JPH0561633B2 - - Google Patents
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Description
(産業上の利用分野)
この発明は貼り替え防止用貼着材に関し、特
に、たとえば値札や容器の開口部に貼着する貼り
替え防止用ラベル等に用いる好適な貼り替え防止
用貼着材に関する。 (従来技術) 従来、値札等として用いられる貼り替え防止用
ラベルは、表面基材に適宜なミシン目または切目
を入れておき、たとえば店頭等でそれを剥がして
他の値札と貼り替えようとしたときには、ミシン
目や切目で分離・破損して、剥がされようとした
ことが一目で判別することができるようなものが
知られている。 一方、容器の開口部に未開封状態を表示するた
めに貼着される貼着紙は、パツケージの開口部分
の材料およびその表面処理方法などによつては、
たとえば店頭の陳列棚にならべられた商品を手に
取り、その場で容易に剥がすことができ、異物等
をパツケージの中に混入させた後剥がしたことが
わからないように再び貼着することができるの
で、外からその貼着紙を見ただけではパツケージ
がすでに開封されたかどうかわからない。そのた
めに、そのパツケージの内容物に、手を加えられ
たりしてしまうおそれがある。たとえば、パツケ
ージ内のお菓子に毒物が混在されたりするがごと
くである。 そこで、最近では、貼着後剥離したことがわか
る貼着フイルムが、市場に出回るようになつた。 第9図は、そのような貼着フイルムを示す断面
図である。 この貼着フイルム10は、フイルム12を含
み、このフイルム12の裏面の一部には、シリコ
ン層14が形成される。そして、その面に金属が
蒸着された蒸着層16として形成される。したが
つて、この蒸着層16の一部は、シリコン層14
が介在されることによつて、フイルム12に直接
蒸着されていない。さらに、蒸着層16と剥離シ
ート17とが感圧性接着剤層18で仮着される。 この貼着フイルム10は、剥離シート17を剥
がし、露出した接着剤層18の面をパツケージの
開口部分(図示せず)に押し当てて貼着される。
そして、開口部分に貼着された貼着フイルム10
が剥がされれば、シリコン層14よつてフイルム
12に直接蒸着されなかつた蒸着層16′の部分
のみが、接着剤層18で開口部分に接着されたま
ま残り、残つた所と剥がれた所により所定の文字
「開封済」等が現れることになる。さらに、開口
部分を開封すれば、そこに貼着され残つている蒸
着層16′が切られまたは引き裂かれ、これによ
つて開封状態がわかるのである。 (発明が解決しようとする問題点) ところが、このような貼着フイルム10は、そ
の金属がフイルム12およびシリコン層14に蒸
着されるので、被蒸着剤としてのフイルムは、ポ
リエステル等に限定される上にその他諸々の条件
を満たすことも必要で、コスト高になるという弊
害を有していた。また、フイルム12を剥がした
時に、フイルム12とともに引き剥がされた部分
において、被貼着剤の貼着部分に残存し露出した
接着剤層18の表面がベトつき、埃がつく等の欠
点を有し、衛生上も問題点を有していた。しか
も、露呈した接着剤層18の粘着力によつて、再
びフイルム12を貼着することも可能であり、所
期の目的を達成できないものであつた。 それゆえに、この発明の主たる目的は、貼着後
剥離されたことがわかり、しかも蒸着工程を必要
としない貼着材を提供することである。 (問題点を解決するための手段) この発明は、第1の層と、第1の層上に積層さ
れた剥離層と、前記剥離層上に積層された第2の
層、および、第2の層上に積層された接着剤層を
含む、貼着材であつて、第1の層を剥離層にて第
2の層から剥離せしめるのに要する力をaとし、
接着剤層の被貼着材との接着力をbとしたとき、
下記式 a<b を満足する、貼り替え防止用貼着材である。 (作用) 接着剤層は、貼着材に、被貼着材の表面や封か
ん部分に接着する接着力を与えている。 第2の層は、第1の層が剥がされた場合、その
初期の状態を保持する。 剥離層は、第2の層と第1の層とを剥離が容易
なようにしている。 第1の層は、第2の層が切れたり引き裂かれた
りするのを防いでいる。 (発明の効果) この発明によれば、第2の層が第1の層にコー
テイング等により積層されているので、従来のよ
うに蒸着を行なうことなく作ることができる。し
かも剥離層を介して、再貼着不可能な状態に第2
層と第1の層とが仮着されていて、所定形状に成
形したラベルをパツケージ等の開口部分から剥が
そうとすれば、第1の層が第2の層から剥がれて
再び貼着できないので、貼着された貼着材が剥離
されたことがわかる。さらに、、第2の層が切ら
れりに引き裂かれたりすると、再びもとの状態に
もどらないので、第2の層が分離されたことがわ
かる。したがつて、貼着された貼着材が剥離され
たことが一目でわかり、しかも従来必要だつた蒸
着工程を必要としない貼着材が得られる。 この発明の上述の目的、その他の目的、特徴お
よび利点は、図面を参照して行なう以下の実施例
の詳細な説明から一層明らかとなろう。 (実施例) 第1図はこの発明の一実施例を示す断面図であ
る。この実施例の貼着材10は、ラベル等として
用いられるもので、第9図に示す如く、貼着材1
0Aの上に貼着材10Bが巻き重ねられるといつ
たように、ロール状に巻かれている。そして、第
1の層としての表面層12の表面に、剥離層14
が積層され、該剥離層14の表面に、第2の層と
しての樹脂層16が積層され、該樹脂層16の表
面にさらに、接着剤層18が積層されてなる。そ
して表面層12の主面には印刷層24が形成さ
れ、さらに、巻き重ねられる貼着材10Bの接着
剤層18に接合する貼着材10Aの表面層12の
表面には、第2の剥離層26が形成され、以下、
順次同様に形成されている。また、表面層12の
剥離層14側主面には、銀刷等のベタ印刷層23
が形成され、樹脂層16の接着剤層18側表面に
も印刷層22が形成されている。従つて、印刷層
23によつて、隠ぺい力が増して表面層12側よ
り印刷層22が透視することができなくなり、し
かも剥離層14の塗膜安定を図ることができる。
もつとも、印刷層22,23,24は形成しなく
てもよい。 そして、長尺帯状の貼着材10は、所定間隔を
