JP4640588B2 - 車両用昇降装置 - Google Patents
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Description
このような車両用昇降装置では、車椅子が載置部から外方に移動するのを受け止め阻止する受け止め体が設けられ、この受け止め体により昇降中に載置部から外方に車椅子が移動するのを阻止している。
しかし、車椅子を載置部に載置させるだけでは、車両を坂道に止めるなどして、載置部が傾斜していると、載置部の昇降中に車椅子が動いてしまう虞がある。したがって、例えば、車椅子に着座している搭乗者に不安感を与えてしまう、あるいは、車椅子が受け止め体に当っても車椅子が載置部から外方に移動するのを受け止め阻止できるように受け止め体の強度を強固にする必要などが生じる。
この従来の車両用昇降装置では、載置部を昇降させる際に、まず、介護者などの人為操作により保持手段を保持状態とし、その後、昇降操作部のボタンを押し操作するなどして昇降指令を指令し、昇降操作手段を作動させて載置部を昇降させるようにしている。
しかしながら、例えば、保持手段を保持状態とするように操作したにもかかわらず、誤作動などによって実際には保持手段が保持状態となっていない場合や、誤操作などによって保持手段を保持状態とする前に昇降指令を指令してしまう場合であり、このような場合には、載置部の昇降中における車椅子の動きを規制できない虞がある。
前記保持手段が保持状態であるか否かを検出する保持状態検出手段が設けられ、前記制御手段は、前記保持状態検出手段が保持状態を検出しているときには、前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行し、かつ、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していないときには、前記昇降指令に拘わらず前記昇降制御を実行しないように構成され、前記載置部に前記車椅子が載置されている載置状態か否かを検出する車椅子検出手段が設けられ、前記制御手段は、前記車椅子検出手段が載置状態を検出しているときには、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していると前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行しかつ前記保持状態検出手段が保持状態を検出していないと前記昇降指令に拘わらず前記昇降制御を実行しないように構成され、かつ、前記車椅子検出手段が載置状態を検出していないときには、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していなくても、前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行するように構成されている点にある。
そして、制御手段は、保持状態検出手段が保持状態を検出していないときには、昇降指令に拘わらず昇降制御を実行しないので、保持手段を保持状態としたことが確認できないと載置部を昇降させない。
そして、制御手段が、車椅子検出手段が載置状態を検出していないときには、保持状態検出手段が保持状態を検出していなくても、昇降指令に基づいて昇降制御を実行するので、載置部に車椅子が載置されていないときには、保持手段の状態に拘わらず、昇降指令に基づいて載置部を昇降させることができる。
前記制御手段は、前記車椅子検出手段が載置状態を検出しているときには、前記保持状態検出手段が保持状態を検出しおよび前記ベルト装着状態検出手段が装着状態を検出していると、前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行し、かつ、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していないあるいは前記ベルト装着状態検出手段が装着状態を検出していないと、前記昇降指令に拘わらず前記昇降制御を実行しないように構成され、かつ、前記車椅子検出手段にて載置状態を検出していないときには、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していないおよび前記ベルト装着状態検出手段が装着状態を検出していなくても、前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行するように構成されている点にある。
