普通入賞口の通過センサ、遊技球発射装置のタッチセンサなど)からの検出信号を入力し、各種装置(例えば、遊技球発射装置や賞球払出装置など)に制御信号を出力するが、これらについては本発明を理解する上で重要な構成ではないので、図示および説明を省略する。
【0053】
[タブレット10による終了予定時刻入力処理]
まず、タブレット10による終了予定時刻入力処理を図4に基づいて説明する。なお、本処理は、タブレット10のCPU26が行う処理であり、終了予定入力ボタン12が押された後に開始される。
【0054】
まず、CPU26は、数字ボタン16によって終了予定時刻が入力されるまで待機する(s11:NO)。終了予定時刻が入力されたら(s11:YES)、CPU26は、入力された終了予定時刻をRAM28に記憶させて(s12)、この終了予定時刻を終了予定時刻表示装置22に表示させる(s13)。
【0055】
次に、CPU26は、設定実行ボタン14が押されたかどうかをチェックする(s14)。この処理で設定実行ボタン14が押されていなければ(s14:NO)、s11の処理に戻って終了予定時刻の入力待ちとなる。一方、設定実行ボタン14が押されたら(s14:YES)、終了予定時刻設定遊技ランプ24を点灯させる(s15)。
【0056】
そして、CPU26は、RAM28に記憶されている終了予定時刻のデータをマイコン40に出力する(s16)。マイコン40は、終了予定時刻のデータをRAM46に確保された終了予定時刻用の記憶領域(以降、終了予定時刻領域とする)に記憶する。こうして、マイコン40は、タブレット10から出力されたデータに基づいて終了予定時刻を設定する。
【0057】
[マイコン40による遊技モード設定処理]
次に、マイコン40による遊技モード設定処理を図5に基づいて説明する。なお、遊技モード設定処理は、遊技が開始されると共に開始され、その後、繰り返し実行される。
【0058】
まず、マイコン40は、RAM46内に終了予定時刻が記憶されているかどうかをチェックする(s21)。終了予定時刻は、図4におけるs16の処理で、タブレット10からデータとして出力されてきて、RAM46の終了予定時刻領域に記憶されるものである。終了予定時刻がRAM46内に記憶されている場合(s21:YES)、マイコン40は、切替時刻になったかどうかをチェックする(s22)。切替時刻は、終了予定時刻に基づいて算出されるデータであって、終了予定時刻の10分前の時刻としてRAM46に確保された切替時刻用の記憶領域(以降、切替時刻領域とする)に記憶される。切替時刻になっている場合(s22:YES)、マイコン40は、大当りの選択される確率が第2確率であれば(s23:YES)、大当りの選択される確率を第3確率に設定する(s24)。
【0059】
こうして、s24の処理を終えるか、s23の処理で大当りの選択される確率が第2確率でなければ(s23:NO)、マイコン40は、フラグNに1を代入する(s25)。このフラグNは、以降の遊技処理において参照されるものであり、フラグN=1の場合、終了モードでの遊技が行われることになる。
【0060】
一方、s21の処理において、RAM46内に終了予定時刻のデータが記憶されていない場合(s21:NO)、および、s22の処理において切替時刻になっていない場合(s22:NO)、マイコン40は、フラグNに0を代入する(s26)。フラグN=0の場合、通常モードでの遊技が行われることになる。
【0061】
こうして、s25の処理を終えるか、s26の処理を終えることによりマイコン40による遊技モード設定処理を終了する。
[マイコン40の遊技処理]
次に、マイコン40が実行する遊技処理について、図6に基づいて説明する。なお、遊技処理は、マイコン40が始動信号を受信した後に開始される。始動信号は、遊技球が始動口に入賞したことを始動センサ32が検知したことを示す信号であり、始動センサ32から送信されてくるものである。
【0062】
まず、マイコン40は、フラグNが0であるかどうかをチェックする(s51)。このフラグNは、図5におけるs25の処理またはs26の処理で1または0が代入されたものである。
この処理で、フラグNが0であれば(s51:YES)、後述する通常モードでの処理を行う(s52)。一方、フラグNが1であれば(s51:NO)、後述する終了モードでの処理を行う(s53)。
【0063】
[通常モードにおけるマイコン40の遊技処理]
次に、通常モードでの遊技処理について、図7に基づいて説明する。なお、本処理は、図6におけるs52でマイコン40が行う処理の詳細である。
