JP4639407B2 - 管理伝票の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄処理をしようとする家電製品、事務機器等の製品に貼着して使用する管理伝票に関し、特には家電リサイクル法に対応する管理伝票に関する。
【0002】
【従来の技術】
2001年度より制度化される「特定家庭用機器に係わる収集および再商品化等に関する法律」(以下、家電リサイクル法と称する)によって、消費者は不要になった家電製品(以下、廃家電と称する)を廃棄する際にリサイクル費用を負担するという仕組みになる。すなわち、消費者から家電製品の引き取りを求められた小売店等には有料回収を、また、メーカーには自社製品を引き取って再利用することを義務付けるものである。そして対象となる家電製品は、当面テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機の4製品である。
【0003】
そこで、廃家電が排出、運搬、処分される各工程で不法に投棄されることのないようにチェックするための仕組みの一つの方法として管理伝票を使用する方法が検討されている。
【0004】
この管理伝票制度は、例えば、廃棄しようとする家電製品に伝票形式のシールを貼り付け、伝票と廃家電が離れることのないようにしておき、この伝票が貼り付けられた廃家電が消費者→協力店→収集・運搬業者→小売り業者→リサイクル工場といった経路を経る度に、必要事項を伝票に記入し情報を追加すると共に、伝票を一枚ずつもぎ取り管理しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような条件を満たす管理伝票であるためには、一旦、廃家電に貼り付けた伝票は容易に剥がれないこと、伝票は汚損されないこと、耐候性にすぐれていること、使用素材は燃焼時に有害物質を出さないこと、等がクリヤーされなければならない。
本発明は、上記問題点をクリヤーにした管理伝票を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の発明は、基材フィルムの表面の全面に再剥離可能接着層を形成し、 該再剥離可能接着層上で、前記基材フィルムの周縁の一辺に永久接着層を部分的に形成し、該再剥離可能接着層上で該永久接着層に重ならないように、基材フィルムよりひと回り小さい複数枚の複写伝票を重ねて載置し、該複写伝票の上に、周縁の一辺では、基材フィルムと永久接着層により接着し、残りの辺の周縁では、基材フィルムと再剥離可能に接着するように、前記基材フィルムと同じ大きさのカバーフィルムを、複写伝票を覆うように設けることを特徴とする管理伝票の製造方法である。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記カバーフィルムが透明であることを特徴とする管理伝票の製造方法である。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1乃至2の発明において、前記基材フィルムならびにカバーフィルムに生分解性フィルムを用いたことを特徴とする管理伝票の製造方法である。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、前記複写伝票にノーカーボン用紙を用いたことを特徴とする管理伝票の製造方法である。
【0010】
また、請求項5の発明は、古紙を用いた離型紙に粘着層を塗布し、該粘着層形成面を前記基材フィルムの再剥離可能接着層形成面の他面と貼り合わせる工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4記載の管理伝票の製造方法である。
【0013】
上記のように本発明によれば、複写伝票の上には、基材フィルムと同じ大きさのカバーフィルムが設けられているので、複写伝票が汚損される恐れは少ない。また、カバーフィルムが透明であるので、カバーをかけたまま伝票の内容を認識することができる。
【0014】
カバーフィルムは再剥離可能な粘着剤で基材フィルムと接着しているので、カバーフィルムは基材フィルムと何回でも再剥離可能である。
基材フィルムやカバーフィルムに生分解性フィルムを使用することにより、一般ごみと一緒に処分できるし、燃焼時に有害物質がでることもない。また、複写伝票にノーカーボン用紙を使用することにより環境に配慮した管理伝票となる。さらに離型紙に古紙を使用することにより、より環境への負担を少なくした管理伝票となる。
【0015】
積層シートの、基材フィルムとカバーフィルムが再剥離可能に接着された少なくとも1つの隅角に、易引き剥がし機能が設けられているので、カバーフィルムを基材フィルムから引き剥がす際のきっかけを容易につかむことができる。