そして、制御手段が、車椅子検出手段にて載置状態を検出していないときには、保持状態検出手段が保持状態を検出していないおよびベルト装着状態検出手段が装着状態を検出していなくても、昇降指令に基づいて昇降制御を実行するので、載置部に車椅子が載置されていないときには、保持手段およびシートベルト装置の状態に拘わらず、昇降指令に基づいて載置部を昇降させることができる。
前記保持状態検出手段が、前記回転ドラムから前記索状体が設定量以上引き出されている状態を前記保持状態として検出するように構成されている点にある。
このようにして、回転ドラムから索状体を引き出してフック体を車椅子に引掛けたのち、ドラム操作手段を保持操作状態に切り換えるだけで、容易な操作によって車椅子を載置部に対して位置保持することができる。
前記ドラム操作手段が、前記回転許容状態に対応する解除位置と前記保持操作状態に対応する保持位置とに直線的に往復移動自在で、前記解除位置から前記保持位置への移動にて前記回転ドラムを巻き取り方向に操作して前記保持操作状態に操作しかつ前記保持位置から前記解除位置への移動にて前記回転ドラムを引き出し方向に操作したのち前記回転許容状態にする往復移動体と、この往復移動体を前記保持位置と前記解除位置との間で往復移動操作する往復操作手段とから構成され、
前記往復操作手段が、前記往復移動体を前記保持位置に移動操作する保持用回転位置と前記往復移動体を前記解除位置に移動操作する解除用回転位置とに駆動モータにて回転駆動される回転アームと、この回転アームの先端部に設けられて前記往復移動体の被係合溝に係合する係合ピンとから構成され、
前記被係合溝が、前記解除用回転位置から前記往復移動体の往復移動方向に対して傾斜する状態で延びる傾斜溝部と、この傾斜溝部に連なり前記往復移動体の往復移動方向に対して直交する状態で延びて前記保持用回転位置に至る直交溝部とから構成され、
前記保持状態検出手段が、前記回転アームが前記保持用回転位置に位置する状態を前記保持状態として検出するように構成されている点にある。
係合ピンが保持用回転位置に至ると、駆動モータの駆動が停止されるので、直交溝部が往復移動体の往復移動方向での係合ピンの動きを規制する。このように係合ピンの動きを規制することにより、往復移動体が保持位置に位置決め保持されて保持操作状態とすることができる。
前記ドラム操作手段が、前記回転許容状態に対応する解除位置と前記保持操作状態に対応する保持位置とに直線的に往復移動自在で、前記解除位置から前記保持位置への移動にて前記回転ドラムを巻き取り方向に操作して前記保持操作状態に操作しかつ前記保持位置から前記解除位置への移動にて前記回転ドラムを引き出し方向に操作したのち前記回転許容状態にする往復移動体と、この往復移動体を前記保持位置と前記解除位置との間で往復移動操作する往復操作手段とから構成され、
前記往復操作手段が、前記往復移動体を前記保持位置に移動操作する保持用回転位置と前記往復移動体を前記解除位置に移動操作する解除用回転位置とに駆動モータにて回転駆動される回転アームと、この回転アームの先端部に設けられて前記往復移動体の被係合溝に係合する係合ピンとから構成され、
前記被係合溝が、前記解除用回転位置から前記往復移動体の往復移動方向に対して傾斜する状態で延びる傾斜溝部と、この傾斜溝部に連なり前記往復移動体の往復移動方向に対して直交する状態で延びて前記保持用回転位置に至る直交溝部とから構成され、
前記駆動モータが、前記往復移動体の往復移動方向に沿って移動自在で弾性付勢手段にて前記保持位置側に付勢された状態で、かつ、前記回転アームを前記解除用回転位置から前記保持用回転位置へ回転駆動させるときに前記往復移動体の往復移動方向の前記解除位置側への被押圧力を受ける状態で設けられ、
前記保持状態検出手段が、前記駆動モータが前記往復移動体の往復移動方向の前記解除位置側に設定量以上移動している状態を前記保持状態として検出するように構成されている点にある。
そして、この第6特徴構成では、駆動モータが、往復移動体の往復移動方向に沿って移動自在で弾性付勢手段にて保持位置側に付勢された状態で、かつ、回転アームを解除用回転位置から保持用回転位置へ回転駆動させるときに往復移動体の往復移動方向の解除位置側への被押圧力を受ける状態で設けられている。
説明すると、駆動モータが解除用回転位置から保持用回転位置へ回転アームを回転駆動させるときに、回転アームの先端部に設けられた係合ピンが往復移動体を保持位置側に押圧操作する。したがって、その押圧操作の反作用として、回転アームの基端部に往復移動体の往復移動方向の解除位置側への被押圧力を受ける。そして、駆動モータがこの被押圧力を受けるように設けられているので、駆動モータは、弾性付勢手段の付勢力に抗して往復移動体の往復移動方向の解除位置側へ移動することになる。