おいてミシン目等の切目28が穿設され、所定の
細片に切断し得るように構成されている。 表面層12は、樹脂層16が切れたり引き裂か
れたりするのを防止するために形成されたもので
あり、剥離層14を介して樹脂層16が仮着され
ている。なお、表面層12の例としては、たとえ
ば紙、合成紙、セロフアン、ポリスチレン、ポリ
エステル等のフイルム又はアルミホイルなどがあ
げられるが、この貼着材10を切り離してなる貼
着材10aを折り曲げて封かん部分に貼着したと
きには、樹脂層16の接着力に抗して、表面層1
2が元の状態に復元しようとして剥離しないよう
な比較的柔軟なものがよい。 剥離層14は、樹脂層16と表面層12とを再
貼着不可能な状態に剥離することが容易になるよ
うに形成されたものであり、たとえばシリコン樹
脂、フツ素樹脂、ワツクスなどの剥離剤を塗布し
てなり、樹脂層16と表面層12との間に形成さ
れる。 樹脂層16は、たとえばパツケージの開口部分
を封かんするためのものであり、また、その封か
ん部分が開封された際、切れたり引き裂かれたり
して開封状態となすためのものである。この樹脂
層16は、ウレタン樹脂やEVA樹脂、その他
PVA、塩酢ビ、アクリル、塩化ビニル、ナイロ
ン等の樹脂を剥離層14の表面にコーテイングし
て形成される。なお、樹脂層16の他の例として
は、比較的弱い力を加えることによつて切つたり
引き裂いたりできるように形成された、金属粉末
が合成樹脂に混融されてなる合成樹脂をコーテイ
ングした樹脂層などがあげられる。 接着剤層18は、貼着材10にて所定形状に成
形されてなる貼着片10aに接着力を与えるため
のものであり、たとえば感圧型接着材などの接着
材からなり、樹脂層16の表面に形成される。 なお、この貼着材10は、表面層12を剥離層
14にて樹脂層16から剥離せしめるのに要する
力をaとし、接着剤層18がパツケージ等の被貼
着材に接着されたときの被貼着材との接着力をb
とし、巻き重ねられた貼着材10において、隣接
する貼着材10Aと10Bのうち、貼着材10B
の接着剤層18をそれと接合した貼着材10Aの
第2の剥離層26より剥離せしめるのに要する力
をcとすると、各々の部分の剥離に要する力が、
式c<a<bを満たすように構成する。 使用するには、まず、ロール状の貼着材10を
引き出し、隣接する貼着材10Aより剥がしつつ
所定長さを引き出した後、ミシン目等の切目28
において所定の貼着片10aに切り離し、接着剤
層18によつて、たとえば、第10図aに示す如
く、値札として貼着したり、お菓子のパツケージ
の開口部分に貼着する。また、第10図bおよび
cに示す如く、カンやビンの蓋の開口部分を完全
にシールする場合には、ミシン目等の切目28が
不要で、一連のものとして使用するとよい。 このように表面層12および樹脂層16などか
らなる貼着片10aが貼着されたパツケージの開
口部分を開けるためには、貼着された貼着片10
aを剥がし、その封かん部分を開けなければなら
ない。この場合、表面層12が樹脂層16に剥離
層14を介して弱く仮着され、一方、樹脂層16
がパツケージの開口部分に接着剤層18で強く接
着されているので、貼着片10aを剥がそうとす
れば表面層12しか剥がすことができず、樹脂層
16が接着材層18とともに封かん部分に貼着さ
れたまま残る。したがつて、一度表面層12を剥
離したならば、再び表面層12を樹脂層16の表
面に再貼着することができず、もとの状態にはも
どらないので、開封状態であることが一目瞭然に
してわかるのである。 そして、完全にパツケージの開口部分を開ける
ためには、引き剥がされずに残存している樹脂層
16を切つたり裂いたり、あるいは、開口部分か
ら剥離しなければならない。 なお、封かん部分を開けるために、表面層12
を剥がす際、それと同時に樹脂層16を切つたり
引き裂いたりした場合も、上記同様に樹脂層16
の状態を見れば、その開封状態がわかるのであ
る。 なお、この例では、貼着片10aが、お菓子の
パツケージに使用されたが、このほかに薬のパツ
ケージ、封筒、袋などの封かんすべき部分、そし
て、価格を表示した値札として使用され得ること
は当然である。 以下、この発明を、より一層明らかにするため
に、この発明にかかる貼着材の製法の一例に基づ
いて説明する。 第2図及び第3図は、この発明の実施例に用い
る積層体を製造するための装置の一例を示す図解
図である。 この積層体30は、表面層12の上に、剥離層
14および樹脂層16を、その順序で積層したも
のである。 装置100は、帯状の表面層12を形成する表
面材12aをロール状に保持するための保持ロー
ラ102を含む。保持ローラ102に保持された
表面材12aは、その一端がときほどかれて、剥
離剤塗布装置104に導かれる。 剥離剤塗布装置104は、表面材12aの一方
の表面に、たとえば、シリコン樹脂、フツ素樹脂
などの剥離剤14aを印刷塗布するためのもので
あり、2つのローラ104aおよび104bを含
む。ローラ104aは、その下部がパン104c
に溜めた剥離剤14aに浸漬されている。したが
つて、ローラ104aおよび104bを回転させ
ることによつて、それらの間に導かれた表面材2
0aの表面に剥離剤14aが印刷塗布される。な
お、剥離剤塗布装置104としては、グラビアロ
ールコーター、リバースロールコーター、エアー
ナイフコーター等の塗布装置を用いてもよく、
又、オフセツト印刷機、スクリーン印刷機などの
公知の印刷機を用いてもよい。 そして、剥離剤14aが印刷塗布された表面材
12aは、たとえばヒータを含むドライヤー10
6に導かれる。ドライヤー106では、表面材1
2aに印刷塗布された剥離剤14aが乾燥されて
剥離層14として形成される。このように剥離層
14が形成された表面材12aは、巻き取り装置
108に導かれる。 次に、再び、巻き取り装置108に巻き重ねら
れたロール状の表面材12aを、剥離剤塗布装置
104の保持ローラ102に装填する。そして、
前記したと同様に、表面層12の剥離層14面と
は反対側の主面に、前記剥離層14の剥離力と比
較して軽い剥離力の剥離剤を塗布して、第2の剥
離層26を形成する。 このように、この実施例では、剥離力を表面材
12aの両主面において、異ならしめている。す