まず、マイコン40は、大当りかはずれかの選択を行う(s31)。大当りの選択される確率は、遊技開始時には第1確率に設定されているが、この確率は以降の処理において変更されることになる。この処理において、はずれが選択された場合(s31:NO)、マイコン40は上述のはずれ図柄の中から1の図柄をランダムに選択し、その図柄を特別図柄表示装置50に表示して(s38)、処理を終了する。
【0064】
また、s31の処理で大当りが選択された場合(s31:YES)、マイコン40は、特定大当りか非特定大当りかを選択する(s32)。この処理で特定大当りが選択された場合(s32:YES)、マイコン40は、上述の3種類の特定大当り図柄の中から1の図柄をランダムに選択し、その図柄を特別図柄表示装置50に表示する(s33)。続いて、マイコン40は、大当りの選択される確率を第2確率に設定する(s34)。
【0065】
一方、s32の処理で非特定大当りが選択された場合(s32:NO)、マイコン40は、上述の10種類の非特定大当り図柄の中から1の図柄をランダムに選択し、その図柄を特別図柄表示装置50に表示する(s35)。続いて、マイコン40は、大当りの選択される確率を第1確率に設定する(s36)。
【0066】
そして、s34の処理またはs36の処理の後、マイコン40が、大入賞装置70に大当り遊技を実行させる(s37)。
[終了モードにおけるマイコン40の遊技処理]
次に、終了モードでの遊技処理について、図8に基づいて説明する。なお、本処理は、図6におけるs53でマイコン40が行う処理の詳細である。
【0067】
まず、マイコン40は、大当りかはずれかの選択を行う(s41)。大当りの選択される確率は、遊技開始時には第1確率に設定されているが、この確率は以降の処理において変更されることになる。この処理において、はずれが選択された場合(s41:NO)、マイコン40は上述のはずれ図柄の中から1の図柄をランダムに選択し、その図柄を特別図柄表示装置50に表示させて(s48)、処理を終了する。
【0068】
また、s41の処理で大当りが選択された場合(s41:YES)、マイコン40は、大当りの選択される確率が第1確率であるかどうかをチェックする(s42)。この処理において、大当りの選択される確率が第1確率である場合(s42:YES)、マイコン40は、特定大当りか非特定大当りかの選択を行う(s43)。この処理において、特定大当りが選択された場合(s43:YES)、マイコン40は、上述の3種類の特定大当り図柄の中から1の図柄をランダムに選択し、その図柄を特別図柄表示装置50に表示させる(s44)。続いて、マイコン40は、大当りの選択される確率を第3確率に設定する(s45)。
【0069】
一方、s42の処理で大当りの選択される確率が第3確率である場合(s42:NO)、およびs43の処理で非特定大当りが選択された場合(s43:NO)、マイコン40は、上述の10種類の非特定大当り図柄の中から1の図柄をランダムに選択し、その図柄を特別図柄表示装置50に表示させる(s46)。続いて、マイコン40は、大当りの選択される確率を第1確率に設定する(s47)。
【0070】
こうして、マイコン40は、s45の処理を終了するか、s47の処理を終了したら、大当り遊技を実行させる(s49)。
なお、終了予定時刻を経過した後、マイコン40は、フラグNに0を代入して、以降の遊技処理が通常モードで行われるようにする。
【0071】
以上、説明した実施形態において、遊技機1におけるタブレット10は、本発明における終了時刻入力手段として機能するものである。
また、図7におけるs31の処理および図8におけるs41の処理を行うマイコン40は、本発明における大当り選択手段として機能するものである。
【0072】
また、図7におけるs32の処理および図8におけるs43の処理を行うマイコン40は、本発明における特定大当り選択手段として機能するものである。
また、図5におけるs24の処理と、図7におけるs34およびs36の処理と、図8におけるs45およびs47の処理を行うマイコン40は、本発明における遊技状態変更手段として機能するものである。
【0073】
また、図4におけるs16の処理でタブレット10からマイコン40に送信された終了予定時刻の10分前の時刻を切替時刻としてRAM46に記憶するマイコン40は、本発明における切替時刻設定手段として機能するものである。
また、図5におけるs25およびs26の処理でフラグNに0または1を代入するマイコン40は、本発明における遊技モード切替手段として機能するものである。
【0074】
また、特別図柄表示装置50は、本発明における図柄表示手段として機能するものである。