前記ドラム操作手段が、前記回転許容状態に対応する解除位置と前記保持操作状態に対応する保持位置とに直線的に往復移動自在で、前記解除位置から前記保持位置への移動にて前記回転ドラムを巻き取り方向に操作して前記保持操作状態に操作しかつ前記保持位置から前記解除位置への移動にて前記回転ドラムを引き出し方向に操作したのち前記回転許容状態にする往復移動体と、この往復移動体を前記保持位置と前記解除位置との間で往復移動操作する往復操作手段とから構成され、
前記往復操作手段が、前記往復移動体を前記保持位置に移動操作する保持用回転位置と前記往復移動体を前記解除位置に移動操作する解除用回転位置とに駆動モータにて回転駆動される回転アームと、この回転アームの先端部に設けられて前記往復移動体の被係合溝に係合する係合ピンとから構成され、
前記被係合溝が、前記解除用回転位置から前記往復移動体の往復移動方向に対して傾斜する状態で延びる傾斜溝部と、この傾斜溝部に連なり前記往復移動体の往復移動方向に対して直交する状態で延びて前記保持用回転位置に至る直交溝部とから構成され、
前記駆動モータは、前記往復移動体の往復移動方向に沿って移動自在で弾性付勢手段にて前記保持位置側に付勢された状態で、かつ、前記回転アームを前記解除用回転位置から前記保持用回転位置へ回転駆動させるときに前記往復移動体の往復移動方向の前記解除位置側への被押圧力を受ける状態で設けられ、
前記保持状態検出手段が、前記回転ドラムから前記索状体が設定量以上引き出されている状態、前記回転アームが前記保持用回転位置に位置する状態、前記駆動モータが前記往復移動体の往復移動方向の前記解除位置側に設定量以上移動している状態の三つの状態のうち、少なくとも二つの状態が満たされていると前記保持状態として検出するように構成されている点にある。
そして、この第6特徴構成では、保持状態検出手段が、上記第3〜5特徴構成で述べた如く、回転ドラムから索状体が設定量以上引き出されている状態、回転アームが保持用回転位置に位置する状態、駆動モータが往復移動体の往復移動方向の解除位置側に設定量以上移動している状態の三つの状態のいずれか一つしか満たされていないと保持状態として検出せず、少なくとも二つの状態が満たされていてはじめて保持状態として検出する。
したがって、保持状態として検出する条件を厳しいものとすることができるので、保持状態であることを正確に検出することができて、載置部の昇降中に車椅子の動きを規制できるという効果を確実に発揮することができる。
この車両用昇降装置は、図1〜図3に示すように、例えば、上下方向へ開閉する開閉扉Dを後部に備えたワゴン車のような車両Vにおいて、後部に搭載して用いられているものである。
図1は、車両用昇降装置を車両Vに搭載した状態での斜視図であり、図2は、車両用昇降装置を車両Vに搭載した状態での平面図であり、図3は、車両用昇降装置の斜視図である。
そして、地面上またはその近くの下降位置と車両Vの床面と同じ高さまたはほぼ同じ高さの上昇位置とに昇降台1を車両Vに対して昇降操作自在な昇降操作手段が、油圧シリンダ5とシリンダ用電動ポンプ6とから構成されている。
前記シリンダ用電動ポンプ6は、左側の平行四連リンク機構4よりも左側に位置されて車両V上に搭載されている。そして、シリンダ用電動ポンプ6と左右の油圧シリンダ5とが、配管により接続され、かつ、その配管系に各種の切換弁やリリーフ弁などが介装されている。
また、左右に位置する部材については、左右の勝手違いはあるものの、略同じ構成なので、左右いずれか一方のみについて説明し、左右で構成の異なる部材については、その都度説明を加える。
また、上リンク9と下リンク10の他端部が、昇降アーム3の上端に設けられたアーム側ブラケット13に対し、夫々ピン11b,12bを介して枢支連結されている。
これら上リンク9と下リンク10との両リンクおよび基枠側ブラケット8とアーム側ブラケット13とにより平行四連リンク機構4が構成されている。
図4は、リンク用カバー14を取り外した状態での左側の平行四連リンク機構4を示している。この左側の平行四連リンク機構4では、下リンク10を基枠側ブラケット8に枢支連結するピン12aが、下リンク10側に固着されて、下リンク10と一体的に回動するように構成されている。
そして、基枠7には左側の機枠側ブラケット8より左外方に支持板16が立設されている。この支持板16にリンク用カバー14から延設されたピン12aの回転に応じてパルスを出力するロータリエンコーダ15が設けられている。
この昇降枠2に保持される昇降台1は、平面視において長方形に形成され、その左の側面には左レール部材21が設けられ、右の側面には右レール部材22が設けられている。左レール部分21と右レール部分22とは若干形状が異なっている。そして、左右の側面には外方に向けて横軸心周りに回転するレール用遊転ローラ23がそれぞれ突設されている。