なわち、剥離層14の方が、第2の剥離層26よ
り重い剥離力としているが、これは、例えば剥離
剤の成分を異ならせて剥離力に差異をつけたり、
あるいは、剥離剤の塗布量を変えて差異をつけ
る。 そして、更に第2の剥離層26が形成され、ロ
ール状に巻き重ねられた表面材12aは、第3図
に示された別の樹脂16aの積層装置110に装
填される。 積層装置110は、2つのローラ112および
114を含む。ローラ112は、その下部がパン
116に溜めたウレタン樹脂またはEVA樹脂等
の樹脂16aに浸漬されている。したがつてロー
ラ112および114を回転させることによつ
て、それらの間に導かれた表面材12aの剥離層
14の表面に、樹脂16aが印刷塗布される。そ
して、樹脂16aがコーテイングされた表面材1
2aは、さらにドライヤー120に導かれ、乾燥
固化される。これによつて、表面層12の表面の
剥離層14の表面上に、樹脂16aがコーテイン
グされて、樹脂層16が形成された積層体30が
形成される。そして、この積層体30は、つぎの
印刷装置130に送られる。印刷装置130は、
たとえばオフセツト印刷機などの公知の印刷機か
らなり、積層体30の移送経路に設けられる。そ
して、この印刷装置130によつて樹脂層16の
表面に、たとえば「開封済」の文字などを印刷し
た印刷層22が形成される。また、例えばパツケ
ージ等の被貼着材の表面にあらかじめ「開封済」
等の所定の画線を印刷しておき、表面層12を剥
がしたとき、樹脂層16を通して、被貼着材に形
成された画線を透視し得るようにすれば、印刷層
22を形成しなくてもよい。 次に、積層体30を切取り用ミシン目等の切目
28を形成する切目形成装置136に導く。切目
28は、多数の同一の配列を分割するようにして
形成され貼着材10を1枚つづに分割することを
容易にするためのものである。この切目形成装置
136は、このような切目28の形状に対応する
形状の切り刃を有する。そして、この切目形成装
置136としては、切り刃ローラを含む装置等を
用いてもよい。もつとも、切目28を形成しない
貼着材の場合には、切目形成装置136で切目2
8を形成しなくてもよいことは当然である。 このようにして印刷層22が形成された積層体
30は、巻き取りローラ140によつてロール状
に巻き取られ保持される。 第4図は第3図に示した積層体30を用いて、
さらに接着剤層18を積層するための装置の一例
を示す図解図である。 装置150は、塗布装置152を含む。 塗布装置152は、積層体30の樹脂層16の
表面に接着剤18aを塗布するためのものであ
り、メインローラ154と該メインローラ154
に対向して設けられたローラ156を含む。そし
て、メインローラ154はその下部がパン158
に溜められた接着剤18aに浸漬されており、メ
インローラ154とローラ156とに挟まれてい
る積層体30の樹脂層16の表面に、メインロー
ラ154で接着剤18aが塗布される。 そして、接着剤18aが印刷塗布された積層体
30は、たとえばヒータを含む乾燥機122に導
かれる。乾燥機122では、積層体30印刷塗布
された接着剤18aが乾燥されて接着剤層18と
して形成される。そして、接着剤層18と積層体
30が積層されてなる貼着材10は、巻き取りロ
ーラ160に導かれる。 このようにして、製造された貼着材10をもつ
てラベル化するためには積層体30を、印刷装置
等を含むラベルを製造するための装置に装填すれ
ばよい。 前記実施例においては、第2の剥離層26を形
成する前に、「商品名」等の適宜な画線を表面層
12の表面に印刷してなる印刷層24が形成され
ている。もつとも、これらの印刷層22,23,
24は、単独もしくは2層以上の組み合わせとし
て形成してもよく、また全く形成しなくてもよ
い。 ここで、更に具体的に述べると、つぎの如くで
ある。 (1) 第1の層として厚さ5〜100μ程度の東レ株
式会社製ポリエステルフイルムを用い、剥離層
14を形成する剥離剤として東レ株式会社製シ
リコン樹脂を用い、硬化剤とともにコートし
た後、ドライヤーにて焼付して剥離層を形成す
る。そして、再び、第2の剥離層26を形成す
る剥離剤として剥離力が前記シリコン樹脂よ
り軽い東レ株式会社製シリコン樹脂(塗布量:
固形分0.3〜2g/m2)を用い、硬化剤ととも
にコートした後、ドライヤーにて焼付して第2
の剥離層26を形成する。つぎに、この剥離層
14の上に第2の層を形成する下記の表−1の
EVA樹脂を主成分とするホツトメルトを、厚
さ約5〜50μとなるようにコートする。このと
きEVA樹脂層を剥離層より剥がすのに要した
力aは70gであつた。このようにして作成され
た第1の層と第2の層の積層体に、東洋インク
製アクリル粘着剤(BPS−5127)を乾燥被膜
厚5〜50μとなるようにコートした。しかる
後、積層体をロール状に巻き重ねた。このとき
粘着剤層にて貼着材10を、巻き重ねられた内
側の貼着材10から剥がすのに要する力cは20
gであつた。かくして構成された貼着材をラベ
ル化して被貼着材(紙函、プラスチツク、ガラ
スビン等)に貼り付けた。このときの被貼着材
への接着力bは1000gであつた。貼り付けられ
たラベルを無理に被貼着材より剥がそうとした
ところ第1の層のポリエステルフイルムの方が
先に剥がされてしまつた。
に、たとえば値札や容器の開口部に貼着する貼り
替え防止用ラベル等に用いる好適な貼り替え防止
用貼着材に関する。 (従来技術) 従来、値札等として用いられる貼り替え防止用
ラベルは、表面基材に適宜なミシン目または切目
を入れておき、たとえば店頭等でそれを剥がして
他の値札と貼り替えようとしたときには、ミシン
目や切目で分離・破損して、剥がされようとした
ことが一目で判別することができるようなものが
知られている。 一方、容器の開口部に未開封状態を表示するた
めに貼着される貼着紙は、パツケージの開口部分
の材料およびその表面処理方法などによつては、
たとえば店頭の陳列棚にならべられた商品を手に
取り、その場で容易に剥がすことができ、異物等
をパツケージの中に混入させた後剥がしたことが
わからないように再び貼着することができるの
で、外からその貼着紙を見ただけではパツケージ
がすでに開封されたかどうかわからない。そのた
めに、そのパツケージの内容物に、手を加えられ