また、図7におけるs37の処理および図8におけるs49の処理を行うマイコン40は、本発明における大当り遊技制御手段として機能するものである。
【0075】
[効果]
このように構成された遊技機1によれば、利用者が遊技の終了を希望する時刻が到来する前に必ず10分間は終了モードでの遊技を楽しむことができる。また、終了予定時刻の10分前になると遊技モードが終了モードに切り替わり、大当りの選択される確率が、第1確率や第2確率よりも高い第3確率に変更され得るようになるため、通常より短時間で大当りを引き当てやすくなる。そのため、短時間であっても遊技を楽しむことができる。
【0076】
また、このように構成された遊技機1によれば、第3確率となっている状態で大当りを引き当てた場合、その後大当りの選択される確率が、通常の確率である第1確率に変更されるため、大当りの選択される確率が、連続で高確率(第2確率または第3確率)になることはないため、同一の利用者が継続的に遊技を行うことにより多くの賞球を不当に獲得される恐れがない。また、大当り選択手段によって大当りが選択されたら、次回以降に大当りの選択される確率が、第1確率となるため、高確率状態が継続しているのにも拘わらず遊技を終了しなければならないといったことがなく、利用者に無念感が残りにくい。
【0077】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態においては、タブレット10が、終了予定時刻表示装置22によって終了予定時刻を表示するものを例示したが、終了予定時刻表示装置22が、終了予定時刻までの残り時間を表示するように構成し、本発明における第1報知手段として機能させてもよい。この場合、利用者は、終了予定時刻までの時間経過を随時確認しながら遊技を行うことができる。また、タブレット10に、終了予定時刻となったことを利用者に報知するためのランプやスピーカー(本発明における第1報知手段)などが備えられていてもよい。この場合、利用者は終了予定時刻となったことを確認できるため、終了予定時刻となるまでは安心して遊技を行うことができる。
【0078】
また、上記実施形態において、大当り遊技時間が平均で3分間と想定されている場合、終了予定時刻までの残り時間が3分より短くなった際に、大当り遊技が終了予定時刻を超えることを利用者に報知するための文字表示装置、ランプやスピーカー(本発明における第2報知手段)などが備えられていてもよい。この場合、利用者は大当り遊技が終了予定時刻を超えることをあらかじめ知ることができるため、利用者は報知されるまでは終了予定時刻を気にすることなく安心して遊技を楽しむことができる。
【0079】
また、上記実施例において、遊技モードが通常モードから終了モードに切り替わったことを利用者に報知するためのランプやスピーカー(本発明における第3報知手段)などが設けられていてもよい。また、通常モードから終了モードに切り替わったことを示す図柄等の表示物を図柄表示装置が表示することによって利用者に報知するように構成してもよい。これらの場合、利用者は、遊技モードが終了モードに切り替わったことを確認することができるため、遊技状態の変化を確認しながら遊技を楽しむことができる。
【0080】
また、上記実施形態において、第3確率が一定の値(1/50)であるものを例示したが、図9に示すように、第3確率が、終了モードにおける時間経過に伴って高確率に変更するように構成してもよい。この場合、図7におけるs45の処理の代わりに、図10に示すような処理が行われることになる。この処理で、まずマイコン40は、終了モードでの遊技が5分経過しているかどうかをチェックする(s61)。第3確率は、図9に示すように、時間と共に高確率となり、5分経過した時点で上限として定められた1/50となる。この処理において、5分を経過していれば(s61:YES)、マイコン40は、大当りの選択される確率を1/50に設定する(s62)。一方、5分を経過していなければ(s61:NO)、マイコン40は、大当りの選択される確率を経過時間に対応する値に設定する(s63)。このように構成されていれば、終了予定時刻に近づくにつれて、大当りを引き当てやすくなる。
【0081】
また、上記実施形態においては、所定個数の遊技球が入賞口に入賞することによって大当り遊技が終了するため、終了モードに切り替わった後の大当り遊技の際に、遊技球が入賞口に入賞しやすくなるような制御を行うように構成してもよい。具体的には、マイコン40が、大入賞口の閉じている時間を短くする制御を行って大入賞口が開いている時間の割合を高めればよく、また、開閉動作において大入賞口を通常モードよりも大きく開く制御を行って単位時間当りの大入賞口に遊技球が入賞する確率を高めればよい。このように構成すれば、通常より遊技球が入賞口に入賞しやすくなるため、大当り遊技が通常より短時間で終了することを期待できる。