このようにして、複数のスライド用遊転ローラ17によって、昇降台1が昇降枠2に対して前後方向にスライド可能に保持され、かつ、ガイド用遊転ローラ20によって、昇降枠2に対する昇降台1の横揺れが防止されるように構成されている。
このようにして、スライド用電動モータ19の正逆回転駆動により、レール用遊転ローラ23がレール25上を転動することにより、昇降台1が昇降枠2に対して前後方向にスライド移動するように構成されている。
また、昇降台1の後端部には、昇降台1の後端部よりも後方側へ車椅子Pが移動するのを受け止め阻止する板状の後受け止め体28が設けられている。この後受け止め体28は、上方側に揺動させて起立させた阻止姿勢と後方側に向けて下方側に揺動させて倒伏させた許容姿勢とに回動自在に枢着されている。そして、レバーなどの操作部の人為的な揺動操作あるいは後受け止め体用電動モータ29(図3および図5では図示を省略)の電動操作により後受け止め体28が姿勢変更されるように構成されている。
図8は、保持装置Fの平面図であり、図9は、昇降台1の一部を切り欠いた保持装置Fの側面図であり、図10は、保持装置Fの要部を示す平面図である。
また、ワイヤ31の引き出し方向を変換する方向変換用のプーリ34が複数設けられ、四つのワイヤ31の夫々は、フック体30が昇降台1よりも上方側に位置するように回転ドラム32から引き出されている。そして、昇降台1には、フック体30を収納可能な凹状の収納部35が設けられ、この収納部35にフック体30を収納することによりフック体30を位置決め保持している。
前記ドラム操作手段33は、回転許容状態に対応する解除位置と保持操作状態に対応する保持位置とに直線的に往復移動自在な往復移動体36と、この往復移動体36を保持位置と解除位置との間で往復移動操作する往復操作手段37とから構成されている。
そして、往復移動体36は、解除位置から保持位置への移動にて回転ドラム32を巻き取り方向に操作して保持操作状態に操作しかつ保持位置から解除位置への移動にて回転ドラム32を引き出し方向に操作したのち回転許容状態にする。
図11(イ)は、往復移動体36が解除位置に位置するときを示しており、図11(ロ)は、往復移動体36が解除位置と保持位置との間に位置するときを示しており、図11(ハ)は、往復移動体36が保持位置に位置するときを示している。
そして、駆動モータ38は、解除用回転位置と保持用回転位置との間で回転アーム39の先端部が円弧状の軌跡を描くべく、回転アーム39の基端部を支点として上下軸心周りに回転アーム39を揺動する。
図11(イ)は、回転アーム39が解除用回転位置に位置するときを示しており、図11(ロ)は、回転アーム39が解除用回転位置と保持用回転位置との間に位置するときを示しており、図11(ハ)は、回転アーム39が保持用回転位置に位置するときを示している。
前記幅狭部分36aには、回転ドラム32に設けられたピニオンギア43に噛合するラックギア44と、固定ピン45を摺動する長孔状の案内溝46とが設けられている。
前記ラックギア44は、往復移動体36が解除位置に位置するとピニオンギア43と噛み合わず、往復移動体36が解除位置から保持位置側に移動するとピニオンギア43と噛み合うように設けられている。そして、ラックギア44は、四つの回転ドラム32の夫々に対応するように、往復移動体36の往復移動方向に間隔を隔てて四つ設けられている。
前記案内溝46は、往復移動体36の往復移動方向に間隔を隔てて二つ設けられ、固定ピン45が摺動することにより、往復移動体36の往復移動方向を直線的に規制するように構成されている。
この回転許容状態では、回転ドラム32からワイヤ31を引き出すあるいは回転ドラム32にてワイヤ31を巻き取ることが自由に行え、保持装置Fを解除状態とすることができる。この解除状態において、四つのフック体30の夫々を回転ドラム32から引き出して車椅子PのフレームP1に各別に引掛けることができる。
そして、往復移動体36が解除位置から保持位置側へ移動すると、ラックギア44とピニオンギア43とが噛み合う状態となり、往復移動体36の保持位置側へ移動に伴って回転ドラム32を巻き取る方向(図11中時計回り)に回転操作する。そして、図11(ロ)に示すように、係合ピン41が傾斜溝部40aから直交溝部40bに移行すると、係合ピン41の押圧操作によって往復移動体36が保持位置側へ最大限移動操作される。ちなみに、回転ドラム32は、巻き取る方向あるいは引き出す方向に設定量以上回転操作されても、ワイヤ31を巻き取るあるいは引き出すことなく、ピニオンギア43のみの回転を許容する機構が備えられている。