たりしてしまうおそれがある。たとえば、パツケ
ージ内のお菓子に毒物が混在されたりするがごと
くである。 そこで、最近では、貼着後剥離したことがわか
る貼着フイルムが、市場に出回るようになつた。 第9図は、そのような貼着フイルムを示す断面
図である。 この貼着フイルム10は、フイルム12を含
み、このフイルム12の裏面の一部には、シリコ
ン層14が形成される。そして、その面に金属が
蒸着された蒸着層16として形成される。したが
つて、この蒸着層16の一部は、シリコン層14
が介在されることによつて、フイルム12に直接
蒸着されていない。さらに、蒸着層16と剥離シ
ート17とが感圧性接着剤層18で仮着される。 この貼着フイルム10は、剥離シート17を剥
がし、露出した接着剤層18の面をパツケージの
開口部分(図示せず)に押し当てて貼着される。
そして、開口部分に貼着された貼着フイルム10
が剥がされれば、シリコン層14よつてフイルム
12に直接蒸着されなかつた蒸着層16′の部分
のみが、接着剤層18で開口部分に接着されたま
ま残り、残つた所と剥がれた所により所定の文字
「開封済」等が現れることになる。さらに、開口
部分を開封すれば、そこに貼着され残つている蒸
着層16′が切られまたは引き裂かれ、これによ
つて開封状態がわかるのである。 (発明が解決しようとする問題点) ところが、このような貼着フイルム10は、そ
の金属がフイルム12およびシリコン層14に蒸
着されるので、被蒸着剤としてのフイルムは、ポ
リエステル等に限定される上にその他諸々の条件
を満たすことも必要で、コスト高になるという弊
害を有していた。また、フイルム12を剥がした
時に、フイルム12とともに引き剥がされた部分
において、被貼着剤の貼着部分に残存し露出した
接着剤層18の表面がベトつき、埃がつく等の欠
点を有し、衛生上も問題点を有していた。しか
も、露呈した接着剤層18の粘着力によつて、再
びフイルム12を貼着することも可能であり、所
期の目的を達成できないものであつた。 それゆえに、この発明の主たる目的は、貼着後
剥離されたことがわかり、しかも蒸着工程を必要
としない貼着材を提供することである。 (問題点を解決するための手段) この発明は、第1の層と、第1の層上に積層さ
れた剥離層と、前記剥離層上に積層された第2の
層、および、第2の層上に積層された接着剤層を
含む、貼着材であつて、第1の層を剥離層にて第
2の層から剥離せしめるのに要する力をaとし、
接着剤層の被貼着材との接着力をbとしたとき、
下記式 a<b を満足する、貼り替え防止用貼着材である。 (作用) 接着剤層は、貼着材に、被貼着材の表面や封か
ん部分に接着する接着力を与えている。 第2の層は、第1の層が剥がされた場合、その
初期の状態を保持する。 剥離層は、第2の層と第1の層とを剥離が容易
なようにしている。 第1の層は、第2の層が切れたり引き裂かれた
りするのを防いでいる。 (発明の効果) この発明によれば、第2の層が第1の層にコー
テイング等により積層されているので、従来のよ
うに蒸着を行なうことなく作ることができる。し
かも剥離層を介して、再貼着不可能な状態に第2
層と第1の層とが仮着されていて、所定形状に成
形したラベルをパツケージ等の開口部分から剥が
そうとすれば、第1の層が第2の層から剥がれて
再び貼着できないので、貼着された貼着材が剥離
されたことがわかる。さらに、、第2の層が切ら
れりに引き裂かれたりすると、再びもとの状態に
もどらないので、第2の層が分離されたことがわ
かる。したがつて、貼着された貼着材が剥離され
たことが一目でわかり、しかも従来必要だつた蒸
着工程を必要としない貼着材が得られる。 この発明の上述の目的、その他の目的、特徴お
よび利点は、図面を参照して行なう以下の実施例
の詳細な説明から一層明らかとなろう。 (実施例) 第1図はこの発明の一実施例を示す断面図であ
る。この実施例の貼着材10は、ラベル等として
用いられるもので、第9図に示す如く、貼着材1
0Aの上に貼着材10Bが巻き重ねられるといつ
たように、ロール状に巻かれている。そして、第
1の層としての表面層12の表面に、剥離層14
が積層され、該剥離層14の表面に、第2の層と
しての樹脂層16が積層され、該樹脂層16の表
面にさらに、接着剤層18が積層されてなる。そ
して表面層12の主面には印刷層24が形成さ
れ、さらに、巻き重ねられる貼着材10Bの接着
剤層18に接合する貼着材10Aの表面層12の
表面には、第2の剥離層26が形成され、以下、
順次同様に形成されている。また、表面層12の
剥離層14側主面には、銀刷等のベタ印刷層23
が形成され、樹脂層16の接着剤層18側表面に
も印刷層22が形成されている。従つて、印刷層
23によつて、隠ぺい力が増して表面層12側よ
り印刷層22が透視することができなくなり、し
かも剥離層14の塗膜安定を図ることができる。
もつとも、印刷層22,23,24は形成しなく
てもよい。 そして、長尺帯状の貼着材10は、所定間隔を
おいてミシン目等の切目28が穿設され、所定の
細片に切断し得るように構成されている。 表面層12は、樹脂層16が切れたり引き裂か
れたりするのを防止するために形成されたもので
あり、剥離層14を介して樹脂層16が仮着され
ている。なお、表面層12の例としては、たとえ
ば紙、合成紙、セロフアン、ポリスチレン、ポリ
エステル等のフイルム又はアルミホイルなどがあ
げられるが、この貼着材10を切り離してなる貼
着材10aを折り曲げて封かん部分に貼着したと
きには、樹脂層16の接着力に抗して、表面層1
2が元の状態に復元しようとして剥離しないよう
な比較的柔軟なものがよい。 剥離層14は、樹脂層16と表面層12とを再
貼着不可能な状態に剥離することが容易になるよ
うに形成されたものであり、たとえばシリコン樹
脂、フツ素樹脂、ワツクスなどの剥離剤を塗布し
てなり、樹脂層16と表面層12との間に形成さ
れる。 樹脂層16は、たとえばパツケージの開口部分
を封かんするためのものであり、また、その封か
ん部分が開封された際、切れたり引き裂かれたり
して開封状態となすためのものである。この樹脂
層16は、ウレタン樹脂やEVA樹脂、その他
PVA、塩酢ビ、アクリル、塩化ビニル、ナイロ