易引き剥がし機能としては、文言で指示する以外に、粘着層を設けない個所を設けたり、粘着層の上にシリコン樹脂等の離型剤を塗って粘着効果を無くしたり、カバーフィルムあるいは基材フィルムの隅角を一部切り欠いたり、あるいは前記方法を併用させたり、そのほか公知の方法、手段を用いることができる。
【0016】
基材フィルムの裏面に設ける粘着層は、被接着物に対して完全接着可能な粘着層なので、一度廃家電等に貼り付けると貼り代えることはできない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
本発明の管理伝票は、例えば、図1(a)、(b)に示すように、基材フィルム11の表面に粘着層12が設けられ、粘着層の上には基材フィルムよりひと回り小さい複数枚からなる一組の複写伝票13が載置され、複写伝票の上には基材フィルムと同じ大きさのカバーフィルム14が複写伝票を覆うように設けられ、積層シートを形成し、この積層シートの周縁の一辺は、基材フィルムとカバーフィルムの間で完全接着層12aを構成させ、残りの周縁は、基材フィルムとカバーフィルムの間で再剥離可能接着層12bを構成させている。
また、基材フィルム11の裏面は、全面に粘着層15を介して離型紙16が設けられて構成されている。
【0018】
基材フィルム11やカバーフィルム14には、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、生分解性プラスチックフィルム等の透明で比較的強度があり、耐候性の優れたプラスチックフィルムが使用できる。
なかでも生分解性プラスチックフィルムは、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルと植物原料を樹脂化したプラスチックフィルムで、微生物により分解されて、最終的には水や炭酸ガス等になる素材であり、一般ごみと一緒に廃棄できるという理由から特に好ましく使用できる。
【0019】
基材フィルム11とカバーフィルム14は、同種の生分解性プラスチックフィルムを使用することができる。
基材フィルム11やカバーフィルム14の厚みは30〜60μm程度が好ましく使用できる。
【0020】
基材フィルムの表面には、粘着層12が設けられている。この粘着層は、基材フィルムの一辺はカバーフィルムと完全接着する永久接着層12aを形成し、基材フィルムの残りの辺は、カバーフィルムと再剥離可能に接着する再剥離可能接着層12bを形成する。
【0021】
永久接着層12aを形成させる粘着剤としては、アクリルエステル共重合物を主体とする公知の粘着剤が使用可能であり、再剥離可能接着層12bを形成させる粘着剤としては、合成ゴム系、アクリル樹脂系、アクリルエマルジョン系、等の公知の粘着剤が使用可能である。
粘着層12の厚みは、15〜25μm程度が適量である。
【0022】
永久接着層12aと再剥離可能接着層12bを分けて塗布するには、リバースロールコート法、グラビアコート法等の公知の塗布方法を用いると良い。
また、最初に再剥離可能な粘着剤を全面に塗布した後、必要な個所にのみ、その上に完全接着可能な粘着剤を重ねて塗布しても良い。
【0023】
複写伝票13は、必要事項が記載され、かつ、追加情報が随時書き込み可能な公知の複写伝票を用いれば良い。但し、基材フィルムとカバーフィルムとを粘着層12を介して接着させるため、基材フィルムあるいはカバーフィルムよりひと回り小さく設計しておくことが肝要である。
また、環境に配慮してノンカーボン用紙を使用すると良い。
【0024】
基材フィルム11の裏面に設けられる粘着層15は、被接着物である、例えば、家電製品等に完全に接着することが必要なため、アクリル樹脂系のエマルジョンを主成分とする粘着剤をロールコート法等の公知の方法により15〜20μm程度離型紙16側に塗布し、基材フィルムの裏面と貼り合わせて得られる。
【0025】
使用する離型紙16は、例えば、クラフト紙等にシリコーン樹脂で離型処理を施した離型層を有する公知の離型紙を用いれば良い。なお、クラフト紙は古紙100%のものを使用することにより環境に配慮した管理伝票となる。
【0026】
なお、カバーフィルム14を基材フィルム11から引き剥がす際、容易に引き剥がすことができるようにするため、図1(a)に示すように、少なくとも1個所の隅角に易引き剥がし機能20を設けておく。
この易引き剥がし機能20は、基材フィルムの隅角に粘着加工を施さない部分を設けたり、カバーフィルムあるいは基材フィルムの隅角の一部を切り欠いたり、両者を併用したりすることにより、隅角からカバーフィルムが無理なく容易に剥がせるように、カバーフィルムを基材フィルムから引き剥がす際の取りかかりをつけようとするものである。
【0027】
【実施例】
以下に本発明の実施例をさらに具体的に説明する。
〈実施例1〉