前記保持状態検出手段47は、引き出し状態検出スイッチ48が引き出し状態を検出している状態、回転アーム検出スイッチ49が保持用回転位置状態を検出している状態、駆動モータ検出スイッチ50が駆動モータ移動状態を検出している状態という三つの状態のすべてが満たされていると保持状態して検出するように構成されている。
前記保持装置Fが保持状態ではないときには、フック体30が収納部35に収納されているなど、回転ドラム32からワイヤ31が設定量よりも小さい量しか引き出されていない。したがって、図11(イ)に示すように、ワイヤ31が引き出し状態検出スイッチ48に接触し、引き出し状態検出スイッチ48がONとなる。
それに対して、保持装置Fが保持状態であるときには、フック体30が車椅子PのフレームP1に引掛けられるなど、回転ドラム32からワイヤ31が設定量以上引き出されている。したがって、図11(ハ)に示すように、回転ドラム32の巻き取り径が小さくなり、ワイヤ31が引き出し状態検出スイッチ48に接触せず、引き出し状態検出スイッチ48がOFFとなる。そして、四つの引き出し状態検出スイッチ48のすべてがOFFすると引き出し状態として検出する。
前記保持装置Fが保持状態ではないときには、図11(イ)に示すように、回転アーム39が解除用回転位置に位置する、あるいは、図11(ロ)に示すように、回転アーム39が解除用回転位置と保持用回転位置との間に位置する。したがって、回転アーム39が回転アーム検出スイッチ49に接触せず、回転アーム検出スイッチ49がOFFとなる。
それに対して、保持装置Fが保持状態であるときには、図11(ハ)に示すように、回転アーム39が保持用回転位置に位置する。したがって、回転アーム39が回転アーム検出スイッチ49に接触し、回転アーム検出スイッチ49がONとなる。
説明を加えると、駆動モータ38が解除用回転位置から保持用回転位置へ回転アーム39を回転駆動させるときに、回転アーム39の先端部に設けられた係合ピン41が往復移動体36を保持位置側に押圧操作する。したがって、その押圧操作の反作用として、回転アーム39の基端部に往復移動体36の往復移動方向の解除位置側への被押圧力を受ける。そして、駆動モータ38がこの被押圧力を受けるように設けられているので、駆動モータ38は、コイルスプリング42の付勢力に抗して往復移動体36の往復移動方向の解除位置側へ移動することになる。
それに対して、保持装置Fが保持状態であるときには、図11(ハ)に示すように、駆動モータ38が往復移動体36の往復移動方向の解除位置側に設定量以上移動する。したがって、駆動モータ38が駆動モータ検出スイッチ50に接触し、駆動モータ検出スイッチ50がONとなる。
前記昇降台1の昇降台1の右側部には支柱54が立設され、この支柱54の上端部にシートベルト装置52のリトラクタ52aが設けられている。そして、支柱54には手摺り55も設けられている。
前記昇降台1の左側部には、シートベルト装置52のバックル52bが設けられ、このバックル52bにベルトスイッチ53が設けられている。
そして、制御装置Hは、入力される各種の情報や指令に基づいて、シリンダ用電動モータ6、スライド用電動モータ19、後受け止め体用電動モータ29、駆動モータ38の作動を制御する。
図13(イ)は、地面G上またはその近くの下降位置に昇降台1が位置するときを示しており、図13(ロ)は、車両Vの床面と同じ高さまたはほぼ同じ高さの上昇位置に昇降台1が位置するときを示しており、図13(ハ)は、車両Vの内部に格納される格納位置に昇降台1が位置するときを示している。
図13(イ)に示すように、昇降台1が下降位置に位置しかつ後受け止め体28が許容姿勢である状態で、車椅子Pを昇降台1に載置させる。そして、シートベルト装置52を装着状態とするとともに、保持装置Fのワイヤ31を回転ドラム32から引き出してフック体30を車椅子PのフレームP1に引掛ける。
このフック体30を車椅子PのフレームP1に引掛けた状態で、ペンダント式操作具56の保持ボタン56dを押し操作することにより保持指令を指令する。すると、制御装置Hは、保持装置Fを保持状態に切り換えるべく、駆動モータ38を作動させる。すなわち、制御装置Hは、駆動モータ38を作動させて回転アーム39を解除用回転位置から保持用回転位置まで回転駆動させることにより、保持装置Fを保持状態に切り換える。
その後、ペンダント式操作具56の上昇ボタン56aを押し操作することにより昇降指令としての上昇指令を指令する。すると、まず、制御装置Hは、後受け止め体28を許容姿勢から阻止姿勢に切り換えるべく、後受け止め体用電動モータ29を作動させる後受け止め体開閉制御を実行する。次に、制御装置Hは、図13(イ)に示す下降位置から図13(ロ)に示す上昇位置へ昇降台1を上昇移動させたのち、図13(ハ)に示す格納位置まで昇降台1をスライド移動させるべく、シリンダ用電動モータ6およびスライド用電動モータ19を作動させる昇降制御としての上昇制御を実行する。