ン等の樹脂を剥離層14の表面にコーテイングし
て形成される。なお、樹脂層16の他の例として
は、比較的弱い力を加えることによつて切つたり
引き裂いたりできるように形成された、金属粉末
が合成樹脂に混融されてなる合成樹脂をコーテイ
ングした樹脂層などがあげられる。 接着剤層18は、貼着材10にて所定形状に成
形されてなる貼着片10aに接着力を与えるため
のものであり、たとえば感圧型接着材などの接着
材からなり、樹脂層16の表面に形成される。 なお、この貼着材10は、表面層12を剥離層
14にて樹脂層16から剥離せしめるのに要する
力をaとし、接着剤層18がパツケージ等の被貼
着材に接着されたときの被貼着材との接着力をb
とし、巻き重ねられた貼着材10において、隣接
する貼着材10Aと10Bのうち、貼着材10B
の接着剤層18をそれと接合した貼着材10Aの
第2の剥離層26より剥離せしめるのに要する力
をcとすると、各々の部分の剥離に要する力が、
式c<a<bを満たすように構成する。 使用するには、まず、ロール状の貼着材10を
引き出し、隣接する貼着材10Aより剥がしつつ
所定長さを引き出した後、ミシン目等の切目28
において所定の貼着片10aに切り離し、接着剤
層18によつて、たとえば、第10図aに示す如
く、値札として貼着したり、お菓子のパツケージ
の開口部分に貼着する。また、第10図bおよび
cに示す如く、カンやビンの蓋の開口部分を完全
にシールする場合には、ミシン目等の切目28が
不要で、一連のものとして使用するとよい。 このように表面層12および樹脂層16などか
らなる貼着片10aが貼着されたパツケージの開
口部分を開けるためには、貼着された貼着片10
aを剥がし、その封かん部分を開けなければなら
ない。この場合、表面層12が樹脂層16に剥離
層14を介して弱く仮着され、一方、樹脂層16
がパツケージの開口部分に接着剤層18で強く接
着されているので、貼着片10aを剥がそうとす
れば表面層12しか剥がすことができず、樹脂層
16が接着材層18とともに封かん部分に貼着さ
れたまま残る。したがつて、一度表面層12を剥
離したならば、再び表面層12を樹脂層16の表
面に再貼着することができず、もとの状態にはも
どらないので、開封状態であることが一目瞭然に
してわかるのである。 そして、完全にパツケージの開口部分を開ける
ためには、引き剥がされずに残存している樹脂層
16を切つたり裂いたり、あるいは、開口部分か
ら剥離しなければならない。 なお、封かん部分を開けるために、表面層12
を剥がす際、それと同時に樹脂層16を切つたり
引き裂いたりした場合も、上記同様に樹脂層16
の状態を見れば、その開封状態がわかるのであ
る。 なお、この例では、貼着片10aが、お菓子の
パツケージに使用されたが、このほかに薬のパツ
ケージ、封筒、袋などの封かんすべき部分、そし
て、価格を表示した値札として使用され得ること
は当然である。 以下、この発明を、より一層明らかにするため
に、この発明にかかる貼着材の製法の一例に基づ
いて説明する。 第2図及び第3図は、この発明の実施例に用い
る積層体を製造するための装置の一例を示す図解
図である。 この積層体30は、表面層12の上に、剥離層
14および樹脂層16を、その順序で積層したも
のである。 装置100は、帯状の表面層12を形成する表
面材12aをロール状に保持するための保持ロー
ラ102を含む。保持ローラ102に保持された
表面材12aは、その一端がときほどかれて、剥
離剤塗布装置104に導かれる。 剥離剤塗布装置104は、表面材12aの一方
の表面に、たとえば、シリコン樹脂、フツ素樹脂
などの剥離剤14aを印刷塗布するためのもので
あり、2つのローラ104aおよび104bを含
む。ローラ104aは、その下部がパン104c
に溜めた剥離剤14aに浸漬されている。したが
つて、ローラ104aおよび104bを回転させ
ることによつて、それらの間に導かれた表面材2
0aの表面に剥離剤14aが印刷塗布される。な
お、剥離剤塗布装置104としては、グラビアロ
ールコーター、リバースロールコーター、エアー
ナイフコーター等の塗布装置を用いてもよく、
又、オフセツト印刷機、スクリーン印刷機などの
公知の印刷機を用いてもよい。 そして、剥離剤14aが印刷塗布された表面材
12aは、たとえばヒータを含むドライヤー10
6に導かれる。ドライヤー106では、表面材1
2aに印刷塗布された剥離剤14aが乾燥されて
剥離層14として形成される。このように剥離層
14が形成された表面材12aは、巻き取り装置
108に導かれる。 次に、再び、巻き取り装置108に巻き重ねら
れたロール状の表面材12aを、剥離剤塗布装置
104の保持ローラ102に装填する。そして、
前記したと同様に、表面層12の剥離層14面と
は反対側の主面に、前記剥離層14の剥離力と比
較して軽い剥離力の剥離剤を塗布して、第2の剥
離層26を形成する。 このように、この実施例では、剥離力を表面材
12aの両主面において、異ならしめている。す
なわち、剥離層14の方が、第2の剥離層26よ
り重い剥離力としているが、これは、例えば剥離
剤の成分を異ならせて剥離力に差異をつけたり、
あるいは、剥離剤の塗布量を変えて差異をつけ
る。 そして、更に第2の剥離層26が形成され、ロ
ール状に巻き重ねられた表面材12aは、第3図
に示された別の樹脂16aの積層装置110に装
填される。 積層装置110は、2つのローラ112および
114を含む。ローラ112は、その下部がパン
116に溜めたウレタン樹脂またはEVA樹脂等
の樹脂16aに浸漬されている。したがつてロー
ラ112および114を回転させることによつ
て、それらの間に導かれた表面材12aの剥離層
14の表面に、樹脂16aが印刷塗布される。そ
して、樹脂16aがコーテイングされた表面材1
2aは、さらにドライヤー120に導かれ、乾燥
固化される。これによつて、表面層12の表面の
剥離層14の表面上に、樹脂16aがコーテイン
グされて、樹脂層16が形成された積層体30が
形成される。そして、この積層体30は、つぎの
印刷装置130に送られる。印刷装置130は、
たとえばオフセツト印刷機などの公知の印刷機か
らなり、積層体30の移送経路に設けられる。そ
して、この印刷装置130によつて樹脂層16の