基材フィルム11およびカバーフィルム14として、厚さ40μm、幅210mmのロール状で、ポリ乳酸樹脂タイプの生分解性プラスチックフィルムであるレイシア(商品名;三井化学株式会社製)を準備した。
【0028】
また、複写伝票13として、必要事項が記載され、かつ、追加情報が随時書き込み可能な、6枚一組の128×182mm寸法のノンカーボン用紙(上質55kg/四六判)を多数組準備した。
【0029】
さらに、厚さ15μmのポリエチレン(PE)が塗布された古紙100%からなる坪量80g/m2 のPE面に離型加工を施した幅210mmのロール状の離型紙16を準備した。
【0030】
つぎに、さきに準備したロール状の基材フィルム11の片面に、再剥離可能接着層12bを形成させるべく、アクリルエマルジョンタイプの粘着剤を塗布厚みが20μmになるようにリバースコータを用いて、全幅にわたって塗布した。
【0031】
次工程では、基材フィルム11の再剥離可能接着層12b塗布面に、154mmの間隔を置きつつ、タイミングを取りながら横方向に13mm幅でスポット的に永久接着層12aを形成させるべく、アクリルエステル共重合物タイプの粘着剤を塗布厚みが20μmになるように塗布し、同時に6枚一組の複写伝票13を粘着剤塗布面の上に永久接着層12aに重ならないように、かつ、両側に14mmの間隔を空けて載置し、さらにその上から先に準備したロール状のカバーフィルム14を基材フィルム11と重ねて積層する。
【0032】
ついで、先に準備した幅210mmのロール状の離型紙16の離型面に、粘着層15を形成させるべくアクリルエマルジョンタイプの粘着剤を塗布厚みが15〜20μmになるようにリバースコータを用いて全幅にわたって塗布した。
【0033】
粘着層15を設けたロール状の離型紙16の粘着層面と、先に作製して一定長さに切断した、複写伝票13を挿入した基材フィルム11とカバーフィルム14の粘着加工を施した積層シートの基材フィルム面とを重ねて貼り合わせて巻き取る。
その後一定長さ毎にカットし、一辺の幅210mm、長さ154mmの図1に示すような実施例1の管理伝票が作製できた。
【0034】
なお、図1に示すように、作製工程中に、再剥離可能接着層12bを形成させた方の隅角に易引き剥がし機能20を設けておくとカバーフィルム14を剥がす際のきっかけを作ることになり有利である。
【0035】
このようにして作製した管理伝票は、廃棄予定の家電製品等に離型紙を剥がして貼り付けると、途中で剥がれることがなく、強い接着性を保持している。
【0036】
【発明の効果】
上記のように本発明の管理伝票は、一旦製品に貼り付けると容易に剥がれないし、伝票は汚損されることなく、耐候性に優れ、使用素材は燃焼時に有害物質を出さず、廃棄時には一般ゴミと一緒に処分することが可能である。
さらに、家電リサイクル法に対応できるだけでなく、応用範囲の広い管理伝票である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管理伝票の一実施例を示す、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。
【符号の説明】
10‥‥管理伝票
11‥‥基材フィルム
12‥‥粘着層
12a‥永久接着層
12b‥再剥離可能接着層
13‥‥複写伝票
14‥‥カバーフィルム
15‥‥粘着層
16‥‥離型紙
20‥‥易引き剥がし機能
Claims (5)
- 基材フィルムの表面の全面に再剥離可能接着層を形成し、
該再剥離可能接着層上で、前記基材フィルムの周縁の一辺に永久接着層を部分的に形成し、
該再剥離可能接着層上で該永久接着層に重ならないように、基材フィルムよりひと回り小さい複数枚の複写伝票を重ねて載置し、
該複写伝票の上に、周縁の一辺では、基材フィルムと永久接着層により接着し、残りの辺の周縁では、基材フィルムと再剥離可能に接着するように、前記基材フィルムと同じ大きさのカバーフィルムを、複写伝票を覆うように設けることを特徴とする管理伝票の製造方法。 - 前記カバーフィルムが透明であることを特徴とする請求項1記載の管理伝票の製造方法。
- 前記基材フィルムならびにカバーフィルムに生分解性フィルムを用いたことを特徴とする請求項1または2記載の管理伝票の製造方法。
- 前記複写伝票にノーカーボン用紙を用いたことを特徴とする請求項1乃至3記載の管理伝票の製造方法。
- 古紙を用いた離型紙に粘着層を塗布し、該粘着層形成面を前記基材フィルムの再剥離可能接着層形成面の他面と貼り合わせる工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4記載の管理伝票の製造方法。
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