図13(ハ)に示すように、昇降台1が格納位置に位置する状態で、ペンダント式操作具56の下降ボタン56bを押し操作することにより昇降指令としての下降指令を指令する。すると、制御装置Hは、図13(ハ)に示す格納位置から図13(ロ)に示す上昇位置へ昇降台1をスライド移動させたのち、図13(イ)に示す下降位置まで昇降台1を下降移動させるべく、シリンダ用電動モータ6およびスライド用電動モータ19を作動させる昇降制御としての下降制御を実行する。
その後、ペンダント式操作具56の開きボタン56cを押し操作することにより開き指令を指令する。すると、制御装置Hは、後受け止め体28を阻止姿勢から許容姿勢に切り換えるべく、後受け止め体用電動モータ29を作動させる後受け止め体開閉制御を実行する。
そして、ペンダント式操作具56の解除ボタン56eを押し操作することにより解除指令を指令する。すると、制御装置Hは、保持装置Fを解除状態に切り換えるように駆動モータ38を作動させる。すなわち、制御装置Hは、駆動モータ38を作動させて回転アーム39を保持用回転位置から解除用回転位置まで回転駆動させることにより、保持装置Fを解除状態に切り換える。
このようにして、図13(イ)に示すように、下降位置に昇降台1を位置させた状態で、後受け止め体28を許容姿勢としかつ保持装置Fを解除状態とすることにより、車椅子Pを昇降台1から地面Gに移動させることができる。
また、制御装置Hは、車椅子検出センサ51にて載置状態を検出していないときには、保持状態検出手段47が保持状態を検出していないおよびベルトスイッチ53が装着状態を検出していなくても、昇降指令に基づいて昇降制御を実行するように構成されている。
前記保持状態検出手段47が保持状態を検出しているときとは、上述の如く、引き出し状態検出スイッチ48が引き出し状態を検出している状態、回転アーム検出スイッチ49が保持用回転位置状態を検出している状態、駆動モータ検出スイッチ50が駆動モータ移動状態を検出している状態という三つの状態のすべてが満たされているときである。
また、制御装置Hは、載置状態であるときには、保持状態検出手段47が保持状態を検出しておりかつベルトスイッチ53が装着状態を検出していると昇降制御を実行する(ステップ3〜5)。
そして、制御装置Hは、保持状態検出手段47が保持状態を検出していないと昇降制御を実行不可とし、ベルトスイッチ53が装着状態を検出していないと昇降制御を実行不可とする(ステップ6)。
ちなみに、制御装置Hが昇降制御を実行不可とするときには、図示は省略するが、例えば、ペンダント式操作具56の表示部や異常ランプなどにより、保持状態検出手段47が保持状態を検出していない状態であるか、ベルトスイッチ53が装着状態を検出していない状態であるかを報知するようにしてもよい。
(1)上記実施形態では、引き出し状態検出スイッチ48が引き出し状態を検出している状態、回転アーム検出スイッチ49が保持用回転位置状態を検出している状態、駆動モータ検出スイッチ50が駆動モータ移動状態を検出している状態という三つの状態のすべてが満たされていると、保持状態検出手段47が保持状態と検出しているが、上記三つの状態のうち、少なくとも二つが満たされていると、保持状態検出手段47が保持状態と検出するように構成することができる。
シートベルト装置52とベルトスイッチ53とを設けない場合には、制御装置Hは、車椅子検出センサ51が載置状態を検出しているときには、保持状態検出手段47が保持状態を検出していると昇降指令に基づいて昇降制御を実行しかつ保持状態検出手段47が保持状態を検出していないと昇降指令に拘わらず昇降制御を実行しないように構成され、かつ、車椅子検出センサ51にて載置状態を検出していないときには、保持状態検出手段47が保持状態を検出していなくても、昇降指令に基づいて昇降制御を実行するように構成する。
5,6 昇降操作手段
30 フック体
31 索状体
32 回転ドラム
33 ドラム操作手段
36 往復移動体
37 往復操作手段
38 駆動モータ
39 回転アーム
40 被係合溝
40a 傾斜溝部
40b 直交溝部
41 係合ピン
47 保持状態検出手段
51 車椅子検出手段
52 シートベルト装置
53 ベルト装着状態検出手段
F 保持手段
H 制御手段
P 車椅子
V 車両
Claims (6)
- 地面上またはその近くの下降位置と車両の床面と同じ高さまたはほぼ同じ高さの上昇位置とに載置部を前記車両に対して昇降操作自在な昇降操作手段と、
前記載置部に載置された車椅子をその載置部に対して動かないように位置決め保持する保持状態とその位置決め保持を解除する解除状態とに切換自在な保持手段と、