表面に、たとえば「開封済」の文字などを印刷し
た印刷層22が形成される。また、例えばパツケ
ージ等の被貼着材の表面にあらかじめ「開封済」
等の所定の画線を印刷しておき、表面層12を剥
がしたとき、樹脂層16を通して、被貼着材に形
成された画線を透視し得るようにすれば、印刷層
22を形成しなくてもよい。 次に、積層体30を切取り用ミシン目等の切目
28を形成する切目形成装置136に導く。切目
28は、多数の同一の配列を分割するようにして
形成され貼着材10を1枚つづに分割することを
容易にするためのものである。この切目形成装置
136は、このような切目28の形状に対応する
形状の切り刃を有する。そして、この切目形成装
置136としては、切り刃ローラを含む装置等を
用いてもよい。もつとも、切目28を形成しない
貼着材の場合には、切目形成装置136で切目2
8を形成しなくてもよいことは当然である。 このようにして印刷層22が形成された積層体
30は、巻き取りローラ140によつてロール状
に巻き取られ保持される。 第4図は第3図に示した積層体30を用いて、
さらに接着剤層18を積層するための装置の一例
を示す図解図である。 装置150は、塗布装置152を含む。 塗布装置152は、積層体30の樹脂層16の
表面に接着剤18aを塗布するためのものであ
り、メインローラ154と該メインローラ154
に対向して設けられたローラ156を含む。そし
て、メインローラ154はその下部がパン158
に溜められた接着剤18aに浸漬されており、メ
インローラ154とローラ156とに挟まれてい
る積層体30の樹脂層16の表面に、メインロー
ラ154で接着剤18aが塗布される。 そして、接着剤18aが印刷塗布された積層体
30は、たとえばヒータを含む乾燥機122に導
かれる。乾燥機122では、積層体30印刷塗布
された接着剤18aが乾燥されて接着剤層18と
して形成される。そして、接着剤層18と積層体
30が積層されてなる貼着材10は、巻き取りロ
ーラ160に導かれる。 このようにして、製造された貼着材10をもつ
てラベル化するためには積層体30を、印刷装置
等を含むラベルを製造するための装置に装填すれ
ばよい。 前記実施例においては、第2の剥離層26を形
成する前に、「商品名」等の適宜な画線を表面層
12の表面に印刷してなる印刷層24が形成され
ている。もつとも、これらの印刷層22,23,
24は、単独もしくは2層以上の組み合わせとし
て形成してもよく、また全く形成しなくてもよ
い。 ここで、更に具体的に述べると、つぎの如くで
ある。 (1) 第1の層として厚さ5〜100μ程度の東レ株
式会社製ポリエステルフイルムを用い、剥離層
14を形成する剥離剤として東レ株式会社製シ
リコン樹脂を用い、硬化剤とともにコートし
た後、ドライヤーにて焼付して剥離層を形成す
る。そして、再び、第2の剥離層26を形成す
る剥離剤として剥離力が前記シリコン樹脂よ
り軽い東レ株式会社製シリコン樹脂(塗布量:
固形分0.3〜2g/m2)を用い、硬化剤ととも
にコートした後、ドライヤーにて焼付して第2
の剥離層26を形成する。つぎに、この剥離層
14の上に第2の層を形成する下記の表−1の
EVA樹脂を主成分とするホツトメルトを、厚
さ約5〜50μとなるようにコートする。このと
きEVA樹脂層を剥離層より剥がすのに要した
力aは70gであつた。このようにして作成され
た第1の層と第2の層の積層体に、東洋インク
製アクリル粘着剤(BPS−5127)を乾燥被膜
厚5〜50μとなるようにコートした。しかる
後、積層体をロール状に巻き重ねた。このとき
粘着剤層にて貼着材10を、巻き重ねられた内
側の貼着材10から剥がすのに要する力cは20
gであつた。かくして構成された貼着材をラベ
ル化して被貼着材(紙函、プラスチツク、ガラ
スビン等)に貼り付けた。このときの被貼着材
への接着力bは1000gであつた。貼り付けられ
たラベルを無理に被貼着材より剥がそうとした
ところ第1の層のポリエステルフイルムの方が
先に剥がされてしまつた。
【表】
を用いてもよい。
また武田薬品株式会社製ウレタン樹脂を第2
の層としてコーテイングし、その他は前記例と
同様にしたときも同じような結果が得られた。 (2) 第1の層として厚さ5〜100μ程度の東レ株
式会社製ナイロンフイルムを用い、剥離層を形
成する剥離剤としてワツクスを塗布乾燥させ
た。つぎにこのワツクスの上に第2の層を形成
するウレタン樹脂またはEVA樹脂等を厚さ約
5〜50μとなるようにコートする。このときウ
レタン樹脂またはEVA樹脂をワツクス面より
剥がすのに要した力aは100gであつた。この
ようにして作成されたフイルムと第2の層との
積層体に東洋インク株式会社製粘着剤を乾燥被
膜厚5〜50μとなるようにコートした。しかる
後、積層体をロール状に巻き重ねたところ、こ
のとき第2の剥離層から粘着剤部分を剥がすの
に要する力cは20gであつた。かくして構成さ
れた貼着材をラベル化して被貼着材(紙函、プ
ラスチツク、ガラスビン等)に貼り付けた。こ
のときの被貼着材への接着力bは1000gであつ
た。貼り付けられたラベルを無理に被貼着材よ
り剥がそうとしたところ第1の層のナイロンフ
イルムの方が先に剥がされてしまつた。 接着剤層18を形成する接着剤18aは、前
記実施例と同様な感圧型接着剤を用いてもよい
が、第5図に示すような枚葉型(シート状)の
貼着材10を形成するときには、感圧型接着材
では、不用意に接着するので、水で濡らすと直
ちに溶解して強い接着力を示すような再湿型接
着剤を塗布すればよい。 この再湿型接着剤としては、たとえば水溶性
ポリエチレンやポバール(PVA)や澱粉糊等
の澱粉系の接着剤を用いる。なおこのような、
枚葉型(シート状)の貼着材10の場合には、
貼着材10とは異なつて、第2の剥離層26を
表面層12の表面に形成する必要性がなく、表
面層12の表面上に、第5図に示すように「商
品名」、「価格」等の画線を適宜印刷して印刷層
24aを形成してもよい。 また、切目も、第5図に示すように、ミシン
目からなる幅方向の切目28aと長さ方向の切
目28bとにより幅広のシート状貼着材10を
所定の大きさに区画し、切目28aおよび28
aにて切り離すことにより、適宜な大きさの貼