【0082】
また、上記実施形態においては、終了モードが10分間行われるように構成したものを例示したが、終了モードの行われる時間数は特に限定されない。例えば、各遊技機のマイコン40が、大当りが選択されるまでの平均時間間隔を算出するように構成して、算出した時間を終了モードでの時間数とすればよい。この場合 終了モードの行われる時間数が、大当りが選択されるまでに充分な時間であるため、終了予定時刻までに大当りを引き当てることを期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明遊技機における実施形態を示す図である。
【図2】本発明遊技機の要部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明遊技機におけるタブレットの構成を示す図である。
【図4】本発明遊技機におけるタブレットの終了予定時刻入力処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明遊技機におけるマイコンの遊技モード設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明遊技機におけるマイコンの遊技処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明遊技機におけるマイコンの通常モードによる遊技処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明遊技機におけるマイコンの終了モードによる遊技処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明遊技機における他の実施形態を示す図である。
【図10】本発明遊技機における他の実施形態について、マイコンの終了モードによる遊技処理の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・遊技機、10・・・タブレット、12・・・終了予定入力ボタン、14・・・設定実行ボタン、16・・・数字ボタン、18・・・取消ボタン、20・・・現在時間表示装置、22・・・終了予定時刻表示装置、24・・・終了予定時刻設定遊技ランプ、26・・・CPU、28・・・RAM、30・・・始動ゲート、32・・・始動センサ、40・・・マイクロコンピュータ、42・・・CPU、44・・・ROM、46・・・RAM、48・・・入出力インターフェース、50・・・特別図柄表示装置、60・・・普通図柄表示装置、70・・・大入賞装置、72・・・可動部材、74・・・ソレノイド、76・・・特定領域センサ、78・・・カウントセンサ、80・・・可変入賞装置、82・・・可動片、84・・・ソレノイド、86・・・入賞センサ、90・・・遊技盤。
Claims (11)
- 所定の第1条件が成立した場合に、大当り遊技に移行する遊技機であって、
遊技状態を大当り遊技への移行しやすさが異なる複数の遊技状態のいずれかに変更する遊技状態変更手段と、
遊技モードを切り替える切替時刻を設定可能な切替時刻設定手段と、
該切替時刻設定手段によって設定された前記切替時刻になった際に、遊技モードを通常モードから終了モードに切り替える遊技モード切替手段とを備え、
遊技モードが前記通常モードであるときは、所定の第2条件が成立した場合に、前記遊技状態変更手段が、遊技状態を通常の遊技状態である第1遊技状態から、該第1遊技状態よりも前記大当り遊技に移行しやすい第2遊技状態に変更し、遊技モードが前記終了モードであるときは、前記第2条件が成立した場合、または、遊技状態が前記第2遊技状態になっている場合に、前記遊技状態変更手段が、遊技状態を前記第2遊技状態よりも前記大当り遊技に移行しやすい第3遊技状態に変更する
ことを特徴とする遊技機。 - 大当りかはずれかを選択する大当り選択手段と、該大当り選択手段により大当りが選択された場合に特定大当りか非特定大当りかを選択する特定大当り選択手段とを備え、
前記大当り選択手段によって大当りが選択されたことを前記第1条件とし、前記特定大当り選択手段によって特定大当りが選択されたことを前記第2条件とし、前記第1条件が成立した場合に、大当り遊技に移行する遊技機であって、
遊技モードが前記通常モードであるときは、前記第2条件が成立した場合に、前記遊技状態変更手段が、大当りの選択される確率を通常の確率である第1確率から、該第1確率より高い第2確率に変更し、