昇降指令に基づいて、前記昇降操作手段を作動させる昇降制御を実行する制御手段とが設けられている車両用昇降装置であって、
前記保持手段が保持状態であるか否かを検出する保持状態検出手段が設けられ、
前記制御手段は、前記保持状態検出手段が保持状態を検出しているときには、前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行し、かつ、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していないときには、前記昇降指令に拘わらず前記昇降制御を実行しないように構成され、
前記載置部に前記車椅子が載置されている載置状態か否かを検出する車椅子検出手段が設けられ、
前記制御手段は、前記車椅子検出手段が載置状態を検出しているときには、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していると前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行しかつ前記保持状態検出手段が保持状態を検出していないと前記昇降指令に拘わらず前記昇降制御を実行しないように構成され、かつ、前記車椅子検出手段が載置状態を検出していないときには、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していなくても、前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行するように構成されている車両用昇降装置。 - 前記載置部に載置された車椅子に着座する搭乗者をその車椅子に保持させるシートベルト装置と、そのシートベルト装置が装着状態であるか否かを検出するベルト装着状態検出手段とが設けられ、
前記制御手段は、前記車椅子検出手段が載置状態を検出しているときには、前記保持状態検出手段が保持状態を検出しおよび前記ベルト装着状態検出手段が装着状態を検出していると、前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行し、かつ、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していないあるいは前記ベルト装着状態検出手段が装着状態を検出していないと、前記昇降指令に拘わらず前記昇降制御を実行しないように構成され、かつ、前記車椅子検出手段にて載置状態を検出していないときには、前記保持状態検出手段が保持状態を検出していないおよび前記ベルト装着状態検出手段が装着状態を検出していなくても、前記昇降指令に基づいて前記昇降制御を実行するように構成されている請求項1に記載の車両用昇降装置。 - 前記保持手段が、
前記車椅子に引掛け自在なフック体が先端部に設けられた索状体と、この索状体を巻き取る方向と引き出す方向とに回転自在な回転ドラムと、この回転ドラムを巻き取る方向に回転操作して前記保持状態に操作する保持操作状態と前記索状体の引き出し操作を許容するように前記回転ドラムの回転を許容する回転許容状態とに切換自在なドラム操作手段とから構成され、
前記保持状態検出手段が、前記回転ドラムから前記索状体が設定量以上引き出されている状態を前記保持状態として検出するように構成されている請求項1又は2に記載の車両用昇降装置。 - 前記保持手段が、
前記車椅子に引掛け自在なフック体が先端部に設けられた索状体と、この索状体を巻き取る方向と引き出す方向とに回転自在な回転ドラムと、この回転ドラムを巻き取る方向に回転操作して前記保持状態に操作する保持操作状態と前記索状体の引き出し操作を許容するように前記回転ドラムの回転を許容する回転許容状態とに切換自在なドラム操作手段とから構成され、
前記ドラム操作手段が、
前記回転許容状態に対応する解除位置と前記保持操作状態に対応する保持位置とに直線的に往復移動自在で、前記解除位置から前記保持位置への移動にて前記回転ドラムを巻き取り方向に操作して前記保持操作状態に操作しかつ前記保持位置から前記解除位置への移動にて前記回転ドラムを引き出し方向に操作したのち前記回転許容状態にする往復移動体と、この往復移動体を前記保持位置と前記解除位置との間で往復移動操作する往復操作手段とから構成され、
前記往復操作手段が、
前記往復移動体を前記保持位置に移動操作する保持用回転位置と前記往復移動体を前記解除位置に移動操作する解除用回転位置とに駆動モータにて回転駆動される回転アームと、この回転アームの先端部に設けられて前記往復移動体の被係合溝に係合する係合ピンとから構成され、
前記被係合溝が、
前記解除用回転位置から前記往復移動体の往復移動方向に対して傾斜する状態で延びる傾斜溝部と、この傾斜溝部に連なり前記往復移動体の往復移動方向に対して直交する状態で延びて前記保持用回転位置に至る直交溝部とから構成され、