着片10aを形成するようにしてもよい。 また、披着剤層18を形成する接着剤18a
としては、常温では表面に粘着性がないか、加
熱すると活性化し粘着力を生じる感熱タイプの
接着剤を用いてもよい。感熱タイプの接着剤と
しては、加熱により接着剤が活性化する、例え
ば、ポリエチレンのような熱溶融性樹脂を主体
とした粘着性を有し冷却されることで接着され
る接着剤を用いてもよい。かかる接着剤を積層
体30の第2の層である樹脂層16の表面に塗
布する場合には、たとえば、第6図に示すよう
な、適宜な温度に加熱しながら接着剤を塗布す
る塗布装置158を用いて塗布すればよく、接
着剤18aが印刷塗布された積層体30は、冷
風を吹き出す装置を含む乾燥器124に導き、
接着剤18aを乾燥して接着剤層18を形成す
る。
また武田薬品株式会社製ウレタン樹脂を第2
の層としてコーテイングし、その他は前記例と
同様にしたときも同じような結果が得られた。 (2) 第1の層として厚さ5〜100μ程度の東レ株
式会社製ナイロンフイルムを用い、剥離層を形
成する剥離剤としてワツクスを塗布乾燥させ
た。つぎにこのワツクスの上に第2の層を形成
するウレタン樹脂またはEVA樹脂等を厚さ約
5〜50μとなるようにコートする。このときウ
レタン樹脂またはEVA樹脂をワツクス面より
剥がすのに要した力aは100gであつた。この
ようにして作成されたフイルムと第2の層との
積層体に東洋インク株式会社製粘着剤を乾燥被
膜厚5〜50μとなるようにコートした。しかる
後、積層体をロール状に巻き重ねたところ、こ
のとき第2の剥離層から粘着剤部分を剥がすの
に要する力cは20gであつた。かくして構成さ
れた貼着材をラベル化して被貼着材(紙函、プ
ラスチツク、ガラスビン等)に貼り付けた。こ
のときの被貼着材への接着力bは1000gであつ
た。貼り付けられたラベルを無理に被貼着材よ
り剥がそうとしたところ第1の層のナイロンフ
イルムの方が先に剥がされてしまつた。 接着剤層18を形成する接着剤18aは、前
記実施例と同様な感圧型接着剤を用いてもよい
が、第5図に示すような枚葉型(シート状)の
貼着材10を形成するときには、感圧型接着材
では、不用意に接着するので、水で濡らすと直
ちに溶解して強い接着力を示すような再湿型接
着剤を塗布すればよい。 この再湿型接着剤としては、たとえば水溶性
ポリエチレンやポバール(PVA)や澱粉糊等
の澱粉系の接着剤を用いる。なおこのような、
枚葉型(シート状)の貼着材10の場合には、
貼着材10とは異なつて、第2の剥離層26を
表面層12の表面に形成する必要性がなく、表
面層12の表面上に、第5図に示すように「商
品名」、「価格」等の画線を適宜印刷して印刷層
24aを形成してもよい。 また、切目も、第5図に示すように、ミシン
目からなる幅方向の切目28aと長さ方向の切
目28bとにより幅広のシート状貼着材10を
所定の大きさに区画し、切目28aおよび28
aにて切り離すことにより、適宜な大きさの貼
着片10aを形成するようにしてもよい。 また、披着剤層18を形成する接着剤18a
としては、常温では表面に粘着性がないか、加
熱すると活性化し粘着力を生じる感熱タイプの
接着剤を用いてもよい。感熱タイプの接着剤と
しては、加熱により接着剤が活性化する、例え
ば、ポリエチレンのような熱溶融性樹脂を主体
とした粘着性を有し冷却されることで接着され
る接着剤を用いてもよい。かかる接着剤を積層
体30の第2の層である樹脂層16の表面に塗
布する場合には、たとえば、第6図に示すよう
な、適宜な温度に加熱しながら接着剤を塗布す
る塗布装置158を用いて塗布すればよく、接
着剤18aが印刷塗布された積層体30は、冷
風を吹き出す装置を含む乾燥器124に導き、
接着剤18aを乾燥して接着剤層18を形成す
る。
第1図はこの発明の一実施例を示す断面図であ
る。第2図および第3図は、この発明の実施例に
用いる積層体を製造するための装置の一例を示す
図解図である。第4図は第3図に示した積層体3
0を用いて、さらに接着剤層18を積層するため
の装置の一例を示す図解図である。第5図はこの
発明の他の実施例を示す斜視図である。第6図
は、接着剤層18を積層するための他の装置を示
す図解図である。第7図は、この発明の一実施例
を示す斜視図である。第8図a,b,cはこの発
明にかかる貼着材の使用方法を示す斜視図であ
る。第9図は従来例を示す断面図である。 図において、10は貼着材、10aは貼着片、
12は表面層、14は剥離層、14aは剥離剤、
16は樹脂層、16′はフイルム、18は接着剤
層、18aは接着剤、22は印刷層、23は印刷
層、24は印刷層、26は第2の剥離層、30は
積層体積層体、102は保持ローラ、104は剥
離剤塗布装置、104a,104bはローラ、1
04cはパン、106はドライヤー、108は巻
き取り装置、110,110′は積層装置、12
0はドライヤー、122は乾燥装置、130,1
32は印刷装置、136は切目形成装置、140
は巻き取りローラ、150は装置、152は塗布
装置、154はメインローラ、156はローラ、
158はパン、160は巻き取りローラ、162
は保持ローラ、164,166はローラ、168
は巻き取りローラを示す。
る。第2図および第3図は、この発明の実施例に
用いる積層体を製造するための装置の一例を示す
図解図である。第4図は第3図に示した積層体3
0を用いて、さらに接着剤層18を積層するため
の装置の一例を示す図解図である。第5図はこの
発明の他の実施例を示す斜視図である。第6図
は、接着剤層18を積層するための他の装置を示
す図解図である。第7図は、この発明の一実施例
を示す斜視図である。第8図a,b,cはこの発
明にかかる貼着材の使用方法を示す斜視図であ
る。第9図は従来例を示す断面図である。 図において、10は貼着材、10aは貼着片、
12は表面層、14は剥離層、14aは剥離剤、
16は樹脂層、16′はフイルム、18は接着剤
層、18aは接着剤、22は印刷層、23は印刷
層、24は印刷層、26は第2の剥離層、30は
積層体積層体、102は保持ローラ、104は剥
離剤塗布装置、104a,104bはローラ、1
04cはパン、106はドライヤー、108は巻
き取り装置、110,110′は積層装置、12
0はドライヤー、122は乾燥装置、130,1