遊技モードが前記終了モードであるときは、前記第2条件が成立した場合、または、大当りの選択される確率が前記第2確率になっている場合に、前記遊技状態変更手段が、大当りの選択される確率を前記第2確率よりも高い第3確率に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記第1条件および前記第2条件が続けて成立する条件であって、前記第1条件が成立するまでまたは前記第2条件が成立するまでに要する必要時間が、遊技中に2通り以上に変化する遊技機であって、
遊技モードが前記通常モードであるときは、前記第2条件が成立した場合に、前記遊技状態変更手段が、前記必要時間を通常の時間である第1時間から、該第1時間より短い第2時間に変更し、
遊技モードが前記終了モードであるときは、前記第2条件が成立した場合、または、前記必要時間が前記第2時間になっている場合に、前記遊技状態変更手段が、前記必要時間を前記第2時間よりも短い第3時間に変更する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - はずれ図柄、非特定大当り図柄または特定大当り図柄のうち、いずれかを表示するように構成された図柄表示手段を備え、
該図柄表示手段が、
前記通常モードにおいて、前記大当り選択手段によってはずれが選択された場合には前記はずれ図柄を表示し、前記大当り選択手段によって大当りが選択されて前記特定大当り選択手段によって非特定大当りが選択された場合に前記非特定大当り図柄を表示し、前記大当り選択手段によって大当りが選択されて前記特定大当り選択手段によって特定大当りが選択された場合に前記特定大当り図柄を表示し、
前記終了モードにおいて、前記大当り選択手段によってはずれが選択された場合には前記はずれ図柄を表示し、前記大当り選択手段によって大当りが選択された場合には前記特定大当り選択手段の選択結果に拘わらず前記非特定大当り図柄を表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の遊技機。 - 前記終了モードにおいて、遊技状態が前記第3遊技状態になっている状態で前記第2条件が成立した場合、前記遊技状態変更手段が、遊技状態を前記第1遊技状態に変更する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の遊技機。 - 前記終了モードにおいて、遊技状態が前記第3遊技状態になっている状態で前記第2条件が成立した場合、前記遊技状態変更手段が、遊技状態を前記第1遊技状態に変更した後、遊技状態を変更しなくなる
ことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。 - 遊技の終了予定時刻を利用者が任意に入力可能な終了時刻入力手段を備え、
前記切替時刻設定手段が、前記終了時刻入力手段によって入力された前記終了予定時刻から、あらかじめ定められた時間だけ前の時刻を、前記切替時刻として設定するように構成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の遊技機。 - 前記終了予定時刻までの時間経過または前記終了予定時刻となったことのいずれか一方または両方を利用者に報知可能な第1報知手段を備えている
ことを特徴とする請求項7に記載の遊技機。 - 前記大当り遊技によって遊技を行うことができると考えられる予想大当り遊技時間があらかじめ設定されている遊技機であって、
前記終了予定時刻までの残り時間が、前記予想大当り遊技時間よりも短くなったことを利用者に報知可能な第2報知手段を備えている
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の遊技機。 - 前記遊技モード切替手段が遊技モードを前記通常モードから前記終了モードに切り替えたことを、利用者に報知可能な第3報知手段を備えている
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の遊技機。 - 前記大当り遊技中に行われる大当り遊技制御として、前記通常モードにおいては通常大当り遊技制御を行い、前記終了モードにおいては前記通常大当り遊技制御より短時間で大当り遊技を終了させることが可能な終了大当り遊技制御を行う大当り遊技制御手段を備えている
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の遊技機。
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