前記保持状態検出手段が、前記回転アームが前記保持用回転位置に位置する状態を前記保持状態として検出するように構成されている請求項1又は2に記載の車両用昇降装置。 - 前記保持手段が、
前記車椅子に引掛け自在なフック体が先端部に設けられた索状体と、この索状体を巻き取る方向と引き出す方向とに回転自在な回転ドラムと、この回転ドラムを巻き取る方向に回転操作して前記保持状態に操作する保持操作状態と前記索状体の引き出し操作を許容するように前記回転ドラムの回転を許容する回転許容状態とに切換自在なドラム操作手段とから構成され、
前記ドラム操作手段が、
前記回転許容状態に対応する解除位置と前記保持操作状態に対応する保持位置とに直線的に往復移動自在で、前記解除位置から前記保持位置への移動にて前記回転ドラムを巻き取り方向に操作して前記保持操作状態に操作しかつ前記保持位置から前記解除位置への移動にて前記回転ドラムを引き出し方向に操作したのち前記回転許容状態にする往復移動体と、この往復移動体を前記保持位置と前記解除位置との間で往復移動操作する往復操作手段とから構成され、
前記往復操作手段が、
前記往復移動体を前記保持位置に移動操作する保持用回転位置と前記往復移動体を前記解除位置に移動操作する解除用回転位置とに駆動モータにて回転駆動される回転アームと、この回転アームの先端部に設けられて前記往復移動体の被係合溝に係合する係合ピンとから構成され、
前記被係合溝が、
前記解除用回転位置から前記往復移動体の往復移動方向に対して傾斜する状態で延びる傾斜溝部と、この傾斜溝部に連なり前記往復移動体の往復移動方向に対して直交する状態で延びて前記保持用回転位置に至る直交溝部とから構成され、
前記駆動モータが、
前記往復移動体の往復移動方向に沿って移動自在で弾性付勢手段にて前記保持位置側に付勢された状態で、かつ、前記回転アームを前記解除用回転位置から前記保持用回転位置へ回転駆動させるときに前記往復移動体の往復移動方向の前記解除位置側への被押圧力を受ける状態で設けられ、
前記保持状態検出手段が、前記駆動モータが前記往復移動体の往復移動方向の前記解除位置側に設定量以上移動している状態を前記保持状態として検出するように構成されている請求項1又は2に記載の車両用昇降装置。 - 前記保持手段が、
前記車椅子に引掛け自在なフック体が先端部に設けられた索状体と、この索状体を巻き取る方向と引き出す方向とに回転自在な回転ドラムと、この回転ドラムを巻き取る方向に回転操作して前記保持状態に操作する保持操作状態と前記索状体の引き出し操作を許容するように前記回転ドラムの回転を許容する回転許容状態とに切換自在なドラム操作手段とから構成され、
前記ドラム操作手段が、
前記回転許容状態に対応する解除位置と前記保持操作状態に対応する保持位置とに直線的に往復移動自在で、前記解除位置から前記保持位置への移動にて前記回転ドラムを巻き取り方向に操作して前記保持操作状態に操作しかつ前記保持位置から前記解除位置への移動にて前記回転ドラムを引き出し方向に操作したのち前記回転許容状態にする往復移動体と、この往復移動体を前記保持位置と前記解除位置との間で往復移動操作する往復操作手段とから構成され、
前記往復操作手段が、
前記往復移動体を前記保持位置に移動操作する保持用回転位置と前記往復移動体を前記解除位置に移動操作する解除用回転位置とに駆動モータにて回転駆動される回転アームと、この回転アームの先端部に設けられて前記往復移動体の被係合溝に係合する係合ピンとから構成され、
前記被係合溝が、
前記解除用回転位置から前記往復移動体の往復移動方向に対して傾斜する状態で延びる傾斜溝部と、この傾斜溝部に連なり前記往復移動体の往復移動方向に対して直交する状態で延びて前記保持用回転位置に至る直交溝部とから構成され、
前記駆動モータが、
前記往復移動体の往復移動方向に沿って移動自在で弾性付勢手段にて前記保持位置側に付勢された状態で、かつ、前記回転アームを前記解除用回転位置から前記保持用回転位置へ回転駆動させるときに前記往復移動体の往復移動方向の前記解除位置側への被押圧力を受ける状態で設けられ、
前記保持状態検出手段が、前記回転ドラムから前記索状体が設定量以上引き出されている状態、前記回転アームが前記保持用回転位置に位置する状態、前記駆動モータが前記往復移動体の往復移動方向の前記解除位置側に設定量以上移動している状態の三つの状態のうち、少なくとも二つの状態が満たされていると前記保持状態として検出するように構成されている請求項1又は2に記載の車両用昇降装置。
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