32は印刷装置、136は切目形成装置、140
は巻き取りローラ、150は装置、152は塗布
装置、154はメインローラ、156はローラ、
158はパン、160は巻き取りローラ、162
は保持ローラ、164,166はローラ、168
は巻き取りローラを示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 第1の層と、 前記第1の層上に積層された剥離層と、 前記剥離層上に樹脂をコーテイングしてなる第
2の層と、 前記第2の層上に積層された接着剤層とを含む
貼着材であつて、 第1の層を剥離層にて第2の層から剥離せしめ
るのに要する力をaとし、接着剤層の被貼着材と
の接着力をbとしたとき、下記式 a<b を満足する、貼り替え防止用貼着材。 2 貼着材は、ロール状に巻き重ねられたものを
含む、特許請求の範囲第1項記載の貼り替え防止
用貼着材。 3 前記第1の層は、剥離層が形成された面とは
反対側の面に形成された第2の剥離層を含み、 第1の層を剥離層にて第2の層から剥離せしめ
るのに要する力をaとし、接着剤層の被貼着材と
の接着力をbとし、ロール状に巻き重ねられたと
き接合された第1の層の第2の剥離層と接着剤層
とを剥離せしめるのに要する力をcとしたとき、
下記式 c<a<b を満足する、特許請求の範囲第2項記載の貼り替
え防止用貼着材。 4 前記貼着材はシート状のものを含む、特許請
求の範囲第1項記載の貼り替え防止用貼着材。 5 前記第1の層は、紙を含む、特許請求の範囲
第1項ないし第4項のいずれかに記載の貼り替え
防止用貼着材。 6 前記第1の層は、合成樹脂フイルムを含む、
特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに
記載の貼り替え防止用貼着材。 7 前記第1の層は、セロフアンを含む、特許請
求の範囲第6項記載の貼り替え防止用貼着材。 8 前記第2の層は、合成樹脂をコーテイングし
た樹脂層を含む、特許請求の範囲第1項ないし第
7項のいずれかに記載の貼り替え防止用貼着材。 9 前記第2の層は、ウレタン樹脂をコーテイン
グした樹脂層を含む、特許請求の範囲第8項記載
の貼り替え防止用貼着材。 10 前記第2の層は、EVA樹脂をコーテイン
グした樹脂層を含む、特許請求の範囲第8項記載
の貼り替え防止用貼着材。 11 前記剥離層は、シリコン樹脂をコーテイン
グした層を含む、特許請求の範囲第1項ないし第
10項のいずれかに記載の貼り替え防止用貼着
材。 12 前記剥離層は、フツソ樹脂をコーテイング
した層を含む、特許請求の範囲第1項ないし第1
1項のいずれかに記載の貼り替え防止用貼着材。 13 前記接着剤層は、感圧型接着剤を塗布して
なる接着剤層を含む、特許請求の範囲第1項ない
し第12項のいずれかに記載の貼り替え防止用貼
着材。 14 前記接着剤層は、再湿型接着剤を塗布して
なる接着剤層を含む、特許請求の範囲第1項ない
し第13項のいずれかに記載の貼り替え防止用貼
着材。 15 前記接着剤層は、感熱型接着剤を塗布して
なる接着剤層を含む、特許請求の範囲第1項ない
し第14項のいずれかに記載の貼り替え防止用貼
着材。 16 前記感熱型接着剤層は、熱溶融性樹脂を主
体とした接着剤層を含む、特許請求の範囲第15
項記載の貼り替え防止用貼着材。 17 前記第1の層は、その主面に形成された印
刷層を含む、特許請求の範囲第1項ないし第16
項のいずれかに記載の貼り替え防止用貼着材。 18 前記第2の層は、その主面に形成された印
刷層を含む、特許請求の範囲第1項ないし第17
項のいずれかに記載の貼り替え防止用貼着材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22018384A JPS6197684A (ja) | 1984-10-18 | 1984-10-18 | 貼り替え防止用貼着材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22018384A JPS6197684A (ja) | 1984-10-18 | 1984-10-18 | 貼り替え防止用貼着材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6197684A JPS6197684A (ja) | 1986-05-16 |
JPH0561633B2 true JPH0561633B2 (ja) | 1993-09-06 |
Family
ID=16747179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22018384A Granted JPS6197684A (ja) | 1984-10-18 | 1984-10-18 | 貼り替え防止用貼着材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6197684A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0642122B2 (ja) * | 1986-11-01 | 1994-06-01 | 狭山化工株式会社 | 剥離可能なフイルム積層体を備えた複合表示用ラベル |
JPH0617141Y2 (ja) * | 1987-12-08 | 1994-05-02 | 成就 宍戸 | 複層表示ラベル |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS509322U (ja) * | 1973-05-24 | 1975-01-30 |
-
1984
- 1984-10-18 JP JP22018384A patent/JPS6197684A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS509322U (ja) * | 1973-05-24 | 1975-01-30 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6197684A (ja) | 1986-05-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |